NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VIANOVA : HIT IT!】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALEX KERSKI OF VIANOVA !!

“I mean our goal is to make something that is not fully Metal, so if that’s an issue with someone i guess they can just listen to something else. It’s totally fine to have different preferences.”

DISC REVIEW “HIT IT!”

「僕らはこのアルバムを宣伝するためにソーシャルメディアをたくさん使ってきた。 個人的には、これからのバンドがTiktokやinstagramを使って自分たちを売り込むのをたくさん見てきたし、そんなに新しいことではないんだ。BRING ME THE HORIZON や SUICIDE SILENCE のようなメタルコア・バンドの多くが、昔myspaceでビッグになったことを考えればね。 正直なところ、それらはツールでしかなくて、親和性があるかどうかは、それをどう使いたいかによるような気がする。僕らはある程度力になっていると感じるけどね。自分たちでプロモをやることで、バンド外部の人に頼らなくてすむから。昔、それで嫌な思いをしたからね。僕らは自分たちの音楽が良くて、それをライブで演奏できれば、それでいいんだ」
ソーシャルメディア時代において、簡潔さと大げさな表現は注目を集める上で最も重要な手段です。例えば TikTokで人気を博したいなら、気まぐれなユーザーの集中力の持続時間を捉えるために、アルゴリズムを巧みに操れるかどうかが成功の鍵となります。ヘヴィ・メタルは確実に、リスナーのアテンション・タイムを捉えるだけの表現力がありながら、やっと近年、SNS を自在に操れるようになったようです。
デビューアルバムのリリース時点でSpotifyの月間リスナー数18万6000人を誇る VIANOVA は、アルゴリズムの攻略法を熟知しているバンドと言えるでしょう。ドイツ出身の4人組は、ペレストロイカ時代のソ連のディスコにいるかのような恰好で注目を集め、SNS には彼らのミーム動画が溢れかえっています。しかしもちろん、バイラルを得られるのはその確かな才能があってこそ。
「”Hit It!” の場合、可能なかぎり自然な感じで融合できるように努めたんだ。 もし僕たちの多様性が本物だと思うなら、君や他の人たちは、僕たちが取り入れているジャンルに対する純粋な評価と興奮を感じ取ることができるのかもしれないね。 よく比較されるTWELVE FOOT NINJA のようなバンドも、自分たちが取り入れている非メタル音楽を深く理解し、愛していると思うけど、彼らの曲では時にそうした要素が水と油のように構成全体でより分離しているため、もう少し切り離されているように感じるのかもしれないね」
VIANOVA のデビュー・アルバムとなる “Hit It!” は、ファンク、ヒップホップ、ソウル、ハードコア、ハイパーポップといったあまりにも多様なジャンルを融合させ、Djent なグルーヴがそのサウンドを支えています。熱狂的なエネルギー、ブルーノ・マーズ的ポップなセンス、ポスト・ハードコアのエッジ、そしてジャンルのメルティング・ポットが到達したのは、PERIPHERY や CLOSURE IN MOSCOW が統合失調症に冒されたかのような混沌。しかしその混沌は常に変化し続け、驚くほど精巧に自然に作られていて、それぞれのジャンルがあまりにも真に迫っています。
「僕らは伝統を守ろうとしているわけではないので、ジャンルの門番は気にしていないよ。 僕らのゴールはメタルっぽくないものを作ることなんだから、それが気になる人は他の曲を聴けばいいと思う。 曲の方向性に腹を立てる人がいるのは、僕にとっては奇妙なことなんだ。 今は素晴らしいバンドがたくさんいるから、非建設的なコメントを打つよりも、もっとクラシックなメタルバンドを探した方がきっと時間を有効に使えるような気がするけど、人それぞれなんだろうね」
メタルと非メタル。彼らの核融合が真に迫っているのは、楽曲の中でアイデアから次のアイデアへと飛び移るのではなく、ジャンルの実験を一曲ずつ丁寧に行っていく傾向があるからかもしれませんね。だからこそ、アルゴリズムで捉えたミーム的な奇抜さよりも、熟考された対比が際立っていくのです。こうした瞬間こそが VIANOVA の真骨頂であり、大胆にメタルを壊し、大胆にメタルを再構築していくのでしょう。メタルには TikTok で羽ばたく瞬間的な表現力がありますが、もちろん、インスタントなアテンション・スパンには収まりきらない魅力もあるのですから。
今回弊誌では、ボーカル Alexander Kerski にインタビューを行うことができました。「僕らのベーシスト、Raoul はクラシック・プログの大ファンなんだ。 OPETH, PAIN OF SALVATION, BETWEEN THE BURIED AND ME, PROTEST THE HERO をよく聴いていたよ」 どうぞ!!

VIANOVA “HIT IT!” : 10/10

INTERVIEW WITH ALEX KERSKI

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【ALEX】: My first musical love was the Beatles. I stumbled across them when i was 8 or 9 because the movie Yellow Submarine was playing on TV. My mother used to work at a Radio Station so she was able to burn all of their albums for me. Felix and Pauls Dad is also a huge Beatles Fan, so I’m pretty sure they we’re also in touch with their music from an early age on. He always points out how The Beatles originated a lot of musical trends to come. I also vividly remember listening to a bunch of Jamiroquai records in the car, since my dad is a huge fan. Later i moved on to Rockbands, like Green Day. Felix and Paul also had their Rock phases from what i can recount and we’re also big on classic Metalcore. When i joined the Band Parkway Drive and August Burns Red were Bands that came up a lot with them. Raoul our bassist is a big classic prog guy. Used to blast Opeth, Pain of Salvation, Between the Buried and Me and Protest the Hero a lot back in the day.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【ALEX】: 僕が最初に好きになった音楽はビートルズだった。 8歳か9歳のとき、テレビで映画 “イエロー・サブマリン” をやっていて、偶然ビートルズに出会ったんだ。 母がラジオ局で働いていたので、彼らのアルバムを全部焼いてくれた。 Felix と Paul の父親もビートルズの大ファンだから、幼い頃から彼らの音楽に触れていたのは間違いない。 彼らはいつも、ビートルズがいかに多くの音楽的流行を生み出したかを指摘しているよ。
また、父が大ファンだから、車の中で Jamiroquai のレコードを聴きまくったことも鮮明に覚えているね。 その後、僕は GREEN DAY などのロック・バンドに興味が移ったんだ。
Felix と Paul にもロック・フェイズがあったし、クラシックなメタルコアも大好きだった。 僕がバンドに加入したとき、PARKWAY DRIVE と AUGUST BURNS RED は一緒によく話していたバンドだった。 それから僕らのベーシスト、Raoul はクラシック・プログの大ファンなんだ。 OPETH, PAIN OF SALVATION, BETWEEN THE BURIED AND ME, PROTEST THE HERO をよく聴いていたよ。

Q2: Germany is famous for power metal and technical death metal, but what made you decide to pursue metalcore-based music?

【ALEX】: Probably a generational thing. All of us (except for Raoul really) got into Metalcore in our Teens and early Twenties so we wanted to play Metalcore music. We we’re never big on tech-death or the more classic German metal stuff to be quite honest. I personally only got into Tech-Death a little bit after joining vianova (as a listener) because of my Friend Tom Fountainhead Geldschläger who is a important figure in the german tech-death scene. I also performed backing vocals across his recent album Changeling, so technically i do have a tiny bit of tech-death history i suppose.

Q2: ドイツはパワー・メタルやテクニカル・デスメタルで有名ですが、メタル・コアをベースにした音楽を追求しようと思ったのはなぜだったんですか?

【ALEX】: おそらく世代的なものだろうね。 僕ら全員(本当に Raoul を除いて)、10代から20代前半にかけてメタルコアにハマったから、この音楽をやりたかったんだ。 正直なところ、僕らはテクデスやもっとクラシックなジャーマン・メタルにはあまり興味がなかったんだ。
個人的にリスナーとしてテクデスにハマったのは、VIANOVA に加入してからで、そのきっかけはドイツのテクデス・シーンの重要人物である友人の Tom Fountainhead Geldschläger だった。 彼の最近のアルバム “Changeling” でもバッキング・ヴォーカルを務めたから、テクデスの歴史にほんの少しはかかわっているんだけどね。

Q3: However, as the name Vianova suggests, your music is not just metalcore. Of course, there are metal bands that have introduced funk, jazz, and synthwave, but none of them have such “real” and large outside influences as you do, would you agree?

【ALEX】: I guess i wouldn’t agree to comparing ourself with other bands on this aspect because i wouldn’t want to make this a competition of who’s doing it best, because that just comes down to taste really. With Hit It! We tried to make the fusion feel a bit more natural and seemless if possible, even though there are some parts where the transitions do feel very drastic. If you think our influences seem real maybe you or other people can just sense that there is a genuine appreciation and excitement for the genres we are incorporating. I’d argue that bands like Twelve Foot Ninja (which we get compared to often) also deeply understand and love the non metal music they are incorporating but maybe it felt a bit more disconnected because with their songs the different elements we’re more seperate across the composition, like oil and water, in my memory.
You could also argue that our genre fusion is inherently inauthentic because funk, soul and jazz are rooted in african american culture and quite honestly we are german metalcore kids that also happen to love all kinds of music. So as much as we love the music, there is an obvious cultural disconnect there. I think it’s a sign of the times and globalization since Europe is very Americanized in terms of music and media. Ultimately i hope we are doing our influences justice and paying our respects. Maybe i’m overthinking this haha i don’t know.

Q3: ただ、VIANOVA (新たな道) という名前が示すように、バンドの音楽は単なるメタル・コアではありません。
もちろん、ファンクやジャズ、シンセ・ウェーブを取り入れたメタル・バンドはいますが、あなたたちほど “リアル” に外部からの影響を受けているバンドはいないでしょうね?

【ALEX】: まあ多様性で他のバンドと自分たちを比較することはしたくない。なぜなら、誰が一番うまくやっているかという競争にしたくないからね。 “Hit It!” の場合、可能なかぎり自然な感じで融合できるように努めたんだ。
もし僕たちの多様性が本物だと思うなら、君や他の人たちは、僕たちが取り入れているジャンルに対する純粋な評価と興奮を感じ取ることができるのかもしれないね。 よく比較されるTWELVE FOOT NINJA のようなバンドも、自分たちが取り入れている非メタル音楽を深く理解し、愛していると思うけど、彼らの曲では時にそうした要素が水と油のように構成全体でより分離しているため、もう少し切り離されているように感じるのかもしれないね。
ファンク、ソウル、ジャズはアフリカ系アメリカ文化に根ざしていて、正直に言うと、僕たちはドイツのメタルコア・キッズで、たまたまあらゆる音楽が好きなだけだ。だから、僕たちのジャンル融合は本質的に不自然だと言う人もいるかもしれないね。
音楽を愛する一方で、そこには明らかな文化的な断絶があるんだよ。ヨーロッパは音楽とメディアの面で非常にアメリカナイズされているので、これは時代の変化とグローバル化の兆候だと思う。最終的には、僕たちが影響を受けてきたものに正当な評価を与え、敬意を表せていることを願っているよ。もしかしたら考えすぎかもしれないけどね (笑)。よく分からないよ。

Q4: For example, if you play music as chill as “Uh Yaya,” you are likely to face gatekeepers who will say, “This is not metal”. How do you respond to such criticism?

【ALEX】: Honestly this wasn’t our concern really. Before our album we we’re quite the small band, which means our main problem was not peopes opinions, but rather that no one had an opinion on us, because they didn’t know we existed. Now i still don’t care because it’s not like we’re trying to uphold any traditions really. I mean our goal is to make something that is not fully Metal, so if that’s an issue with someone i guess they can just listen to something else. It’s totally fine to have different preferences.To me it’s kind of weird that someone would get angry at the direction of a song. There are so many great bands nowadays, so i feel like if the person would just look for a more classic metal band rather than typing an unconstructive comment they would probably spent their time better, but to each their own i guess.

