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COVER STORY + INTERVIEW 【MNEMIC : THE AUDIO INJECTED SOUL】20 YEARS ANNIVERSARY REUNION !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIRCEA GABRIEL EFTEMIE OF MNEMIC !!

“The Label “Fusion Future Metal” Was Our Definition Of What We Saw As The Potential For The “Djent” Genre, Even Before The Term Became Popular.”

DISC REVIEW “THE AUDIO INJECTED SOUL”

「”フューチャー・フュージョン・メタル” というラベルは、 “Djent” というジャンルが一般的になる前から、その音楽の可能性を見出していた僕たちの定義だった。だから今日、多くのバンドが僕たちの貢献をリスペクトし、認めてくれているのを見ると、信じられないほど嬉しいよ。たとえ当時の市場とタイミングが完全に一致していなかったとしても、僕たちが正しい道を歩んでいたことを再確認させてくれるからね」
音楽の世界には、多くの “早すぎた” バンドが存在します。しかし、ラテン語で “記憶” を意味するデンマークの MNEMIC 以上に、メタル世界の記憶に残った “早すぎた” バンドはいないでしょう。”MAINLY NEUROTIC ENERGY MODIFYING INSTANT CREATON”。”瞬時の創造性をモディファイする主なる神経症的エネルギー” の略語を同時に冠する偉大なバンドは、実際その当時の創造性を限りなくモディファイして、風のように去っていったのですから。
「僕たちは MESHUGGAH のようなバンドに大きな影響を受けた最初のバンドのひとつで、彼らが僕たちのサウンドに何らかの影響を与え、僕たちの音楽のポリリズムのコンポジションの一部を形作るのに役立ったんだと思う。とはいえ、SYBREED や TEXTURES など、僕らと同時期に活動していた他のバンドもいたから、その功績をすべて取り上げるのはフェアではないと思う。また、Djent というジャンルを本当に確固たるものにした、僕たちよりもずっと才能のあるバンドが後から市場に現れたことも忘れてはならないね。ただ僕たちは、Djent というジャンルを押し上げるために、その一翼を担えたことを嬉しく思っているんだ」
Djent といえば、MESHUGGAH が神であり、PERIPHERY が生みの親という認識がおそらく一般的なものでしょう。しかし MESHUGGAH のポリリズミックな有機的骨組みから、PERIPHERY の煌びやかな数学的キャッチー・プログの間には大きな隔たりがあるようにも感じられます。そう、進化は一晩で起こるものではありません。両者の間のミッシング・リンクこそが、MNEMIC であり、SYBREED であり、TEXTURES であったと考えるのが、今となってはむしろ自然な成り行きではないでしょうか?
「140カ国でいまだにこのバンドを聴き続けてくれているという事実と、バック・カタログが10万枚ほど売れているという事実に基づいている。時代は変わった。僕たちは、良い演奏をしなければならなかった時代、すべてがそれほど洗練されている必要がなかった時代、レコード制作において過剰に修正する必要がなかった時代の人間だ。だからこそ、僕たちは適切なチームと一緒に、昔の曲でも当時と同じように、よりシャープに、よりプロフェッショナルに演奏できることを証明したいんだ」
時代は変わりました。当時、インダストリアルや Nu-metal の一派として、SOILWORK の亜流として片付けられていた MNEMIC は掘り起こされ、Djent の始祖という正当な評価を手にしました。気は熟しました。そうして、彼らのマイルストーンとなった “The Audio Injected Soul” 20周年の年に、MNEMIC は華々しい復活を告げたのです。
この作品がなぜ革新的だったのか。それはもちろん、MESHUGGAH の偉大な骨格に、後の Djent が得た自由、多様なジャンルのパレットをもちこんだから。ただし革命はそれだけにとどまりません。当時のリスナーは、この作品の音の立体感に驚愕をおぼえたものです。
AM3Dテクノロジー。バイノーラル技術を駆使しリスナーの周りの3次元空間の特定の場所に音を定位させるように音を処理するテクノロジー。言葉の意味はわからずとも、ギターの音は極めて鮮明、ベースとドラムは響き渡り、背景にはアンビエント・サウンドが渦巻き、ボーカリスト Michael Bøgballe の分裂症のような遠吠えと嘲笑がミックスの至る所に現れるあまりにも強烈なサウンドは、アートワークの心脳をつんざくヘッドフォンを地でいっていたのです。音圧の破壊力。それは、1986年の傑作 “Rage For Order” で QUEENSRYCHE が見せつけたスタジオの大胆な魔法、その再現でした。
今回弊誌では、Mircea Gabriel Eftemie にインタビューを行うことができました。解散から11年を経て、MNEMIC は盟主として、歴史として、そして再び挑戦者としてメタル世界に戻ってきます。ついに時代は追いつきました。我々は、かつて MNEMIC がアルバムで描いた “多重人格” のカオスを全身で感じ取るのみ。今は亡き Guillaume Bideau をフィーチャーした “Passenger” もいいんですよね。どうぞ!!

MNEMIC “THE AUDIO INJECTED SOUL” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ARKA’N ASRAFOKOR : DZIKKUH】


COVER STORY : ARKA’N ASRAFOKOR “DZIKKUH”

“Metal Comes From Rock. Rock Comes From Blues. Blues Comes From The Blacks Deported To America. The Very Basis Of Metal Comes From Home. Metal Is African!”

DZIKKUH

トーゴ出身のメタル・バンドが、世界に羽ばたこうとしています。Arka’n Asrafokor は、メタルの激情とトーゴの音楽遺産を見事に融合させています。同時に、彼らはモダン・メタルの多様性を理解して、ファンク、ラップ、サイケデリックなタッチを混淆し、地球という唯一無二の美しき星へ音楽を捧げているのです。
3月末。Metal Hammer が週間ベスト10曲を発表しました。このおすすめリストは、通常、北米とヨーロッパのアーティストが独占しています。しかしその週は、メタル界のレジェンドたち、Ozzy Osbourne や Serj Tankian に混じって、トーゴのバンド Arka’n Asrafokor がシングル “Angry God of Earth” でランクインし、ガラスの天井を打ち破ったのです。この曲は、竜巻のようなスラッシュで始まり、儀式的な香りを匂わせる催眠術のようなテクスチャーを召喚。生のメタルと西アフリカの祖先の響き、母なる大地への祈りを巧みに融合させています。
「我々が選ばれたと聞いたとき、まず頭に浮かんだのは、どうして我々があんなところにいるんだろうということだった。きっとハードワークのご褒美なんだ。ロックは逆境に立ち向かうための、信念の行動だったから」
Kodzo Rock Ahavi は作曲を手がけ、ほとんどすべての歌詞を書いているバンドの顔。彼にとっても、Metal Hammer のようなビッグ・マガジンにチョイスされることは晴天の霹靂でした。

