EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TORFINN LYSNE OF YAWN !!
“We Are Also Obviously Very Into Metal, And We Often See a Lot Of «Standardized» Ways Of Producing And Composing This Kind Of Music Today. We Try To Challenge These Ways By Including More Inspiration From Jazz And Contemporary music.”
“America Used To Have an Obsession With Remaking The Famous Japanese Horror Films, And To Me, They Were Never Scary, Because It Placed Those Stories In Our Culture. To Me What Makes Japanese Horror Stand Out, And What Makes It Scarier, Is The Differences In Our Surroundings, And Cultures.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FRANCK HUESO OF CARPENTER BRUT !!
“Metal Music Was Boring Me, I Thought The Genre Was Going In Circles. Then One Day I Watched a Justice Live Show And It Was The Trigger. Why Not Push Electro To The Point That It Sounds As Powerful As Metal Music? So Carpenter Brut Was Born.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BOB KATSIONIS OF STRAY GODS !!
“I Think That It Has To Do That I’m a Good RPG Player. I Can Get Easily In The Shoes Of Every Band Like I’m a Full Member Of It. I Can Pretend To Be Adrian Smith, Jim Matheos, And Joey DeMaio All On The Same Day.”
BOB KATSIONIS “KEEPER OF THE GREEK POWER METAL”
1980年代後半、ヨーロッパでパワーメタルが登場したとき、それは要するに、すべての “つまみ” を最大にした伝統的なヘヴィ・メタルだったのかもしれません。HELLOWEEN や GAMMA RAY といったバンドは、JUDAS PRIEST や IRON MAIDEN が築いた核となるサウンドに、よりビッグで晴れやかなメロディー、より大仰なアレンジ、より華やかなボーカルを吹き込み、創造力を過剰なファンタジー世界へと導くことに成功しました。パワーメタルが発展するにつれ、アーティストたちはサウンドの特定の側面に焦点を当て、よりシンフォニック。プログレッシブな分派や、スラッシュ、スピードメタルとの再会を目論む一派も登場。細分化が加速されていきます。しかし、1990年代後半から2000年代初頭にかけてギリシャで生まれたパワーメタルのシーンは当初、初期のパワーメタルの原則にほぼ忠実だったのです。
その後20年間で、ギリシャはおそらく世界で最も強力なパワーメタル・シーンに発展しました。リリースされた作品の数、全体的なクオリティ、あるいは探求されたサウンドの幅など、どれをとっても、地中海沿岸の国は世界中のパワーメタル・ウォーリアーズから大きな尊敬を集めています。
実際、初期からシーンを見守る SACRED OUTCRY のベーシスト George Apalodimas は、「最近、ギリシャからリリースされる作品のクオリティに人々が注目しているのを見て、とても嬉しく思っている。伝統的なヘヴィ/パワーからプログレッシブやシンフォニックなものまで、幅広いスペクトルをカバーする様々なアーティストが揃っているし、僕らが最初に活動していた(90年代)頃と比べて、シーンは大きく進歩したんだ」と語っています。
ギリシャで Bob Katsionis ほどパワー・メタルの強豪国としての評判を高めている人物はいないでしょう。アテネ出身の Bob は、2000年代前半に CASUS BELLI と FIREWIND のキーボード奏者として有名になりました。この2つのバンドは、ギリシャがモダンなシーンを確立する上で非常に重要なバンド。
「たしかに FIREWIND が現れて、いくつかのドアを開けたことも今の状況に関係していると思う。私たちが現れるまで、ギリシャで成功したバンドは ROTTING CHRIST や SEPTIC FLESH のようなブラックメタル・バンドだけだったんだ」
特に、Gus. G 率いる FIREWIND は、その津波のように押し寄せるメロディーと超絶技巧の炎風で日本でも大きな成功を掴み、グリーク・パワーメタルの存在を世界へと知らしめる原動力となったのです。
「ソロ、OUTLOUD, SERIOUS BLACK, VASS/KATSIONIS, WARRIOR PATH, STRAY GODS, イタリアの WONDERS、あと VALIDOR も。ププッ多すぎて挙げられない!(笑) 実はそれは、私が RPG の良いプレイヤーであることと関係があると思うんだ。どのバンドにも、自分がそのバンドの完全なメンバーであるかのように、簡単に入り込むことができるんだ。Adrian Smith, Jim Matheos, Joey DeMaio に同じ日になりきることができるんだ」
FIREWIND を離れた現在、Bob は世界中の様々なバンドで演奏し、レコーディング・エンジニアやミュージック・ビデオのディレクターとして働き、Symmetric Records を運営し、ギリシャから最もエキサイティングなメタルのレコードを様々な形でリリースしているのです。Bob Katsionis は、かつての Shrapnel Records における Mike Varney のごとく、これらのアルバムの多くを自らプロデュースし、演奏も加えています。
「FIREWIND を辞めてからの2年間で、私は新しいスタジオを作り、素晴らしいアルバムをリリースしながら Symmetric Records をアンダーグラウンドで尊敬されるレーベルにし、プロデューサーとしての地位も確立できた。これは、”バンドでキーボードを演奏している人” ではなく、自分自身でいることの利点だったよね」