Q4: 例えば、”Uh Yaya” のようなチルな音楽を演奏すれば、”これはメタルではない” というゲートキーパーに直面する可能性が高いですよね。 そのような批判にはどう対処していますか?

【ALEX】: 正直なところ、これは僕たちの心配事ではないんだ。 アルバムを出す前、僕たちはとても小さなバンドで、つまり僕たちの主な問題は、人々の意見ではなく、むしろ僕たちの存在を知らない、誰も僕たちに意見を持っていなかったということだったんだ。
でも、僕らは伝統を守ろうとしているわけではないので、今でも気にしていないよ。 僕らのゴールはメタルっぽくないものを作ることなんだから、それが気になる人は他の曲を聴けばいいと思う。 曲の方向性に腹を立てる人がいるのは、僕にとっては奇妙なことなんだ。
今は素晴らしいバンドがたくさんいるから、非建設的なコメントを打つよりも、もっとクラシックなメタルバンドを探した方がきっと時間を有効に使えるような気がするけど、人それぞれなんだろうね。

Q5: “Hit it!” is really great in that it breaks a lot of metal rules with the artwork, music and lyrics to make great metal! In your mind, is Vianova still a metal band?

【ALEX】: Yeah i do think that we are still playing some kind of Metal, since most of our songs are still structured around around the band format with riffs and breakdowns and stuff like that. Honestly i feel like genre-classifications don’t need to be so strict nowadays. In my mind they are used best for organizing for like playlists, or festivals/concerts or maybe referring someone a song or band based on their taste. Like „oh you like metal, here listen to this band my friend“.

Q5: 実際、”Hit It!” は、アートワーク、音楽、歌詞で多くのメタルのルールを破りながら素晴らしいメタルを作り上げているという点で、本当に素晴らしいですね! あなたの中では、VIANOVA はまだメタル・バンドなんでしょうか?

【ALEX】: そうだね、僕らはまだある種のメタルをやっていると思うよ。だって僕らの曲のほとんどは、リフやブレイクダウンなど、メタルのフォーマットを中心に構成されているからね。 でも正直なところ、今の時代、ジャンル分けはそれほど厳密である必要はないと感じている。
僕の中では、ジャンル分けはプレイリストやフェス、コンサートなどの企画に使うのがベストだと思うし、誰かの好みに合わせて曲やバンドを紹介するのにも使えるからね。 “君はメタルが好きだから、このバンドを聴いてみて” みたいにね。

Q6: Speaking of breaking metal’s rules, you’ve become a star on social networking sites such as TikTok, which used to be a metal weakness. Sleep Token and Ghost have also been using TikTok in recent years. Do you think that social networking and streaming are actually compatible with metal music?

【ALEX】: It’s true, we have used social media to promote this record a lot. I personally have seen a lot of upcoming bands use tiktok and instagram to market themselves and this isn’t really that new, if you consider that a lot of metalcore bands like bring me the horizon or suicide silence got big on myspace back in the day. Honestly i feel like they are tools and if they are compatible or not depends on how you want to use them. For me it felt empowering to a degree, because handling our promo ourselves ment i was not dependant on other people from outside the band doing a good job, since i had some bad experiences in the past with that. As long as your music is good and you can play it live you should be good.

Q6: メタルの掟破りといえば、VIANOVA は以前はメタルが苦手としていたTikTokなどのSNSでスターになりましたね。
SLEEP TOKEN や GHOST も近年TikTokを利用してビッグになりましたが、SNSやストリーミングは、実はメタル音楽と相性がいいと思いますか?

【ALEX】: 確かに、僕らはこのアルバムを宣伝するためにソーシャルメディアをたくさん使ってきた。 個人的には、これからのバンドがTiktokやinstagramを使って自分たちを売り込むのをたくさん見てきたし、そんなに新しいことではないんだ。BRING ME THE HORIZON や SUICIDE SILENCE のようなメタルコア・バンドの多くが、昔myspaceでビッグになったことを考えればね。
正直なところ、それらはツールでしかなくて、親和性があるかどうかは、それをどう使いたいかによるような気がする。僕らはある程度力になっていると感じるけどね。自分たちでプロモをやることで、バンド外部の人に頼らなくてすむから。昔、それで嫌な思いをしたからね。僕らは自分たちの音楽が良くて、それをライブで演奏できれば、それでいいんだ。

Q7: I feel that there now exists an important role for your uplifting energy and chilling feel as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【ALEX】: I personally do enjoy some j-rock and have watched a bunch of anime and red manga as a teen, however i wouldn’t say we have a general Japenese influence. We do however would love to play in Japan one day!

Q7: 今、暗い世界からの逃避先として、あなたの高揚するエネルギーとチルな感触が重要な役割を担っていると感じています。 日本のアニメやゲームもそのような役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はありますか?

【ALEX】: 個人的にはJ-ロックも好きだし、10代の頃はアニメやマンガもたくさん見たものだよ。でも日本の影響を大きく受けているとは言えないかもね。 でも、いつか日本でプレーしたいと思っているよ!

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【ALEX】: I think any kind of art has great potential to do lots of things. Sometimes it’s to offer solace and escapism, sometimes it’s to engage with current problems and call out things that are happening. Metal is a very diverse genre so i’m sure everyone can find what they are looking for.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い場所になっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルに何ができるのでしょうか。

【ALEX】: どんな種類のアートでも、いろいろなことができる大きな可能性を秘めていると思う。 ある時は慰めや逃避を提供し、ある時は現在の問題に関与し、起こっていることを訴える。 メタルはとても多様なジャンルだから、きっと誰もが自分の探しているものを見つけることができると思うよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED ALEX’S LIFE!!

The Beatles “Yellow Submarine Soundtrack”

Bring Me The Horizon ” There is a Hell Beliece Me I’ve Seen It. There is a Heaven Let’s Keep it a Secret”

Northlane “Singularity”

Tyler, the Creator “Igor”

Periphery “Alpha/Omega”

MESSAGE FOR JAPAN

Japan! We would love to play shows anywhere near you as soon as possible. Listen to the music and spread the word so we can share a few wild concerts with you. Hit it!

日本のみんな! できるだけ早く、日本でライブをしたいと思っているよ。 音楽を聴いて、僕たちがワイルドなコンサートをいくつかみんなと分かち合えるよう、広めてほしいな。 Hit It!

ALEX KERSKI

VIANOVA Facebook

VIANOVA Official

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【百合花 (LILIUM) : 萬事美妙】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH 百合花 (LILIUM) !!

“If composing music is like cooking, I’m probably a chef who loves using local ingredients. Taiwan has such a rich musical heritage to explore”

DISC REVIEW “萬事美妙”

「作曲が料理のようなものだとしたら、僕は地元の食材を使うのが大好きなシェフなのかもしれない。 台湾には探求すべき豊かな音楽遺産が多くあり、僕は大学でも民俗学を学んできた。 学べば学ぶほどその魅力に取りつかれ、だから僕は常にそうした要素を自分の作品に織り込んでいるんだ」
台湾へ旅したことのある人なら、彼の地の料理、その本場の躍動感に圧倒された経験があるはずです。その地で育ち、その地の歴史や空気を吸って生み出された文化の蓄積は、あまりにも尊く、そして魅力的です。
近年、そうした唯一無二の審美や精神性を自らのアートに取り入れるメタルやプログレッシブの綺羅星が登場し、シーンを牽引していますが、台湾の百合花もそうしたバンドのひとつ。そして彼らが料理した音楽は、西欧というポップスやロックの出発点を置き去りにするほど、理想的な東洋の神秘だといえるでしょう。
「僕は音楽を聴くたびに、その要素を分解し、ジャンルの起源をたどることに惹かれる。 音楽は人間が作り出したものだから、文章と同じように分析することができるんだよ。その土地の語彙や借用語、さらには発音を間違えて生まれた新しい用語みたいなものを、音楽の中に発見できる。だから将来、百合花の音楽を聴いた人々が、その中に埋め込まれた北管や南管の要素を発見してくれることを願っているよ」
音楽を文章に例えるとしたら、百合花が記す言葉は豊かなクレオールなのかもしれませんね。プログレッシブやメタル、オルタナティブ・ロックはもちろん、ボサノバ、レゲトン、ディスコ・ファンク、そして演歌にいたるまで、西洋も東洋もなく、あまりにも多様な音の葉を飲み込んだ彼らの音楽は、しかしいかなる時も “台湾的” なバイブスに貫かれています。
台湾に根付いた伝統音楽、北管・南管に加えて、銅鑼、リコーダー、葬儀の音楽。そして、多くの台湾人がマンダリン、北京語の台湾方言を使用する中で、台湾伝統の Hokkien (福建語) で紡がれる百合花の音楽には確実に台湾固有のスピリットが宿っています。だからこそ、百合花の音楽は、色彩豊かでに驚きに満ちた万華鏡の中に、確固とした独自のビジョンを投影できるのです。
「音楽は、人々に過去に起こったことを思い出させ、同じ過ちを繰り返さないようにすることができる。 例えば、僕たちの曲のひとつである “もし私が女だったら”(假使我是一個女人)は、政治的犠牲者である蔡奇遠さんの獄中告白をもとに生み出した。 脱獄中、彼は女装して美容院に行き、髪をセットしてもらっていたんだ」
戦争の足音がゆっくりと、しかし確実に忍び寄る東アジアにおいて、最新作 “萬事美妙” で彼らは各曲で複数の主人公の物語が探求することに決めました。祝福を授ける神様から、無力感に苛まれる外国人の叫び、道端の占い師の問いかけ、大道芸人の送別パフォーマンス、そして政治犯の嘆きまで、バンドの楽曲は台湾音楽に台湾音楽ならではの想像力豊かで、思考を要する視点をもたらしました。
そう、音楽は世界を変えることはできなくとも、その身に宿った旋律やリズム、そしてリリックで心を動かすストーリーを伝えることならできるのです。過去や寓話、物語から学ぶのもまた、おそらくアートを嗜む私たちの義務なのですから。そうすればきっと、”すべてが素晴らしくなる” はずです。
今回弊誌では、ボーカル/ギターの林奕碩 (リン・ イースォ) とベーシスト林威佐 (リン・ウェーズォ) にインタビューを行うことができました。「台湾の文化は日本文化の影響を強く受けている。 僕たちが若い頃は、年長者が日本の演歌を歌っているのをよく耳にしたものだよ。 そして、台湾の歌の多くも演歌の影響を受けているんだ。 僕たちの歌 “藝術家” も演歌の影響を使っているんだ。台湾の年長者の様子を表現するためにね。 あと、”猿捕り唄”(掠猴之歌)のアレンジは、任天堂の “マリオブラザーズ” のサウンドトラックの影響を受けているよ」 どうぞ!!

百合花 “萬事美妙” : 10/10

INTERVIEW WITH 百合花

Q1: Our magazine focuses on heavy metal and progressive music, but in recent years, more and more such bands are valuing their own culture, language, and roots. I assume you are one of them. Why do you make music that values Taiwanese culture, music, and language?

【SHUO】: If composing music is like cooking, I’m probably a chef who loves using local ingredients. Taiwan has such a rich musical heritage to explore; I’ve studied both in university and through folk traditions. The more I learn, the more fascinated I become, and I constantly weave these elements into my own work.
Before I discovered traditional music, Progressive Rock was my go-to―I love the structures used by bands like Yes, Kansas, and Queen’s ‘Bohemian Rhapsody.’ So, when I try to fuse tradition with rock, my ideas naturally lean toward that Prog Rock vibe. I’m also a big fan of the ‘manic’ and unpredictable arrangements you hear in bands like System of a Down.

