EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NIKO MOILANEN OF BLIND CHANNEL !!
“We’ve Never Been Afraid Of Pop Music And We Believe Hit Songs Are Hit Songs For a Reason. We Have No Shame In Being Musically Inspired By Everything Cool That’s Happening In The Mainstream Music Scene.”
DISC REVIEW “EXIT EMOTIONS”
「アメリカのマーケットは巨大で、独自の世界だ。フィンランドやヨーロッパの多くの人たちは、アメリカを目指す僕たちをクレイジーだと言ったけれど、僕たちにとってそれは最初からの計画だった。
“Wolves in California” は、僕らのアメリカでの経験を歌った曲だけど、北欧のルーツを強さに変えて、アメリカのオーディエンスに僕らのエキゾチックな部分を強調した曲でもあるんだ」
“世界最大のバンドになりたい!”。80年代ならまだしも、人々の趣味嗜好、そして音楽ジャンル自体も枝葉のように細分化された現代において、そんな言葉を吐くバンドがいるとしたら、それは大言壮語の狼男か歌舞伎者でしょう。そう、たしかに BLIND CHANNEL は北欧の狼であり歌舞伎者。しかし、歌舞伎者だからこそ、彼らはアメリカでも “北の狂気” を貫き、冒頭の言葉を達成しようとしているのです。
「僕らは最初から野心的で反抗的だった。ビルボード・メインストリーム・ロック・エアプレイにチャートインしたフィンランドのバンドは、僕らが3組目だと思う。でも、僕らに影響を与えたバンドのほとんどはアメリカ出身だから、それが常に目標だったんだ」
フィンランドには “北の狂気” という言葉があります。”できない” と言われたら、それが間違っていることを証明するために、とにかくやってみる。やりつづける。まさにそれが BLIND CHANNEL の原始的なエネルギー。北欧のメタルといえば、メロデス、ブラック、ドゥーム、プログレッシブのようなカルトで陰鬱なものが多い中で、彼らは最初からアメリカを目指し、メインストリームにこだわりつづけました。
「フィンランド出身の国際的な Nu-metal は僕たちだけだからね。たぶんそれは、僕たちがポップ・ミュージックを恐れたことがなく、ヒット曲にはヒット曲の理由や価値があると信じているからだと思う。メインストリームの音楽シーンで起こっているクールなこと全てに音楽的にインスパイアされている。それを恥じることはないんだ“」
その若さと顔の尊さから、かつては “ボーイズ・バンド” と揶揄されたこともあった BLIND CHANNEL。しかし、彼らはそうした侮蔑でさえも野心のために利用します。人気を得るためなら、衣装も揃え、ダンスも覚える。すべては、メインストリームで勝負するため。なぜなら、彼らは売れる曲、売れるジャンル、トレンドとなる音楽には、それだけの価値や理由が秘められていると信じているから。そして、売れることでより多くの人に、彼らのメッセージを届けることができるから。
「僕たちは、人々が感情を吐き出すためにライブに来ていることに気づき、僕たちのショーでも同じような逃避場所を人々に提供したいと思ったんだ。特にここ数年、世界はクソみたいな場所だった。僕たちは、ガス抜きができて楽しい時間を過ごすための安全な空間を提供したいんだ」
“ここ数年、世界はクソみたいな場所だった”。世界で勝負をつづける彼らは、だからこそ、いかに今の世界で憂鬱や喪失を抱え、孤独で居場所のない人々が多いのかを知っています。そして彼らに寄り添えます。なぜなら、BLIND CHANNEL 自身も、北欧の村社会で自分を貫き居場所を失った過去があるから。ステレオタイプに反抗していじめを受けた心の傷を持つから。
ただし、”ヴァイオレント・ポップ” としてアメリカでこれだけ大きな波となった今、彼らは自らの出自である北欧のエキゾチックな煌めき、そして “Hybrid Theory” よりも “Meteora” を選ぶオルタナティブな感性が成功を後押ししたことに気づきました。メインストリームを目指していても、必要なのは他とは違う可能性。そしていつも “劣勢” から巻き返してきた彼らは、メタルの回復力でカリフォルニアのオオカミたちとして君臨することになったのです。
今回弊誌では、ボーカル Niko Moilanen にインタビューを行うことができました。マンガやアニメは僕の日常生活で大きな役割を果たしているんだ。ナルト、ブリーチ、鋼の錬金術師で育ったからね。デスノートと進撃の巨人は今まで作られたアニメで最高のシリーズだと思うし、今でも年に1回は見ている。いつか自分のマンガを描くのが夢なんだ。ストーリーはもう書いてあるんだけど、絵が下手なんだよね…」初の来日も決定!どうぞ!!
BLIND CHANNEL “EXIT EMOTIONS” : 9.9/10
INTERVIEW WITH NIKO MOILANEN
Q1: Most Scandinavian bands play brooding music such as melodic death metal, doom and progressive. It’s rare for us to play rock and metal in the middle of the mainstream like you guys do, would you agree?