Bob の最初の本格的なバンド、SKYWARD は、解散する前にフルレングスを録音することができませんでした。ゆえに、ギリシャをパワー・メタルの地図に乗せたのは、1998年にデビューしたアテネの別のバンドでした。INNERWISH の “Waiting for the Dawn” は、HELLOWEEN の “Keeper of the Seven Keys” のメタル・ファンタジーと STRATOVARIUS のパワー・シンセサウンドの中間にあって、ギリシャで今日まで続いているパワーメタルの連鎖の始まりとなりました。
INNERWISH の “Waiting for the Dawn” からのラインナップはアルバム1枚のみとなりましたが、その後バンドはギタリスト Thimios Krikos と Manolis Tsigos の脇を固めるミュージシャンを交代しながら活動を続けてきました。彼らの最新作は2016年のセルフタイトル作品で、EVERGREY や SYMPHONY X を彷彿とさせるプログレッシブな装飾を施した、より洗練されたパワーメタルへと進化を遂げています。かつて弊誌がインタビューを行ったグリーク・パワーの超新星 WARDRUM, SUNBURST にしても、NEVERMORE, KAMELOT という二大プログパワー・バンドを崇拝していましたし、UNTIL RAIN という才能もいます。プログは一つのキーワードなのかもしれませんね。ともあれ、INNERWISH は、同世代の FIREWIND とともに、20年経った今もなおグリーク・パワーメタルを代表する存在といえます。
1998年にピレウスで結成された SACRED OUTCRY ですが、デビュー・アルバム “Damned for All Time” がリリースされたのはなんと2020年のことでした。バンドは初期にカルト的なデモを2つ発表していて、2003年のデモは実質的に “Damned” のラフな原型でしたが、最終バージョンは待つ価値が十分にあったといえます。壮大なメタル、魅惑的なアコースティック・パッセージ、豊かなメロディー、スラッシーなリズム、そして Yannis Papadopoulos のパワフルなボーカルが融合したこの作品は、ギリシャのシーンのみならず、パワーメタル全体のクラシックとなりました。
バンドのベーシストであり、唯一の創設メンバーである George Apalodimas は、「私はパワーメタルをずっと愛してきた。うまくいけば感情を伝えることができるからね。このジャンルの音楽と歌詞は、日常の生活や葛藤から抜け出すための入り口として機能するんだ。そして、それが私たちの音楽で常に目指しているものなんだ」と語ります。
“Damned for All Time” が提供する逃避は、Apalodimas と彼のバンドメンバーが愛するファンタジー小説に根ざしています。アートワークには、マイケル・ムアコックの代表作である『メルニボネの皇子』のエルリックが、頭上をドラゴンが飛び交う厳かな城を見つめる姿が描かれています。このアートはアルバムの雰囲気と完璧にマッチし、特に14分にも及ぶ見事なセンターピース “Damned for All Time” は圧巻のファンタジー。元 LOST HORIZON のシンガー Daniel Heiman をボーカルに迎えた2ndアルバムもすでに “オーブン” の中にあります。このスウェーデン人は、2000年代初期に最も高く評価されたパワーメタルの声であり、ギリシャのシーンの名誉あるメンバーとしての彼の再登場は喜ばしいことといえるでしょう。
VALIDOR 唯一の常任メンバーである Odi Thunderer は、自身の音楽を “Blood Metal” と呼んでいます。その理由は簡単。Symmetric Records からリリースされた VALIDOR の最新アルバム “Full Triumphed” からは、マーチング・ドラム、スタッカート・ボーカル、ぎっしり詰まったリフに紛れもない血で血を洗う戦争のにおいがします。Thunderer のパワーメタル解釈は、このジャンルの華やかなヨーロッパスタイルよりも、MANILLA ROAD や CIRITH UNGOL といったエピック・メタルとの共通点が多いといえます。そのため、彼はギリシャでは比較的異質な存在ですが、それでも演奏も受け持った Bob Katsionis をはじめシーンの著名人たちとは深く交流しています。
「私の音楽はすべて、”Seventh Son of a Seventh Son” を中心に発展してきたんだ。音、音符、構造、コンセプト。IRON MAIDEN は皆も知る通り、音楽以外にも多くのことをやっている。アートであり、ロックであり、メタルであり、イメージであり、伝説なんだ。だから偉大なんだよ」
では、Bob Katsionis を中心とした グリーク・パワーメタルの原点はどこにあるのでしょうか。答えはズバリ、IRON MAIDEN です。エディをアイコンとしたメイデンのマーケティング戦略やアート、イメージ作り、伝統的なメタルを突き詰めながら幅をもたせた多様なサウンド、そして練りに練ったストーリーをアルバムに付与するコンセプト。そのすべてが Bob Katsionis の作品群とギリシャのパワーメタルに投影されているのです。
「正直なところ、昔のメイデン・ファンの大半がそうであるように、ここ10~15年の彼らにはかなりついていけてないんだ。しかし、これは彼らではなく、私に問題があるんだよ。私は “Senjutsu” を好きになろうとしたし、最後には好きになった。でもたしかに、曲はとても長くて退屈なんだよね」
STRAY GODS はそんな Bob の “メイデン愛” を形にした新たなプロジェクト。ボーカルも、ギターも、リズム隊も、恐ろしいほどに IRON MAIDEN しています。ただし、重要なのは “Storm the Walls” の楽曲はすべてがオリジナルで、ありそうでなさそうであるかもしれないけどないようなメイデンのリフやサウンドを奏でている点です。さらにいえば、”Somewhere in Time”, “Seventh Son of a Seventh Son” というメイデン史上最もキャッチーで煌びやかだった時代を基盤としているので、現在のメイデンには期待できないカタルシスやシンガロング、スピードアタックが存分に繰り広げられているのです。まさにここは “If” の世界。もしメイデンが、あのころの輝きを取り戻したら…
今回弊誌では、弦と鍵盤の二刀流天才派、Bob Katsionis にインタビューを行うことができました。「例えば、DREAM THEATERのように、曲の長さを正当化することはできない。だから、私は彼らを “プログレッシブ” とは呼ばないんだよ。彼らに今必要なのは、外部のプロデューサーなんだろうな。でも、それをいったい誰が言うんだろうね?我々は最後まで彼らを追いかけ、愛していくつもりだよ」 素晴らしいですね。オリジナルだなんだのいろいろをすっ飛ばして言えるなら、”Senjutsu” の2万倍良い。Bandcamp のメタル部門で発売からずっと一位を守り続けているのも頷けます。オリンパス・メタルの守護者の登場。どうぞ!!
“Punk Is Anything We Want It To Be. I Like ‘Do-it-yourself’ Because It’s Whatever You Feel Like. It Doesn’t Have To Be a Certain Way.”
