EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JON ANDERSON OF ANDERSON / STOLT !!
Legendary ex-YES Vocalist, Jon Anderson Talks About His New Project With Roine Stolt, Anderson Rabin and Wakeman, And His Thought About YES!!
DISC REVIEW “INVENTION OF KNOWLEDGE”
プログロックのドリームチーム、Anderson / Stolt が傑出したデビューアルバム “Invention of Knowledge” をリリースしました!!
長年 YES の”声”としてバンドを牽引した伝説的ボーカリスト Jon Anderson が、THE FLOWER KINGS, TRANSATLANTIC という2つの優れたプログロックバンドで才能を発揮する ギタリスト Roine Stolt とタッグを組んだ作品は、実に深く、カラフルで、メッセージ性に富んでおり、確実に1+1=2以上の化学反応が存在していますね。
2人を支えるバンドメンバーも YES や RENAISSANCE に関わってきた Tom Brislin (piano, organ, synthesizers), KARMAKANIC の Lalle Larsson (piano, synthesizer), 世界有数のベーシストで THE FLOWER KINGS では Roine の同僚でもある Jonas Reingold (bass), 同じく TFK の Felix Lehrmann (drums) という錚々たる顔ぶれ。
さらにアルバムには PAIN OF SALVATION の Daniel Gildenlöw や、Roine の別プロジェクト AGENTS OF MERCY から Nad Sylvan という豪華なゲストも参加しています。
アルバムは、インタビューで Jon が語ってくれたように、プログロックの過去と未来を繋ぐような作品に仕上がりました。具体的には、YES や GENESIS が紡いだシンフォニックなプログロック第一世代の優美さと、 北欧から端を発したプログ第3の波、THE FLOWER KINGS や ANEKDOTEN といったバンドによるスカンジナビアンプログロックの瑞々しさを華麗に融合させていると言えますね。勿論、 “Knowing”, “Everybody Heals”, “Invention of Knowledge”, “Know” という3つの組曲と1つの大曲の4部構成には、YES の大作 “Tales From Topographic Oceans” を想起するファンも多いでしょう。
アルバムオープナー、”Invention” はまさに”失われた”70年代 YES サウンドをイノベートする強いステイトメント。どこか牧歌的で Jon 特有のメロディーラインが登場すると、リスナーは彼こそが YES の声であることを再確認します。実際、アルバムを通して、ファルセットに近いボーイッシュな Jon の声は瑞々しく、微塵も衰えを感じさせません。特に、”Chase And Harmony” でピアノをバックに朗々と歌い上げる場面などは、心を揺さぶられずにはいられませんね。
同時に、Roine の素晴らしくメロディーとエモーションが調和したリードプレイ、プロデュース、彼のセンスや存在感は Anderson / Stolt がただ過去の焼き直しに終わらないことを強く主張しています。
それを象徴するのが、モダンなコンポジションを取り入れた “Everybody Heals” でしょう。THE FLOWER KINGS の方法論に近いこの楽曲は、現代的なストリングスや Jazz / Fusion のアプローチで飾られ磨き上げられており、リスナーに新鮮な感覚を植え付けます。
実際、アルバムのオーケストレーションは見事で、オリエンタルに終る “Invention” のカウンターパートとも言える “Knowledge” では LED ZEPPELIN の “Kashmir” を現代の技術で再現したかのような、壮大でエスニックなサウンドを提示しています。アルバムを締めくくる大曲 “Know…” における異国情緒溢れるギターソロも白眉。Roine が語っているように、「モダンでクラシカル、ロックでエスニック、トライバルでオーケストレートされ、グルーヴィーで浮遊感を持つ」という考え方を体現しているようにも思えますね。
さらに “Invention of Knowledge” は Jon Anderson というカリスマの哲学を色濃く反映した作品でもあります。彼の常に前向きで、楽観的で、自然を愛するピースフルなマインドスケープは、そのままアルバムのサウンドスケープとして表現され、多幸感溢れるスピリチュアルな作品に昇華しているのです。
今回弊誌では、その Jon Anderson 氏にインタビューを行うことが出来ました。ノスタルジーとコンテンポラリーが見事にミックスされた傑作。話題の Anderson, Rabin and Wakeman についても聞くことが出来ました。どうぞ!!
ANDERSON / STOLT “INVENTION OF KNOWLEDGE” : 9.8/10
【INTERVIEW WITH JON ANDERSON】
Q1: Anderson / Stolt is definitely dream team of Prog. You are off course ex-member of legendary Yes, and Roine is the member of two prominent prog outfits, The Flower Kings and Transatlantic. So, how did this great collaboration come to be?
