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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FELIX MARTIN : MECHANICAL NATIONS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FELIX MARTIN!!

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Felix Martin’s Twin-Neck 14&16 Strings Guitar And Two Hand Tapping Technique Opens The New Realm Of Instru-metal Music With Incredible New Record “Mechanical Nations” !!

DISC REVIEW “MECHANICAL NATIONS”

南米ベネズエラが生んだギターウィザード Felix Martin が、ラテンの風とモダンな色彩を投影した最高傑作 “Mechanical Nations” をリリースしました!!14&16弦のダブルネックが紡ぐ鮮烈で独創的なその調べは、鸞翔鳳集な昨今の Instru-metal シーンにおいても一際光彩を放っています。
Felix の楽器は独特です。Warr Guitar や Chapman Stick など確かに10弦を超える多弦楽器は存在します。ただ、それらはベースの色合いが濃く、ベースにメロディー用の弦、レンジが付属しているといった考え方を基調としています。
対して、Felix のダブルネックギターは、インタビューにもあるように、同じレンジのギターを2つ合わせただけのある意味シンプルな構造。しかし同じレンジの7、8弦ギターを2本使用するため、既存の多弦楽器 (スケールが長い物もあるので一概には言えませんが) に比較して、よりギターの領域にフォーカスした立体的な演奏を味わうことが出来るのです。
勿論、ギターやベースに比べれば、双方のギターをタッピングで奏でるため両手の自由度は高く、遥かに多くの音を同時にプレイすることが可能。パーカッシブなピアノとも称される彼のテクニック、アプローチは、まさしくモダンギターイノベーションのフロントランナーだと言えますね。
その先鋭的なスタイルに反し、クラシカルなトリオという編成で制作された “Mechanical Nations” は、母親が手がけ、自らのギターをあしらったその芸術的で大胆なアートワークが示すように、南米大陸への深い愛情を包み込んだ芳醇な作品に仕上がりました。南米をツアーし、大陸の多種多様な都市の空気、エネルギー、文化、景観に触れた Felix は、街ごとに受けたインスピレーションを楽曲へと反映して行ったのです。
“Barquisimetal” は彼のホームタウン Barquisimeto を、そして “Canaima” はベネズエラが誇る世界最後の秘境カナイマ国立公園を心象として生まれた楽曲です。そしてアルバムでも最もメタリックかつメカニカルな、タンゴのリズムを纏った前者と、最も穏やかでノスタルジックな、フォークミュージックのイメージを具備した後者のコントラストは、そのままベネズエラの豊かな音楽文化の写し鏡となっているのです。
カリビアン、ネイティブ、 アフリカ系、ヨーロッパ系。 まさに人種のるつぼと言える社会主義国家はレゲトン、サルサ、ホローポ、ガイタ、カラカスのメレンゲなど、ロマンティックから複雑な拍子を持つ音楽までラテンミュージックを象徴する雑多なバックグラウンドを宿しています。そしてそのラテンのルーツは Felix の内面世界にも強く共鳴し、唯一無二の Instru-metal、グローバルフュージョンへと昇華しているのです。
メタル、ジャズ、プログ、ファンク、そしてラテンの雄弁なカクテルと言える “Mechanical Nations”。インタビューで語ってくれた通り、”Santos” にゲスト参加した Angel Vivaldi のリードを除いて作品にはソロパートが存在しません。それでも作品が至上のスリルを常に纏っているのは、バークリーで学んだトリオの傑出した技術と、緩急を巧みに配置したコンポジションの賜物だと言えますね。
つまり、”Eight Moon Headdress” が象徴するように、クリーントーンの詩情豊かなサウンドスケープと、エキサイティングで攻撃的なパーカッシブテクニックが目まぐるしく交互する魅力的な楽曲群は、手数の多いエキゾチックなドラミングとスラップを交えたダイナミックなベースプレイが牽引し、タイトなバンドの推進力となっているのです。
ANIMALS AS LEADERS, KING CRIMSON, PRIMUS, 或いは Stanley Jordan。Felix のマジックタッチと彼のバンドが生み出すドラマティックな芸術は、偉大な先人にも比肩し得るクオリティーと独創性を秘めています。今回弊誌では、Felix Martin にインタビューを行うことが出来ました。日本でライブを行うのか昔からの夢だそう。どうぞ!!

