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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【YOU’LL MELT MORE! : YOU ARE THE WORLD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SHIFUON OF YOU’LL MELT MORE! !!

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Japanese girls group YOU’LL MELT MORE! has just released splendid closs-over rock record “You Are the World”!! Check out THE YMM World !!

かわいらしくて、ゆるゆるで、”ちょっと先を行っている” 女の子6人組 ゆるめるモ!が待望の2ndアルバム “You Are the World” をリリースしました!!
デビュー作 “Unforgettable Final Odyssey” はニューウェーブを軸としたアイドルらしからぬクロスオーバーな音楽性が話題を集めましたが、実はキラキラした歌メロのポップさが肝の優れた作品でした。あれから1年。”You Are the World” にはメンバーの脱退や海外公演の成功、映画初主演(!!)を経て、成長した6人の成果が収められています。インタビューでしふぉんさんが語っているように、”吸収力” がアップしたゆるめるモ!は、前作よりもさらにバラエティーに富んだカラフルなアルバムの中で躍動していますね。
今作を聴き終えて、素直にゆるめるモ!のやり方は”先を行っている”のではないかと感じました。アルバムには箱庭の室内楽 ハシダさんは勿論、ex-SUPERCAR のナカコーさん、POLYSICS のハヤシさん、後藤まりこさん、ミドリカワ書房さんなど個性豊かな面々が作曲陣としてアルバムに参加しています。作曲者がメンバーに限定されがちなロックバンドではこうはいかないでしょう。
ニューウェーブは勿論、オルタナ、エレクトロニカ、テクノに USインディー、果てはポストロックまで、音楽好きに真っ向勝負を挑むような濃厚な74分。過剰?やりすぎ?クレイジー??それこそがロックじゃないですかと言わんばかりに、プロデューサーの田家さんがフジロック出演を熱望しているのも納得ですね。そして、そういった”要求”を自分たちなりに消化し、キラキラとしたポップに変換していくゆるめるモ!の6人はやっぱりすごいと思う訳です。”ボアダムスとマイブラを混ぜたような破壊力のあるアルバムの核となる楽曲”と田家プロデューサー自らが語る “Only You” にはゆるめるモ!の過去、現在、そして未来が詰まっていると思いますよ。ぜひご一聴を。
今回弊誌では、2回目の登場、生誕祭を終えたばかりのしふぉんさんにインタビューを行うことが出来ました。12/20には Zepp Diver City で全曲生演奏ライブも控えています。→ http://www.red-hot.ne.jp/live/detail/24182

どうぞ!!

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YOU’LL MELT MORE! “YOU ARE THE WORLD” : 9,1/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INTERVALS : THE SHAPE OF COLOUR”】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Aaron Marshall of INTERVALS !!

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INTERVALS returns to instrumental world with fantstic new album “The Shape of Colour” !!

Modern Prog の旗手、トロントの新鋭 INTERVALS が新作 “The Shape of Colour” をリリースしました!!
INTERVALS はギタリスト Aaron Marshall の DIYプロジェクトとしてスタートし、”The Space Between Us”, “In Time” という2枚のハイクオリティーなインストゥルメンタルEPを Djent / Modern Prog シーンに投下します。変顔とドラムの名手 Anup Sastry を擁し、 PERIPHERY, MONUMENTS, DESTINY POTATO といった豪華な人脈を有していたこともあり、バンドは瞬く間に注目を集め一躍シーンの中心に躍り出たのです。
満を持してフルアルバムの制作を開始した INTERVALS はボーカルの導入を決意。THE HAARP MACHINE で名を馳せた Mike Semesky をバンドに加入させます。完成した”A Voice Within” は INTERVALS の長所を微塵も壊すことなく、キャッチーなボーカルを導入したモンスターアルバムで、弊誌の2014ベストアルバム読者投票でも見事3位を獲得しました。
ところが今年に入って “A Voice Within” のメンバー全員が Aaron を残し脱退してしまいました。メンバー脱退の理由、経緯はインタビューを読んでいただくとして、再びインストゥルメンタルの世界に戻ってきた Aaron Marshall。”The Shape of Colour” は彼の野心と才能が溢れ出るかのような傑作に仕上がりました。
同じインストアルバムとはいえ、一聴して以前リリースした2枚のEPよりも音楽の幅が広がっていることに気づくでしょう。Djent の要素は薄れ、Mathy&Catchy なリフがアルバムを支配しています。比較するなら CHON, POLYPHIA, PLINI といったバンドに近づいたと言えるかも知れませんね。実際にその PLINI がゲスト参加している “Libra” ではギターが歌っているかのようなキャッチーなプレイを聴くことが出来ますし、”Sweet Tooth” などは”ゲスの極み乙女”を想起させるほど。
同時に、セッション参加している PROTEST THE HERO の Cam McLellan, Travis Orbin のリズム隊も見事な演奏でアルバムを彩ります。グルーヴィーでマスマティカルな “Sure Shot” のタイトな演奏にはこのメンバーでライブが見たいと思わせる魅力が存在します。そして、サックスを起用した “Fable” は勿論ですが、アルバムを通して Aaron のジャジーでスムーズなリードプレイはまさに次世代のギターヒーロー。カラフルで聴き所満載な本作は、間違いなく2015重要作品のうちの1つだと思います。
今回弊誌では Aaron にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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INTERVALS “THE SHAPE OF COLOUR” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OUR OCEANS : OUR OCEANS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TYMON KRUIDENIER OF OUR OCEANS !!

