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WORLD PREMIERE: “NIGHTMARE”, “EUPHORIA”, “CRUSH”【POLYPHIA : RENAISSANCE】


WORLD PREMIERE: “NIGHTMARE” “EUPHORIA” “CRUSH” FROM THE FORTHCOMING POLYPHIA’S NEW RECORD “RENAISSANCE” !!

The Dallas, TX-based instru- metal brightest hope,shining star, POLYPHIA set to release their newest album “Renaissance” on 3/11 !! “Renaissance” brings your ears to new realm of music!!

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US,ダラス出身のインストゥルメンタル・シャイニングスター POLYPHIA が3/11に新作 “RENAISSANCE” をリリースします!! ANIMALS AS LEADERS を頂点とし、活況を呈する INSTRU-METAL シーンにとって重要な一枚となることは間違いないでしょう。ドラマーの Brandon 二度目の脱退によりバンドは現在ギター二本とベースのトリオ編成となっています。
さて、彼らがシーンにとって重要な存在である理由。それはまずその端正な顔面とシュッとした容姿にあります。若いおねいさんがライブ会場やSNSに増えますね。そして彼らの音楽も容姿同様甘くてエモーショナル。難解と思われがちなシーンの入り口として期待されます。
今作は EDM、Hip Hop, クラシカルなどモダンな音楽を意欲的に取り入れた野心作。まさに INSTRU-METAL RENAISSANCE を起こすような作品となるでしょう。以前からポップミュージックへの拘りを口にしていた POLYPHIA ですが、 Justin Bieber, Drake, ZEDD, Kendrick Lamar といった最先端のポップミュージックからの影響を前面に出して勝負するようです。AAL, CHON, そして POLYPHIA。三者三様のアイデンティティーでシーンを盛り上げていってもらいたいと思います。

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Renaissance was recorded with Nick Sampson (Asking Alexandria, Of Mice & Men) who co-produced the album with Polyphia guitarists Tim Henson and Scott LePage. Renaissance introduces a new conceptual and artistic direction for the trio’s sound, vibe and visual aesthetic, that sees the band embracing their eclectic musical tastes (which include EDM, hip hop, pop and classical music) to create their own innovative blend of technical, yet melodic instrumental arrangements.
“Runessaece” は Nick Sampson (Asking Alexandria, Of Mice & Men) を POLYPHIA の Tim, Scott と共に Co-Producer に起用して制作されました。”Runessaece” のサウンド、美しいビジュアルは、トリオとなった新しい POLYPHIA のコンセプトや芸術性を表しています。EDM, Hip Hop, Pop, そしてクラッシックといったエクレクティックな要素を取り入れ、テクニカルでありながらメロディアスなインストゥルメンタルアレンジとブレンドすることで、彼ら独自の革新的な音楽を創造したのです。
TRACKLISTING
Renaissance
1. Culture Shock
2. Light
3. Florence
4. Nightmare
5. Storm
6. Bittersweet
7. Symmetry
8. Ivory
9. Paradise
10. Amour
11. Crush
12. Euphoria 

【POLYPHIA TALKS ABOUT “RENAISSANCE”】

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“Our new track “Nightmare” is the first 8-string piece we’ve written,The video tells the story of a ballerina practicing for perfection. Her deranged instructor appears only to make her do it over and over again. She keeps practicing the routine until her feet bleed, and she throws up blood. At the end, she thinks she finally got it perfect, but her instructor has had enough and decides to strangle her out of nowhere. As soon as he makes contact with her, she wakes up to realize that she was only having a nightmare.”
新曲”Nightmare”は僕たちが初めて8弦ギターを使用して書いた楽曲なんだ。このMVはバレリーナが完璧を求めて練習を重ねるストーリーだよ。彼女の狂ったインストラクターは何度も何度も同じ練習をさせるんだ。彼女は足が傷つき血を流すまでルーティンを続けたよ。結局、彼女は遂に完璧になったと思うんだけど、インストラクターは飽きてしまって彼女を突然絞め殺すことに決める。インストラクターが彼女の首に手をかけた時、彼女は目覚めただの悪夢だったと悟るんだけどね。