Q1: 本誌はヘヴィ・メタルやプログレッシブ・ミュージックを中心に扱っていますが、近年、そうしたバンドが自国の文化や言語、ルーツを大切にするようになってきているように感じます。
百合花もまた、そんなバンドのひとつだと思いますが、あなたはなぜ台湾の文化、音楽、言語を大切にした音楽を作るのですか?

【SHUO】: 作曲が料理のようなものだとしたら、僕は地元の食材を使うのが大好きなシェフなのかもしれない。 台湾には探求すべき豊かな音楽遺産が多くあり、僕は大学でも民俗学を学んできた。 学べば学ぶほどその魅力に取りつかれ、だから僕は常にそうした要素を自分の作品に織り込んでいるんだ。
伝統音楽に出会う前は、プログレッシブ・ロックが僕のお気に入りだった。YES
や KANSAS、それから QUEEN の “ボヘミアン・ラプソディ” のような構造が大好きなんだ。 だから、伝統とロックを融合させようとすると、僕のアイデアは自然とプログレッシブな雰囲気に傾くんだ。 また、SYSTEM OF A DOWN のようなバンドで聴くことができる、”マニアック” で予測不可能なアレンジメントの大ファンでもあるよ。

Q2: Your use of the Taiwanese language is another important factor for 百合花! What is the significance of sticking to Taiwanese when most people use Mandarin?

【SHUO】: While Mandarin has developed its own unique local flavors and accents in Taiwan over the last 70 years, my heart belongs to the older traditions. Growing up in a family where Taiwanese Hokkien (Taigi) was the primary language, I was surrounded by a way of speaking that felt incredibly alive―full of raw emotion, humor, and everyday energy.
As a singer, you have to truly believe in the words coming out of your mouth to be convincing. For me, everything just clicks when I sing in Taiwanese. It feels authentic and ‘right’ in a way that other languages just can’t match.

Q2: 台湾語を使うことも百合花にとって重要な要素ですね! 台湾でも多くの人が北京語ベースの言葉を使う中、台湾語にこだわる意義はなんですか?

【SHUO】: この70年の間に、台湾では標準語が独自の風味とアクセントを持つようになった。だけど、僕の心は古い伝統に根ざしている。 台湾の福建語(タイギ)を母国語とする家庭で育った僕は、生の感情、ユーモア、日常のエネルギーに満ちた、信じられないほど生き生きとした話し方に囲まれていたんだ。
歌手として説得力を持たせるには、自分の口から出る言葉を心から信じなければならない。僕の場合、台湾語で歌うとすべてがピタリとはまる。 他の言語にはない、本物の “正しい” 感じがするからね。

Q3: In the East, pop and rock music is more or less influenced by Western music, theory, and culture, as is the case in Japan, but you have to find a way to deal with it, would you agree?

【WEI】: I agree. But I think the crucial part is finding your own way to express yourself. After all, everyone is influenced by different cultures, so it is difficult to sort them by using labels like East or West. I think Japanese music does a great job. You can hear the influence of Western Music, but also did some iconic breakthroughs in timbre and style.

Q3: 東洋では、ポップスやロックが多かれ少なかれ西洋の音楽、理論、文化の影響を受けていて、それは日本も同じです。あなたたちは、その葛藤に対処する方法を見つけたようですね?

【WEI】: そうだね。 でも肝心なのは、自分なりの表現方法を見つけることだと思う。 結局のところ、誰もが異なる文化の影響を受けているわけだから、東洋とか西洋とかいうレッテルで分類するのは難しい。 日本の音楽は素晴らしい仕事をしていると思う。 西洋音楽の影響も感じられるけど、音色やスタイルにおいて象徴的なブレークスルーもあるからね。

Q4: I feel that 北管・南管 are in a way one of the major roots of Taiwan and 百合花. By incorporating this into your rock, do you also intend to introduce it to the younger generation and the world without letting it fade away?

【SHUO】: Whenever I listen to music, I’m drawn to deconstructing its elements and tracing the origins of its genres. Since music is a human creation, it can be analyzed much like a sentence: you find local vocabulary, loanwords, and even new terms born from mispronunciations.
My hope is that when people in the future hear Lilium’s music, they’ll discover the Beiguan and Nanguan elements embedded within―almost like clicking a link on a website that leads you to a whole new world of discovery.

Q4: 北管・南管もある意味、台湾や百合花の大きなルーツのひとつだと感じています。 そうした伝統音楽をロックに取り入れることで、若い世代や世界にも風化させることなく紹介していきたいのですか?

【SHUO】: 僕は音楽を聴くたびに、その要素を分解し、ジャンルの起源をたどることに惹かれる。 音楽は人間が作り出したものだから、文章と同じように分析することができるんだよ。その土地の語彙や借用語、さらには発音を間違えて生まれた新しい用語みたいなものを、音楽の中に発見できる。
だから将来、百合花の音楽を聴いた人々が、その中に埋め込まれた北管や南管の要素を発見してくれることを願っているよ。ウェブサイト上のリンクをクリックすると、まったく新しい発見があるようにね。

Q5: Taiwanese culture is not only influenced by the West, but also by Japanese culture, right?What is the connection between your music and Japanese music and other cultures, such as anime and video games?

【WEI】: Taiwanese culture is very influenced by Japanese culture. When we were young,we often heard the elders sing Japanese enka. Many Taiwanese songs are also influenced by enka. Our song ‘Artist’(藝術家) uses this type of music to describe the state of elders. The arrangement of ‘The Monkey Catching Song’(掠猴之歌) is also influenced by the soundtrack of Nintendo’s “Mario Brothers”.

Q5: 台湾の文化は西洋だけでなく、日本の文化からも影響を受けていますよね。あなたの音楽と日本の音楽、そしてアニメやビデオゲームなど他の日本文化との関係はどういったものですか?

【WEI】: 台湾の文化は日本文化の影響を強く受けている。 僕たちが若い頃は、年長者が日本の演歌を歌っているのをよく耳にしたものだよ。 そして、台湾の歌の多くも演歌の影響を受けているんだ。
僕たちの歌 “藝術家” も演歌の影響を使っているんだ。台湾の年長者の様子を表現するためにね。 あと、”猿捕り唄”(掠猴之歌)のアレンジは、任天堂の “マリオブラザーズ” のサウンドトラックの影響を受けているよ。

Q6: I was very impressed by the song about a Taiwanese funeral. Does 萬事美妙 also have songs that deal with Taiwanese culture and traditions?

【SHUO】: The second recorder interlude in the song ‘Strange Smell’ (怪味)is an adaptation of the melody from ‘Sui Di Yu’ (Fish Beneath the Water), a traditional Beiguan piece.
https://www.youtube.com/watch?v=Utg5mbjlznQ.

Q6: 台湾のお葬式を歌った曲はとても印象的でした。”萬事美妙” にも、そうした台湾の文化や伝統を扱った曲があるのですか?

【SHUO】: 2つ目のリコーダー間奏曲 “Strange Smell” (怪味)は、北管の伝統曲 “Sui Di Yu”(水底の魚)のメロディーをアレンジしたものだよ。
https://www.youtube.com/watch?v=Utg5mbjlznQ

Q7: East Asia has been hearing the footsteps of war in recent years… Taiwan in particular has some difficult political, diplomatic issues, how are you dealing with those political and social issues?

【SHUO】: While staying informed about global politics is a civic duty, my heart lies in my craft. To me, creating art is the act of accumulating culture; there is nothing more vital than laboring for one’s own roots. In this interconnected world, it’s a pity to see global tastes converging so heavily toward the style of major cultural exporters.

Q7: 東アジアでは近年、戦争の足音が近づいているように思えます。 特に台湾は政治的、外交的に難しい問題を抱えていますが、そうした問題にあなたは個人的にどう対処していますか?

【SHUO】: 世界の政治について情報を得ることは市民の義務だけど、僕の心は芸術、創造にある。 僕にとって、芸術を創造することは文化を蓄積する行為なんだよ。自らのルーツのために、自らの文化を蓄積するために労働することほど重要なことはない。
この相互接続された世界において、世界の嗜好が主要な文化輸出国のスタイルに大きく収束していくのを見るのは残念なことだけどね。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can music do?

【WEI】: Music can remind people of what happened in the past through singing, and prevent them from repeating the same mistakes. For example, one of our songs, “If I Were a Woman,”(假使我是一個女人) is based on the prison confession of Mr. Tsai Chi-Yuan, a political victim. During his escape, he dressed up as a woman and went to a beauty salon to get his hair done. The song describes how Tsai Chi-Yuan suffered after escaping dressed as a woman and began to doubt his desire to dress up.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い場所となっています。 そんな世界で、音楽には何ができるのでしょう?

【WEI】: 音楽は、人々に過去に起こったことを思い出させ、同じ過ちを繰り返さないようにすることができる。
例えば、僕たちの曲のひとつである “もし私が女だったら”(假使我是一個女人)は、政治的犠牲者である蔡奇遠さんの獄中告白をもとに生み出した。 脱獄中、彼は女装して美容院に行き、髪をセットしてもらっていた。 この歌は、女装して脱獄した後、蔡氏がどのように苦しみ、自分の女装願望を疑うようになったかを描いているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LILIUM’S LIFE!!

Red Hot Chili Peppers “By the Way”

伍佰&China Blue “樹枝孤鳥”

Yes “Fragile”

Michael Jackson “Off the Wall”

Tenacious D “Tribute”

MESSAGE FOR JAPAN

SHUO: I truly admire the Japanese music scene―there’s an audience for every kind of unique sound. I really hope Japanese listeners will enjoy our music too! Can’t wait to see you all soon!

僕は心底、日本の音楽シーンを崇拝している。日本の音楽シーンには、どんなユニークなサウンドにも耳を傾けてくれるオーディエンスがいるからね。 だから、日本のリスナーにも僕らの音楽を楽しんでもらいたいね! 早くみんなに会いたいよ!

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【KARNIVOOL : IN VERSES】


COVER STORY : KARNIVOOL “IN VERSES”

“I do hope this album can help people in the way it has helped me, and also that it may inspire and encourage some people reading this, especially those entering their mid to later years to finish that project that they’ve wanted to finish for a while.”

