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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GOOD TIGER : WE WILL ALL BE GONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DERYA NAGLE OF GOOD TIGER !!

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“Some Kind Of Rock” Super Group, Good Tiger Shows their High-level Talent And Splendid Chemistry With Newest Record, Statement of Evolution “We Will All Be Gone” !!

DISC REVIEW “WE WILL ALL BE GONE”

TesseracT, THE FACELESS, THE SAFETY FIRE。コンテンポラリーなプログレッシブワールドを象徴する三傑から雄飛せし5人の寵児が集結したスーパーバンド GOOD TIGER が、確かな飛躍の証 “We Will All Be Gone” をリリースしました!!ウルトラキャッチーでエモーショナル、ハイパーテクニカルで、しかし素晴らしくコンパクトに設計されたレコードは、精強なる “雄々しき猛虎” の降臨を世界へと知らしめるでしょう。
2015年に “A Head Full Of Moonlight” で月光の下華麗に登壇した GOOD TIGER は、”Some Kind of Rock” “何かしらのロック” を指標し、その出自であるプログレッシブな感覚と共にポストハードコアのエモーションを枢軸としたモダンな多様性を披露し注目を集めて来ました。
PERIPHERY, VEIL OF MAYA, AUGUST BURNS RED, BETWEEN THE BURIED AND ME, DANCE GAVIN DANCE といったシーンを牽引するビッグアクトとのツアー、さらには古豪 Metal Blade Record との契約はその事実を端的に物語っているはずです。
追い風を受けリリースされた3年振りの新作 “We Will All Be Gone” は、そしてその大きな期待に真っ向から応え全ての面でスケールアップを果たした快作に仕上がりました。眩いメロディーは Elliot の透き通る詩情と共に磨き上げられ総天然色の輝きを放ち、侘び寂びを湛えた美しき至高のコードヴォイシング、思考の粋を尽くしたインストルメンタルパッセージを携えてリスナーに37分の “瞬間的な” カタルシスを届けるのです。
同時に、デビュー作に存在した Djent の潮流、プログレッシブの波動はよりナチュラルにまるで “痕跡” のように楽曲へと吸収され、成熟を果たした猛虎の今を伝えます。
あまりにソリッドでフックに満ちたアルバムオープナー “The Devil Thinks I’m Sinking” は進化の象徴です。CHON を想起させる甘やかなコードの響きに、エンジェリックな Elliot のファルセットが溶け合い昇華するアトモスフィアの洪水は、実にモダンなワイドスクリーン。一方、Alex Rüdinger はその広大かつ傑出したアビリティーで、ロックのグルーヴと的確なアクセント、そしてプロギーで複雑なタイム感とフィルインを司り楽曲を見事にドライブへと誘います。
実際、このプリティーで現代的なコードプログレス、クリーンで繊細なプロダクション、幾重にもレイヤーされた有機的なコーラスとギターの饗宴をプログメタルと称することは、時にその “痕跡”が素晴らしき隠し味、グルーヴのストライドとして見え隠れするにしても、些か的外れにも思えます。
むしろ、インタビューで Derya も認めているように、HAIL THE SUN, STOLAS, SIANVAR, そして何より Blue Swan ロースターの首領でもある DANCE GAVIN DANCE といったポストハードコアの文脈で語られるほうが、今作の感情とテクニックの爆発的なモメンタムを示すにはよりシックリとくるのではないでしょうか。
とは言え、バンドが一般的な “ポストハードコア” の狭い枠へと収まらないことも確かです。”Blueshift” や “Cherry Lemon” で提示したエレクトロニカの儚い響きとデジタルビートをフィジカルで再現する試みは楽曲のメランコリーや郷愁を想像以上に際立たせていますし、時には PINEGROVE をさえ思わせるチル感までをも創出し、さらにアルバムを締めくくる “I’ll Finish This Book Later” では Prince を愛する Derya の魂が R&B の風となり Robert Glasper とも共鳴しながら嫋やかに吹き抜けて行くのですから。
「GOOD TIGER は様々な形で理解され楽しんでもらうことが出来るバンドだと確信しているよ。そしておそらく、僕たちは自らをそれ故に “Some Kind Of Rock” “何かしらのロック” と呼んでいるんだと思うな。」 この刹那を喚起する瞬間の美学は、ジャンルもスタイルも飛び越えて”Some Kind of Important” 重要な何かをシーンに突きつけているのかも知れませんね。
Forrester Savell (KARNIVOOL, DEAD LETTER CIRCUS), Adam “Nolly” Getgood (PERIPHERY, AAL) が残した驚異的にクリアーなサウンドプロダクションの妙も付け加えておきましょう。
今回弊誌では、Derya Nagle にインタビューを行うことが出来ました!2度目の登場となります。「ありがたいことに、僕たちはある特定のジャンルに従う必要もないから、とにかく好きなことをやりたいようにやっているだけさ!」 どうぞ!!

