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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SITHU AYE : SET COURSE FOR ANDROMEDA】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SITHU AYE !!

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One of the most important release of Instru-Metal scene in this year !! Sithu Aye set to release magnificent double album “Set Course for Andromeda” on 5/4!!

DISC REVIEW “SET COURSE FOR ANDROMEDA”

我らが “先輩” こと、グラスゴーが生んだ才気あふれる新世代ギタリスト Sithu Aye。5/13から始まる初の日本ツアーに先駆けて、5/4に新作 “Set Course for Andromeda” をリリースします!
フルアルバムとしては2012年の “Invent the Universe” 以来となる新作は、ダブルアルバム、76分の壮大なエピックに仕上がりました。同時に、最も重要な今年の Instru-Metal 作品になることは間違いないでしょう。
近作では、コラボレートも行った PLINI と路線を同じくするような、メロディー重視でフュージョン要素の濃い音楽性にフォーカスしていた Sithu Aye ですが、”Set Course for Andromeda” では “Invent the Universe” 以前のようなヘヴィーグルーヴやテクニカルな展開を大幅に復活させており、改めて彼のアイデンティティーを強く印象付けています。同時に、ジャズ、オーケストラ、シンセサイザーといった幅広い要素も巧妙に使用されており、多様性に富んだ現代的なアルバムとも言えるでしょう。
ゲストソロイストも実に豪華。同志 Plini をはじめ、David Maxim Micic (DESTINY POTATO), Aaron Marshall (INTERVALS), Mark Halcomb (PERIPHERY), Yvette Young (Covet), THE HELIX NEBULA というモダンギターシーンを象徴するようなプレイヤーたちが集結し作品に色を添えています。
チップチューン的イントロが印象的な “Set Course for Andromeda!!!” 、”Constants and Variables”, “Transient Transistors” のヘヴィーグルーヴはまさに初期 Sithu Aye ですし、驚くほどジャズな “Spiral” まで Disc 1の多様性はカラフルな万華鏡のよう。ただ、Disc 1では全ての楽曲にゲストを配しているのに対して、Disc 2、29分の大曲 “The Andromedan” は彼1人で作曲、ソロ、プロデュースを全てこなしていることを考えれば、作品のキモは Disc 2 にあるようにも思えます。
実際、大曲の第一楽章 “PT1: A Single Step” は、新しいことに挑戦したかったと語る Sithu の意志を体現したかのような楽曲です。ジブリ作品を想起させる雄大でオリエンタルなメロディーが、ストリングス(二胡)とアコースティックギターを伴って紡がれる美しい楽曲は、彼の新しい1面を伝えると共に、代表的な1曲となる可能性を秘めています。
さらに見事なのは、”The Andromedan” 自体も、”A Single Step” で提示したオリエンタルなテーマを巧妙に変化させつつ使用しながら、彼の様々な魅力を引き出し伝えている点です。”PTⅡ: Mystic Village” でのミニマルなポストロック、”PTⅣ: The Darkness Within” から “PTⅤ: Rebirth” にかけての Djent + Dream Theatre 的ダークでテクニカルな展開、そしてオーケストラルな大円団 “PTⅥ: Mother of Creation” まで、息つく間もないほど濃厚な音楽世界はリスナーを壮大な宇宙旅行へと誘います。
さらに、ソロイストとしての Sithu も素晴らしく円熟して来たように感じます。見事なコール&レスポンス、リックの豊富さ、そして強烈なエモーション。楽曲のレベルを一段引き上げるようなソロワークが秀逸なギターアルバムでもありますね。
今回弊誌では Sithu さんに3度目のインタビューを行うことが出来ました。テクノロジーコンサルタントという仕事を辞して、フルタイムミュージシャンとして挑む彼の新たな出発は、野心的でキャッチーで多様性に富んだ素晴らしいレコードと共に始まります。どうぞ!!

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SITHU AYE “SET COURSE FOR ANDROMEDA” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HAKEN : AFFINITY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ROSS JENNINGS OF HAKEN !!

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Next Generation of Prog!! London based amazing six piece, Haken set to release game-changing modern prog record “Affinity”!! The past meets the future here!