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EXIVIOUS, ex-CYNIC, Tymon Kruidenier talks about his new band OUR OCEANS!! Debut album “Our Oceans” has deep, melancholic, nostalgic and dreamy melodies all through the album !!

Jazz, Fusion をメタルと融合させているバンドはいくつかいますが、EXIVIOUS はそのビジョン、テクニックではなく楽曲にフォーカスした方法論がメンバーの CYNIC, TEXTURES といった経歴も相俟って高く評価されているインストゥルメンタルバンドです。
その EXIVIOUS のメンバー3人をフィーチャーした新バンドが今回取り上げる OUR OCEANS です。彼らが新しい名前で挑むのはインストではなく、歌モノのPost-Prog サウンド。CYNIC でグロウルを担当していたとはいえ、ボーカルの Tymon がクリーンボーカルを収録するのはこのアルバムが初。しかし、それを微塵も感じさせないような見事な歌唱がアルバムの核となっています。優雅に、ソフトに、エモーショナルに歌いあげる Tymon のボーカルは確かに彼が敬愛する Jeff Buckley を想起させますね。
また、非常にメランコリックなメロディーラインも素晴らしく、プログレッシブな演奏に極上のメロディーが乗るという点では ANATHEMA や Steven Wilson と比較されるのも頷けます。ただ、OUR OCEANS のより空間を意識したサウンドは SIGUR ROS のような Post-Rock とも通じるものがあり、そのサウンドスケープが彼らの特徴ともなっています。それは実は EXIVIOUS にも感じることですが。
同時に、もう1人の元 CYNIC, Robin のスムースでスイートなフレットレスベースが見事なまでに作品にマッチしており、OUR OCEANS の個性を創造することに強く貢献しています。勿論要所で炸裂するギタリストとしての Tymon のソロワーク、そしてドラマー Jasper のパーカッシブなアプローチも聴き応え充分。歌モノからインスト、プログロックから RADIOHEAD のファンまで幅広くアピールするような作品だと感じました。
今回弊誌では、バンドの要 Tymon Kruidenier に話を聞くことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING IS

OUR OCEANS “OUR OCEANS” : 9,1/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ROYAL HUNT : DEVIL’S DOZEN】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH André Andersen of ROYAL HUNT!!

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ROYAL HUNT set to come back to Japan again on April 2016!! André Andersen talks about Loud Park, Japan, “Devil’s Dozen” and more !!

先日行われた “Loud Park 2015” でも完成されたシアトリカルなパフォーマンスでメタルファンを魅了したデンマークのベテラン ROYAL HUNT。早くも2016年4月の再来日が決定しました!!
90年代の中盤から後半にかけて、ROYAL HUNT はここ日本で非常に人気の高いバンドでした。阪神大震災の折には “Far Away” という楽曲を日本に捧げてくれたこともありましたね。ところが、絶頂期のフロントマン、D.C. Cooper 離脱後も少なくとも音楽的には非常に聴き応えのある高いレベルの作品をリリースし続けていたにも関わらず、バンドは徐々に失速して行きました。D.C. の後任を務めた John West, Mark Boals, 共に実力は折り紙つき。しかしながらバンドはキャッチーさや華を失ってしまっていたように思います。D.C. のシアトリカルでメロディックな歌唱と ROYAL HUNT にはやはりケミストリーがあったのでしょう。
そこにやっと気づいたのかどうなのか、バンドは2011年、D.C. を迎えてツアーを行うことをアナウンスし、名作 “Paradox” の完全再現を含む来日公演を成功させました。以来、D.C. は正式にバンドに復帰、3枚のアルバムをリリースしています。
最新作”Devil’s Dozen” は彼の復帰後最も見事な作品ではないでしょうか?彼が復帰したからと言ってバンドは初期のようなコンパクトで明快な楽曲を制作する訳では勿論ありません。バンドのコンダクター Andre Andersen の成熟した作曲術を味わえる長尺の楽曲群に D.C. の華のあるキャッチーなメロディーを乗せてしっかり今の ROYAL HUNT を主張していますね。”Riches to Rags” ではフォーキーな要素を効果的に導入、新たなファンの開拓にも繋がりそうですし、Jonas Larsen のギタリスト然とした派手なソロワークも非常に魅力的。”May You Never (Walk Alone)” などは90年代の彼らを彷彿とさせる、思わず口ずさみたくなるようなメロディーが白眉です。前作のツアー後に「バンドを終わらせるかも知れない…」と語っていた Andre ですが ROYAL HUNT はどうやら第2の絶頂期を迎えそうな雰囲気ですね。
今回弊誌では、そのMr. ROYAL HUNT, Andre Andersen にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING IS

