NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CARNOSUS : WORMTALES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CARNOSUS !!

“If Putting a Label On Ourselves, We Would Probably Say Progressive Semi-Technical Melodic Thrash-Infused Death Metal? Our Sound Really Is a Mixture Of a Lot Of Influences.”

DISC REVIEW “WORMTALES”

「もし自分たちにラベルを付けるとしたら、”プログレッシブ・セミ・テクニカル・メロディック・スラッシュ・インフューズド・デス・メタル” とでも言うのかな?そんな感じかな。僕らのサウンドは実に多くの影響をミックスしたもので、それがテクニカルに聴こえる要因にもなっているかもしれない。でも、僕らがいつも “典型的なスウェーデン人” に聴こえないのは、おそらくアメリカのバンドからのインスピレーションによるものだろう」
テクデスの巨人 NECROPHAGIST が眠りについておよそ15年。数多のバンドが彼らの足跡を追おうとしましたが、その偉業に近づけた者は決して多くはありません。その理由は、おそらく NECROPHAGIST の “本質” を見誤っていたから。
もちろん、NECROPHAGIST はあの時代にしては異次元の複雑さと速度、そしてテクニックを纏っていましたが、そこにだけ囚われていたわけではありません。むしろ、そうした “オリンピック” 的離れ業の裏側に、恐ろしいほどに練り込まれ、書き込まれたリフやソロの類稀なる名脚本が存在していたのです。テクデスの魔法に必要なのは、BPM だけではありません。逆に言えば、そこを理解し、努力を重ねた ARCHSPIRE や FIRST FRAGMENT は自らの個性も際立たせながらテクデスの階段を登っていくことができたのです。
「その瞬間に正しいと思うことをやるだけで、今回はグルーヴとヘヴィネスにより重点を置いた、よりミドルテンポのアルバムに仕上がった。さっきも言ったように、僕らは自分たちを “テクデス”バンドだとは思っていない。そのレッテルを貼っているのは、僕らのファンやメタル・コミュニティなんだ」
スウェーデンから登場した CARNOSUS も、テクデスのステレオ・タイプやオリンピックに囚われない “多肉質な” バンドの一つ。同時に、スウェーデンというオールドスクールやメロデスのサンクチュアリで機械仕掛けのテクデスを体内に宿すステレオ・タイプの破壊者、デスメタルのサイボーグに違いありません。
“Tech 戦争” に身を投じたように見えた前作 “Visions of Infinihility” から1年。最新作 ”Wormtales” で彼らは、そのサウンドをこれまで以上に多様な方向に押し進め、テクデスに根ざしつつも、メロデスからスラッシュ、プログレッシブからブラックまで、様々なサブジャンルからの影響を取り入れることに決めました。次のスピード・スターを目指す以上に、その先の新たな怪異に進化する道を望んだのです。
実際、その選択は大成功でしょう。もちろん、”Wormtales” の心臓は機械仕掛けのテクデスでできていますが、その体はまさにスウェーデン。メロデスの悲哀、オールドスクールの地獄、デスラッシュの業火を身体に刻んだ CARNOSUS の血を吐き地を這うテクデスは、千変万化の咆哮を伴って “テクニカル” の意味をリスナーに問いかけます。フレットを正確に最速で駆け巡る以上のカタルシスがここにはあります。
今回弊誌では、CARNOSUS にインタビューを行うことができました。「僕たちの作品の歌詞は、ほとんどが架空の世界を舞台にしているけれど、現実との類似点があるのは間違いない。すべてのフィクションは現実の断片を取り込んでいるが、僕たちの歌詞も同じだ。全体主義体制、大量絶滅、抑圧といった要素が、錬金術、精神病、宗教的矛盾といったテーマと混ざり合っているのさ」時代は7弦ベース。どうぞ!!

CARNOSUS “WORMTALES” : 9.9/10

INTERVIEW WITH CARNOSUS

Q1: First, what kind of music did you listen to growing up? Who were your heroes back then?

