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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TIBERIUS : SINGING FOR COMPANY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAHAN TABRIZI OF TIBERIUS !!

“I think as a band, we very much try to be as authentic as we possibly can be, in a world of bands trying to be scary, masculine and tough, we’re just not like that as people, we like to think we’re cutting through the noise by being different and being honest about who we are.”

DISC REVIEW “SINGING FOR COMPANY”

「バンドとして、僕たちは可能な限り本物で、信頼できる存在であろうと努めているんだ。怖くて男らしく、タフであろうとするバンドの世界の中で、僕たちはどう考えてもそういう人間じゃない。僕たちはメタルのステレオタイプとは違っていて、自分たちがどんな人間かについて正直であることで、雑音を跳ね除けられると思いたいんだ」
ヘヴィ・メタルは男のもの。タフで強いもの。悪魔と死体の音楽。そんなステレオタイプは、21世紀に入って変わろうとしています。今では、女性のアーティストは少なくありませんし、死体や悪魔、剣と鎧のファンタジーだけではなく、内省的でパーソナルなテーマを扱うバンドも増えてきました。
そんなメタル世界で、スコットランドの新鋭 TIBERIUS はありのままの自分を見せることこそ、今のヘヴィ・メタルのあるべき姿だと信じています。なぜなら、ヘヴィ・メタルは正直な音楽だから。弱さを抱きしめる音楽だから。許しの音楽だから。そして、強い人間など、実はこの世界には存在しない、それこそ非現実的なファンタジーだから。
「僕たちは明るい色が大好きでね! 2018年に “Dissipate” のビデオ撮影でこの色にバイブスして、それ以来、ライブの演出やアートワーク、あるいは僕のピンクとブルーのギターを通して、この色をバンドの一貫したテーマにしてきたんだ!」
そんな TIBERIUS の、いやヘヴィ・メタルの現在地が如実にあらわれたミュージック・ビデオこそ、”Mosaic” だといえるでしょう。これほど、メンバー全員が幸せそうに、自然な笑顔でメタルを奏でるMVがこれまであったでしょうか?これほど、ピンクやブルーのビビッドカラーが映えるバンドがこれまで存在したでしょうか?これほど、ポジティブで、優しく、高揚感あふれる楽曲がこれまで聴けたでしょうか?
そう、TIBERIUS はメタルのステレオタイプを、そして閉塞感あふれる現代の暗がりを、”ありのままの自分” を見せることで打ち破り、正直で寛容な “より良い世界” を目指そうとしているのです。だからこそ、彼らは “Singing for Company”、仲間のために声を上げて歌います。
「複雑なリズムや曲の構成、テクニックを、リスナーにとって親しみやすいものにしているというだけで、”プログレとしては物足りない” と考える批評家もいる。一方で、”パワー・メタルとしては重すぎる” “激しすぎる” と考える人もいる。僕はそれを誇りに思っているんだ。もし君が心を開いてくれさえすれば、僕たちは誰にとっても何かを与えることができるし、もし君が心を開かないのなら、それは君の損失となる!」
ゆえに、彼らの音楽自体もメタルのステレオタイプで推し量ることは不可能。欧州版 AVENGED SEVENFOLD、あるいは IRON MAIDEN と LEPROUS の婚姻などと評される彼らの音楽は、パワー・メタルというには複雑すぎる、激しすぎる。プログ・メタルと呼ぶには高揚感がありすぎる…そんな批評家の声を浴びることもありました。しかし、それは逆に言えば前代未聞、唯一無二なる彼らの個性。メタルに加わる新たな魅力。そうした “異端” をも、心を開けば好奇心の新たな翼となる…TIBERIUS は自身の特異な音楽を通して、音楽の力で、世界に寛容さと許しの本質、そして何より笑顔を届けるのです。
今回弊誌では、ギタリスト Jahan Tabrizi にインタビューを行うことができました。「日本文化は間違いなく僕に影響を与えている。僕は子供の頃から X Japan の大ファンで、最近では The Gazette、The Back Horn、MIYAVI、LOUDNESS といった J-ROCK もよく聴いているので、おそらくそれらのいくつかが長年にわたって僕のソングライティングに浸透しているのだろうね」笑顔のメタル。 どうぞ!!

TIBERIUS “SINGING FOR COMPANY” : 10/10

INTERVIEW WITH JAHAN TABRIZI

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【JAHAN】: I was interested in music from a very young age, I remember getting a Sony Walkman when I was around 10 years old and the first tape I got was ‘ABC’ by Jackson 5, and then a friend’s Brother copied The Offspring’s ‘Americana’ which I played on repeat until CD’s became available and I bought Conspiracy of One, also by the Offspring. This was my gateway into heavy music and throughout my life I have went through different obsessions with various sub-genres such as Power Metal, Death Metal, Progressive Metal, Hard Rock and Nu-Metal. I was becoming a teenager when Limewire and Napster were at the height of their popularity and it gave me access to infinite music!

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【JAHAN】: 僕は幼い頃から音楽に興味を持っていたんだ。10歳くらいの頃にソニーのウォークマンを買って、そうして初めて買ったカセットテープは JACKSON 5 の “ABC” だったね。その後、友達の兄が OFFSPRING の “Americana” をコピーしてくれて、CDが手に入るまで繰り返し聴いていたな。そのころ、同じく OFFSPRING の “Conspiracy of One” も買ったね。
これがヘヴィ・ミュージックへの入り口となり、その後はパワー・メタル、デスメタル、プログレッシブ・メタル、ハード・ロック、Nu-metal など、様々なサブジャンルにハマっていったんだ。10代になる頃には Limewire と Napster が人気絶頂期で、無限の音楽に触れることができたんだよね!

Q2: I feel some classical influences in your music. Did you name your band after the great Finnish composer Jean Sibelius?

【JAHAN】: That’s an interesting interpretation! I’d say there’s definitely some elements of classical for sure! However, our band is named after Grant’s cat ‘Tiberius’ who was tragically struck by a car.

Q2: あなたの音楽にはクラシックの影響も感じますね。バンド名 TIBERIUS はフィンランドの偉大な作曲家、ジャン・シベリウスにちなんでつけたのですか?

【JAHAN】: 面白い解釈だね! 確かにクラシックの要素はあると思う! でも、僕らのバンド名は、Grant の飼い猫で、車にはねられるという悲劇に見舞われた “ティベリウス” にちなんでいるんだ。

Q3: When it comes to Scottish metal, Alestorm and Saor are well known, and they sing about their ancestors, the Vikings, and the beautiful landscape and history of Scotland. Do those themes influence you as well?

【JAHAN】: While I don’t think we’ve written any songs specifically about Scotland, there are a lot of Scottish sensibilities in our tongue-in-cheek lyric writing. It’s a very Scottish trait to use humour as a way to cope with terrible situations, like the state of the world right now. And of course, we’ve put bagpipes on a song!

Q3: スコットランドのメタルといえば、ALESTORM や SAOR が有名ですが、彼らは祖先やヴァイキング、スコットランドの美しい風景や歴史について歌っていますね。そういったテーマはあなたにも影響を与えていますか?

【JAHAN】: スコットランドについて特別に書いた曲はないと思うけど、僕たちの毒のある歌詞の書き方には、スコットランド的な感覚がたくさんあるんだよ。 今の世界情勢のようなひどい状況に対処する方法としてユーモアを使うのは、とてもスコットランド的な特徴だ。もちろん、バグパイプを使った曲もあるしね!

Q4: Some people describe your music as a European version of Avenged Sevenfold or the marriage of Iron Maiden and Leprous. Indeed, it’s an interesting combination, too catchy for prog metal and too complex for power metal, would you agree?

【JAHAN】: Those are certainly some flattering comparisons because I love all those bands! But you’re right, I often think Tiberius has a little bit of an identity crisis, some critics think we’re “not prog enough” just because we’ve managed to take complicated rhythms, song structures and techniques and make them approachable to the listener while others think we’re either too heavy or too intense for Power Metal. I’m proud of it, we have something for everyone if you open your mind to it, and if you don’t that’s your loss because we’re not changing!.

Q4: あなたたちの音楽を、ヨーロッパ版 AVENGED SEVENFOLD、あるいは IRON MAIDEN と LEPROUS の婚姻と表現する人もいます。 確かに、プログ・メタルとしてはキャッチーすぎるし、パワー・メタルとしては複雑すぎる、面白い組み合わせですよね?

【JAHAN】: 君の挙げたバンドはどれも大好きだから、確かにお世辞としても良い比較対象だね! 複雑なリズムや曲の構成、テクニックを、リスナーにとって親しみやすいものにしているというだけで、”プログレとしては物足りない” と考える批評家もいる。
一方で、”パワー・メタルとしては重すぎる” “激しすぎる” と考える人もいる。僕はそれを誇りに思っているんだ。もし君が心を開いてくれさえすれば、僕たちは誰にとっても何かを与えることができるし、もし君が心を開かないのなら、それは君の損失となる!

Q5: I really love the music video for “Mosaic” !In fact, I feel it is one of the greatest videos in metal history! Everyone is smiling, uplifting, and really kind. Metal is usually associated with grotesque corpses, heroic warriors, and terrifying demons, but you have completely destroyed those stereotypes, haven’t you?

【JAHAN】: Thank you! I’m really proud of how that came out. I was inspired by some horrible looking clothing from a menswear brand and I pitched the idea to Chris as it works so well with the lyrical content for Mosaic, being someone completely different when no one is watching. I think as a band, we very much try to be as authentic as we possibly can be, in a world of bands trying to be scary, masculine and tough, we’re just not like that as people, we like to think we’re cutting through the noise by being different and being honest about who we are.

Q5: “Mosaic” のミュージック・ビデオは本当に素晴らしいですね!実際、メタル史上最高の MV のひとつだと思いますよ! みんなが笑顔で、アップリフティングで、本当に優しさが感じられますね。
メタルというと、グロテスクな死体、英雄的な戦士、恐ろしい悪魔といったイメージがありますが、TIBERIUS はそういった固定観念を完全に壊していますよね?

【JAHAN】: ありがとう!あのミュージック・ビデオで実現したことを本当に誇りに思っているよ。あるメンズ・ウェアーのブランドのひどい見た目の服にインスピレーションを得て、人は誰も見ていないときはまったく別人になるという、”Mosaic” の歌詞の内容ととてもよく合うから、あのビデオのアイデアを Chris に提案したんだ。
バンドとして、僕たちは可能な限り本物で、信頼できる存在であろうと努めているんだ。怖くて男らしく、タフであろうとするバンドの世界の中で、僕たちはどう考えてもそういう人間じゃない。僕たちはメタルのステレオタイプとは違っていて、自分たちがどんな人間かについて正直であることで、雑音を跳ね除けられると思いたいんだ。

Q6: The artwork also breaks the metal mold with its bright pinks and blues! “Singing for Company” in a way symbolizes that metal is now a music of tolerance and unity?

【JAHAN】: We love bright colours! We vibes with these colours on the video shoot for Dissipate back in 2018 and have made them a consistent theme in our band ever since through our live show production, artwork, or even my pink and blue guitars!

Q6: アートワークも鮮やかなピンクとブルーでメタルのステレオタイプとは明らかに異なりますね。 “Singing for Company” はある意味、メタルが今や寛容と団結の音楽であることを象徴しているような気がします。

【JAHAN】: 僕たちは明るい色が大好きでね! 2018年に “Dissipate” のビデオ撮影でこの色にバイブスして、それ以来、ライブの演出やアートワーク、あるいは僕のピンクとブルーのギターを通して、この色をバンドの一貫したテーマにしてきたんだ!

Q7: At the same time, I feel that there now exists an important role for power metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【JAHAN】: You’re right, people need to escape the harsh realities of life sometimes, but you can’t ignore them forever! There’s definitely some influences for me, growing up I was a huge X Japan fan and I listen to a lot of J-Rock these days too such as The Gazette, The Back Horn, Miyavi and Loudness so perhaps some of those have snuck into my songwriting over the years!

Q7: 同時に、パワー・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが今、暗い世界からの逃避先として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオゲームも似た役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はありますか?

【JAHAN】: 君の言うとおり、人は時には人生の厳しい現実から逃れる必要があるけど、それを永遠に無視することはできないね。日本文化は間違いなく僕に影響を与えている。
僕は子供の頃から X Japan の大ファンで、最近では The Gazette、The Back Horn、MIYAVI、LOUDNESS といった J-ROCK もよく聴いているので、おそらくそれらのいくつかが長年にわたって僕のソングライティングに浸透しているのだろうね。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【JAHAN】: Yeah, the world is super messed up right now, more so than it has been for a long time. Metal bands have the opportunity to speak up about injustice in the world through their music but also use their platforms and influence to spread the word. Local music scenes have the opportunity to build communities and safe spaces for those marginalised by hate groups. The world only gets better if we make it better and music is powerful in SO many ways!

Q8: パンデミック、戦争、分断、差別、抑圧と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い場所になっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょう?

【JAHAN】: そう、世界は今、これまで以上にめちゃくちゃになっている。メタル・バンドには、音楽を通じて世界の不正義について声を上げる機会があるだけでなく、プラットフォームや影響力を利用してその言葉を広める機会もあるんだよ。
僕らの地元の音楽シーンには、ヘイト・グループによって疎外された人々のためのコミュニティと安全な場所を生み出す機会がある。僕たちが世界をより良くさえすれば、世界はより良くなるだけで、音楽はそういう意味で非常に多くの点で強力なツールなんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JAHAN’S LIFE!!

The Offspring “Conspiracy of One”

Kiss “Self Titled”

Slipknot “Iowa”

Dream Theater “Scenes from a Memory Part 2”

Protest The Hero “Fortress”

MESSAGE FOR JAPAN

Hello Japan! We would really love to come play in your beautiful country one day, so please tell all your friends about us and make sure to pick up your copy of Singing For Company from Disk Union!

日本のみんな、こんにちは! いつか君たちの美しい国で演奏したいと思っているよ。だから、ぜひ友人に僕たちのことを話して、ディスク・ユニオンで “Singing For Company” を手に入れてほしいな!

JAHAN TABRIZI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VALHALORE : BEYOND THE STARS】 JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE OF VALHALORE !!

“Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.”

