EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KYNAN GROUNDWATER OF DIAMOND CONSTRUCT !!
“Bands Like Korn And Linkin Park Blend New Things Together So Well. We’ve Always Looked Up To The Nu-metal Genre For Being Something Truly Unique. That’s What We Want To Do In a Modern Way.”
DISC REVIEW “ANGEL KILLER ZERO”
「KORN や LINKIN PARK のようなバンドは、当時の新しいものをうまく融合させていた。だからこそ、僕たちは Nu-metal というジャンルが本当にユニークなものであることを常に尊敬してきたんだ。僕たちは、ああいうことを今の現代的なやり方でやりたいんだ。誰かが僕らの音楽を聴いたときに、”あれは DIAMOND CONSTRUCT だ!”と言ってもらえるような、新しくてすぐ認識できるものを作りたいんだよ」
CODE ORANGE, VEIN, SPIRITBOX, LOATHE, VENDED, TETRARCH といった新鋭の登場、 MADVAYNE や SATAIC-X の復活、そして SLIPKNOT や KORN, DEFTONES の奮闘によって Nu-metal は再びメタルのトレンドへと返り咲いてきました。興味深いのは、あの奇妙で雑多な電子的重量感が、近年メタルの原動力となった “ノイズ” と絶妙な核融合を起こしていることでしょう。オーストラリアの DIAMOND CONSTRUCT は、そのノイズと Nu-metal の核融合を使って、メタルコアの原石をダイヤモンドの輝きへと磨き上げました。
「メタルコアというジャンルが非常に規則的で、特定のサウンドやリフの書き方があるせいで門戸が閉ざされているようだということには、僕たちもまったく同意見だよ。だからこそ、僕たちは常にオリジナリティを大切にしてきた。DIAMOND CONSTRUCT を他の誰かのように聴かせたくない。だから、他のバンドが残してくれたサウンドから影響を受けつつも、自らのサウンドを拡大させようとベストを尽くしているんだ」
実際、DIAMOND CONSTRUCT は、ヘヴィ・ミュージックの暗闇に多様でエレクトロニックな光の華を咲かせることに成功しています。それは、メタルコアという箱の鍵を解き放ち、”ニュー・メタルコア” の潮流を押し進めることにもつながりました。だからこそ彼らは、SPIRITBOX, THOUSAND BELOW, そして HARPER といった印象的なバンドを擁するあの Pale Chord における最初のオーストラリア人ロースターとなることに成功したのです。
そして、EMMURE, ALPHA WOLF, DEALER を源流とし、DIAMOND CONSTRUCT や DARKO US を巻きこんで大きな津波へと成長したその波は、日本にまで到達して PALEDUSK, PROMPTS のようなバンドが海を渡る力にもなったのです。
「Braden はとてもユニークな人だ。時代の流れに逆らうのが好きで、期待されることをするのが嫌いなんだ。Wes Borland, Josh Travis, Jason Richardson のようなギタリストへの愛が、彼をペダル・ダンスというニッチなテクニックを見つけるまでに成長させたんだ。彼は、自分が最もシュレッディでテクニカルなギタリストではないかもしれないことを知っているからこそ、他の多くの人ができないことをやっているんだ。僕たちは、全員がギターという楽器の限界を押し広げるのが好きなんだ」
そんなトレンドを “開拓” した彼らが世界から注目を集めた一因が、ギタリスト Braden Groundwater の “ペダル・ダンス” でした。シュレッドとテクニックが溢れるインターネットの世界で、DIAMOND CONSTRUCT は楽器の扱いにおいても常識にとらわれず、ノイズと色彩の新たな潮流を生み出していきます。Braden は驚異的スピードや奇抜なテクニック以外にも、ギターには様々な可能性があることをペダルのタップダンスで巧みに証明していきました。白には200色ありますが、Braden のサウンドはきっとそれ以上に万華鏡の可能性を秘めています。
「アニメやゲームが持つオーラといかにマッチしているかということに、多くの共通点やつながりがあることに気づいたんだ。個人的な成長や失恋、恋愛、グループとの境界を乗り越える物語。それがこのアルバムのテーマだ。ファイナル・ファンタジーのようなゲームがもたらすストーリーに似ているよね。だからそれと連動させるために、ゲームから抜粋した声でインタールードを書いたんだ。僕たちが作った音楽とテーマにマッチしたビジュアルを表現することは、すべて理にかなっていたんだ」
そうして生み出されたダイヤのサウンドは、”Angel Killer Zero” で日本の文化と見事に融合を果たします。日本のアニメやゲームは、孤独感、失恋、幼少期のトラウマ、そして目を見張るような成長という、人生をナビゲートするようなストーリーで世界を魅了してきました。誰もが経験するような物語だからこそ、彼らはそのテーマに感化され、メタルと共に開拓することを心に誓いました。そうした普遍的で、しかし特別な勇気をもらえるようなテーマは、SNS も駆使して世界中多くの人に自身の音楽を届けたいと願う今の彼らにピッタリだったのです。
今回弊誌では、ボーカリスト Kynan Groundwater にインタビューを行うことができました。「最近、僕たちは、本当に注目されたり、注目を浴びるためには、現代のソーシャル・メディアを把握しなければならないことに気づいたんだ。それは、音楽と同じくらい重要なことなんだってね。だから僕たちは、その世界を学び、それに取り組み、より上手になり、より一貫したものにすることを自分たちに課したんだよ」 Wes Borland に影響を受けたギターっていいね。どうぞ!!