【NIKO】: It’s definitely rare. As far as we’re concerned we’re the only international nu metal act from Finland ever. Maybe it’s because we’ve never been afraid of pop music and we believe hit songs are hit songs for a reason. We have no shame in being musically inspired by everything cool that’s happening in the mainstream music scene.
Q1: スカンジナビアのバンドの多くは、メロディック・デスメタルやドゥーム、プログレッシブといった陰鬱で複雑な音楽を演奏する傾向がありますよね。あなたたちのようにメインストリームのど真ん中でロックやメタルを演奏するのは珍しい気がしますが?
【NIKO】: 間違いなく珍しいね。知る限り、フィンランド出身の国際的な Nu-metal は僕たちだけだからね。たぶんそれは、僕たちがポップ・ミュージックを恐れたことがなく、ヒット曲にはヒット曲の理由や価値があると信じているからだと思う。メインストリームの音楽シーンで起こっているクールなこと全てに音楽的にインスパイアされている。それを恥じることはないんだ。
Q2: In fact, there are so many popular or cult bands coming out of Mother Nature’s Scandinavia, but very few of them have swept the American Billboard? If you guys are going for it, that’s very ambitious, right?
【NIKO】: Yes. We’ve been ambitious and defiant since the very beginning. I think we’re the third Finnish band to ever chart Billboard Mainstream Rock Airplay. But that was always the goal, since most of the bands that influenced us come from America.
Q2: 実際、北欧の大自然からは多くの人気バンドやカルト・バンドが誕生していますが、アメリカのビルボードを席巻しているバンドはほとんどいませんよね。それを目指しているとしたら、とても野心的なことですよね?
【NIKO】: そうだね。僕らは最初から野心的で反抗的だった。ビルボード・メインストリーム・ロック・エアプレイにチャートインしたフィンランドのバンドは、僕らが3組目だと思う。でも、僕らに影響を与えたバンドのほとんどはアメリカ出身だから、それが常に目標だったんだ。
Q3: The song “Wolves in California” seems to refer to you in just such a situation. In fact, is there any difference at all between continuing to make music in Scandinavia and having a hit in the U.S.?
【NIKO】: Not much! Of course the US market is a huge market, a world of its own. A lot of people in Finland and Europe called us crazy for aiming to US, but to us it was the plan since day one. ”Wolves in California” is a song about our experiences in America, but it’s also about turning our nordic roots to our strenght and underlining the things that make us exotic to the US audience.
Q3: “Wolves in California” という曲は、まさにそうした状況にいるあなたたちを描いているようです。実際、スカンジナビアで音楽を作り続けることと、アメリカでヒットを飛ばすことに違いはあるのでしょうか?
【NIKO】: そんなに多くはないよ!もちろん、アメリカのマーケットは巨大で、独自の世界だ。フィンランドやヨーロッパの多くの人たちは、アメリカを目指す僕たちをクレイジーだと言ったけれど、僕たちにとってそれは最初からの計画だった。
“Wolves in California” は、僕らのアメリカでの経験を歌った曲だけど、北欧のルーツを強さに変えて、アメリカのオーディエンスに僕らのエキゾチックな部分を強調した曲でもあるんだ 。
Q4: What is interesting is that you guys used to be about 16 years old and you didn’t mind being called a boy band. You had the ambition to use your youth and looks if you could escape the Scandinavian stereotypes and old conventions, How about that?
【NIKO】: When the metalheads started calling us a boyband, it was meant as an insult. But we turned that into our strenght and got matching outfits and booked a mirror hall to practice choreographies. It helped us stand out from other rock bands. Plus, we’ve always loved to provoke audiences, they either love us or hate us. There’s no in-between, and that’s how we want it.
Q4: 興味深いのは、あなたたちはかつて16歳くらいのころ、ボーイズ・バンドと呼ばれることに抵抗がなかったということです。スカンジナビアのステレオタイプや古い慣習から逃れられるなら、その若さとルックスも利用しようという野心があったわけですよね?
【NIKO】: メタル・ヘッズが僕らをボーイズ・バンドと呼び始めたのは、侮辱の意味でだった。でも、僕らはそれを自分たちの強みに変えて、おそろいの衣装を用意したり、振り付けを練習するために鏡のホールを予約したりしたんだよ。そのおかげで他のロックバンドと差をつけることができた。
それに、僕たちはいつも観客を挑発するのが大好きで、観客は僕たちを好きになるか嫌いになるかのどちらかなんだ。その中間はないし、それが僕たちの望みでもある。
Q5: “Exit Emotions” is also a great title! In fact, the world is full of people with depression and loss due to wars, pandemics, and divisions. For those people, this music is the perfect escape and outlet, isn’t it?
【NIKO】: Yes, and that’s where the album title comes from. We were touring in Germany and saw this club full of red lights, spikeballs hanging from the ceiling and people dancing. It looked beautiful and fun, but there was also a sense of darkness and danger. We realized that the people came to that place to exit emotions, and decided we wanted to offer people a similar kind of escape at our shows. The world’s been a shit place for the past few years. We wanna offer a safe space to blow off steam and have a good time.