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FELIX MARTIN “MECHANICAL NATIONS” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

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This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

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ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

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KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

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RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

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VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

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WORLD PREMIERE !! FULL ALBUM STREAM【VIPASSI: SUNYATA】


FULL ALBUM STREAM : VIPASSI “SUNYATA”

THE MEMBERS OF AUSTRALIAN SHOOTING STAR, NE OBLIVISCARIS & HADAL MAW HAS JUST LAUNCHED “EXTREME INSTRU-METAL” BAND VIPASSI !!

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With ‘Sunyata’, VIPASSI offer such a rare album that combines ecstatic technical virtuosity with a love of creating atmospheric soundscapes, sparkling melodies, and captivating passages.
VIPASSI were birthed in 2009 by guitarist Ben Boyle and members of Australian shooting stars NE OBLIVISCARIS, which marked the beginning of a long journey of writing and rehearsing. They soon settled on an instrumental style that captured the openness aimed for to allow any listener to interpret and connect with the material subjectively. Their project represents a desire to explore beauty and darkness in all its shades, through melodic and complex compositions that are bemused in themes of the struggles of the human experience, exploring nature, spirituality and science.
The roots of their sound reach back into a time when bands such as ATHEIST and CYNIC began to reform extreme music by infusing jazz and progressive elements into death metal. Now VIPASSI add a new chapter to the story with the instrumental highlight ‘Sunyata’. Dig deep into this musical treasure trove spilling over with shiny details, glittering melodies, and wealth of rhythm patterns.

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オーストラリアンシューティングスター、NE OBLIVISCARIS, HADAL MAW のメンバーが所属する別バンド VIPASSI は BLOTTED SCIENCE, CONQUERING DYSTOPIA, EXIVIOUS といった Extreme Instru-Metal に連なる新たな才能です。
1/20 にリリースするデビューフルレングス “Sunyata” は、ツインギターが織りなすテクニカルでレイヤーされたリフワーク、フレットレスベースのフレキシブルなサウンド、そしてクリエイティブなリズムを併せ持ったエポックメイキングな作品です。
凶悪なブラストビートからアトモスフェリックなサウンドまで自在に操るコンポジションの妙は、確かにあの NE OBLIVISCARIS のメンバー3人が所属することを示唆しています。しかし同時に VIPASSI はよりユニークでプログレッシブなコンポジションへと特化されており、インストルメンタルでありながら Death Metal を新たな領域へと推し進めた CYNIC, ATHEIST にモダンなフレイバーを加えたような音像と言えるかもしれません。
今回弊誌では、世界に先駆けて自然や科学、精神性にフォーカスした “SUNYATA” のフルストリームを行うことが出来ました。NE OBLIVISCARIS と併せてぜひチエックしてみてくださいね!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NICK JOHNSTON : REMARKABLY HUMAN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK JOHNSTON !!

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Canadian Guitar Hero, Nick Johnston Has Just Released Minimal, Mystic, And Emotional Masterpiece “Remarkably Human” !!

DISC REVIEW “REMARKABLY HUMAN”