Ahavi は2010年、トーゴの首都ロメに数年前にオープンしたスタジオでデモのレコーディングを開始し、音楽プロジェクトをスタートさせました。そこで行う他のアーティストのプロデュースは、現在も彼の主な収入源となっています。
「トーゴのような国でメタル・プレイヤーとして生計を立てるのは難しい。芸術を愛するがゆえに、無償で演奏することを厭わない人でなければ、とてもじゃないけど続けられないよ!
トーゴにはメタル・シーンがひとつもなかったから、本当に大変だった。ステージもなかった。それに、みんなこの音楽が何なのか知らない。でも、トーゴのあちこちで戦略的に演奏してみたんだ。目的に応じて場所を選んだ。少しずつ、メタルが何なのかを知ってもらえるようになった。そして特に、私たちのスタイルが何なのかをね。そして驚いたことに、彼らはそれを気に入ってくれた。メタルを聴いたことがない人もいたけれどね。彼らは音楽の伝統的な側面が好きなんだ。彼らはそれを理解することができた。音楽は自分たちのルーツを映し出す鏡だった。
ここの人たちはロックを知っている。いいロックバンドがいる。でも、今のところトーゴで唯一のメタル・バンドは私たちだ。だから、音楽的な仲間がいたとは言えないと思う」

少しずつ、Ahavi はミュージシャンの友人を集め、自作曲と AC/DC や SCORPIONS のカバーを交互に演奏するライブを行うようになりました。そして口コミで、ほんの数週間のうちに、ロックとエクストリーム・メタルのファンで構成される、小さいながらも忠実な地元のファン・ベースが作られるようになったのです。
「反響はすごかった。カヴァーのリクエストはどんどん減り、オリジナル曲がどんどん増えていったんだ」
もちろん、困難もたくさんありました。
「私たちは悪魔崇拝者と呼ばれていた。少なくとも最初はそう呼ばれていた。西洋的なメタルのイメージ。黒い服を着て、ステージのあちこちで飛び跳ねたり、うなり声をあげたり…。でも、ファン層が広がり、クレイジーな連中がステージで何をしているのか、何を歌っているのかを彼らが理解したいと思うようになると、あっという間に状況は変わっていった。
自分たちのルーツから生まれた音楽だから、検閲もないしね。リスナーは自分が何を聴いているのかわかっている。トーゴの外に住んでいる人たちでさえね。例えばガーナのように、同じリズムと文化を共有している人はたくさんいる。私たちのメッセージは現実的で、人生や社会についてのもの。エキセントリックでも非倫理的でもない。だいじなのは自分の未来と自由のため、愛する人のために立ち上がり戦うこと、先人たちの残した足跡をたどること」

Arka’n Asrafokor はそうして2015年に誕生し、現在まで安定したラインナップを保っています。2019年、彼らはファースト・アルバム “Za Keli” をリリースし世界を驚かせました。トライバル、スラッシュ、グルーヴ、デス……といったメタルのサブカテゴリーを幅広く取り揃え、Ahavi が常に引き出してきた影響のるつぼを凝縮した作品。
「私たちのエウェ語で、Zã Keli とは闇と光、夜と昼という意味。この世界を支えている二面性、そして私たちはそれを受け入れ、調和し、自分の役割を果たさなければならないという事実を常に忘れないために、このアルバムタイトルを選んだんだ。Zã Keli の二面性は、アルバムのほとんどすべての歌詞で感じることができる。明るい花の咲く丘や暗い地獄のような谷、笑いや涙、学び、成長、しかし魂の内なる核は安全で、手つかずで、明るく、人間的であり続ける。私たちの曲を聴けば、希望に満ちた美しい平和的な言葉が、他の曲では憎悪と貪欲から私たちの母なる地球に死を撒き散らす者たち、罪のない生命を破壊する者たちへの無慈悲な戦いを呼びかける戦士の叫びが聞こえてくる」

リズムは、轟音のシーケンス、ファンク・エレガンス、アフリカの打楽器が組み合わさり、ラップ、レゲエ、サイケデリックなギターソロも取り揃えています。Ahavi は KORN と Jimi Hendrix、PANTERA と Eddie Van Halen を同じくらい愛しているのです。そして彼は、自分の創作過程をアーティストと作品との一対一の対話だと考えています。
「作曲をするときは、曲の流れに身を任せ、曲が私に何を求めているのかに耳を傾ける」
“Zã Keli” はオープナー “Warrior Song” から最後まで、メタル・アルバムでは出会ったことのないような楽器やサウンドの数々で楽しませてくれる作品でもあります。ガンコグイ(地元のカウベル)、アクサツェ(パーカッシブなシェイカー)、エブー・ドラム、ジャンベ、そして西アフリカのトーキング・ドラムなど、彼らがヘヴィ・メタルを解釈するための道具はまさに無限大。
6/8拍子で演奏されるほとんどの楽曲。これもまた彼らの民族音楽を強く反映しています。伝統に沿ったメタルの演奏にこだわるのは、自分たちのルーツを誇り、自分たちが何者であるかを世界に示すため。
特に近年の多様なモダン・メタル、その折衷的なカクテルの中では、ルーツが特別な意味を持ちます。
「私のベースのインスピレーションは、やはりトーゴの伝統文化。その雰囲気、その知恵だ。スピリチュアルなものは目に見えないことが多い。しかし、アルカーンやアフリカ全般にとって、物理的な力とスピリチュアルなものは2つの異なるものではない。それどころか、一方は他方の延長であり、その連続なんだ。身体、石、木には魂がある。私たちはスピリチュアルなものを音楽から切り離すことはしない。アルカーン という言葉は、まさにその宇宙の隠された側面を指している」

そして Arka’n Asrafokor の創始者は、自分がアフリカ大陸で異質なメタルを作っているとは思ってもいません。
「メタルはもともとアフリカのものだ。だからこそインスピレーションをブレンドしやすい。アフリカのメタルは、長い海を越えて帰ってきた放蕩息子を迎えるようなものなんだ」
彼の主張を理解するには、祖先が遠く離れた土地に無理やり連れ去られたという歴史を思い返す必要があります。
「西アフリカ人が奴隷として米国に連れて行かれ、その子孫がブルースを発明し、それがロックに進化し、さらにそれがメタルに進化した。そう考えれば、たしかにメタルはそもそもアフリカのものだろ?」
その誇りは音楽にもあらわれています。
「私たちの音楽は、アフリカで接ぎ木したヨーロッパのメタルではない。私たちは地元の言葉であるエウェ語を話すので、人々は私たちが歌うことの精神的な意味を理解できるからね。私たちが演奏するリズムも純粋なヨーロッパ的なものではなく、アフリカの人々はそれに共感する。ときどき村の人に我々の音楽を聴かせると、故郷のいい音楽だと言ってくれる。私たちのやっていることは、ある種ユニークで、ポップな傾向に縛られていないから、聴衆は年齢層で分けられることもない。誰でも聴くことができる」

