NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LEPROUS : MALINA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BAARD KOLSTAD OF LEPROUS !!

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Norwegian Prog Metal Innovator, Leprous Delivers A Different Organic Flavour With Another Beautiful Album “Malina” !!

DISC REVIEW “MALINA”

“皇帝” の庇護から脱却し、独自のプログレッシブワールドを追及するノルウェーの先覚者 LEPROUS が、ジャンルという鳥籠からブレイクスルーを果たす新作 “Malina” をリリースします!才気煥発なモダンプログレッシブの麒麟児は、シーンのフラッグシップとして地図にはない道をスタイリッシュに切り開いて行きます。
当初は EMPEROR、そしてノルウェーミュージックシーンの首謀者 Ihsahn のバックバンドとして注目を浴びた LEPROUS。しかしバンドの独創的かつ洗練されたクリエイティビティー、天性の審美眼はすでにその肩書きをも遠く置き去りにしています。
LEPROUS のその深遠は、変貌や流動といった言葉に象徴されるのかも知れませんね。まずバンドメンバーが非常に流動的です。世代最高のシンガーにして唯一無二のコンポーザー、キーボードも担当するマスターマインド Einar Solberg、そしてギタープレイヤー Tor Oddmund Suhrke。在籍するオリジナルメンバーは現在彼ら二人のみ。今作では長年バンドに多大な貢献を果たしてきたギタリストの一翼 Øystein Landsverk も脱退し、後任に Robin Ognedal, ベーシストも新たに Simen Børven を迎えて制作されたのです。
変わりゆくのはメンバーだけではありません。バンドはその音の潮流もアルバム毎に脈動させて来たと言えます。実はパンクバンドとしてスタートした LEPROUS。プログメタル、アヴァンギャルド、オルタナティブにポストハードコアと作品ごとにフォーカスするサウンドテーマを変転させつつ、巧みに Djent やポスト系、ブラックメタルの要素も取り入れ、多様なモダンプログレッシブの世界観を構築して来たバンドは、しかし同時に Einar の絶対的な歌唱を軸とした仄暗く美麗なムードをトレードマークとして近年掲げるようになったのです。
2010年代最高のプログメタルオペラとなった “Coal” の後、彼らはより “硬質” でデジタルな作品 “The Congregation” をリリースします。メタリックな音像、正確性と複雑性を極めたバンドが次に見据えた先は、よりオーガニックでナチュラルなサウンドとジャンルの破壊でした。
「アルバムの “全てのインフォメーション” を直ちに伝える」 と Baard が語るように、アルバムオープナー “Bonneville” はまさに変化の象徴です。ジャズのリズムと繊細なギタートーンに導かれ、Einar は朗々と官能のメロディーを歌い紡いで行きます。比較するならば彼が敬愛する RADIOHEAD やMUSE でしょうか。
インテリジェンスとエモーションが有機的に溶け合った切なくも美しいそのサウンドスケープは、メタルやプログレッシブという狭い枷からバンドを緩やかに解き放ち、アーティスティックで “ロック” な新生 LEPROUS を主張します。楽曲序盤と、ポストメタルの激情を伴うコーラスパートとの対比も効果的で、アルバムは確実にそのダイナミズムを増していますね。
さらに、前作から加わったドラマー Baard のアイデア、テクニックはアルバムを通して群を抜いており、当然 “Bonneville” の細やかで斬新なハイハットワーク、ゴーストノートの魔術は明らかに楽曲を強く牽引しています。
“Captive” から “Illuminate” への流れはアルバムのハイライトと言えるかも知れません。複雑なタイムストラクチャーと相反するキャッチーなボーカルラインはまさしく LEPROUS の真骨頂。とは言え確かに譜割には Djenty な要素も色濃いものの、ギターや鍵盤の音色が実に繊細で生々しくヴィンテージとさえ言えるために、異能のドラムワークを含め、結果として極めて興味深い斬新なデザインのサウンドストラクチャーを堪能することが出来るのです。
ソフトで音楽的な “スペース” が広がったシネマティックな “Malina” で、弦楽器チェロの使用は詩情豊かな作品の芸術性を一段と高めていますね。例えば “Stuck” では弾力に満ちたギターリック、温かみのある鍵盤とコントラストを描くシリアスなムードを楽曲へともたらしていますし、ポストロックに接近したタイトルトラック “Malina” ではより実験的でアーティスティックなイメージを生んでいます。
アルバムを締めくくる “The Last Milestone” は Einar の独壇場。パーフェクトなクラッシックオペラ。高齢にもかかわらず、生きるためラズベリーを売り歩かなければならないグルジアの老婆にインスパイアされた心震えるアルバムは、実に切なく、悲しく、幽暗かつシリアスで、しかし崇高なる無上の美を秘めて幕を閉じました。
「僕たちは典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。」 様々な要素、テクニックが “オーガニック” というキーワード、そして哀切のストーリーに注がれた純然たる “ロック” の傑作 “Malina”。リリースは 8/25。シーン屈指のレコーディングチーム David Castillo & Jens Bogren のタッグも健在です。
今回弊誌では、シーン屈指のドラマー Baard Kolstad にインタビューを行うことが出来ました!バンドとしては前回の Einar に続き二度目の登場です!どうぞ!!