Q5: “Exit Emotions” というタイトルも素晴らしいですね!実際、世界には戦争やパンデミック、分断によって憂鬱な気分や喪失感を抱えた人々がたくさんいます。そんな人たちにとって、この音楽は最高の逃避先であり、感情のはけ口なのではないでしょうか?
【NIKO】: そう、それがアルバム・タイトルの由来なんだ。ドイツでツアーをしていたとき、天井からスパイク・ボールがぶら下がっていて、人々が踊っている赤いライトに満たされたクラブを見たんだ。美しくて楽しそうだったけど、暗くて危険な感じもした。
僕たちは、人々が感情を吐き出すためにその場所に来ていることに気づき、僕たちのショーでも同じような逃避場所を人々に提供したいと思ったんだ。特にここ数年、世界はクソみたいな場所だった。僕たちは、ガス抜きができて楽しい時間を過ごすための安全な空間を提供したいんだ。
Q6: More specifically, it is an album that embraces the listener’s “pain” very well, isn’t it? I heard that you guys have experienced bullying, so I guess that makes you understand the feelings of those who have pain, right?
【NIKO】: We’ve had our share of pain and darkness. We’ve always been very emotional and artistic, and it wasn’t always easy. Now we’re using pain and darkness as inspiration to our songs, and the best feedback we’ve got is when people say our music has helped them through difficult times. That’s always heartwarming to hear and keeps us going.
Q6: さらにに言うと、リスナーの “痛み” を抱きしめたアルバムとも言えますよね?お二人はいじめられた経験もあるそうですが、痛みを持つからこそリスナーの痛みを代弁できるのでしょうか?
【NIKO】: そうだね、僕らにも痛みや闇はあった。僕たちはいつも感情的で芸術的に生きてきて、簡単なことばかりではなかった。今、僕たちは痛みや暗闇をインスピレーションにしている。だから僕たちが得た最高のフィードバックは、僕たちの音楽が困難な時期を乗り越える助けになったと言ってくれる人たちだ。それを聞くだけでいつも心が温まり、僕たちは前進し続けることができるんだ。
Q7: Speaking of escapism, Japan is a mecca for fantasy of escape such as games and anime, music, are you interested in Japanese sub-culture?
【NIKO】: A big fan, actually. Manga and anime play a huge part in my everyday life. I grew up with Naruto, Bleach and Fullmetal Alchemist. I think Death Note and Attack on Titan are among the best series’ ever made and I still watch them both at least once a year. It’s a dream of mine to one day have a manga of my own. The story’s is already written, I’m just not good enough at drawing.
Q7: 逃避といえば、日本はゲームやアニメ、音楽など現実から逃避できるファンタジーの宝庫です。日本のサブカルチャーに興味はありますか?
【NIKO】: 実は大ファンなんだよ!マンガやアニメは僕の日常生活で大きな役割を果たしているんだ。ナルト、ブリーチ、鋼の錬金術師で育ったからね。デスノートと進撃の巨人は今まで作られたアニメで最高のシリーズだと思うし、今でも年に1回は見ている。いつか自分のマンガを描くのが夢なんだ。ストーリーはもう書いてあるんだけど、絵が下手なんだよね…。
Q8: I understand you guys are influenced by Linkin Park, specifically “Meteora”?” Many artists seem to cite “Hybrid Theory” as a favorite, but why “Meteora” for you?
【NIKO】: Both albums are amazing and it’s impossible to choose which one is better. The production and songwriting are so well done that to this say, no one has topped it. The first Linkin Park song I ever heard was ”Numb” so maybe that’s why ”Meteora” feels so important.
Q8: LINKIN PARKの、特に “Meteora”に影響を受けているそうですね?多くのアーティストが “Hybrid Theory” をお気に入りとして挙げているようですが、あなたはなぜ “Meteora” なのでしょうか?
【NIKO】: どちらのアルバムも素晴らしくて、どちらが優れているか選ぶのは不可能だよね。プロダクションもソングライティングもとてもよくできていて、今に至るまで誰もこれを超えるものはいない。ただ LINKIN PARK の曲を初めて聴いたのが “Numb” だったから、だから “Meteora” がより重要な作品だと感じるのかもしれないね。
FIVE ALBUMS THAT CHANGED NIKO’S LIFE!!
Linkin Park “Meteora”
keeps inspiring me to this day.
Bring Me The Horizon “Amo”
helped me through a bad breakup and showed me how powerful relief music can be.
My Chemical Romance “The Black Parade”
the soundtrack of my teenage years and an ever-growing artistic inspiration.
Enter Shikari “A Flash Flood of Colour”
my path to heavier music and a live-show inspiration.
Twenty One Pilots “Blurryface”
encouraged me to be my own weird self, and make a career out of it.