【JON】: We met for the first time 2 years ago on a big Boat ‘Prog Rock’ trip from Miami to Bahamas…then we performed some YES song together with Transatlantic on the ships last night for fun.., it was such a great time, we made a connection to write a musical story dream together,…
Q1: Anderson / Stolt はまさにプログロックのドリームチームだと言えますね。勿論、あなたはあの伝説的 YES の元メンバーですし、Roine は THE FLOWER KINGS, TRANSATLANTIC という2つの傑出したプログバンドに所属しています。お2人のコラボレーションはどのように始まったのですか?
【JON】: 2年前、マイアミからバハマへ客船で向かう “Prog Rock” の旅 (Progressive Nation At Sea 2014) で彼と初めて会ったんだ。その船で YES の楽曲を TRANSATLANTIC とプレイしたんだよ。楽しむためにね。それは素晴らしい時間だったし、そこから共に夢みる音楽のストーリーを創作する関係が生まれたんだ。
Q2: What’s Roine Stolt to you? Has the impression of him changed after this collaboration ?
【JON】: Yes, he really blew my mind so much, I didn’t realize he was such a very good producer, of course a wonderful musicianship, and his singing with his friends is sublime, making the album sound so fresh and exciting…I am more than happy and he a musical brother.
Q2: Roine はあなたにとってどのような存在ですか?実際に彼とコラボレートしてみて、印象は変わりましたか?
【JON】: うん、僕は本当に彼にとても感動したんだ。彼があんなに良いプロデューサーだとは知らなかったからね。勿論、ミュージシャンシップも素晴らしいし、彼の友人たちとの歌唱も卓越しているね。彼らのコーラスによって、アルバムのサウンドはフレッシュでエキサイティングになったんだ。とても満足しているし、彼は僕の音楽的な兄弟だよ。
Q3: So, when you named this masterpiece “Invention of Knowledge”, what was in your mind? “Invention of Knowledge” comprises three suits and one individual song. Could you tell us about the concept or lyrical themes of the record?
【JON】: We invent our understanding of the world almost everyday, our mind is slowly expanding through the Internet, we are able to discover so much of our past and now so much of our future is playing out in front of our minds eye..it’s a constant creation of ‘knowledge’ opening us up to the ‘oneness’ of being, and realizing we are all connected on the amazing Earth, so I sing to the moon and the sun in all of us, and living a positive life really does work, for we are ‘truth’ and we are ‘made in heaven’ to be loved and give love.
Q3: この傑作を “Invention of Knowledge” と名付けた理由、併せてアルバムのコンセプトや歌詞のテーマを教えてください。
【JON】: 僕たちはほとんど毎日のように、世界についての理解を深めているね。インターネットを通して、僕たちの心は少しづつ広がっているんだ。僕たちの過去や現在を発見出来るし、未来に起こる事だって想像することが出来るんだよ。
“知識”を積み重ねることは”調和”に繋がるし、この素晴らしい地球と僕たち全員が繋がっていることを理解することにもなるね。だから、僕はみんなの中から月や太陽に向って歌うんだよ。僕たちこそが”真実”で、愛し愛されるために”天国で作られた”存在なんだから、ポジティブな生活を送ることに意味があるね。
Q4: I really love this record. The composition is great, and your voice is amazing all through the album. How was the writing process? Did you intend to make “Yes” or “The Flower Kings” taste music? Or try to make something new ?
【JON】: The main point was to relive our musical lives through this album, like a history and a future connected..so of course it reflects the music of Yes and the Flower Kings, it’s a new path for both of us, and a natural one as well, we both knew what we were looking for, and thankfully the musical ‘Gods’ helped to direct us, I feel very grateful and thankful that we did this project.
Q4: “Invention of Knowledge” は楽曲も素晴らしいですし、アルバムを通してあなたの声も傑出しています。ライティングプロセスではどのようなことを意識したのでしょう? YES, THE FLOWER KINGS のような方向性でしたか?もしくは全く新しいチャレンジでしたか?