DISC REVIEW “AFFINITY”

UK が誇るモダンプログメタルの新鋭 HAKEN が4/29に野心的な新作”Affinity”をリリースします!前作 “The Mountain” はモダンメタルと、70年代のプログロックが、極上のメロディーを備えつつエピカルに融合した傑作で、バンドに成功をもたらしましたね。そして HAKEN はこの新作 “Affinity” でさらに多くの成果を得ることになるでしょう。
昨今、音楽シーン全体の流れとして、キラキラとした80年代のポップカルチャーが再度注目されカムバックして来ていますね。”Affinity” はアートワークやテーマ、そして音楽にも、その流れを強く意識した作品となっています。同時に、彼らの持ち味であるモダンなテクニカル/グルーヴィー要素も、再度タッグを組んだ名プロデューサー Jens Bogren と共にさらに掘り下げられており、結果として過去と未来が交差するレトロフューチャーな世界観を構築することに成功しています。
アルバムオープナー “Initiate” はメロウなメロディーと究極のグルーヴが共存する、モダンプログを代表するような楽曲です。ノルウェーの盟友 LEPROUS を想起させる部分もありますね。特にボーカル Ross Jennings の美しい歌唱は白眉ですし、彼がこの楽曲の後半で行っている”対位法”的な実験は非常に印象的ですね。
対して “1985” は、タイトルからも分かるように、あの時代のテイストが色濃く盛り込まれています。オープニングのロックなリフには Michael Jackson の”Beat It” をさえ感じさせます。インタビューで Ross はYES の “Owner of a Lonely Heart” と言及していますが、確かに例えば YES や RUSH が80年代に行っていたような、プログロックのポピュラー化を強くイメージさせる楽曲かも知れませんね。ビッグなコーラスとキラキラしたキーボードの合間に現れる MESHUGGAH ライクなリフが意外にも実にマッチしています。
HAKEN のアルバムには少なくとも1曲はエピカルな大曲が収録されて来ましたが、”The Architect” のランニングタイムは15分を超えます。この15分間で HAKEN は再度彼らの高いミュージシャンシップを証明しましたね。楽曲冒頭や後半の強烈なインタープレイはまさしく彼らが敬愛する DREAM THEATER へのトリビュートでしょう。中盤のジャジーなベースソロで新メンバーConner がその実力を見せつければ、ギター隊も変拍子と複雑なコード進行の上で踊ります。哀愁を伴ってドラマティックに終焉を迎える壮絶な大円団は圧巻の一言でした。
“Earthrise” は彼らがさらなるセルアウトへの野望を表わした楽曲かも知れません。ここで聴けるのは Alan Person’s Project や ELO のような80年代のAOR。ただ、ギターリフがヘヴィーグルーヴィーであることと、知的なハイハットの使用により、リスナーに新鮮な感覚を与えます。”Red Giant” にも言えますが、ドラマー Ray の独創的なリズムやフィルインは、アルバムを通して素晴らしく作品の聴きどころとなっています。また、セルアウトと言えば “The Endless Knot” ではあの Zedd を思わせるようなシンセサウンドも使用されており、その貪欲な姿勢には驚きを禁じえませんね。
メンバー全員の個性が1枚の傑作に昇華した “Affinty” 。プログロックの領域を拡大するような重要な作品だと感じました。今回、弊誌ではボーカルの Ross Jennings にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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1. affinity.exe [1:24]
2. Initiate [4:16]
3. 1985 [9:09]
4. Lapse [4:44]
5. The Architect [15:40]
6. Earthrise [4:48]
7. Red Giant [6:06]
8. The Endless Knot [5:50]
9. Bound By Gravity [9:29]

HAKEN “AFFINITY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EARTHISTS. : WINTERFELL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH YUTA OF Earthists.!!

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New wave of Japanese Djent/Prog-Metalcore is coming!! Earthists. has just contracted with Tragic Hero Records and released new single “Winterfell”. “Naturecore” is ready to conquer the world!!