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LEPROUS “MALINA” : 10/10

INTERVIEW WITH BAARD KOLSTAD

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Q1: How was your Japan tour last year? How do you like our country?

【BAARD】: Yes, we love playing in Japan. Dedicated fans, and perfect organizers. Beautiful nature, lovely food. Definitely very special every time we play in Japan. Fans seems so thankful to have us there. A pure pleasure!

Q1: まずは昨年の日本ツアー、感想を聞かせていただけますか?

【BAARD】: うん。僕たちは日本でプレイするのが大好きだよ。熱心なファンに完璧なオーガナイザー。美しい自然に美味しい食事。間違いなく、日本で過ごした時間は全てが特別だったね。
僕たちが来日したことでファンのみんなはとても嬉しそうに見えたよ。純粋に嬉しかったね!

Q2: So, it seems Leprous no longer play with Ihsahn. What’s the reason of that?

【BAARD】: Our time schedule just didn’t match anymore. Leprous is a band that demands 100% focus, and if we would continue being Ihsahn’s backing band, sooner or later the concert schedules to each band wouldn’t fit. Still work together from time to another though.

Q2: LEPROUS はもう Ihsahn とはプレイしていないようですね?

【BAARD】: 忙しくなって、ただ僕たちのスケジュールがこれ以上 Ihsahn に合わせられなくなったからなんだ。
LEPROUS は100%のフォーカスを求められるバンドだよ。だから、このまま Ihsahn のバックバンドを続けたとしても、遅かれ早かれお互いのスケジュールがフィットしなくなっただろうね。とは言え、時々はまだ共演しているよ。

Q3: Anyway, your amazing new record “Malina” will be out soon! First of all, could you tell us about the lyrical themes or concept of “Malina”? Where did the idea of album title “Malina” come from?

【BAARD】: “Malina” means raspberry in all Slavic languages. Einar was inspired to write the lyrics after visiting the country of Georgia for my brothers wedding. I saw a very old woman (between 80 and 90) who had to walk around for the entire day selling raspberries for a living while she was saying “Malina, Malina”. It made a huge impression on Einar. Very sad.

Q3: 最新作 “Malina” のリリースも迫っています。まずは歌詞のテーマ、作品のコンセプトについて話していただけますか?

【BAARD】: “Malina” は全てのスラブ系言語でラズベリーを意味するんだ。Einar は僕の兄の結婚式でグルジア(ジョージア)を訪ねたことにインスパイアされて歌詞を書いたんだよ。
僕はそこで 80~90 歳のとても年老いた老婆に会ったんだ。彼女は生活のため、一日中ラズベリーを売って歩き回らなければならないんだよ。”Malina, Malina” と言いながらね。Einar には本当に印象的だったんだ。とても悲しいね。

Q4: Colorful and mysterious artwork definitely shows what “Malina” is. It’s very diverse, eclectic, beautiful and organic record, right? It starts jazz and ends with amazing opera (Thanks Einar!!) I mean, it’s not simply polishing the melancholy progressive metal of “The Congregation”. How did the change happen?

【BAARD】: It happened pretty natural during the process of composition and recording. We wanted a more dynamic and organic sounding album, and also less «perfect» timing wise etc. The opening track «Bonneville» just felt as the right opener because it doesn’t give you «all the info» immediately, and a more diverse and frugal intro to an album. Previous opening tracks, The Price from the Congregation, Foe from Coal and Bilateral from Bilateral are way more «in your face» immediately. This time around we wanted a more artistic opening.

