NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DEAD CROSS : DEAD CROSS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JUSTIN PEARSON OF DEAD CROSS !!

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Metal & Hardcore Energetic Supergroup, Dead Cross Brings Life Back Into The Genre With Groundbreaking Debut Record “Dead Cross” !!

DISC REVIEW “DEAD CROSS”

“SLAYER のようにアグレッシブで、FANTOMAS のように奇妙”。Dave Lombardo ( ex-SLAYER, FANTOMAS ), Mike Patton ( FAITH NO MORE, FANTOMAS ), Mike Crain ( RETOX ), Justin Pearson ( THE LOCUST, RETOX ) というエクストリームミュージックの重鎮が集結した新バンド DEAD CROSS が衝撃のデビュー作をリリースしました!!百戦錬磨の古兵たちが放つ一撃はあまりに熾烈かつ迫真です。
SLAYER での鬼神たる Dave Lombardo、FAITH NO MORE での異形たる Mike Patton については今さら多くを語るまでもないでしょう。勿論、その2人がタッグを組んだアヴァンギャルドで “アンチアート” な “Dada-Metal”、FANTOMAS についても。過去に Lombardo は、「もしピカソがミュージシャンだったら FANTOMAS のような音楽を創造しただろう。」 とさえ述べています。
一方で、THE LOCUST はグラインドコア、パワーバイオレンス、ノイズロックをハードコアのフォーマットへと落とし込んだ多様かつ複雑でダイナミックな音楽を信条としており、さらに THE LOCUST の美学こと Justin Pearson が新たに立ち上げた RETOX はハードコアパンクのエキサイティングな新鋭です。
インタビューで Justin は、「ジャンルは実に厄介なもので、自分の目的はリスナーを無関心にしないこと」 だと語ってくれましたが、彼らのキャリアと独自性を見れば、DEAD CROSS という奇跡の化学反応がそのイメージを叶えることは確かなようにも思えます。
実際、”Dead Cross” は期待以上にカオスでエクストリーム、ゲームチェンジングなレコードです。「みんなの音楽に対する感じ方を変えたいし、もっと言えば壊したいと思っているんだよ。」 と語る Justin の野心は、比類なきメンバーと類希なるシンパシーを得て遂に達成されたと言えるのかも知れませんね。
“Dead Cross” が死の直前起こる体温の急降下と脈拍の急上昇、つまり体温曲線と脈拍曲線が交差する現象である “死兆交差” を指すように、アルバムは怒りとフラストレーション、そして究極的にはそこから生じる “死” を様々な観点、手法で表現した作品だと言えるでしょう。
事実、Dave Lombardo は Rolling Stone 誌のインタビューで、このバンドがパリのバタクランで起こったテロに対する大きな憤りから生まれたことを認めています。これが完璧なハードコアアルバムで、自身の最もブルータルで抽象的なレコードであることも。
勿論、Dave 究極の一枚に SLAYER の “Reign in Blood” を挙げるファンも多いでしょう。奇しくもほぼ同じ、30分を切るランニングタイムの2枚のレコードは、そのインパクトにおいても同等の強い光彩を放っているように思えます。
“Reign in Blood” が伝説と化したのは、その際限なきアグレッションと呼応して溢れ出る瑞々しきフックの数々があったからこそ。怒りに満ちた “Dead Cross” にも同様に、リスナーをリピートへと誘う豊潤かつインテリジェンスな仕掛け、キャッチーさが潜んでいるのです。
アルバム前半、ハードコアパンクとスラッシュのエナジーを二乗し突進するアドレナリンラッシュの渦中においても、THE LOCUST を想起させる知的な混沌、ノイズ、変拍子、テンポチェンジは極上のアクセントとして揺るがぬ存在感を放ちます。
さらにBandcamp のインタビューで、「ハードコアのルーツに回帰したんだ。クソと重要さの見分けがつくようになった。」 と語る Dave のドラミングは、その比類なきビートをより感情にまかせ、性急に、複雑に、そしてブルータルに刻みます。80年代のベイエリアパンクから、THE DILLINGER ESCAPE PLAN のようなよりコンテンポラリーなマスコアまで自由自在な Mike Crain のリフワークもスマートで耳を惹きますね。そして何より Mike Patton は Mike Patton です。
「オペラティックなバックヴォーカルとボイスエフェクトをレコード全体にレイヤーすることはどうしても避けられなかったんだ。」 怒れるレコードに似つかわしくない Mike の業、カルマはバンドを驚かせました。しかし、同時に Dave は Mike 由来の異質なるハーモニーやオルタナティブなメロディーラインがアルバムに深みを加えたことも認めています。
CELTIC FROST のアヴァンギャルド、邪念、悪夢を飲み込んだ “Bela Lugosi’s Dead” や “Gag Reflex”、パンクのキャッチーさを奇妙に再構築した “Shillelagh”、よりプリミティブなスクリームが狂気を育む “The Future Has Been Cancelled” といった楽曲群は Mike の貢献なしでは成立しなかったはずです。
鬼才 Ross Robinson を含め5人の才能が火花を散らしたアルバムは、バンドの次なる可能性を諮詢する、ゴシカルでインダストリアルな “Church of the Motherfuckers” でその幕を閉じました。
今回弊誌では Justin Pearson にインタビューを行うことが出来ました。「全てのクリエイティビティーに感謝を」 どうぞ!!