東京発、新世代 Djent/Prog-metalcore バンド Earthists. が ERRA や Crossfaith を輩出し、The Afterimage, A Skylit Drive など有望な新鋭を多数抱える Tragic Hero Records と契約。新曲 “Winterfell” をリリースしました!!
才能を感じさせるバンドが続々と出現している日本の Djent/Prog-metalcore シーンですが、Earthists. がUSの人気レーベルと契約を果たしたことは非常に意味があると思います。彼ら自身は勿論、後続たちにも道を開く可能性を秘めているからです。昨年、”FLUX” で The Afterimage の Sam との共演を実現させたバンドはさらに新しい一歩を踏み出しました!
Earthists. は “Naturecore” を掲げ、自然に関する事象を自らの音楽、リリック、アートワークなどに反映させています。これも魅力的な試みで、海外のリスナーの興味を引く可能性は充分。テクニカルなギターワーク、グルーヴィーなリズムにエモーショナルなボーカルを載せた彼らの楽曲は決して海外の先鋭、そしてレーベルメイト The Afterimage や Invent, Animate にも劣ってはいませんね。加えて彼ら独特の Jazzy なピアノが非常に良いアクセントとなり Earthists. の個性を作り上げています。
今回、公開された”Winterfell” はまさにその個性を炸裂させた素晴らしい新曲です。イントロの流れるような美しいピアノはゲーム音楽ともクロスするような美麗さで、ドラマティックな世界観を構築します。ブリッジの複雑なコード展開にも Jazz の影響が伺えますが、不思議と Yui さんのボーカルが乗るとキャッチーさが際立ちますね。ブレイクダウンの SikTh を想起させるカオティックな Yuta さんのリフワークも白眉。そこからバンドが一体となり畳み掛ける終盤は圧巻の一言でした。
Field of Forest, Abstracts, Our Dimensions, Story of Hope といったバンドと共にシーンを盛り上げる Earthists.。今回弊誌ではギタリスト/コンポーザーの Yuta さんにお話を伺うことが出来ました。どうぞ!!

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WORLD PREMIERE: “NIGHTMARE”, “EUPHORIA”, “CRUSH”【POLYPHIA : RENAISSANCE】


WORLD PREMIERE: “NIGHTMARE” “EUPHORIA” “CRUSH” FROM THE FORTHCOMING POLYPHIA’S NEW RECORD “RENAISSANCE” !!

The Dallas, TX-based instru- metal brightest hope,shining star, POLYPHIA set to release their newest album “Renaissance” on 3/11 !! “Renaissance” brings your ears to new realm of music!!

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US,ダラス出身のインストゥルメンタル・シャイニングスター POLYPHIA が3/11に新作 “RENAISSANCE” をリリースします!! ANIMALS AS LEADERS を頂点とし、活況を呈する INSTRU-METAL シーンにとって重要な一枚となることは間違いないでしょう。ドラマーの Brandon 二度目の脱退によりバンドは現在ギター二本とベースのトリオ編成となっています。
さて、彼らがシーンにとって重要な存在である理由。それはまずその端正な顔面とシュッとした容姿にあります。若いおねいさんがライブ会場やSNSに増えますね。そして彼らの音楽も容姿同様甘くてエモーショナル。難解と思われがちなシーンの入り口として期待されます。
今作は EDM、Hip Hop, クラシカルなどモダンな音楽を意欲的に取り入れた野心作。まさに INSTRU-METAL RENAISSANCE を起こすような作品となるでしょう。以前からポップミュージックへの拘りを口にしていた POLYPHIA ですが、 Justin Bieber, Drake, ZEDD, Kendrick Lamar といった最先端のポップミュージックからの影響を前面に出して勝負するようです。AAL, CHON, そして POLYPHIA。三者三様のアイデンティティーでシーンを盛り上げていってもらいたいと思います。