“As a band, we’ve been pretty clear and up front about our love affair with culturally mainstream music. Arranging the actual sound of the record was somewhat tricky, seeing as how the Justin Bieber and Drake records we’ve been blasting nonstop don’t exactly fit right in with the thematic elements of Renaissance culture. At the end of the day it was actually quite a blast to see what sort of “hybrid” music we could birth between various genres in a tasteful way. It feels really good to know that the internet won’t be able to label this album with a sub-genre quite as easily as it might expect.”
バンドとして、僕たちが現代的なメインストリームミュージックを愛していることは、率直に言ってとても明白だよね。今回のレコードのサウンドを実際にアレンジするのはいくらかトリッキーだったんだ。ノンストップでバカ騒ぎするような Justin Bieber や Drake のレコードがルネッサンス文化に全くフィットしないのは分かるだろう?
結局のところ、実際、様々なジャンルの間から、僕たちがどうやってハイブリッドされた音楽を生み出すことができるかこそが重要なんだ。ネットの人たちだって、このアルバムをサブジャンルで定義することは思っているより簡単じゃないよ。そういう作品を作れたことが本当に嬉しいんだ。

“We want people to recognize the new creative direction we’re going with our music: an almost electronic type of genre merged with instrumental songwriting. One thing we like to experiment with is jamming on hip hop tracks just to see where it takes us, and doing that has helped us come up with some fresh new ideas for song structure, melody, and other things that we haven’t really ever experimented with before. We find that this is a really good way of opening our ears to new realms of music writing. Coming up with catchy, memorable hooks is something we’ve been working hard to implement in our music. It feels good to be giving our fans and friends a new album that’s so emotionally charged and intellectually stimulating. It’s going to make people think things they’ve never thought, feel things they’ve never felt, and hopefully see that Polyphia is expanding in a way that we’re extremely passionate about.”
みんなには僕たちが進んでいる新しいクリエイティブな方向性を理解して欲しい。ほとんどのエレクトロニカのジャンルがインストのソングライティングに融合しているんだよ。hip hop のトラックでジャムってどうなるか試すのが好きだし、そうすることで楽曲の構成、メロディー、そして他にも以前は出てこなかったようなフレッシュな新しいアイデアが湧き出てくるんだ。それが新しいソングライティングの領域に達する為の良い方法だと気づいたんだよ。
キャッチーで覚えやすいフックを楽曲に盛り込むことは僕たちがずっと必死に取り組んで来たこと。ファンや友人のみんなにとてもエモーショナルで刺激的な知性を持った新作を提供出来るから良い気持ちだよ。この作品を聴いてみんなは「こんな音楽、想像したことも感じたこともない。」って思うかも知れないね。POLYPHIA が情熱を傾ける新しく広がる世界を理解してくれたら嬉しいな。

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POLYPHIA FACEBOOK PAGE
POLYPHIA “RENAISSANCE” PRE-ORDER
EQUALVISION RECORDS

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INTERVIEW WITH TRULS HAUGEN 【CIRCUS MAXIMUS : HAVOC】PRE-RELEASE IN JAPAN SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TRULS HAUGEN OF CIRCUS MAXIMUS !!

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Norwegian Prog Metal five piece, Circus Maximus set to release their newest album “Havoc” on 3/2 PRE-RELEASE in Japan !!

