EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALEX KERSKI OF VIANOVA !!
“I mean our goal is to make something that is not fully Metal, so if that’s an issue with someone i guess they can just listen to something else. It’s totally fine to have different preferences.”
DISC REVIEW “HIT IT!”
「僕らはこのアルバムを宣伝するためにソーシャルメディアをたくさん使ってきた。 個人的には、これからのバンドがTiktokやinstagramを使って自分たちを売り込むのをたくさん見てきたし、そんなに新しいことではないんだ。BRING ME THE HORIZON や SUICIDE SILENCE のようなメタルコア・バンドの多くが、昔myspaceでビッグになったことを考えればね。 正直なところ、それらはツールでしかなくて、親和性があるかどうかは、それをどう使いたいかによるような気がする。僕らはある程度力になっていると感じるけどね。自分たちでプロモをやることで、バンド外部の人に頼らなくてすむから。昔、それで嫌な思いをしたからね。僕らは自分たちの音楽が良くて、それをライブで演奏できれば、それでいいんだ」
ソーシャルメディア時代において、簡潔さと大げさな表現は注目を集める上で最も重要な手段です。例えば TikTokで人気を博したいなら、気まぐれなユーザーの集中力の持続時間を捉えるために、アルゴリズムを巧みに操れるかどうかが成功の鍵となります。ヘヴィ・メタルは確実に、リスナーのアテンション・タイムを捉えるだけの表現力がありながら、やっと近年、SNS を自在に操れるようになったようです。
デビューアルバムのリリース時点でSpotifyの月間リスナー数18万6000人を誇る VIANOVA は、アルゴリズムの攻略法を熟知しているバンドと言えるでしょう。ドイツ出身の4人組は、ペレストロイカ時代のソ連のディスコにいるかのような恰好で注目を集め、SNS には彼らのミーム動画が溢れかえっています。しかしもちろん、バイラルを得られるのはその確かな才能があってこそ。
「”Hit It!” の場合、可能なかぎり自然な感じで融合できるように努めたんだ。 もし僕たちの多様性が本物だと思うなら、君や他の人たちは、僕たちが取り入れているジャンルに対する純粋な評価と興奮を感じ取ることができるのかもしれないね。 よく比較されるTWELVE FOOT NINJA のようなバンドも、自分たちが取り入れている非メタル音楽を深く理解し、愛していると思うけど、彼らの曲では時にそうした要素が水と油のように構成全体でより分離しているため、もう少し切り離されているように感じるのかもしれないね」
VIANOVA のデビュー・アルバムとなる “Hit It!” は、ファンク、ヒップホップ、ソウル、ハードコア、ハイパーポップといったあまりにも多様なジャンルを融合させ、Djent なグルーヴがそのサウンドを支えています。熱狂的なエネルギー、ブルーノ・マーズ的ポップなセンス、ポスト・ハードコアのエッジ、そしてジャンルのメルティング・ポットが到達したのは、PERIPHERY や CLOSURE IN MOSCOW が統合失調症に冒されたかのような混沌。しかしその混沌は常に変化し続け、驚くほど精巧に自然に作られていて、それぞれのジャンルがあまりにも真に迫っています。
「僕らは伝統を守ろうとしているわけではないので、ジャンルの門番は気にしていないよ。 僕らのゴールはメタルっぽくないものを作ることなんだから、それが気になる人は他の曲を聴けばいいと思う。 曲の方向性に腹を立てる人がいるのは、僕にとっては奇妙なことなんだ。 今は素晴らしいバンドがたくさんいるから、非建設的なコメントを打つよりも、もっとクラシックなメタルバンドを探した方がきっと時間を有効に使えるような気がするけど、人それぞれなんだろうね」
メタルと非メタル。彼らの核融合が真に迫っているのは、楽曲の中でアイデアから次のアイデアへと飛び移るのではなく、ジャンルの実験を一曲ずつ丁寧に行っていく傾向があるからかもしれませんね。だからこそ、アルゴリズムで捉えたミーム的な奇抜さよりも、熟考された対比が際立っていくのです。こうした瞬間こそが VIANOVA の真骨頂であり、大胆にメタルを壊し、大胆にメタルを再構築していくのでしょう。メタルには TikTok で羽ばたく瞬間的な表現力がありますが、もちろん、インスタントなアテンション・スパンには収まりきらない魅力もあるのですから。
今回弊誌では、ボーカル Alexander Kerski にインタビューを行うことができました。「僕らのベーシスト、Raoul はクラシック・プログの大ファンなんだ。 OPETH, PAIN OF SALVATION, BETWEEN THE BURIED AND ME, PROTEST THE HERO をよく聴いていたよ」 どうぞ!!
“I do hope this album can help people in the way it has helped me, and also that it may inspire and encourage some people reading this, especially those entering their mid to later years to finish that project that they’ve wanted to finish for a while.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOBIAS OLS OF WITHOUT GRIEF !!