IN VERSES

「目的を遂げる人もいる。遂げられない人もいる。何とかやっていける人もいる…やろうとしない人もいる」
これは、伝説的なオーストラリアのプログレッシブ・メタル・バンド、KARNIVOOL 4枚目のアルバム “In Verses” のコーラスの一部です。数々の賞を受賞したアルバム “Asymmetry” 以来、バンドは長き停滞状態に陥っていました。残ったファンは、滅多にないツアーと、時折の謎めいたソーシャルメディアの投稿でなんとか生き延びてきました。しかし、ついにその待ち時間は終わりました。
13年の時を超えたアルバム “In Verses” は、最高のプログレッシブ・メタル・バンドの一つである KARNIVOOL が時とともに強くなることをリスナーに粘り強く、そして辛抱強く思い出させてくれる作品です。リフはよりラウドに、リズムはより奔放に。しかし、このアルバムを最高傑作としているのは、メロディーとフックです。長年に渡って最高のモダン・プログ作品の一つとして記憶されるに違いないこのアルバムは、長い間オーブンの中で温められてきました。キッチンに常に料理人がいたわけではないにしても。
「まあ、すべての始まりと終わりをここで説明していたら永遠になってしまうけど、本当に長かった。実際、長すぎたよ。どのアーティストにも、ここまで長い時間をかけるのはお勧めしないね!過去10年ほど、新作に取り組んでいると何度か公言してきたはずにしても。以前のアルバムはどれも、いわゆる “オリンピック周期” の4年に沿っていたので、アルバム “Asymmetry” のリリース後、2014年初頭に4枚目のアルバムの制作に着手し、最初はほぼ同じ期間でのリリースを目指していたんだ。最初の試みは2016年半ば、プロデューサーの Forrester が西海岸に来て、アルバムの半分、あるいはEPの拡張版くらいの感じでレコーディングを始めた時だったね。最終的に “In Verses” に収録された曲のほとんどは、その時点ですでに制作中だった。今にして思えば、かなり生産的で、あのセッションのおかげで曲が完成に近づいたんだ。でも、まだ準備が整っていなかったのは明らかだった。
その後の数年間は、本当に軌道に乗ろうと努力する中で、厳しい日々だった。仕事は散発的で、たとえ進歩があったとしても、それは断片的で、試練の時期、個人的な葛藤、経済的な問題、そしてバンド内の勢いと結束力の深刻な欠如に満ちていたね。何かが芽生えたとしても、すぐに消えてしまうような感じ。この時期は僕にとって個人的にも大変な時期で、砂漠へ移住することにしたんだ。これは、健康と幸福を最優先にし、自分自身を癒し、再び自分の足で立つ機会を得るという点で、僕にとって大きな決断だった。この間には実に多くのことがあり、一段落にまとめるのは不可能だけど、これまでの道のり、あらゆる試練と苦難、失敗した試み、成功、そして僕たちの人生の年月はすべて価値があったと言えるだろう。それらすべての時間と経験が、アルバムに収録された曲という最終的な形へと凝縮されていった。今振り返ってみると、曲が息を吹き込み、熟成していくには、時間と空間が必要だったのだと思うんだ」

バンドの中心人物、ギタリスト Drew Goddard は紆余曲折を経たため、勢いという要素が逆に厄介な存在となったと感じていました。皮肉なことに、勢いを排除した “In Verses” はだからこそ素晴らしく、そして完璧に練られた構成となっています。無理強いするよりも、自分たちのプロセスを信頼していたからこそ、まとまりが生まれたのです。
「方向性を事前に決めることは決してないんだ。アルバムのテーマは直感的な創作上の決断からゆっくりと、しかも長い時間をかけて浮かび上がってくるイメージのようなものさ。だから、常にプロセスを信頼するという要素があり、音の冒険心とエネルギーが僕たちの創作プロセスを突き動かし、アルバムごとに共通のテーマを提供している。でも、僕たちは同じことを繰り返すのは好きじゃない。僕自身、自分が作る音楽の中に新しいサウンドや感覚を見つけ、それがこうして生まれたことに驚きたいという欲求に突き動かされている。振り返ってみると、”In Verses” はある意味、新境地を開拓したように聞こえる一方で、過去3枚のアルバムの要素も含まれており、バンドが共に歩んできた時間をより強固なものにしている。まるで一つの章の終わりと新たな章の始まりのようにね」
アルバムが形を成していくうち、ひとつのテーマが浮かび上がりました。それはまさに、13年という長い月日を経ても彼らが貫き通したもの。諦めないこと。挑戦を続けること。
「諦めないことが鍵だと思う!僕らはどのアルバムでもすごく挑戦的だけど、今回のアルバムはこれまでで最も挑戦的だった。人生は挑戦に満ちている。僕にとって KARNIVOOL の音楽は、逆境や困難を乗り越えて勝利を収めるためのサウンドトラックのようなもの。暗いけれど、一筋の光が僕たちを前に導いてくれる。だから、アルバム制作のプロセス、そこに込められた感情を作品に反映するのは、本当に自然な流れだった。僕にとっての報われた瞬間は、2023年初頭のヨーロッパツアーの頃。心身ともに健康で、ツアー前よりもずっと良くなり、バンドの雰囲気もポジティブになった。みんなで演奏し、ツアーを楽しみ、観客からのサポートと反応を喜べるようになった。8年間ヨーロッパツアーをしていなかった後、観客からこれほどの興奮と喜びを受け取ったことは、前進し続ける大きな原動力となったんだ。その気持ちが雪だるま式に大きくなり、そこから勢いがついたと感じているよ」

オーストラリアのパースから現れたことも、彼らの個性を強くしています。パースは地球上で最も孤立した大都市の一つであり、それが KARNIVOOL を世界的な音楽業界のトレンド追及のプレッシャーから守ってきたと言えるのかもしれません。
「初期の頃は、それが間違いなく役に立った。本当に未熟な中でも、自分たちの技術を磨くことができた。下手くそだったけど、世に出なくても手探りで自分たちの “もの” を見つけることができた。戸棚の下に眠って埃をかぶっている素材がたくさんあるんだ」
Goddard は活動休止期間中、この孤立をさらに一歩進め、自己反省のために砂漠へと移住しました。
「しばらくの間、人が少ない田舎で違う意味で自分がダメなことを許したんだ。でも、孤独と孤立の間には微妙な境界線があるんだよな。僕にとって最も孤独な瞬間は、人混みの中にいた時だったような気がするよ」
その “砂漠での時間” は、広大で同時に深く個人的な感覚を持つアルバム “In Verses” のDNAに深く影響を及ぼしました。現在彼らの影響は、依然として多岐にわたります。そもそもは MESHUGGAH, TOOL, SOUNDGARDEN のホーリー・トリニティを基盤としていましたが、新作はより意外な分野から影響を受けています。モロッコ音楽の微分音的変化、J Dillaの “酔ってよろめく” ヒップホップのリズム、そしてボイジャー探査機のゴールデン・レコードまで驚くべきカラフルなインスピレーションたち。
「ボイジャーのレコードでネイティブ・アメリカンの歌を聴いて、ゾクゾクしたんだ。強烈なダイナミクスの変化、何もない状態から巨大なものへと変化し、また元に戻る。僕たちは常に、これまで聴いたことのない音程やリズムを探しているんだ」

彼らのアルバムの中で最も精緻なアレンジメントを誇る “In Verses” ですが、最も長く聴き続けられる3曲は、作品の中間部にあります。もちろん、”Ghost” と “Drone” はプログではほとんど見られないような即時性を示し、”Opal” はアルバムで最も心を揺さぶるメロディーを収録しています。しかし、”In Verses” が輝かしい作品から特別な作品へと変貌を遂げるのは、 “Animation” から始まる部分であり、KARNIVOOL があらゆるツールを巧みに使いこなしその技巧を際立たせる、スリルとサスペンスに満ちたサウンドはまさに唯一無二でしょう。
「”In Verses” の中間部は、まさに今のバンドの特徴を体現している。”Animation”, “Conversations”, “ReAnimation” は、どれも同じ音楽モチーフ、いわば同じ音楽文化から生まれたと言えるだろう。それぞれ全く異なる独立した曲でありながら、共通のテーマを共有しているんだ。同様に、”Remote Self Control” は “Aozora” の制作から生まれた曲で、他の曲から曲が生まれた例も数多くある。こうした例は、長い時間をかけて書き上げられたアルバムに、統一感を与え、ひとつに繋がっていく。そうしたディテールの追求こそがこのアルバムの鍵だ。完成してもまだ突き詰めたい、放棄したくない気持ちがあるほどにね」
“Themata” が荒削りなオルタナ・メタルの導入部で、”Sound Awake” が広がりのあるメロディアスな傑作だとすれば、”Asymmetry” は難解で不協和音に満ちた作品でした。そして、このアルバムは音色の限界を押し広げ、しかしリスナーを “Asymmetry” の “煉獄” へ置き去りにはしません。
「 “The Refusal” が大好きなんだ。”Asymmetry” で最も耳障りな曲の一つ。解決しないキーで歌われている。最後の歌詞は “これは不可能だ” で、ただ奇妙な後味を残すだけだ。”In Verses” は、色々な意味でそれに対する反応なんだ。有機的な進行ではあるけど、僕らはもう少し何かを探求している…ストレートとは言いたくないけど、もっとハーモニーがあって、もっと安定したメロディーがある」

リード・シングル “Drone” はその言葉を裏付けています。推進力のある分厚いベースラインと、高らかに響くボーカルパフォーマンスが曲を牽引しますが、興味深いことに、この曲の起源は完全に機械的なものでした。
「タイトルは “Drone Commander” という機器に由来しているんだ。信号発生器なんだよ。それが生み出したドローン・サウンドが、この曲全体のベースになった。僕らはその機械にあわせて曲を書いたんだ。このトラックは、広大な西オーストラリアの砂漠の重みを響かせ、故郷ならではの壮大なロックリフに支えられている。それは、反映であり、再生でもある。”Opal” の”死がそばにあるかのように、私はじっと静かになるだろう” という歌詞も、ずっと心に留めていた。何かがひらめいて、最終的な歌詞にも反映されたんだ」
“Opal” の一部は、Goddard が KARNIVOOL と曲作りを始めた最初期に遡ります。
「中間とエンディングのリフは、実は “Themata” 時代に実家のパソコンで初めて録音した曲なんだ。そして20年後、収まる場所を見つけたんだ。より現代的にアレンジしてね。”You’ve been holding up…” で始まるヴァースは、”Asymmetry” 収録の “Aeons” からカットされた部分。曲全体が、今まで経験したことのない形でひとつにまとまった。昔からバラバラだったアイデアが、突然、ひとつの場所に収まったんだよね」
そして、ハープまで使用した深く心に響くこの曲は、バグパイプも含め、息を呑むようなクロージング “Salva” へと繋がっていきます。
「僕たちは今でもアルバムという音楽形態の価値を信じている。アルバムを最初から最後まで一つの旅として聴いてもらえれば、この曲の真髄はもっと伝わってくると思うんだ。KARNIVOOL の旅路を共に歩んでくれて、それを僕たちと共有してくれた人たちにとって、最後の2曲、”Opal” と “Salva” が何かを与えてくれるといいな… 僕自身、解放感、ある種のカタルシスを得られたからね」

“Drone” のアートワークは、灰色と白の海に浮かぶ荒涼とし傾いた船を描いていて、あるファンが “KARNIVOOL が最後にアルバムをリリースしたときは、あの船の下に水があった” とコメントしたジョークを彼らは気に入っています。つまり、”In Verses” の音楽やリリックは、そのアートワークから想像されるほど陰鬱なものではないと彼らは示唆しています。
「常に音楽主導なんだ。歌詞は音符への反応となる。だから何よりもまず、言葉の響きが重要だ。Ian は非常に即興的で、”Conversations” のような曲でそれは顕著だ。数テイクを録ると、突然彼の表情が変わる。”意味不明な言葉” を声に出して、それがやがて意味へと結晶化していく。僕らにとって、声はまず楽器であり、物語を語るのは次のステップなんだ。音楽にどう合うかが重要で、歌詞の意味は、言葉の響きによって決まることもある。発明というより発見だ。僕らは岩の中から歌を掘り出しているんだ」
THE BEATLES と MESHUGGAH は彼らのお気に入り二大バンドですが、制作のスピードは大きく違います。
「僕らの時代の4年は、ビートルズの世界では1週間くらいだろう (笑)。彼らがどうやってやったのか、わからないよ。ビートルズは MESHUGGAH と並んで僕のお気に入りのバンドだし、僕らの中でそのバランスは取れている。でも、彼らはあらゆるルールの例外なんだ」
彼らは困難を乗り越え、その努力に意味を持たせようとする勇気をリスナーに感じてほしいと願っています。そして、人生のピークを迎えた人、あるいはピークを越えた人に向けて、自らの音楽と姿勢を通して特別なメッセージを送っているのです。
「このアルバムが、誰かの力になればと願っている。僕自身を支えてくれたようにね。そして、特に中高年の人たちが、人生でずっとやりたかった作品なり、プロジェクトなりを成し遂げるきっかけになればと願っているんだ。僕はいつもこのことを考えていてね。時には辛い努力を経て、日の目を見るべき素晴らしい芸術。そんな芸術的な宝物が、世界中にたくさん眠っているはずなんだ。中高年になり、時間やお金、仕事や家族のことでアートを完成させることを諦めかけている人も多いだろう。だけどそれらは世界に残され、共有され、聞かれるに値するものであり、ハードディスクの中に永遠に埋もれてしまうべきではないんだよ。だから諦めずに、必要な助けを求め、ただ進み続けてほしい」

参考文献: NEW NOISE MAG :INTERVIEW: KARNIVOOL GUITARIST DREW GODDARD TALKS ‘IN VERSES’

MGM :KARNIVOOL: THE WAIT IS OVER – INSIDE THE 12-YEAR JOURNEY TO ‘IN VERSES’

THE MUSIC AU:Karnivool Detail The Epic Grind Behind ‘In Verses’: ‘Everyone’s Still Finding Really Beautiful Stuff On This Record’

COVER STORY + INTERVIEW 【WITHOUT GRIEF : DEFLOWER】REUNION SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOBIAS OLS OF WITHOUT GRIEF !!

