NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OBSIDIOUS : ICONIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LINUS KLAUSENITZER OF OBSIDIOUS !!

“The Wars And Violence In The World Can Only Make You Feel Depressed. I Try To Still Have a Normal Life By Focusing On The Beautiful Things In Life Without Ignoring What Is Happening In The World.”

DISC REVIEW “ICONIC”

「OBSCURA の Steffen と違って、Javi はギターと歌を同時に演奏する必要がない。だから、もう複雑さにも限界はないんだよ。アルバムのプロダクションはとてもモダンで、音楽の中の情報がよりクリアに伝わってくる。それに、僕たちはパワー・メタルの要素を取り入れているのも特徴だ。テクデスとパワー・メタルのミックスはあまり見かけないものだし、プレイしていて楽しかったね」
Linus Klausenitzer, Rafael Trujillo, Sebastian Lanser, Javi Perera。OBSCURA, ALKAROID, ETERNITY’S END, JUGGERNAUT といったプログレッシブ/テック・メタルの綺羅星から集結した4人。これまでも、複雑かつテクニカルなメタルの迷宮で存分に好き者たちを魅了してきた英傑たちは、それでも飽き足らずに複雑の限界を越えようとしています。ただし、黒曜石でできた新たな惑星 OBSIDIOUS はこれまでの星々とは全く別の美しさを誇ります。”Iconic” と名付けられた集合体の象徴は、ウルトラ・テクニカルでありながら敷居の高い堅苦しさとは無縁。このアルバムは、炎のようなインテンスを保ちながら、耳を捉えて離さないメロディーの洪水に満たされています。さながら、溶岩と濁流がクラッシュして黒曜石が生まれる奇跡の瞬間のように、OBSIDIOUS はパワー・メタルとデスメタルをテクニカルな化学反応で一つにしていくのです。
「僕たちはあの頃のバンドの雰囲気に不満で、もう将来の進展、未来の展望が見えなかったんだ。残念ながら、Steffen は僕たちの脱退にとても腹を立てている。もう連絡は取っていないよ。でも、OBSCURA に対して悪い感情は持っていないし、彼らの成功を願っているんだ」
4人中3人がかつてテック・メタルの巨星 OBSCURA の住人で、なおかつ “OBS” で始まるバンドを結成。これで OBSCURA を意識しないリスナーはいないでしょう。しかし、本人たちはどこ吹く風。巨星の絶対的独裁者 Steffen Kummerer から解き放たれ自由を手にした3人は、新たな挑戦にその身を躍らせます。パワー・メタルの咀嚼ももちろん、その一つ。加えて、Rafael Trujillo と Linus のタッグが永続的に復活したことで、多弦ギターとフレットレス・ベースによる異次元のフレットレス・マッドネスが繰り広げられることにも繋がりました。”フレットレス楽器は人間の歌声に近い” と Linus が語る通り、そうして OBSIDIOUS の音楽はより有機的な人間味を帯びることとなったのです。
「結局、世界の戦争や暴力は、自分を憂鬱にさせるだけ。僕は、世界で起こっていることを無視することなく、人生の美しいものに焦点を当てることで、まだ普通の生活を送れるよう努力しているんだよ」
人間味を帯びたのは、何も音楽だけにとどまりません。宇宙をテーマとしていた巨星を脱出した3人とボーカルの Javi Perera は、ロックダウンによるインスピレーションの “無” や、戦争の暴力を目の当たりにして地面に降り立とうと決意します。日常からあまりにもかけ離れた壮大な宇宙の話から、より人間らしいテーマを扱おうと。性的に加虐嗜好が行きすぎた人の話から、認知症とその周りの苦悩まで、誰にでも起こり得るテーマに焦点を当てながら、OBSIDIOUS は人の営みに黒曜石の輝きを探していきます。その探索に、Javi の看護師としての “体験” が生きていることは言うまでもないでしょう。
それにしても、モダンなテクデスからブラッケンドな息吹、スピード違反のアルペジオ、GOJIRA 風のチャグチャグ、ドラマチックなリード・メロディにジェットコースターのソロワークまで、互いの通れない音の隙間をぬいながら、ジャンルの障壁をいとも簡単にぶち破る弦楽隊の多様な才能には恐れ入ります。特に Linus にとって、その音楽的な寛容さは、OBSCURA はもちろん、様々なセッション・ワーク、パワー・メタルの ETERNITY’S END, そしてより伝統的なプログを摂取した ALKAROID で養われたものに違いありません。
そして、見事なオーケストレーションに、硬軟、単複、自由自在なカメレオンのボーカル。知的でエンターテイメント性の高いヘヴィ・メタルと言うことは簡単ですが、その両極端を勇気を持って結びつけるバンドは決して多くはないのですから。例えば、メタル版オペラ座の怪人とか、ブロードウェイのテクニカル・デスメタル。そんな表現を使いたくなるほど、OBSIDIOUS の挑戦は際立っているのです。
今回弊誌では、Linus Klausenitzer にインタビューを行うことができました。「Warrel Dane のファースト・ソロアルバム “Praises to the War Machine” を再び見つけたんだ。このアルバムには素晴らしい曲がたくさんあって、彼のボーカルはとても個性的に聞こえるね」 4度目の登場。どうぞ!!