メタル交差点、ノルウェーが誇る伝統的プログメタルの正統後継者 CIRCUS MAXIMUS が日本で3/2、海外で3/18に4年ぶりの新作 “Havoc” をリリースします!!
彼らの素晴らしさは、パイオニア DREAM THEATER のスリリングなインタープレイ、複雑な展開をしっかり血肉としながらも、北欧ならではの瑞々しいメロディーを前面に押し出している点にあると思います。それを可能にしているのはまずシーンきっての実力者 Michel Eriksen の卓越したボーカル、澄み切った声質でしょう。KAMELOT で Roy Khan の代役を務めた経歴は伊達ではありません。彼らの最高傑作と名高い “Isolate” 収録の “Arrival of Love” は Michel の特徴を十二分に活かした名曲だと言えるでしょう。JOURNEY さえ想起させる軽快なギターリフに乗る、どこかセンチメンタルでポップな Michael のメロディアスなボーカルは、CIRCUS MAXIMUS が他のプログメタルバンドたちとは明らかに一線を画す存在であると主張しています。
また、時に使用されるシンフォニックなキーボードサウンドやクワイアもじつに効果的。そうして生まれたダークでミステリアスな空気感が彼らの
ヨーロピアンなアイデンティティーを強く伝えてくれますね。
さて、今回弊誌は “Havoc” の全曲試聴以前にインタビューを決行しました。その理由は、まず前作 “Nine” が、質は高いけれども少し全体のインパクトが薄れたように感じられたこと。そして先行公開されたシングル2曲の内、”Havoc” が CIRCUS MAXIMUS の楽曲とは思えないほどアメリカナイズされたヘヴィー&ダークな楽曲だった為です。勿論、もう1曲 “The Weight” は非常に彼ららしい、強力なメロディーとエスニックなテイストを備えたプログレッシブな楽曲だった訳ですが、それ故に彼らの目指すところを確認し、リリース前に読者の皆様にアルバムの方向性をお伝えしたかったのです。
さて、”Havoc” とはどのような作品なのでしょう。バンドの創立メンバー、Haugen 兄弟の弟、ドラマーの Truls Haugen に語ってもらいました。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【上坂すみれ (SUMIRE UESAKA) : 20世紀の逆襲】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SUMIRE UESAKA!!

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One of the Most Popular Voice Actress / Vocalist in Japan, Sumire Uesaka has just released her amazing new record “20 Seiki No Gyakusyuu”!!
DON’T MISS HER “VIOLET CODE” !!

【THE REVENGE OF 20TH CENTURY】

人気声優にして、ボーカリスト、そしてロシアをこよなく愛する現代の革命家、上坂すみれさんが、彼女の魅力を詰め込んだ実に見事な新作”20世紀の逆襲”をリリースしました!!
様々なジャンルの優れたコンポーザーたちが集結し、魅力的な楽曲、歌詞を提供した全18曲のアルバムは、”20世紀”という激動の時代を憧れと想像で “ボーカリスト 上坂すみれ” がリ・イメージしたような濃密でヴァラエティに富んだカラフルな作品、世界観に仕上がりました。 アートワークを美樹本晴彦、丸尾末広、BAHI JDの三氏が描き下ろし、過去と未来、モダンとレトロフューチャーが混在する音楽性、コンセプトが彼女のペルソナに素晴らしくマッチしていますね。
ロック史との邂逅という観点から見れば、メタル/ロックを愛する彼女が敬愛する人間椅子、和嶋慎治さんと筋肉少女帯の大槻ケンヂさんの参加はエポックメイキングな出来事でしょう。和嶋さんが楽曲を手がけ、人間椅子が演奏を担当した “冥界通信~慕情編~” はサバスからオジー、そしてクイーンへのリスペクトが感じられる魅力的なハードロックチューン。そこに上坂さんの独特のナチュラルで表現力豊かなボーカルが乗ることで、世界は”SUMIRE”色に染まります。
また、大槻さんが作詞を行った、”パララックス・ビュー” では激しいラップパートと、ナチュラルでメロディアスなパートを見事に歌い分けており、彼女の確かな成長が伝わります。勿論、筋少の”小さな恋のメロディー” の続編的ストーリーや、NARASAKI さんが手がけたハードな楽曲、ファミコンを想起させるMVも素晴らしいですね。
松永天馬さん率いるアーバンギャルドが提供した “すみれコード” は彼女の別の魅力を伝えてくれます。自ら80年代アイドルのコンピレーションを手がけるほど歌謡曲好きな上坂さんが、菊池桃子さんのような切ない歌声でシットリと歌い上げる楽曲には確かな説得力が存在しますね。極めつけは、”来たれ!暁の同志”。ユーロビートを使用したイケイケな楽曲は昭和感満載で、上坂さんはバブリーなお姉さんにまで憑依出来るのかと驚愕すること必至のオジサンキラーチューンなのです。
これまで、ハードロック、ファミコン、アイドル、ユーロビートとまさに20世紀の聖痕に言及しましたが、モダンな側面も忘れてはなりません。アルバムは絶賛世界を席巻中の EDM を大胆に取り入れた “予感02″ で衝撃的に幕を開けますし、”繋がれ人、酔い痴れ人。” のボカロテイストも非常に現代的。そうして時おり未来をチラつかせる事で生まれたレトロフューチャー感が作品のキモだと感じました。
難しいことは置いておいても、優れたメロディーを備えた全てシングルカット可能な楽曲群を、魅力的なボーカリストが歌い紡ぐ素晴らしいアルバムです。今回弊誌では、上坂さんにインタビューを行うことが出来ました。生産!団結!反抑圧!