DISC REVIEW “BEYOND THE STARS”

「オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ!」
VALHALORE。ヴァルハラの伝承という、まるで北欧神話から抜け出てきたような名前の彼らは、実はオーストラリアのバンドです。太陽の日差しが降りそそぐグレート・バリアリーフと、極寒の北欧神話はあまりにも正反対ですが、だからこそ VALHALORE は欧州的なサウンドを探求しました。そこにないなら、自分たちが作ればいい。ヘヴィ・メタルの寛容さは、ルール違反を罰することなどありません。
「僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ! 」
ただし、その欧州的なサウンドは実にカラフルで、魅力的。なぜなら、彼らの根底には、白夜の太陽 WINTERSUN から流れる “混血の美学” を受け継いでいるから。WINTERSUN のセルフ・タイトルと “Time” が、21世紀を代表する北欧メタルの逸品であることに疑いの余地はありませんが、その傑作の誕生に寄与したのがまさにその “混血の美学” であり、モダン・メタルらしい多様性でした。
メロデス、パワー・メタル、フォーク・メタル、シンフォニック・メタル、プログ・メタル…どのジャンルにも収まりきらない面妖でしかし起伏と驚きに満ちたオーロラの楽曲は、凄まじいシュレッドと様々な民族楽器に彩られた理知的なごった煮。VALHALORE の探求する北欧神話の宇宙には、明らかにあの “Time” と同様の美しき “混血の美学” が宿っています。
「僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!」
マンドリン、チェロ、パイプ、ホイッスルに縦笛、横笛。さらに和楽器の琴まで使用する伝統民族楽器のるつぼもまた、VALHALORE の魅力のひとつ。Sophie の操る艶やかな管楽器は、硬質な彼らの音楽を徐々に溶かして、テンポの速いメタルの嘶きに濃密なアクセントを加えていきます。
ここにのチェロとマンドリンの欧州的で荘厳な響きが加わることで、力強いメタルとオーガニックで本格的なフォークの生命が見事に重なり合います。さらに、佳曲 “Heart on the Sea” には、あの Anna Murphy が参加。ELUVEITIE で培った先駆者の威厳を見せつけながら、このジャンルの弛まぬ進化に目を細めます。そう、歴史に彩られたフォーク・メタルもまた、歴史を重ね、その文化を広げているのです。
今回弊誌では、ボーカル、チェロ、マンドリンとひとり三役の Lachlan Neate にインタビューを行うことができました。「僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ」 来日も決定。どうぞ!!

VALHALORE “BEYOND THE STARS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【LACHLAN】: Like most kids, I grew up listening to the music my parents listened to on our long road trips around Australia. I grew up on ABBA, The Beatles, Bee Gees, Beach Boys, Eagles. This is where my love for vocal writing and arranging came from.
Then as I got older, I moved towards Led Zeppelin, Deep Purple, KISS and Black Sabbath. Since then, I dove deeper and deeper into heavier music, staring at punk, now all the way to extreme metal.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【LACHLAN】: 他のキッズと同じように、僕は両親がこの広いオーストラリアを車で旅行するときに聴いていた音楽を聴いて育ったんだ。ABBA, THE BEATLES, THE BEACH BOYS, THE EAGLES…ヴォーカルのライティングやアレンジへの思いは、ここから生まれたんだ。
それから歳をとるにつれて、僕の興味は LED ZEPPELIN, DEEP PURPLE, KISS, BLACK SABBATH へと移っていった。それ以降、パンクから始まり、今ではエクストリーム・メタルまで、よりヘヴィーな音楽へとどんどん深みにはまっていったんだ。

Q2: Australia is now famous for prog metal like Karnivool and Caligula’s Horse, but what made you decide to do European-style symphonic folk metal?

【LACHLAN】: Simply, there wasn’t a lot of the “European” sounding bands in Australia, so we wanted to write and perform the music that we wanted to listen to and see over here! That said, we love the Aussie prog scene, particularly our friends Caligula’s Horse and Voyager.

Q2: オーストラリアは近年、KARNIVOOL や CALIGULA’S HORSE のようなプログ・メタルが有名ですが、なぜよりヨーロッパ風のシンフォニック・フォーク・メタルをやろうと思ったのですか?

【LACHLAN】: 単純に、オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ! とはいえ、オージーのプログ・シーン、特に友人のCaligula’s HorseやVoyagerは大好きだよ。

Q3: However, your music transcends various genres, and that’s what’s really great about it! Power metal, folk metal, melodeath… In a way, you represent a diverse range of modern metal, would you agree?

【LACHLAN】: We never have tried to put ourself into one musical “box”. The six of us all listen to a wide variety of different music from Jazz to classical to metal, so I think our individual influences all shine through in our music. We’ve never tried to be “the next” anyone, just “the first” Valhalore.

Q3: ただ、あなたの音楽は様々なジャンルを超越していますよね! パワー・メタル、フォーク・メタル、メロデス…ある意味、VALHALORE の音楽はモダン・メタルの多様性を象徴していると言えるのではないでしょうか?

【LACHLAN】: 僕たちは、自分たちをひとつの音楽的な “箱” に押し込めようとしたことはないんだ。僕たち6人は皆、ジャズからクラシック、メタルまで幅広いジャンルの音楽を聴いているから、それぞれの影響が VALHALORE の音楽にも表れていると思う。つまり、僕たちは “次の誰か” になろうとしたことはなく、ただ “最初の” VALHALORE になろうとしただけなんだよね。

Q4: Valhalore has great, well-crafted lyrics, but “Beyond the Stars” stays away from the folk-metal-esque historical fantasy, right? Why is that?

【LACHLAN】: For Beyond The Stars, I wanted to create a lyrical universe that was more about the human experience, rather than a “story” narrative. I wanted the lyrics to be more raw and emotional, something that people would latch onto and be able to relate to in their own lives.

Q4: VALHALORE は練り込まれた歌詞も素晴らしいのですが、”Beyond the Stars” はフォーク・メタル的な歴史ファンタジーから遠ざかっていますよね?

【LACHLAN】: “Beyond the Stars” では、”ストーリー” 的な物語というよりも、人間的な経験についての歌詞の世界を作りたかった。 歌詞は一般的なフォーク・メタルのファンタジーよりももっと生々しく、感情的で、人々が自分の人生において共感できるようなものにしたかったんだ。

Q5: The ethnic instruments played by Sophie are a great addition to the album and one of the faces of the band. Can you tell us about the advantages and difficulties of incorporating such ethnic instruments into metal?

【LACHLAN】: When Anthony wrote the first album (Voyage Into Eternity) he was just writing music for his own enjoyment and that he wanted to write, never planning for it to become a band. As we’ve progressed, Sophie’s whistle and woodwind instruments have become an iconic aspect of our sound. The challenge mainly comes for our live sound engineer, having to mix a gentle acoustic instrument against the ferocity of a metal band!

Q5: Sophie が演奏する民族楽器は、アルバムに素晴らしいアクセントを加え、バンドの顔の一つとなっていますね。民族楽器をメタルに取り入れることの利点と難しさについて教えていただけますか?

【LACHLAN】: Anthony が最初のアルバム( “Voyage Into Eternity” )を書いたときは、ただ自分が楽しみたい、自分が書きたい音楽を書いていただけで、それがバンドになるとは考えていなかった。だけど僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。
ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!

Q6: Anna Murphy is one of the pioneers in bringing ethnic instruments into the metal world, why did you have her as a guest?

【LACHLAN】: We have all been longtime fans of Eluveitie, and subsequently Anna’s other projects. We love her work as a vocalist and as a musician, so having her as a guest on this album was really a dream come true. Her haunting vocal quality was perfect for the feel of Heart of the Sea, so she was a natural choice of guest vocalist.

Q6: Anna Murphy はメタルの世界に民族楽器を持ち込んだ先駆者の一人ですが、なぜ彼女をこのアルバムのゲストに迎えたのですか?

【LACHLAN】: 僕たちは皆、ELUVEITIE の長年のファンであり、その後の Anna の他のプロジェクトにも大好きなんだ。 ヴォーカリストとして、またミュージシャンとしての彼女の仕事が大好きだから、このアルバムにゲスト参加してもらうのは本当に夢のようなことだった。
彼女の心に響くヴォーカルは、”Heart of the Sea” の雰囲気にぴったりだったね。だから、ゲスト・ヴォーカリストに選んだのは自然なことだったよ。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【LACHLAN】: We have always aimed to bring an uplifting and empowering energy to our music, and therefore, our fans. We are all greatly inspired by movie and video game soundtracks, so there’s definitely a lot of influences from Japanese culture. We love bands like Wintersun who really utilise Japanese instruments, and we do as well. I even played the Koto for our song Aether!

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、この暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームもそうした役割を果たしていると思うのですが、日本文化からの影響はありますか?

【LACHLAN】: 僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ!

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【LACHLAN】: Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い雲に覆われていきました。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょう?

【LACHLAN】: 僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LACHLAN’S LIFE!!

Wintersun “Time”

Trivium “Shogun”

Deep Purple “Machine Head”

Nightwish “Once”

Blind Guardian “A Twist in the Myth”

MESSAGE FOR JAPAN

We are so excited to come back and see you all in 2026 and beyond! Be sure to come and party with us in Tokyo this March (on my birthday too)! Yabai!

2026年、そしてそれ以降も、またみんなに会えることをとても楽しみにしているよ! 今年の3月(僕の誕生日でもある)には、ぜひ東京で一緒にパーティーをしよう! ヤバイね!

LACHLAN NEATE

来日公演の詳細はこちら。Evoken de Valhall Production

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日本盤のご購入はこちら。Ward Records

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WINGS OF STEEL : WINDS OF TIME】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PARKER & LEO OF WINGS OF STEEL !!

“Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.”

DISC REVIEW “WINDS OF TIME”

「ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる」
SNS という人間のほんの一面だけを切り取って強調し、分断を加速させる悪魔のツールに汚染された現代社会において、ヘヴィ・メタルほど一体感や前向きな力を得られる場所は他に多くはないでしょう。ヘヴィ・メタルを聴いている間は、体感している間は、ライブを浴びている間は孤独から解放される。異なる意見、異なる国籍、異なる文化、異なる人種であっても、ヘヴィ・メタルにおいてはひとつになれる。ヘヴィ・メタルの回復力で困難を克服できる。
そんな素晴らしきヘヴィ・メタルの世界は、その寛容さ故に伝統や壁を破壊し、様々なジャンルや文化を養分として、細分化という枝葉を瑞々しく伸ばしています。だからこそ一方で、”バンディエラ”、旗頭の欠如という問題に直面しているのかもしれませんね。自由極まりないメタル世界だからこそ、メタルらしいメタルをやりづらい、焼き直しになりかねない。WINGS OF STEEL はそんなメタル世界で “時の風” を駆け抜け、”現代的な” 伝統的ヘヴィ・メタルを復活させ、メタルのバンディエラへ堂々たる名乗りをあげたのです。
「80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ」
メタルのメタルらしいバンディエラとなるためには、ソング・ライティング、ミュージシャン・シップ、メロディ、そして揺るぎない個性…そのすべてが必要とされますが、WINGS OF STEEL はまさにその “すべて” を兼ね備えています。彼らには、あの “Painkiller” で JUDAS PRIEST が提示した強烈なテクニックを超越した現代技巧の最高峰が備わっていますし、IRON MAIDEN が “Somewhere In Time” で刻み込んだ作曲術の極みも宿っています。そして憂を帯びた雄々しきメロディと11分の長尺曲で勝負する強い個性。つまりWINGS OF STEEL には、80年代にメタルを牽引した二大巨頭に備わる奇跡的な才能と似た可能性を確実に秘めているのです。
「80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。 VICIOUS RUMORS や初期の QUEENSRYCHE, METAL CHURCH, CRIMSON GLORY, RIOT といったバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ」
加えて重要なのは、彼らがまだ20代という若さにして、私たちの愛する古き良きアメリカン・ヘヴィ・メタルの真髄を極めていることでしょう。当時パワー・メタルと呼ばれていたアメリカのメタル・ソルジャーたちは、メタルという狭い枠の中でいかに個性を、フックを、起伏を出せるかに心血を注いでいました。そうした伝統や格式の中に光るアイデンティティ、不自由の中の自由を、WINGS OF STEEL は誰よりも今、謳歌しているのです。
そう、21世紀最初のメタル四半世紀が過ぎ、メタルは原点への回帰を志向します。何よりも、耳馴染みがよく歌えて聴きやすい。流行りの NWOTHM、ETERNAL CHAMPION や HAUNT のいなたさも悪くはないですが、WINGS OF STEEL のトラディショナル・ヘヴィ・メタルはもっと明快でわかりやすく、より多くのリスナーにアピールし、鋼鉄の翼を広げてアリーナへと上り詰めるはずです。
今回弊誌では、ギタリストの Parker Halub と ボーカリスト Leo Unnermark にインタビューを行うことができました。「パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ」 ギターソロに見事なストーリーがあり、ボーカルの声質も相まって STRATOVARIUS を想起させる場面も。とにかく、DIO の “Lock Up the Wolves” が人生を変えたアルバムなのですから、間違いありませんね。どうぞ!!

WINGS OF STEEL “WINDS OF TIME” : 10/10

INTERVIEW WITH PARKER & LEO

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【PARKER & LEO】: Growing up, we listened to a wide range of music. Beyond heavy metal, Leo was raised on and gravitated toward a lot of 70s hard rock and contemporary blues, while Parker, alongside metal, discovered bands like Journey and many of the early NWOBHM groups at a young age.
That said, much of what left the deepest impression on both of us came from the 70s and 80s hard rock/heavy metal era. This era shaped our sense of melody, atmosphere, and emotional storytelling in a very fundamental way and is where our musical backgrounds came together to create something unique.
At the same time, we were always curious and open to different sounds and genres, and we believe that having a strong foundation while remaining open-minded, naturally shaped how we approach music today.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは幅広い音楽を聴いて育ったんだ。Leo はヘヴィ・メタル以外にも、70年代のハード・ロックやコンテンポラリー・ブルースを聴いて育ち、そこから影響を受けた。一方 Parker はメタルに加え、JOURNEY や初期のNWOBHM バンドを若い頃に数多く発見したんだ。
とはいえ、僕たち二人に最も深い印象を残した音楽の多くは、70年代と80年代のハード・ロック/ヘヴィ・メタル時代から来ているね。この時代は、僕たちのメロディー、アトモスフィア、そして感情的なストーリー・テリングのやり方を根底から形作った。そこに、それぞれの音楽的バックグラウンドが融合して、他に類を見ない音楽を生み出すことができたんだ。
同時に、僕たちは常に好奇心旺盛で、様々なサウンドやジャンルにオープンだった。そして、強固なメタルの基盤を持ちながらもオープンマインドであり続けたことが、今の僕たちの音楽へのアプローチを自然と形作っている…そう信じているよ。

Q2: I am truly amazed at your ultra-high technique ! What musicians were your heroes?