カナダを代表するインストゥルメンタルギタリスト、Nick Johnston が”傑出した”新作 “Remarkably Human” をリリースしました!!ギターを見事に歌わせたメロディーとエモーション、そして高度なインテリジェンスを兼ね備えたこの作品は、彼のマイルストーンとして更なる飛躍のきっかけとなることでしょう。
Paul Gilbert, Plini, Tosin Abasi, PERIPHERY, THE ARISTOCRATS, POLYPHIA, など新旧問わず才能豊かなアーティストとコラボレートしてきたことからも、この Schecter のストラトシェイプを獲物とした29歳のアックスマンが、”傑出している”ことは明らかでしょう。
そして、彼がこれほどまでにミュージシャンから注目を集めているのは、その”マイナスの美学”によるところが大きいのではないでしょうか。
モダンギターシーンは足し算の世界です。音を足し、ギターの弦を足し、リズムを複雑化し、フラッシーなプレイを追求するプレイヤーが多いと感じます。勿論、それらは非常に魅力的で、重要な冒険ですが、同時に Nick を際立たせることにも繋がりました。
“Remarkably Human” は、THE ARISTOCRATS の Bryan Beller, KING CRIMSON の Gavin Harrison, Plini の Luke Martin を起用して制作されました。前作、”Atomic Mind” ではドラマーも THE ARISTOCRATS の手数王 Marco Minnemann が参加していましたが、PORCUPINE TREE でも活躍してきた Gavin を選んだことからも Nick の向かう先が伝わるように思います。
“Ignore Alien Orders” はインストゥルメンタルギタリストのアルバムオープナーとは思えないような楽曲です。作品で最初に飛び込んでくる音もギターではなくピアノなのですから。しかし、Luke のダークでダイナミックなピアノが Nick の繊細なトーンを導くと、Gavin の巧みなシンバルワーク、Bryan のフレキシブルなベースラインが見事に調和し、”Remarkably Human” で目指すところが顕になります。極限まで楽曲にフォーカスした4人のオーケストラ。フラッシーでもプログレッシブでもありませんが、ここには極上の音楽が存在します。
コンポーザーとして、非常にミニマルな境地へとたどり着いた Nick ですが、インタビューで語ってくれた通り、ほとんどがピアノで作られたという楽曲群は、Plini でもお馴染み Luke Martin の神秘的なサウンドスケープが一つの鍵となっています。”Weakend by Winter” はまさに2人の才能が完璧に噛み合った作品のハイライトですし、昨今のインストゥルメンタル音楽で最も美しい瞬間かも知れません。
コンポーザーとしての Nick にばかり注目して来ましたが、勿論プレイヤーとしても驚異的で、テーマ部分で、Larry Carlton を思わせる巧みな音の選択と、David Gilmour のような強烈なエモーションを提示すると、Guthrie Govan や Steve Lukather を想起させるスリリングでクロマティックなリックの数々により、楽曲は無限に拡がりを見せていきます。ストラトの長所である、オーガニックなアーティキュレーションの使用が白眉で、フレーズの一つ一つが感情を持っているかのようにすら感じますね。
今回弊誌では、マイナスの美学により見事な作品を作り上げた Nick Johnston にインタビューを行うことが出来ました。YOUNG GUITAR 誌でもコラムを持っていた彼は非常に強く来日を望んでいます。2度目の登場となりますね。どうぞ!!

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NICK JOHNSTON “REMARKABLY HUMAN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SITHU AYE : SET COURSE FOR ANDROMEDA】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SITHU AYE !!

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One of the most important release of Instru-Metal scene in this year !! Sithu Aye set to release magnificent double album “Set Course for Andromeda” on 5/4!!

DISC REVIEW “SET COURSE FOR ANDROMEDA”