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SUMIRE UESAKA “20 SEIKI NO GYAKUSYUU” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VOIVOD : POST-SOCIETY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DANIEL “CHEWY” MONGRAIN OF VOIVOD !!

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Canadian Sci-fi Metal legend, VOIVOD set to release their newest EP “Post-Society” in 2/26 !!
The soul of Piggy lives on within the music of the band…But also, the new members have brought flesh feeling into the sound of Voivod!!

プログレッシブでアグレッシブなカナダの Sci-fi メタルバンド VOIVOD が新EP “Post-Society”を2/26にリリースします!
VOIVOD は2005年に、長年バンドの顔であり、シーンにおいても唯一無二の存在だったギタリストの Piggy を結腸癌で亡くしました。バンドにはパンキッシュだったり、スラッシーだったり、プログレッシブだったりと様々な音楽性の時期が存在しますが、常に Piggy の不協和音や不協和音スレスレの自らが構築したコードワーク、高音で複数弦を使用した独特のリフワークがトレードマークとなっていましたね。彼を失ってからバンドはPiggy が残した音源を使用した “Katroz”, “Infini” という2枚のアルバムをリリースしましたが、これは Piggy 抜きで続けることは不可能という意思表示であり、実際この2作でバンドはその歴史に幕を引く予定だったのです。
しかしながら、2008年からライブで起用していた MARTYR のギタリスト Daniel Mongrain がバンドにフィットし、VOIVOD は Piggy 抜きで初めての作品を制作することを決意。2013年に “Target Earth” をリリースしました。”Katroz” はまだしも “Infini” は、当たり前ですが、アイデアの枯渇が目立っていた上に、VOIVOD にしてはストレートな音楽性であったため終焉やむ無しと感じていたファンは多かったと思います。しかし奇跡の人材 Daniel, いや Chewy が VOIVOD に新たな生命を吹き込みました。仕上がった “Target Earth” はまさにそこに Piggy が存在するかのような見事に “Voivodian” でプログレッシブアグレッシブな作品だったのです。
それから3年。”Post-Society” の充実ぶりはバンドの好調を伝えてくれます。オリジナルベーシストの Blacky がバンドを離れましたが、新メンバー Rocky も実力者で問題は無いようですね。アルバムオープナー “Post-Society” はテンポチェンジを多用したダークでSF感満載のまさに “Voivodian” な1曲。ドライブするベースの上で、不快一歩手前の切り裂くようなコードワークが踊る様にはカタルシスを禁じ得ません。勿論 Piggy の魂は健在!
同時に、新メンバーたちがもたらしたサウンドも重要な役割を果たしています。この楽曲以外にも、EPを通して美しいとさえ言ってしまいたくなるような、知的でアトモスフェリックな静のパートが実に効果的に使用しされていますね。
また、ギターソロではホールズワーステイストの滑らかなレガートプレイなども炸裂。決してソリストではなかった Piggy と比較してより整合性の高い Chewy らしさも発揮されつつあると感じました。そして、それらがおそらくは VOIVOD の未来への重要なヒントとなっているはずです。
加えて、出色な出来の HAWKWIND のカバー “Silver Machine” が素晴らしい Lemmy へのトリビュートとしてEPを特別なものにしていますよ。
今回弊誌では、ギタリストの Daniel “Chewy” Mongrain に話を聞くことが出来ました。日本語を学んでいるそうで、可能な限り日本語で答えてくれました!どうぞ!!