素晴らしき “Za Keli” のあと、彼らは国際的に知られるようになり、他のアフリカ諸国でも公演を行うようになりました。海外で自分たちをアピールする機会がさらに増え、2019年末にガーナの首都アクラで行われたコンサートは、訪れた数人のヨーロッパのプロモーターまでも魅了し、フランス、ドイツ、スイスでの演奏に招待されたのです。それ以来、彼らは世界中でメタル・フェスティバルの常連となりました。
さらに、サハラ砂漠以南のメタルのアイデンティティを描いた著書 “Scream for me, Africa” で、アメリカ人作家のエドワード・バンチスが彼らを主役に抜擢します。ハック誌のインタビューで、アフリカの荒々しいサウンドを聴き始めるのに理想的なバンドについて尋ねられたとき、バンチスは躊躇しませんでした。
「Arka’n Asrafokor の音楽はクレイジーだ。聴く者を別世界に誘う。今まで誰も聴いたことのないものを聴くには、気合いが必要なんだ」
ボツワナの SKINFLINT のような他のアフリカン・メタル・バンドも、アフリカ大陸の音の遺産に敬意を表しているのはたしかです。
「アフリカのメタルは今やそれほど珍しいものではなくなった。ケニア、ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、ボツワナ、ウガンダ、アンゴラ……から推薦できるバンドはたくさんある。アフリカのデスメタルシーンの守護者であるボツワナの OVERTHUST と WRUST, OverthrustとWrust、ボツワナのヘヴィ・メタル SKINFLINT。ケニアの SEEDS OF DATURA や LAST YEAR TRAGEDY, 素晴らしき DIVIDING THE ELEMENTS, そしてもちろんチュニジアの MYRATH は最も世界的に知られたアフリカン・メタル・バンドのひとつだね。我々は皆、”訛りのあるメタル” をやっているし、そうあるべきなんだ」

しかし、彼と彼のバンド仲間たちはこのルーツとメタルのミックスを明らかに “別のレベル” まで高めているのです。それは、言語(彼らは英語、フランス語、トーゴ語のエウェ語で歌う)、メロディー、そして外見さえも超えた “完全な融合”。ビデオやコンサートでは、Arka’n Asrafokor のメンバーは、往年のトーゴ人兵士へのオマージュとして、黒とアフリカの衣装をミックスしたり、顔に白いペンキを塗ったりしています。エウェ語でアスラフォは戦士を意味し、アスラフォコアまたはアスラフォコールはアハヴィの造語ですが、戦士たちの音楽を意味し、ザ・ケリは戦士の歌という独自の賛美歌。
「アルカンとはスピリチュアル。アスラフォは母国語で戦士を意味する。そしてアスラフォコールは戦士の音楽を意味する。戦士は私たちの文化の象徴だった。彼らは常にコミュニティのために戦い、死ぬ準備ができていた。名誉、正義、真実、平和、愛のために死ぬ準備ができている。そして、この心と魂の状態は、常に私たち一人ひとりの心の奥深くに生き続け、保ち続けなければならないものだ。それがアルカンの精神だ。私たちはそういう人間だ。それこそが、祖先の歩みを受け継ぐ戦士の掟なんだ」
そうして昨年、彼らはドイツのビッグ・レーベル、アトミック・ファイア・レコードと契約を結びましたが、Ahavi は依然としてDIY的アプローチを貫いています。
「レコーディング、ミックス、ミュージックビデオの撮影、編集…私たちは特定のマーケットに合わせたり、流行のトレンドに引っ張られたりすることなく、完全に自由を謳歌している」
“Got to break it” や “Walk with us” のような曲のビデオでは、ミニマルな風景と手作りのエフェクトが個性を生み出し、YouTube ユーザーのコメント欄には、”過小評価” という形容が繰り返されています。

そうして Arka’n Asrafokor たちの音楽を用いた闘いは、崇高な目標を追求していきます。「正義、平和、愛…すべての生き物の起源である母なる地球への敬意」
Ahavi はそうバンドの理念を声高に宣言します。彼にとって、環境保護が人間の外部にあるもののように語られることは驚きでしかありません。
「私たちは自然の一部なのに。人間は明日、呼吸画できるかどうか決めることはできないんだ」
セカンド・アルバム “Dzikkuh” の象徴となる “Angry God of Earth” は、盲目で貪欲な人間の行き過ぎた行為と、それに怒る神について語っています。この曲は、神の懲罰としての気候的黙示録を描いているのです。
「死だけが残る。人間が蒔いた種を刈り取る時が来た。私たちの文化では、地球は女性的であったり男性的であったりする。彼女の怒りをこれ以上刺激しないようにしよう」

参考文献: EL PAIS:Un grupo de metal de Togo se abre hueco en el panorama del rock duro internacional

ECHOES AND DUST :(((O))) INTERVIEW: ARKA’N ASRAFOKOR: TOGO HEAVY METAL WARRIORS

PAN AFRICAN MUSIC :Arka’n : “Metal is African”

ATOMIC FIRE RECORDS

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PIRATE QUEEN : GHOSTS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH VICTORIA OF PIRATE QUEEN !!

“As a Woman I Believe We All Have The Same Chances To Reach Our Goals In Music World And It Must Not Be Divided By Gender.”

DISC REVIEW “GHOSTS”

「私たちは実際、あらゆる不正義と戦っていると言えるでしょうね。私たちはメタル・シーンが、そこにいたいと願うすべてのミュージシャン、すべての人にとって安全で親切な場所であってほしいと切に願っているの。音楽の世界でゴール、目標に到達するチャンスは女性も同じだけあると信じているし、それは性別によって分断されてはならないものなの」
かのメタル世界のゴールド・ロジャー、RUNNING WILD がジョリー・ロジャーの旗の下航海に旅立ってからおよそ40年。パイレーツ・メタルという異端の生みの親がフェスのヘッドラインを飾るようになった21世紀。その多様で寛容なメタルのグランドラインに颯爽と登場したのは、5人の女海賊でした。5人にとってのワンピースとは、すなわち海闊天空。悠遠に広がるメタルの海がただ、寛容で、親切で、平等な場所であること。そして、その秘宝は必ずや音の戦、実力で手に入れます。
「故郷のリクシオンは浮島で、いつも簡単に見ることができるわけではないんだ。リクシオンでの生活は自由の香りがいっぱいで、主に女性がリードしているの。もちろん男性もいるけどね。古い航海年代記には、海賊の才能によって結ばれた血縁関係にある5人の少女たちが一堂に会する時が来るという予言が記されているの。そして激動の2023年、私たちは実際にメインランドで再会した。浮島はそんなに大きくないから、とにかくみんな顔見知り。だから、すべては自然に起こったことなの」
ただし、PIRATE QUEEN の5人は RUNNING WILD よりもはるかに年上です。年代期に残る古い記録によると、彼女たちは1523年に海賊を始めています。バミューダ・トライアングルの中にある謎の浮島リクシオンに生を受け、500年もの長い時を刻んできた PIRATE QUEEN の5人は、女王に忠誠を誓いながら世界各地で領海を広げ、名声を上げ、ついに再集結を果たします。すべては、女王の名の下に。音楽の自由、メタルの自由こそ、今の彼女たちが欲する宝。
「私たちは “ファンタジー・メタル” という言葉を使っているのよ。メタル・スタイルとクラシックのミックスだと思っている。パワー・メタルに近いけれど、よりファンタジー的な要素を含んでいると言えるかもしれない。とはいえ私たちが作曲をするときは、ジャンルにとらわれないことを好む。それが海賊の自由の賜物だから。自分たちが作ったものが好きである限り、私たちは海賊船でどこへだって行くことができるのよ」
実際、PIRATE QUEEN の海賊船に踏破できない海はありません。女海賊たちは7つの海へと繰り出し、エピック・メタルの遺産を驚くべき技術とモダンな精神で略奪していきます。クラシックなメタルに壮大なセンスを吹き込み、古の襲撃者たちからインスピレーションを得つつ、未知の海域に踏み込み、見慣れぬジャンルから略奪した宝物でメタルを豊かにしていくのです。
漂流する船の音とセイレーンの歌声。荒波の中で5人はリスナーをフォークとエキゾチックなメロディーの渦に巻き込み、海洋ファンタジーと壮大なメタルの精神を呼び起こします。女王陛下のカリスマ性と海賊たちの無限のエネルギーは、ボーカル・ハーモニー、オーケストレーションを巻き込んで幾重にも重なるメタルの聖地マリージョアをここに完成させたのです。
今回弊誌では、ギタリストにして海賊大将 Victoria Pearl Fata-Morgana にインタビューをおこなうことができました。「リクシオンの海賊の世界も変わってきていて、意見の食い違いがあっても絶対に暴力や戦争が解決策になってはいけないと思っているのよ。我々は海賊で、我々が生き残るために何をしてきたかについて、いろいろと言われることは知っているの。でも、今は戦争は避けなければならないと心から信じている」 “Ghosts” の妖艶な転調がたまりませんね。どうぞ!!