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Renaissance was recorded with Nick Sampson (Asking Alexandria, Of Mice & Men) who co-produced the album with Polyphia guitarists Tim Henson and Scott LePage. Renaissance introduces a new conceptual and artistic direction for the trio’s sound, vibe and visual aesthetic, that sees the band embracing their eclectic musical tastes (which include EDM, hip hop, pop and classical music) to create their own innovative blend of technical, yet melodic instrumental arrangements.
“Runessaece” は Nick Sampson (Asking Alexandria, Of Mice & Men) を POLYPHIA の Tim, Scott と共に Co-Producer に起用して制作されました。”Runessaece” のサウンド、美しいビジュアルは、トリオとなった新しい POLYPHIA のコンセプトや芸術性を表しています。EDM, Hip Hop, Pop, そしてクラッシックといったエクレクティックな要素を取り入れ、テクニカルでありながらメロディアスなインストゥルメンタルアレンジとブレンドすることで、彼ら独自の革新的な音楽を創造したのです。
TRACKLISTING
Renaissance
1. Culture Shock
2. Light
3. Florence
4. Nightmare
5. Storm
6. Bittersweet
7. Symmetry
8. Ivory
9. Paradise
10. Amour
11. Crush
12. Euphoria 

【POLYPHIA TALKS ABOUT “RENAISSANCE”】

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“Our new track “Nightmare” is the first 8-string piece we’ve written,The video tells the story of a ballerina practicing for perfection. Her deranged instructor appears only to make her do it over and over again. She keeps practicing the routine until her feet bleed, and she throws up blood. At the end, she thinks she finally got it perfect, but her instructor has had enough and decides to strangle her out of nowhere. As soon as he makes contact with her, she wakes up to realize that she was only having a nightmare.”
新曲”Nightmare”は僕たちが初めて8弦ギターを使用して書いた楽曲なんだ。このMVはバレリーナが完璧を求めて練習を重ねるストーリーだよ。彼女の狂ったインストラクターは何度も何度も同じ練習をさせるんだ。彼女は足が傷つき血を流すまでルーティンを続けたよ。結局、彼女は遂に完璧になったと思うんだけど、インストラクターは飽きてしまって彼女を突然絞め殺すことに決める。インストラクターが彼女の首に手をかけた時、彼女は目覚めただの悪夢だったと悟るんだけどね。

“As a band, we’ve been pretty clear and up front about our love affair with culturally mainstream music. Arranging the actual sound of the record was somewhat tricky, seeing as how the Justin Bieber and Drake records we’ve been blasting nonstop don’t exactly fit right in with the thematic elements of Renaissance culture. At the end of the day it was actually quite a blast to see what sort of “hybrid” music we could birth between various genres in a tasteful way. It feels really good to know that the internet won’t be able to label this album with a sub-genre quite as easily as it might expect.”
バンドとして、僕たちが現代的なメインストリームミュージックを愛していることは、率直に言ってとても明白だよね。今回のレコードのサウンドを実際にアレンジするのはいくらかトリッキーだったんだ。ノンストップでバカ騒ぎするような Justin Bieber や Drake のレコードがルネッサンス文化に全くフィットしないのは分かるだろう?
結局のところ、実際、様々なジャンルの間から、僕たちがどうやってハイブリッドされた音楽を生み出すことができるかこそが重要なんだ。ネットの人たちだって、このアルバムをサブジャンルで定義することは思っているより簡単じゃないよ。そういう作品を作れたことが本当に嬉しいんだ。

“We want people to recognize the new creative direction we’re going with our music: an almost electronic type of genre merged with instrumental songwriting. One thing we like to experiment with is jamming on hip hop tracks just to see where it takes us, and doing that has helped us come up with some fresh new ideas for song structure, melody, and other things that we haven’t really ever experimented with before. We find that this is a really good way of opening our ears to new realms of music writing. Coming up with catchy, memorable hooks is something we’ve been working hard to implement in our music. It feels good to be giving our fans and friends a new album that’s so emotionally charged and intellectually stimulating. It’s going to make people think things they’ve never thought, feel things they’ve never felt, and hopefully see that Polyphia is expanding in a way that we’re extremely passionate about.”
みんなには僕たちが進んでいる新しいクリエイティブな方向性を理解して欲しい。ほとんどのエレクトロニカのジャンルがインストのソングライティングに融合しているんだよ。hip hop のトラックでジャムってどうなるか試すのが好きだし、そうすることで楽曲の構成、メロディー、そして他にも以前は出てこなかったようなフレッシュな新しいアイデアが湧き出てくるんだ。それが新しいソングライティングの領域に達する為の良い方法だと気づいたんだよ。
キャッチーで覚えやすいフックを楽曲に盛り込むことは僕たちがずっと必死に取り組んで来たこと。ファンや友人のみんなにとてもエモーショナルで刺激的な知性を持った新作を提供出来るから良い気持ちだよ。この作品を聴いてみんなは「こんな音楽、想像したことも感じたこともない。」って思うかも知れないね。POLYPHIA が情熱を傾ける新しく広がる世界を理解してくれたら嬉しいな。