【PARKER & LEO】: We’ve always been drawn to music that combines strong technical ability and musicality with emotional expression. Players and singers who didn’t just impress technically, but who also knew how to tell a story through their playing and writing, naturally became our heroes.
This includes, but is not limited to, artists such as John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, and Paul Rodgers.
Many of the classic artists from the 70s and 80s left a lasting mark on us ― not only for their skill, but for the standards they set in songwriting, arrangement, and musical identity, and for how their collaborations helped define entire eras of heavy music. Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.

Q2: WINGS OF STEEL の超絶テクニックには本当に驚かされます! どんなアーティストがヒーローだったんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは常に、高い技術力と音楽性、そして感情表現が融合した音楽に惹かれてきたんだ。技術的に優れているだけでなく、演奏と作曲を通して物語を伝える術を知っているプレイヤーやシンガーは、自然と僕たちのヒーローになっていったね。
John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, Paul Rodgers…といったアーティストがそうだし、もちろん彼らに限らず、多くのアーティストに当てはまることだけどね。
70年代と80年代の名だたるアーティストの多くは、僕たちに忘れがたい影響を与えてくれた。それは、彼らの技術だけでなく、作詞作曲、アレンジ、そして音楽的アイデンティティにおいて、彼らが打ち立てた高い基準を浴びることができたということなんだ。そして彼らのコラボレーションがヘヴィ・ミュージックの時代を形作る上でいかに貢献したか。パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ。技術そのものに重点を置くのではなく、そのバランスこそが僕たちの目指すものなんだよ。

Q3: What’s great about you is that you’re not power metal, prog metal, or melodeath, but rather you’re going for traditional, bare-bones heavy metal, but updating it for the modern age! In fact, why do you pursue such straightforward heavy metal?

【PARKER & LEO】: We definitely see ourselves as rooted in heavy metal. That said, our music is intentionally diverse, in much the same way that early heavy metal albums often were ― where you’d find unexpected outliers, mood shifts, and songs that stood apart from one another, rather than records that simply follow one tempo and one formula all the way through.
We’re simply doing what feels honest to us musically. Our goal is to create powerful music that feels expressive, varied, and emotionally driven, and to let that spirit evolve naturally in a modern context. Heavy metal is our strongest foundation, but we use it as a broad language rather than a narrow lane ― which keeps the music alive and unpredictable.

Q3: WINGS OF STEEL が素晴らしいのは、パワー・メタルでもプログ・メタルでもメロデスでもなく、伝統的で骨太なヘヴィ・メタルを追求しながら、それを現代向けにアップデートしているところですよ! 実際、なぜあなたは、今ではほぼ消えてしまったストレートなヘヴィ・メタルを追求しているのですか?

【PARKER & LEO】: 僕らは間違いなくヘヴィ・メタルに根ざしていると考えているよ。とはいえ、初期のメタル・アルバムによく見られたように、僕らの音楽は意図的に、メタルという枠の中で多様性を追求しているんだ。つまり、予想外の要素、ムードの変化、そしてそうした感覚が際立つ曲が収録されているんだよ。ただ、ずっと同じテンポ、同じフォーミュラを踏襲したアルバムではなくね。
僕らはただ、音楽的に正直だと感じることをやっているだけなんだ。目指すのは、表現力豊かで、多様性に富み、感情に突き動かされる力強い音楽を作り、その精神を現代の文脈の中で自然に進化させること。ヘヴィ・メタルは僕らの最も強力な基盤だけど、それを狭い範囲に限定するのではなく、広い言語として使っている。それが音楽を生き生きと、予測不可能なものにしているんだよ。

Q4: NWOTHM like Haunt and Eternal Champion have become popular in recent years, but you guys are clearly playing a different kind of traditional heavy metal. It’s more solid, tight, technical, modern, and very tense, and I like your traditional heavy metal a lot better, but how do you feel about NWOTHM bands and the way they do things?

【PARKER & LEO】: We think it’s a very positive thing that heavy metal as a whole is seeing new energy, new bands, and a growing audience. Any movement that helps keep heavy metal alive, visible, and evolving is ultimately a good thing for the style. That said, we’ve never really approached our music through movements, waves, or in relation to other bands. Our focus has always been on developing our own musical identity and paving our own path.
So while we respect and encourage what others are doing ― and genuinely want the best for the style as a whole ― we stay very focused on our own journey, shaping a sound that reflects who we are and what we want Wings of Steel to become in the long run.

Q4: 近年、HAUNT や ETERNAL CHAMPION のような NWOTHM が人気を博していますが、あなたたちは明らかに彼らとは異なる伝統的なヘヴィ・メタルをやっていますよね?
よりソリッドで、タイトで、テクニカルで、モダンで、とても緊張感があり、私は古臭さを感じさせないあなたたちの解釈がより気に入っています。NWOTHM のバンドやそのやり方についてはどう思っていますか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタル全体に新たなエネルギー、新しいバンド、そして観客の増加が見られることは、非常に前向きなことだと考えているよ。ヘヴィ・メタルを存続させ、目に見える形で、そして進化させ続けるムーブメントは、究極的にはこのスタイルにとって良いことだからね。とはいえ、僕たちはムーブメントやウェーブ、あるいは他のバンドとの関係性を通して音楽にアプローチしてきたことはない。常に自分たちの音楽的アイデンティティを築き、独自の道を切り開くことに重点を置いてきたんだよ。
だから、他のアーティストの活動を尊重し、奨励し、そしてこのスタイル全体の最善を心から願う一方で、僕たちは自分たちの歩みにしっかりと焦点を当て、自分たちのアイデンティティ、そして WINGS OF STEEL を長期的にどうしていきたいかを反映したサウンドを形作っているだけさ。

Q5: Still, it’s great that you are still so young and respect the great American heavy metal of the 80’s like Vicious Rumors, Metal Church, early Queensryche, Crimson Glory and Riot! How did you get to know them and what did you like about them?

【PARKER & LEO】: We definitely have a lot of respect for the great heavy metal that came out of the 80s, and those bands are an important part of the genre’s history. That era played a huge role in shaping heavy metal as a whole, and naturally many of those records became part of our musical discovery along the way.
We came across a lot of that classic material the same way most metal fans do ― by digging deeper into the roots of the music, exploring record collections, recommendations, and following the trail of where the sound we love originally came from. What resonates most with us about that era isn’t tied to a single group of bands, but to the overall spirit: strong songwriting, real musicianship, powerful melodies, and a sense of identity that felt honest and uncompromising.In terms of bands that have had a particularly strong influence on Wings of Steel, groups like – but not limited to; Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, and The Firm – have all played an important role in shaping our musical foundation.

Q5: それにしても、あなたがまだ若いのに、VICIOUS RUMORS や METAL CHURCH, 初期の QUEENSRYCHE, CRIMSON GLORY, RIOT のような80年代の偉大なアメリカン・メタルをリスペクトしているのは素晴らしいことです! 彼らをどうやって知り、彼らのどんなところが気に入ったのですか?

【PARKER & LEO】: 80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。君が挙げたバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ。
僕たちは、多くのメタル・ファンと同じように、音楽のルーツを深く掘り下げ、レコード・コレクションを増やし、おすすめを探り、愛するサウンドがどこから来たのかを辿ることで、あの名曲の数々に出会っていった。80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ。
WINGS OF STEEL に特に大きな影響を与えたバンドとしては、例えば以下のようなバンドが挙げられるけど、ここに限定されるわけではないよ。 Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, The Firm など…こうしたバンドは、僕たちの音楽的基盤を形成する上で重要な役割を果たしてきたんだよ、

Q6: The album opener, “Winds of Time” is a great song, full of ups and downs, melody and technique, but it’s a whopping 11 minutes long! The unexpectedness of starting with such a big song is also your appeal, would you agree?

【PARKER & LEO】: Yeah, we agree. It was the first song we finished while writing the album, and from that moment we knew we wanted it to become not only the title track, but also the debut single ― with a music video to match. Opening the record with it was our way of setting the tone right away and inviting the listener fully into the world of the album.
We’re not afraid of letting songs breathe and evolve if that’s what the music calls for. That said, we didn’t set out to write a long piece simply “for the sake of it”― it was about giving the song the space it needed to unfold naturally. In many ways, it reflects how we approach music as a whole: we’d rather follow the emotional arc of a song than shape it around expectations or formats.

Q6: アルバムのオープニングを飾る “Winds of Time” は、起伏に富み、メロディとテクニックにあふれた素晴らしい曲ですが、なんと11分もありますね! 大曲から始まる意外性も、このバンドの魅力ですね?

【PARKER & LEO】: その通りだよ。”Winds of Time” はアルバム制作中に最初に完成した曲で、その瞬間からタイトル曲としてだけでなく、デビュー・シングルとして、そしてそれに合わせたミュージック・ビデオとしてリリースしたいと思っていたんだ。アルバムのオープニングをこの曲で飾ることで、作品の雰囲気を一気に盛り上げ、リスナーをアルバムの世界に完全に誘うことができだと思う。
僕らは音楽がそれを求めているのであれば、曲に息吹を与え、進化させることを恐れていないんだ。とはいえ、”ただ単に” 長い曲を書こうとしたわけではないよ。曲が自然に展開していくために、必要な空間を与えることが長さの要因だった。これは僕たちの音楽へのアプローチ方法を反映しているよ。僕たちは、曲を期待やフォーマットに合わせて形作るよりも、曲の感情の流れに沿っていくことを望んでいるからね。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【PARKER & LEO】: Our music is inspired directly by our own experiences and observations, and since we haven’t yet had the chance to visit Japan ― either as a band or as individuals ― we can’t honestly say that there has been a strong, direct influence in a specific stylistic sense. That said, we’re deeply fascinated by Japanese culture, and by the way anime, games, and storytelling in general embrace imagination, emotion, and immersive worlds.
We also strongly connect with the idea of creating shared experiences that promote unity rather than division ― something that feels very present in Japanese culture. We work with and know many people who travel to Japan regularly, and for many of them it’s their favorite place to return to whenever they get the chance. We’re very much looking forward to experiencing it ourselves, and we’re sure our first visit will be nothing short of extraordinary.

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、近年の暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームも同じ役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はあるんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちの音楽は、僕たち自身の経験や観察から直接インスピレーションを得ているんだ。バンドとしても個人としても、まだ日本を訪れる機会がないから、特定のスタイルにおいて強い直接的な影響を受けたとは正直言えないよ。とはいえ、僕たちは日本の文化、そしてアニメ、ゲーム、そして物語全般における想像力、感情、そして没入感のある世界観に深く魅了されているよ。
また、分断ではなく一体感を促進する共有体験を生み出すという考え方にも強く共感していてね。これは日本文化に深く根付いているものだよね。僕たちは、日本を定期的に訪れる多くの人々と仕事をしたり、知り合いになったりしているけど、彼らにとって日本は機会があればいつでも戻りたいお気に入りの場所となっている。僕たち自身も日本を体験することをとても楽しみにしているし、初めての訪問は間違いなく素晴らしいものになるだろうな。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【PARKER & LEO】: Heavy metal has always been more than just music. It’s a place where people can come together, feel understood, and find strength in something larger than themselves. In difficult times, it becomes a space for release, reflection, and connection.
It gives people a way to process fear, anger, hope, and resilience, and to transform those emotions into something empowering rather than isolating. Heavy metal creates community and reminds people that they’re not alone, and offers a sense of unity that goes beyond borders, language, or background, something that we see daily within our own fan base and that gives us a great sense of purpose and motivation. In a world that often feels divided and uncertain, music can still be a voice of honesty, strength, and shared human experience ― and that makes its role in today’s world more important than ever.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗くなっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。
恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる。
それは僕たち自身のファンベースの中でも日々感じられ、大きな目的意識とモチベーションを与えてくれている。分断と不確実性を感じることの多いこの世界においても、メタルは誠実さ、強さ、そして共有された人間体験の声となり得るんだ。だからこそ、現代​​社会において音楽の役割はこれまで以上に重要なんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED PARKER & LEO’S LIFE!!

Black Sabbath “Heaven and Hell”

Judas Priest “Sad Wings of Destiny”

Bruce Dickinson “The Chemical Wedding”

Whitesnake “1987”

Dio “Lock Up the Wolves”

MESSAGE FOR JAPAN

We’ve noticed a steady and fast-growing audience in Japan, especially following the release of our two latest albums, and it truly means a lot to us. Seeing that level of support from the other side of the world is incredibly inspiring, and with the growing demand, it really feels like it’s only a matter of time before we finally make our Japanese live performance debut and get the chance to meet you all in person.
Thank you so much for supporting the band, spreading the word, and being part of the Wings of Steel journey.
Our latest album Winds of Time, as well as our first full-length record Gates of Twilight, are available on CD in Japan via Rubicon Music ― and we can’t wait for the day we get to bring this music to you live!

特に最新2枚のアルバム・リリース以降、日本のファンが着実に、そして急速に増えていることを実感していて、それは僕たちにとって本当に大きな意味を持っているんだ。地球の反対側からこれほど多くの応援をもらって、本当に感激しているよ。そして、ますます高まるこの需要に応えて、ついに日本でのライブ・デビューを果たし、みんなに直接会えるのも時間の問題だと感じているんだ。
バンドを応援し、情報を拡散し、WINGS OF STEEL の旅路に加わってくれて、本当にありがとう!
最新アルバム “Winds of Time” と、初のフルアルバム “Gates of Twilight” は、日本でRubicon MusicよりCDで発売中。この音楽をライブでみんなに届けられる日が待ち遠しいね!

WINGS OF STEEL

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【UUHAI : HUMAN HERDS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH UUHAI !!

“Heavy metal cannot stop wars, but it can inspire the people who will build peace. It cannot erase division, but it can create moments where division disappears. It cannot solve every problem, but it can open hearts and minds.”