【CARNOSUS】: While some of us have listened to metal since childhood, others discovered the genre later in life. For example our drummer Jacob has been a metalhead since age four when he heard the band “Slipknot” for the first time in 1999. Then two years later he got his first drum kit and started practicing double bass and blast beats right away. Meanwhile Marcus S (bass) discovered death metal when he joined the band. He came from progressive metal bands such as “Dream Theater”. Vocalist Jonatan listened to anything and everything really, but enjoyed the rock and punk soundtracks from games like Tony Hawk and Need for Speed. There were quite a few home burned CD’s in his home growing up so there was anything from rock to hip hop to french disco.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたたちの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【CARNOSUS】: 子供の頃からメタルを聴いていた人もいれば、後になってからこのジャンルを知った人もいる。
例えば、ドラマーの Jacob は、1999年に初めて “SLIPKNOT “というバンドを聴いた4歳の頃からメタル・ヘッドだった。それから2年後、彼は初めてドラムキットを手に入れ、すぐにツーバスとブラストビートの練習を始めたんだ。
一方、Marcus・S(ベース)はバンドに加入してデスメタルに目覚めたんだ。彼は DREAM THEATER のようなプログレッシブ・メタル・バンド出身だ。ボーカルの Jonathan は、本当に何でも聴くような感じだ。”Tony Hawk” や “Need For Speed” のようなゲームのロックやパンクのサウンドトラックを楽しんでいた。彼の家には焼いたCDがたくさんあったので、ロックからヒップホップ、フレンチ・ディスコまで何でも聴くことができたね。

Q2: Sweden is known for more old-school or melodic death metal, so why did you guys try your hand at technical death metal?

【CARNOSUS】: To be honest the “tech” just comes from us trying to challenge ourselves musically, sometimes consciously and sometimes less consciously but it’s not really an intention of “let’s write difficult and technical death metal”. If putting a label on ourselves, we would probably say progressive semi-technical melodic thrash-infused death metal? Something like that. Our sound really is a mixture of a lot of influences – which may also be a contributing factor to making it sound technical. But we could agree that we don’t always sound “typically Swedish”, and that is probably due to inspiration from American bands.

Q2: スウェーデンといえば、オールドスクールやメロディックなデスメタルが有名ですが、なぜテクニカル・デスメタルに挑戦したのですか?

【CARNOSUS】: 正直に言うと、”Tech” というのは、自分たちが音楽的に挑戦しようとしていることに由来しているだけで、時には意識的に、時にはあまり意識せずにそうしているんだけど、”難しくてテクニカルなデス・メタルを書こう” という意図ありきではあまりないんだ。
もし自分たちにラベルを付けるとしたら、”プログレッシブ・セミ・テクニカル・メロディック・スラッシュ・インフューズド・デス・メタル” とでも言うのかな?そんな感じかな。僕らのサウンドは実に多くの影響をミックスしたもので、それがテクニカルに聴こえる要因にもなっているかもしれない。でも、僕らがいつも “典型的なスウェーデン人” に聴こえないのは、おそらくアメリカのバンドからのインスピレーションによるものだということには同意できるよ。

Q3: “Visions of Infinihility” was often compared to the Tech-death God, Necrophagist. How did you feel about that comparison?

【CARNOSUS】: Hmm, we didn’t really know that haha. That’s interesting and honorable!

Q3: 前作 “Visions of Infinihility” は、テクデス神 NECROPHATIST とよく比較されていましたね。その比較についてどう感じていましたか?

【CARNOSUS】: うーん、それは知らなかったよ。興味深いし、光栄だね!

Q4: However, in the new album, “Wormtales,” I feel that the focus is more on the beauty of the melody and the scale of the music, rather than on the technique and difficulty of the music. In a sense, you have created your own unique Swedish “Tech-death” style, would you agree?

