EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH OLI-PEKKA LAINE OF OCTOPLOID & AMORPHIS !!
“Probably The Most Important Band For Amorphis Were Piirpauke, Wigwam and Kingston Wall. Especially, Since It Was Possible To Witness Kingston Wall Live, It Made a Huge Impact On Us.”
DISC REVIEW “BEYOND THE AEONS”
「AMORPHIS も BARREN EARTH も素晴らしい人たちから成る素晴らしいバンドだと思うけど、僕は自分のキャリアの中で初めて、音楽的に100%自分の言葉で何かをする必要があったんだ。そうした “マザーバンド” とそれほど違いはないけれど、OCTOPLOID の作曲やプロダクションには、他のバンドでは不可能なニュアンスがあるんだ」
“Beyond the Aeons” “永劫の彼方に” と名付けられた OCTOPLOID という不思議な名前のバンドによるアルバムは、まさにフィンランド・メタル永劫の歴史を眺め続けてきた Olli-Pekka Laine の結晶だといえます。彼は1990年に北欧の伝説 AMORPHIS を結成したメンバーのひとりであり、2000年代にバンドを脱退した後、今度はプログ・メタルの英雄 BARREN EARTH に参加。そして2017年、AMORPHIS に復帰しました。加えて、MANNHAI, CHAOSBREED, といったバンドでもプレイしてきた Oli にとって、”Beyond the Aeons” は自身が歩んだ道のり、まさにフィンランド・メタルの集大成なのかもしれません。
「当時も今と同じように自分たちの仕事をしていただけだから、少し奇妙に感じるよ。ただ、当時としては他とはかなり違うアルバムだったから、 AMORPHIS のフォロワーにとってなぜ “Tales” が重要なのかは、なんとなくわかるよ。デスメタルに民族音楽とプログを組み合わせ、神秘的な歌詞と素晴らしいプロダクション。要は、そのパッケージがあの時代にドンピシャだったんだ。それまで誰もやったことのないコンビネーションだったから、上手くいったのさ」
Oli が歩んだ道のりを包括した作品ならば、当然そのパズルのピースの筆頭に AMORPHIS が位置することは自然な成り行きでしょう。特に Oli にとって思い入れの深い、今年30周年を迎える “Tales From The Thousand Lakes”。そのデスメタルとフォーク、プログを北欧神話でつないだ奇跡の悪魔合体は、この作品でもギラリとその牙を剥いています。しかし、AMORPHIS が AMORPHIS たる由縁は、決してそれだけではありませんでした。
「おそらく僕ら AMORPHIS にとって最も重要なバンドは、PIIRPAUKE, WIGWAM, KINGSTON WALL だったと思う。特に KINGSTON WALL のライブを見ることができたことは大きくて、本当に大きな衝撃を受けたんだ。だから、OCTOPLOID のサウンドにサイケデリアを加えるのは自然なことだった」
Oli が牽引した90年代の “ヴィンテージ” AMORPHIS にとって、フィンランドの先人 KINGSTON WALL のサイケデリックなサウンド、イマジネーションあふれるアイデアは、彼らの奇抜なデスメタルにとって導きの光でした。そしてその光は、”Elegy”, “Tuonela” と歩みを進めるにつれてより輝きを増していったのです。Oli はあまり気に入っていなかったようですが、”Tuonela” で到達した多様性、拡散性は、モダン・メタルの雛形としてあまりにも完璧でしたし、その音楽的包容力は多彩な歌い手たちを伴い、明らかに OCTOPLOID にも受け継がれています。
AMORPHIS の遺産 “Coast Of The Drowned Sailors”、KINGSTON WALL の遺産 “Shattered Wings”。両者ともにそのメロディは珠玉。しかしそれ以上に、ヴァイキングの冒険心、素晴らしいリードとソロ、70年代の思慮深きプログ、80年代のシンセワーク、サイケデリアが恐ろしき悪魔合体を果たした “Human Amoral ” を聴けば、Oli がフィンランドから世界へ発信し続けてきた、アナログの温もり、ヘヴィ・メタルの可能性が明確に伝わるはずです。聴き慣れているけど未知の何か。彼の印象的なベース・ラインは、これからもメタルの未来を刻み続けていくのです。
今回弊誌では、Olli-Pekka Laine にインタビューを行うことができました。「Tomi Joutsen と一緒に大阪と東京の街をよく見て回ったし、この前は西心斎橋通りで素晴らしいフレットレスの日本製フェンダーベースを買ったよ。いいエリアだったよ!日本の人たちも素晴らしいよ。日本の自然公園もぜひ見てみたい。定年退職したら、日本に長期旅行すると誓うよ!」 どうぞ!!