DISC REVIEW “HUMAN HERDS”

「メタルは新たな自由の時代に入り、様々な文化がジャンルの中で真摯に自己表現できるようになったと確信しているよ。メタルは世界の限られた場所で生まれたけど、その感情的な言語は無限大だ。強さ、闘争、アイデンティティ、そして意味の探求を語ってくれる。そうしたテーマは地球上のあらゆる文化が共有する経験。だからこそ、メタルは今、その起源をはるかに超えて広がっているんだと思う」
2025年。メタルの生命力、感染力、包容力はその可能性をますます広げています。モダン・メタルに宿る寛容さは、世界の壁を壊し、さまざまな文化を包容していきます。そうして、世界中に根を張ったメタルの種子は、その多様な音の枝葉を存分に伸ばしているのです。
モンゴルに生まれた UUHAI も、そうしたメタルの自由を謳歌するバンドのひとつ。彼らは祖先の英雄チンギス・ハーンに学んだ勇気、正義、責任、リーダーシップを噛み締めながら、共感と団結というまた別のやり方で世界を席巻しようとしています。
「Uuhai は、深い歴史的、精神的な意味を持つ力強いモンゴル語だ。僕たちの祖先が戦いや儀式、そして団結と勇気が必要な瞬間に使っていた古代の呼び声なんだ。それは単なる叫び以上のもの。それは共有された精神の声なんだ。それは単なる名前ではない。僕たちの声であり、アイデンティティであり、モンゴルの魂との繋がりなんだよ」
勇気、強さ、そして団結を象徴する古来の戦いの雄叫び、UUHAI という名前は決して偶然選ばれたわけではありません。伝統と現代を結ぶため。草原に轟いた一致団結の雄叫びを、暗い現代社会へと響かせるため。だからこそ、当然その叫びのエネルギーは彼らの音楽にも反映されています。
モンゴルから先に世界的成功を収めた THE HU はフォークとロックのバランスを巧みに取りますが、UUHAI はより断固としたメタル寄りのサウンドを追求しています。そして、彼らのデビュー・フル “Human Herds” は、まさにその真髄でしょう。タイトルの一部は英語ですが、歌詞は彼らのルーツに忠実で、すべてモンゴル語で歌われています。だからこそ、彼らの楽曲にはステップ民族の力強さがもたらされ、草原の響きを響かせる馬頭琴(モリンホール)や、世界遺産にも登録されている喉歌といった伝統的な楽器が、より一層、真実の音をもって響き渡ります。喉歌のスピリチュアルな神秘、悍馬のように力強いリフ、草原から吹き寄せるギターソロ、そして馬頭琴独特の響きが、壮大なスケールの楽曲へと溶け合います。このシンプルな二弦楽器と人に備わる声帯が、修練と創意工夫を経てメタルの包容力に包まれる時、これほどまでに緊張感と感情を呼び起こせるものなのでしょうか…まさにモンゴルは蒼き狼、メタルは白き牝鹿。
「今日、世界は様々な闘争に直面している。戦争、分断、差別、そして恐怖が多くの場所で蔓延しているんだ。こうした課題は力で解決できるものではない。理解と団結をもって立ち向かわなければならないんだよ。
こうした世界において、ヘヴィ・メタルは特別な役割を担っている。メタルは感情を隠さない。正直で、率直で、恐れることなく真実を語る。社会が沈黙に包まれたとき、メタルは声をあげられない人々の声となる。怒り、悲しみ、そしてフラストレーションを表現するだけでなく、そうした感情を強さと繋がりへと変える力も持ち合わせているんだ。
UUHAI にとって、メタルは単なる音楽ジャンルではない。メタルは人々に共通の人間性を思い出させる力であり、国境や文化を超えたメッセージを届けることができるもの。出会うことのない人々でさえ、音楽の中で同じ鼓動を感じ、一つに繋がることができるんだ」
長い歴史の中で、モンゴルの人々は自然と調和しながら生きてきました。そして、誇り高き戦士としても。母なる大地が泣く時、それは人類への警告。世界が歴史の暗黒面を忘れ去り暗雲に包まれる時、戦士は人々を守るため恐れず、怯まず、勇気を持って武器を手に取ります。ヘヴィ・メタルという剣には、どんな弾圧も抑圧も敵いません。そうして、彼らは国境も文化も超えて、古の英雄の如く世界を、そして人と自然を再びひとつにつなげるのです。Uuhai! の雄叫びとともに。
今回弊誌では、UUHAI にインタビューを行うことが出来ました。「ヘヴィ・メタルは戦争を止めることはできないけど、平和を築こうと願う人々を鼓舞することができる。分断を消し去ることはできないけど、ライブで分断が消え去る瞬間を作り出すことはできる。すべての問題を解決することはできないけど、人々の心と精神を開くことはできる」素晴らしい言葉ですね。どうぞ!!

UUHAI “HUMAN HERDS” : 10/10

INTERVIEW WITH UUHAI

Q1: First of all, how did you come across metal and start playing in Mongolia, a place where metal was not that popular?

【UUHAI】: For many of us in Uuhai, our introduction to metal came during a time when Mongolia was just beginning to open its doors to the outside world. Before the nineteen nineties, foreign music was very limited in our country. Only a few cassettes or CDs reached Mongolia through travelers, students returning from abroad, or friends who carefully shared whatever rare recordings they could find. When we first heard heavy music, it felt like discovering a completely new form of emotional expression.
In those early years, metal was not popular and not widely accepted in society. Very few musicians were brave enough to play louder and heavier styles. Wearing long hair, torn jeans, or metal accessories often brought challenges, and performing aggressive music in public required courage. But those pioneers opened the way for everyone who came after.
As young musicians who grew up surrounded by the sounds of the steppe, the rhythm of horses, and the deep expression of throat singing, we felt a natural connection to the energy of metal. The intensity of the music matched the intensity of our land, our history, and the spirit of our ancestors. Each member of Uuhai found metal in a different way. Some of us studied music formally and discovered rock and metal during our training. Others, like Ombo, followed their passion completely on their own, without any formal education, driven only by dreams and determination. He created music from pure instinct and emotion, building his style from the heart rather than from textbooks.
Step by step, the scene slowly began to grow. Young musicians formed bands, shared equipment, and helped one another. We listened to whatever recordings we could find, trading tapes and CDs like precious treasures. It was a small community, but it was full of passion and curiosity.
Metal in Mongolia did not begin because it was popular. It began because a few people loved it enough to fight for it. For Uuhai, that spirit is still alive today. We carry the same hunger for creativity and the same belief that music can transform both the artist and the listener.
Today, Uuhai stands on international stages, but our roots go back to those early days when metal first entered our country. That journey shaped our identity and helped us understand why we must protect our culture while sharing it with the world. Metal gave us a voice, and our traditions gave that voice a soul..

Q1: まず、メタルがそれほど普及していなかったモンゴルで、どのようにしてメタルと出会い、演奏を始めたのですか?

【UUHAI】: 僕たちの多くにとって、メタルとの出会いは、モンゴルが外界への扉を開き始めたばかりの時代だった。1990年代以前、モンゴルで外国の音楽に触れる機会は非常に限られていたんだ。旅行者や帰国した学生、あるいは友人たちが見つけた貴重な音源、カセットテープやCDをごくわずかに共有してくれたくらいでね。だからこそ、ヘヴィ・ミュージックを初めて聴いた時は、まるで全く新しい感情表現を発見したかのような感覚だったな。
当時、メタルは人気がなく、社会に広く受け入れられていなかった。だから、よりラウドでヘヴィなスタイルで演奏する勇気のあるミュージシャンはごくわずかだった。長髪、破れたジーンズ、メタルのアクセサリーを身につけることは、しばしば困難を伴い、人前でアグレッシブな音楽を演奏するには勇気が必要だったんだ。だけど、そうした先駆者たちが、後を継ぐすべての人々への道を切り開いたんだ。
草原の音、ギャロップする馬のリズム、そして喉歌の深い表現に囲まれて育った若いミュージシャンとして、僕たちはメタルのエネルギーに自然と共感を覚えたね。メタルの熱狂は、僕たちの土地、歴史、そして祖先の精神の熱狂と重なっていたんだ。UUHAI のメンバーはそれぞれ異なる方法でメタルと出会った。中には正式に音楽を学び、勉強中にロックとメタルに出会った者もいた。Ombo のように、正式な教育を受けることなく、夢と決意だけを原動力に情熱を追い求めた者もた。Ombo は純粋な本能と感情から音楽を生み出し、教科書ではなく心から自分のスタイルを築き上げていったんだ。
モンゴルのシーンは少しずつ成長し始めていた。若いミュージシャンたちはバンドを結成し、機材を共有し、互いに助け合っていたね。僕たちは手に入るレコードは何でも聴き、テープやCDを宝物のように交換したものだ。小さなコミュニティだったけど、そこは情熱と好奇心に満ち溢れていたんだ。
モンゴルのメタルは、決して人気があったから始まったわけではない。少数の人々がメタルを愛し、闘い続けたからこそ始まったんだ。UUHAI にとって、その精神は今もなお生き続けているよ。僕たちは今もその精神…創造性への渇望と、音楽はアーティストとリスナーの両方を変革できるという信念を、変わらず持ち続けているんだ。
今日、UUHAI は国際的な舞台に立っているけど、僕たちのルーツはメタルが初めてこの国に到来した黎明期に遡る。その旅が僕たちのアイデンティティを形作り、自分たちの文化を守りながらも世界と共有しなければならない理由を理解する助けとなったんだ。メタルは僕たちに声を与え、僕たちの伝統はその声に魂を与えたんだよ。

Q2: “Uuhai” seems to be a Mongolian word. Why did you choose this word as the name of the band?

【UUHAI】: Uuhai is a powerful Mongolian word that carries deep historical and spiritual meaning. It is an ancient call used by our ancestors during battle, during rituals, and during moments when unity and courage were needed. It is more than a shout. It is the voice of a shared spirit.
We chose this name because it represents everything we want to express as a band. In 2020, when we officially gave the band its name, we understood that Uuhai was not only a word. It was the living force that connected us to our ancestors, our land, and our identity. When our elders shouted Uuhai, it was a prayer for strength, good fortune, and protection. When warriors shouted Uuhai, their hearts beat as one. This is the same feeling we want to share with the world.
Uuhai is also the core message of our music. We do not use it simply as a title. We use it as a call for unity, awareness, and harmony between people and nature. Our songs carry the same energy that once echoed across the steppe. When audiences shout Uuhai with us, even if they do not know the language, they still feel the emotion and the unity behind the word.
The name reflects our musical purpose as well. Uuhai stands at the meeting point of ancient tradition and modern expression. Our music is built on throat singing, morin khuur, and the wisdom of our heritage, blended with the strength of contemporary rock. The word embodies that combination. It is ancient, but still alive today. Most importantly, Uuhai reminds us to stay true to our roots. Every time we step on stage, every time we record a song, we carry the spirit of that call with us. It keeps us grounded and gives us strength.
That is why we chose Uuhai. It is not just our name. It is our voice, our identity, and our connection to the soul of Mongolia.

Q2: “Uuhai” とはモンゴル語のようですが、なぜこの言葉をバンド名に選んだんですか?

【UUHAI】: Uuhai は、深い歴史的、精神的な意味を持つ力強いモンゴル語だ。僕たちの祖先が戦いや儀式、そして団結と勇気が必要な瞬間に使っていた古代の呼び声なんだ。それは単なる叫び以上のもの。それは共有された精神の声なんだ。
僕たちがこの言葉をバンド名を選んだのは、バンドとして表現したいすべてを体現しているから。2020年に正式にバンド名を決めた時、僕たちは Uuhai が単なる言葉ではないことを理解していた。Uuhai とは、僕たちを祖先、僕たちの土地、そして僕たちのアイデンティティと結びつける、生きた力なんだとね。僕たちの長老たちが Uuhai と叫んだ時、それは力、幸運、そして守護への祈りとなった。戦士たちが Uuhai と叫んだ時、彼らの心は一つになった。これこそが、僕たちが世界と共有したい感情なんだよ。
Uuhai は、僕たちの音楽の核となるメッセージでもある。僕たちはそれを単なるタイトルとして使っているのではなく、団結、意識、そして人々と自然の調和を求める呼びかけとして使っている。僕たちの歌には、かつて草原に響き渡ったのと同じエネルギーが宿っているよ。観客が僕たちと一緒に Uuhai と叫ぶ時、彼らはたとえ言葉が分からなくても、その言葉の背後にある感情と一体感を感じ取ることができるんだ。
この名前は、僕たちの音楽的目的も反映しているよ。Uuhai は、古代の伝統と現代的な表現の交差点に立っている。僕たちの音楽は、喉歌、馬頭琴、そしてモンゴル伝統の知恵に、現代ロックの力強さが融合した上で成り立っているんだ。この言葉は、まさにその融合を体現しているよ。古代から伝わる言葉でありながら、今もなお強く生き続けているからね。そして何よりも、Uuhai は、僕たちにルーツに忠実であり続けることを思い出させてくれる。ステージに立つたび、曲をレコーディングするたび、僕たちは Uuhai という呼びかけの精神を心に刻み、地に足をつけ、力をもらう。
だからこそ僕たちは Uuhai を選んだんだ。それは単なる名前ではない。僕たちの声であり、アイデンティティであり、モンゴルの魂との繋がりなんだよ。

Q3: I believe that you attract worldwide attention because you mix metal/rock with traditional Mongolian music in a unique way. Could you tell us the origin of this “Hunnu Rock”?

【UUHAI】: We usually describe our music as Mongol Rock rather than Hunnu Rock. While the term Hunnu Rock is sometimes used to describe music that draws inspiration from very ancient steppe civilizations, we feel that Mongol Rock better represents who we are and what we express today.
Our music is rooted in the living culture of Mongolia as it exists now. We sing in modern Mongolian, we reflect on contemporary society, and we speak about present day responsibility toward nature, humanity, and the future. The word Mongol connects our sound directly to our people, our language, and our current identity, not only to a distant historical era.
That does not mean we reject ancient heritage. On the contrary, our music carries ancestral spirit, traditional instruments, throat singing, and historical awareness. But we are not trying to recreate the past or place ourselves inside a single ancient concept. We are expressing how Mongolian culture lives, breathes, and evolves in the modern world.
Mongol Rock feels honest to us because it allows space for both tradition and change. It reflects the Mongolia we come from today, a country that respects its roots while standing on the global stage. Our sound carries the voice of the steppe, but it also speaks to modern humanity and global listeners.