ROYAL HUNT “DEVIL’S DOZEN” 8,8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PRESS TO MECO : GOOD INTENT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUKE CALEY OF PRESS TO MECO !!

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New Commer from UK! POP PUNK/EMO meets THE DILLINGER ESCAPE PLAN?! PRESS TO MECO has just launched their debut album “Good Intent” !!

UK 出身の新鋭 PRESS TO MECO は実に面白いバンドです。90~00年代に絶頂期を迎えた SUM41, WEEZER などを彷彿とさせるPOP PUNK や EMO 由来のメロディーは徹頭徹尾カラフルでキャッチー。スリーピースにしてトリプルボーカルが紡ぎ出すハーモニーは QUEEN にも例えられるほど。しかしそのインストゥルメンタルパートは時にプログレッシブでカオティック。典型的なポストハードコアやポップパンクとは明らかに距離を置いた強烈なオリジナリティは、彼らのデビュー作 “Good Intent” で十二分に表現されています。
例えば “Diffusion of Responsibility” “Afinity” のイントロには SikTh や THE DILLINGER ESCAPE PLAN といった マスコア由来のインテリジェンスとアグレッションが織り込まれていますし、”Manipulate” のライトハンドを使用したリフなどは実にチャレンジングです。同時に、アルバムのラストを飾る美しく荘厳な “Sacret Grounds” におけるポリフォニックなボーカルにはバンドの可能性を強く感じました。
2年連続 Download Fest に呼ばれたその実力は本物。CHON+1D、SikTh+WEEZER。キュートなルックスで、アンダーグラウンドとメインストリームの邂逅を具現化しようとしている彼らにはぜひ成功して欲しいと思います。今回弊誌ではギター/ボーカルの Luke Caley に話が聞けました。どうぞ!!

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MMM RATING!!

PRESS TO MECO “GOOD INTENT” : 9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WITH THE DEAD】LEE DORRIAN TALKS ABOUT HIS NEW BAND !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LEE DORRIAN OF WITH THE DEAD !!

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Legend is baaaaack!! ex- CATHEDRAL, DOOM master, LEE DORRIAN talks about his new band WITH THE DEAD, CATHEDRAL, and his big love with Japan !!

伝説の帰還です。もはや説明は不要でしょう。世界で最も有名なドゥームバンド CATHEDRAL の顔として、またカルトなバンドを集めたレーベル RISE ABOVE RECORDS の首領として、日本のファンにもお馴染み Lee Dorrian 総帥が遂に新たなバンド WITH THE DEAD を率いてシーンに戻って来ました!!
メンバーは Lee に加えてあの ELECTRIC WIZARD 創立メンバーの Tim と Mark。世界で最も Doomy なスーパーバンドと言えるのではないでしょうか?実際、彼らがリリースしたデビューアルバム “With The Dead” は徹頭徹尾ヘヴィーでスロウ、完璧なドゥームレコードに仕上がっています。
“Forest of Equilibrium” と “Dopethrone”。前述の2バンドが残したドゥーム史に残る傑作のハイブリッドという表現も決して的外れではないと思いました。ただ、Lee のボーカルは当時の荒々しく邪悪な雰囲気ではなく、成熟した近年の路線を引き継いでいるため聴きやすさはかなり増していますね。ただし、プロダクションはかなり生々しくギターもファズを効かせまくっているので、マッシュールーム度は満点です。同時に、Lee の敬愛する PENTAGRAM, TROUBLE, WITCHFINDER GENERAL といったバンドたちのスピリットも強く感じられるドゥーム愛に溢れた作品と言えるでしょう。
最終作 “The Last Spire” は歴史の総まとめ的な意味合いがあったので別としても、後期 CATHEDRAL の作品は総じて非常にプログレッシブでした。しかし”With The Dead” で Lee は、そういった実験性から距離を置きシンプルでストレートなドゥームを再度追求するつもりなのかも知れませんね。シンプルでストレートとはいえ、アルバムはバラエティーに富んでいて、リフやコンポジションもベテランらしく巧みなのでリスナーを飽きさせることはありません。最高の復帰作になったのではないでしょうか。
今回弊誌では Lee 総帥にインタビューを行うことが出来ました。リップサービスではない、彼の正直な日本への愛が強く感じられると思いますよ。どうぞ!!