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GOOD TIGER “WE WILL ALL BE GONE” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【heaven in her arms : 白暈 / WHITE HALO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KENT & KATSUTA OF heaven in her arms !!

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PHOTO: Taio Konisi

One Of The Most Dynamic Post-Hardcore Act From Japan, heaven in her arms Has Just Released Gorgeous and Awe-inspiring New Record “White Halo” !!

DISC REVIEW “白暈”

トリプルギターが映し出す濃密なシネマと、アーティスティックで詩的なリリックが交錯する東京のポストハードコアアクト heaven in her arms が実に7年ぶりとなる待望のフルレングス “白暈” を Daymare Recordings からリリースしました!!アートワークにも顕在する “White Halo”、白く差しそめし光芒の暈は、バンドの黒斑を侵食し遂にはその枷をも解き放ちました。
変化の予兆、耽美でアンビエントなイントロダクション “光芒の明時” が燭明のごとくリスナーを “白暈” の世界に導くと、作品は “月虹と深潭” でその幕を開けます。
激烈なトレモロの嵐はまさに深潭、エセリアルなクリーンパートはまさに月虹。前作 “幻月” で提示された、ひたすら深淵をのぞき込むがごときスラッジの閉塞はポストブラックの冷酷へと姿を移し、繊細で艶美なアルペジオは闇夜に映る月輪のように、”浄化” という名の詩情豊かなサウンドスケープをもたらします。
Kent の絶唱と朗読のコントラストは楽曲に豊潤な文体を与え、終盤に観せるリードギターとドラムスの知的で瑞々しいアプローチは風雅をすら運んでいますね。
「今回は”黒い”イメージを脱却したかった」 と Kent が語るように、闇と絶望を宿した黒を基調とするバンドの色彩に仄かな燐光をもたらしたのは、7年間の集大成とも言える “終焉の眩しさ” だったのかも知れません。
COHOL とのスプリットに収録された “繭” と “終焉の眩しさ” を融合し再録したこの名編は、狂気と正気を行き来する壮大な表現芸術です。Katsuta が「heaven in her arms ってどんなバンド?と聞かれた時に “終焉の眩しさ”はその答えとして分かりやすい」 と語るようにまさにバンドを象徴する名曲は、静と動、光と闇、絶望と救済が混淆するダイナミックな激情のドラマとして中軸に据えられ作品の趨勢を決定づけているのです。
奇数拍子と偶数拍子がせめぎ合う “終焉の眩しさ” の根幹はキャッチーとさえ言えるほどフックに満ち溢れたドラムスのアイデアに支えられ、同時にバンドのシグニチャーサウンドであるトリプルギターは轟音、アルペジオ、そして妖艶で耽美なメロディーを宿した極上のリードプレイを奏でます。
「ハーモニーに関して他のバンドとは一線を画したい」 と語るように、heaven in her arms のアンサンブル、コンポジションは決定的でプログレッシブと言えるほどに精密だと言えるでしょう。
実際、heaven in her arms はハーモニーのみならず、その巧みなリズムアプローチにおいても他のポストハードコアバンドと一線を画しています。パイプオルガンの荘厳な響きを “枷” として綯う “円環” は、”5″と”6″のリフレインが異国のメロディーを紡ぐ異形のロンド。ワルツに移行し踊るクラシカルな旋律は静謐も激情も平等に愛し、7年の月日で養ったバランス感覚を洗練という軌跡へと昇華させているように思えます。
“終焉” の先に見据えたものは何でしょう?ブラックゲイズの領域へと侵入したアルバムクローサー、11分のマボロシ “幻霧” では、儚き祈り、悲痛な叫びが霞む海霧の中、確実に希望という一筋の光がリスナーの元へと届くはずです。ワルツで始まりワルツに終わる45分。しかしどこか冷ややかな”光芒の明時” と “幻霧” の仄かな光明を比較した時、そこに更なる深淵が現れるのかも知れませんね。
今回弊誌では、Kent さん(Vo, Gt)と Katsuta さん(Gt)にインタビューを行うことが出来ました。先日出演を果たした日本が誇るハードコア/ポストロックの祭典 “After Hours” についても語ってくれました。どうぞ!!