PIRATE QUEEN “GHOST” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SPECTRAL WOUND : A DIABOLIC THIRST】 JAPAN TOUR 24′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SPECTRAL WOUND !!

“We Are Not Particularly Interested In “Pushing The Boundaries” In That Manner. There Is Room Enough For Experimentation In Black Metal Without Turning It Into Toothless Post-rock.”

DISC REVIEW “A DIABOLIC THIRST”

「そう、私たちは特にそうした “境界を押し広げる” ことには興味がない。わざわざ “歯抜けの” 間抜けなポスト・ロックにしなくても、ブラック・メタルには実験を行う余地が十二分にあるからね」
今やブラック・メタルの世界は百花繚乱。シューゲイザー、ポスト・ロック、ジャズ、プログレッシブ、そしてその土地土着のフォーク・ミュージックなど、トレモロとブラストが渦巻く狂乱の暗黒世界は多様に進化を続けています。
ただし、その動きに我関せず、なんなら退化と嘲笑うかのようにブラック・メタルの神秘と美学を守り続けるアーティストも当然存在します。ついに来日を果たすカナダの創傷 SPECTRAL WOUND はそんな鎮守荒神の筆頭でしょう。
「フィンランド人のメロディーの巧みさは、おそらく他の追随を許さないだろうな。自分たちが聴きたいと思う音楽を作っている限りにおいて、メロディにはこだわりたい。ただ我々は広くアピールしようとはせず、自分たちの欲求を満たすことだけを追求しているんだ」
カナダ、ケベックというブラック・メタル生誕の地からは遠く離れた場所に居を構えながらも、SPECTRAL WOUND はあくまでもプリミティブです。何も新しいことはやりたくない。その哲学が、かえって今のブラック・メタル世界には新しいのかもしれません。
絶え間なく迫り来るブラストの海にトレモロの嵐。ただし、彼らの絞り出す寒々しい断末魔のメロディはあまりにも心を抉ります。SARGEIST や HORNA に心酔する彼らにとって、北欧のミュルクヴィズ、暗くて凍える針葉樹の冬を描き出すことこそが理想なのでしょう。
「ブラック・メタルはその創成期から、人間の最もダークな部分を探求する音楽だった。従って、様々な形の過激主義に傾倒していったとしても何ら不思議ではないし、その事実を歴史から消し去ることもできない。私たちはこの歴史を受け入れる必要はないし、弁解する必要もない。ただ、 私たちはそうした歴史を理解し、それと闘わなければならないのだよ」
一方で、SPECTRAL WOUND のブラック・メタル、その背後にある思想は20世紀のそれとは大きく異なります。今でもかつての流れを汲んだ、極右やナチズムに傾倒するブラック・メタル NSBM は少なからず存在します。しかし彼らは、そうした暴力、抑圧、差別に対しては真っ向から反旗を翻しているのです。
Red and Anarchist Black Metal、RABM にまで属するのかはわかりませんが、少なくとも彼らはオールド・スクールなブラック・メタルにニュー・スクールな思想を持ち込んで、世界の闇をインスピレーションとして喰らい尽くしているのです。
今回弊誌では、SPECTRAL WOUND にインタビューを行うことができました。「日本の映画や音楽は大好きだよ。SABBAT, ABIGAIL, BORIS, CORRUPTED, G.I.S.M….彼らははみんな偉大だし、Flower Travellin’ Band, 坂本龍一、清水靖晃、高橋幸宏など、日本の音楽界の巨人たちも素晴らしいね。浅川マキは、北米ではほとんど知られていないけど、とても魅力的なアーティストだ。日本映画では、小津安二郎はその狂気において、黒澤、成瀬巳喜男、北野武、押井守、大友克洋、鈴木清順、三池崇史と並ぶ巨匠であることは間違いないね」どうぞ!!

SPECTRAL WOUND “A DIABOLIC THIRST” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AZURE : FYM】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AZURE !!

“I Was Introducing Chris To Hunter X Hunter While We Were Writing The Storyline For The Album, So I’m Sure There Was Some Sort Of Indirect Inspiration Going On There.”

DISC REVIEW “FYM”

