NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LANA LANE : NEPTUNE BLUE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LANA LANE !!

“I Definitely Feel Symphonic Rock Was, And Is, An Important Genre For Women In Music. It Opened Many Doors For Me And Other Female Singers, And I Think It Continues To Do So Today.”

DISC REVIEW “NEPTUNE BLUE”

「90年代、Erik と私は、LANA LANE, ERIK NORLANDER, ROCKET SCIENTISTS で、年に2、3枚、時には4枚ものアルバムを発表していたわ。だけどね、私たちは短期間に多くの作品をリリースすることは、その創造というプロセスから喜びを奪ってしまうと感じていたのよ…」
“LANA LANE はフェイド・アウトした”。そう感じていたファンは実際、多いのではないでしょうか? 威風堂々たる “Love Is An Illusion” で日本を席巻し、”Garden of the Moon” でシンフォニック・ハードの女王、その座を揺るがぬものとして世界へと飛び立ったあの圧倒的な快進撃を目撃していたとすればならなおさらのこと。魔法、輝き、神秘性…言葉ではうまく言い表せない何かが失われてしまった…残念ながらそんな感覚がいつからか、少なくとも私にはありました。大名盤 “Queen of the Ocean” のしばらく後…くらいからでしょうか。
しかし、そう感じていたのは実は張本人である Lana Lane も同じ。原因は多忙と多作。アーティストは決して打ち出の小槌ではありません。強欲に任せて無い袖を振らせるなどはもってのほか。結局、彼女は疲労困憊で10年もの長い間、音楽世界をほぼ離れてしまうことになります。
「私にとって歌うことは、何年経っても本当に自分の一部だから、10年という時間をおいてもっと自分の声や歌に馴染めたのかもしれないわね。私たちは永遠に変化し続ける存在よ。願わくばより良い方向へと向かっていければいいわね」
ただし、その長い休養期間も決して悪いものではなかった。復活作 “Neptune Blue” を聴けば待ちわびた “最初からの” ファンもそう思うのではないでしょうか。
“覚えてる?帰ってきたわ。これが私よ!” と訴えかけるオープナー “Remember Me” はまさに圧巻。みなぎる声の張り、繊細と大胆を自在に使い分ける感情のパラメーター、そして何より初期のフックや勢い、旋律の魔法が時を超えてこの海神の青には再び宿っています。それはきっと、”詠時感 時へのロマン” と言い換えてもいいのかもしれません。
「Erik と私は、このアルバムをオーガニックなものにしたかったの。つまり、それぞれの曲をそれぞれの声で表現したかった。だから、今回はある曲がより “ブルージー” になったとしたら、それを私たちが分類されているような他のジャンルの音楽に無理に合わせようとするのとは対照的に、しっかりとその方向で発展させることができたのよね」
無理にシンフォニックである必要はない。無理にプログレッシブである必要はない。無理にハードである必要はない。10年の休養は、Lana の心から様々な “穢れ” を洗い流しました。原点回帰とは言わないまでも、完全に “無邪気な” 創造性によって育まれた “Love is an Illusion” の “青” がたしかにこのアルバムには流れています。プログはプログに、ハードロックはハードロックに、フォークはフォークに、ブルースはブルースに、そしてシンフォはシンフォに。楽曲の長所を伸ばす有機的な栽培方法は、無農薬の創作物をスクスクと育てるにうってつけのやり方でした。ただし、貫かれた部分も存在します。それは、”ポップ・センス” という ASIA からの贈り物。
長年、ASIA でフロントマンを務めた John Payne のゲスト参加。実はそれがこの素晴らしき復活作の一つの鍵となっています。彼が Erik Norlander と立ち上げた DUKES OF THE ORIENT はまさにトリガーでした。例えば “Remember Me” の勇壮なミドルパートやアコースティックのアウトロ、”Under The Big Sky” の華やいだイントロダクション、”Far From Home” のダウンズ・イズムなど、ASIA 独特のコードと鍵盤の関係性が再現された楽曲は数知れず。そして何より、特に”Secrets of Astrology” 以降平坦にも感じられた旋律の数々が、ASIA イズムの導入によって再びダンスを踊り始め、輝き始めたのです。
かつて “I Belive In You” の楽曲提供を受け、ともにプロジェクトを始動させる可能性もあった John Wetton の5周忌にリリースされた偶然も、この作品の信ぴょう性を高めました。
もちろん、欲を言えばキリがありません。例えば、私たちは Jeff Kollman がこんなものではないことを存分に知っています。楽曲にあわせたといえばそれまでなのでしょうが、荘厳なクローサー “Neptune Blue” に垣間見えるギターの狂気をもっともっと聴きたかった。”EDWIN DEAR の “Can’t Break Me” を思い出して欲しい!” とか、”Don Schiff もっともっとスティック唸らせていいでしょ。LANA LANE といえばベースでしょ。”Symphony of Angels” のイントロのあの “ドゥーン” が人生変えたんだよ!” とか、”ドラムの音!” とか。しかし、そんな話は結局些細なこと。この物語の主人公は、Lana と Erik の二人なのですから。彼女と彼の “ハネムーン” という蜜月はまだまだ続いていきます。
今回弊誌では、Lana Lane にインタビューを行うことができました。「シンフォニックでハードな音楽は、昔も今も、ロックに携わる女性にとって重要なジャンルであることは間違いないと思っているわ。私や他の女性シンガーに多くの扉を開いてくれたし、現在も扉を開き続けているから」 どうぞ!!