GROWING UP
「言いたいことは何でも言うべきだし、言えたらそれを誇りに思うべき」
まだ若く、会場によっては客として入れないかもしれませんが、LA のパンクバンド THE LINDA LINDAS はシーンに特別注目されています。昨年の大ヒット “Racist, Sexist Boy” で Epitaph にピックアップされた後、強さと10代特有の青を持った彼女たちは、すでに世界を相手にする準備が整っているのです。
ニーハイソックスとグラフィックTシャツに身を包んだアジア系とラテン系の4人の少女は、パンデミックの中で急増した反アジアの憎悪に対して、勇ましくも正当で、活気ある雄叫びを上げました。
自分の10代を振り返ってみればわかるでしょうが、ティーンエイジャーの多くは夏休みの過ごし方をあまり考えてはいません。数ヶ月に及ぶ授業、宿題、試験の後、一年のうちで最も晴れやかな時期を気ままに過ごせる自由はあまりに優雅です。綿密な計画は必要ありません。友達に会ったり、日光浴をしたり、学校の時間割にはない楽しさとリラックスを詰め込むためのシンプルな時間。
しかし今年、Lucia と Mila の De La Garza 姉妹、いとこの Eloise Wong、長年の友人 Bela Salazar は、THE LINDA LINDAS 初のヘッドライン・ツアーに出発し、他に類を見ない冒険の夏休みを過ごすことに決まっています。BIKINI KILL の Kathleen Hanna が彼女たちの母親に直接メールを送り、彼女のバンドの再結成ツアーの前座を務めてもらえないか頼んだという逸話も。彼女たちはリラックスしている場合ではないのです。
多くのバンドとは異なり、THE LINDA LINDAS にはフロント・パーソンがいません。4人全員が歌い、作詞作曲をすることで、それぞれの声がほぼ均等に聞こえるようになっています。ベーシストの Eloise は最も熱狂的な性格で、怒りに満ちた楽曲にぴったりの力強いシャウト・スタイルを持っています。ギタリストの Bela はビッグなリフを奏でながら、メランコリックで物思いにふけったり、ヒステリックな叫び声をあげるのに適した硬質な歌声を披露。
一方で、同じくギターの Lucia は、晴れやかな楽観主義で、世界をありのままにとらえながらも、そこに喜びを見出すような曲を書き連ねます。ドラマーである Mila の歌詞は、姉の Lucia でさえ 「彼女がまだ11歳だなんて信じられない!12歳、いや15歳くらいに感じる時もあるわ!」 と語るほど自己認識と思慮深さに秀でています。
昨年半ば、LA市立図書館で “Racist, Sexist Boy” を披露した動画は予想外に拡散され、この4人組はシーンに突如現れることとなりました。Mila の同級生が、父親から、彼女のような中国系には近づくなと言われたことがすべてのはじまりでした。ジョージ・フロイドの殺害事件と BLM で世界が変化を求めているときに、反ヘイトの気迫に満ちた彼女たちの賛歌が心を打ったのでしょう。彼女たちが見せた強さと希望は、まもなく伝説的なパンクレーベル、Epitaph へと4人を導くことになりました。
「BAD RELIGION, DESCENDENTS, RED AUNTS, L7 など、私たちが大好きなバンドがたくさん所属しているレーベルの一員になれるなんて、シュールな話ね。SOUL GLO と THE MUSLIMS が Epitaph と契約したことにも興奮しているわ」
そして、”RSB” の拡散は、同じように “嫌な奴” の無知に悩まされた見知らぬ人たちから多くのメッセージが殺到することにもつながりました。
「この曲が人々をひとつにするのは素晴らしいことだけど、多くの人が共感してしまう状況は本当に悲しいことだわ」
Mila と Eloise は、2020年11月にロックダウンが始まる1週間前に Mila がクラスメートと交わしたやりとりを受けて、この曲を書き下ろしました。
「彼は、お父さんに中国人に近づくなと言われたと、ピンクの大きなパーカーから頭を覗かせながら言うの。なぜそんなことを言われるのか、とても困惑したわ。何が起きているのかわからなくて、私が中国系だと言ったら、彼は私から離れ始めたの」
Mila は家に帰り、家族とバンド仲間にその出来事を話しました。”Racist Sexist Boy “が誕生したのは、それからズームコールによって誕生していきます。虐げられてきたすべての人の力になることを願いながら…
「”Racist Sexist Boy” が爆発的にヒットした直後は、バンドにいるアジア人ってどんな感じなのかって質問されたよ…音楽で自分を表現することは、私にとってとても大切なこと。怒っているときに怒ったり、悲しんでいるときに悲しんだりすることができるのが、音楽のいいところなの。音楽があれば、他の方法では封じ込めてしまうようなことも話すことができる。政治的、社会的な問題であろうとなかろうと、吐き出したいことは何でも書くわ」と Eloise は打ち明けます。
「自分たちの声を、声をもたない人たちのために使いたかった」と Mila も頷きます。
当初、この曲は “Idiotic Boy” と呼ばれ、「馬鹿で愚かな」男の子について歌っていましたが、彼女たちは能力主義について学び、Eloise はその言葉がいかに人を傷つけるかを学んだと言います。
「この歌は、人種差別的で性差別的な男の子に対抗するためのものだったけど、私たちが差別的なことをしては元も子もない。だから、言葉を変えたの。私たちは知性についてではなく、いじめっ子であることについてより多く語ることにした。9歳の少女に実際に起こったことを物語にしたかった。そうすれば、世界は無視できなくなるから」
今でも少年からの謝罪はありません。しかし、Lucia たちにとってそれはもうすでに重要なことではないのです。
「もう、彼のことはどうでもいいの。より良くなるため、やってはいけないことを人々に伝えるため、そして私たち全員がより良くなるためのものになったから。私たちは完璧ではない。たとえ男の子でなくても、人種差別や性差別をしないこと。ホモフォビック(同性愛嫌悪)であってはならない。ただ、悪い人にならないように。そして能力主義にも陥らないように」
THE LINDA LINDAS の4人は、BEST COAST, THE CLASH, THE ADOLESCENTS, YEAH YEAH YEAHS といった反抗の音に囲まれて育ちました。「私は “子供の音楽” を聴いたことがなかったの」 と語る彼女たちは、まだ幼稚園に通っているときでさえ、分厚い耳栓で武装して初めてコンサートに参加しました。その多くは、世界最大の独立系レコード店と自負する Amoeba Records で行われた全年齢対象の昼間のショーでした。音楽的な生い立ちとしては、かなり印象的でしょう。
4人は2018年、Girlschool LA festival のピックアップ・バンドに誘われ、そこで BEST COAST の Bethany Cosentino と YEAH YEAH YEAHS の Karen O に初めて会った後、一緒に音楽を作るようになります。さらに、Lucia と Mila は、父親であるグラミー賞受賞プロデューサー兼サウンドエンジニア Carlos De La Garza が、PARAMORE の最新アルバム2枚と Hayley Williams のソロ・アルバム2枚を手掛けていることから、PARAMORE からも恩恵を受けることになります。実際、二人がこれまでに受けた音楽業界に関する最高のアドバイスは、Hayley からのもの。
「いつノーと言うべきか。そしてノーは時としてイエスと同じくらいパワフルであることを知ること。クールな両親を持ったわ。パンクのライブに行ったり、ミックステープを作ったり、誰でも何でもできるというパンクの DIY 文化とともに育ったから。パンクは、私たちが望むものなら何でもできる。決められたやり方なんてないの」
THE LINDA LINDAS が代表曲 “Rebel Girl” をカバーしたのを見た Kathleen Hanna は、30年前に BIKINI KILL が歩んだのと同じ攻撃的でフェミニストなパンクの道を歩むバンドにチャンスを与えるべきだと考え、2019年に彼女たちをツアーに帯同します。Lucia が振り返ります。