DIAMOND CONSTRUCT “ANGEL KILLER ZERO” : 10/10
INTERVIEW WITH KYNAN GROUNDWATER
Q1: How was your tour with Prompts from Japan? There are more and more great Japanese bands like them, are you interested in the Japanese scene?
【KYNAN】: Touring with Prompts was an incredible experience. We all bonded quickly and personally noticed how humble and hard working they are as people. From the moment we first met them at the airport in Perth it was apparent that they have a very similar sense of humour to us so we knew we’d get along fine. Seeing them live on stage was awesome because we’ve never toured with a band from Japan before – it was great to see their energy and how they portray themselves. It made for a unique tour package that the fans here in Aus were very appreciative of. We’d love to return the favour and get over to Japan to tour with Prompts. Safe to say the goodbyes at the end of tour were somber so I’m sure they’d love to do it all again on their home turf.
Q1: 日本の PROMPTS とのツアーはどうでしたか?彼らのような素晴らしい日本のバンドがどんどん増えていますが、日本のシーンに興味はありますか?
【KYNAN】: PROMPTS とのツアーは素晴らしい経験だったね。みんなすぐに打ち解けたし、個人的には彼らが人間としていかに謙虚で勤勉であるかに気づかされたよ。
パースの空港で彼らに初めて会ったときから、ユーモアのセンスが僕らと似ていることがわかったから、きっと仲良くなれると思ったんだ。日本から来たバンドとツアーをするのは初めてだったので、彼らのステージを生で見ることができたのは最高だった。ユニークなツアー・パッケージとなったし、ここオーストラリアのファンもとても喜んでくれた。
この恩を返すために、PROMPTS と一緒に日本でツアーをしたいね。素晴らしい時間だったから、ツアー終了時の別れは寂しいものだった。だからね、彼らは地元でもう一度僕らとツアーをやりたいと思っているに違いないよ。
Q2: Speaking of Japan, “Angel Killer Zero” is clearly influenced by Japanese anime and video game culture? Why did you decide to make such an album?
【KYNAN】: The influence of Japanese anime and gaming culture on our latest album really comes down to our upbringing. Growing up in a small town in Australia – we loved watching the morning shows on TV before school. The characters and world building are what is really attractive to us.
As we were writing the album, I noticed a lot of similarities and connections in how the music and lyrical content matched the aura that these anime’s and games have. Stories of personal growth and heartbreak, love and overcoming boundaries with a group. That’s what this album is about. Similar to the storyline that a game like final fantasy brings you. We wrote interludes with voice excerpts from the games to tie in with that. It all sort of made sense to have a visual representation that matched the music and themes that we created.
Q2: 日本といえば、”Angel Killer Zero” は明らかに日本のアニメやゲーム文化に影響を受けていますね。なぜこのようなアルバムを作ろうと思ったのですか?
【KYNAN】: 僕らの最新アルバムに日本のアニメやゲーム文化が影響を与えているのは、僕らの育った環境に起因しているんだ。オーストラリアの小さな町で育った僕たちは、学校に行く前にテレビで朝の番組を見るのが大好きだった。そこで目にした日本のキャラクターやアニメの世界観は、僕らにとって本当に魅力的なものなんだ。
アルバムを作っているうちに、音楽や歌詞の内容が、そうしたアニメやゲームが持つオーラといかにマッチしているかということに、多くの共通点やつながりがあることに気づいたんだ。個人的な成長や失恋、恋愛、グループとの境界を乗り越える物語。それがこのアルバムのテーマだ。ファイナル・ファンタジーのようなゲームがもたらすストーリーに似ているよね。だからそれと連動させるために、ゲームから抜粋した声でインタールードを書いたんだ。僕たちが作った音楽とテーマにマッチしたビジュアルを表現することは、すべて理にかなっていたんだ。
Q3: The songs on the album pay homage to Evangelion, Akira, Gundam, Demon Slayer, etc. What anime and video game works actually influence you guys?