OBSIDIOUS “ICONIC” : 10/10

INTERVIEW WITH LINUS KLAUSENITZER

Q1: I know this question has been asked tens of thousands of times before, but let me start with this: what happened to OBSCURA?

【LINUS】: Haha, first of all let me thank you for this interview. It’s hard to describe in a few sentences why we left Obscura but I will try. We were unhappy with the atmosphere in the band and didn’t see any progress for the future anymore. It takes a lot of energy and time playing in a band. Even Obsidious is a very new band and it takes time to build up a brand, we feel more fulfilled. We have the same musical language and have a productive way of working together on our goals.

Q1: 何万回も聞かれた質問だとは思いますが、まずはこの話から始めさせてください。OBSCURA に何が起きたのですか?

【LINUS】: ハハ、まずは、またインタビューをありがとう!僕たちが OBSCURA を脱退した理由を数センテンスで説明するのは難しいけど、やってみるね。
僕たちはあの頃のバンドの雰囲気に不満で、もう将来の進展、未来の展望が見えなかったんだ。バンドで演奏するには多くのエネルギーと時間が必要だ。OBSIDIOUS は新しいバンドで、たしかにブランドを確立するには時間がかかる。だけど、僕たちは今がより充実していると感じているんだよ。みんなが同じ音楽言語を持っていて、目標に向かって一緒に働く生産的な仲間だからね。

Q2: You have been with OBSCURA for about 10 years and many felt that you were the backbone of the band, so your departure was very unfortunate. Of course, you are also a colleague of Christian’s at ETERNITY’S END, but how do you feel about OBSCURA and Steffen now?

【LINUS】: It surely wasn’t an easy decision to leave the band. After more than 2 years after the split I feel completely happy about my decision though. It allowed me to develop as a musician and as a composer. In Obsidious I play with some of the best musicians I know, and I deeply believe that we created something unique with our debut album. Also my session jobs are better than before and I play on the biggest stages of my career.
Christian is a good friend of mine and we still make plenty of music together. In the next couple of weeks the new Alkaloid album will be finished, that we have recorded together. Unfortunately Steffen is very resentful about the split. We don’t have any contact anymore. I don’t have bad feelings about Obscura though and wish them all the best.

Q2: あなたは OBSCURA に10年近く在籍し、まさにバンドの屋台骨となっていただけに、今回の脱退を残念に思う人は多いでしょうね。
今も Christian とは ETERNITY’S END で一緒ですが、新しい OBSCURA に対しては、どう思っていますか?

【LINUS】: バンドを脱退するのは確かに簡単な決断ではあなかったよ。だけど、別離から2年以上経った今、自分の決断に完全に満足していると感じているんだ。あのバンドを離れたおかげで、ミュージシャンとして、作曲家として成長することができたからね。
OBSIDIOUS では、僕の知る限り最高のミュージシャンたちと演奏しているし、デビュー・アルバムでユニークなものを作り上げることができたと深く信じている。それに、セッションの仕事も以前よりうまくいっていて、自分のキャリアの中で最も大きなステージで演奏していると感じているよ。
Christian は僕の親友で、今でも一緒にたくさんの音楽を作っているんだ。数週間後には一緒にレコーディングした ALKALOID の新しいアルバムが完成する予定さ。残念ながら、Steffen は僕たちの脱退にとても腹を立てている。もう連絡は取っていないよ。でも、OBSCURA に対して悪い感情は持っていないし、彼らの成功を願っているんだ。

Q3: After you left OBSCURA, you formed OBSIDIOUS with Rafael and Sebastian. I think many people were confused because three of the members are ex-OBSCURA and the band name is similar. Was that intentional?

【LINUS】: Not really. We had a list of over 100 band names and made a vote. The name ‘Obsidious’ won the vote. We were aware that the first 3 characters in the band name are the same, but we didn’t choose it because of that.
We liked the image of the Obsidian in our heads. It’s a vulcanic stone created when lava is hit by water. This extreme reaction refects the intensity of music very well in my opinion.

Q3: 多くのファンは、OBSCURA を脱退した3人が結成した OBSIDIOUS というバンドの名前に混乱したと思います。意図的に似た名前にしたんですか?