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MMM RATING

WITH THE DEAD “S.T” : 9,2/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EARTHSIDE : A DREAM IN STATIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BEN SHANBROM OF EARTHSIDE !!

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Incredible New Commer from US!! EARTHSIDE create dramatic “Cinematic Rock” with Orchestra. “A Dream In Static” is one of the important release on 2015 !!

モダンプログシーン、上半期のブライテストホープが NATIVE CONSTRACT だとしたら下半期は間違いなく彼らでしょう。”Cinematic Rock” を指標する期待のUS産4人組 EARTHSIDE がデビュー作 “A Dream In Static” をリリースしました!
実は BUSHWHACK という Post-Djent を掲げていたバンドを母体とするバンド。メンバー全員が音楽の学位を持っているという驚くべき背景を元に、持てる知識と創造性を全て注ぎ込んだ非常に野心的なアルバムです。フックに満ち、カラフルでストーリーを感じさせる作風は、まさに彼らが掲げる”映画”をイメージさせますね。
まず言及すべきはアルバム2曲目の “Mob Mentality” でしょう。なんとモスクワスタジオ交響楽団、つまりオーケストラが楽曲に全面参加しているのです。勿論、オーケストラを起用したロック/メタルバンドはこれまでにも少なくありませんが、メタルの楽曲にチョロっとストリングスを加えたといった程度の生ぬるいものが多かったように思います。彼らのやり方はそれとは根底から異なっており、まずオーケストレーションありきのコンポジションなため、圧倒的な構成力と生き生きとした生楽器の演奏を楽しむことが出来ますね。
EARTHSIDE はこのデビュー作で4人のシンガーを起用しています。”Mob Mentality” では SEVENDUST の Lajon Witherspoon が参加しているのですが、ソウルフルに歌い上げる彼のスタイルが見事にハマッています。他にも TesseracT の Dan Tompkins, SOILWORK の Bjorn Strid, FACE THE KING の Eric Zirlinger といったジャンルもカラーも異なる実力派シンガーたちを適材適所に起用し、様々な”色”を感じさせる作品に仕上げています。
音楽的には、Djent/モダンプログを柱としながらも、アトモスフェリックなポストロックから TOOL 的マス/オルタナティブ、モダンなメロディックデスメタルの要素まで幅広く、彼らのやり方で見事に取り込んで、新しいジャンル “Cinematic Rock” を生み出したとさえ言えるのではないでしょうか?ポストプログ/Djentの雄、 TesseracT を大仰にドラマティックにしたようなサウンドだと感じる人もいるでしょう。KARNIVOOL や TEXTURES のように洗練された繊細なイメージを持つ人もいるでしょう。
ストックホルムまで出向いて Jens Bogren + David Castillo というモダンメタルシーン最高最重要レコーディングチームと制作したことも大吉でしたね。彼らと組むことでさらに最新のメタル/プログを色濃く反映した傑作 “A Dream In Static”。 今回弊誌ではバンドのソングライター/スポークスマンにして驚異的なドラマーでもある Ben Shanbrom に話が聞けました。どうぞ!!

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MMM RATING

EARTHSIDE “A DREAM IN STATIC” : 9,8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE DEAR HUNTER : ACT Ⅳ: REBIRTH IN REPRISE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CASEY CRESCENZO OF THE DEAR HUNTER !!

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Progressive/Post Hardcore act from US, THE DEAR HUNTER has just released amazing Rock Opera “Act Ⅳ: Rebirth in Reprise”! Yes, they returned to “Act” series !!