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POLYPHIA FACEBOOK PAGE
POLYPHIA “RENAISSANCE” PRE-ORDER
EQUALVISION RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TEXTURES : PHENOTYPE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BART HENNEPHOF OF TEXTURES!!

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One of the greatest pioneer of Modern Metal/Prog band from Netherlands, Textures has just released their conceptual masterpiece “Phenotype !!

オランダが産んだモダンメタル/モダンプログの革命児 TEXTURES が新作 “Phenotype” をリリースしました!この作品は一つのコンセプトのもと制作された2枚組の大作 “Phenotype/Genotype” の前編で、後半の “Genotype” は来年のリリースを予定しています。
ボーカルとキーボードが交代した前作 “Dualism” はキャッチーなメロディー、幾重にもレイヤードされたアトモスフェリックなシンセサウンドを大胆に導入し、シーンに強い影響を与えた一枚でした。今作ではバンドの創立メンバーである、ギタリストの Jochem が脱退し、Joe Tal なる人物が加入。インタビューで自己紹介をしてくれていますが、アルバムを聴く限りかなりの実力者のようですね。結論から言うと、”Phenotype” は “Dualism” で減少したメタリックな要素、リズム面のチャレンジを最高のバランスで復活させつつ、Post-Djent サウンドを一層進化させた素晴らしい1枚に仕上がっていると感じました。
例えば “New Horzon” はまさに “Dualism” サウンドの正統進化形ですし、成熟したシンセサウンド、美しいコーラス、アトモスフェリックな静パートを兼ね備えたプログレッシブな “Illuminate the Trail” などは新たなマイルストーンにも成りうる見事なチャレンジです。
対して、”Shaping A Single Grain of Sand” の MESHUGGAH もしくは GOJIRA を想起させる アグレッション、ヘヴィーなグルーヴは強烈で、後半のメタルコア的なパートも含めて初期 TEXTURES のメタリックな一面を愛するファンを歓喜させるに違いありません。
また今回は、全てのメンバーが作曲に参加しており、ドラムスとアンビエントなノイズで構成される “Meander”、美しいピアノのアルペジオとシンセサイザーが織り成す “Zman” といった短くも印象深いインタルードはまさにバンドメンバー各自の個性が遺憾無く発揮され結実した成果だと思います。そして、その “Zman” に導かれるように始まる “Timeless” は、徐々に DEAFHEAVEN も真っ青な美しい Post-Black 成分を増し行く実に劇的な新機軸。楽曲がピアノのC#で未解決なまま終焉を迎えるのは続編の存在を提示しているのでしょうね。
最後に前作から加入した Daniel de Jongh の変幻自在に進化したボーカルについても記して置かねばならないでしょう。PANTERA? STRAPPING YOUNG LAD? などと例えたくなるようなオープニングトラック “Oceans Collide” ですら、彼のクリーンが切り込むと途端にその雰囲気を変えます。LEPROUS の Einar は勿論モダンプログ界隈の声とも言える存在ですが、”New Horzon” では彼を想起させるほどキャッチーで見事な歌唱を披露していますね。とにかくモダンメタル/プログ界隈にまたしても衝撃を与える作品であることに間違いはありません。今回弊誌ではギタリストで中心メンバーの Bart HENNEPHOF に話を聞くことが出来ました!どうぞ!!