“The Gothenburg scene was something we really looked up to and were heavily inspired by. Bands like In Flames, At the Gates, and Dark Tranquillity showed that extreme metal could be both aggressive and melodic without losing its edge.”

DISC REVIEW “DEFLOWER & ABSORBING THE ASHES”

「もしかしたら、今回の再結成は中年の危機のようなものかもしれないね。このままでいいのか…人生に対する虚無感、頭打ち、過去への後悔。過去を振り返り、かつて自分にとって全てだったメタルと再び繋がり、より現実的で誠実な方法であの感覚を味わいたいという思いが、今、芽生えているのかもしれないね」
ミッドライフ・クライシス。中年の危機。第二の思春期。中年にさしかかり、人生の残り時間がなんとなく見えてきて、自分の可能性がみるみる狭まっていくこの時期に、多くの人は心に揺らぎをおぼえ、葛藤や不安を感じるようになります。自分の人生はこのままで良いのだろうか、満たされているのだろうか、何者かになれたのだろうか。
そうして、虚無感や焦り、後悔に孤独を経験しながら、人生の目的を見出し、新たな生き方を見つける人もいるでしょう。そして、思春期に愛していたものや、若い頃やり残していたことに再び戻る人も少なくないはずです。スウェーデンの WITHOUT GRIEF も、かつては自らの “人生” だったヘヴィ・メタルに戻ってきた、再びメタルに人生の目的を見出した中年たち。
「”これで終わりだ” と正式に宣言したことはないんだ。バンドはゆっくりと衰退していった。リハーサルの回数は減り、コミュニケーションも少なくなり、ついには完全に消滅してしまった。メンバーの中には、他のバンドやキャリア、あるいは全く違う人生へと進んでいく人もいたけど、当時はそれが自然なことだったんだ。僕自身、10年以上ギターを弾くのをやめていたしね。数年後、ようやく再びギターを手に取った時、期待やプレッシャーを感じることなく、ただ音楽そのものを楽しむことができる、正しい理由で演奏できることに気づいたんだ。それが僕にとって重要な転機となったね」
メロデスの第二波、いわゆるイエテボリ・スタイルの波に乗って登場した WITHOUT GRIEF は、90年代後半に彗星の如く現れ、サポートもなく、野心と期待に押しつぶされ、ミレニアムを迎える前に歴史を閉じた短命のバンドでした。普通なら、すぐ忘れ去られてしまう数ある流れ星のひとつ。しかし、その強烈な扇情力とアグレッションを併合したメロデスは、わずか2枚のアルバムしか残していないにもかかわらず、彼らを伝説、もしくは幻の存在へと押し上げました。だからこそ、多くの待ち人が月の満ち欠けのごとく静かに、しかし輝きを灯したまま、WITHOUT GRIEF の復活をずっと願っていたのです。
「当時は IN FLAMES をよく聴いていて、”Whoracle” は “Deflower” の約1ヶ月後にリリースされたんだ。アルバム発売前にデモ曲を1曲聴いた時点で、何か特別なものが来ると確信していたよ。彼らの初期の作品は当時僕のお気に入りだったけど、”Whoracle” はまさにその伝統にふさわしい作品だった。メロディック・デスメタル全体にとって、とても刺激的な時代だったよね。多くのバンドが、それぞれ独自の方法で同時にジャンルを前進させていたんだ」
特に彼らのデビュー作 “Deflower” には、このジャンルを大人気に押し上げたあらゆる要素が詰め込まれていました。ツインギターによる繊細なリードとメロディ、クラシック・メタルの影響、正確で神速のドラミング、知的なテンポの変化、そして叫びと唸りを交互に織り交ぜた迫力のボーカル。また、スウェーデンのフォークロアの影響も非常に興味深く、初期の IN FLAMES 作品と同様に、ほぼすべての曲に魅力的に取り入れられています。実際、”Subterranean” や “The Jester Race” に比肩し、同じ年にリリースされた “Whoracle” を凌ぐと評する人も少なくなかったほど。
彼らに足りなかったのはただ、レーベルのサポートとほんの少しの運だけだったのかもしれませんね。それでも、四半世紀の後、彼らは戻ってきました。失ったものを、人生を、ヘヴィ・メタルを取り戻すために。プレッシャーからも、期待からも、自らの野心からも解き放たれ、中年となった今こそ、彼らには自由な創造の翼が宿ります。
今回弊誌では、ギタリスト Tobias Ols にインタビューを行うことができました。「ヘヴィ・メタルは国境やイデオロギーを超越し、同じ言葉を話さなくても、世界の反対側にいる人と瞬間や感情を共有することができる。人々を分断し続けるこの世界において、こうした繋がりはこれまで以上に重要なんだ。メタルは世界を変えることはできないけど、人々が目を覚まし、人間らしく意識を保つ助けとなる。時に、憎しみや単純化を静かに拒絶すること自体が、抵抗の形となるんだよ!」 どうぞ!!

WITHOUT GRIEF “DEFLOWER” : 10/10

INTERVIEW WITH TOBIAS OLS

Q1: It is indeed a return after a quarter of a century! Many fans have been waiting for you, but first of all, can you tell us why you decided to come back now? Do you plan to make new music?

【TOBIAS】: It just felt right this time. Over the years, we made a few attempts to reform the band in different ways, and me and Patrick even recorded some rough demos of new songs that never saw the light of day. For
one reason or another, the timing was never right, until now. We had talked many times over the years about doing some kind of reunion, but it always faded away. When 2025 marked 30 years since the band was formed, it felt like the perfect moment to at least do one show to celebrate that history, and from there, things naturally started to move forward. There are some new faces in the band now, since not all original members wanted or were able to participate, but the core with me and Nicklas as founding members and Björn who joined in after Ola left the band is still intact. Today, I actually think the band sounds better than ever. We have no obligations, no label pressure, and no expectations other than our own. That freedom is incredibly inspiring.
What happens next isn’t set in stone, but I would love to release new material if we can create something that truly represents Without Grief. For now, we’re focusing on rehearsing, reconnecting with the songs, and doing occasional live shows, then we’ll see where the road takes us.
Maybe it’s also a bit of a midlife-crisis thing, looking back, wanting to reconnect with something that once meant everything to you, and to relive that feeling in a more grounded and honest way.

Q1: 四半世紀ぶりの復活となりましたね! 多くのファンが復活を待ち望んでいましたが、まず最初に、なぜ今復帰を決意したのか教えていただけますか? 新曲を作る予定はありますか?

【TOBIAS】: 今がまさにその時だと感じたんだ。長年にわたり、様々な形でバンド再結成を何度か試み、僕と Patrick は新曲のラフなデモもいくつか録音していたんだけど、結局それが日の目を見ることはこれまでなかったんだ。
これまで、何らかの形での再結成について何度も話し合ってきたけど、結局実現には至らなかったんだよ。でも、2025年にバンド結成30周年を迎えるにあたり、その歴史を祝うために少なくとも一度はライブを行う絶好の機会だと感じ、そこから自然と物事が動き始めたんだ。オリジナルメンバー全員が参加を希望したり、参加できたわけではないから、現在は新しいメンバーもいる。それでも、創設メンバーである僕とNicklas、そして Ola の脱退後に加入した Bjorn という核となる部分は健在。今、バンドのサウンドはこれまで以上に良くなったと思っているよ。今の僕のたちには義務も、レーベルからのプレッシャーも、そして自分たち以外の人からの期待もない。この自由さが、信じられないほど刺激的なんだ。
今後の展開はまだ決まっていないけど、WITHOUT GRIEF を真に体現できる作品が作れたら、ぜひ新作をリリースしたいと思っているんだ。今はリハーサルに集中し、楽曲と再び向き合い、時折ライブも行っているよ。その後、どうなるか見守っていきたいと思う。
もしかしたら、これは中年の危機のようなものかもしれないね。このままでいいのか…人生に対する虚無感、頭打ち、過去への後悔。過去を振り返り、かつて自分にとって全てだったメタルと再び繋がり、より現実的で誠実な方法であの感覚を味わいたいという思いが、今、芽生えているのかもしれないね。

Q2: You released two albums and your activities seemed to be going well, but why did you break up around the year 2000?

【TOBIAS】: We were young, hungry, and full of expectations, probably too many and too big. We worked extremely hard and really believed things would move further than they did. When that didn’t happen, frustration slowly crept in. In the end, it all culminated in a live performance at a catastrophically badly arranged festival, which more or less became the final nail in the coffin. We never officially said, “This is the end.” The band just slowly faded away. Rehearsals became fewer, communication less frequent, and eventually we simply stopped existing. Some members moved on to other bands, careers, or completely different lives, which felt natural at the time.
I personally stopped playing guitar for more than a decade. When I finally picked up the guitar again years later, I realized I could enjoy playing for the right reasons again with no expectations or pressure, just the music itself. That was an important turning point for me.

Q2: 当時、あなたたちは2枚のアルバムをリリースし、活動も順調そうでしたが、2000年頃に解散したのはなぜだったんですか?

【TOBIAS】: 僕らは若く、ハングリー精神に満ち、期待に満ち溢れていた。おそらく、その期待が大きすぎたんだろう。僕たちは必死に働き、バンドがさらに発展していくと心から信じていた。しかし、それが叶わないと、徐々にフラストレーションが溜まっていったんだ。そしてついに、ひどく準備の行き届いていないフェスティバルでのライブパフォーマンスに至り、それがバンドの棺桶に打ち込む最後の釘となってしまった。
ただ、”これで終わりだ” と正式に宣言したことはないんだ。バンドはゆっくりと衰退していった。リハーサルの回数は減り、コミュニケーションも少なくなり、ついには完全に消滅してしまった。メンバーの中には、他のバンドやキャリア、あるいは全く違う人生へと進んでいく人もいたけど、当時はそれが自然なことだったんだ。
僕自身、10年以上ギターを弾くのをやめていたしね。数年後、ようやく再びギターを手に取った時、期待やプレッシャーを感じることなく、ただ音楽そのものを楽しむことができる、正しい理由で演奏できることに気づいたんだ。それが僕にとって重要な転機となったね。

Q3: You are also from Sweden, the home of melo-death, but your hometown is Falun, not Gothenburg. but were you following the scene in Gothenburg?

【TOBIAS】: Absolutely. The Gothenburg scene was something we really looked up to and were heavily inspired by. Bands like In Flames, At the Gates, and Dark Tranquillity showed that extreme metal could be both aggressive and melodic without losing its edge.
Falun wasn’t much of a music city back then, at least not when it came to metal. But that has definitely changed over the years. Today, I’d say Falun has a very alive and creative music scene, with several bands that have managed to make an impact both nationally and internationally. It’s great to see how things have evolved.