“The Gothenburg scene was something we really looked up to and were heavily inspired by. Bands like In Flames, At the Gates, and Dark Tranquillity showed that extreme metal could be both aggressive and melodic without losing its edge.”
DISC REVIEW “DEFLOWER & ABSORBING THE ASHES”
「もしかしたら、今回の再結成は中年の危機のようなものかもしれないね。このままでいいのか…人生に対する虚無感、頭打ち、過去への後悔。過去を振り返り、かつて自分にとって全てだったメタルと再び繋がり、より現実的で誠実な方法であの感覚を味わいたいという思いが、今、芽生えているのかもしれないね」
ミッドライフ・クライシス。中年の危機。第二の思春期。中年にさしかかり、人生の残り時間がなんとなく見えてきて、自分の可能性がみるみる狭まっていくこの時期に、多くの人は心に揺らぎをおぼえ、葛藤や不安を感じるようになります。自分の人生はこのままで良いのだろうか、満たされているのだろうか、何者かになれたのだろうか。
そうして、虚無感や焦り、後悔に孤独を経験しながら、人生の目的を見出し、新たな生き方を見つける人もいるでしょう。そして、思春期に愛していたものや、若い頃やり残していたことに再び戻る人も少なくないはずです。スウェーデンの WITHOUT GRIEF も、かつては自らの “人生” だったヘヴィ・メタルに戻ってきた、再びメタルに人生の目的を見出した中年たち。
「”これで終わりだ” と正式に宣言したことはないんだ。バンドはゆっくりと衰退していった。リハーサルの回数は減り、コミュニケーションも少なくなり、ついには完全に消滅してしまった。メンバーの中には、他のバンドやキャリア、あるいは全く違う人生へと進んでいく人もいたけど、当時はそれが自然なことだったんだ。僕自身、10年以上ギターを弾くのをやめていたしね。数年後、ようやく再びギターを手に取った時、期待やプレッシャーを感じることなく、ただ音楽そのものを楽しむことができる、正しい理由で演奏できることに気づいたんだ。それが僕にとって重要な転機となったね」
メロデスの第二波、いわゆるイエテボリ・スタイルの波に乗って登場した WITHOUT GRIEF は、90年代後半に彗星の如く現れ、サポートもなく、野心と期待に押しつぶされ、ミレニアムを迎える前に歴史を閉じた短命のバンドでした。普通なら、すぐ忘れ去られてしまう数ある流れ星のひとつ。しかし、その強烈な扇情力とアグレッションを併合したメロデスは、わずか2枚のアルバムしか残していないにもかかわらず、彼らを伝説、もしくは幻の存在へと押し上げました。だからこそ、多くの待ち人が月の満ち欠けのごとく静かに、しかし輝きを灯したまま、WITHOUT GRIEF の復活をずっと願っていたのです。
「当時は IN FLAMES をよく聴いていて、”Whoracle” は “Deflower” の約1ヶ月後にリリースされたんだ。アルバム発売前にデモ曲を1曲聴いた時点で、何か特別なものが来ると確信していたよ。彼らの初期の作品は当時僕のお気に入りだったけど、”Whoracle” はまさにその伝統にふさわしい作品だった。メロディック・デスメタル全体にとって、とても刺激的な時代だったよね。多くのバンドが、それぞれ独自の方法で同時にジャンルを前進させていたんだ」
特に彼らのデビュー作 “Deflower” には、このジャンルを大人気に押し上げたあらゆる要素が詰め込まれていました。ツインギターによる繊細なリードとメロディ、クラシック・メタルの影響、正確で神速のドラミング、知的なテンポの変化、そして叫びと唸りを交互に織り交ぜた迫力のボーカル。また、スウェーデンのフォークロアの影響も非常に興味深く、初期の IN FLAMES 作品と同様に、ほぼすべての曲に魅力的に取り入れられています。実際、”Subterranean” や “The Jester Race” に比肩し、同じ年にリリースされた “Whoracle” を凌ぐと評する人も少なくなかったほど。
彼らに足りなかったのはただ、レーベルのサポートとほんの少しの運だけだったのかもしれませんね。それでも、四半世紀の後、彼らは戻ってきました。失ったものを、人生を、ヘヴィ・メタルを取り戻すために。プレッシャーからも、期待からも、自らの野心からも解き放たれ、中年となった今こそ、彼らには自由な創造の翼が宿ります。
今回弊誌では、ギタリスト Tobias Ols にインタビューを行うことができました。「ヘヴィ・メタルは国境やイデオロギーを超越し、同じ言葉を話さなくても、世界の反対側にいる人と瞬間や感情を共有することができる。人々を分断し続けるこの世界において、こうした繋がりはこれまで以上に重要なんだ。メタルは世界を変えることはできないけど、人々が目を覚まし、人間らしく意識を保つ助けとなる。時に、憎しみや単純化を静かに拒絶すること自体が、抵抗の形となるんだよ!」 どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JACOB HAYES OF MARUJA !!