【KYNAN】: Shows like Dragon Ball Z, Yugioh, Beyblades etc. These sorts of anime shows had a massive influence on what we loved in terms of art forms and storylines. That grew into our love for JRPG video games like Final Fantasy and Kingdom Hearts. As we got older, watching shows like Evangelion and Gundam really nailed home the art form from an earlier time since before we got into Japanese culture. The art style is immaculate.
Q3: アルバムの曲からは、エヴァンゲリオン、Akira、ガンダム、鬼滅の刃などへのオマージュが見て取れます。あなたたちが実際に影響を受けたアニメやゲーム作品を教えていただけますか?
【KYNAN】: ドラゴンボールZ、遊戯王、ベイブレードなどなどだね。これらのアニメ番組は、アートフォームやストーリーの面で、僕らの嗜好に大きな影響を与えたんだ。それが “ファイナル・ファンタジー” や “キングダム・ハーツ” のようなJRPGのビデオゲームへの愛へと発展していった。
大人になるにつれて、エヴァンゲリオンやガンダムといったアニメを見て、僕たちが日本文化にのめりこむ以前からのアートフォームに釘付けになったよ。こうしたアートスタイルは永久不滅だね。
Q4: What theme or concept is behind the title and artwork of “Angel Killer Zero?”
【KYNAN】: It all actually came to me in a dream. I saw an angel crying holding her own wing and I vividly remember the three words ‘Angel Killer Zero’. I can’t really explain why but when I woke up I knew that what I saw was the album art and title for what we were working on at the time. It felt right the ambiguous title, the fallen angel. It all perfectly matched what we were writing lyrically and musically. The themes explore loneliness and abandonment, love, loss etc. So it made sense to put a concept of an anime or video game persona to the album. To make it digestible in a visual format.
Q4: “Angel Killer Zero” のタイトルとアートワークの背景にあるテーマやコンセプトは何ですか?
【KYNAN】: 実はすべて夢の中で思いついたんだ。自分の翼を抱いて泣いている天使を夢で見て、”Angel Killer Zero” という3つの言葉を鮮明に覚えていたんだよ。
なぜかはうまく説明できないんだけど、目が覚めたとき、自分が見たものが、当時僕たちが制作していたアルバムのアートとタイトルだとわかったんだ。この曖昧なタイトルと堕天使が正しいんだとね。僕たちが歌詞と音楽で書いていることと完璧に一致していたから。
テーマは、孤独や見捨てられること、愛、喪失感など。だから、アニメやビデオゲームのペルソナのコンセプトをアルバムに入れるのは理にかなっていた。視覚的なフォーマットで消化できるようにね。
Q5: Your way of incorporating noise into riffs like “I Don’t” is truly innovative! Metalcore has long been considered a formulaic genre, but I can sense your passion for evolving the genre, would you agree?
【KYNAN】: Thank you! We completely agree that the genre of metalcore is very regimented and almost gate kept by certain sounds or the way you are supposed to write riffs. We’ve always cared about originality. We don’t want Diamond Construct to sound like anyone else. So we make a point of trying our best to expand the sound that others have left for us to grab influence from. Bands like Korn and Linkin Park blend new things together so well. We’ve always looked up to the Nu-metal genre for being something truly unique. That’s what we want to do in a modern way. Create something new and recognisable that when someone listens to our music they can say “that’s Diamond Construct!”
Q5: “I Don’t” のような、リフにノイズを取り入れるやり方が実にクールで革新的ですね!メタルコアは定型的なジャンルだと思われて久しいですが、このジャンルを進化させようというあなたの情熱を感じますよ。
【KYNAN】: ありがとう!メタルコアというジャンルが非常に規則的で、特定のサウンドやリフの書き方があるせいで門戸が閉ざされているようだということには、僕たちもまったく同意見だよ。
だからこそ、僕たちは常にオリジナリティを大切にしてきた。DIAMOND CONSTRUCT を他の誰かのように聴かせたくない。だから、他のバンドが残してくれたサウンドから影響を受けつつも、自らのサウンドを拡大させようとベストを尽くしているんだ。
KORN や LINKIN PARK のようなバンドは、当時の新しいものをうまく融合させていた。だからこそ、僕たちは Nu-metal というジャンルが本当にユニークなものであることを常に尊敬してきたんだ。僕たちは、ああいうことを今の現代的なやり方でやりたいんだ。誰かが僕らの音楽を聴いたときに、”あれは DIAMOND CONSTRUCT だ!”と言ってもらえるような、新しくてすぐ認識できるものを作りたいんだよ。
Q6: Braden’s “pedal dance” is what gives Diamond Construct its trademark sound! I’ve never seen a guitarist so busy pedaling around, How did he arrive at that style?