OCTOPLOID “BEYOND THE AEONS” : 10/10
INTERVIEW WITH OLI-PEKKA LAINE
Q1: Octoploid is a great band! First of all, can you tell us what made you decide to start this band apart from Amorphis and Barren Earth?
【OPPU】: Thank you very much, I appreciate it! I think both Amorphis and Barren Earth are great bands with wonderful people, but I just needed to do something in 100% my own terms musically for the first time in my career. It is not that different from the “motherbands”, but there are certain nuances in the compositions and production, that would be impossible to do with a band.
Q1: あなたの手による新しい OCTOPLOID は素晴らしいバンドですね!まず最初に、AMORPHIS や BARREN EARTH とは別にこのバンドを始めようと思ったきっかけを教えていただけますか?
【OPPU】: ありがとう!AMORPHIS も BARREN EARTH も素晴らしい人たちから成る素晴らしいバンドだと思うけど、僕は自分のキャリアの中で初めて、音楽的に100%自分の言葉で何かをする必要があったんだ。そうした “マザーバンド” とそれほど違いはないけれど、OCTOPLOID の作曲やプロダクションには、他のバンドでは不可能なニュアンスがあるんだ。
Q2: What is the origin of the band name Octoploid?
【OPPU】: The main thing is the initials OPL in the middle. Otherwise, I just thought it would look and sound great. Also, it also works with any kind of music: metal, stoner and prog.
Q2: OCTOPLOID というバンド名の由来は何ですか?
【OPPU】: メインは真ん中にある僕のイニシャルのOPL。それ以外は、見た目も音もいいと思って。あと、メタル、ストーナー、プログなど、どんな音楽とも相性がいいよね。
Q3: With you, Tomi Joutsen, Tomi Koivusaari, Kim Rantara’sparticipation, comparisons between Amorphis and Octoploid are inevitable, and indeed there are some similarities. What do you think makes the two bands fundamentally different?
【OPPU】: I think Octoploid is a little bit more rambling and psychedelic. I draw my influences mainly from blues/classic rock, which isn’t the case in Amorphis. The production is a bit rough with Octoploid too. I like both worlds, but just want to have both of them, ha ha!
Q3: あなた、Tomi Joutsen、Tomi Koivusaari、Kim Rantara の参加により、AMORPHIS と OCTOPLOID の比較は避けられないでしょうし、実際いくつかの類似点がありますよね。この2つのバンドの根本的な違いは何だと思いますか?
【OPPU】: OCTOPLOID の方が少しとりとめのないサイケデリックな感じかな。僕は主にブルースやクラシック・ロックから影響を受けているんだけど、AMORPHIS ではそうではないからね。プロダクションも OCTOPLOID の方が少しラフだよね。どちらの世界も好きだから、どちらも持っていたいんだ! (笑)
Q4: “Beyond the Aeons” recalls the psychedelic sensibilities of the wonderful vintage Amorphis throughout the album. It is well known that Amorphis at the time was influenced by Kingston Wall. Is the psychedelia on this album also a tribute to Kingston Wall in some ways?
【OPPU】: It was natural thing for me to add psychedelia to Octoploid’s sound. Of course Kingston Wall and many other psych rock band’s from the past have influenced me and inspired me to write such material. So yes, that’s where my roots are and it tends to stick in the writing too.
Q4: “Beyond the Aeons” は、アルバム全体を通して素晴らしき “ヴィンテージ・アモルフィス” のサイケデリックな感性が存在しています。当時の AMORPHIS が KINGSTON WALL に影響を受けていたことはよく知られていますが、このアルバムのサイケデリアは、ある意味で KINGSTON WALL へのオマージュでもあるのでしょうか?
【OPPU】: OCTOPLOID のサウンドにサイケデリアを加えるのは自然なことだった。もちろん、KINGSTON WALL をはじめとする過去のサイケ・ロック・バンドは、僕に影響を与え、そうした楽曲を書くインスピレーションを与えてくれた。だから、そう、僕のルーツはそこにあるし、曲作りにもそれが反映されているんだ。
Q5: Some phrases appear that remind me of Kingston Wall’s “For All Mankind”. Can you talk about the impact and influence Finnish bands had on you in the 90s?
【OPPU】: Probably the most important band for us were Piirpauke, Wigwam and Kingston Wall. Especially, since it was possible to witness Kingston Wall live, it made a huge impact on us. Piirpauke was also touring in the 90’s, but the already switched to African folk music and it didn’t interest me personally that much. Wigwam was also active, but they made their greatest works already in the 70’s as well.