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TEXTURES “PHENOTYPE”: 9.9/10

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MMM READER’S POLL 2K15 【NEXT THREE’S (SITHU AYE, PLINI, JAKUB ZYTECKI) CHOICE】


SITHU AYE, PLINI, JAKUB ZYTECKI ARE NEXT THREE OF MODERN PROG / INSTRU-METAL GUITAR SCENE !! DO NOT MISS THIER FAV ALBUMS OF 2015 !!

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2015年は MODERN PROG /INSTRU-METAL シーンにとって実りの多い年になりました。
POLYPHIA, CHON という期待の若手は本格的にブレイクを果たしましたし、弊誌で扱うことの出来た INTERVALS, POMEGRANATE TIGER, SCALE THE SUMMIT, JOHN BROWNE, YVETTE YOUNG, DAVID MAXIM MICIC といった新進気鋭のアーティストたちも素晴らしい作品をリリースしましたね。日本に話を移すと、界隈で今最も注目を集めるギタリスト PLINI が DISPERSE のヤングヒーロー JAKUBU ZYTECKI を伴って来日公演を果たし、最高の演奏を見せたことは一つの”事件”だったと思います。
そして 2016年。今年は我らが”先輩”、SITHU AYE の来日公演も決定しているのです!! 勿論、PLINI にはデビューフルが、Jakub には DISPERSE の新作が控えています。
今回弊誌では、”MMM READER’S POLL 2015″ の一環として、彼ら”NEXT THREE”に 2015年のベストアルバムとメッセージをいただくことが出来ました。勿論、PROG-CHAN たちも SITHU 先輩の書き下ろしですよ。どうぞ!!

【SITHU AYE’S BEST ALBUMS 2015】

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【POMEGRANATE TIGER : BOUNDLESS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN ANDRES OF POMEGRANATE TIGER !!

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“Instru-Metal” New Hero, POMEGRANATE TIGER has just released Djenty&Mathy Masterpiece “Boundless”!!

カナダの新鋭、NEXT AAL とも評される “Instru-Metal” の至宝 POMEGRANATE TIGER が素晴らしい新作 “Boundless” をリリースしました!!
前作 “Entities” では4人組のバンド形態だった POMEGRANATE TIGER ですが、今回は創設メンバーでギターとドラムスをプレイする Martin Andres 1人が正式メンバーという形になっています。事の経緯はインタビューを読んでいただくとして、新作 “Boundless” は Djent シーンに衝撃を与え、DIY のアーティストとしては破格のセールスを上げたデビュー作 “Entities” とは一線を画す作品となっていますね。
特筆すべきはリズミックでヘヴィーなグルーヴ重視のアプローチ。前作はクラシカルなプレイが光る、ストレートでコズミックな Djent / Modern Prog アルバムでした。しかし、今回はオープニングトラック “Manifesto” やタイトルトラック “Boundless” に象徴されるように、 GOJIRA や TOOL を想起させるような Mathy でミニマルなパートが格段に増えています。”Entities” の “Too Much” な部分をキレイに削ぎ落とし、新たな可能性を切り開いたといった感じでしょうか?
同時に “Stomp The Haunted Crown”, “With Knives As Teeth” のような楽曲では、同郷の PROTEST THE HERO を彷彿とさせるようなテクニカルで Math-Metal の要素を含んだチャレンジングなリフの数々でエキサイトさせてくれますね。
勿論、Martin のアイデンティティーとも言える、クラッシック音楽の影響は今作でも健在。映画のサントラ、ジャズからの影響も伺えるオーケストレーションが見事な “Papaer Hammer”, ゲストプレイヤーのストリングスが光る “Ovation” ではクラッシック音楽を学んだ者でなければ作り得ない、美しさや構成の妙を味わう事が出来ます。
モダンプログ界隈の重要人物、PERIPHERY の Adam “Nolly” Getgood, THE HUMAN ABSTRACT の AJ Minette も才能を認め、制作に参加した “Boundless” はまさに “Instru-Metal” の限界を突破した作品と言えるでしょう。
今回、弊誌では Martin Andres にインタビューを行うことが出来ました。言葉の端々から、音楽に対する造詣の深さが表れていますね。どうぞ!!