【JON】: 最も重要だったのは、アルバムを通して、僕たちの音楽に再度焦点を当て命を吹き込むことだったんだ。これまでの歴史と未来を繋ぐようなね。だから、勿論アルバムは YES や THE FLOWER KINGS の音楽を反映しているよ。
同時に、自然と2人にとっての新しい道にもなったね。僕たちは何を求めているか分かっていたし、ありがたいことに音楽の”神様”もそうなるように助けてくれたんだ。このプロジェクトで表現したことにとても満足しているし、感謝もしているよ。
Q5: The line up is also very interesting! Tom Brislin (piano, organ and synthesizers), Lalle Larsson (piano and synthesizer), Jonas Reingold (bass), Michael Stolt (bass and Taurus pedals), Felix Lehrmann (drums), and Daniel Gildenlöw, Nad Sylvan are guest appearance. How did you select them? And is this the full-time project?
【JON】: It was Roine who decided who would help him, I trusted his judgement totally..and I’m sure we will be all together as a band when we get the chance to perform this music next year.
Q5: お2人以外にも、Jonas Reingold をはじめとして錚々たるメンバーが参加していますね?彼らはどのようにして集めたのですか?またこのプロジェクトは永続的なものですか?
【JON】: メンバーは Roine が集めたんだよ。僕は彼の選択を完全に信頼していたからね。
そして、来年になるけど、Anderson / Stolt の音楽をプレイするチャンスが来たら、僕たちはバンドとして集まると確信しているよ。
Q6: Let’s speak about your another project Anderson, Rabin and Wakeman. What made legendary former three Yes members get together?
【JON】: I’ve been chasing this idea for a few years now, always keeping in touch with Rick, and seeing Trevor in LA watching his film scoring and productions over the years, I just felt that if we could connect we would make a great musical adventure for us and of course the fans would love it, but most of all it’s a musical idea, together we will generate a very positive project and re-invent some classic Yes work…..
Q6: あなたは現在 Anderson, Rabin and Wakeman にも携わっていますよね?ex-YES の伝説的3人が再度集結した理由を教えてください。
【JON】: このアイデアは何年も前から温めていたんだ。Rick とは常に連絡を取りあっていたし、Trevor とは LA で会って、何年も彼の映画音楽の作曲やプロダクションを見ていたからね。だからただ、もし僕たちが繋がったら、素晴らしい音楽的冒険が始まると感じたんだよ。勿論、ファンも気に入ってくれるとね。
何よりこれは音楽的なアイデアなんだよ。3人が集まればとてもポジティブなプロジェクトになるだろうね。そして YES のクラッシックも再構築するんだ。
Q7: ARW set to start US tour. But it seems that you are no hurry about making new music. About when can we hear ARW record?
【JON】: We have some new songs for the tour, I’m singing them everyday in my head, waiting till we get together and see what happens..that’s the crazy happy chaos of creating a new band, you never know what’s gonna happen..you just hope that it will work….
Q7: ARW は近々USツアーを行いますが、アルバムの制作に関しては急いでいないようですね?私たちは、いつ頃 ARW の新しい音楽を聴くことが出来そうですか?
【JON】: ツアーでは何曲か新曲を披露するよ。僕は頭の中でそれらを毎日歌っているんだよ。3人が集まる時まで待って、何が起こるか見てみようじゃないか。新しいバンドを作ることはクレイジーでハッピーなカオスだよ。誰も何が起こるかなんて分からないんだ。上手く行くことを祈るだけさ。
Q8: Unfortunately, Chris Squire passed away…How do you feel about Yes now actually without you, Rick, and Chris? Is there any possibility that you’ll return to Yes again someday?
【JON】: I always thank Chris everyday for his love and standing with me to create such wonderful music…. YES is still in my heart and soul, I will always be involved in ‘Yes Music’,…it’s a big part of my life, it’s in my DNA, so I always expect the unexpected..
I’m happy that there are bands out there performing songs I wrote for Yes…it’s part of our history now.
Q8: 残念ながら Chris Squire が亡くなりましたね…。Chris, Rick, そしてあなたのいない今の YES についてはどう思っていますか? いつかあなたがあのバンドに戻る時が来るのでしょうか?
【JON】: 僕は毎日 Chris に感謝し続けているよ。彼の愛、そして僕とあんなに素晴らしい音楽を共に作ってくれた…YES は今でも僕の心と魂なんだよ。
これからも常に”YESの音楽”には関わり続けるよ。それは僕の大部分を占めているし、DNAに刻み込まれているからね。だからいつも、何が起こるか分からないとは思っているよ。
僕が YES に書いた曲をプレイするバンドが存在することは嬉しいね。それも今では僕たちの歴史の1部なんだよ。