【LINUS】: そういうわけでもないよ。100以上のバンド名のリストがあって、全員で投票をしたんだ。で、OBSIDIOUS という名前が票を集めたんだ。だから、バンド名の最初の3文字が同じであることは意識していたけど、それで選んだわけではないんだよ。
僕たちは頭の中にあるオブシディアン (黒曜石) のイメージが好きだったんだ。溶岩に水が当たった時にできる火山石。そのエクストリームな反応は、僕たちの音楽のインテンシティをとてもよく反映していると思うからね 。

Q4: Personally, I feel that compared to OBSCURA, OBSIDIOUS music has more catchy, ear-catching melodies and appeals to a wider audience. Really Great album! What are your thoughts on the differences between OBSCURA and OBSIDIOUS?

【LINUS】: That’s great to hear! Thank you! The biggest difference is the different singing style for sure. We were very lucky to find our singer Javi. He is a master with clean vocals, growls and everything in between. Since he doesn’t need to play guitar and sing at the same time, we didn’t have any limits with complexity anymore as well. The album production is very modern and the information in the music is transported clearer. Also the power metal elements are something we featured. This mix you can’t find often and it was fun to play with.

Q4: 個人的に、OBSCURA と比べて OBSIDIOUS の音楽は、よりキャッチーで、耳を捉えるメロディが多く、幅広い層にアピールしそうだと感じましたよ。素晴らしいアルバムですね!
あなたは、2つのバンドの違いをどう捉えていますか?

【LINUS】: それはうれしいね! ありがとう!一番大きな違いは、確かに歌のスタイルだよね。シンガーの Javi に出会えたことはとても幸運だったよ。彼はクリーン・ボーカル、グロウル、そしてその中間のすべてをこなす達人だからね。
OBSCURA の Steffen と違って、彼はギターと歌を同時に演奏する必要がない。だから、もう複雑さにも限界はないんだよ。アルバムのプロダクションはとてもモダンで、音楽の中の情報がよりクリアに伝わってくる。それに、僕たちはパワー・メタルの要素を取り入れているのも特徴だ。テクデスとパワー・メタルのミックスはあまり見かけないものだし、プレイしていて楽しかったね。

Q5: What do you see as the advantages of fretless instruments in heavy metal?

【LINUS】: A fretless instrument allows to play with more phrasing. It’s a better way to transport emotions because it’s closer to a human’s singing voice.

Q5: 複雑さに限界はないと仰いましたが、多弦の魔術師 Rafael とあなたのフレットレスで、弦楽器の凄まじい饗宴が楽しめるのも OBSIDIOUS の強みですよね?

【LINUS】: フレットレスの楽器は、もっと幅広くて豊かなフレージングを可能にするんだ。人間の歌声に近いから、感情を伝えるのに適しているんだよ。

Q6: Unlike OBSCURA, “Iconic” deals with a lot of very human subjects, from BDSM to dementia, right? Does the fact that Perera is a medical professional help you to delve deeper into the subject matter?

【LINUS】: Wow, it’s great that you recognized this. Javi had a stressful time working as a nurse in the corona unit at his hospital. This happened exactly at the same when he joined the band. I am sure it had an influence on the lyrics that he wrote.

Q6: OBSCURA とは違って、OBSIDIOUS は、BDSM から認知症まで、もっと人間的な題材を扱っていますよね?
Javi が医療関係者であることも、この題材を掘り下げる理由なんでしょうか?

【LINUS】: いやあ、よくぞ気づいてくれたね! Javi は、所属する病院のコロナ病棟で看護師として働きながら、ストレスの多い日々を送っていた。それがちょうどバンドに参加した時期と重なったんだ。きっと、そんな日々が歌詞に影響を与えたんだろうな。

Q7: The world has changed dramatically since our last interview, with pandemics and wars. Many people have gone through dark times, but has your music, themes and life been affected by those changes?

【LINUS】: I can only speak for myself. Without experiences I feel not inspired enough to compose. So I had to force different situations in my life during the lockdowns. Once I changed the decoration of a room and it had an impact already. I wrote almost a complete song the same night.
The wars and violence in the world can only make you feel depressed. I try to still have a normal life by focusing on the beautiful things in life without ignoring what is happening in the world.

Q7: 前回のインタビューから、世界は大きく変わりました。戦争にパンデミック…この暗い時代はあなたの音楽やテーマに影響を与えましたか?