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VOIVOD “POST-SOCIETY”: 9,5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TEXTURES : PHENOTYPE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BART HENNEPHOF OF TEXTURES!!

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One of the greatest pioneer of Modern Metal/Prog band from Netherlands, Textures has just released their conceptual masterpiece “Phenotype !!

オランダが産んだモダンメタル/モダンプログの革命児 TEXTURES が新作 “Phenotype” をリリースしました!この作品は一つのコンセプトのもと制作された2枚組の大作 “Phenotype/Genotype” の前編で、後半の “Genotype” は来年のリリースを予定しています。
ボーカルとキーボードが交代した前作 “Dualism” はキャッチーなメロディー、幾重にもレイヤードされたアトモスフェリックなシンセサウンドを大胆に導入し、シーンに強い影響を与えた一枚でした。今作ではバンドの創立メンバーである、ギタリストの Jochem が脱退し、Joe Tal なる人物が加入。インタビューで自己紹介をしてくれていますが、アルバムを聴く限りかなりの実力者のようですね。結論から言うと、”Phenotype” は “Dualism” で減少したメタリックな要素、リズム面のチャレンジを最高のバランスで復活させつつ、Post-Djent サウンドを一層進化させた素晴らしい1枚に仕上がっていると感じました。
例えば “New Horzon” はまさに “Dualism” サウンドの正統進化形ですし、成熟したシンセサウンド、美しいコーラス、アトモスフェリックな静パートを兼ね備えたプログレッシブな “Illuminate the Trail” などは新たなマイルストーンにも成りうる見事なチャレンジです。
対して、”Shaping A Single Grain of Sand” の MESHUGGAH もしくは GOJIRA を想起させる アグレッション、ヘヴィーなグルーヴは強烈で、後半のメタルコア的なパートも含めて初期 TEXTURES のメタリックな一面を愛するファンを歓喜させるに違いありません。
また今回は、全てのメンバーが作曲に参加しており、ドラムスとアンビエントなノイズで構成される “Meander”、美しいピアノのアルペジオとシンセサイザーが織り成す “Zman” といった短くも印象深いインタルードはまさにバンドメンバー各自の個性が遺憾無く発揮され結実した成果だと思います。そして、その “Zman” に導かれるように始まる “Timeless” は、徐々に DEAFHEAVEN も真っ青な美しい Post-Black 成分を増し行く実に劇的な新機軸。楽曲がピアノのC#で未解決なまま終焉を迎えるのは続編の存在を提示しているのでしょうね。
最後に前作から加入した Daniel de Jongh の変幻自在に進化したボーカルについても記して置かねばならないでしょう。PANTERA? STRAPPING YOUNG LAD? などと例えたくなるようなオープニングトラック “Oceans Collide” ですら、彼のクリーンが切り込むと途端にその雰囲気を変えます。LEPROUS の Einar は勿論モダンプログ界隈の声とも言える存在ですが、”New Horzon” では彼を想起させるほどキャッチーで見事な歌唱を披露していますね。とにかくモダンメタル/プログ界隈にまたしても衝撃を与える作品であることに間違いはありません。今回弊誌ではギタリストで中心メンバーの Bart HENNEPHOF に話を聞くことが出来ました!どうぞ!!

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TEXTURES “PHENOTYPE”: 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MOON TOOTH : CHROMAPARAGON】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK LEE OF MOON TOOTH & RIOT !!

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Aggressive Progressive, From Prog to Sludge!! Eclectic Talented band from NYC, MOON TOOTH has just released their incredible debut full-length “Chromaparagon” !!