【KYNAN】: Braden is a very unique person. He loves to go against the grain and doesn’t like to do what is expected. His love for guitarists like Wes Borland, Josh Travis and Jason Richardson is what grew him into finding his niche which is the pedal dancing. He knows that he might not be the most shreddy or tech guitarist but he’s doing something that not many other people can do and we love to push the boundaries of how a guitar is perceived.
Q6: Braden の “ペダル・ダンス” は、DIAMOND CONSTRUCT のトレードマークとも言えるサウンドを生み出していますね!
あんなに忙しそうにペダルを踏み変えるギタリストを見たことがないのですが、彼はどうやってあのスタイルにたどり着いたのでしょうか?
【KYNAN】: Braden はとてもユニークな人だ。時代の流れに逆らうのが好きで、期待されることをするのが嫌いなんだ。
Wes Borland, Josh Travis, Jason Richardson のようなギタリストへの愛が、彼をペダル・ダンスというニッチなテクニックを見つけるまでに成長させたんだ。彼は、自分が最もシュレッディでテクニカルなギタリストではないかもしれないことを知っているからこそ、他の多くの人ができないことをやっているんだ。僕たちは、全員がギターという楽器の限界を押し広げるのが好きなんだ。
Q7: The music of “Angel Killer Zero” is as diverse or major as that of Code Orange. Especially the crossover with Nu-metal, which has become a trend in modern metal, are bands from that era a big part of your music?
【KYNAN】: Code Orange are a great band! In the early days of childhood for us – our parents would put on a lot of bands that they were into. Bands like Slipknot, Limp Bizkit etc. So we grew up listening to Nu-metal from a young age. We almost understand that genre back to front. It’s undeniably the biggest influence in our music to date. It’s great to see that there is a resurgence in the crossover.
Q7: “Angel Killer Zero” の音楽は、もはや CODE ORANGE と比肩し得るほどに多様でメジャーなサウンドです。
特に、現代のメタルのトレンドとなっている Nu-metal とのクロスオーバーは実に見事ですね。あの時代のバンドは DIAMOND CONSTRUCT の音楽の大きな部分を占めているのでしょうか?
【KYNAN】: CODE ORANGE は素晴らしいバンドだよね!僕らが子供の頃、両親は自分たちが好きなバンドをたくさん聴かせてくれた。SLIPKNOT や LINKIN PARK, LIMP BIZKIT のようなバンドだ。だから僕らは若い頃から Nu-metal を聴いて育ったんだ。
僕たちは、そのジャンルをほとんど隅から隅まで理解している。これまでの僕らの音楽に最も大きな影響を与えたのは紛れもなく Nu-metal だ。だから、クロスオーバーが復活しているのを見るのは素晴らしいことだよ。
Q8: You guys have become even more popular with buzz on TikTok and Instagram. However, there are still many artists who would like to be evaluated on an album basis rather than such clipped videos. How do you feel about such changes in the music industry?
【KYNAN】: This is a really good question. For us, we solely care about writing original music. In a perfect world we’d love to be judged off our albums and songs in particular. But we also understand that the music industry has changed and you have to go with that change otherwise you fall by the wayside of so many bands. In recent times we noticed that to truly make a dent or to be seen you have to have a grasp on modern social media. It’s almost as important as the music these days. So we’ve taken it upon ourselves to learn that world and work on it, become better at it and more consistent with it.
Q8: あなたたちはTikTokやInstagramで話題となり、さらに人気が高まりました。しかし、そのような切り取られた動画ではなく、アルバム単位での評価を望むアーティストもまだまだ多いですよね。こうした音楽業界の変化についてはどう思っていますか?
【KYNAN】: 本当にいい質問だね!僕たちだけの考えならば、オリジナル曲を作ることだけに関心がある。完璧な、理想的な音楽世界であれば、特にアルバムや曲で評価されることを望んでいるに決まっている。
でもね、音楽業界が変化していることも理解しているし、その変化に対応していかなければ、多くのバンドのように道を踏み外してしまう。最近、僕たちは、本当に注目されたり、注目を浴びるためには、現代のソーシャル・メディアを把握しなければならないことに気づいたんだ。それは、音楽と同じくらい重要なことなんだってね。だから僕たちは、その世界を学び、それに取り組み、より上手になり、より一貫したものにすることを自分たちに課したんだよ。