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heaven in her arms “白暈” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VIVA BELGRADO : ULISES】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CÁNDIDO GÁLVEZ OF VIVA BELGRADO !!

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One Of Spain’s Most Well Thought Screamo/Post-Rock Act, Viva Belgrado Will Come To Japan With Splendid New Record “Ulises” !!

DISC REVIEW “ULISES”

スペイン、コルドバから世界を見据える激情ハードコア/ポストロックバンド Viva Belgrado 待望の初来日が Tokyo Jupiter Records の招聘により決定しました!! スウェーデンの巨人 Suis La Lune、スペインの熱風 Viva Belgrado、そして日本の新たな才能 Archaique Smile, Of decay and sublime が集結する二夜は、激情と美麗が交差する奇跡の瞬刻となるでしょう。
「鮮明で美しいアトモスフィアと、スクリームのコントラストを創造するのが好きなんだ。」インタビューで語ってくれたように、Viva Belgrado は情熱的な激情サウンドと、ポストロックの壮観なる美装を兼ね備えた南欧の逸材です。すでに欧州ハードコア/ポストロックのメジャーフェス Primavera Sound, Fulff Fest, ArcTanGent に出演を果たし、2年間で5度のユーロツアーを行うなどその勢いはまさにとどまるところを知りません。
バンドがリリースした最新作 “Ulises” は、都市や空港、オフィスといった現代社会の日常を舞台とした21世紀の叙事詩です。インタビューを読めば Cándido が各所で “True” “Honest” “正直” “誠実” というメッセージを発していることに気づくでしょう。
「僕たち自身の叙事詩を伝えたかった。」と語る Viva Belgrado の目的地は決して薄っぺらなプレハブの仮設物語ではなく、正直で誠実なアティテュードを携えたリアルなストーリーだったのです。
成功を収めたファーストフルレングス “Flores, Carne” のフォローアップとなる “Ulises” は、前作のアートワークに描かれた優艶な花々が “Ulises” のアートワークにおいて奔放に成長を果たしたように、自身の鮮麗なスタイルを磨き上げ、伸び伸びとしかし着実にスケールアップを果たした意欲作に仕上がりました。
アルバムオープナー “Calathea” は Viva Belgrado のその芳醇な音楽を象徴する楽曲です。パンクの推進力、ハードコアの衝動、ポストロックの情景、スクリーモの直情は、カラテアの新緑のごとく純粋に溶け合いバンドのリアルを伝えています。楽曲の隅々まで見透せるほどにクリアなプロダクションも白眉ですね。
Cándido の声はまさにこの叙事詩の主人公だと言えるでしょう。スクリームし、ラップし、アジテートし、朗読するそのボーカルはまさしく規格外で、さらにその全てがスペイン語を介することにより唯一無二の魅力を発していますね。
時に幸福を、時に悲哀を、時に情熱を、そして常に真実を運ぶ彼のリズミカルなラテンの響きは、リスナーに想像を超えるインパクトを与えることとなるのです。
実際、”Por la mañana, temprano” や “Apaga la llum” は Cándido の存在が成立させた新たな風です。ローズピアノを使用しポストロックの論理で構築されたソフトで繊細な楽曲は、しかし同時にダンサブル。よりコンパクトでストレートな作品を目指したという “Ulises” において、パンクのエナジーで疾走する “Erida” のような楽曲と見事なコントラストを描き出していますね。
Cándido の囁くようなラップは、スペイン語のセクシーな語感を伴いながらエキゾチックで現代的なムードをもたらし、”Apaga la llum” では “En Tokio no paraba de nevar” / “東京では雪が止まなかったんだ” としっかり愛する日本についても触れています。
アルバムは DEAFHEAVEN の息吹を吸収した光のシューゲイズ “Ravenala” で壮大に幕を閉じました。
今回弊誌では、バンドのボーカリストでギターもプレイするCándido Gálvez にインタビューを行うことが出来ました。envy や La Dispute のファンもぜひチェックしてみて下さいね。どうぞ!!