「あれは大きなチャンスだった。BIKINI KILL がいなかったら、私たちはおそらくバンドをやっていなかったと思う。彼女たちは、女性がバンドに参加し、コンサートに行くことについて、それほど批判されることなく受け入れられるようになるという革命を起こしたの。これは本当に特別なことよ。そして、初日から私たちを信じて、応援してくれた人たちがたくさんいる。私たちが望むような方法で、クリエイティブになれると教えてくれたの」
誰もがそうではありませんが、インターネット上のある種の人々は、楽器を演奏する4人の女の子を見て、彼女たちのメッセージには興味を示さずただ、”かわいい” と切り捨てています。当然、それは THE LINDA LINDAS を苛立たせ、Mila は見下すようなコメントよりも憎しみを感じるくらいだと言います。「男だけのバンドにそんなこと言わないでしょ」とルシアは指摘します。
「私たちは自分たちがしていることを真剣に受け止めている。この仕事を長く続けているわけではないけれど、音楽を作ることは私たちにとってとてもとても大切なことだとわかっているのだから」
視野の狭いキーボード・ウォーリアーたちは、本当に見逃していることがあります。この4人の仲間は、今、私たちの時代に対するあまりにダイレクトなメッセージを持っていることを。THE LINDA LINDAS の “パンク” を疑ってかかると、きっと後悔することになるはずです。”Racist, Sexist, Boy” はたしかに THE LINDA LINDAS を成層圏まで押し上げて、彼女たちの道筋を決めました。しかし、Lucia は単に表現と寛容のために戦うだけではないことを強調しています。
「私たちは、人種差別や性差別について話すことを期待される立場に置かれることが多くなった。もちろん、それについても話したいと思っているけど、それが私たちのすべてではないのよね。私たちが有色人種の若い女性だからといって、それが私たちの責任になることを望んではいないのよ。誰かに話をする義務があるわけではないの」
しかし、COVID-19がアメリカの海岸に届く前から彼女たちは、メキシコ人を犯罪者、麻薬の売人、強姦魔と決めつけ、COVID-19を “中国のウイルス” と呼んだホワイトハウスの老人のおかげで、かなり複雑で、物議を醸す状況で育つことを余儀なくされました。
「毎日何かあったのは確かよね。パンデミック、大統領選挙、Stop Asian Hate や Black Lives Matter みたいなことが立て続けにあったわ。何が起こっているのか、自分には何もできないと感じながら、家で座っているのは本当につらかった。そんな時には、自分が自分自身の最大の敵にならないように、心の中で何が起こっているのか、つまり、内面的に何かを理解する方法を見つけなければならないの。それがソングライティングなのよ」
ゆえに、彼女たちが音楽を通じて共有している世界観の形成に、アメリカの前政権は極めて大きな影響を及ぼしました。ホワイトハウスの横暴もあって、彼女たちは “Racist, Sexist Boy” を書き上げ、2020年の大統領選でついにトランプが大統領から解任されたその渦中に楽曲を完成させたのです。
彼女たちは投票するには若すぎたために(そして今も)トランプの横暴に対して何もできないままでした。だからこそ、THE LINDA LINDAS での活動は、彼女たちが感じた無力感に対する解毒剤になったのです。大人たちは、この困難な時代に育つ子供が若すぎて政治的なレトリックや意味、立場を理解できないと思っているかもしれません。しかし、それは真実から遠く離れていることを Mila は主張しています。
「でも、私たちは毎日状況を見ているんだよ。私たちは政治を理解しているの。わからないことがあれば、説明をしてほしい。難しくても理解したいと願うから」
Lucia は、このアルバムに収録されている曲のうち、よりハッピーな曲を好んで提供しました。アッパーなタイトル”Growing Up” は、成長という潮流に流されることを受け入れ、可能な限りその中から楽しみを絞り出すという内容です。彼女は、スタジオでは悲しい曲も書いていましたが、自分の感情をさらけ出す準備が出来ていないようでした。それでも懸命に絞り出したのが、パンデミックの暗い雰囲気の中で希望を見出そうとする Mila との共作、”Remember”。
「パンデミックにおける “Zoom スクール” の日々では、すべての日が同じで1つにぼやけているように感じられ、何も把握することができなかった。ある日に、何もしなかった自分を許すにはどうしたらいいか、生産的になれないことに罪悪感を持たないようにするにはどうしたらいいか、それを考えるのが大変だったわ。時には、何もしないことを受け入れることも必要なのよね。自分にとってそれが必要な時もあるのだから」
Bela は曲作りの際、自分の感情を深く掘り下げることに抵抗がありました。彼女は、自分の感情を世界と共有することは、難しく苦しいと認めていて、”Nino” のように、より幸せで簡単なトピックにこだわることを好んでいます。掘り下げたい感情があっても、公にするのが怖いと感じたとき、彼女は “Cuantas Veces (How Many Times)” を書くことでその方法を見つけました。歌詞はスペイン語で書かれています。
「スペイン語は誰もが理解できるわけではないので、自分の感情を共有するのにより神聖で安全なことだと感じていたわ。私はスペイン語を話して育ち、スペイン語と英語を同時に学んだかは、スペイン語は私という人間の本当に深い部分だと言えるの」
パンクらしい DIY の精神も貫かれています。Eloise が解説します。
「ジャケットアートは、私たち一人一人の紙人形を作って、友達の Zen Sekizawa さんが撮影してくれた。ニッキ・マクルーアの切り絵や、テ・ウォンユの紙の彫刻にインスパイアされたの。パンクは単なる音やスタイルではない。好きなことを好きな人とやって、自分にとって重要なことを貫くこと。誰もやらないなら、自分でやること。ただクリエイティブでいて、楽しむこと」
THE LINDA LINDAS の成功はあっという間に高々と聳え、彼女たちはまだそのすべてを吸収しきれてはいません。彼女たちは、自分たちがアルバムを作ったという事実さえもまだ頭の中で整理できていないのですから。2005年の日本映画 “リンダ リンダ リンダ” で、女子高生が THE BLUE HEARTS の “リンダ・リンダ” を習うシーンにインスパイアされた THE LINDA LINDAS は、その後、Netflixのドキュメンタリー映画でオリジナル曲を披露し、今では完全に “バイラル” な状況に置かれています。
「ただ楽しかっただけなのに……”うぉー、ハリウッド・パラディアムで演奏したぞー” って。それから、”すごい、映画に出たぞ!” って。そして今、私たちはバイラルな状態。学校に行けば歓声が上がる。正直、ついていくのが大変よ」
当然、期待に胸を膨らませていますが、何よりもこの4人は、このアルバムが自分たちの夢の扉を開く鍵になることを望んでいます。
「より多くの人に聴いてもらえるように、そして世界のいろんな場所で演奏できるように。旅をしたいし、もっと音楽を発表したい。でも、それ以上に大切なことがある。それは、自分たちが好きなことをやりつづけること」
彼女たちは “かわいい” と言われるのが嫌いで、Lucia は自分たちの名声がいつまで続くのか心配になることがあるといいます。
「私たちが若くて、女の子で、アジア系で、ラテン系だから、みんなに好かれるのだろうか?私たちが年をとったらどうなるんだろう?私はいつも起こっていることを否定して悲観的になっている気がする。でも、ここ数日は楽しくて仕方がない。だから、楽しもうって感じ。そして、もっともっと曲を書いて、続けていくつもりよ!」
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ZAC LOMBARDI OF WITHOUT WAVES !!
“The Record Often Deals With Themes Such As Duality, Perspective, And Intent And We Feel That This Scene Represents That Perfectly. What Appears To Be An Act Of Violence Is In Fact An Act Of Nourishment.”