Q4: カラフルでミステリアスなアートワークはまさに “Malina” の音楽を象徴しています。多彩で美しく、オーガニックな作品に仕上がりました。ジャズに始まりオペラで終わるレコードは、ただ前作 “Congregation” を磨き上げただけのアルバムではありませんよね?

【BAARD】: そういった変化は、コンポジションとレコーディングのプロセスの中でとても自然に起こっていったんだ。僕たちはよりダイナミックでオーガニックなアルバムを欲していたんだよ。パーフェクトなタイム感を求めないようなね。
オープニングトラック “Bonneville” はアルバムの “全てのインフォメーション” をただちに伝えるからまさにオープナーに相応しいと感じたんだよ。アルバムのより多様で “慎ましい” イントロでもあるね。
以前の作品のオープニングトラック、 “The Congregation” の “The Price” 、”Coal” の “Foe” 、”Bilateral” の “Bilateral” は、もっと大胆不敵で攻めていたと思うんだ。だから今回はよりアーティスティックなオープニングが欲しかったんだよ。

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Q5: I said organic, because I felt “Malina” is more prog rock than metal. Actually, “Bilateral” has prog rock aspects. But more over, “Malina” can be said simply Rock like Muse, Mew, Radiohead. Did you want to leave the narrow “cage” of “Genre”?

【BAARD】: Organic was definitely our keyword through the whole process. We wanted no click sounding drums, especially kick drum, a less processed guitars as possible. Real analog synths and keyboards, Fender Roads, Hammond with Leslie…. Still for the heavy sounding parts/songs, we wanted the natural sound. Less digital than ever before. That being said, genres doesn’t mean the world for us. We don’t want it to be «prog» just for the sake of it, but when such elements feels natural and fits the songs well, we do it! For instance we have 13/8 time signature in From The Flame. 17/8 on Mirage. This is nothing Einar thinks about when he compose. He sometimes doesn’t even know which kind of signature it is. We just try follow our heart.

Q5: 奇しくも私がオーガニックと評したのは、”Malina” がメタルというよりプログロックの領域に近いと感じたからです。過去の “Bilateral” にやや近いかも知れませんが、さらに言えば MUSE や RADIOHEAD といったシンプルにロックと表現出来る作品なのかも知れませんね?

【BAARD】: 全体のプロセスを通して、間違いなく “オーガニック” は作品のキーワードだったと言えるね。
ドラムスにもクリックは使用したくなかったんだ。特にバスドラに関してはね。ギターも出来るだけシンプルなプロセスにして、本物のアナログシンセとキーボードを使ったんだよ。フェンダーローズやレスリースピーカーのハモンドをね。勿論、未だにヘヴィーなサウンドの楽曲やパートはあるけど、僕たちはナチュラルなサウンドが欲しかったんだ。以前よりデジタルではなくなったと言えるね。
僕たちは、故意に “プログ” な作風にはしたくなかったんだけど、そういった要素が楽曲に自然とフィットするならばやるだけさ!
例えば、”From the Flame” では 13/8 拍子を、”Mirage” では 17/8 拍子を使用したね。ただ、Einar は作曲している時にこれは何拍子だなどと考えたりはしないんだ。時々は、作ったものが何拍子なのか本当に分かっていない時さえあるんだからね。僕たちは心に従って作曲するようにしているんだよ。

Q6: “The Congregation” was the band’s last album with longtime guitarist Øystein Landsverk. Why did he leave the band?

【BAARD】: As mentioned earlier, Leprous is a band that demands and needs 100% focus. Øystein has always been an amazing guitar player for Leprous and musical, not to forget an important long time member and close friend. He has his career at work beside of leprous also being important for him, and combined with family life and kids, it just turned out that it was extremely difficult for him to tour and have full focus on the band as well. A few hours ago it was made official that he will have his 2nd baby – congrats again Øystein! .

Q6: 前作 “The Congregation” が長くギタリストを務めた Øystein Landsverk との最後の作品となりました。なぜ彼はバンドを離れることになったのでしょう?

【BAARD】: 最初にも言ったけど、LEPROUS は100%フォーカスすることを求められるバンドなんだ。Øystein は LEPROUS とその音楽にとって常に素晴らしく魅力的なギタープレイヤーだったし、重要なロングタイムメンバーで親しい友人であることを忘れることはないよ。
彼には LEPROUS と同時に自身のキャリアもあって、家族や子供との生活と共にそれも彼にとっては重要だったんだ。だから、LEPROUS で、ツアーを行いバンドに全てを注ぐことが本当に難しくなったんだよ。
何時間か前にオフィシャルになったんだけど、彼にはもう一人子供が出来るんだよ。おめでとう、Øystein !!