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VIVA BELGRADO “ULISES” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ETERNITY FOREVER : FANTASY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BEN ROSETT OF ETERNITY FOREVER !!

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Dance Gavin Dance, Chon And Strawberry Girls Get Together !! The Super Group, Eternity Forever Mixed Prog Rock And R&B With Their Amazing Debut EP “Fantasy” !!

DISC REVIEW “FANTASY”

ex-DANCE GAVIN DANCE, A LOT LIKE BIRDS の Kurt Travis、ex-CHON の Brandon Ewing、そして STRAWBERRY GIRLS で活躍する Ben Rosett という類い稀なる駿才が集結した新たなファンタジー、ETERNITY FOREVER が鮮烈なデビューEP “Fantasy” をリリースしました!!メンバーが誇る芳醇なキャリアを引き継ぎながらも、新たな冒険へと誘う作品は、近年稀に見る衝撃を伴って永遠に愛される不朽のエバーグリーンとなるはずです。
インタビューにもあるように、ETERNITY FOREVER の物語は昨年行われた CHON と STRAWBERRY GIRLS、そして POLYPHIA が一堂に会した “Super Chon Bros” ツアーから始まりました。
全世界で30万枚のセールスを上げる US インディーの雄 LOCAL NATIVES のベースプレイヤー Nick Ewing を兄に持つ Brandon は当時、CHON の一員としてツアーに帯同していました。Sumerian と契約し今や飛ぶ鳥を落とす勢いで邁進する、カリフォルニアの日差しを全身に浴びたマスマティカルでポジティブなプログレッシブ集団は、Camarena 3兄弟の次男が脱退したためベーシストを必要としていたのです。
一方、Ben Rosett が所属する STRAWBERRY GIRLS は、日本ではまだあまり馴染みのないバンドかも知れませんね。彼らもインストゥルメンタルを主戦場とする実験的なトリオ。ex-DANCE GAVIN DANCE のギタリスト Zachary Garren 率いる異能の集団は、可能性を発掘することにかけては定評のある Tragic Hero Records からダーク&セクシーな名作群をリリースしています。
ポストハードコア、マスロック、プログレッシブが魅力的に交差したツアーで Brandon と Ben は意気投合。Blue Swan, Equal Vision をセンターとしたシーンの中でもずば抜けた歌唱力を有する Kurt Travis との邂逅により、バンドはまさにスーパータレントブラザーズとしての生を受けたのです。
デビューEP “Fantasy” は4曲という僅かなボリュームにもかかわらず、圧倒的な躍動感と無限の可能性を感じさせる作品に仕上がりました。
アルバムオープナーでタイトルトラック、”Fantasy” の幕が上がるとリスナーは、Brandon が奏でる透明で繊細なギターの音色に酔いしれるでしょう。
ビビッドでリリシズムを湛えたその思索的な響きは、アイデアの潮流に乗り、宵闇の風に帆をはらませ無上のサウンドスケープを運びます。確かにここには CHON や DANCE GAVIN DANCE が持つ複雑にして軽快、難解にして耳馴染みの良い、モダンでイマジネーティブなセンスが開花しています。Brandon がベースのみならず、ギターのマイスターでもあることがここに証明されたと言えますね。
Kurt Travis の鮮烈で “黒い” ファルセットが切り込むと、楽曲は新たな顔を啓示しバンドの個性を主張し始めます。Prince を想わせるシルクのように滑らかで心地よいそのファルセットは、彼らの “Fantasy” に濃厚なブラックミュージックの風を誘います。Kurt が過去にどのバンドでも見せることのなかったその切り札は、プログレッシブでマスマティカルなロックとエモーショナルでトライバルな R&B やソウルが遂に溶け合うための重要な魔法の触媒となっているのです。
“Movies” の郷愁と慕情が入り混じった美しきポストロックのキャンパスが、Kurt のソウルフルな黒い歌唱で染めあげられ、未だ見ぬ奇跡の景色を宿す様はまさに ETERNITY FOREVER の真骨頂だと言えるでしょう。
4曲15分のEPを通して流れるのは、作品のプロデュース、ミキシング、マスタリング全てを手がけた Ben Rosett のイデオロギーかも知れませんね。STRAWBERRY GIRLS ではあの Kendrick Lamar のカバーも披露しているように、オープンで瑞々しい感性を持つ彼のアンテナは “Jazz The New Chapter” のマインドと通じます。
Hip Hop やネオソウルに接近し、ジャズの領域をブラックミュージックへと浸透、拡大。インプロビゼーションよりも、明確でソフィスティケートされたプロデュースを主張する Robert Glasper や HIATUS KAIYOTE の方法論を、Ben はプログレッシブロックの分野でチャレンジしたように感じられます。そして彼らの “New Chaper”は、コンパクトでキャッチー、エキサイティングで新鮮な、プログレッシブワールドの稀有なる地殻変動として”永遠永久に”歴史に刻まれることでしょう。
今回弊誌では Ben Rosett にインタビューを行うことが出来ました。今年一番のサプライズ。どうぞ!!