【CARNOSUS】: Some of the songs on Wormtales were actually written around the same time as the material on Visions of Infinihility and could have ended up on that album if things had gone differently. Ultimately, we then decided that Wormtales should be a darker and heavier album and went in that direction!

Q4: ただ、新作 “Wormtales” では、テクニックや難易度よりも、メロディーの美しさや楽曲のスケール感に焦点が当てられているように感じます。ある意味、スウェーデン的な “テクデス” スタイルを作り上げたと言えるのではないでしょうか?

【CARNOSUS】: “Wormtales” に収録されている曲のいくつかは、実は “Visions of Infinihility” に収録されている曲と同時期に書かれたもので、もし状況が違っていたら、あのアルバムに収録されていたかもしれないんだ。最終的には、”Wormtales” はよりダークでヘヴィなアルバムにするべきだと決めて、その方向に進んだんだけどね!

Q5: Was that change partly due to your desire to distance yourself from the “Tech-death Olympics”, which, like Archspire, for example, are all about technique, speed, and complexity?

【CARNOSUS】: To be honest we don’t really think in that way – trying to distance ourselves from anything – we just do what feels right at the moment and this time we ended up with a more mid-tempo-paced album with more focus on groove and heaviness. As we said earlier, we don’t really consider ourselves to be a “tech death” band. It’s our fans and the metal community who put that label on us.

Q5: そうした変化は、例えば ARCHSPIRE のようにテクニック、スピード、複雑さをとにかく追求する “テク・デス・オリンピック” から距離を置きたかったから起こったのでしょうか?

【CARNOSUS】: 正直に言うと、自分たちを何かから遠ざけようというようなことはあまり考えていないんだ。ただ、その瞬間に正しいと思うことをやるだけで、今回はグルーヴとヘヴィネスにより重点を置いた、よりミドルテンポのアルバムに仕上がった。さっきも言ったように、僕らは自分たちを “テクデス”バンドだとは思っていない。そのレッテルを貼っているのは、僕らのファンやメタル・コミュニティなんだ。

Q6: At the same time, you changed from the typical “Willowtip” style to the shocking old woman face artwork on this album. Was this change also in line with the change in music?

【CARNOSUS】: The album cover for this album is, like for our previous albums, strongly connected to the lyrical concept. But we felt that since both of our earlier albums have a landscape-esque cover art it was a good idea to change it up with a more defined character from the story. The look of the artwork and sound of the album sort of evolved together. We knew that we wanted this album to be darker and the concept we came up with for the artwork felt like it would look good in an “old painting”-style. Artist Timon Kokott captured our vision perfectly with his acrylic painting. Then, during mixing, producer Robert Kukla had the artwork to look to set the mood. So it really is a result of an intertwined process!

Q6: 同時に、このアルバムでは典型的な “Willowtip” スタイルから、衝撃的な老婆の顔のアートワークに変わりました。

【CARNOSUS】: 今作のジャケットは、これまでのアルバムと同様、歌詞のコンセプトと強く結びついている。でも、以前のアルバムは2枚とも風景画のようなジャケット・アートだったので、物語の登場人物をよりはっきりさせたものに変えるのはいいアイデアだと思ったんだ。
アートワークとアルバムのサウンドは、一緒に進化していった感じだね。僕たちは、このアルバムをよりダークなものにしたいと思っていたし、アートワークのコンセプトは “古い絵画” のようなスタイルが似合うと思った。アーティストのティモン・ココットは、彼のアクリル画で僕たちのビジョンを完璧に表現してくれた。そして、プロデューサーのロバート・ククラは、ミキシングの際に、このアートワークを見て作品のムードを作り上げたんだ。だから、本当に絡み合ったプロセスの結果なんだよ!

Q7: Vocal expression has also improved remarkably on this album! What theme or concept does this album deal with with those vocals?