Q3: UUHAI は、メタル/ロックとモンゴルの伝統音楽をユニークな方法でミックスしているからこそ、世界的に注目されているのだと思います。 この “Hunnu Rock” の成り立ちを教えていただけますか?

【UUHAI】: 僕たちは普段、自分たちの音楽を “Hunnu Rock” ではなくモンゴル・ロックと表現しているんだ。”Hunnu Rock” という言葉は、非常に古い騎馬民族のステップ文明からインスピレーションを得た音楽を指すこともあるけど、モンゴル・ロックの方が僕たちの本質や、僕たちが今表現しているものをよりよく表していると考えているからね。
僕たちの音楽は、今を生きるモンゴルの文化に根ざしている。現代モンゴル語で歌い、現代社会を見つめ、自然、人類、そして未来に対する現代の責任について語っている。”モンゴル” という言葉は、僕たちのサウンドを遠い歴史的時代だけでなく、今を生きる人々、言語、そして現在のアイデンティティに直接結びつけてくれる。
それは、僕たちが古代の遺産を否定するという意味ではないよ。むしろ、僕たちの音楽は祖先の精神、伝統楽器、喉歌、そして歴史認識を体現している。ただし、僕たちは過去を再現したり、単一の古代の概念に身を委ねたりしようとしているわけではないんだ。僕たちは、モンゴル文化が現代世界においてどのように生き、息づき、進化しているかを表現したいんだ。
モンゴル・ロックは、伝統と変化の両方に余地を与えてくれるから、僕たちにとって誠実な音楽だと感じているよ。それは、僕たちが今いるモンゴル、つまり世界の舞台に立ちながらも自らのルーツを重んじる国を反映しているんだ。僕たちの音は草原の声を伝えるだけでなく、現代の人間性や世界中のリスナーにも訴えかけるからね。

Q4: In fact, what kind of a global success THE HU is for you?

【UUHAI】: The global success of The Hu is meaningful for us because it showed the world that Mongolian music has a powerful place on the international stage. Their achievements opened many eyes and helped listeners discover the beauty of our culture, our instruments, and our way of expressing emotion through sound. For that, we have respect. When a Mongolian artist succeeds, it reflects something positive for our entire country.
At the same time, Uuhai follows its own artistic path. We are inspired by the strength of Mongolian culture itself, not by comparison with any particular band. Our sound is heavier, more spiritual, and deeply connected to the ancestral voice of throat singing and the emotion of the morin khuur. We stand on the same land, but we walk our own road.
For us, the true success is that Mongolian artists of different styles are now reaching global audiences. This shows that our culture is rich, diverse, and capable of touching people far beyond our borders. It gives us motivation to continue developing our own identity and to share the spirit of Mongolia in a way that is unique to Uuhai.

In the end, when one Mongolian band is recognized internationally, it creates more curiosity and appreciation for all Mongolian music. And if Uuhai can contribute to that growing interest and bring more of our heritage to the world, then that is a success we are proud to be part of..

Q4: 実際、先に世界で大きな成功を収めた THE HU は、あなたにとってどのような存在なのでしょう?

【UUHAI】: THE HU の世界的な成功は、モンゴル音楽が国際舞台で力強い地位を​​占めていることを世界に示したという点で、僕たちにとって大きな意義を持っている。彼らの功績は多くの人々の目を開かせ、リスナーがモンゴル文化、楽器、そして音を通して感情を表現することの美しさを発見する助けとなったね。僕たちはその偉業に敬意を抱いているよ。モンゴルのアーティストが成功することは、国全体にとって良いことなんだ。
同時に、UUHAI は独自の芸術的な道を歩んでいる。僕たちは特定のバンドと比較するのではなく、モンゴル文化そのものの力強さにインスピレーションを受けているからね。僕たちのサウンドはより重厚で、よりスピリチュアルで、喉歌の祖先の声や馬頭琴の感情と深く結びついている。つまり、僕たちは THE HU と同じ地に立っているけど、独自の道を歩んでいるんだ。
僕たちにとって真の成功とは、様々なスタイルのモンゴルのアーティストが今や世界中のリスナーに届いていること。これは、僕たちの文化が豊かで多様性に富み、国境をはるかに越えた人々の心に響く力を持っていることを示している。その事実は、僕たち自身のアイデンティティを発展させ続け、UUHAI ならではの方法でモンゴルの精神を共有し続けるためのモチベーションとなるんだ。
最終的に、モンゴルのバンドの一つが国際的に認知されることで、モンゴル音楽全体への好奇心と理解がさらに深まっていく。そして、UUHAI がその高まりに貢献し、僕たちの伝統を世界に広めることができれば、それは僕たちにとって大きな成功であり、その一翼を担えたことを誇りに思うんだ。

Q5: OK, let’s talk about your amazing debut-full “Human Herds”. When I had an interview with Nature G. of Tengger Cavalry (R.I.P), he said his songs are “It’s all about (Mongolian) Shaman, history, nature, horse and warrior spirit.” How about you? Is there any concept or lyrical themes on this record?

【UUHAI】: Human Herds carries its own concept, shaped by the history, spirit, and worldview of the Mongolian people, but expressed through the voice of Uuhai. While every Mongolian artist draws inspiration from similar sources such as nature, ancestors, and the warrior spirit, our album approaches these themes in a way that reflects who we are as a band.
The central theme of Human Herds is the dual nature of humanity. We look at how people move together, how we influence the earth, and how our choices shape the future. The album speaks about the balance between creation and destruction, which is a concept deeply rooted in Mongolian thought. Our ancestors always taught that human beings must live in harmony with the land that sustains them. When Mother Earth cries, it is a warning for all of us.
Nature is a major pillar of the album. Not only as scenery, but as a living presence. The wind, the sky, the mountains, and the steppe are treated with respect in our culture, and they became emotional guides for many of the songs. When the morin khuur sings or when throat singing rises, it is not just music. It is the voice of the land.
The ancestral spirit is another major theme. Songs like Uuhai and Secret History of the Mongols carry the strength, unity, and wisdom that shaped our history. We do not sing these themes to glorify the past. We sing them to show that the values of courage, respect, and responsibility still matter today. These songs remind us that the warrior spirit is not only about battle. It is about character, leadership, and protecting the world around us.
Human Herds also speaks about modern society. It shows the tension between tradition and the fast changing world. It asks how we can remain connected to our roots while facing the challenges of the present. This is especially important for us as Mongolians who travel globally and perform on international stages. We carry the old and the new together.
So yes, there is a concept behind the record.
It is about humanity, nature, ancestors, responsibility, unity, and awakening.
It is about remembering who we are under one sun and one moon.

Q5: では、あなたたちの素晴らしきデビュー・フル “Human Herds” について話しましょう。TENGGER CAVALRY の Nature・G(R.I.P.)にインタビューしたとき、彼は自分の曲は “(モンゴルの)シャーマン、歴史、自然、馬、そして戦士の精神がすべてだ” と語ってくれました。 あなたはどうですか?

【UUHAI】: “Human Herds” は、モンゴル人の歴史、精神、そして世界観に形作られた独自のコンセプトを掲げているけど、それを UUHAI の声を通して表現しているんだ。モンゴルのアーティストは皆、自然、祖先、戦士の精神といった共通の源からインスピレーションを得ているけど、僕たちのアルバムは、バンドとしての自分たちらしさを反映しながらそうしたテーマにアプローチしているよ。
“Human Herds” のテーマは、人間の二面性。人々がどのように共存し、地球にどのような影響を与え、そして僕たちの選択がどのように未来を形作っていくのかを探求しているんだ。このアルバムは、モンゴルの思想に深く根ざした概念である、創造と破壊のバランスについて語っているんだよ。僕たちの祖先は常に、人間は自分たちを支える大地と調和して生きなければならないと教えてきた。母なる大地が泣く時、それは僕たち全員への警告なんだよ。
自然はアルバムの大きな柱だ。風景としてだけでなく、生き生きとした存在として。風、空、山、そして草原は、僕たちの文化において敬意を持って扱われ、多くの曲の感情的な導き手となっている。馬頭琴が歌い、喉歌が高らかに響く時、それは単なる音楽ではない。それは大地の声なんだ。
祖先の魂もまた、もう一つの重要なテーマだ。”Uuhai” や “Secret History of the Mongols” といった歌は、僕たちの歴史を形作った力強さ、結束、そして知恵を体現しているよ。僕たちは、こうしたテーマを過去を称えるために歌うのではない。勇気、敬意、そして責任という価値観が、今日でもなお重要であることを示すために歌うんだ。こうした歌は、戦士の精神とは戦いだけではないことを僕たちに思い出させてくれる。戦士の精神とは人格、リーダーシップ、そして僕たちを取り巻く世界を守ることなんだ。
“Human Herds” は現代社会についても語っているよ。伝統と急速に変化する世界との間の緊張関係を描いていてね。現代の課題に直面しながらも、どのように自分たちのルーツとの繋がりを保つことができるのかを問いかけているよ。これは、世界を旅し、国際的な舞台で演奏する僕たちモンゴル人にとって特に重要だ。僕たちは古いものと新しいものを共に担っているからね。
そう、このレコードにはコンセプトがある。それは、人間性、自然、祖先、責任、結束、そして覚醒について。それは、一つの太陽と一つの月の下で、自分たちが誰であるかを思い出すことなんだ。

Q6: It is amazing that when rock and throat singing intersect, they create such an emotional sound! It is indeed a great challenge to sing in Mongolian and use throat singing in rock music that originated in the West, would you agree?

【UUHAI】: Yes, we agree that blending Mongolian throat singing with Western rock is a great challenge, but it is also one of the most beautiful parts of our music. These two sound worlds grew from very different histories. Rock carries the energy and rebellion of the West, while throat singing comes from the silence of the steppe, the breath of nature, and the spiritual practices of our ancestors.
Singing in Mongolian adds another layer of complexity. The language is rich, rhythmic, and deeply connected to the land. It follows a completely different flow than English. When we place Mongolian lyrics inside rock structures, we must reshape the rhythm while still protecting the natural character of the language. It requires careful thought, respect, and creativity.
Throat singing itself is a demanding technique. It depends on strong breath control, physical discipline, and many years of training. When we combine it with distorted guitars and powerful drums, we must make sure that the traditional sound is not drowned out. Instead, it must shine through the music as the guiding spirit. That balance takes time to master.
But the emotional impact makes the challenge worth it.
When throat singing rises over heavy rock, something unique happens. The ancient and the modern meet in one voice. Listeners who have never heard our language or our traditions still feel the vibration in their bodies. They feel the emotion even before they understand the meaning.
This is why we believe the combination works so naturally.
Both rock and Mongolian music carry deep emotion. Both connect directly to the heart. Both are honest forms of expression.

Q6: ロックと喉歌が融合すると、こんなにもエモーショナルなサウンドが生まれるなんて、本当に驚きです!西洋発祥のロック・ミュージックにモンゴル語で喉歌を取り入れるのは、本当に大きな挑戦ですよね?

【UUHAI】: モンゴルの喉歌と西洋のロックを融合させることが大きな挑戦であることは間違いないね。しかし、同時に僕たちの音楽の最も美しい側面の一つでもあると思う。この二つの音世界は、全く異なる歴史から生まれた。ロックは西洋のエネルギーと反骨精神を体現する一方、喉歌は草原の静寂、自然の息吹、そして祖先の精神的な実践から生まれたものだからね。
モンゴル語で歌うことは、更なる複雑さをもたらしてくれる。モンゴル語は豊かでリズミカルで、大地と深く結びついているからね。英語とは全く異なる流れを辿る。だからロックの構造にモンゴル語の​​歌詞を組み込む際には、言語の自然な特徴を守りながらも、リズムを再構築する必要があるんだよ。綿密な思考、敬意、そして創造性が求められるんだ。
喉歌自体も高度な技術だ。しっかりとした呼吸のコントロール、身体の鍛錬、そして長年の訓練が不可欠だよ。歪んだギターと力強いドラムと組み合わせる際には、伝統的な響きがかき消されないように注意しなければならない。むしろ、音楽全体を導く精霊として輝かなければならないからね。そのバランスを習得するには時間がかかるんだ。
しかし、感情に訴えかける喉歌の衝撃は、その挑戦に見合うだけの価値がある。喉歌がヘヴィ・ロックに響く時、他に類を見ない何かが起こる。古代と現代が一つの声で融合するんだ。僕たちの言語や伝統を初めて耳にしたリスナーでさえ、その振動を体で感じる。意味を理解する前に、感情を揺さぶられるんだ。
だからこそ、この組み合わせは自然に生まれると僕たちは考えているよ。ロックとモンゴル音楽はどちらも深い感情を宿し、心に直接響く。どちらも誠実な表現方法なのだから。

Q7: As the breakthroughs of BLOODYWOOD and THE HU show, bands that incorporate the traditional music and culture of the land where they grew up into their metal have become increasingly popular in recent years. In fact, you have incorporated many traditional Mongolian instruments, throat singing, and the Mongolian language into your metal. In this way, has metal really been liberated to the rest of the world in a way that blends different cultures?

【UUHAI】: Yes, we believe metal has entered a new period of freedom where different cultures can express themselves honestly within the genre. Metal began in one part of the world, but its emotional language is universal. It speaks about strength, struggle, identity, and the search for meaning. These are experiences shared by every culture on earth. That is why metal is now expanding far beyond its origins.
When bands incorporate their own traditional music, they are not simply adding exotic elements. They are bringing their roots, their history, and their worldview into the music. This gives metal new stories, new emotions, and new colors that were not present before. It is not a trend. It is a natural evolution of a global art form.
For us in Uuhai, this blending is not only musical. It is cultural and spiritual.
The morin khuur, throat singing, harkhiraa, long song, and our Mongolian language carry the soul of our ancestors. When these elements meet the raw energy of rock, a new voice emerges that feels both ancient and modern. It allows us to stay true to our identity while connecting with listeners from every background.
This process shows that metal can be a bridge between cultures.
Listeners in Europe, Asia, and the Americas can experience the spirit of Mongolia without needing translation. They can feel the vibration of throat singing, the power of the morin khuur, and the emotional depth of our land. In that moment, the distance between cultures disappears.