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ETERNITY FOREVER “FANTASY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE DEAR HUNTER : ACT Ⅳ: REBIRTH IN REPRISE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CASEY CRESCENZO OF THE DEAR HUNTER !!

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Progressive/Post Hardcore act from US, THE DEAR HUNTER has just released amazing Rock Opera “Act Ⅳ: Rebirth in Reprise”! Yes, they returned to “Act” series !!

US産 プログロック/ポストハードコアバンド THE DEAR HUNTER が新作 “Act Ⅳ:Rebirth in Reprise” をリリースしました!!
THE DEAR HUNTER は元々、THE RECEIVING END OF SILENCE に所属していた Casey Crescenzo のソロプロジェクトとして始まりました。彼は THE DEAR HUNTER という自身をモチーフにした主人公が、生まれてから死ぬまでの人生譚を”Act” シリーズとして壮大な6章のレコードとして綴っているのです。COHEED & CAMBRIA は5枚のアルバムでSFを完成させましたが、彼は6枚の予定で今作はその4枚目。
実は “Act” シリーズのリリースは3枚目でしばらく頓挫していました。Ⅲ がリリースされたのは2009年。6年の間に彼は、9色の色に対応する9枚のコンセプトEPシリーズ “Colour Spectrum” や、ソロ名義でシンフォニーアルバム “Armor and Attrition” をリリースしていました。今回、帰って来た “Act” シリーズの新作 “Rebirth in Reprise” はそういった経験が見事に生きた74分のドラマに仕上がっていますね。
非常にシアトリカルで、エモーションとフィロソフィーに満ちたレコードです。完成されたパズルのように、全てが収まるべき場所に収まったロックオペラ。特筆すべきはやはり、Casey のボーカルです。ジャジーにスウィングしたり、美しく歌い上げたり、激しくロックしたり、ダンサブルなグルーヴを表現したり。素晴らしくキャッチーなメロディーたちが彼の声によって命を吹き込まれます。日本のプログロックファンならば、美麗でビッグなコーラスワークと時に70/80’s的なメロディーラインから A.C.T や MOON SAFARI に例える人も多いでしょう。ただ、THE DEAR HUNTER は彼らと異なり、楽曲にオルタナティブやポスト・ハードコアの要素を巧みに取り入れていて、リスナーに新鮮味をも感じさせることに成功しています。MUSE や COLDPLAY のようなメジャー感すら感じさせますね。
今回から、他のメンバーたちも作曲にも関わっているため、ピアノ、オーケストラサウンド、そしてそれに協調する楽器たちのアレンジメントも実に見事で、非常にバンドらしいサウンドに進化している点も記して置くべきでしょう。74分というランニングタイムながら、カラフルで常に耳を惹くアルバムは彼がフェイバリットアルバムで挙げている The BEATLES の “Abbey Road” にも例えることが出来そうな傑作と表現せざるを得ないですね。今回弊誌では、バンドの中心人物 Casey Crescenzo にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