DISC REVIEW “COMEDIAN”
「少なくとも僕たちにとっては、まさしくプログとは “なんでもできる” ものなんだ。このバンドを始めたのは、自分たちが正しいと思うことを何でもできるようにするためだったからね。もし本当に良いアイデアであれば、どんな音楽であれ、僕たちはそれを認めるべきなんだ」
シカゴの雑踏で生まれた WITHOUT WAVES は、”Cometian” でその雑多な音の葉にさらなる激しさを加え、すでに圧巻だった音楽に感情的な重みを加えています。ここ数年、彼らはプログ・メタルの領域でゆっくりと、しかし確実にその存在感を増してきました。
前作 “Lunar” で、バンドはプログレッシブな要素とマスコア、オルタナティブ、メタルを組み合わせた幅広い才能を発揮。そして今、3枚目のフルアルバム “Comedian” で彼らは、そんなプログレッシブな調和に波音を立てることなく、それでもアグレッシブな海溝を探索していくのです。
「このレコードは、二元性、視点、意図といったテーマを主に扱っているんだけど、このシーンはそれを完璧に表現していると感じているよ。暴力行為に見えるものが、実は栄養をつけてあげるのための行為 (突いて流血させたのではなく、雛を育てるフラミンゴ・ミルクが流れているだけ) であるんだからね」
誰もが “Comedian” のアートワークには衝撃を受けるはずです。雛に餌を与えているフラミンゴが、他の鳥に突かれて血を流しているように見えるのですから。しかし、一見理不尽な暴力に見えるこの光景は、雛を養うためのフラミンゴ・ミルクを流している一場面でした。つまり、このアートワーク自体が、バンドがアルバムで追求する情報化社会の恐怖、二面性を代弁して、さらには激しいマスコアの暴力と、繊細美麗なプログが共存するレコードの音楽までも暗示しているのです。 アルバムの楽曲には不安の糸が通されていて、情報の選別、恐怖、闇に対する無数の感情的反応がその周辺を包んでいます。
「僕たちは現代社会の闇を純粋にシニカルな意味ではなく、むしろ受け入れるという意味で言っているんだよ。人生にはニュアンスがあって、葛藤の中にも美しさがあるものだ。それを含めて笑い飛ばせることが大切だと思うんだよね。特に自分自身のことは」
このアルバムでは時に難しいトピックが扱われていますが、彼らは悲劇にはしばしばユーモアが住むことを認めており、コメディは難しい真実を和らげ、より簡単に解釈し処理することができると信じています。例えば、アカデミー賞でコメディアンと俳優が起こしたイザコザも、むしろ私たちがコメディアンとなって受け取るだけで随分と空気が変わるのかもしれません。つまり、”Comedian” という作品は本質的に、悩みを和らげるためにユーモアやアートを使うことの重要性を掘り下げているのです。
故に、”Comedian” はカオスと調和の中間に位置する、巧みなバランスを披露します。前半では、印象的なテクニックと精巧なソングライティングを披露し、魅惑のプログ・メタルと無慈悲なマスコアをシームレスに融合。”Good Grief” や “Animal Kingdom” は THE DILLINGER ESCAPE PLAN や MESHUGGAH のような重音の数学を教えつつ、DEFTONES や Devin Townsend の崇高で余韻と息つく間を与えダイナミズムを創成。
後半はメロディックな側面が顕著となるものの、”Do What Scares You” や “Sleight in Shadows” にはダークで攻撃的な瞬間がいくつも組み込まれており、そのスリルと青々とした美しさが絶妙に対比の美学を形作ります。そして、静けさと混沌、浮遊するアンビエンスと威圧が交差する”Worlds Apart” と “Seven” は完璧なクローザー。
そうして彼らは、プログレッシブというラベルを超越的に解釈し、前述のバンド以外にも、GOJIRA, MASTODON, PORCUPINE TREE といった “フォワード・シンキング” なバンドのファンのコレクションに心地よく収まるようなレコードを作り上げました。プログレッシブとヘヴィネスに対する彼らのダイナミックで実験的な試みは、刺激的で示唆に富み、型にはまることはありません。まさに足し算のファンタジスタ。
今回弊誌では、要のギタリスト Zac Lombardi にインタビューを行うことができました。「好きなゲームは “メタルギア・ソリッド”, “ゼルダの伝説 Bless of the Wild”, “天誅 ステルス・アサシン” だね。あとは、MELT BANANA も大好きなんだ」 どうぞ!!
Q1: First of all, you were born in Israel. From jazz, classical music, to metal, recently Israeli artists are leading the music scene. How does your being born and raised in Israel affect your music?
【ORI】: The Israeli music scene is extremely diverse, having a lot of great artists in many genres and styles. This means you are very likely to encounter a show by a great band that does something a bit different than what you usually listen to. Such a scene really complements our style of composition, as we love taking even the tiniest bits of inspiration from music that is sometimes completely unrelated to us stylistically.
Q2: How did Mental Fracture come to be? Where did your band name come from?
【ORI】: In 2010 Ori, Yogev and Hai were performing in a school band in Rishon LeZion. We felt that we have great chemistry. Ori was experimenting at the time with writing original music and arrangements. Inspired by bands like Dream Theater, Opeth and Porcupine Tree, we thought it would be cool to form our on progressive rock band! Philip, who studied at the same high school as Yogev and Hai, joined the band and we started composing “Genesis” and “The Mind’s Desire” together (Which were released on the 2019 EP). Although we have collected material for many years up to this day, life got in the way and we couldn’t be an active band until now, 12 years later, when we have finally released “Disaccord”.
Q2: MENTAL FRACTURE 結成の経緯を教えていただけますか?
【ORI】: 2010年、Ori, Yogev, Hai の3人は、リション・レジオンのスクールバンドで演奏していたんだ。僕たちは、素晴らしいケミストリーを感じていたよ。Ori は当時、オリジナル曲の作曲やアレンジを試行錯誤していたんだ。DREAM THEATER, OPETH, PORCUPINE TREE といったバンドに触発されて、自分たちでプログロック・バンドを結成したらクールだろうと思ったんだ!
そうして、Yogev, Hai と同じ高校で学んだ Philip がバンドに加わり、一緒に “Genesis” と “The Mind’s Desire” の作曲を始めた(これは2019年のEPでリリースされた)。今日まで長年に渡ってマテリアルを集めてきたものの、生活との両立はなかなか難しくてね。なかなかバンドとして活動することができず、12年後の今、ようやく “Disaccord” をリリースすることができたんだよ。
Q3: What is the metal/rock scene like in Israel? What’s the hardest part of being in a metal/rock band in Israel and the Middle East?
【ORI】: Israel has an amazing metal community with a variety of sub-genres. Prog is one of them, with bands like Orphaned Land, Subterranean Masquerade, Scardust and many more. The audience here loves sophisticated music and loves to get wild on live shows! The hardest part, for every musician, is to be noticed and reach this audience.
Q4: Your melodies are really attractive and engaging. Regarding the Middle East, I’ve had interviews with bands like Orphaned Land. Riverwood and Myrath. They were very oriental in their music, sometimes incorporating Middle eastern folk instruments. There is a definite oriental flavor to your music as well, would you agree? Why are Middle Eastern melodies so appealing to the world?
【ORI】: The bands mentioned really opened our minds about oriental music, as it may not appeal to everyone on its own, when incorporated in metal music it can really touch the metal audience. We are definitely using this flavor in our composition, although in a subtle way.