「物語や音楽、芸術、文化のない世界は実に退屈だろう。僕たちがやっていることは単なるエンターテインメントかもしれないけど、喜びや美的体験には価値があるし、プログレッシブ・ミュージックやパワー・メタルが持つ力、現実からの逃避力と回復力はとても意味がある。利益のため、AIの助けを借りて芸術という名の心なきまがいものが冷笑的に生み出される世界では、本物の人間による創造性と魂がさらに必要とされているんだ」
みなさんはメタルやプログレッシブ・ミュージックに何を求めるでしょうか?驚速のカタルシス、重さの極限、麻薬のようなメロディー、複雑怪奇な楽曲、華麗なテクニック、ファンタジックなストーリー…きっとそれは百人百様、十人十色、リスナーの数だけ理想のメタルが存在するに違いありません。
ただし、パンデミック、戦争、分断といった暗澹たる20年代において、これまで以上にヘヴィ・メタルの“偉大な逃避場所”としての役割が注目され、必要とされているのはたしかです。暗い現実から目をそらし、束の間のメタル・ファンタジーに没頭する。そうしてほんの一握りの勇気やモチベーション、”回復力”を得る。これだけ寛容で優しい“異世界”の音楽は、他に存在しないのですから。そして、英国の超新星AZUREは、その2020年代のメタルとプログレッシブ・ミュージックのあり方を完璧に体現するバンドです。
「自分たちを“アドベンチャー・ロック”、”アート・ロック”、”ファンタジー・プログ”と呼ぶこともあるし、友人たちから“フェアリー・プログ”と呼ばれることもある。全て良い感じだよ! 僕たちは冒険に行くための音楽を作っている。そこにはたくさんの魔法が関わっているし、それでも現代的で個人的な内容もあるんだよね」
ヴァイやペトルーシも真っ青の驚嘆のギター・ワーク、デッキンソンとクラウディオ・サンチェスの中道を行く表情豊かなボーカル、チック・コリアを思わせる綿密な楽曲構成、そして大量のポップなメロディーと豊かなシンセが組み合わされ、彼らの冒険的で幻想的なプログ・メタルは完成します。まさに冒険を聴く体験。
AZUREの音のアドベンチャーは、まるで日本のRPGゲームさながらの魅力的なプロットで、リスナーの好奇心をくすぐり、ファンタジー世界へと誘います。それもそのはず。彼らのインスピレーション、その源には日本の文化が深く根づいているのですから。
「このアルバムの最初のコンセプトは、”ダンジョン・クローリングRPG”をアルバムにしたものだった。そこからコンセプトが進んでいったのは明らかだけど、僕らが幼少期にプレイした日本のRPGゲームは、このアルバムの音楽構成や美学に大きな影響を与えている」
影響を受けたのは、ゲーム本体からだけではありません。
「日本のゲーム作曲家もこのアルバムに大きな影響を与えた。ファイナル・ファンタジーの植松伸夫、ゼルダの近藤浩治、そしてダークソウルの桜庭統。彼のプログ・バンドDEJA-VUも大好きだよ」
そうして AZURE の日本に対する憧憬は、サブカルチャー全般にまで拡大していきます。
「日本にはクールなサブカルチャーがたくさんあるから、影響を受けないのは難しいよ!僕たちはJ-Rockバンドや、そのシーンの多くのプロジェクトに大きな愛着を持っているんだよね。高中正義やIchikoroは素晴らしいし、ゲスの極み乙女や Indigo La End など、僕たちが好きな他のバンドともリンクしている。あと、日本のメタル・シーンにも入れ込んでいて、MONO、SIGH、GALNERYUS、Doll$Boxx、UNLUCKY MORPHEUSが大好きなんだ!」
そうしたAZUREの好奇心にあふれた眼差しこそ、21世紀のメタルやプログを紐解く鍵。寛容で多様、生命力と感染力、そして包容力を手にしたこのジャンルは、国や文化、人種、性別、宗教、そして音楽の檻に閉じこもることはありません。
音楽ならつながれる。だからこそ、AZUREの音楽は多くのパワー・メタルやプログレッシブ・ミュージックのステレオタイプな楽観主義とは一線を画しているのです。だからこそ、人間的で、憂鬱に閉ざされたリスナーの心に寄り添えるのです。ここでは、想像上の脅威に対する輝かしい勝利について歌うだけでなく、登場人物たちがクエストに奮闘している音楽、寄り道で一喜一憂する音楽、パーティー内の人間関係の感情を投影した音楽まで描かれます。
そうした情景描写に多くの時間を費やしているのは、リスナーに”Fym”の世界へとより没入してほしいから。ひと時だけでも浮世の痛みを忘れ、逃避場所で回復力を養ってほしいから。今を生きるメタルやプログの多様さに抱かれてほしいから。さあ旅に出よう。まだだれも聴いたことのない冒険が君を待っている!

1.The Azdinist // Den of Dawns
2.Fym
3.Mount, Mettle, and Key
4.Sky Sailing / Beyond the Bloom / Wilt 11:07
5.Weight of the Blade
6.Kingdom of Ice and Light
7.The Lavender Fox
8.Agentic State
9.Doppelgänger
10.The Portent
11.Trench of Nalu
12.Moonrise
Bonus Track
13.Spark Madrigal
14.Demon Returns
Chris Sampson – Vocals, Electric Guitar, Mandolin
Galen Stapley – Electric Guitar, Nylon String, Theremin
Alex Miles – Bass
Shaz D – Keyboards, Grand Piano
Andrew Scott – Drums
Adam Hayes – Bongos, Congas, Fish Guiro on tracks 1, 7, and 11
Nina Doornenstroom – Trumpets on track 3
Camille De Carvalho – Oboe D’amore, Clarinet, and Basson on tracks 4 and 6

日本盤は5/22にMarquee/Avalonからリリース!私、夏目進平によるライナーノーツ完全版とともにぜひ!!

前作リリース時のインタビュー!

AZURE “FYM” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OU : Ⅱ: FRAILTY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANTHONY VANACORE OF OU !!

“Yoko Kanno Is a Prolific Composer In That Area And She Is One Of My Favorite Composers, And Definitely Has an Influence In The Music Of OU.”

DISC REVIEW “Ⅱ: FRAILTY”

「最終曲の “Recall” でジェゴグを使うアイディアがあった。だからそのパートのレコーディングを手伝ってもらえないかと芸能山城組に連絡を取ったんだよ。彼らはとても親切に対応してくれたけど、残念ながら実現はしなかったね。そこで、僕の恩師のひとりであるマイケル・リプシーに連絡を取ったところ、彼がジェゴグの故郷であるインドネシア・バリ島の知り合いに連絡を取ってくれて、そこの偉大なミュージシャン、 Ida Bagus Made Widnyana がそのパートを録音してくれることになったんだ」
デビュー作で世界を驚かせた中国のプログ・メタル・アクト OU から連絡があったのは、彼らがセカンド・アルバムを制作している最中のことでした。あの芸能山城組とコンタクトを取りたい。デビュー作でインタビューを行ってくれた君に何かツテはないだろうか?と。
AKIRA のサウンド・トラックを手がけたビッグネームにツテなどあるはずがありません。しかし、なんとか彼らの期待に応えようと、コンタクト・フォームや電話などでアプローチを試みました。ありがたいことに、芸能山城組からはとても丁寧で親切な返信 (リモートではなく実際に同じ場所で演奏をしたいという哲学) をいただき、残念ながら今回のコラボレートは実現しないことになりました。
「日本のアニメの音楽には以前から興味があったよ。AKIRA の音楽は、これまでに作られたサウンドトラックの中で最も興味深いもののひとつだと思う!菅野よう子はこの分野で多作な作曲家であり、僕の好きな作曲家の一人で、間違いなく OU の音楽に影響を与えているよ」
実現こそしませんでしたがそれでも、私は OU の情熱と包容力と見識の高さに一層魅了されてしまいました。まず、AKIRA や菅野よう子、芸能山城組という日本が誇る革新的な文化に大きく影響を受けている見識の高さ。そして、中国という伝統文化の結晶から、さらにインドネシアのジェゴグ、日本文化にアプローチを試みるその情熱と包容力。まさに、多様性と寛容さが花開く現代のメタル世界、その象徴的存在でしょう。
「音楽全体のテーマとして共通しているのは、”Fragility” 脆さ。そして人間の状態というものが本当にどれほどか弱いものなのか、どれほど簡単に流されてしまうものなのかということを扱っているんだ」
実際、彼らが扱うテーマやその音楽自体も現代のメタルを体現し、今の世界を反映したもの。この暗い世界で私たちは、人間があまりに脆く弱い存在であることを再確認しています。より良き場所へ向かうはずだった世界は、人間の脆さにより挫折し、弱い人間を抑圧し排除するかつての短絡的で “簡単な” 生きづらいレールへと舞い戻ってしまいました。OU は、中国という奇妙にバランスとのれたしかし危うい国から、人間の弱さを見つめ直しています。そして同時に彼らは、かつて強さや勝利に重きを置いていたヘヴィ・メタルの世界線に、弱さや儚さの音の葉を注ぎ込んでメタルの現在地をも更新して見せました。
「STRAPPING YOUNG LAD 時代からずっと、彼の作品はほとんど全部好きだよ。特に彼のアルバムで好きなのは、”Ghost”, “Deconstruction”, Empath”, “Lightwork”, あとはすべてのライブ・アルバムだね。特に “Order of Magnitude” は素晴らしいよ」
そんな儚くも美しい “II:Frailty” において、最後のピースは Devin Townsend のプロデュースとゲスト参加に違いありません。まさにその身を挺してメタルの多様性を切り開いてきた偉人。プログ、パンク、アンビエント、ジャズ、オーケストラにアコースティックとさまざまな切り口でメタルの進化を促した Devin は、”Frailty” にミニマルで繊細な音の織物をマキシムにレイヤーしていきました。ミニマリズムとマキシマイズこそ Devin の真骨頂。爆発的なバンドの力と幽玄絶後なボーカル、そして煌びやかなシンセの海は、まさに狂おしく、夢のように波打ちます。
今回弊誌では、Anthony Vanacore にインタビューを行うことができました。21世紀の “Mandalyon” of THE GATHERING。 二度目の登場。どうぞ!!