Q7: BLOODYWOOD や THE HU の躍進が示すように、近年では、出身地の伝統音楽や文化をメタルに取り入れるバンドが人気を集めています。実際、あなたたちはモンゴルの伝統楽器、喉歌、そしてモンゴル語をメタルに多く取り入れています。こうしてついに、メタルは様々な文化を融合させ、世界に解き放たれたと言えるのでしょうか?

【UUHAI】: そうだね、メタルは新たな自由の時代に入り、様々な文化がジャンルの中で真摯に自己表現できるようになったと確信しているよ。メタルは世界の限られた場所で生まれたけど、その感情的な言語は無限大だ。強さ、闘争、アイデンティティ、そして意味の探求を語ってくれる。そうしたテーマは地球上のあらゆる文化が共有する経験。だからこそ、メタルは今、その起源をはるかに超えて広がっているんだと思う。
メタルのバンドが独自の伝統音楽を取り入れる時、単にエキゾチックな要素を加えているだけではないんだ。彼らは自らのルーツ、歴史、そして世界観を音楽に持ち込んでいる。そうして、メタルにはこれまでなかった新たな物語、新たな感情、そして新たな色彩が生まれてくる。これは単なる流行ではなく、世界的な芸術形態の自然な進化なんだよ。
僕たち UUHAI にとって、この融合は音楽的な意味合いだけではなく、文化的であり、精神的な意味合いも持ち合わせている。
モリンホール、喉歌、ハルヒラー、長歌、そしてモンゴル語は、僕たちの祖先の魂を宿している。そうした要素がロックの生々しいエネルギーと融合するとき、古代と現代が融合した新たな声が生まれるんだ。だからこそ、僕たちは自分たちのアイデンティティを貫きながら、あらゆる背景を持つリスナーと繋がることができるんだ。
この事実は、メタルが文化間の架け橋となり得ることを示している。ヨーロッパ、アジア、そして南北アメリカ大陸のリスナーは、言葉がわからなくても翻訳を必要とせずにモンゴルの精神を体感することができる。喉歌の響き、馬頭琴の力強さ、そしてこの土地の感情の奥深さを体感できるんだ。その瞬間、文化間の距離は消え去るんだよ。

Q8: Unlike Genghis Khan who conquered the world, you sing of world peace and unity, but the world is moving into darker times. War, division, discrimination, oppression, violence… What can heavy metal do in such times?

【UUHAI】: Our ancestors lived through difficult times, and Mongolian history is filled with both strength and wisdom. Genghis Khan united a vast land under one rule, but he also taught principles about justice, leadership, and responsibility. Today, the world faces different kinds of battles. War, division, discrimination, and fear are rising in many places. These challenges cannot be solved with force. They must be approached with understanding and unity.
In such a world, heavy metal has a special role. Metal does not hide emotion. It is honest, direct, and unafraid to speak about the truth. When societies become heavy with silence, metal becomes a voice for those who feel unheard. It can express anger, sorrow, and frustration, but it can also transform those emotions into strength and connection.
For Uuhai, metal is more than a musical style. It is a force that can remind people of their shared humanity. It can carry messages that reach across borders and cultures. It can unite people who may never meet, yet feel the same heartbeat in the music.
When we shout Uuhai on stage, it is not a call to battle. It is a call to awareness and unity. It is an ancient word repurposed for a modern world that urgently needs courage, empathy, and responsibility. When thousands of people shout it back to us in Europe or Asia, it feels like a sign that humanity still has the power to stand together.
Heavy metal cannot stop wars, but it can inspire the people who will build peace. It cannot erase division, but it can create moments where division disappears. It cannot solve every problem, but it can open hearts and minds.
Music is not a weapon. It is a light. And even a small light is powerful in dark times. If Uuhai can give people strength, comfort, or a sense of connection, then that is our contribution. Heavy metal gives us a platform to speak honestly and to remind people that we all live under one sun and one moon, sharing the same fragile home. The world needs that message now more than ever.

Q8: 世界を征服したチンギス・ハンとは異なり、あなたは世界平和と団結を歌っていますが、世界は暗い時代へと向かっています。戦争、分断、差別、抑圧、暴力…このような時代にヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【UUHAI】: 僕たちの祖先は困難な時代を生き抜いた。モンゴルの歴史は力と知恵に満ちているよ。チンギス・ハンは広大な地を一つの統治の下に統一したけど、同時に正義、リーダーシップ、そして責任という原則も教えたんだ。今日、世界は様々な闘争に直面している。戦争、分断、差別、そして恐怖が多くの場所で蔓延しているんだ。こうした課題は力で解決できるものではない。理解と団結をもって立ち向かわなければならないんだよ。
こうした世界において、ヘヴィ・メタルは特別な役割を担っている。メタルは感情を隠さない。正直で、率直で、恐れることなく真実を語る。社会が沈黙に包まれたとき、メタルは声をあげられない人々の声となる。怒り、悲しみ、そしてフラストレーションを表現するだけでなく、そうした感情を強さと繋がりへと変える力も持ち合わせているんだ。
UUHAI にとって、メタルは単なる音楽ジャンルではない。メタルは人々に共通の人間性を思い出させる力であり、国境や文化を超えたメッセージを届けることができるもの。出会うことのない人々でさえ、音楽の中で同じ鼓動を感じ、一つに繋がることができるんだ。
ステージで “Uuhai” と叫ぶ時、それは戦いへの呼びかけではない。それは、気づきと団結への呼びかけだ。勇気、共感、そして責任を切実に必要とする現代世界のために、古来の言葉が再解釈されたんだよ。ヨーロッパやアジアで何千人もの人々が僕たちにこの言葉を叫ぶ時、人類には依然として共に立ち上がる力があるという証のように感じるね。
ヘヴィ・メタルは戦争を止めることはできないけど、平和を築こうと願う人々を鼓舞することができる。分断を消し去ることはできないけど、ライブで分断が消え去る瞬間を作り出すことはできる。すべての問題を解決することはできないけど、人々の心と精神を開くことはできる。
音楽は武器ではなく光。そして、たとえ小さな光であっても、暗い時代には力強いものだ。もし “Uuhai” が人々に力、慰め、あるいは繋がりを感じさせることができれば、それは僕たちの貢献だよ。メタルは僕たちに正直に語り、僕たちは皆、一つの太陽と一つの月の下に生き、同じ脆い家を共有していると人々に思い出させる場を与えてくれる。世界は今、これまで以上にこのメッセージを必要としているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED UUHAI’S LIFE!!

Choosing only five albums is difficult because every artist we listen to becomes part of our musical journey. But there are a few recordings that left a deep impression on us, both in traditional Mongolian music and in the global rock and metal scene.
These are five albums that helped shape our understanding of sound, emotion, and artistic purpose:

Traditional Mongolian Long Song recordings

These recordings taught us the beauty of open space and emotional depth. The long song is the soul of our people, and its melodies influenced the way we compose and express feeling.

開放的な空間の美しさと感情の深みを教えてくれた。ロングソングは僕たちの魂であり、そのメロディーは僕たちの作曲や感情表現に影響を与えている。

Classic morin khuur ensemble recordings from the Mongolian State Philharmonic

These recordings showed us how powerful and cinematic the morin khuur can be when performed with intention and skill. They helped us understand how tradition can live inside modern compositions.

意図と技巧をもって演奏された馬頭琴がどれほど力強く、映画のような響きを持つかを示してくれた。伝統が現代音楽の中にどのように息づいているかを理解させてくれたね。

Metallica “The Black Album”

This album was one of the first global recordings many of us heard as young musicians. Its simplicity, weight, and emotional directness opened our eyes to what rock music could become.

僕らの多くが若いころ、初めて聴いた世界的な録音の一つだった。そのシンプルさ、重み、そして感情の直接性は、ロック・ミュージックの可能性を僕たちに開いてくれたね。

System of a Down “Toxicity”

This album taught us that modern rock can carry cultural identity, political thought, and raw emotion all at once. It showed us that powerful music does not have to fit into one shape.

このアルバムは、現代のロックが文化的アイデンティティ、政治的思想、そして生々しい感情を同時に表現できることを教えてくれた。力強い音楽は必ずしも一つの形に収まる必要はないことを教えてくれたんだ。

Mongolian throat singing masters – archive recordings from the Academy of Culture and Art

These recordings are not commercial albums, but they changed our lives. Listening to the old masters of throat singing and harkhiraa helped us understand the spiritual and physical discipline behind the technique, and it shaped our identity as musicians.
These albums and recordings influenced us in very different ways, but they all taught us one important lesson.
Music is most powerful when it is honest, fearless, and connected to its roots.
They inspired us to create a sound that carries the strength of the steppe and speaks to the modern world at the same time.

商業的なアルバムではないけど、僕たちの人生を変えた。喉歌とハルキラーの巨匠たちの演奏を聴くことで、その技法の背後にある精神的・肉体的な鍛錬を理解し、音楽家としてのアイデンティティを形作ることができたんだ。
こうした作品は、それぞれ異なる形で僕たちに影響を与えたけど、どれも重要な教訓を与えてくれている。音楽は、誠実で、恐れを知らず、そのルーツと繋がっている時に最も力強いとね。
ステップ文明の力強さと現代社会へのメッセージを同時に伝えるサウンドを生み出すインスピレーションとなったよ。

MESSAGE FOR JAPAN

The connection between Mongolia and Japan has always been strong and respectful. Our two countries share many cultural links, from sumo wrestling to traditional music, and there is a deep sense of mutual admiration. Mongolia has benefited greatly from the kindness of Japanese people and organizations who have supported education, health, infrastructure, and many important projects in our society. Their contributions have touched many lives, and we hold that friendship with sincere gratitude.
As musicians, we have great respect for Japanese culture. Japanese traditional music carries a purity and emotional discipline that feels very close to our own artistic spirit. Instruments such as the shamisen and taiko drums have a spiritual quality that resonates with the sounds of the Mongolian steppe. We also admire Japan’s ability to honor ancient traditions while leading the world in modern creativity, from cinema to design to technology.
Japanese audiences are known for listening with focus and emotion. They approach music with sincerity, and for a band like Uuhai that expresses deep cultural roots and strong emotional themes, that kind of audience connection is very meaningful. Japan is a place where art is treated with respect, and that inspires us.
Message for Japan:
To all our friends in Japan, thank you for your continuous support and kindness toward Mongolia and its people. Your friendship has helped our country grow, and we respect you deeply for your generosity and your cultural richness. We hope to visit Japan soon and bring the voice of the Mongolian steppe to your stage. Until then, please continue protecting your beautiful land, honoring your traditions, and creating art that inspires the world. We look forward to meeting you under one sun and one moon.
Uuhai sends you strength, unity, and respect.

モンゴルと日本の絆は、常に強く、敬意に満ちたものだった。両国は、相撲から伝統音楽まで、多くの文化的繋がりを共有し、深い尊敬の念を抱いている。モンゴルは、教育、医療、インフラ整備、そして社会における多くの重要なプロジェクトを支援してくれた日本の人々や団体の厚意から、多大な恩恵を受けてきたんだ。日本人の貢献は多くの人々の心に響き、僕たちは心からの感謝の念をもって、この友情を育んでいるよ。
そして僕たち音楽家は、日本文化に深い敬意を抱いている。日本の伝統音楽は、僕たちの芸術精神と深く結びつく純粋さと、感情的な規律を備えているよね。三味線や太鼓といった楽器には、モンゴルの草原の音色と共鳴する精神的な響きがある。また、映画からデザイン、テクノロジーに至るまで、現代の創造性において世界をリードしながらも、古代の伝統を重んじる日本の力強さにも感銘を受けているんだ。
日本のオーディエンスは、集中して感情を込めて音楽を聴くことで知られている。彼らは真摯に音楽と向き合っている。深い文化的ルーツと強い感情的なテーマを表現する UUHAI のようなバンドにとって、そうした観客との繋がりは非常に意義深いものだよ。日本は芸術が敬意を持って扱われる国であり、それが僕たちのインスピレーションとなっているんだ。
日本へのメッセージ:
日本の友人のみんなへ。モンゴルへの変わらぬ支援と厚意に感謝を。みんなの友情は僕たちの国の成長を支えてきたんだ。日本の寛大さと豊かな文化に深く敬意を表するよ。近いうちに日本を訪れ、モンゴルの草原の声を日本のステージに届けられることを願っているね。
それまで、美しい国土を守り、伝統を尊重し、世界にインスピレーションを与える芸術を創造し続けてほしい。一つの太陽と一つの月の下でみんなに会えるのを楽しみにしているよ。
UUHAI より、力と団結、そして敬意を。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN : SYMPHONY OF THE UNIVERSE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CRISTIANO FILIPPINI OF FLAMES OF HEAVEN !!

“Power Metal and AOR must be about love, positivity, inner strength, battles that take place inside and outside of us, and a sense of justice. So I think Knights of the Zodiac represent not only my favorites, but also perfect examples of how to convey this message.”