Q5: I have interviewed various Israeli artists, Orphaned Land, Scardust, Subterranean Masquerade, Nili Brosh, etc., and most of them mentioned their prayers for peace. Israel is a country where war is right around the corner…could you tell us your stance on the Israeli-Palestinian issue and the recent Russian aggression?
【ORI】: The Israeli-Palestinian issue is really complicated. Too complicated to the point that trying to explain any side of it in such a short format would not do it justice. We are experiencing a conflict nearly every year and each time it happens it enlightens how stupid our reality can be. The only thing we can do is to hope for peace. We are all human beings after all and we do not deserve to die for one’s political ambitions or in the name of god. Our hearts are with the people of Ukraine.
Q6: I asked about the war because “Disaccord” seemed to me to be an album about the division of the world and its horrors. Can you tell us about the artwork Chess and the concept of the piece?
【ORI】: “Disaccord” is an album about the division between a person and themselves. Every song is telling a story about a person dealing with their cognitive dissonances. The artwork shows a chess board with only white pieces, and with the king fallen down, which symbolizes a person check-mating themselves.
Q7: Still, “Disaccord” is a really great album! I’ve rarely heard progressive music as emotional as this one! Musically, we can hear influences like Opeth, Camel, Porcupine Tree, Rush, etc. Could you please talk about your musical roots?
【ORI】: Thank you! We take what we like from every musical artist that inspires us. It creates a musical language that really moves us emotionally. Ori was classically trained on the piano, so you can hear influences in the melodies from Chopin and the drama buildup and climax of Rachmaninoff. You can hear the melancholy from Camel and Porcupine Tree and the complexity and fierceness of Opeth, and also jazzy harmonies inspired by Snarky Puppy and Esperanza Spalding. The album was self produced, mixed and mastered by Ori and Yogev, so the sound of the album is the sound of the band.
【ORI】: ありがとう!僕たちは、インスピレーションを与えてくれるあらゆる音楽アーティストから、好きな要素を取り入れているんだよ。そうすることで、僕たちの感情を揺さぶる音楽言語が生まれるんだよね。
Ori はクラシック音楽のピアノ教育を受けてきたから、ショパンのメロディーやラフマニノフのドラマの盛り上がり、クライマックスに影響を受けているのがわかると思う。CAMEL や PORCUPINE TREE のメランコリー、OPETH の複雑さと激しさ、そして SNARKY PUPPY やEsperanza Spalding にインスパイアされたジャジーなハーモニーも聴くことができると思う。
アルバムは Ori と Yogev によるセルフプロデュース、ミキシング、マスタリングだから、このアルバムの音がそのままバンドの音だと捉えてもらっていいと思うな。
Q8: I recently interviewed a British prog band called Azure, and they said “We See ‘Prog’ As a Genre Where Anything Can Happen, Whether It Be The Dramatic Fantasy Storytelling And Guitar Harmonies Of Iron Maiden, Or The Slithering Shred Melodies Of Steve Vai, Or Even The Sugary And Bouncy Energy Of The 1975”. So, What does “prog” mean to you?
【ORI】: For us, “Prog” is mind-bending music that moves you emotionally and breaks your brain logically. It can incorporate any genre.
A mediterranean metal masterpiece, where each song has a musical narrative and climax, and shows that metal can make you feel very happy too. This album really opened my mind to oriental and jewish music.
I never thought music can be this chaotic and coherent at the same time. They craft melodies and rhythms like no other band I know of and they are my favorite band to this day.
I made my very reluctant parents buy this early extreme metal classic when I was just 5 years old. A quarter century of
listening to extreme metal followed, as I really enjoyed it against all odds.
While it isn’t even my favorite album from the band today, it was my first real introduction to prog metal, and it
melted my tiny teenage mind at the time.
Similarly to our album Disaccord, this album discusses psychological and emotional issues of humans. Musically, it has an enormous amount of content, heavy riffs, among soft parts. I believe Magic Pie is one of the most underrated bands out there.
Brilliant compositions that never get boring through the 70 minutes of the album. The sound and production are just wonderful. This album really opened up my ears to what modern prog can sound like.
An incredible album with unique production and sound design, Gavin Harrison plays very dynamically and has a signature
sound.
ユニークなプロダクションを持つ素晴らしいアルバム。Gavin Harrison の非常にダイナミックな演奏と特徴的なサウンドデザインが秀逸。
HADORBANIM “FIRST AFTER THE SECOND”
I was really inspired by the groove of this album. Its compositions and arrangements are top notch.
本当にインスピレーションを受けたよ。このアルバムのグルーブ感、作曲と編曲は一流さ。(HAI)
MESSAGE FOR JAPAN
We love Japan and its culture and we hope to perform live for you one day! Apart from enjoying the most commonly cited cultural exports (such as games/anime/culinary styles etc.) some of us have recently discovered and fallen in love with Japanese Math Rock.
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANTONY KALUGIN OF KARFAGEN !!
“I Want To Be With My Son And Wife Who Are Poland Now. I Want To Walk Through The Valleys Of Green And Gold Without Fear And Tears. Of Course I Want To Go Back To Studio And Work. Now I Can Only Guess If My Studio Is “Alive” There In Kharkiv…But There’s Always Sunrise Even After The Darkest Night.”