我らが “先輩” こと、グラスゴーが生んだ才気あふれる新世代ギタリスト Sithu Aye。5/13から始まる初の日本ツアーに先駆けて、5/4に新作 “Set Course for Andromeda” をリリースします!
フルアルバムとしては2012年の “Invent the Universe” 以来となる新作は、ダブルアルバム、76分の壮大なエピックに仕上がりました。同時に、最も重要な今年の Instru-Metal 作品になることは間違いないでしょう。
近作では、コラボレートも行った PLINI と路線を同じくするような、メロディー重視でフュージョン要素の濃い音楽性にフォーカスしていた Sithu Aye ですが、”Set Course for Andromeda” では “Invent the Universe” 以前のようなヘヴィーグルーヴやテクニカルな展開を大幅に復活させており、改めて彼のアイデンティティーを強く印象付けています。同時に、ジャズ、オーケストラ、シンセサイザーといった幅広い要素も巧妙に使用されており、多様性に富んだ現代的なアルバムとも言えるでしょう。
ゲストソロイストも実に豪華。同志 Plini をはじめ、David Maxim Micic (DESTINY POTATO), Aaron Marshall (INTERVALS), Mark Halcomb (PERIPHERY), Yvette Young (Covet), THE HELIX NEBULA というモダンギターシーンを象徴するようなプレイヤーたちが集結し作品に色を添えています。
チップチューン的イントロが印象的な “Set Course for Andromeda!!!” 、”Constants and Variables”, “Transient Transistors” のヘヴィーグルーヴはまさに初期 Sithu Aye ですし、驚くほどジャズな “Spiral” まで Disc 1の多様性はカラフルな万華鏡のよう。ただ、Disc 1では全ての楽曲にゲストを配しているのに対して、Disc 2、29分の大曲 “The Andromedan” は彼1人で作曲、ソロ、プロデュースを全てこなしていることを考えれば、作品のキモは Disc 2 にあるようにも思えます。
実際、大曲の第一楽章 “PT1: A Single Step” は、新しいことに挑戦したかったと語る Sithu の意志を体現したかのような楽曲です。ジブリ作品を想起させる雄大でオリエンタルなメロディーが、ストリングス(二胡)とアコースティックギターを伴って紡がれる美しい楽曲は、彼の新しい1面を伝えると共に、代表的な1曲となる可能性を秘めています。
さらに見事なのは、”The Andromedan” 自体も、”A Single Step” で提示したオリエンタルなテーマを巧妙に変化させつつ使用しながら、彼の様々な魅力を引き出し伝えている点です。”PTⅡ: Mystic Village” でのミニマルなポストロック、”PTⅣ: The Darkness Within” から “PTⅤ: Rebirth” にかけての Djent + Dream Theatre 的ダークでテクニカルな展開、そしてオーケストラルな大円団 “PTⅥ: Mother of Creation” まで、息つく間もないほど濃厚な音楽世界はリスナーを壮大な宇宙旅行へと誘います。
さらに、ソロイストとしての Sithu も素晴らしく円熟して来たように感じます。見事なコール&レスポンス、リックの豊富さ、そして強烈なエモーション。楽曲のレベルを一段引き上げるようなソロワークが秀逸なギターアルバムでもありますね。
今回弊誌では Sithu さんに3度目のインタビューを行うことが出来ました。テクノロジーコンサルタントという仕事を辞して、フルタイムミュージシャンとして挑む彼の新たな出発は、野心的でキャッチーで多様性に富んだ素晴らしいレコードと共に始まります。どうぞ!!

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SITHU AYE “SET COURSE FOR ANDROMEDA” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【POMEGRANATE TIGER : BOUNDLESS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN ANDRES OF POMEGRANATE TIGER !!

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“Instru-Metal” New Hero, POMEGRANATE TIGER has just released Djenty&Mathy Masterpiece “Boundless”!!

カナダの新鋭、NEXT AAL とも評される “Instru-Metal” の至宝 POMEGRANATE TIGER が素晴らしい新作 “Boundless” をリリースしました!!
前作 “Entities” では4人組のバンド形態だった POMEGRANATE TIGER ですが、今回は創設メンバーでギターとドラムスをプレイする Martin Andres 1人が正式メンバーという形になっています。事の経緯はインタビューを読んでいただくとして、新作 “Boundless” は Djent シーンに衝撃を与え、DIY のアーティストとしては破格のセールスを上げたデビュー作 “Entities” とは一線を画す作品となっていますね。
特筆すべきはリズミックでヘヴィーなグルーヴ重視のアプローチ。前作はクラシカルなプレイが光る、ストレートでコズミックな Djent / Modern Prog アルバムでした。しかし、今回はオープニングトラック “Manifesto” やタイトルトラック “Boundless” に象徴されるように、 GOJIRA や TOOL を想起させるような Mathy でミニマルなパートが格段に増えています。”Entities” の “Too Much” な部分をキレイに削ぎ落とし、新たな可能性を切り開いたといった感じでしょうか?
同時に “Stomp The Haunted Crown”, “With Knives As Teeth” のような楽曲では、同郷の PROTEST THE HERO を彷彿とさせるようなテクニカルで Math-Metal の要素を含んだチャレンジングなリフの数々でエキサイトさせてくれますね。
勿論、Martin のアイデンティティーとも言える、クラッシック音楽の影響は今作でも健在。映画のサントラ、ジャズからの影響も伺えるオーケストレーションが見事な “Papaer Hammer”, ゲストプレイヤーのストリングスが光る “Ovation” ではクラッシック音楽を学んだ者でなければ作り得ない、美しさや構成の妙を味わう事が出来ます。
モダンプログ界隈の重要人物、PERIPHERY の Adam “Nolly” Getgood, THE HUMAN ABSTRACT の AJ Minette も才能を認め、制作に参加した “Boundless” はまさに “Instru-Metal” の限界を突破した作品と言えるでしょう。
今回、弊誌では Martin Andres にインタビューを行うことが出来ました。言葉の端々から、音楽に対する造詣の深さが表れていますね。どうぞ!!