DISC REVIEW “SYMPHONY OF THE UNIVERSE”

「パワー・メタルやAORは、愛、ポジティブさ、内なる強さ、自分の内外で起こる戦い、そして正義感について語らなければならないと思う。同時に、”聖闘士星矢”、”北斗の拳”、”ドラゴンボール”、”ベルセルク” といった日本のアニメも、僕のお気に入りであるだけでなく、そうしたメッセージを伝える完璧な作品でもあると思う。だからこそ、このアルバムが日本の漫画やアニメのファンに届くことを心から願っているんだよ」
仲間を信じ合う “友情”、目標達成のため苦難に耐え励む “努力”、そして最後まで諦めず勝利を目指す “勝利”。80年代から90年代にかけて、日本のアニメや漫画はそうしたポジティブでストイックなムードにあふれていました。まだまだ暴力や抑圧、不条理が蔓延していた当時の学校や子供の社会で、私たちはそうした “エンターテイメント” から、前向きな生き方や優しさ、倫理観を学んでいたのかもしれませんね。
それからおよそ30年。当時のアニメや漫画で育った子供たちは成熟し、さまざまな分野でその影響を発揮するようになりました。その波は日本国内に止まりません。イタリアの Cristiano Filippini 率いる FLAMES OF HEAVEN もそうしたアーティストのひとつ。彼らはアートも生き方も複雑を極める現代で、愛や友情、正義といったいつの世も変わらぬ不変の真理にコスモを燃やしています。そのための乗り物として、パワー・メタルや AOR は完璧な “ペガサス”。なぜなら、パワー・メタルのファンタジーはいつの時代もそうしたポジティブな心に寄り添ってきたのですから。
「”聖闘士星矢” にインスパイアされたアルバムの全曲は、最初のシリーズ “サンクチュアリ編” のいくつかのシチュエーションを描写していると言える。曲のタイトルにも登場するフェニックスの一輝やジェミニは間違いなく、漫画の中で最も魅力的で重要で複雑なキャラクターの2人だからね。 しかし、僕のお気に入りのキャラクターは、星矢、紫龍、シャカ、そして童虎だ。 強さ、前向きさ、そして星矢は別としてバランスと知恵の良い例だからね」
“ペガサス幻想 そうさ夢だけは 誰も奪えない心の翼だから”。この数小節、数文字に私たちは何度助けられたことでしょう。イタリアに生まれた Cristiano もこの聖闘士星矢の美しき理想、夢、ストーリーに魅了され、大人になった今、その世界をパワー・メタルで描くことを決意します。
「もちろん “ペガサス幻想” は知っているし、素晴らしい曲で、まさにアンセムだよね。”聖闘士星矢” の公式サウンドトラックには美しい曲がたくさん収録されている。 それに、オーケストラのインストゥルメンタルにも信じられないほどインスパイアされている。傑作だよ」
普段はクラシック・アンサンブルのための作曲に注力している Cristiano。だからこそ、”Symphony of the Universe” は、サンクチュアリのサーガを描くに十分な壮大さと情熱を兼ね備えています。もちろん、イタリアの偉大な先人 RHAPSODY の血をひくクラシカルなパワー・メタルの一撃は強烈ですが、同時にイタリアが誇る Frontiers Music の流れを汲むメロディック・ハードな旋律美も内包し、ワグナーのオペラをメタルに仕立てたような長尺曲も見事。Cristiano はクラシックの作曲プロセスをそのままメタルに持ち込むのではなく、クラシックの世界からメタルを俯瞰し手を加えることで、他のアーティストとは一線を画す存在となり得ています。
同郷 TEMPERANCE の Marco Pastorino が張り上げる歌声はペガサスに乗って駆け上がり、達人 Michele Vioni のギターは廬山昇龍覇の滝の流れの如く流麗。そして Cristiano が指揮を取る鍵盤とオーケストレーションのネビラチェーンはあまりにも純美。ここには、ファンタジックでポジティブなメタルに求められる要素すべてが詰まっているのです。
今回弊誌では、Cristiano Filippini にインタビューを行うことができました。「音楽、特にこのジャンルは、人々の生活を向上させるために大いに役立つと思う。僕の音楽がどれだけ人々が困難な時期を乗り越えるのを助け、今日まったく狂っているように見えるこの世界の灰色を取り除くことができたかについて、多くのメッセージをもらうからね。僕たちは善の戦士なのだから戦わなければならないし、あきらめてはならない。人生は時に厳しいものだけど、戦うための武器はある。そのひとつが、こうしたアートなんだよ」 どうぞ!!

CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN “SYMPHONY OF THE UNIVERSE” : 10/10

INTERVIEW WITH CRISTIANO FILIPPINI

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listeningto?

【CRISTIANO】: First of all, I would like to say hello to all our Japanese fans and readers, I am very grateful to your Country. I generally listen to everything good from the late 70s to the 2000s, rock, pop, metal, soundtracks, electronic music. Then I think after that date the quality of the music dropped a lot. Few bands have caught my attention in recent years.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【CRISTIANO】: まずはじめに、日本のファンのみんな、読者の皆みんな、こんにちは! 僕は70年代後半から2000年代まで、ロック、ポップス、メタル、サウンドトラック、エレクトロニック・ミュージックなど、いいものは何でも聴いてきた。その時代に比べて、今は音楽の質がずいぶん落ちたと思う。 近年、僕の関心を引いたバンドはほとんどいないよ。

Q2: I was very impressed when I heard your guitar! The tone is so beautiful and the crystalline shimmer shines through in your fast and unique playing! In fact, what guitarist was your hero?

【CRISTIANO】: I have the opportunity here to clarify something. In Flames Of Heaven I take care of practically everything, I compose all the music, the lyrics, the vocal lines, I take care of the arrangements and orchestrations. I also compose the bass and drum guidelines. As for the guitar, I compose the rhythms and some slower, more melodic solo lines. For everything else, that is, the virtuoso solos and the beauty and perfection of the lead guitar, it is all thanks to Michele Vioni. He’s one of the best guitarists in the world, and he records the guitars for now, while I record the keyboards in the studio. Live instead I will be the rhythm guitar who will also take care of some solo. But the guitar hero is him.

Q2: あなたはギタリストでオーケストレーターだそうですが、この作品はギターのトーンがとても美しく、まるでクリスタルのような煌めきが、ファストでユニークなプレイに輝いています! あなたのヒーローはどんなギタリストだったんですか?

【CRISTIANO】: ここではっきりさせておきたいことがある。FLAMES OF HEAVEN では、実質的に僕がすべてを担当している。すべての楽曲、歌詞、ヴォーカル・ラインを作曲し、アレンジとオーケストレーションを担当しているんだ。 ベースとドラムのガイドラインも僕が作曲しているよ。
ギターに関しては、リズムと、よりスローでメロディアスなソロラインを作曲している。 それ以外のすべて、つまりシュレッド的なソロやリード・ギターの美しさと完璧さは、すべて Michele Vioni のおかげなんだ。彼は世界最高のギタリストの一人で、今のところ彼がギターを録音し、僕はスタジオでキーボードを録音している。 ライブでは僕がリズム・ギターを担当し、ソロも担当する。 でもギター・ヒーローは彼なんだ。

Q3: Still, “Symphony of the Universe” is a masterpiece ofpower metal, combining great melody, technique, andfantasy! Italy has an excellent power metal tradition,including Rhapsody and DGM. Do you have such blood inyour veins?

【CRISTIANO】: As for Rhapsody, in the classic lineup, I think they were unrivaled in their genre. DGM I think they are the best Italian prog band and beyond. By the way, they are my friend Simone Mularoni’s band, who, working with me for six months, mixed and mastered “Symphony Of The Universe.” And they’re also the last band I saw live, they played in my city a month ago. I think these two examples, added to us and 3/4 other bands, represent the best that Italian power and related metal can offer. The first Rhapsody influenced me a little, while I discovered DGM a few years ago and they also make a different genre than ours, progressive metal. They both do a different genre than us anyway.

Q3: それにしても、”Symphony of the Universe” は、素晴らしいメロディ、テクニック、ファンタジーを兼ね備えたパワー・メタルの傑作ですね! イタリアには、RHAPSODY や DGM など優れたパワー・メタルの伝統がありますが、あなたにもそうした血が流れているのでしょうか?

【CRISTIANO】: RHAPSODY に関しては、クラシックのラインナップでは、このジャンルで他の追随を許さなかったと思う。 DGM は最高のイタリアン・プログ・バンドであり、そのジャンル以上の存在だと思う。
ところで、DGM は僕の友人 Simone Mularoni のバンドで、6ヶ月間僕と一緒に働き、”Symphony Of The Universe” のミックスとマスタリングを担当してくれた。 そして、彼らは僕が最近ライブを見たバンドでもある。一月前に僕の街で演奏したからね。
この2つのバンド、それに僕らと他のバンドも加えて、イタリアのパワー・メタルとそれに関連するメタルが提供できる最高のものを表していると思う。RHAPSODY は僕に少し影響を与えたし、DGMは数年前に知ったんだけど、彼らもまた僕らとは違うジャンルのプログレッシヴ・メタルを作っている。 とはいえ、彼らは僕らとは違うジャンルをやっているけどね。

Q4: I am very glad to know that this album is inspired bySaint Seiya! The artwork also features Pegasus andconstellations, what part of that anime inspired you andwhat story did you draw from it?

【CRISTIANO】: I became very fond of “Saint Seiya”, on the cover I wanted to combine some elements, “Saint Seiya”, “Masters Of The Universe” and other religious elements dear to me, such as the cross that is in the Flames Of Heaven logo and the angels from the first album (small on the left). He could ideally represent the first knight of Pegasus, not Seiya but the warrior who first donned the armor and ideally rode the Pegasus. I would say that all the songs on the album that are inspired by this manga describe some situations from the first series “Sanctuary”.

Q4: このアルバムが “聖闘士星矢” にインスパイアされていると知って、とても嬉しく思っています! アートワークにもペガサスや星座が描かれていますが、あのアニメのどの部分からインスピレーションを受けて、どんなストーリーを描きましたか?

【CRISTIANO】: 僕は “聖闘士星矢” がとても好きだから、ジャケットには “聖闘士星矢”、”Masters Of The Universe” 、そして FLAMES OF HEAVEN のロゴにある十字架やファースト・アルバムの天使たち(左の小さい方)など、僕にとって大切な宗教的要素を組み合わせたいと思った。
主人公は理想的にはペガサスの最初の騎士といえる。星矢ではなく、最初に鎧を身にまとい、ペガサスに乗った戦士だ。”聖闘士星矢” にインスパイアされたアルバムの全曲は、最初のシリーズ “サンクチュアリ編” のいくつかのシチュエーションを描写していると言えるだろうね。

Q5: Speaking of Saint Seiya, the theme song Pegasus Fantasy(R.I.P. Nob) is like a chant for those of us who grew up onthat anime. Are you influenced by such anime theme songs and game music?

【CRISTIANO】: Of course I know “Pegasus Fantasy” and it’s a wonderful song, a real anthem. There are many beautiful songs on the official “Saint Seiya” soundtrack. Plus the orchestral instrumentals are incredibly inspired. Masterpieces. Besides that, my favorite song is “Dead Or Dead” from the “Hades” series. Stunning. Changing anime naturally here is very famous and appreciated “Tough Boy” by Tomcat from the second series of “Hokuto No Ken”. On average, Japanese symphonic and video game composers are very good. Of course, I’m also very attached to Konami’s Castlevania series.

Q5: “聖闘士星矢” といえば、主題歌の “ペガサス幻想”(R.I.P. Nob)は、あのアニメで育った私たちにとっては聖歌のようなものです。 そういったアニメの主題歌やゲーム音楽からも影響を受けているんですか?

【CRISTIANO】: もちろん “ペガサス幻想” は知っているし、素晴らしい曲で、まさにアンセムだよね。”聖闘士星矢” の公式サウンドトラックには美しい曲がたくさん収録されている。 それに、オーケストラのインストゥルメンタルにも信じられないほどインスパイアされている。傑作だよ。
それ以外に好きな曲は “黄泉がえり” シリーズの “Dead Or Dead”。素晴らしいよね。アニメなら、やはり “北斗の拳” 第2シリーズから TOM★CAT の “Tough Boy” だね。 日本のシンフォニックやゲームの作曲家はとても優れている。もちろん、コナミの “悪魔城ドラキュラ” シリーズにも愛着があるしね。

Q6: Phoenix and Gemini appear in the titles of yoursongs, but what characters and stories do you like inSaint Seiya?

【CRISTIANO】: I wrote those two songs, how much drafts, now over twenty years ago and it wasn’t a rational choice. It was natural to talk about them. They are definitely two of the most fascinating, important and complex characters in the manga. But my favorite characters are Seiya, Shiryu, Shaka and Dohko. Examples of strength, positivity and apart from Seiya aha, also balance and wisdom.

Q6: 曲のタイトルにもフェニックスとジェミニが出てきますが、”聖闘士星矢” ではどんなキャラクターやストーリーがお気に入りですか?

【CRISTIANO】: この2曲を書いたのはもう20年以上も前のことで、どれだけの原案を書いたかわからないけど合理的というよりも、彼らについて話すのはむしろ自然なことだったからね。
彼らは間違いなく、漫画の中で最も魅力的で重要で複雑なキャラクターの2人だからね。 しかし、僕のお気に入りのキャラクターは、星矢、紫龍、釈迦、そして童虎だ。 強さ、前向きさ、そして星矢は別としてバランスと知恵の良い例だからね。

Q7: You have a great love for other Japanese anime andmanga such as Hokuto No Ken, Dragon Ball, and Berserk,and I think the positive power, courage, and fantasy ofthose anime to be very much in line with power metal.How about you?

【CRISTIANO】: Exactly like that. Power Metal and AOR must be about love, positivity, inner strength, battles that take place inside and outside of us, and a sense of justice. So I think the anime you mentioned represent not only my favorites, but also perfect examples of how to convey this message. I really hope this album reaches fans of the manga and anime you mentioned.

Q7: あなたは “北斗の拳” や “ドラゴンボール”、”ベルセルク” といった日本のアニメや漫画が大好きなようですが、そうしたアニメのポジティブなパワーや勇気、ファンタジーはパワー・メタルに通じるものもありますよね?

【CRISTIANO】: まさにそうだね。パワー・メタルやAORは、愛、ポジティブさ、内なる強さ、自分の内外で起こる戦い、そして正義感について語らなければならないと思う。 だから、君が挙げたアニメは、僕のお気に入りであるだけでなく、そうしたメッセージを伝える完璧な作品でもあると思う。このアルバムが、日本の漫画やアニメのファンに届くことを心から願っているんだよ。

Q8: With Covid, war, and division, the world has beengetting darker and darker since the beginning of the 20s. For the marginalized and oppressed people, power metal fantasy seems to be a great escape. Would you agree?

【CRISTIANO】: Absolutely, I think that music, and especially this genre, can help a lot to improve the lives of others. I get numerous messages about how much my music has helped people get through difficult times and take away the grayness of this world, which today seems totally crazy. We must fight because we are the warriors of good and we must not give up. Life is sometimes hard but there are weapons to fight with, and one of them is art.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代初頭から世界はどんどん暗い場所となっています。そんな世界で疎外され、抑圧された人々にとって、あなたの生み出すパワー・メタル・ファンタジーは素晴らしい逃避場所のようにも思えます。

【CRISTIANO】: 音楽、特にこのジャンルは、人々の生活を向上させるために大いに役立つと思う。僕の音楽がどれだけ人々が困難な時期を乗り越えるのを助け、今日まったく狂っているように見えるこの世界の灰色を取り除くことができたかについて、多くのメッセージをもらうからね。
僕たちは善の戦士なのだから戦わなければならないし、あきらめてはならない。人生は時に厳しいものだけど、戦うための武器はある。そのひとつが、こうしたアートなんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CRISTIANO’S LIFE!!