DISC REVIEW “LAND OF GREEN AND GOLD”
「今、ポーランドにいる息子と妻と一緒にいたい。”緑と金の谷”を、恐れずに、涙を流さずに歩きたい。もちろん、スタジオに戻って仕事をしたい。今、僕のスタジオがハリコフで “生きている” かどうかは、ロシアの大砲と空爆で大量に破壊された街のことを思えば、推測するしかないんだけど…それでもね、一番暗い夜の後でもいつも日は昇るんだよ」
KARFAGEN とはウクライナのマルチ奏者、コンポーザー、プロデューサー Antony Kalugin の主な音楽活動拠点であり、”Land of Green and Gold” はバンドにとって13枚目のアルバムです。Antony は多作な人物で、KARFAGEN, SUNCHILD, さらに ソロ・アーティストとしても、年に数回は新たな作品をリリースし続けてきました。しかし、そんな彼の音楽=人生は今、ロシアの侵略によって大きな岐路に立たされることとなりました。
彼は現在、故郷である激戦のハリコフを離れ、ウクライナで事実上の難民となっており、生活さえままならず、命の保証さえないような恐ろしい状況に置かれています。しかしそんな “災害” の中でも、Antony は KARFAGEN というライフワークを想い、音楽を求め、スタジオに帰りたいと切に願っているのです。
「ウクライナのために祈り、平和のために祈ることだね。そしてあなたたちの平和な日常、その価値を噛み締めてほしい。あとは、経済的にロシアをサポートしないでほしいな。経済制裁は彼らにとって本当に厳しいものだからね!」
Antony の音楽は常にポジティブで希望に満ち、平和を願っています。それは今、きっとこの世界にとって最も必要とされていること。必要なものは?世界に望むことは?その質問に Antony は、ロシアを倒してほしいでもなく、金銭や兵器や物質の援助でもなく、ただただ祈りと答えました。おそらくそれは、実は最も優しく、美しく、そして勇敢な願いなのかもしれませんね。武器を握るよりも置くことの方が、よっぽど勇気が必要なのは歴史が証明しているのですから。
「たしかに、この作品の “色” の組み合わせは、まさにウクライナ的だよね。多くの友人がこう言っていたのを覚えているよ。ああ、これはたしかにウクライナ製だ!ってね(笑)。このアルバムはね、平和と調和の音なんだよ」
そして実際、”Land of Green and Gold” は、そんな優しく、美しく、勇敢なウクライナを承知するような作品てす。タイトルやアートワークの緑と黄金は、そのままウクライナの大自然と太陽が奏でる驚異に満ちた風景を音の葉で表現していきます。アルバムは大きく3つのチャプターに分かれ、彼の地の様々な風景をシンフォニックな空気の広がり、陽気で遊び心のあるメロディー、ミュージシャンの名人芸、アコースティックな間奏曲、ジャジーな即興演奏など、KARFAGEN のトレードマークとなる要素すべてを用いて描き出しました。
第1章 “Land of Green” では、ウクライナの手つかずで自由な、深緑の風景をプログレッシブ、ジャズ・ファンクからアコースティック、アコーディオンのエスニックまで幅広く奔放に、牧歌的な音楽へと変換しています。今後、このような無垢を呼び起こすことが可能なのだろうか…と思わずにはいられないほどに、平和で希望に溢れた祈りのプログレッシブ・ミュージック。
一方、第2章 “Land of Gold” ではゴージャスなシンフォニック・プログを体現し、堂々とした豪華な雰囲気で、創造の栄冠、生命の賞賛を表現しています。巧みなギター、幾重にも重なるキーボード、そしてコーラス・エフェクトが組曲の華やかさを高めていきます。まさにウクライナの生命と誇りを全身で表現しているのでしょう。それにしても、時にギルモア、時にホールズワース、時にカールトン、時にグレッグ・ハウが憑依する Alex の千変万化なギターワークは白眉。そんな名人芸も、Antony の Tony Banks を思わせる七色の鍵盤が包み込んで、緑金の草原はいつしかメロディーで満たされていきます。
「今、戦争が始まって27日目だ。これを書いていても、戦争がいつまで続くか分からないんだよね。僕の想いは、家、親戚、子供、両親を失ったすべての絶望的な無実の市民と共にある…両親が殺されたため、多くの生まれたばかりの赤ちゃんが一人きりになっているんだ…目に涙が込み上げてくるよ…2022年にもなって、僕たちがこのように恥知らずで皮肉な犯罪の犠牲になるとは思ってもみなかったからね」
最後に、ずっと短い “Land of Jazz”。インプロビゼーションの活力は素晴らしいアルバムのコーダとなり、ウクライナの人々が、音楽が、再び “呼吸” できるようになることを強く信じさせてくれます。”Land of Green and Gold” を聴けば、ウクライナがかつてどのような場所であったかを思い出し、そして、必ずや再興しどのような場所になるのかが伝わるに違いありません。平和への優しく、美しく、勇敢な祈りと共に。例え、今は “緑と金の地” が侵略の TUNAMI によって破壊されたとしても…
今回弊誌では、Antony Kalugin にインタビューを行うことができました。「今日、プログレッシブ・ミュージックはウクライナでだけでなく、全世界で人気がないよね。僕たちはそれを知っている。それでも、この魂のこもったユニークな音楽の灯火をつないでいきたいよね!プログは富や大きな名声をもたらすものではないよ。だけどそれは、特別な何か、隠された夢と平和の世界をリスナーと共有できるものなんだ」 どうぞ!!
KARFAGEN “LAND OF GREEN AND GOLD” : 10/10
INTERVIEW WITH ANTONY KALUGIN
Q1: First of all, could you tell us how you got into such music in Ukraine, a place where maybe prog and rock music are not popular enough?
【ANTONY】: It was my father who showed me the beauty of art rock when I was only a child. We had Pink Floyd, Supertramp, Elton John, Genesis etc. vinyls. He was listening to them so did I ))
I remember I had entire Queen collection on tapes, my father brought it to me from Poland. So we listened tapes in the car while traveling around Europe. Queen, Dire Straits, Roxette were the bands whose music sounded on the Diso party. So this music is in my blood. Later on when I was 15 – 16 I`ve discovered beauty of Camel and Marillion…And I`ve started digging in this more prog direction – with every new album it was a sort of revelation.
Nowadays Prog is not popular not only in Ukraine but in the whole world, we know it. But we still do carry on this unique flame of soulful music! It`s something that will not bring you a fortune or big fame, it`s something special that you want to share with a listener, hidden world of dreams and fays!
Q2: You are incredible keyboard player, what musicians were your heroes when you were growing up?
【ANTONY】: Thank You, I don`t think i`m virtuoso player, I`m good writer and composer – yes, virtuoso – no ))) Anyway, I always enjoyed Tony Banks, Pete Bardens and some Rick Wakeman pieces. Manfred Mann moog singing as well. On a modern scene there are many very technique musicians but something is missing in their material – melody and soul. That`s why I prefer proper melodic solo rather than fast arpeggios that can be played on every other track and that do not mean anything rather than to show all how great the player is.
Tony Banks, Dave Gilmour, Andy Latimer, Snowy White are among this prolific musicians that can take a breath away with a few notes and chords structure only.
【ANTONY】: ありがとう!でも僕自身は自分を名手だとは思っていないんだよね。良いライターであり作曲家だとは思うけど…なんてね!(笑)
とにかく、僕はいつも Tony Banks, Pete Bardens, そして Rick Wakeman の作品を楽しんでいたんだよね。あとは Manfred Mann のムーグの歌声も。
現代のシーンには非常にテクニックのあるミュージシャンがたくさんいるけど、彼らの作品には何かメロディーとソウルが欠けているような気がする。だから僕は、他のどの曲でも演奏できるような速いアルペジオよりも、きちんとしたメロディックなソロの方が好きだし、そのプレイヤーがいかに素晴らしいかをみんなに見せることは何の意味もないと思っているんだ。
Tony Banks, Dave Gilmour, Andy Latimer, Snowy White といった人たちは、わずかな音符とコード構成で息を呑むような演奏をすることができる多才なミュージシャンだよね。
Q3: How did Karfagen come to be? What’s the meaning behind your band name Karfagen?
【ANTONY】: Karfagen – means Carthage, it was my father who advice me that title when I was studying at school. Since than it was title of my project in school, university and still it`s a nice unique title.
Q4: Are you in Kharkov now? What is the situation? Is it safe there?
【ANTONY】: Together with my wife and little son we`ve driven away from the city on the first day of war.
It was like a worst nightmare in life. Unbelievable that it can happen nowadays. It`s 27th day of War, writing this I don`t know how long it`ll be. My thoughts are with all desperate innocent civil people who lost their homes, relatives, child and parents… There`s so many new born babies left all alone cause their parents were killed…Tears in my eyes… I don`t believe that in 2022 we`ll be victims of such a shameless and cynical crime.