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MMM RATING IS…

POMEGRANATE TIGER “BOUNDLESS” : 9,5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INTERVALS : THE SHAPE OF COLOUR”】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Aaron Marshall of INTERVALS !!

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INTERVALS returns to instrumental world with fantstic new album “The Shape of Colour” !!

Modern Prog の旗手、トロントの新鋭 INTERVALS が新作 “The Shape of Colour” をリリースしました!!
INTERVALS はギタリスト Aaron Marshall の DIYプロジェクトとしてスタートし、”The Space Between Us”, “In Time” という2枚のハイクオリティーなインストゥルメンタルEPを Djent / Modern Prog シーンに投下します。変顔とドラムの名手 Anup Sastry を擁し、 PERIPHERY, MONUMENTS, DESTINY POTATO といった豪華な人脈を有していたこともあり、バンドは瞬く間に注目を集め一躍シーンの中心に躍り出たのです。
満を持してフルアルバムの制作を開始した INTERVALS はボーカルの導入を決意。THE HAARP MACHINE で名を馳せた Mike Semesky をバンドに加入させます。完成した”A Voice Within” は INTERVALS の長所を微塵も壊すことなく、キャッチーなボーカルを導入したモンスターアルバムで、弊誌の2014ベストアルバム読者投票でも見事3位を獲得しました。
ところが今年に入って “A Voice Within” のメンバー全員が Aaron を残し脱退してしまいました。メンバー脱退の理由、経緯はインタビューを読んでいただくとして、再びインストゥルメンタルの世界に戻ってきた Aaron Marshall。”The Shape of Colour” は彼の野心と才能が溢れ出るかのような傑作に仕上がりました。
同じインストアルバムとはいえ、一聴して以前リリースした2枚のEPよりも音楽の幅が広がっていることに気づくでしょう。Djent の要素は薄れ、Mathy&Catchy なリフがアルバムを支配しています。比較するなら CHON, POLYPHIA, PLINI といったバンドに近づいたと言えるかも知れませんね。実際にその PLINI がゲスト参加している “Libra” ではギターが歌っているかのようなキャッチーなプレイを聴くことが出来ますし、”Sweet Tooth” などは”ゲスの極み乙女”を想起させるほど。
同時に、セッション参加している PROTEST THE HERO の Cam McLellan, Travis Orbin のリズム隊も見事な演奏でアルバムを彩ります。グルーヴィーでマスマティカルな “Sure Shot” のタイトな演奏にはこのメンバーでライブが見たいと思わせる魅力が存在します。そして、サックスを起用した “Fable” は勿論ですが、アルバムを通して Aaron のジャジーでスムーズなリードプレイはまさに次世代のギターヒーロー。カラフルで聴き所満載な本作は、間違いなく2015重要作品のうちの1つだと思います。
今回弊誌では Aaron にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING IS…

INTERVALS “THE SHAPE OF COLOUR” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE ARISTOCRATS : TRES CABALLEROS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH THE ARISTOCRATS!!

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THE ARISTOCRATS, EXCELLENT THREE AMIGOS HAVE JUST RELASED THEIR AWESOME MEXICAN NEWEST ALBUM “TRES CABALLEROS” !!