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DEAD CROSS “DEAD CROSS” : 10/10

INTERVIEW WITH JUSTIN PEARSON

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Q1: As soon as the tour began, the members were arrested and Mike was injured, it looked not good situation. Are you enjoying the tour now?

【JUSTIN】: I think through the eyes of social media everything can easily seem more sensational that it really is when you are actually in the thick of it. Don’t get me wrong, having guns and drugs pulled out of your backpack by a State Trooper, when you have never shot a gun or snorted coke in your life is a bit weird for me. This world is a weird and mean place, but what will happen, will happen. I just roll with things and hope to come out on the other end. If I don’t, well, I suppose it’s over so who gives a shit? As for Patton, he seems resilient, even at his current age. He bounced back and we had a make up show the night following the one we had to cancel. As for enjoyment and tour, sure. However, tour is not what some people think it is. Not that I have any complaints, but it’s a lot of looking out of a van window and hanging out in a venue over and over. Beats a cubicle and a shitty suit though.

Q1: ツアー開始早々に、メンバーが逮捕されたり、Mike が怪我をしたりと大変な状況でしたが、今現在はツアーを楽しめていますか?

【JUSTIN】: ソーシャルメディアの視点を通して見れば、全ては簡単に、よりセンセーショナルに思えるだろうね。実際、当事者としてその中にいるよりも遥かにね。
誤解しないで欲しいんだけど、人生で銃を撃ったこともコカインをやったこともないのに、州警察が君のバックパックから銃やコカインを取り出したら僕には奇妙に思えるだろうね。
この世界は奇妙で卑劣な場所だけど、何でも起こりうるんだよ。僕はそういったことにただ対処して、早く問題から抜け出したいだけなんだ。とにかく、もう終わったことなんだから、誰が気にするって言うんだい?
Mike については、すぐに回復したように思えるよ。彼の年齢にしたらね。彼がすぐに復帰したから、キャンセルした次の日の夜にはライブをセッティングしなければならなかったくらいさ。
ツアーに関しては勿論エンジョイしているよ。ただ、君たちの想像するようなものではないかも知れないけどね。大部分はバンの窓から外を眺めて、開催地で出かけることを繰り返すだけなんだ。

Q2: So, you invited Dead Kennedys’ Jello Biafra Onstage to Perform “Nazi Punks Fuck Off ” as “Nazi Trumps Fuck Off”. Adding that, you even made matching T-shirts, haha. What made you so?

【JUSTIN】: The shirts were a bit too “cute” in my opinion. But Jello insisted, and well, I had to be a good sport. Nonetheless, it was a bit surreal to perform that track with the man. I cut my teeth on Dead Kennedys. And well, unfortunately the subject matter surrounding the song is still fairly relevant.

Q2: 先日は、DEAD KENNEDYS の Jello Biafra をステージに招いて彼らの名曲 “Nazi Punks Fuck Off” を “Nazi Trumps Fuck Off” に変えて演奏していましたね?Tシャツまで揃えていたのは最高てしたよ。

【JUSTIN】: 僕の考えでは、あのTシャツはちょっと “キュート” 過ぎたかなって思うんだ。だけど Jello がそうしたいと主張したし、僕は礼儀正しくする必要があったからね。
それにしたって、あの人とあの楽曲をプレイするのは少しシュール、非現実的だったよ。僕は DEAD KENNEDYS でロックの世界に入ったんだからね。それに、残念ながらあの楽曲にまつわる題材もまだかなりの関連性があるよね。

Q3: Definitely, Dead Cross is super band. Sometimes, the band is said as “Dead Cross Is as Aggressive as Slayer and as Weird as Fantômas”. Anyway, what is the purpose of these four people gathered now?

【JUSTIN】: The purpose of the four of us is exactly what it is, a band, exchanging energy and ideas, and putting that out there in the universe!

Q3: DEAD CROSS は “SLAYER のようにアグレッシブで、FANTOMAS のように奇妙” などと例えられるスーパーバンドですが、この4人が今集まった目的は何でしょう?

【JUSTIN】: 僕たち4人の目的は、間違いなくバンドであることだよ。エナジーとアイデアを交換し、世界へと放出するためのね!

Q4: After Gabe Serbian left the band, Mike Patton becomes new singer of Dead Cross. How did you come up with the idea of ​​naming him to successor?