Q3: WITHOUT GRIEF はメロデスの本場スウェーデン出身ですが、出身地はイエテボリではなくファルンです。 少し場所は違いますが、イエテボリのシーンは追っていたのですか?

【TOBIAS】: まさにその通りだよ。イエテボリは僕たちが本当に尊敬し、多大な影響を受けたシーンだった。IN FLAMES, AT THE GATES, DARK TRANQUILLITY といったバンドは、エクストリーム・メタルがエッジを失うことなくアグレッシブさとメロディアスさを両立できることを示してくれたんだ。
当時、ファルンはメタルに関しては、それほど音楽の街といったわけではなかった。しかし、それは年月とともに確実に変化している。今では、ファルンは非常に活気がありクリエイティブな音楽シーンを擁していて、国内外で影響力を持つバンドが数多く存在する。こうして、地元が進化していく様子を見るのは素晴らしいことだよ 。

Q4: The first time I heard “Deflower” I was really surprised! 1997 was the year that “Whoracle”, a melodeath masterpiece, came out, and it was as good as that album. Were you aware of ”Whoracle”?

【TOBIAS】: Thank you! I listened to In Flames a lot at the time, and Whoracle was released about a month after Deflower. I had heard one of the songs in demo form before the album came out, so I knew something special was coming.
Their earlier records were among my favorite albums back then, and Whoracle absolutely lived up to that legacy. It was a very inspiring time for melodic death metal in general, so many bands pushing the genre forward simultaneously, each in their own way.

Q4: “Deflower” を初めて聴いたときは本当に驚きましたよ! 1997年といえば、メロデスの傑作 “Whoracle” が出た年ですが、あのアルバムに劣らない出来でしたからね。 “Whoracle” については、意識していましたか?

【TOBIAS】: ありがとう!当時は IN FLAMES をよく聴いていて、”Whoracle” は “Deflower” の約1ヶ月後にリリースされたんだ。アルバム発売前にデモ曲を1曲聴いた時点で、何か特別なものが来ると確信していたよ。
彼らの初期の作品は当時僕のお気に入りだったけど、”Whoracle” はまさにその伝統にふさわしい作品だった。メロディック・デスメタル全体にとって、とても刺激的な時代だったよね。多くのバンドが、それぞれ独自の方法で同時にジャンルを前進させていたんだ。

Q5: In fact, there were many unique melodeath bands in that era, such as At the Gates, In Flames, Dark Tranquillity, Arch Enemy, Amorphis, etc. Which of these bands did you particularly identify with?

【TOBIAS】: Those are all bands I listened to a lot, and still do today. We identified with all of them in different ways, but we never wanted to be a copy of anyone. Each of those bands had a strong musical identity, and they all had a big impact on us musically and creatively. If I had to narrow it down, I’d say In Flames and Arch Enemy are probably the closest to what Without Grief identifies with musically, but our sound was always a mix of many influences filtered through our own experiences and ideas.

Q5: 実際、あの時代には、IN FLAMES, AT THE GATES, DARK TRANQUILLITY, AMORPHIS, ARCH ENEMY など、個性的なメロデス・バンドがたくさん登場していました。 その中で特に共感していたのは、どのバンドでしたか?

【TOBIAS】: 君が挙げたのはすべて僕がよく聴いていたバンドで、今でも聴き続けているよ。それぞれに共感する部分があったけど、誰かの真似をしたいと思ったことはなかったよ。でも、それぞれのバンドが強い音楽的アイデンティティを持っていて、音楽的にもクリエイティブ面でも僕たちに大きな影響を与えてくれたね。
もし絞り込むとしたら、IN FLAMES と ARCH ENEMY が WITHOUT GRIEF の音楽的アイデンティティに最も近いと言えるだろう。でも、僕たちのサウンドは常に、僕たち自身の経験やアイデアを通して、様々な影響がミックスされたものだった。

Q6: You have two great albums, “Deflower” and “Absorbing the Ashes”. The first one is more melo-death and the second one is more ferocious, which do you like better?

【TOBIAS】: I like them both for what they are. Deflower was written when Nicklas was in the band, and we worked closely together on the songwriting. We had what felt like endless time to experiment, refine ideas, and really polish the songs.
Absorbing the Ashes was written under much more pressure, and I was mostly alone in the songwriting process. That resulted in a more direct, aggressive, and stripped-down album. It reflects a different state of mind and a different phase of life.
Now that Nicklas is back in the band, it will be interesting to see what impact that has on potential new material. You naturally evolve as a musician and songwriter over the years, so a third album would probably sound very different, but hopefully still unmistakably Without Grief, just with a more modern perspective. There’s no point in repeating the past exactly as it was.

Q6: WITHOUT GRIEF には、’Deflower” と “Absorbing the Ashes” という2枚の素晴らしいアルバムがありますね。1枚目はよりメロデス的で、2枚目はよりアグレッシブですが、個人的にはどちらがお好きですか?

【TOBIAS】: どちらも、ありのままの姿で気に入っているよ。 “Deflower” は Nicklas がバンドにいた頃に作曲されたもので、僕たちは密接に協力して曲作りをしていた。まるで無限に実験し、アイデアを洗練させ、曲を磨き上げる時間があったように感じられたね。
“Absorbing the Ashes” ははるかにプレッシャーの大きい中で作曲され、作曲プロセスはほぼ一人で進めたんだ。その結果、よりダイレクトでアグレッシブ、そして無駄を削ぎ落としたアルバムになった。それは、異なる心境、そして人生の異なる局面を反映していていたんだ。
Nicklas がバンドに復帰した今、それが新しい作品にどのような影響を与えるか、興味深いところだね。ミュージシャンとしてもソングライターとしても、人は年月とともに自然に成長していくものだから、3枚目のアルバムはおそらく大きく異なるサウンドになるだろう。しかし、より現代的な視点で、紛れもなく “Without Grief” であることに変わりはないはずだよ。過去をそのまま繰り返すことに意味はないけどね。

Q7: Your two albums and the other compilation all have “bones” as their artwork. That is very impressive, but why are they all bones?

【TOBIAS】: Both album covers were created by P. Grøn, who has also worked with bands like Hypocrisy and Dimmu Borgir. The idea of bones was his interpretation of the title Deflower, which means to strip away something’s beauty, essence, or outer shell.
Bones are what remain when everything else is gone, so it made perfect sense. I still think the Deflower cover is incredibly strong, both visually and symbolically. When it came time for Absorbing the Ashes, we wanted to continue exploring the same visual and thematic world.
Lyrically, Without Grief has always focused on the darker sides of life ― things that are often hidden beneath a person’s surface. The artwork reflects that idea very naturally.

Q7: 2枚のアルバムも、もう1枚のコンピレーションも、アートワークはすべて “骨” ですよね。 とても印象的ですが、なぜすべて骨にしていたのですか?

【TOBIAS】: 両アルバムのカバーは、HYPOCRISY や DIMMU BORGIR といったバンドも手掛けた P. Grøn の手によるものだ。”骨” というアイデアは、何かの美しさ、本質、あるいは外殻を剥ぎ取ることを意味するタイトル “Deflower” を、彼が解釈したものだったんだ。骨は、他のすべてが失われた後、最後に残るものなので、まさに理にかなったアイデアだったね。
“Deflower” のカバーは、視覚的にも象徴的にも、今でも非常に力強い作品だと思っている。だから、”Absorbing the Ashes” の制作にあたり、僕たちは同じビジュアルとテーマの世界を探求し続けたいと考えたんだ。
歌詞の面では、WITHOUT GRIEF は常に人生の暗い側面、つまり人の表面の下に隠れているものに焦点を当ててきた。アートワークもその考えを非常に自然に反映しているよ。

Q8: The music industry and the world have changed a lot in the last 25 years: social networking, war, division, discrimination, oppression… What can heavy metal do in such a dark world?

【TOBIAS】: Heavy metal cuts through borders and ideology, you can share a moment, a feeling, with someone from the other side of the world without speaking the same language. in a world that keeps pushing people apart, that kind of connection matters more than ever Heavy metal can’t fix the world, but it can help people stay awake, humane and aware. Sometimes that quiet refusal to accept hatred and simplification is its own form of resistance!
Heavy metal, and music in general, will always be something positive in a fucked-up world. It won’t fix wars or erase injustice, but it gives people a way to channel emotions that might otherwise stay buried. Music connects people across cultures, borders, and backgrounds. It gives a sense of belonging and understanding when the world feels divided. For me, music has always been a lifeline, and I honestly can’t imagine a world without it.

Q8: この25年間で、音楽業界も世界も大きく変わりました。SNS、戦争、分断、差別、抑圧…そんな暗い世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【TOBIAS】: ヘヴィ・メタルは国境やイデオロギーを超越し、同じ言葉を話さなくても、世界の反対側にいる人と瞬間や感情を共有することができる。人々を分断し続けるこの世界において、こうした繋がりはこれまで以上に重要なんだ。メタルは世界を変えることはできないけど、人々が目を覚まし、人間らしく意識を保つ助けとなる。時に、憎しみや単純化を静かに拒絶すること自体が、抵抗の形となるんだよ!
ヘヴィ・メタル、そして音楽全般は、この混乱した世界において、常にポジティブな存在であり続けるだろう。戦争を解決したり、不正を消し去ったりすることはできないけど、埋もれてしまうかもしれない感情を繋ぎ止める手段を与えてくれるんだ。音楽は文化、国境、そして背景を超えて人々を繋ぐ。世界が分断されていると感じる時、音楽は帰属意識と理解を与えてくれる。僕にとって、音楽は常に生命線であり、音楽のない世界は想像できないんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED TOBIAS’S LIFE!!

Metallica “Master of Puppets”

At the Gates “Slaughter of the Soul”

Devin Townsend “Ocean Machine”

Faith No More “The Real Thing”

Dissection “Storm of the Light’s Bane”

MESSAGE FOR JAPAN

Japan and its culture have always fascinated me. As a kid, I remember watching Starzinger and as many martial arts movies as we could get our hands on. Japanese martial arts are something I deeply respect and admire ― and honestly, who didn’t want to be a ninja as a kid? As for video games, Silent Hill on PlayStation 1 is still, in my opinion, one of the best games ever made, both atmospherically and emotionally.
Thank you for supporting Without Grief after all these years!!! We would love to come to Japan someday to perform ― it would truly be a dream come true!

日本とその文化は、常に僕を魅了してきた。子供の頃は、SF最遊記スタージンガーや手に入る限りのマーシャル・アーツ映画を観ていたのを覚えているよ。日本の格闘技は、僕が深く尊敬し、憧れているものだ。正直なところ、子供の頃に忍者になりたいと思わなかった人はいないよね?ビデオゲームに関しては、PlayStation1のサイレント・ヒルは、今でもアトモスフィアと感情の両面で、史上最高のゲームの一つだと思っているよ。
長年にわたり WITHOUT GRIEF を応援してくれて、ありがとう!!! いつか日本でライブができたら嬉しいよ。そうすれば、本当に夢が叶うね!

TOBIAS OLS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARUJA : PAIN TO POWER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JACOB HAYES OF MARUJA !!

“It’s very clear which artists have a lasting impression on us – it’s those that have stood the test of time and had a clear important message. Some of the most important figures in musical history are: Nina Simone, Marvin Gaye, The Beatles, Stevie Wonder, Michael Jackson, etc; all of which were unafraid to highlight how fractured our society has become and to help bring about change. Rage are right up there in this list, with their message ringing truer than ever.”