OU “Ⅱ: FRAILTY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DARWIN : FIVE STEPS ON THE SUN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DARWIN !!

“I Think Where We Differ From Toto Though Is Sometimes We Can Get Pretty Heavy, Sometimes You Need To Feel The Crunch Or Chugg. But Again, Similar To Toto, We’d Also Like To Reach a Wide Audience.”

DISC REVIEW “FIVE STEPS ON THE SUN”

「僕たちにとって非常に重要なのは、自分たち自身、そしてリスナー全員に、音楽の中で大きな問いを投げかけるよう促すこと。自分たちを取り巻く世界、宇宙、テクノロジー、科学、時事問題について、音楽の “問いかける” 力を感じてもらいたい。僕たちは音楽を通して大きな問いを立てることができる。音楽は、僕たちがこの世界についてどう感じているのか、もっと考える機会を与えてくれるんだ」
音楽やアートは何のために存在するのでしょうか?もちろん、純粋に気持ちよくなるため、感動を味わうためにアートを享受する人も多いでしょう。そうした一方通行で受け身のアートももちろん素晴らしいものです。一方で、アートを受け取って投げ返す対面通行の楽しみ方も、悪くはないものです。アイスランドを拠点とするギタリスト DarWin は、自らの音楽でリスナーに、世界に対して何かしらの “問い” を立ててほしいと願っています。
「僕たちの多くは、ひいひいおじいちゃんおばあちゃんがネアンデルタール人だったのだよ。いずれにせよ、ネアンデルタール人は種として消滅した。 それから1万数千年が経った今、僕たちはここにいる。 僕は、ホモ・サピエンス、つまり現代の “人類” の最後の一族になるとはどういうことなのだろうかとずっと考えていた。 そして “次世代の人類” はどのような姿をしているのだろうか? ホモ・サピエンスの後には何が来るのだろう? 彼らはどのように出現するのだろうか? …ってね。僕はときどき、次世代の人類はいかにテクノロジーに適応し、あるいは融合して、より高度な能力を獲得する必要があるのだろうかと考えることがあるのだよ」
2015年に産声をあげた DARWIN は、克明に暗雲が増えていく世の中でいつしか、人類 “ホモ・サピエンス” の終焉を夢想するようになります。そのプロジェクト名が示すように、DarWin は種の起源と終焉について掘り下げながら、滅びゆく世界で人類の進化、その正当性と妥当性に問いを投げかけるのです。
「エアポッドでバッハを脳内に流しながら外をランニングするほど素晴らしいことはないよ。何百年も前の作曲が、まったく異なる世界情勢に直面しながら、モバイルネットワーク通信、何百ものマイクロプロセッサー、バッテリーエネルギー、その他さまざまな現代の技術革新によって、僕らの脳にストリーミングされているのだから。 古代と未来の衝突はとても魅力的だ」
それでも DARWIN は、人類の可能性を諦めたわけではありません。人類はとても脆いけど、個々の人間には内省があり、希望があり、回復力と大きな可能性を秘めている。その左相がこれまでの素晴らしき音楽の歴史と、未来を見据えたテクノロジーの進化、その融合でしょう。道程と道筋の邂逅。
DARWIN は長い音楽とロックの歴史を抱きしめながら、今を生き、未来を創造しようとしています。ここに参加するアーティストは、ほとんどが百戦錬磨。かつてはあの Billy Sheehan, Guthrie Govan も名を連ねていた DARWIN のラインナップ。今回の “Five Steps on the Sun” では、Simon Phillips, Matt Bissonette, Derek Sherinian, Greg Howe のレギュラー・メンバーに加えて、Andy Timmons も降臨。一方で、新進気鋭のベーシスト Mohini Dey も起用して、まさにロックのロード・ムービーを完成させました。
「たとえプレイヤーたちがみんな狂ったようにシュレッドできるとしても、メンバーの真の貢献は本当に素晴らしい曲にあると思う。 彼らは幅広い聴衆のためにポップなロック・ソングを作ったけど、曲作りには洗練さと思慮深さもあった。 でも、僕らが TOTO と違うところは、時にはかなりヘヴィになったり、クランチやチャグを感じることがあるところだと思う。でも TOTO と同じように、幅広いオーディエンスに音楽を届けたいと思っているんだ」
そんな DARWIN によるロックの “進化論” を探求する試みは、もちろんその楽曲にも及んでいます。プログレッシブでシュレッドを織り交ぜながらも、あくまでメロディとフック、そして構成の妙で勝負する DARWIN の楽曲は、あの TOTO と肩を並べるほどの楽曲派です。
しかし、それだけでなく、ここには Plini や PERIPHERY を思わせる Fu-djent, 近未来的なシュレッドやチャグチャグしたリズムまで存在しています。”ロックの起源” からその道のりを余さず投影した彼らの音楽は、そうしてアートと人類の可能性を指し示しているのです。
今回弊誌では、DarWin にインタビューを行うことができました。P-Vine から日本盤の発売も決定!どうぞ!!

DarWin (g)
Simon Phillips (d, p)
+
Matt Bissonette (v)
Greg Howe (Lg)
Mohini Dey (b)
Derek Sherinian (key)
Julian Pollack (key)
Chariya Bissonette (bv)
Jesse Siebenberg (Ag, bv)
Andy Timmons (Lg)

DARWIN “FIVE STEPS ON THE SUN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OMERTA : CHARADE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH OMERTA !!

“Even Many Of The Biggest Japanese Mainstream Hits Tout Musical Penmanship With Such Finesse That It Makes Western Music Look Amateur And Incompetent By Comparison.”