LANA LANE “NEPTUNE BLUE” : 10/10

INTERVIEW WITH LANA LANE

Q1: First of all, I’m so glad you’re back after a decade away! Especially, Japanese fans have been supporting you from the beginning and have been waiting for you during your hiatus. Could you please tell us the reason for your long hiatus and why you decided to come back now?

【LANA】: Back in the ’90s, Erik and I were releasing 2, 3 and sometimes 4 albums a year between Lana Lane, Erik Norlander and Rocket Scientists. We felt that releasing so much material in such a short amount of time really took the joy out of the process. It takes a lot of work to record an album from the writing process through the recording process so we were under a lot of pressure. I decided that I wanted to take some time for myself and enjoy the life Erik and I had created, and spend time with my mother who is getting older.

Q1: あなたが10年ぶりに帰ってきて、本当にうれしいですよ!特に、日本のファンは最初からあなたをサポートし続け、そして待ち続けていましたからね。

【LANA】: 90年代、Erik と私は、LANA LANE, ERIK NORLANDER, ROCKET SCIENTISTS で、年に2、3枚、時には4枚ものアルバムを発表していたわ。だけどね、私たちは短期間に多くの作品をリリースすることは、その創造というプロセスから喜びを奪ってしまうと感じていたのよ。それにアルバムを作るために、作曲からレコーディングまでかなりの労力がかかるから、かなりのプレッシャーがあったのも事実よ。
長い休みをとった理由は、自分のために時間を取り、Erik と私が作り上げた人生を楽しみ、年を取っていく母と一緒に過ごしたいと思ったからなのよね。

Q2: By the way, your singing voice is getting more and more wonderful, not less! Not only is it beautiful, but it also has a remarkable Aretha Franklin-like power. It seems that you are still exploring new possibilities, would you agree?

【LANA】: Thank you so much, that is a wonderful compliment! I think that anything you do for a long period of time becomes a part of you. I’m probably just more comfortable with my voice and my singing because it’s truly a part of me after all these years. We are forever changing and hopefully for the better.

Q2: それにしても、あなたの歌声は衰えるどころか、素晴らしさを増していますね!美しいだけではなく、アレサ・フランクリンのような力強さも感じますよ。まだまだ進化を続けていますね?

【LANA】: どうもありがとう、素晴らしい賛辞ね!長く続けていると、どんなことでも自分の一部になっていくものだと思うのよ。私にとって歌うことは、何年経っても本当に自分の一部だから、10年という時間をおいてもっと自分の声や歌に馴染めたのかもしれないわね。
私たちは永遠に変化し続ける存在よ。願わくばより良い方向へと向かっていければいいわね。

Q3: The album begins with the song “Remember Me,” which is really “Remember Me? This is me!” like Lana Lane’s masterpiece in its own right! Why did you choose the title “Neptune Blue” for this album? Is there a particular message you wanted to convey in the lyrics?