Q5: KINGSTON WALL の “For All Mankind” を想起させるフレーズもいくつか出てきますね。90年代にそうしたフィンランドのバンドがあなたに与えた影響やインパクトについて話していただけますか?
【OPPU】: おそらく僕らにとって最も重要なバンドは、PIIRPAUKE, WIGWAM, KINGSTON WALL だったと思う。特に KINGSTON WALL のライブを見ることができたことは大きくて、本当に大きな衝撃を受けたんだ。PIIRPAUKE も90年代にツアーをしていたけど、すでにアフリカン・フォーク・ミュージックに転向していて、個人的にはそれほど興味がなかったんだ。WIGWAM も活動していたけど、彼らの最高傑作は70年代だからね。
Q6: This year marks the 30th anniversary of Amorphis’ masterpiece “Tales From The Thousand Lakes.” It was very innovative in the sense that it combined Norse mythology and folk with death metal and changed the course of metal history. How do you feel about the fact that a 30 year old record continues to have such a big impact on what follows?
【OPPU】: It feels a bit weird, since we just did our thing back then just like nowadays. It was a different album back then, so I kind of get it, why it is so important for the followers of Amorphis. The package was just right at the time: combining death metal with folk music and prog, mystic lyrics and a great production. It just was a combination that hadn’t been tried so far and it worked.
Q6: 今年は AMORPHIS の傑作 “Tales From The Thousand Lakes” の30周年にあたります。北欧神話とフォークをデスメタルと融合させたという意味で非常に革新的で、メタルの歴史を変えました。30年前のレコードが、今でも後続に大きな影響を与え続けているという事実をどう感じていますか?
【OPPU】: 当時も今と同じように自分たちの仕事をしていただけだから、少し奇妙に感じるよ。ただ、当時としては他とはかなり違うアルバムだったから、 AMORPHIS のフォロワーにとってなぜこのアルバムが重要なのかは、なんとなくわかるよ。デスメタルに民族音楽とプログを組み合わせ、神秘的な歌詞と素晴らしいプロダクション。要は、そのパッケージがあの時代にドンピシャだったんだ。それまで誰もやったことのないコンビネーションだったから、上手くいったのさ。
Q7: I am a big fan of “Tuonela” by Amorphis, which celebrates its 25th anniversary this year. That album is one of the most underrated albums of the band’s work, and it was already a great presentation of metal’s potential and diversity 25 years ago. The diversity of that album is, in my opinion, the source of Ocuoploid, how do you feel about that comparison?
【OPPU】: Hmm, maybe? Tuonela was not my personal favorite when it was released, but I’ve grown to it a little bit. It was a first time for us with a bigger production and naturally Pasi did most of the vocals. It possibly didn’t get the attention back in the days, because metal music as a genre was not very fashionable at the time.
Q7: 私は今年25周年を迎える AMORPHIS の “Tuonela” の大ファンでもあります。あのアルバムは、バンドの作品の中でも最も過小評価されているアルバムのひとつで、25年前にすでにメタルの可能性と多様性を見事に提示していたと感じますよ。その多様性こそが OCTOPLOID の源だと感じたのですが?
【OPPU】: うーん、そうかな?”Tuonela” はリリースされた当時は個人的に好きではなかったけど、少しは好きになったよ。僕らにとっては初めての大きなプロダクションで、自然と Pasi がほとんどのボーカルを担当した。当時はメタル・ミュージックというジャンル自体があまり流行っていなかったから、あの作品は注目されなかったのかもしれないね。
Q8: I was also surprised to see XYSMA members participating. In a way, what you sing in “Beyond the Aeons” and is this work the history of Finnish metal itself?
【OPPU】: I tried to get as many vocalists as possible I’ve worked with in the past, so Janitor was naturally one of them. I have a history with him in Mannhai and I am a great Xysma fan as well. Personally, I’m singing some background vocals on The Hallowed Flame, Human Amoral and A Dusk of Vex for example. And also the bridge’s choir on The Dawns of Nothingness.
Q8: XYSMA のメンバーが参加していることにも驚きました。ある意味、”Beyond the Aeons” であなたが歌っていること、そしてこの作品はフィンランド・メタルの歴史そのものなのでしょうか?
【OPPU】: 過去に一緒に仕事をしたことのあるボーカリストをできるだけ集めようと思ったので、Janitor も当然その一人だった。彼とは MANNHAI での付き合いもあるし、僕自身 XYSMA の大ファンでもある。個人的には、僕も例えば “The Hallowed Flame”, “Human Amoral”, “A Dusk of Vex” でバック・ボーカルを歌っている。また、 “The Dawns of Nothingness” ではブリッジのクワイアも歌っているんだ。