THE DEAR HUNTER “ACT Ⅳ: REBIRTH IN REPRISE” : 9,8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE AFTERIMAGE : LUMIERE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KYLE ANDERSON AND THE AFTERIMAGE !!

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CANADIAN NEW COMMER, THE AFTERIMAGE HAS JUST RELEASED FULL OF MELODIC PASSAGE & DYNAMICS NEW EP “LUMIERE” !!

カナダのモダンメタルニューカマー、THE AFTERIMAGE が素晴らしい新作EP “LUMIERE” をリリースしました。”SEEKING” “UNSEEN” “ONYX” の3曲は以前シングルとしてリリースされていたものをリレコーティングし収録という少し変則的なEPですが内容は非常に充実しています。
新作で THE AFTERIMAGE が提示した方向性はテクニカルでヘヴィー、DJENTY な感覚と DANCE GAVIN DANCE, THE FALL OF TROY を想起させる ポストハードコア的な感覚を見事にミックスしたまさに “UNSEEN” なものでした。POLYPHIA, ERRA, INVENT. ANIMATE とツアーを行ったばかりですが、四者四様ながらも全バンドがメタルの先端に立っており確実にそれぞれがシーンの未来を切り開いて行くでしょう。
特に新曲 “DISTANCE” を聴いていただければ彼らの進化が伝わると思います。ハイレンジでキャッチーな”エモい”ボーカル、ピロピロと派手でメロディックなリードは DANCE GAVIN DANCE 直系ですが、楽曲の中盤でブレイクダウンからボーカルが切り込む場面やアトモスフェリックなパートを加えて DJENTY な感覚を見事に融合していますね。”SEEKING” で見せるテクニカルでカオティックな攻撃性と美しいメロディーの対比からは PROTEST THE HERO の影響も垣間見ることが出来ます。”UNSEEN” のイントロで使用しているクリーンギターは CHON のような雰囲気もありますね。アルバム最後を飾る “REACH” のギターを重ねたマスいアプローチも興味深く感じました。
捨て曲なし、フルアルバムが待ちきれませんね。今回のインタビューではボーカルの KYLE ANDERSON が バンドの意見を纏めて答えてくれました。どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

THE AFTERIMAGE “LUMIERE” : 8,6/10

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PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【GOOD TIGER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DERYA NAGLE OF GOOD TIGER!!

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NEW SUPER GROUP HAS JUST RISED!!THE SAFETY FIRE + TESSERACT + FACELESS ARE REALLY STRONG GOOD TIGER !!

メジャーレーベル INSIDE OUT からデビュー作をリリースし、将来を嘱望されたモダンプログバンド THE SAFTEY FIRE。突然の解散を表明したのは今年の7月のことでした。惜しむ間もなくバンドのギターチーム DERYA と JOAQUIN は GOOD TIGER という新バンドを結成しました。発表されたメンバーは2人に加えて ex-TesseracT の ELIOT COLEMAN, ex-FACELESS の ALEX RUDINGER という強力な布陣で、新たなスーパーバンドの誕生と言えると思います。11月にリリースされるデビュー作からファーストシングル “SNAKE OIL” が公開されましたが、メンバー各自が以前所属していたバンドたちの音像とは少し異なっていて非常に面白いと感じました。CONVERGE のようなカオティックなエナジー、THE MARS VOLTA のような知的な躍動感、そして MASTODON のようなへヴィーでプログレッシブなリフを兼ね備えた新しいサウンドには期待感しかないですね。今回弊誌ではバンドの中心人物である DERYA NAGLE に GOOD TIGER としては世界初インタビューを行うことに成功しました。

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