【CARNOSUS】: “Wormtales” acts as a prequel to our previous albums “Visions of Infinihility” and “Dogma of the Deceased”, so it takes place in an already established lore but deals more with the origins of the story. Trying to keep it somewhat comprehensive, one could say that “Wormtales” deals with a paradoxical impulse and a yearning for the ultimate escapism ― a simultaneous desire for death and immortality ― and the delirious acts of a sick mind that tries its hardest to reach these goals. These impulses and deliriums intertwined with a prophecy told by the worms.

Q7: ボーカルの表現力もこのアルバムで著しく向上しましたね!その歌で、どのようなテーマやコンセプトを表現したのですか?

【CARNOSUS】: “Wormtales” は、前作 “Visions of Infinihility” と “Dogma of the Deceased” の前日譚にあたるので、すでに確立された伝承が舞台になっている。より僕らの物語の起源を扱っているんだ。
ある程度包括的な言い方をすれば、”Wormtales” は逆説的な衝動と究極の逃避への憧れ–死と不死の同時願望、そしてその目標に到達しようと懸命に努力する病んだ心の錯乱行動を扱っている。これらの衝動と錯乱は、ワームが語る予言と絡み合っている。

Q8: Death metal used to be a genre with horror and fantasy themes, but in recent years, more and more bands are dealing with more social issues. How do you guys deal with the reality in death metal, which is more horror than horror, in a world of war, oppression, and division?

【CARNOSUS】: The lyrics on our releases are mostly set in a fictional world but there are definitely parallels to be drawn to reality. All fiction takes bits and pieces from reality and it’s the same with our lyrics. There are elements from totalitarian regimes, mass extinction and oppression mixed with themes of alchemy, mental illness and religious contradictions.

Q8: かつてデスメタルはホラーやファンタジーをテーマにしたジャンルでしたが、近年はより社会的な問題を扱うバンドが増えています。戦争、抑圧、分断の世界で、ホラーよりホラーな現代において、あなたたちはどのようにその現実と向き合っているのでしょうか?

【CARNOSUS】: 僕たちの作品の歌詞は、ほとんどが架空の世界を舞台にしているけれど、現実との類似点があるのは間違いない。すべてのフィクションは現実の断片を取り込んでいるが、僕たちの歌詞も同じだ。全体主義体制、大量絶滅、抑圧といった要素が、錬金術、精神病、宗教的矛盾といったテーマと混ざり合っているのさ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CARNOSUS’S LIFE!!

Rickard Persson (guitarist) – Job For A Cowboy – “Gloom”

Marcus Jokela Nyström (guitarist) – Slipknot – “All Hope is Gone”

Jonatan Karasiak (vocalist) – Bloodbath – “The Fathomless Mastery, and Shining – V: Halmstad”

Marcus Strindlund (bassist) – Dream Theater – “Metropolis pt. II: Scenes From a Memory” and In Flames – “Come Clarity”

Jacob Hedner (drummer) – Early life: Slipknot – “Slipknot”, Later: The Faceless – “Planetary Duality”

MESSAGE FOR JAPAN

It’s safe to say that we’ve all played a bunch of Nintendo games and watched Pokémon over the years! It seems that Japan also has a big car-tuning scene which is fun for those of us who enjoy games like Need for Speed.
Jacob (drums) is a huge fan of the Dragon Ball manga and used to be an avid collector and player of the Yu-gi-oh! and Pokémon trading cards growing up. He also used to collect and battle Beyblades and still has a sizable collection at his parents house

任天堂のゲームやポケモンは、誰もが何年もプレイしたことがあるよね!また、日本では車のチューニングシーンも盛んなようで、”Need For Speed” のようなゲームが好きな僕らにとっては楽しいことなんだ!
Jacob はドラゴンボールの漫画の大ファンで、幼い頃は遊戯王やポケモンのトレーディングカードの熱心なコレクターでありプレイヤーだった。また、ベイブレードを集めてバトルしていたこともあり、今でも実家にかなりのコレクションがあるんだよ!

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