NYC からまたカラフルで一風変わった音楽性の素晴らしいバンドが現れました!MOON TOOTH がリリースしたデビューフルレングス “Chromaparagon” のプログレッシブでアグレッシブなサウンドは多くのロックファンを惹き付けることでしょう。
バンドを率いるギタリストの Nick はあの RIOT が亡き Mark Reale の後任として指名した新たな才能でもあります。しかし、MOON TOOTH の音楽は RIOT のトラディショナルなメタルとは大きく異なります。
アルバムオープナーの”QUEEN WOLF”を聴けば、彼らのモダンで自由なコンポジションに圧倒されるでしょう。Mathy & Heavy で実にインテレクチュアルなリフの洪水に、PEARL JAM の Eddie Vedder を髣髴とさせる表情豊かな John のボーカルが乗る楽曲は、近年のプログロックシーンでも一際異彩を放っていますね。
畳み掛けるように “Offered Blood” がアルバムの世界観を確立します。MASTODON をさらにプログレッシブにしたかのようなヘヴィーでテクニカルなリフと、時にスポークン・ワードまで駆使する John のボーカルが生み出す個性は強烈で唯一無二。この楽曲での Nick のギタープレイ、またそれに呼応する手数の多い Ray のドラムスは本当に驚異的ですね。
同時に “Little Witch”, “Chorma” のようなストレートでパンキッシュな楽曲は彼らの多彩さを物語ります。その一癖も二癖もあるオルタナティブなキャッチーさは INCUBAS を想起させますね。
また組曲となっている “Vesvius Ⅰ” “Vesvius Ⅱ” の前衛的なポストハードコアサウンドは THE MARS VOLTA の精神性と近いものを感じさせます。
アルバムを通してリズムへの拘り、複雑で大胆なアプローチはバンドの一体感を伴って MOON TOOTH のアイデンティティになっていると感じました。そして Prog-Sludge を軸としながらもその枠には一切収まりきらないエクレクティックなサウンドは見事としか言いようがないですね。
今回弊誌では Nick に MOON TOOTH, そして RIOT について語っていただきました。Shine On!!

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MOON TOOTH “CHROMAPARAGON” : 9.5/10

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INTERVIEW WITH COLIN BASS 【CAMEL】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH COLIN BASS OF CAMEL !!

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Legendary Prog Rock Band from UK, CAMEL set to return to Japan since 2000 !! Don’t miss “CAMEL goes to our town” !!

英国プログロックの至宝、CAMEL が2000年以来16年振りに待望の来日を果たします!!5/22に日比谷野音で行われる PROGRESSIVE ROCK FES 2016 で STEVE HACKETT とステージを分け合います。舞台は整いました。
ブルージーでありながらメロディアスなギターと、ファンタジックなキーボードをミックスして、独自のプログロックを守り続けて来た CAMEL。時に最も英国らしいバンドと称されるように、彼らの叙情的で、ポップで、少し陰のあるメロディーには確かな説得力がありますね。静と動、陰と陽の使い分けが非常に巧みなバンドでもあります。バンドの中心人物 Andrew Latimer が長年苦しんでいた重病から回復を遂げたことは本当に喜ばしいですね。
初期の傑作と言えばやはり2013年にリレコーディングまでされた “The Snow Goose” でしょう。この Paul Gallico の短編小説を元にしたコンセプトアルバムは、全てインストのみで構成されていながら、小説をそのまま映画化したかのような色彩豊かな作品です。フックに富んでいて、ページをめくるたびに新たな展開が用意されているんですよね。Andrew Latimer のイマジネイティブなレスポールサウンド、Peter Bardens が繰り出すムーグ、エレピ、シンセの絶妙な音色たち、そしてそれを支える Andy Ward と Doug Ferguson の多彩なリズム隊。バンドのマイルストーン的な作品です。
その後、CAMEL は KING CRIMSON の Mel Colins や CARAVAN のメンバーを加入させていく中で、オリジナルメンバーは Andrew ただ1人になってしまいます。ただ、だからといって音楽の”質”が低下したかというと、そんなことは全くありません。むしろ Andrew Latimer が中心となって、新旧メンバーから時代に合わせて必要な人材を配しつつ CAMEL のファンタジックな世界観を再現し続けて来たという風に言えるのかも知れませんね。フュージョン CAMEL にも、AOR CAMEL にも根底には彼らのアイデンティティが存在していたのです。
中でも後期の重要作品が “Dust and Dreams” ではないでしょうか。こちらもスタインベックの”怒りの葡萄”をモチーフとしたコンセプトアルバムなのですが、プロデュース技術の進化と円熟の域に達した作曲術により生み出された、ロマンティックなシンフォニーとさえ言えるでしょう。この名作でベースを担当しているのが、今回インタビューを快諾していただいた Colin Bass 氏。CAMEL への初参加が1979年ですから、不参加の作品、CAMEL自体が活動休止していた時期もありますが、30年近くバンドを支えて来たことになりますね。フレットレスベースを多用し、彼のボーカル共々独自の味を持ったプレイヤーです。ワールドミュージックにも精通していて、彼のソロや 3 MUSTAPHAS 3 では東南アジアやバルカン、アフリカからの影響を披露していますね。CAMEL は元より、昨年リリースされた素晴らしいソロアルバム “At Wild End” についても語ってくれました。インタビューです。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MANDROID ECHOSTAR : CORAL THRONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATT HK OF MANDROID ECHOSTAR !!