US産 プログロック/ポストハードコアバンド THE DEAR HUNTER が新作 “Act Ⅳ:Rebirth in Reprise” をリリースしました!!
THE DEAR HUNTER は元々、THE RECEIVING END OF SILENCE に所属していた Casey Crescenzo のソロプロジェクトとして始まりました。彼は THE DEAR HUNTER という自身をモチーフにした主人公が、生まれてから死ぬまでの人生譚を”Act” シリーズとして壮大な6章のレコードとして綴っているのです。COHEED & CAMBRIA は5枚のアルバムでSFを完成させましたが、彼は6枚の予定で今作はその4枚目。
実は “Act” シリーズのリリースは3枚目でしばらく頓挫していました。Ⅲ がリリースされたのは2009年。6年の間に彼は、9色の色に対応する9枚のコンセプトEPシリーズ “Colour Spectrum” や、ソロ名義でシンフォニーアルバム “Armor and Attrition” をリリースしていました。今回、帰って来た “Act” シリーズの新作 “Rebirth in Reprise” はそういった経験が見事に生きた74分のドラマに仕上がっていますね。
非常にシアトリカルで、エモーションとフィロソフィーに満ちたレコードです。完成されたパズルのように、全てが収まるべき場所に収まったロックオペラ。特筆すべきはやはり、Casey のボーカルです。ジャジーにスウィングしたり、美しく歌い上げたり、激しくロックしたり、ダンサブルなグルーヴを表現したり。素晴らしくキャッチーなメロディーたちが彼の声によって命を吹き込まれます。日本のプログロックファンならば、美麗でビッグなコーラスワークと時に70/80’s的なメロディーラインから A.C.T や MOON SAFARI に例える人も多いでしょう。ただ、THE DEAR HUNTER は彼らと異なり、楽曲にオルタナティブやポスト・ハードコアの要素を巧みに取り入れていて、リスナーに新鮮味をも感じさせることに成功しています。MUSE や COLDPLAY のようなメジャー感すら感じさせますね。
今回から、他のメンバーたちも作曲にも関わっているため、ピアノ、オーケストラサウンド、そしてそれに協調する楽器たちのアレンジメントも実に見事で、非常にバンドらしいサウンドに進化している点も記して置くべきでしょう。74分というランニングタイムながら、カラフルで常に耳を惹くアルバムは彼がフェイバリットアルバムで挙げている The BEATLES の “Abbey Road” にも例えることが出来そうな傑作と表現せざるを得ないですね。今回弊誌では、バンドの中心人物 Casey Crescenzo にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

THE DEAR HUNTER “ACT Ⅳ: REBIRTH IN REPRISE” : 9,8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRYPTOPSY : THE BOOK OF SUFFERING-TOME 1】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FLO MOUNIER OF CRYPTOPSY !!

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Legendary Technical Brutal Death Metal from Canada, Cryptopsy has just released Ultra Brutal & Super Technical EP “The Book of Suffering Tome Ⅰ” !!

カナダが生んだ、テクニカルデスメタルのレジェンド/オリジネーター CRYPTOPSY が新作EP “The Book of Suffering-Tome 1” をリリースしました!!
結成は1988年、1994年の1stアルバム “Blasphemy Made Flesh” リリースから数えてももう立派な20年選手です。唯一のオリジナルメンバーで、世界最高のテクニックを誇るとも称される Flo Mounier の人間離れしたドラミングを中心として、超絶技巧とブルータリティーをどちらも損なうことなく楽曲に注ぎ込む驚異的なバンドなのです。
メンバーチェンジが多く、今作でも、セルフタイトルの前作 “Cryptopsy” でバンドに復帰し素晴らしい仕事を見せた初期メンバーでリフマイスター Jon Levassur が1作のみで再度脱退しています。2作前の “The Unspoken King” はクリーンボーカルの導入やメタルコア風リフの多用で批判を浴びた作品で、Jon の復帰がバンドを本来有るべき姿に引き戻し “Cryptopsy” を名作にせしめたと感じているファンは、彼が再度脱退したことで不安を感じていたことでしょう。しかし完全にそれは杞憂でした。”The Book of Suffering-Tome 1″ は前作 “Cryptopsy” の路線を引き継ぎさらに凶悪性を強めたような会心のEPに仕上がっています。
今作は “The Book of Suffering” シリーズの1冊目(Tome)という位置づけで、インタビューで判明しましたがトリロジーで完結する予定とのことです。複雑怪奇でブルータリティー溢れる楽曲は彼らの金字塔 “None So Vile” を彷彿とさせます。同時にこの20年で培ったキャッチーさや音楽の素養を惜しみなく詰め込み、非常に濃密な4曲17分間を提供して来ましたね。特に Flo のドラミングには鬼気迫るものがあり、未だに進化を続けているような印象を持ちました。あれだけのテクニック、手数足数を炸裂させながらヘヴィネスを欠片も失っていない点が真の超人たる所以でしょう。
今回弊誌ではその Flo にインタビューを行うことが出来ました!どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

CRYPTOPSY “THE BOOK OF SUFFERING-TOME 1” : 9,5/10

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