【LANA】: That is a great interpretation! Neptune Blue was the first song that I wrote for the album, so it felt natural for it to become the title track. It’s a love song that I wrote about my life with Erik.

Q3: “Remember Me” で幕を開けるアルバムは、まさに “覚えてる?帰ってきたわ。これが私よ!” と訴えかけるような強力な作品ですね!”Neptune Blue” というタイトルの由来を知りたいのですが?

【LANA】: それは素敵な解釈ね! “Neptune Blue” はアルバムのために最初に書いた曲だから、タイトル曲になるのは自然な流れだったのよ。Erik と歩んできた人生について私が書いたラブソングなの。

Q4: I love the artwork on your albums, it’s always so beautiful and has that enigmatic feel to it that is so traditional to prog. There are glimpses of familiar sights, but could you tell us about the mystery behind the artwork of “Neptune Blue”?

【LANA】: Jacek Yerka is the artist behind most of the artwork we use on Lana Lane CDs. It fits perfectly with the music. In the Neptune Blue artwork, you will find items from previous Lana Lane covers like the clock from Lady Maceth, the bed from Queen of the Ocean and the thatched roof from Curious Goods.

Q4: LANA LANE のアートワークにはいつも魅了されます。美しく、そしてプログレッシブの伝統的な “謎” をはらんでいますからね。今回のアートワークには見慣れた光景も垣間見えますが、どんな “謎” が潜んでいますか?

【LANA】: Jacek Yerka は、LANA LANE のCDで使っているアートワークのほとんどを手がけているアーティストよ。本当に私の音楽との相性が抜群よね。
“Neptune Blue” のアートワークには、”Lady Maceth” の時計、”Queen of the Ocean” のベッド、”Curious Goods” の茅葺き屋根など、これまでのLana Laneのジャケットに登場したアイテムが使われているのよ!

Q5: Lana Lane is a band that features not only Erik, but also Tony Franklin, Arjen, Guthrie Govan, and many other great musicians. Once again, you have gathered a great group of musicians. How did you choose them?

【LANA】: We try to choose people who believe in our music projects and will bring their best to those projects. I feel very lucky that many of the musicians we have used in the past have become a part of our musical family like Mark McCrite, Don Schiff and Greg Ellis. Because we known them for so long, our working relationship is seamless. We love and respect them and we know that they love and respect us.

Q5: LANA LANE は Erik だけでなく、Tony Franklin, Arjen Lucassen, Guthrie Govan など偉大なアーティストを多数フィーチャーしてきましたね。今回もそうそうたるメンバーが揃いました。

【LANA】: そうね。LANA LANE では、私たちの音楽プロジェクトを信じ、プロジェクトにベストを尽くしてくれる人たちを選ぶようにしているのよ。
Mark McCrite, Don Schiff, Greg Ellis など、過去に起用した多くのミュージシャンが私たちの音楽ファミリーの一員になってくれたことは、とても幸運なことだと思っているわ。彼らとは長い付き合いだから、仕事上の関係もシームレスなのよ。私たちは彼らを愛し、尊敬しているし、彼らも私たちを愛し、尊敬してくれていることが伝わるわよね。

Q6: I’ve always had the impression that Lana Lane’s albums were either hard and metallic or folky and symphonic, but this one has a great balance of prog, blues, pop rock, folk, metal and symphonic, doesn’t it? Do you talk in depth about that direction before making an album with Erik?

【LANA】: Erik and I really wanted to make this album organic in that we wanted each song to be presented in it’s own voice. So if a song came out more “bluesy”, that is how it would be developed as opposed to trying to make it fit into another music genre. We wanted a warm, analog feel to the record with hints of past Lana Lane albums, but not the same as past Lana Lane album. I think we’ve achieved that.

Q6: LANA LANE のアルバムは、メタリックでハードなものと、フォーキーでシンフォニックなもののどちらかに偏りがちだったようにも思うのですが、今回はプログ、ブルース、ポップ、グルーヴ、フォーク、シンフォニック、そしてメタルのバランスが素晴らしく取れていますよね?
そういった作品の方向性ついては、事前に Erik とよく話し合うのでしょうか?