DISC REVIEW “PAIN TO POWER”

「音楽史における最も重要な人物には、ニーナ・シモン、マーヴィン・ゲイ、ビートルズ、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンといった人たちがいる。彼らは皆、僕たちの社会がいかに分断しているかを恐れることなく浮き彫りにし、世界に変化をもたらすために尽力してくれた。RAGE AGAINST THE MACHINE もそのリストの上位に位置し、彼らのメッセージは今、これまで以上に真実味を帯びてきているんだ」
混迷を極めた世界。インターネットやSNSのとめどない発展は、幼稚で粗暴な欲まみれの行為、言論、デマを感染させ、正当化するためだけに利用されています。分断は加速し、もはや差別や抑圧、嘘の悪でさえ、多くの人と共感することが難しくなってしまいました。世の中がこうした暗い状態にある今、MARUJA の “Pain to Power” は、それでも愛、優しさ、正直さに宿る力こそが真に勝利することを強く信じさせてくれるアルバムです。かつての RAGE AGAINST THE MACHINE のように。
「ヒップホップの真髄は、その姿勢、反抗心、そして意義にある。Run-DMC、PUBLIC ENEMY、N.W.A、BEASTIE BOYS といった初期のアーティストの多くは、荒々しくノイジーなビートと力強い歌詞で、このパンク的な姿勢を体現していたんだ。ケンドリックはロックビートを使ったことはないけれど、彼の姿勢がパンクとロックの同じ起源、つまり反体制主義に根ざしていて、それがジャンル間の類似性を感じさせる根源となっているんだよ」
ポスト・パンクとヒップホップ、ノイズ、そしてフリージャズの鮮烈なる三位一体。そう称される MARUJA の音楽は実際、RAGE AGAINST THE MACHINE があの “Evil Empire” で叩きつけた衝撃と同様のインパクトを与えてきます。
時に唸りあげ、時に歌い紡ぐ、コルトレーンの遺志宿るサックスの嘶きはもちろん、MARUJA 独特のエネルギーを生み出す推進力。それは、束の間のジャジーなブレイクや、お決まりの “セクシーなソロ” として、単なるアクセサリーとして使われているのではありません。MARUJA はアルト・サックスとバリトン・サックスをシームレスに音楽の一部とすることで、ギターや他の楽器では真似できない、嘆き、悲しみ、怒りの感情を交互にもたらし、アルバムにもうひとつの声を付与しているのです。
「ロックが主流から外れていく中で、いつかはまたロックへの関心が高まってくると確信していたけど、”To Be Kind” のリリースによって、アルゴリズムの挙動を気にしたり、アルゴリズムを喜ばせることを気にしたりすることなく、音楽をうまく機能させることだけに集中することができたんだ。SWANS は、アーティストが与え得る最も刺激的なサウンドを作り上げることに専念しているバンドの代表例だよ」
そうした MARUJA の反発力、権力や抑圧に対する怒りや嘆きは “Bloodsport” のような短い楽曲で存分に感じられる一方で、彼らの神秘性が真に輝き、音楽の真髄に触れられるのは、”Look Down on US” のような長尺の楽曲なのかもしれませんね。ラップにも似た示唆に富む歌詞は深く心に刻まれ、深遠なメッセージは疾走するサックス、哀愁を帯びたストリングス、そして熱狂的なパーカッションの中で、見事に緊張感を高め、ついには爆発的な解放へと導かれます。
もちろん、我々はそこに BC,NR から連なるロンドンのシーンを想像しますが、それ以上にこれこそが、SWANS がかつて示した “正真正銘” の音楽でしょう。全身全霊で演奏を繰り広げる MARUJA の頭に “バイラル”、”アルゴリズム”、 “AI” といった欲に塗れた言葉は存在しません。ガラクタで飽和状態にあるストリーミングの暗い海においても、真の音楽は灯台の光のように光り輝き、我々が見失うことは決してありません。
今回弊誌では、ドラマー Jacob Hayes にインタビューを行うことができました。「僕たちは昔の英雄たちと同じように、僕たちが生きている時代を反映することがアーティストの仕事だと信じている。戦争の時代には、ニュースの正直さと真実を信頼することはできないよ。英国は長い間米国の影の下で暮らし、そのプロパガンダに固執している。今後の将来は非常に不確実だけど、疑いなく困難で、僕たちはそうした誤った行為を強調すると同時に、希望も提供したいと考えているんだ」 どうぞ!!

MARUJA “PAIN TO POWER” : 10/10

INTERVIEW WITH JACOB HAYES

Q1: First of all, please tell us about your impressions of the Japan tour. How did you feel about Japanese culture, anime, video games, and music?

【JACOB】: Touring Japan is something that most people can only dream of doing, so being fortunate enough to play shows in Osaka & Tokyo before we even had an album out was mind-blowing! We wish to return to Japan as soon as we can – we absolutely loved our time there and are dying to do more exploring. We only had limited time really, but we were able to get lost in pick up some cool records in DiscUnion, eat the best ramen ever and get lost in mega-Don Quijote (we did manage to buy some switch games too). Ramen is a luxury for us back home, so being able to have it everyday was perfect. There’s so much to do in Japan, so hopefully we can keep coming back and discovering new amazing things!

Q1: まず、日本ツアーの印象からお話ししていただけますか?

【JACOB】: 日本ツアーはほとんどの人にとって夢でしかできないことなので、幸運にもアルバムをリリースする前に大阪と東京でショーを行うことができて本当にびっくりしたよ!僕たちはできるだけ早く日本に戻りたいと思っているんだ。
日本での滞在はとても楽しくて、もっと探索したいと思っているよ。本当に限られた時間しかなかったけど、ディスク・ユニオンでいくつかのクールなレコードを手に入れたり、史上最高のラーメンを食べたり、メガ・ドン・キホーテで迷ったりすることができたんだ。Switch のゲームもいくつか買うことができたしね。国に帰るとラーメンは贅沢品だから、毎日食べられるのは最高だったよね。
日本にはやるべきことがたくさんあるので、これからも日本に戻ってきて、新しい素晴らしいものを発見できればと思っているよ。

Q2: So, what kind of music did you grow up listening to?

【JACOB】: We all grew up listening to a variety of things. Joe with his dad being from Ireland listened to a lot of traditional folk music, as well as rock bands from 60s onwards like Thing Lizzy and The Pogues. Rest of our parents grew up in England & Scotland in the generation were punk bands like The Clash, The Sex Pistols, Stiff Little Fingers and The Specials were huge; they’d all come after the classic rock era of the 60s & 70s. So all this musical history would pour into our worlds. The height of the punk era divided music fans, you either loved it or you didn’t at all, this informed your personality and how you’d approach life – punk fans wouldn’t be caught listening to Led Zeppelin for example. But as we were growing up, this was no longer the case, so we’d be able to listen to punk and rock from our parents generation, then they’d show us jazz and blues, as well as classic rock, folk and all sorts. We were also the first generation to grow up when YouTube first arrived, so all of a sudden we could discover music without the help of our parents. We all collectively loved 90s Hip Hop, modern punk such as Nirvana, Rage Against the Machine etc and electronic music like the Gorillaz or Prodigy. This ability to explore different musical landscapes from young has definitely shaped us into the musicians we are today.

Q2: あなたの音楽的なバックグラウンドは、どんなものなのでしょう?

【JACOB】: 僕たちは皆、さまざまな音楽を聞​​いて育ったんだ。Joe は父親がアイルランド出身で、伝統的なフォーク音楽だけでなく、THIN LIZZY や THE POGUES のような60年代以降のロック・バンドもよく聴いていたね。他のメンバーの親はイングランドとスコットランド出身で、THE CLASH, THE SEX PISTOLS, STIFF LITTLE FINGERS, THE SPECIALS などパンク・バンドがビッグだった世代でね。彼らは皆、60年代と70年代のクラシック・ロック時代の後に生まれたんだ。つまり、結果として音楽の歴史すべてが僕たちの世界に注ぎ込まれることになったんだ。
パンク全盛期は音楽ファンを二分されて、パンクが好きか、まったく好きじゃないかでその後の性格や人生への取り組み方に影響を与えたよね。例えば、当時のパンク・ファンが LED ZEPPELIN を聴いているとは考えられないよね。だけど、僕たちの世代にとってそれはもう当てはまらなかったんだ。だから僕たちは親の世代からパンクやロックを聴くことができ、その後、ジャズやブルース、さらにはクラシック・ロック、フォークなどあらゆる種類の音楽を吸収することができた。
僕たちは YouTube が初めて登場したときに育った最初の世代だから、突然、親の助けなしで音楽に出会うことができるようになったんだよね。僕たちは皆、90年代のヒップホップ、NIRVANA, RAGE AGAINST THE MACHINE などのモダンなパンク、そして GORILLAZ, THE PRODIGY のような電子音楽が大好きだった。若い頃からさまざまな音楽の風景を探求するこの能力は、間違いなく今日の僕らを形作ったね。

Q3: The first thing that surprises me when I listen to your music is your use of the saxophone.Many bands incorporate the saxophone into rock, but no one else uses it as vibrantly and effectively as you do. Why did you decide to incorporate the saxophone into your music?

【JACOB】: Like most things about the band, it was just a really instinctive natural decision. Our previous guitarist Liam played drums in a college band with Joe, he then showed Harry & Matt a video which prompted them to ask Joe to come down for a jam. Simple as that. There wasn’t anything that deep about it. It sounded different and interesting, that’s always the most exciting for us. The music being made back then sounded a lot different to now, it took a slight line-up change and really understanding where we all fit with each other to begin writing the type of music we do today.

Q3: サックスをロックに取り入れるバンドは少なくありませんが、MARUJA ほど生き生きと効果的に使っているバンドは他にいないでしょう。なぜサックスを取り入れようと思ったのですか?

【JACOB】: バンドに関するほとんどのことと同様、それは本当に本能的で自然な決断だった。以前のギタリスト Liam は、Joe と一緒に大学のバンドでドラムを演奏していたんだけど、彼が Harry と Matt にビデオを見せ、それがきっかけで Joe にジャムに来てもらうようになったんだ。とてもシンプルだよ。そこまで深い内容はなかったよ。
でも彼のサックスが入るといつもと違っていて興味深く聞こえたよ。それって、僕たちにとって常に最もエキサイティングなことだった。当時作られていた音楽は今とはかなり違っていたけどね。今日僕たちがやっているタイプの音楽を書き始めるには、ラインナップを少し変更し、僕たち全員がどこに適合するかを本当に理解する必要があったけどね。

Q4: There are so many innovative and diverse rock and jazz bands coming out of the UK right now… Squid, Black Midi, Black Country New Road, and Gondwana Records… it’s like the LA scene that blossomed around Kamasi. You have described it as post-punk meets free jazz, and it is the music that symbolizes the UK scene today, would you agree?

【JACOB】: Not sure to be honest. We don’t really feel like we’re in a scene. The bands mentioned are all from down south, primarily coming out of indie labels in London. Gondwana is very much rooted in Jazz and don’t really show much inspiration from post-punk. Although the UK isn’t the biggest place, there isn’t a great deal of interconnection, especially in art forms. Most job opportunities come out of London, this is true for music as well, with most labels in the world having offices there. This means it’s a lot harder for acts such as ourselves who are outside of this position. We also don’t really think of ourselves as “post-punk”, although we are aware of how encompassing this genre tag is. Truthfully this is a difficult question, maybe it’s one that can only properly be answered looking back. Nirvana called themselves a punk band, the media labelled them a grunge band for marketing. Crank Wave is the one that encompasses a lot of bands from the UK, so we’ve seen people describe our sound as part of this ‘scene’. But it goes back to time and location to make a scene really, all the bands that encompass the ‘Crank Wave’ sound primarily are from London and are the generation of bands before ours – BCNR, Squid, black midi. A scene like Kamasi’s really thrived from being around one another, playing shows together and bouncing off each other for inspiration. As previously mentioned, we feel distant from a scene because we are physically. We don’t know these people and they’ve found success years before we put our debut out. If you can call it a scene, the one we have is with those coming up with us, which are: Enola Gay, Lambrini Girls, Gurriers, Big Special, Opus Kink, Nerves, Bucket. We make up a sort of anti-London scene without a central point or venue. To be honest it may not even be a scene as it contradicts what I’ve mentioned about location, but it is certainly a group of artists we share a lot of similarities with and care deeply about similar topics, we’re heavily inspired by one another and push each other forward. This is our era of bands coming out the UK & Ireland, like Fontaines & black midi before. If you’re unfamiliar with any of these artist, be sure to check them out so you can say you got on them early.