ロックのフィールドにおいて現代最高峰の技術を誇る3人のミュージシャンが集結したバンド THE ARISTOCRATS が最新作 “TRES CABALLEROS” をリリースしました。ギタリストの GUTHRIE GOVAN はスーパーギタリスト不在の21世紀において1人気を吐いている偉人。幼少時からヴァイオリンを習得したその才能は徐々に認められ、ASIA に参加した後ソロアルバムをリリース。カラフルでエクレクティックな音楽性と正確すぎるピッキング技術、そしてスケールやアウトした音を自在に使いこなす創造性が高く評価されています。ベーシストの BRYAN BELLER は名門バークリー音楽大学卒業後、STEVE VAI, JOE SATRIANI といった超一流ギタリストたちに認められ共にプレイしてきた実力者。そしてドラマーの MARCO MINNEMANN はあの DREAM THEATER のドラマーオーディションで最終選考まで残り、STEVEN WILSON のバンドでもプレイする傍ら、自らも全ての楽器を高いレベルでこなすマルチミュージシャン。まさに三者三様の経歴を持つ三銃士が放つ新作はインタビューでも触れている通り、いつものユーモア満載ながらカントリーやメキシカンを強調したアルバムになっています。ただ全編がそういった音楽性では勿論なく、オールドロックンロールからサーフ、ジャズや変拍子にフランク・ザッパとカラフルな彼らの持ち味は健在です。今回弊誌では THE ARISTOCRATS の3人にインタビューを行うことが出来ました。VIVA LAS TRES AMIGOS!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TONY MACALPINE : CONCRETE GARDENS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY MACALPINE !!

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LEGENDARY GUITAR VIRTUOSO TONY MACALPINE SET TO RELEASE AWESOME NEW ALBUM “CONCRETE GARDENS” ON 4/21!! 

【PRE-REVIEW “CONCRETE GARDENS”】

STEVE VAI との共演は勿論、PLANET X, CAB, RING OF FIRE, など多数のプロジェクトに参加。同時に数多の名作ギターインストソロ作品を残してきたギター・ヴィルトゥオーソ TONY MACALPINE。4/21 に4年ぶりのソロアルバム “CONCRETE GARDENS” をリリースします。自身の名を冠した10年ぶりのソロ作品、前作 “TONY MACALPINE” では、彼のソロ作品としては初めて多弦ギターを導入。現代的なへヴィネスと彼の持つクラッシックやジャズへの深い素養を組み合わせたような快作で、彼の復活を印象付けました。ドラムに名手 AQUILES PRIESTER を起用した 新作 “CONCRETE GARDENS” はその方向性をさらに推し進めたような作品です。アルバムオープナー、”EXHIBITIONIST BLVD” から DJENTY なリフと彼らしいロマンチシズムの融合が素晴らしくアルバムの雰囲気を伝えます。次の “THE KING’S RHAPSODY” はさらにヘヴィー&グルーヴィー。MESHUGGAH ライクな8弦リフも見事に活用。 “EPICA” にも同様のリフは登場しますがこちらは STRAVINSKY のような現代音楽の影響も感じます。彼のスイープテクニックは完全に群を抜いていて、しかも純粋に楽曲のために使用しますが “MAN IN A METAL CAGE” はまさにそんな曲。ARCH ENEMY の JEFF LOOMIS が参加した “SQUARE CIRCLES” はギターの掛け合いが GEORGE LYNCH との “TEARS OF SAHARA” を想起させます。ラストの2曲 “CONFESSIONS OF A MEDIEVAL MONUMENT” “CONCRETE GARDENS” はまさに圧巻。彼のトレードマークはギターハーモニーと転調なのですが、それらを惜しむ事なくふんだんに使用したクラシカルでエモーショナルな楽曲です。後者は MACALPAIN + DIENT といった感覚もありますね。お馴染みピアノのソロ曲でアルバムは幕を閉じます。一所に留まらず、常に挑戦を続ける TONY らしいアルバム。ヘヴィーな “CONCRETE” と 美しい”GARDENS” の対比をお楽しみ下さい。

CONCRETE GARDENS: RATING 9/10

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