Q7: Baard becomes essential member of Leprous from “The Congregation”. I mean “Illuminate” “Malina”, and “Coma” are wonderful pieces of music where all his talent was demonstrated. OK, so, what will Robin Ognedal bring to the band next?

【BAARD】: Thanks a lot! You can hear Robin’s beautiful touch and tone on places like the very first guitar parts of opening track Bonneville, he’s groove on middle section of Illuminate and the verse of From The Flame, he’s delicate touch on verses and pre choruses in Leashes and all around sound on different riffs of Stuck.

Q7: “Illuminate” “Malina”, “Coma” といった楽曲は、まさにあなたの才能が素晴らしく開花した楽曲で、バンドにとって不可欠な存在となったことを象徴しています。では、新たなギタープレイヤー Robin Ognedal にはどのような魅力が存在しますか?

【BAARD】: ありがとう!Robin の美しいトーンやタッチは、オープニングトラック “Bonneville” の最初のギターパートで聴くことが出来るよ。”Illuminate” のミドルセクションや、”From the Flame” のヴァースではクールなグルーヴを刻んでいるし、”Leashes” のヴァースやプレコーラスのデリケートなタッチも素晴らしいね。”Stuck” の様々なリフには全てのサウンドが組み込まれているよ。

Q8: David Castillo and Jens Bogren seem to be the best recording team in the scene. How did you talk to them and make this album?

【BAARD】: We were so incredibly happy with David’s work and effort on The Congregation where he recorded the drums and did some guitar and bass re-amping. This time we decided to use David for ALL recording related stuff. Jens, we used for the 4th time in a row for studio albums. This time around it was a longer mixing process than previous where the first mixes of Malina had to be done from the start again because we didn’t want the typical «big sounding metal»-vibe. We used so much time and focus to set the sound of the album while we recorded: Final sound of the drums should be as it was when we recorded. Final sound of the keyboards should be as it was when we recorded. Same with the rest… Not to much editing and EQing.

Q8: David Castillo と Jens Bogren のタッグはシーン最高のレコーディングチームだと感じます。彼らとはどういった話をしてアルバムを制作したのですか?

【BAARD】: 僕たちは David が “The Congregation” で果たした役割、ドラムス全てと、ギター、ベースの一部のレコーディングに対して最高に満足していたんだ。だから今回は、David に全てのレコーディングを任せたんだよ。
Jens に関してはスタジオ作品では4回連続の起用となったね。今回は以前より長いミキシングのプロセスとなったんだ。というのも “Malina” のファーストミックスは最初からやり直すことになったからなんだけど。僕たちはその典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。
レコーディングの間、僕たちは実に長い時間を費やして、サウンドを定めて行ったんだ。だから結局、最後のドラムサウンドはレコーディング時と同じようになるべきだった訳さ。キーボードも。残りの楽器もそうだな。あまり編集やエコライジングはしていないよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED BAARD’S LIFE

PORCUPINE TREE “IN ABSENTIA”, “FEAR OF A BLANK PLANET”

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DREAM THEATER “METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY”

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IRON MAIDEN “ROCK IN RIO”

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MESHUGGAH “KOLOSS”

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ANDERSSON .PAAK “MALIBU”

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ASPERA (New Guitar Player Robin’s Band) “RIPPLES”

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Every member of Leprous has their different albums. For instance, Simen on bass is from a more jazz and pop background than the others. Hard to say top 5 albums for myself, but I would pick:Porcupine Tree’s In Absentia and Fear of a Blank Planet, Dream Theater’s Scenes From A Memory, Iron Maiden’s Rock in Rio, Meshugga’s Koloss, and the hip hop/soul artist Andersson Paak’s «Malibu». All time favorite childhood album would maybe be new guitar player Robin’s band «Aspera» (later changed to Above Symmetry) with the album «Ripples».

MESSAGE FOR JAPAN

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Japan! We love you! Hope to be back soon. Please bring all your music loving friends!

日本のみんな!愛しているよ!すぐに戻れたらいいな。君の大好きな音楽全てを友達にも届けてね!

BAARD KOLSTAD

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