DISC REVIEW “CHARADE”

「日本のメディアは欧米のメディアよりも常にエッジが効いているんだ。だから、オルタナティブな文化に憧れを抱いて育った子供時代には、当然その方が魅力的だった。題材がより成熟していたのか、アートスタイルがそうだったのか、何にせよ、欧米で普通に見られるものよりも奥深さや意図があるように思えた。また、僕たちはインターネットとともに成長し、日本のメディアは多くのオンライン・コミュニティに信じられないほど強い影響力を持っている。日本の技術力は言うまでもないしね。だから自然と、今日のインターネット文化は、日本にルーツがあるだろうものの下流にある作品が多くなったんだよ」
先日、来日を果たし大盛況のうちにツアーを終えた BLIND EQUATION が最も影響を受けた音楽が、ZUN による東方サウンド・トラックでした。そう、現代ほど日本のサブカルチャーやアンダー・グラウンドの文化が世界中に “飛び火” し、花開いた時代はなかったはずです。なぜそんな状況が訪れたのか。今、日本のネット音楽界隈で最も “バズって” いるアメリカのバンド OMERTA は、その理由を日本のアートが異質で尖っていたから、そうした日本文化を敬愛するオンライン・コミュニティで育ったから、そしてそんなファンタジーの世界が、メタルと同様に暗い世界で増えつつある心を病んだ “メンヘラ” な人たちの逃避場所となっているからだと説明します。つまり、同時多発的な日本文化礼賛バンドのバイラルは、決して偶然ではなく必然なのでしょう。
「アメリカで育ってきた僕にとって、アメリカのメインストリーム音楽はとても “安全” な傾向があるんだよ。西洋音楽と非西洋音楽の断絶は驚くほど明白だよ。平均して、西洋の曲は不協和音、調の変化、半音階的表現、ポリリズムなどを避け、非常に無難な旋律とリズムの慣習に従っている。これとは対照的に、日本の音楽は曲作りやプロダクションのデフォルト・モードとして複雑さやテクニックを用いることが多い。日本ではメインストリームの大ヒット曲の多くでさえ、西洋音楽が素人や無能に見えるほど精巧な音楽的巧妙さを売り物にしている」
さらに、ラテン系やアジア系をルーツに持つ OMERTA にとって、欧米のメインストリーム・ミュージックはあまりに安全で、耳に馴染まず、冒険心のない音楽に聴こえました。移民の国アメリカのメインストリームは、すでに誰からも愛される音楽ではありません。
一方で、吸収と研究が得意な日本。様々な場所から無節操に思えるほど多くの影響を取り入れ、コード感や変調、リズムの豊かさを強調し、それでいて日本らしいポップなメロディを備える  J-Rock やアニメ、ゲームの音楽こそ、OMERTA にとってはよほど魅力的な挑戦に見えたのでしょう。
「メタルコアや Nu-metal、あるいは僕たちより前に存在していたかもしれない他のジャンルの既存の基盤の上に、僕たちの音楽を構築することではない。これらのジャンルにはそれぞれ理論的な天井があり、それを突破することはできないから。僕たちの作曲に対するアプローチは、ラベルを無視して、最も適切と思われるものをただ書くというもの。僕たちは、アーティストとは神のインスピレーションを直感し、解釈し、伝える媒介物に過ぎないと固く信じている。ジャンルの枠に自分を縛ることは、唯一無二の美しさを歪めてしまう危険性があるからだ」
そんな、BLIND EQUATION や OMERTA といった日本文化の “下流“ にある Z世代のアーティストが口を揃えて主張するのが “ジャンルの破壊” です。実際、OMERTA の音楽にジャンルのラベルを貼ることは決して簡単ではないでしょう。巨大なバイラルを得た最新シングル “Charade” を聴けば、メタルコアや Nu-metal はもちろん、プログレッシブ、J-Rock, K-Pop, ボカロやアニメ、ヒップホップなど実に多様な音のパレットが反発することもなく耳下に広がっていきます。
そう、ネット世代の若さは壁をたやすく突き破りました。彼らの使命は、芸術とはこうあるべきだという期待やステレオタイプに挑戦すること。結局、暴力的な芸術とは慣例の破壊。粉々に吹き飛ばされた瓦礫の上に、何か美しいもの、何か新しいものを構築することこそ “Hyperviolence” なのです。
今回弊誌では、OMERTA にインタビューを行うことができました。メタル魔法少年オメルたん。薄い本にも期待です。Vincente Void が生んだ、アメリカで “一番嫌われている” ボーイズ・バンドだそうですよ。どうぞ!!

OMERTA “CHARADE” : 10/10

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COVER STORY + INTERVIEW 【ASIA : THE HEAT OF THE MOMENT TOUR 24】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HARRY WHITLEY OF ASIA !!

“I Really Don’t See It As Replacing John Wetton – Nobody Can, Ever. I’m Here To Keep The Music Alive And Let The Fans Come Together And Enjoy Hearing The Music Live And Loud!”

TIME AGAIN

「鍵となる重要なメンバーが抜けた後、新たにバンドに入る人を見つけるのはとても難しいことだよね。僕は絶対に John の代わりにはなれないと思っているよ。それはね、誰も決してできないことだよ。だけど僕は ASIA の音楽を存続させ、ファンが一緒になって大音量で生の演奏を楽しめるようにするためにここにいるんだ!」
Dimebag Darrell と Vinnie Paul の Abott 兄弟が亡くなった時、誰もが PANTERA は終わったと思ったはずです。実際、彼らはバンドの屋台骨で、心臓で、カリスマで、決して替えのきく存在ではありませんでした。それでも、PANTERA は蘇りました。私が実際に見た PANTERA。それはまちがいなく PANTERA でした。そう、彼らは不可欠な心臓を情熱と愛情、そして使命感で補っていたのです。
鍵となるメンバーが亡くなったり、引退したり、袂を分つことで継続が困難となるバンドは少なくありません。特に、年齢層が高くなったメタルやプログ世界ではなおさらのこと。もちろん、綺麗な思い出だけを封印して大事にしまっておくのもひとつの考え方でしょうが、それでは若い世代が実体験することも叶いません。きっと大事なのは、愛情と尊敬、そして情熱をもって音楽の灯火をつないでいくこと。そして今回、ASIA、そして John Wetton の炎をつなぐこととなった Harry Whitley は、その使命に文字通り燃えています。
「John Wetton はまさに天賦の才を持っていた。素晴らしいボーカリストであり、雷鳴のようなベーシストであり、天才的なソングライターだった。John が残してくれた遺産を引き継ぐのは大変な仕事だけど、喜んで引き受けるよ!オリジナルに敬意を払いつつ、その素材を探求し、自分のものにすることにとても興奮しているんだ」
Zakk Wylde にしても、Harry にしても、決して亡きカリスマのかわりになろうとしているわけではありません。そもそも、人は誰かのかわりになることなどできません。なぜなら、きっとそれぞれの個性は唯一無二の “True Colors” だから。それでも、先人の遺志に敬意を払い、愛情と情熱をそそぎ、自分なりのやり方で美しき灯火を受け継いでいくことならできるはずです。だからこそ、あの素晴らしき John Wetton の声、そしてベースをメンターとして育った Harry Whitley は、新たな ASIA の顔として相応しき人物に違いありません。
「John の後を継ぐというのはかなり大変なことだけど、Geoff は僕に任せてくれているし、ファンやジョンの妻リサ・ウェットンを含め、みんなが応援してくれている。もし ASIA が新しいアルバムをレコーディングするとしたら、再結成アルバムに近いものになると思うけど、もう少しロック的なエッジの効いたものになると思うよ」
実際、新たな ASIA にあるのは、ノスタルジーだけではありません。Al Pitrelli, Guthre Govan, Bumblefoot, Sam Coulson など、以前からわりあい “攻めた” 人選を続けている Geoff Downes ですが、今回はドラムに Virgil Donati, 歌えるギタリストに FROST や IT BITES で知られる John Mitchell を抜擢。非常にエッジの効いたラインナップを揃えてきました。ただ、紙芝居のように歴史を語るだけではなく、歴史を未来へと繋いでいく。そんな気概も見え隠れしますね。
「プログはいつも僕の心の近くにある!なぜなら僕はチャレンジが好きだから。挑戦的な音楽はやっぱり楽しいよ!だからただ出ていって、ただ流れに身を任せるようなことはしたくない。それはファンに対してフェアじゃないからね。プログの世界には面白い音楽がたくさんあるし、それは聴かれるべきものだから、YouTube で作ったビデオを通してプログの世界を新しいリスナーに紹介することにベストを尽くしている。そしてこれからは、ASIA の灯火をつないでいかなければならないんだ」
ASIA の “Sole Surviver” となった Geoff Downes。John Wetton という盟友が “Without You” となっても、彼は “Wildest Dreams” の “Time Again” を諦めてはいません。そして、Harry Whitley という新たな “Voice of ASIA” と出会った Geoff はその夢に “One Step Closer” したはずです。”Open Your Eyes” で “Phoenix” の復活、プログの “Tomorrow the World” を見届けましょう。その行く末はきっと “Only Time Will Tell”…
今回弊誌では、Harry Whitley にインタビューを行うことができました。「ボーカルでは、”The Smile Has Left Your Eyes” が一番難しいかな。ただ歌うだけではダメなんだ!歌詞のひとつひとつに意味があり、そこに感情を込めて歌わなければ魔法はかからないからね」 どうぞ!!