Q4: 今、イギリスからは革新的で多様なロックやジャズのバンドが多く登場していますね。Squid, Black Midi, Black Country New Road, それから Gondwana Records の面々…まるで Kamasi を中心に花開いたLAシーンのようにも見えてきます。あなたのポスト・パンクとフリー・ジャズが恋に落ちたような音楽は、まさに今のUKシーンを象徴するようにも思えますね?

【JACOB】: 正直なところ、よく分からない。自分たちが特定のシーンに属しているとは感じていないんだ。名前の挙がっているバンドは皆、南部出身で、主にロンドンのインディーズ・レーベルから出ているよね。Gondwana はジャズに深く根ざしていて、ポストパンクからはあまり影響を受けていないよね。
イギリスはそれほど大きな国ではないけれど、特に芸術分野においては、相互の繋がりがあまりないんだよね。仕事のチャンスはロンドンから来ることが多くて、音楽業界も同様で、世界中のほとんどのレーベルがロンドンにオフィスを構えている。つまり、僕たちのような、そこ以外のアーティストにとっては、仕事を得るのがはるかに難しいんだよな。
僕らは自分たちを “ポスト・パンク” だとは思っていないけど、このジャンルのレッテルがどれほど幅広いかは認識しているよ。正直なところ、これは難しい質問で、もしかしたらいつか振り返ってみなければ答えられないのかもしれないよね。NIRVANA は自分たちをパンク・バンドと呼んでいたけど、メディアはマーケティングのためにグランジだとレッテルを貼ったようにね。
Crank Waveはイギリスの多くのバンドを包含するシーンなので、僕たちのサウンドをこの “シーン” の一部だと表現する人たちを目にするね。でも、シーンを形成するには時間と場所が重要で、Crank Waveのサウンドを体現するバンドは主にロンドン出身で、BCNR、Squid、Black Midi といった僕たちより少し前の世代のバンドなんだ。Kamasiのようなシーンは、お互いに近くにいて、一緒にライブをし、刺激し合うことで発展してきた。でも先ほども言ったように、僕たちは物理的にシーンから離れていると感じています。僕たちはそうしたバンドを知らないし、彼らは僕たちがデビューする何年も前に成功を収めている。
だからもしシーンと呼べるのであれば、僕たちのシーンは、僕たちと一緒に活動しているEnola Gay、Lambrini Girls、Gurriers、Big Special、Opus Kink、Nerves、Bucket といったバンドたちと一緒のシーンだよね。僕たちは、中心となる場所や会場を持たない、いわばアンチ・ロンドン・シーンを形成しているんだよ。
正直に言うと、ロケーションの話と矛盾するので、シーンと呼ぶに値しないかもしれないけどね。でも、多くの共通点を共有し、同じようなテーマを深く大切にしているアーティストの集まりであることは確かだ。お互いに深く刺激し合い、お互いを鼓舞し合っているよ。かつてのFontaines D.C. や Black Midi のように、これがイギリスとアイルランドから出てきた僕らの時代のバンドだ。もしこうしたアーティストをまだ知らない人がいたら、ぜひチェックしてみてほしい。そうすれば、早くから彼らの音楽に出会ったと言えるだろうからね。

Q5: I love the words “Pain to Power” in the album title. In terms of turning such pain, suffering, or anger into power, and power of your music, it reminds me of Rage Against the Machine. In fact, does their music and message influence this record?

【JACOB】: For sure. They’re one of the most important bands for us. We’ve talked here a little bit about scenes of music and inspiration, and it’s very clear which artists have a lasting impression on us – it’s those that have stood the test of time and had a clear important message. Some of the most important figures in musical history are: Nina Simone, Marvin Gaye, The Beatles, Stevie Wonder, Michael Jackson, etc; all of which were unafraid to highlight how fractured our society has become and to help bring about change. Rage are right up there in this list, with their message ringing truer than ever.

Q5: アルバム・タイトルの “Pain to Power” という言葉がとても気に入っています。痛みや苦しみ、怒りをパワーに変えるという点で、RAGE AGAINST THE MACHINE を想起させますね?

【JACOB】: 確かにね。彼らは僕たちにとって最も重要なバンドの一つだよ。音楽シーンとインスピレーションについて少し話したけど、結局どんなアーティストが僕たちに永続的な印象を与えるかは明らかだ。それは、時代を超えて生き続け、明確で重要なメッセージを持ったアーティスト。
音楽史における最も重要な人物には、ニーナ・シモン、マーヴィン・ゲイ、ビートルズ、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンといった人たちがいる。彼らは皆、僕たちの社会がいかに分断しているかを恐れることなく浮き彫りにし、世界に変化をもたらすために尽力してくれた。RATM もそのリストの上位に位置し、彼らのメッセージは今、これまで以上に真実味を帯びてきているんだ。

Q6: Speaking of Kamasi, Kendrick Lamar’s lyrics and raps clearly influence Maruja’s music. As does RATM, but rock and hip-hop are never oil and water, would you agree?

【JACOB】: The very essence of hip-hop is attitude, its defiance and meaning. Lots of early artists such as Run-DMC, Public Enemy, N.W.A and Beastie Boys showcase this punk-like attitude, with harsh noisy beats and potent lyrics. Although Kendrick has never used rock beats, his attitude stems from the same origins of punk and rock, it’s anti-establishment and that really roots that feeling of similarity between genres.

Q6: Kamasi といえば、ケンドリック・ラマーの歌詞とラップは明らかに MARUJA の音楽に影響を与えていますね。 RATMもそうですが、ロックとヒップホップは決して油と水ではないようですね?

【JACOB】: ヒップホップの真髄は、その姿勢、反抗心、そして意義にある。Run-DMC、PUBLIC ENEMY、N.W.A、BEASTIE BOYS といった初期のアーティストの多くは、荒々しくノイジーなビートと力強い歌詞で、このパンク的な姿勢を体現していたんだ。ケンドリックはロックビートを使ったことはないけれど、彼の姿勢がパンクとロックの同じ起源、つまり反体制主義に根ざしていて、それがジャンル間の類似性を感じさせる根源となっているんだよ。

Q7: At the same time, your music is very “free.” In this world of predetermined algorithms and filter bubbles, Maruja’s free and tolerant music seems very dependable. This freedom seems similar to that of Swans, what are they to you?

【JACOB】: Swans are potentially the most important band for us. They’re this strange anomaly which provided us with a lot of promise when we were beginning to figure out our sound. Matt was already a big fan and familiar with earlier work, but when To Be Kind dropped we all became huge fans, we had no idea a band could write 40 minute long songs and still have success. There’s a confidence to their music which is so self-assured – they’re not playing a 3 hour set of just 5 songs to be smug, they’re doing it because it’s right for the music. In an era where shorter and shorter music and videos sees bigger success, this felt like a real beacon of hope. With rock going out of the mainstream, we’ve always been confident that there’d be a growing taste for it to come back, but this allowed us to not worry or fuss about pleasing algorithmic behaviours and focus solely on making the music work. Swans are a leading example of a band dedicated to crafting their sound, which is the most inspiring an artist can be.

Q7: 同時に、あなたの音楽はとても “自由 “です。 決められたアルゴリズムやフィルター・バブル、バイラルやAIが支配する世界で、MARUJA の自由で寛容な音楽はとても頼もしく思えます。 あなたの自由さは SWANS の自由に似ているように思えますね?

【JACOB】: SWANS は僕たちにとって最も重要なバンドと言えるかもしれないね。自分たちのサウンドを模索し始めた頃、彼らは奇妙な異端児で、同様に異端児だった僕らに大きな希望を与えてくれたんだ。Matt は当時すでに彼らの大ファンで、初期の作品にも馴染みがあったけど、”To Be Kind” がリリースされた時、僕たち全員が熱狂的なファンになったんだよね。40分もの曲を書いて成功を収めるバンドがいるとは、想像もしていなかったから。
彼らの音楽には自信が溢れている。彼らは自己満足のために3時間もかけて5曲だけを演奏しているのではなく、それが彼らの音楽にとって正しいからそうしている。音楽やビデオがどんどん短くなっていく時代において、これは真の希望の光だと感じたよ。
ロックが主流から外れていく中で、いつかはまたロックへの関心が高まってくると確信していたけど、あのリリースによって、アルゴリズムの挙動を気にしたり、アルゴリズムを喜ばせることを気にしたりすることなく、音楽をうまく機能させることだけに集中することができたんだ。SWANS は、アーティストが与え得る最も刺激的なサウンドを作り上げることに専念しているバンドの代表例だよ。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can music do?

【JACOB】: As mentioned previously, like our heroes of old, we believe it to be the artists job to reflect the times we’re living in. In an era of war, you cannot trust mainstream news for honesty and truth. The UK has been living under the shadow of the US for so long, adhering to it’s propaganda, with the future ahead deeply uncertain but unquestionably difficult, we want to highlight these wrong doings but also provide hope.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い場所になっています。 そんな世界で、音楽には何ができるのでしょう?

【JACOB】: 前述したように、僕たちは昔の英雄たちと同じように、僕たちが生きている時代を反映することがアーティストの仕事だと信じている。戦争の時代には、ニュースの正直さと真実を信頼することはできないよ。英国は長い間米国の影の下で暮らし、そのプロパガンダに固執している。今後の将来は非常に不確実だけど、疑いなく困難で、僕たちはそうした誤った行為を強調すると同時に、希望も提供したいと考えているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JACOB’S LIFE!!

THE CINEMATIC ORCHESTRA “Every Day”

KAMASI WASHINGTON “The Epic”

SWANS “To Be Kind”

KENDRICK LAMAR “To Pimp A Butterfly”

DEATH GRIPS “Ex Military”

MESSAGE FOR JAPAN

We honestly had the best time visiting Japan and cannot wait to visit again! We’d like to immediately shout out Takako – she greeted us before the Tokyo show as we were going to get some food, gifting us a cute bag (with a letter) which was filled with personalised Japanese sweets. It was the most amazing interaction with a fan we’ve ever had and a truly crazy experience for us. She maybe symbolised our whole trip, as everyone was incredibly welcoming, warm and amazing to be around – thanks also to Katoman for showing us around! We love you Takako, we love you Katoman, we love you Japan. Hope to be back as soon as we can! Arigatou gozaimashita

本当に最高の日本滞在だった。また日本に行くのが待ちきれないよ!まずはTakakoさんにお礼を言いたい。東京公演の前に食事をしようとしていた僕たちに、Takakoさんが挨拶をしてくれて、素敵なバッグ(と手紙)をプレゼントしてくれたんだ。中には名前入りの和菓子がいっぱい詰まっていたよ。今までで一番素敵なファンとの交流で、本当に最高の経験だったね。彼女は僕たちの旅の象徴だったのかもしれないね。
みんなが信じられないほど歓迎してくれて、温かく、一緒にいるのが本当に楽しかった。案内してくれたKatomanさんにも感謝を!Takakoさん、Katomanさん、そして日本のみんなが大好きだよ。できるだけ早くまた戻ってきたいね!ありがとうございました!

JACOB HAYES

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