Everyday Kharkiv is under fire now… We all pray for peace. I hope this disaster will ends soon!
Q5: The world is angry at Russian aggression. They say it is unforgivable to destroy Ukraine, a beautiful people and country. Perhaps the artwork and music you wrote for “Land of Green and Gold” is the very representation of this beautiful Ukraine, would you agree?
【ANTONY】: Yes, the combination of colors on the artwork are very Ukrainian indeed. I remember lot of my friends were saying: Oh, it`s seen that it is made in Ukraine for sure! )))
This album is the sound of peace and harmony.
Q5: 世界中がロシアの侵略に怒りの声をあげています。美しいウクライナの人、景観、国を破壊するなんて許せないと。
奇しくも、あなたの新作 “Land of Green and Gold” のアートワークや音楽も、美しいウクライナを表象していますよね?
Q6: This album is full of love for prog giants like Camel, Genesis, Pink Floyd, and Gong, right? It is very technical yet emotional. For example, in guitar, we can enjoy the duality of Dave Gilmour and Allan Holdsworth living together, would you agree?
【ANTONY】: Alex Pavlov is fantastic jazz rock guitarist – I like his mixture of Holdsworth and Greg Howe in style. Writing the material for the album, I knew that Alex would be the main “actor”, that`s why i`ve brought more fusion and jazz elements to the sound canvas of the album. Also I`ve tried to recreate the sound and the warmth of the sound of the 70th. With some pastoral atmospheric breaks. To me it`s a very solid well crafted album and I`m so pleased to reed so many positive comments about it.
Straight after the war I`ll release the Karfagen “Land of Green” Bonus disk, that is available now on digital platforms only and first of all on my antonykalugin.bandcamp.com platform.
It will be really interesting addition to Karafgen fans collection..
Q6: このアルバムは、CAMEL, PINK FLOYD, GENESIS, GONG といったプログの巨人たちへの愛情に満ちていますね。テクニカルでありながら、非常にエモーショナルです。
例えば、ギターを聴いていても David Gilmour がいたかと思えば、次の瞬間 Allan Holdsworth がいるというような感じで…
【ANTONY】: Alex Pavlov は素晴らしいジャズロック・ギタリストで、Holdsworth と Greg Howe が混ざったようなスタイルが好きなんだ。アルバムのための素材を書くとき、今回は Alex が主役になることはわかっていた。だから、アルバムのサウンド・キャンバスにフュージョンとジャズの要素をもっと取り入れたんだ。
同時にまた、70年代のサウンドと暖かさも再現しようとした。牧歌的な雰囲気のブレイクもある。僕にとって、このアルバムはとてもソリッドでよくできたアルバムなんだよ。だから、多くのポジティブなコメントをもらって、とても嬉しく思っているんだ。
この戦争が終わったら、KARFAGEN の “Land of Green” のボーナス・ディスクをリリースするつもりだよ。ファンのコレクションに追加されるのは、本当に興味深いものになるだろうね。
Q7: Japanese people also wish to do something to help Ukraine. What are you most in need of now? What is the most effective aid we can provide?
【ANTONY】: Pray for Ukraine, pray for peace, value every peaceful day of your life.
Don’t support Russia with business. Sanctions should be really strict for them!
Q8: We hope to hear your wonderful music again soon. Please tell us what you want to say to the world now.
【ANTONY】: I want to be with my son and wife who are Poland now. I want to walk through the valleys of Green and Gold without fear and tears. Of course I want to go back to studio and work. Now I can only guess if my studio is “alive” there in Kharkiv, as it`s massively destroyed by Russian artillery and planes…But there’s always sunrise even after the darkest night.
I hope to visit your beautiful country, to play a few concerts for you!!
I know there`s so many followers of art rock and prog rock music in Japan. I wish you Peace and Happiness – enjoy life, enjoy music and stay creative!!
ps. I like “Ain Soph” band especially their “A Story of Mysterious Forest” 1980 if you don`t know this album by your countrymen – I highly recommend you to discover it!!!Many thanks Best wishes,
いつか日本という美しい国を訪れ、あなたたちのために何度かコンサートを開きたいと思っているんだ!
日本にはアート・ロックやプログ・ロックのフォロワーがたくさんいるよね。僕はあなたたちが平和で幸せであることを祈っているよ。 人生を楽しみ、音楽を楽しみ、そしてクリエイティブであり続けるために!
P.S. 僕は日本の “Ain Soph” というバンドが好きで、特に彼らの1980年の傑作 “A Story of Mysterious Forest” が大好きなんだ。もしこのアルバムを知らないなら、ぜひ知っておくことをお勧めするよ。ありがとう。幸運を!
People Are Really Working Hard To Destroy Progress And Ultimately Create a Time Machine That Will Set Us Back Hundreds Of Years In Terms Of Mental Evolution. Welcome, Then, To The Age Of Impera.”
WELCOME TO THE AGE OF IMPERA
「再建のためには破壊しなければならないが、だからといってすべてを砂利に均してしまう必要はない」
闇。分断。差別。戦争。非道な指導者たちによって、世界はひとつの巨大な “ゴースト” と化しているように見えます。最新作 “Impera” で Tobias Forge は、ヴィクトリア時代に思いを馳せながら、現代とあの時代に類似したものを見出すのです。
ロンドンのセント・パンクラス・ホテルは美しい建物です。1860年代にゴシック・リヴァイヴァリストの建築家ジョージ・ギルバート・スコットによって設計された巨大な赤レンガの建築芸術作品は、首都の優雅なシンボルとして、絢爛に人々を魅了してきました。
20世紀には、鉄道事務所やコテージとして使用されるなど長い間荒廃していましたが、それでもキングス・クロスを見下ろす大聖堂のようなその存在感は、訪れる人々に様々なインスピレーションを与えてきたのです。
80年代には、イギリスのSF作家ダグラス・アダムスが小説 “The Long, Dark Tea-Time Of The Soul” の中で、この荒れ果てた壮大さをヴァルハラとして完璧に表現しています。その後、1995年に映画化されたシェイクスピアの “リチャード三世” では、サー・イアン・マッケレンの城としてその正面玄関が使用され、華やかさを取り戻したその巨大な階段と入り口は、SPICE GIRLS の名曲 “Wannabe” の舞台ともなりました。
Tobias が GHOST の次のステージを考えたのもこの場所でした。それは帝国の崩壊。物事があまりにも強力になりすぎてそれ自体の重さで崩壊し、その崩壊の中で新しい時代の始まりを告げるという “Big Change” をテーマに据えたコンセプト。Papa Emeritus のシニカルな眼差しで、腐敗と狂気を観察して、時に鋭いメスで時代を切り裂いていきます。
「古い石造りの教会。この建物はそんなゴシック様式の要素に、工業用の梁や錆を取り入れたところが気に入っているんだ」