【LINUS】: 僕は自分自身のことを話すことしかできないけど、体験がなければ、作曲するほどのインスピレーションは得られないと思うんだ。だから、体験のないロックダウンの間、僕は生活の中にさまざまな状況を作る必要があったんだよ。一度、部屋の装飾を変えただけで、もうインパクトがあった。その夜、ほぼ1曲書き上げたくらいでね。
結局、世界の戦争や暴力は、自分を憂鬱にさせるだけ。僕は、世界で起こっていることを無視することなく、人生の美しいものに焦点を当てることで、まだ普通の生活を送れるよう努力しているんだよ。

Q8: Well, I understand you are currently working on a solo album as well! Exclusively for our magazine (hehe), could you tell us what you can tell us about the members, themes, and its musicality?

【LINUS】: Haha, I am glad you mention it. I announced that I want to release a solo record 2 years ago already but so far I couldn’t find time to finish it yet. There were a lot of unexpected opportunities for my career and fortunately I didn’t have any time pressure to release the solo record. This’s why it took so long. I worked on the record when I had some time and now it’s the right moment to finalize it. The difference on this record is, that I have an artistic vision that I don’t need to make any compromises for. In the last couple years I released a lot of very complex albums with different bands. This time I wanted to write music that is more straight and easy to listen to. It’s another kind of challenge for me. Right now I am in the studio with Hannes Grossmann who mixes the album. The rest of the musicians I will announce soon. Just follow me on Social Media or Discord and subscribe to my newsletter if you want to be updated.
I have a very special bass that I will be featured on this album for the first time and some very specific guests.

Q8: ところで、あなたはソロ・アルバムの制作も進めているそうですね?弊誌だけに独占で (笑)、その内容を話していただけますか?

【LINUS】: ははは、気にかけてくれてありがとう!2年前にソロ・アルバムをリリースしたいと発表したんだけど、完成させる時間がなかなか取れなくてね。僕のキャリアには予期せぬチャンスがたくさんあって、ありがたい話なんだけど、ソロ・レコードをリリースする時間的なプレッシャーがなかったんだ。だから、これだけ時間がかかったんだよ。時間があるときにレコードに取り組み、今がそれを完成させる正しい瞬間だと思う。
このアルバムが他の作品と違うのは、僕には妥協する必要のない芸術的なビジョンがあるということ。ここ数年、僕は様々なバンドと非常に複雑なアルバムをたくさんリリースしてきたね。だから今回は、もっとストレートで聴きやすい音楽を作りたかったんだ。これは僕にとって、また別の種類の挑戦なんだよ。
今、僕はスタジオで Hannes Grossmann と一緒にアルバムのミキシングをしているところだ。他のミュージシャンについては、近々発表する予定だよ。ソーシャルメディアや Discord で僕をフォローして、ニュースレターを購読してくれたら、最新情報をゲットできるよ。
このアルバムで初めてフィーチャーされる特別なベースと、とても特別なゲストがいるんだ。

LINUS’S RECRNT FIVE FAVORITE ALBUMS

I have just found again the first solo album of Warrel Dane in my playlists: ‘Praises to the War Machine’. There are great songs on this album and his vocals sound very personal. I also enjoy the Smith/Kotzen project a lot. They have just released a live album. I love the music that both musicians made in the past. I couldn’t believe to read that they make albums together now. In my daily playlist you can also find the recent Tribulation record, the new albums of Soilwork and Soreption.

僕のプレイリストから、Warrel Dane のファースト・ソロアルバム “Praises to the War Machine” を再び見つけたんだ。このアルバムには素晴らしい曲がたくさんあって、彼のボーカルはとても個性的に聞こえるね。Smith/Kotzen のプロジェクトもとても気に入っているよ。彼らはちょうどライブ・アルバムをリリースしたところ。二人のミュージシャンが過去に作った音楽が好きなんだ。今、一緒にアルバムを作っているなんて信じられないよね。あと、僕のデイリープレイリストには、Tribulation の新譜、Soilwork と Soreption の新譜も入っているよ。

MESSAGE FOR JAPAN

My younger brother has started a company to bring tourists to Japan. Finally it is possible to guides Germans through your beautiful country again.
Japan has always been very special to me. I love the kindness of people and the amazing. If I don’t come with a band to Japan soon, I will book a trip through my brother. Thanks for being loyal follower of my and our music! See you all soon hopefully!

実は、僕の弟が日本に観光客を呼ぶための会社を立ち上げたんだよ。ようやく、ドイツ人が君たちの美しい国を再び案内できるようになったんだ。
日本は僕にとって、いつも特別な国。人の優しさ、素晴らしさが大好きなんだ。もし、僕がこのバンドで日本に行けなかったとしても、弟を通して旅行を予約するつもりだよ。僕と僕らの音楽の忠実なフォロワーでいてくれてありがとう! また近いうちに会おうね!

LINUS KLAUZENITZER

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