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Canadian Prog Metal six piece, MANDROID ECHOSTAR has just released their debut full-length album “Coral Throne” !!

キャッチーなメロディーとテクニック、そしてプログレッシブな展開を兼ね備えたカナダの新鋭 MANDROID ECHOSTAR が新作 “Coral Throne” をリリースしました!!
2013年にリリースされた EP”Citadel” でそのポテンシャルは充分に証明していた彼らですが、初のフルアルバムとなる今作でブレイクすることは間違いないでしょう。MANDROID ECHOSTAR の魅力はモダンなプログメタルとクラッシックなロック/メタルを見事に融合している点だと思います。AVENGED SEVENFOLD の出世作 “City of Evil” はモダンメタルと SONATA ARCTICA のようなパワーメタルを融合した素晴らしい作品でしたが、MANDROID ECHOSTAR の”Coral Throne” は Djent や カオティックな要素まで取り入れさらにアップデートされた内容となっているのです。
アルバムオープナーである “Hypnos” は彼らの長所を凝縮したような楽曲。パワーメタル然としたギターハーモニーのイントロからグルーヴィーな低音リフに移行する瞬間が実にクールです。トリプルギターを最大限に活かして、ギターハーモニーと低音リフの共存を可能にしたエポックメイキングな佳曲ですね。
“Violet Skies” を聴けば Michael Cicca の強力な歌唱と共に彼らのクラッシックメタル/ロックへの傾倒ぶりが分かるでしょう。壮大なスケールで紡がれるエピックな楽曲は初期 ANGRA のようなテイストすらあります。よりプログレッシブで複雑な “Zelos” にも感じましたが高音でファルセットをミックスする Cicca の歌唱はエモというよりも Andre Matos を想起させますね。
同時に、彼らのカナダの血にも触れない訳には行きません。”The Lotus” に象徴されるように、つい最近まで共にツアーを行っていた PROTEST THE HERO のリフワークに影響を受けているのは確実でしょう。”Matoax” に至っては RUSH のようなポップさすら感じますね。カナダから出現するプログバンドはやはり何か持っています。シャープでフレッシュなモダンサウンドとオールドスクールをミックスさせた彼らの楽曲は幅広い層にアピールしそうですね。
今回弊誌ではアートワーク、歌詞、そしてドラムスを担当する Matt HK に話を聞くことが出来ました。どうぞ!!

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MANDROID ECHOSTAR “CORAL THRONE” : 8,8 / 10

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PICK UP ARTIST + INTERVIEW【KALMAH】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PEKKA KOKKO & JANNE KUSMIN OF KALMAH !!

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Melodic Death Metal Giant from Finland, KALMAH set to come to Japan first time ever !!