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MMM RATING IS…

POMEGRANATE TIGER “BOUNDLESS” : 9,5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INTERVALS : THE SHAPE OF COLOUR”】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Aaron Marshall of INTERVALS !!

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INTERVALS returns to instrumental world with fantstic new album “The Shape of Colour” !!

Modern Prog の旗手、トロントの新鋭 INTERVALS が新作 “The Shape of Colour” をリリースしました!!
INTERVALS はギタリスト Aaron Marshall の DIYプロジェクトとしてスタートし、”The Space Between Us”, “In Time” という2枚のハイクオリティーなインストゥルメンタルEPを Djent / Modern Prog シーンに投下します。変顔とドラムの名手 Anup Sastry を擁し、 PERIPHERY, MONUMENTS, DESTINY POTATO といった豪華な人脈を有していたこともあり、バンドは瞬く間に注目を集め一躍シーンの中心に躍り出たのです。
満を持してフルアルバムの制作を開始した INTERVALS はボーカルの導入を決意。THE HAARP MACHINE で名を馳せた Mike Semesky をバンドに加入させます。完成した”A Voice Within” は INTERVALS の長所を微塵も壊すことなく、キャッチーなボーカルを導入したモンスターアルバムで、弊誌の2014ベストアルバム読者投票でも見事3位を獲得しました。
ところが今年に入って “A Voice Within” のメンバー全員が Aaron を残し脱退してしまいました。メンバー脱退の理由、経緯はインタビューを読んでいただくとして、再びインストゥルメンタルの世界に戻ってきた Aaron Marshall。”The Shape of Colour” は彼の野心と才能が溢れ出るかのような傑作に仕上がりました。
同じインストアルバムとはいえ、一聴して以前リリースした2枚のEPよりも音楽の幅が広がっていることに気づくでしょう。Djent の要素は薄れ、Mathy&Catchy なリフがアルバムを支配しています。比較するなら CHON, POLYPHIA, PLINI といったバンドに近づいたと言えるかも知れませんね。実際にその PLINI がゲスト参加している “Libra” ではギターが歌っているかのようなキャッチーなプレイを聴くことが出来ますし、”Sweet Tooth” などは”ゲスの極み乙女”を想起させるほど。
同時に、セッション参加している PROTEST THE HERO の Cam McLellan, Travis Orbin のリズム隊も見事な演奏でアルバムを彩ります。グルーヴィーでマスマティカルな “Sure Shot” のタイトな演奏にはこのメンバーでライブが見たいと思わせる魅力が存在します。そして、サックスを起用した “Fable” は勿論ですが、アルバムを通して Aaron のジャジーでスムーズなリードプレイはまさに次世代のギターヒーロー。カラフルで聴き所満載な本作は、間違いなく2015重要作品のうちの1つだと思います。
今回弊誌では Aaron にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING IS…

INTERVALS “THE SHAPE OF COLOUR” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EARTHSIDE : A DREAM IN STATIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BEN SHANBROM OF EARTHSIDE !!

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Incredible New Commer from US!! EARTHSIDE create dramatic “Cinematic Rock” with Orchestra. “A Dream In Static” is one of the important release on 2015 !!