“It’s very clear which artists have a lasting impression on us – it’s those that have stood the test of time and had a clear important message. Some of the most important figures in musical history are: Nina Simone, Marvin Gaye, The Beatles, Stevie Wonder, Michael Jackson, etc; all of which were unafraid to highlight how fractured our society has become and to help bring about change. Rage are right up there in this list, with their message ringing truer than ever.”
DISC REVIEW “PAIN TO POWER”
「音楽史における最も重要な人物には、ニーナ・シモン、マーヴィン・ゲイ、ビートルズ、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンといった人たちがいる。彼らは皆、僕たちの社会がいかに分断しているかを恐れることなく浮き彫りにし、世界に変化をもたらすために尽力してくれた。RAGE AGAINST THE MACHINE もそのリストの上位に位置し、彼らのメッセージは今、これまで以上に真実味を帯びてきているんだ」
混迷を極めた世界。インターネットやSNSのとめどない発展は、幼稚で粗暴な欲まみれの行為、言論、デマを感染させ、正当化するためだけに利用されています。分断は加速し、もはや差別や抑圧、嘘の悪でさえ、多くの人と共感することが難しくなってしまいました。世の中がこうした暗い状態にある今、MARUJA の “Pain to Power” は、それでも愛、優しさ、正直さに宿る力こそが真に勝利することを強く信じさせてくれるアルバムです。かつての RAGE AGAINST THE MACHINE のように。
「ヒップホップの真髄は、その姿勢、反抗心、そして意義にある。Run-DMC、PUBLIC ENEMY、N.W.A、BEASTIE BOYS といった初期のアーティストの多くは、荒々しくノイジーなビートと力強い歌詞で、このパンク的な姿勢を体現していたんだ。ケンドリックはロックビートを使ったことはないけれど、彼の姿勢がパンクとロックの同じ起源、つまり反体制主義に根ざしていて、それがジャンル間の類似性を感じさせる根源となっているんだよ」
ポスト・パンクとヒップホップ、ノイズ、そしてフリージャズの鮮烈なる三位一体。そう称される MARUJA の音楽は実際、RAGE AGAINST THE MACHINE があの “Evil Empire” で叩きつけた衝撃と同様のインパクトを与えてきます。
時に唸りあげ、時に歌い紡ぐ、コルトレーンの遺志宿るサックスの嘶きはもちろん、MARUJA 独特のエネルギーを生み出す推進力。それは、束の間のジャジーなブレイクや、お決まりの “セクシーなソロ” として、単なるアクセサリーとして使われているのではありません。MARUJA はアルト・サックスとバリトン・サックスをシームレスに音楽の一部とすることで、ギターや他の楽器では真似できない、嘆き、悲しみ、怒りの感情を交互にもたらし、アルバムにもうひとつの声を付与しているのです。
「ロックが主流から外れていく中で、いつかはまたロックへの関心が高まってくると確信していたけど、”To Be Kind” のリリースによって、アルゴリズムの挙動を気にしたり、アルゴリズムを喜ばせることを気にしたりすることなく、音楽をうまく機能させることだけに集中することができたんだ。SWANS は、アーティストが与え得る最も刺激的なサウンドを作り上げることに専念しているバンドの代表例だよ」
そうした MARUJA の反発力、権力や抑圧に対する怒りや嘆きは “Bloodsport” のような短い楽曲で存分に感じられる一方で、彼らの神秘性が真に輝き、音楽の真髄に触れられるのは、”Look Down on US” のような長尺の楽曲なのかもしれませんね。ラップにも似た示唆に富む歌詞は深く心に刻まれ、深遠なメッセージは疾走するサックス、哀愁を帯びたストリングス、そして熱狂的なパーカッションの中で、見事に緊張感を高め、ついには爆発的な解放へと導かれます。
もちろん、我々はそこに BC,NR から連なるロンドンのシーンを想像しますが、それ以上にこれこそが、SWANS がかつて示した “正真正銘” の音楽でしょう。全身全霊で演奏を繰り広げる MARUJA の頭に “バイラル”、”アルゴリズム”、 “AI” といった欲に塗れた言葉は存在しません。ガラクタで飽和状態にあるストリーミングの暗い海においても、真の音楽は灯台の光のように光り輝き、我々が見失うことは決してありません。
今回弊誌では、ドラマー Jacob Hayes にインタビューを行うことができました。「僕たちは昔の英雄たちと同じように、僕たちが生きている時代を反映することがアーティストの仕事だと信じている。戦争の時代には、ニュースの正直さと真実を信頼することはできないよ。英国は長い間米国の影の下で暮らし、そのプロパガンダに固執している。今後の将来は非常に不確実だけど、疑いなく困難で、僕たちはそうした誤った行為を強調すると同時に、希望も提供したいと考えているんだ」 どうぞ!!