INTERVIEW WITH HARRY WHITLEY

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EXIST : HIJACKING THE ZEITGEIST】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MAX PHELPS OF EXIST !!

“I’d Say I Acquired Language From Listening To Cynic And Death Which Seeped Its Way Into Many Of My Musical Tendencies, I Listened To That Stuff a Ton Because It Spoke To Me On a Deep Level.”

DISC REVIEW “HIJACKING THE ZEITGEIST”

「Paul Masvidal はまさに師匠のような存在で、僕が初めて行ったツアーは CYNIC と一緒だったし、彼や Sean Reinert と関わるようになって、僕の世界は大きく広がった。そして僕は CYNIC と DEATH を聴くことで、今自分の音楽的傾向の多くに染み込んでいる “言語” を身につけたと言える。本当に何度も何度も聴いたからね。それは、深いレベルで彼らの音楽が僕に語りかけてきたからなんだ」
Max Phelps は今や、プログレッシブ・デスメタルの宇宙にとってなくてはならぬ存在です。それはもちろん、DEATH TO ALL の声として亡き Chuck Schuldiner の影を追い、CYNIC では Paul Masvidal をメンターとしてその師事を受けているからだけではありません。Max はその二大巨頭から受け継いだ哲学やスピリットを、自らのやり方で羽ばたかせようとしています。
「ヘヴィーとキャッチー、テクニカルとシンプル。本当にそれ自体が目的だったのかどうかはわからない。なぜなら、それが僕たちの書き方にとってごく自然なことだと思うからね。でも、そういった要素を、より伝統的な曲構成で、よりタイトで短いアレンジに落とし込むというのは、ひとつの目標だったと言えるかもしれないね」
Max はカルト・ヒーローたちの遺伝子を色濃くその身に宿しながらも、より幅広い層にアピールしたいと願っています。そしてその願いは、EXIST の最新作 “Hijacking the Zeitgeist” で成就するはずです。濃縮還元されよりコンパクトとなった曲構成、耳を惹くメロディとフックの応酬、それでいてジャンルの門番をも唸らせるテクニックと複雑性を兼ね備えたアルバムはまさに、プログレッシブ・デスメタルの前代未聞。
実は、その EXIST の新たな冒険は Max もうひとつのヒーロー RUSH の影響で幕を開けました。プログ・デスと同じくらいに RUSH を愛し、RUSH オタクと公言する Max は、このアルバムは彼らにとっての “Permanent Waves” であり、”Moving Pictures”、さらにいえば “Power Windows” であると明言しています。それらは、RUSH にとっての “プログレッシブ” が変化した瞬間。そして、RUSH により幅広いリスナーへの “窓” が開いた瞬間。
「メリーランド州出身ということで、PERIPHERY や ANIMALS AS LEADERS がスタートするのを見ることができたし(昔、地元で一緒にライヴをやったこともある)、それは本当にクールで刺激的だった。Djent という言葉は、コピー商品ばかりで過飽和になり、軽蔑的な言葉になってしまったと思う。でも、そのムーブメントを牽引していたバンドは本当に素晴らしくて、みんな自分の声を持っていた。好むと好まざるとにかかわらず、現代のギター・プレイにも非常に大きな影響を与えたと思う」
アルバムに収録された “Window to the All” が仄めかす通り、この作品はすべての人への窓となりえます。それは、プログ・デスはもちろん、RUSH のようなキャッチーなプログ・ロック、PINK FLOYD や TOOL のような浮遊するサイケデリア、そして THE CONTORTIONIST や PERIPHERY のようなポリリズミックで現代的な Djent の流れまで組み込んだ膨大なる窓。
そこで歌われるのは、人類の新たな “窓” となったインターネット、SNS への執着とそこにある欺瞞。
「多くの人が、SNS で自分と関係のない物事の状況について非常に落ち込んだり、怒ったりしているのは、それが常に自分の目の前にあるからだと思う。自分の身の回りのことや、自分が実際にコントロールできることにもっと集中した方がいいこともあるし、少なくともそこでバランスを取る方がいいのかもしれないよね」
我々はあまりにも、無関係なものごとに左右されすぎるようになりました。それはきっと、ネットという窓が常に覗きすぎているからでしょう。ヘヴィ・メタルという窓は常に開いていますが、覗こうが覗くまいがそれはリスナーの自由。楽器だって、真摯に深く取り組もうが、ネットに動画をアップするだけだろうがそれはプレイヤーの自由。そんな今の寛容なメタルのあり方を Max Phelps はきっと、世界の理想としているのです。
今回弊誌では、Max Phelps にインタビューを行うことができました。「昨年末、CYNIC で来日したとき、僕は初めて日本に行ったんだ。妻も一緒に来てくれて、東京と京都で過ごしたんだけど、本当に楽しかった。正直、今までで一番好きな旅行体験のひとつで、今はいつも日本に引っ越したいと冗談を言っているくらいだよ。日本文化が本当に好きで、僕たちが慣れ親しんでいるカオスと比べて、みんなが親切で礼儀正しく、すべてがスムーズに進んでいることが信じられなかった。また何度も訪れたいよ!」OBSCURA, EQUIPOISE, そしてエンジニアに Anup Sastry という最強の布陣。どうぞ!!

EXIST “HIJACKING THE ZEITGEIST” : 10/10

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