【LANA】: Erik と私は、このアルバムをオーガニックなものにしたかったの。つまり、それぞれの曲をそれぞれの声で表現したかった。だから、今回はある曲がより “ブルージー” になったとしたら、それを私たちが分類されているような他のジャンルの音楽に無理に合わせようとするのとは対照的に、しっかりとその方向で発展させることができたのよね。
過去の LANA LANE のアルバムを思わせるような、暖かみのあるアナログ感を出したかったんだけど、過去の LANA LANE とは違ったやり方でね。それは達成できたと思うわ。

Q7: You were one of the first people to start symphonic and hard music, and your later works Nightwish and Within Temptation were very successful in the world of metal. Symphonic metal has actually become one of the essential genres in today’s metal world, how do you feel about such a movement?

【LANA】: I definitely feel it was, and is, an important genre for women in music. It opened many doors for me and other female singers, and I think it continues to do so today.

Q7: あなたはシンフォニックでハードな音楽をやり始めたパイオニアの一人です。後に、NIGHTWISH や WITHIN TEMPTATION といったバンドが成功を収め、シンフォニック・メタルはメタルにとって欠かせないジャンルとなりました。
そういった動きを、あなたはどう見ていましたか?

【LANA】: そうね。シンフォニックでハードな音楽は、昔も今も、ロックに携わる女性にとって重要なジャンルであることは間違いないと思っているわ。私や他の女性シンガーに多くの扉を開いてくれたし、現在も扉を開き続けているから。

Q8: Compared to when you made your debut, there has been a noticeable increase in the number of women in the world of metal and hard rock. I think there are still very few of them. What advice would you give to female artists who are about to embark on this journey?

【LANA】: It is true that there are fewer female artists in the metal and hard rock world, but I think it is changing. Frontiers, our label in Europe, has signed many strong female artists which is promising for the future.

Q8: 昔と比べればメタル世界の女性は増えてきましたが、まだまだ少ないですよね?

【LANA】: メタルやハードロックの世界では、女性アーティストは今も少ない。それは事実だけど、変わりつつあると思っているわ。ヨーロッパのレーベルFrontiers Music は、将来が約束された多くの強力な女性アーティストと契約しているしね。

Q9: This new album has more than a hint of a return to the early days, I feel. Apart from this new album, which is your favorite Lana Lane album?

【LANA】: It is hard to choose a favorite because they all mean something to me in different ways. Each one represents where I was musically at the time the album was made. Having said that, I would say that Love Is An Illusion is probably a favorite of mine. We were just starting out and had no idea where the music business would take us. We were finding out who we were as musicians and I love the creative innocence the record has.

Q9: 私がこのアルバムをとても気に入っているのは、本当に最初のころの、無邪気な LANA LANE の雰囲気が感じられるからなんです。あなたにとって、最もお気に入りの LANA LANE のアルバムはどれですか?

【LANA】: どれも違った意味で私にとって意味があるから、お気に入りを選ぶのは難しいわね。どの作品も、そのアルバムが作られた当時の私の音楽的な位置を表しているから。
とはいえ、”Love Is An Illusion” はおそらく私の最大のお気に入りでしょうね。私たちはまだ駆け出しで、音楽というビジネスが私たちをどこに連れて行くのか見当もつかなかった。このアルバムの持つ創造的な無邪気さが私は好きなのよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LANA’S LIFE

HEART “DREAMBOAT ANNIE”

FRANK SINATRA “LIVE AT SANDS”

ELO “TIME”

THE BEATLES “LET IT BE”

PINK FLOYD “DARK SIDE OF THE MOON”

MESSAGE FOR JAPAN

How I’ve missed you my sweet loyal fans! Sending love and music to you, the true “first” fans of Lana Lane…until we meet again❤️

本当に、大事なファンのみんなに会えなくて寂しいわ!また会える日まで、愛とこの音楽をみんなに贈るわ。LANA LANE 真の “最初の” ファンのみんなへ…❤️

LANA LANE

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