【JUSTIN】: We had a bunch of names of people who we wanted to work with as a vocalist and put them in a hat. It was this weird sort of top hat thing, like that dumb hat that Slash wears. Anyhow, Lombardo reached in and pulled out the one with Patton’s name on it, and that was how it all went down.

Q4: Gabe Serbian がバンドを去った後、DEAD CROSS はカリスマ Mike Patton を後任のシンガーに選びました。この人選は誰が思いついたのですか?

【JUSTIN】: 僕たちは、共にやって行きたいボーカリストを本当に沢山ピックアップして、その名前を帽子の中に入れたんだ。奇妙なトップハット帽で、スラッシュ(GN’R) が身につけているようなバカッぽいやつね。
とにかく、Dave がその帽子に手を突っ込んで引き出したのが Patton の名前だったのさ。後はみんなが知っている通りだよ。

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Q5: Your band name “Dead Cross”, it also becomes the title of debut album, What’s the meaning behind the word?

【JUSTIN】: It came to me as I was driving from San Diego to Los Angeles, while listening to NPR. There was this report on an illegal drone strike and a botched attack which killed aid relief.

Q5: アルバムタイトルにもなっているバンド名 DEAD CROSS ですが、この言葉にはどういった意味が込められているのでしょう?

【JUSTIN】: DEAD CROSS (死の直前に体温が急降下して、脈拍が急上昇。体温曲線と脈拍曲線が交差する現象を “死の十字架” “死兆交差” と呼ぶ。)というバンド名は、僕がサンディエゴからロサンゼルスまでドライブしている時に思いついたんだ。NPR (National Public Radio 非営利のラジオネットワークでリベラル寄り) を聴きながらね。
ちょうどニュースでは、違法なドローン攻撃と、攻撃の失敗で国際援助活動の人間を殺害してしまったことについて報じていたんだ。

Q6: Definitely, “Dead Cross” is heavy as hell, It gives me an adrenaline rush, I mean, I feel “Anger” from the record. What did you want to tell the listener on this album?

【JUSTIN】: I rarely put any thought into what a listener might think of the stuff I’m part of. Granted, when people dig stuff that I’m part of, I really appreciate it and think it’s rad. I suppose my goal is to not have people be indifferent… I wanted to change the way people perceive music, or maybe just destroy it in general.

Q6: “Dead Cross” は様々な面で怒りを湛え、アドレナリンラッシュを生むレコードですね?この作品でリスナーに伝えたかったことは何ですか?

【JUSTIN】: 僕は自分が参加した作品に、リスナーがこう考えれば良いのにと言った先回りの思考は込めないようにしているんだよ。勿論、みんなが作品を気に入ってくれれば、本当に感謝するし、最高だと思うけどね。
おそらく、僕のゴールはリスナーを無関心にしないことだと思うよ。みんなの音楽に対する感じ方を変えたいし、もっと言えば壊したいと思っているんだよ。

Q7: Mike and Dave are around 50 years old. Justin and Michael are not such a youth. I feel great that you are playing angry Hardcore/Punk music when you put on years. Could you imagine this situation when you started out?

【JUSTIN】: Did you just call me old? Well, either way, I can’t answer your question. I have been doing what I am currently doing since I was 15.

Q7: Mike と Dave は50歳周辺ですし、あなたにしても決してもう若くはありませんよね?年齢を重ねて、こういった怒れるハードコアを今でもプレイしているのは素晴らしいですね!今の状況を、音楽を始めた頃に想像出来ましたか?

【JUSTIN】: おいおい、老いぼれだって言いたいのかい?どのみちこの質問には答えられないね。僕は今やっている音楽を15の時からやり続けているんだから。

Q8: So, you are one of the originator of Grindcore, Power violence, Noise Rock. What’s your perspective about the extreme music scene these days? For example, do you like Full of Hell, The Body, Code Orange or Boris?

【JUSTIN】: Awe, I think genres are kinda lame to be honest. Even calling certain things music doesn’t seem accurate at times. I suppose noise rock might be a decent term. I just tell people that the genre is “annoying”. As for other bands that I like, I do listen to a lot of talk radio.

Q8: 最後に、あなたはグラインドコア、パワーバイオレンス、ノイズロックの歴史を刻んできた人物の一人です。最近の多様なエクストリームミュージックシーンについてはどう思っていますか?

【JUSTIN】: そうだね、僕は正直に言ってジャンルって厄介なものだと思うよ。疑いようのない呼称だって、時にはその音楽に正確じゃないことがあるんだからね。
ノイズロックというのはマトモな言葉かもしれないね。つまり、その”ノイズロック”という言葉はジャンルが”迷惑な”ものだと伝えているからね。まあバンドを聴くよりも、トークラジオをよく聴いているよ。

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MESSAGE FOR JAPAN

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I absolutely love it there. Thank you for existing and for all the creativity.

僕はこの作品を本当に気に入っているんだ。存在と全てのクリエイティビティーに感謝を。

JUSTIN PEARSON

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