EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATT WEED OF ROSETTA !!
US Cosmic Post-Metal Outfit, Rosetta Will Come To Japan At Last !! Don’t Miss Their Incredible Performance, Dynamic Sound In December !!
DISC REVIEW “QUINTESSENTIAL EPHEMERA”
ISIS や CULT OF LUNA のレガシーを受け継ぎ、Post-Metal の新たな地平を創造する、フィラデルフィア出身の5人組 ROSETTA が遂に待望の初来日を果たします!!12月に Tokyo Jupiter Records の招聘で行われる日本ツアーは、OVUM など実力派国産バンドのサポートもあり非常に充実したものとなるはずです。
ROSETTA は宇宙や天文学ををテーマとし、生み出すそのスペーシーなアトモスフィアも相俟って、「考える人のメタル」を超越し「宇宙飛行士のメタル」などとも称されてきたバンドです。その知的かつ優美な芸術性と、スラッジーな轟音が生み出す静と動の対比はシーンでも群を抜いている存在だと言えるでしょう。
バンドの特徴を全て反映し、マイルストーン的なレコードとなった “A Determinism Of Morality” を経てインディペンデントリリースとなった前作 “The Anaesthete” は、彼らの作品の中では趣を異にするアルバムでした。インタビューでも語っている通り、リスナーの想像以上にタフな時期を通過し、当時の状態を投影した怒れるレコードは、バンドのヘヴィー/ダークサイドにフォーカスした作風で、確かにノイズ要素まで取り入れスラッジ要素が強調された音楽性は新機軸でエキサイティングでもありましたが、同時に彼らの繊細なサウンドスケープを愛するファンに戸惑いを与えたことも事実でしょう。
最新作 “Quintessential Ephemera” はインタビューで Matt が言及しているように、解散の可能性すらあった時期を乗り越えた、希望と再生のレコードです。ROSETTA が再生のために選んだ手段は新たな血の注入でした。共にツアーも行い、”The Anaesthete” にゲスト参加も経験していた CITY OF SHIPS のボーカル/ギター Eric Jernigan を新たに加入させたのです。
Eric 加入の効果は絶大でした。「典型的なカゲロウ」 と名付けられたアルバムは、インターネット、テクノロジーの刹那性を見抜き、現代社会における”本質的な儚さ”をテーマとしています。おそらくそれ故に大半が “Untitled” 無題とされた楽曲群は、Eric の出自である Emo / Post-Hardcore が生み出す切なさ、エモーションを大胆に取り入れることで、見事に”儚さ”というテーマと協調、リンクし、新たな ROSETTA 像を具現化することに成功しています。
具体的な変化としては、Eric の感傷的な声を強調、フィーチャーすることで、過去作よりも明らかにクリーンボーカルのパート、コーラスが増えていますし、ダブルギターにより可能となった、より複雑にレイヤーされたサウンドや、オルタナティブな試みも新鮮で、充実した作品を華麗に美麗に彩っていますね。
勿論、あくまでも “Quintessential Ephemera” は再生のレコード。希望を取り戻した ROSETTA は “Untitled Ⅱ”が象徴するように、トレードマークである宇宙的な静と動のコントラスト、デリケートで繊細なアンビエンス、壮大で雄々しい轟音をも取り戻し、バンドの新たなチャプターの幕を開けたと言えるのではないでしょうか。
“Nothing in the Guise of Something” の言葉を失うような美しさで彼らは、見せかけの刹那的なハリボテの音楽ではなく、恒久的な絶対音楽を提示しアルバムのテーマに強い説得力を持たせ、アルバムを締めくくりました。
今回弊誌では、バンドのオリジナルギタリスト Matt Weed にインタビューを行うことが出来ました。作品は Name Your Price 方式で購入出来ます。NEUROSIS や MY BLOODY VALENTINE のファンもぜひチェックしてみてくださいね。どうぞ!!
ROSETTA “QUINTESSENTIAL EPHEMERA” : 9.5/10
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