モダンプログシーン、上半期のブライテストホープが NATIVE CONSTRACT だとしたら下半期は間違いなく彼らでしょう。”Cinematic Rock” を指標する期待のUS産4人組 EARTHSIDE がデビュー作 “A Dream In Static” をリリースしました!
実は BUSHWHACK という Post-Djent を掲げていたバンドを母体とするバンド。メンバー全員が音楽の学位を持っているという驚くべき背景を元に、持てる知識と創造性を全て注ぎ込んだ非常に野心的なアルバムです。フックに満ち、カラフルでストーリーを感じさせる作風は、まさに彼らが掲げる”映画”をイメージさせますね。
まず言及すべきはアルバム2曲目の “Mob Mentality” でしょう。なんとモスクワスタジオ交響楽団、つまりオーケストラが楽曲に全面参加しているのです。勿論、オーケストラを起用したロック/メタルバンドはこれまでにも少なくありませんが、メタルの楽曲にチョロっとストリングスを加えたといった程度の生ぬるいものが多かったように思います。彼らのやり方はそれとは根底から異なっており、まずオーケストレーションありきのコンポジションなため、圧倒的な構成力と生き生きとした生楽器の演奏を楽しむことが出来ますね。
EARTHSIDE はこのデビュー作で4人のシンガーを起用しています。”Mob Mentality” では SEVENDUST の Lajon Witherspoon が参加しているのですが、ソウルフルに歌い上げる彼のスタイルが見事にハマッています。他にも TesseracT の Dan Tompkins, SOILWORK の Bjorn Strid, FACE THE KING の Eric Zirlinger といったジャンルもカラーも異なる実力派シンガーたちを適材適所に起用し、様々な”色”を感じさせる作品に仕上げています。
音楽的には、Djent/モダンプログを柱としながらも、アトモスフェリックなポストロックから TOOL 的マス/オルタナティブ、モダンなメロディックデスメタルの要素まで幅広く、彼らのやり方で見事に取り込んで、新しいジャンル “Cinematic Rock” を生み出したとさえ言えるのではないでしょうか?ポストプログ/Djentの雄、 TesseracT を大仰にドラマティックにしたようなサウンドだと感じる人もいるでしょう。KARNIVOOL や TEXTURES のように洗練された繊細なイメージを持つ人もいるでしょう。
ストックホルムまで出向いて Jens Bogren + David Castillo というモダンメタルシーン最高最重要レコーディングチームと制作したことも大吉でしたね。彼らと組むことでさらに最新のメタル/プログを色濃く反映した傑作 “A Dream In Static”。 今回弊誌ではバンドのソングライター/スポークスマンにして驚異的なドラマーでもある Ben Shanbrom に話が聞けました。どうぞ!!

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MMM RATING

EARTHSIDE “A DREAM IN STATIC” : 9,8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVALLO : NOVALLO Ⅱ】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NOVALLO !!

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Talented Moden Prog Outfit, NOVALLO has just released awesome eclectic new EP “Novallo Ⅱ” !!

US産 モダンプログの新鋭 NOVALLO が素晴らしい新作EPをリリースしました!!
PERIPHERY を筆頭とした所謂 Djent バンドの系譜に連なる NOVALLO ですが、彼らの優れている点はそのエクレクティックな音楽性にあると思います。Jazz/Fusion, エレクトロニカ、ファンク、といった多様な音楽を独自のやり方でプログメタルに落とし込んでいるのです。同時に非常にキャッチーで優れたメロディーを各所に配置し、Djent/モダンプログの新しい形を提示しています。
よく比較されるのがその PERIPHERY なのですが、理由の1つは Sam のボーカルでしょう。驚異的な声量で歌い上げる美しく情熱的なクリーントーンは確かに PERIPHERY の Spencer を想起させます。ただ、Sam は SYSTEM OF THE DOWN のようなエキセントリックな唱法やラップを取り入れるなど間口の広さが魅力的です。
またグルーヴィーな演奏にキャッチーなメロディーを巧みに乗せているところも比較される所以でしょう。より DJENTY な PERIPHERY に対して、NOVALLO はそのメロディーやグルーヴによりダンサブルな要素を強く感じさせますね。例えば Michael Jackson, Jamiroquai,Justin Timberlake であったり、最近では Lady Gaga のようなテイストすら味わうことが出来ます。
エレクトロニカやゲーム音楽、Chiptune への造詣の深さも耳を惹きます。”White Phoenix” の8bitなイントロや “I Am” のゲーム音楽風バッキングは非常に特徴的で彼らならではと言えるでしょう。シンセサウンドと独特のギタートーンが素晴らしいですね。
NOVALLO はユニークな実験性を保ちながら、前作よりキャッチーな作品を制作するという離れ業をやってのけているのです。今回の記事では、弊誌のインタビューにNOVALLOのメンバー全員が考えた回答を寄せていただきました。どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

NOVALLO “NOVALLO Ⅱ” : 9,6/10

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