Pekka と Antti の Kokko 兄弟率いる、メロディックデスメタル最後のまだ見ぬ巨人 KALMAH が Evoken de Valhall Production の招聘で遂に来日を果たします!!
IN FLAMES, DARK TRANQUILLITY, CHILDREN OF BODOM といったオリジネーターたちが、賛否は置いても、その音楽性を大なり小なり変化させて現代を生きているのに対して、KALMAH は不変です。キラキラしたキーボードにキレのあるツインギターリフを乗せ、叙情的なメロディーでリスナーを悶絶させるメロデスの黄金律を頑ななまでに守り続けているのです。勿論そこに、フィンランドのバンドらしいフォークやクラシカルな要素をふんだんに盛り込むのが KALMAH 流。特に、初期の COB ファンなどは KALMAH に宗旨替えをしている方も多いかも知れませんね。
あまりライブを行わないバンドです。ユーロ圏以外では数える程しか行っていないので、今回の来日は非常に貴重だと思います。
今回弊誌ではボーカル/ギターの Pekka Kokko とドラムスを担当する Janne Kusmin の2人に話を聞くことが出来ました。どうぞ!!

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INTERVIEW WITH RONNIE ROMERO 【RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW】RAINBOW REUNION 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RONNIE ROMERO OF RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW !!

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RAINBOW will rise again!! New singer of RAINBOW, RONNIE ROMERO talks about himself, musical upbringing, and Ritchie Blackmore !!

クラッシック・ロックシーン2016年最大のトピックと言えば何と言っても Richie Blackmore が RAINBOW を復活させることでしょう。クラッシックをハードロックに取り入れるというアイデアを、シンプルに、しかし印象的に成功させた初めてのバンドとして、後続に与えた影響は計り知れません。
勿論 Ritchie Blackmore のバンドでしたが、個性的で実力も備えたメンバーを常に揃えていた点も魅力の1つでしたね。特に傑作 “RISING” をリリースした Ronnie James Dio, Cozy Powell の所謂”三頭体制”時代は最も人気があり、リユニオンを熱望されていたのではないかと思います。
実際、Doogie White を擁した1度目の再結成終了後、三頭体制で復活する可能性が1度だけあったようです。残念ながらそのプランは Cozy の死で頓挫してしまいましたが…そして2010年には Ronnie もこの世を去りました。
元々、Ritchie は BLACKMORE’S NIGHT を始めて以降、ハードロックに興味がなくなったと常に語っており、加えて彼ら2人を失ったことで再結成を期待する声も以前よりトーンダウンしていましたね。
しかし、2016年。ここに来て遂に Ritchie は「ファンの声に応えたい」「楽しむために」というステイトメントと共に、新しい Ronnie を手に入れロックに戻って来たのです!!
今回のメンバーは Ritchie, Ronnie Romero (vo), Jens Johansson (key), David Keith (ds), Bob Nouveau (b) の5名。”新しい” Ronnie は LORDS OF BLACK のメンバーとしても知られる実力派。彼の You Tube チャンネルでは DIO や DEEP PURPLE の楽曲を力強く歌い上げる姿が確認出来ます。勿論、Jens Johansson は RISING FORCE, STRATOVARIUS などで活躍して来たスーパープレイヤーですし、Richie を心からリスペクトしていることも知られています。BLACKMORE’S NIGHT のリズム隊が加わり、素晴らしいラインナップが揃ったのではないでしょうか。”Ritchie がロックをプレイする”という事実だけでも非常に意味があるのですが、それ以上の何かを期待できるかも知れませんね。
現在アナウンスされているのは、ヨーロッパで行われる3回のショーのみ。しかし、最新のインタビューで Richie は「3回のショーが上手く行けば、さらに増えるかもしれないよ。」とも語っており、続報、来日の知らせが待たれます。今回弊誌では “NEW RONNIE” こと Ronnie Romero にインタビューを行うことが出来ました。日本のメディアでは初。貴重だと思います!どうぞ!!

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続きを読む INTERVIEW WITH RONNIE ROMERO 【RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW】RAINBOW REUNION 2016 SPECIAL !!