EUROPE “The Final Countdown”

IRON MAIDEN “Somewhere in Time”

SAVATAGE “From The Gutter To The Stage”

HELLOWEEN “Keepers Of The Seven Keys I”

VIRGIN STEELE “Noble Savage”

MESSAGE FOR JAPAN

I would like to thank you first of all Sin, for this opportunity, all the readers and all of Japan for making me the man I am now with stories like the anime that raised me. Give “Symphony Of The Universe” a chance, you won’t regret it!

このような機会を与えてくれた SIN、読者の皆さん、そして僕を育ててくれたアニメの物語…今の僕があるのは日本のおかげだから、日本中の皆さんに、まずお礼を言いたいよ。 “Symphony Of The Universe” をぜひ聴いてみて!後悔はさせないよ!

CRISTIANO FILIPPINI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AEPHANEMER : UTOPIE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE OF AEPHANEMER !!

“I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.”

DISC REVIEW “UTOPIE”

「僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。メタルの世界では母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね」
音楽、特にメタルの優れているのは、たとえ言葉の壁やボーカル・スタイルによって歌詞が不明瞭で理解不能な場合でも、ムード、メロディ、テーマ、バイブスなどその音楽自体に伝える力が込められているところでしょう。裏を返せば、モダン・メタルの寛容さは、あらゆる異端を排除せず、壁を壊して包容し、自らの血肉としていくことができるのです。フランスの AEPHANEMER は、そうして文化の壁も、さらにはメロデスというジャンルの限界まで打ち壊し、突破していきます。
「客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ」
メタルの進化に終わりはありません。そう、AEPHANEMER はメロデスの遺産をしっかりと抱きしめながら、そのサウンドを別の次元へと高めるために音楽を奏でています。”メディーヴァル・フォーク的シンフォニック・メロデス” という大げさな表現が、もしかしたら今の彼らには最もしっくりくるのかもしれませんね。それだけ、この最先端のメロデスは、映画的で、オーケストラで、壮大な音の祭典です。
2023年にベーシストの Lucie Hune が脱退し3人編成となったにもかかわらず、これだけの緻密な壮観を完成させた AEPHANEMER の才能は比類なきもの。バンド創設者でインタビューイ、 Martin Hamiche が全ての弦楽器とオーケストレーションを担当して、あの鬼才 Dan Swanö 再度の協力により、力強いメロディにフック、心を震わす激情、幻想的なムード、フランスらしい気品と格調の高さ、そして豪華絢爛な “La Rivière Souterraine” が象徴する複雑で多面的な色彩を帯びた、ダーク・フォークとネオクラシカルの煌びやかな祭典 “Utopie” が降臨することとなりました。
「僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ」
お馴染みとなった Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) の手による鮮やかなアートワーク。そこには、彼らにとっての “Utopie” “理想郷”、自然と人間が手を携え、調和して生きていく世界が描かれています。もちろん、前作 “A Dream of Wildness” のイノシシに、私たちは “もののけ姫“ の影をみましたし、久石譲の風も受け取りました。
そう、AEPHANEMER の理想郷にとって、進化し多様に共生するべきは音楽だけにとどまりません。彼らは、人も小さな行動の積み重ねでより良い世界を目指すことができる、異文化と共生し調和することができると信じてアートを生み出していますし、もちろんアシタカとサンのように文明と自然も調和して生きていく未来を見据えているのです。
今回弊誌では、ギタリスト Martin Hamiche にインタビューを行うことができました。「Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ」ギターの煌めきとドラムの技巧、そして声の獰猛は群を抜いていますね。どうぞ!!

AEPHANEMER “UTOPIE” : 10/10

INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【MARTIN】: I discovered metal when I was around 12 or 13, thanks to my older sister, and for a long time, it was the only music I listened to. It started with System of a Down, which I played almost nonstop for a couple of years. Then, a friend gave me a compilation CD that introduced me to a dozen metal bands from different genres. On that CD I found bands that would become favorites for a long time: Amon Amarth, Insomnium, Dimmu Borgir, Therion. Shortly after, I also discovered Windir and Children of Bodom. These bands became the foundation of my metal influences, and I listened to them almost exclusively until I was 20 or 21. I wish I could say that I grew up with classical or folk music, but that was not the case, my family was modest and music culture simply was not present in our home.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【MARTIN】: 姉の影響で12歳か13歳頃にメタルに出会い、それから長い間、メタルだけを聴き続けていた。SYSTEM OF A DOWN から始まり、2、3年間ほとんどノンストップで聴き続けたね。その後、友人からコンピレーションCDをもらったんだ。 そのCDの中で、僕はそれから長い間お気に入りとなるバンドを見つけたんだよ。AMON AMARTH, INSOMNIUM, DIMMU BORGIR, THERION といったバンドだね。その直後、WINDIR と CHILDREN OF BODOM にも出会った。
彼らは、僕が影響を受けたメタルの基礎となり、20歳か21歳になるまで、ほとんど彼らばかり聴いていたね。クラシックや民俗音楽とともに育った、と言いたいところだけど、僕の家族は質素で、音楽文化は我が家には存在しなかったんだ。

Q2: How did Aephanemer begin? What is the meaning behind your band name?

【MARTIN】: Aephanemer started as a one-man band in 2014 when I released “Know Thyself,” an instrumental EP that I created on my own. A few months later, I brought in other musicians and turned it into a full band. The name of the band is inspired by the autumn season, which has always been my favorite, because it is the season in which I feel most at home and at peace. “Aephanemer” is actually a combination of the words “éphémère,” meaning ephemeral, and “fânée,” meaning faded or wilted, like a flower.

Q2: AEPHANEMER はどのように始まったのですか? そのバンド名に込められた意味を教えてください。

【MARTIN】: AEPHANEMER は、2014年に僕がひとりで制作したインストゥルメンタルEP “Know Thyself” をリリースしたときに、ワンマン・バンドとしてスタートしたんだ。 その数ヵ月後に、他のミュージシャンを加えてフルバンドにしたんだよ。
バンド名は、昔から大好きな秋という季節にインスパイアされたもの。僕は秋が最も、自分の家のように穏やかに過ごせるんだ。”Aephanemer” は、儚いという意味の “éphémère” と、花のように色あせた、しおれたという意味の “fânée” を組み合わせたものなんだ。

Q3: Marion’s ghoulish vocals are truly amazing, and she is the face of the band! How do you feel about the gradual increase of female vocalists and players in the metal world, which used to be a boys’ club?

【MARTIN】: Well, I think that is a wonderful development for many reasons. Humanity has probably missed out on many female Mozarts, Beethovens, or Tchaikovskys simply because access to music careers was so limited for women for so long. I am truly happy that Marion, in Aephanemer, contributes to changing that, both as a singer and as a musician.

Q3: Marion の鬼気迫るボーカルは本当に素晴らしく、彼女はバンドの顔となっていますね! ボーイズ・クラブだったメタル界に、女性ヴォーカリストや女性プレイヤーが徐々に増えていることについてはどう思っていますか?

【MARTIN】: そうだね、それは多くの理由から素晴らしい発展だと思う。 これまで人類は、おそらく多くの “女性版” モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキーを見逃してきたのだろう。というのも、長い間、女性にとって音楽活動へのアクセスは非常に限られたものだったから。AEPHANEMER で Marion が、歌手として、また音楽家として、それを変えることに貢献していることを心から嬉しく思うよ 。

Q4: When I saw the artwork for your last album, “A Dream of Wilderness,” it reminded me of Hayao Miyazaki’s anime. Have you been influenced by such Japanese culture, anime, music, and video games?

【MARTIN】: When we thought about putting a boar on the cover of “A Dream of Wilderness,” we looked for references to boars throughout history to give some inspiration to Niklas Sundin, who created the artwork. Marion immediately thought of the boars in Hayao Miyazaki’s Princess Mononoke, a work we both love. She has been a fan of anime since she was younger, and it has always inspired her creatively. Personally, I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.

Q4 :前作 “Dream of Wildness” のアートワークを見て、宮崎駿監督のアニメを思い出しましたよ。そうした日本文化、アニメ、音楽、ビデオゲームから影響を受けているんですか?

【MARTIN】: “A Dream of Wildness” のアートワークにイノシシを描こうと考えたとき、アートワークを担当した Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) にインスピレーションを与えるために、さまざまなイノシシを探したんだ。
Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ。

Q5: Dan Swano is involved in “Utopie” as he was in the last album. What do you learn from the originator of Melo-death?

【MARTIN】: Dan Swanö is an incredible sound engineer and has been essential in shaping the current Aephanemer sound, balancing all the classical instruments with the metal ones. His work allows every layer to be heard and feel alive. We are very grateful for his contribution and look forward to collaborating with him even more in the future.

Q5: Dan Swano は前作に引き続き “Utopie” にも関わっていますね。メロデスのオリジネーターのひとりから何を学んでいますか?

【MARTIN】: Dan Swano は素晴らしいサウンド・エンジニアで、現在の AEPHANEMER サウンドの形成に欠かせない存在であり、すべてのクラシック楽器とメタル楽器のバランスをとってくれているんだ。 彼の仕事によって、すべてのレイヤーが聴こえ、生きているように感じられる。 僕たちは Dan の貢献にとても感謝しているし、今後さらに彼とコラボレーションできることを楽しみにしている。

Q6: In fact, “Utopie” is a truly wonderful album!I can’t think of any other work that blends the wailing, fierce of melo-death with cinematic beauty as well as this one! Is one of your goals to portray a cinematic world with melo-death?

【MARTIN】: Thank you very much! When we create our albums, we don’t really set out to make something cinematic. What we do want is to give the feeling that our music opens a window to another universe, and orchestral instruments help us achieve that. They bring colors and textures that allow us to express emotions in ways that metal instruments alone could not. As for the metal side of our sound, we don’t really think in terms of genres. We simply include all the ideas we have and let them shape the music naturally.

Q6: 実際、”Utopie” は本当に素晴らしいアルバムですね!メロデスの慟哭と獰猛さ、そして映画的な美しさがこれほど融合した作品は他にありませんよ!
メロデスで映画のような世界を描くことは、あなたの目標のひとつなんですか?

【MARTIN】: ありがとう! 僕たちがアルバムを作るとき、映画のようなものを作ろうと思っているわけじゃないんだ。僕たちが望んでいるのは、自分たちの音楽が別の宇宙への窓を開けてくれるような感覚を与えることで、オーケストラ楽器はそれを達成する手助けをしてくれるね。オーケストラ楽器は、メタル楽器だけでは表現できないような色彩や質感をもたらしてくれる。
また、僕たちのサウンドのメタル的な側面に関しては、ジャンルで考えることはあまりないよ。 自分たちが持っているアイデアをすべて盛り込み、それが自然に音楽を形作っていくだけなんだ。

Q7: War, pandemics, division, discrimination, oppression… There are many people seeking escape in this dark world, and this work is a veritable “Utopie” for them. If metal has a role to play now, is it to provide a wonderful escape like this record?

【MARTIN】: Yes and no. We are not escapists in the sense of creating art to run away from reality. Our approach is more that we create art to inspire ourselves, and perhaps others, about what could happen in the real world if we don’t give up and continue working to improve it through our small daily actions. We love when people feel energized and inspired by our music, and then take that energy to make positive changes in their lives, in their homes, or in their communities. For us, creating a better future for all living beings is essential, because our vision of Utopia is a world where humanity lives in harmony with nature and other life forms.

Q7: 戦争、パンデミック、分断、差別、抑圧…この暗い世界で逃避を求める多くの人々にとって、この作品はまさに “ユートピア” だと感じています。
今、メタルが果たすべき役割があるとすれば、それはこのレコードのような素晴らしい逃避場所を提供することなのでしょうか?

【MARTIN】: イエスでもありノーでもある。僕たちは、現実から逃げるために芸術を創作するという意味での逃避主義者ではない。僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。
僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ。

Q8: From this record, French is the main language. In recent years, more and more metal bands are incorporating the language and culture of their native country instead of English, why did you decide to make French the main language?

【MARTIN】: As you said, we feel that more and more bands singing in their own language is becoming common and widely accepted. It can even be seen as a sign of sincerity and authenticity, which people appreciate today. For us, using French was a very natural choice, especially since our previous album, A Dream of Wilderness, included one French song that was very well received. From our experience on tour, audiences everywhere actually prefer the French lyrics. There is a small exception with part of the US audience, who sometimes see it as a personal insult that we don’t write in English anymore, but that doesn’t matter to us. We make the art that feels true to us, and only to us.

Q8: このアルバムからフランス語がメイン言語となりました。 近年、英語ではなく、母国の言語や文化を取り入れるメタル・バンドが増えていますが、あなたはなぜフランス語をメインにしようと思ったのですか?

【MARTIN】: 君の言う通り、母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね。
僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。特に、前作にはフランス語の曲が1曲入っていて、それがとても好評だったから。 ツアーでの経験から言うと、どこの国でもオーディエンスはフランス語の歌詞を好んでいる。 アメリカのオーディエンスの一部には小さな例外があって、彼らは僕たちが英語で書かなくなったことを個人的な侮辱と捉えることもあるようだけど、それは僕たちにとっては問題ではない。僕たちは、僕たち自身にとって、僕たち自身にとってのみ真実であると感じられる芸術を作るだけだよ。

Q9: In this day and age, some people say that melodeath is outdated, rustic, or unpopular. What do you think about those words? Why do you keep playing melodeath?

【MARTIN】: Every music genre can feel outdated until it is reforged, renewed with new elements from other styles, and then finds a new audience. I feel that is exactly what some of us are trying to do. Objectively, we don’t really sound like Dark Tranquillity, Amon Amarth, or Arch Enemy at all. Even Children of Bodom, a band we are sometimes compared to, has a very different vibe than us. This makes sense, because today I am mostly inspired by medieval, classical, and folk music, which isn’t the case for any of those bands. That is simply how music evolves. But when we write, we never think about comparisons or trends: we just create the music we wish existed, the music we would want to listen to ourselves.

Q9: 今の時代、メロデスは時代遅れだとか、いなたいだとか、人気がないなどと言う人がいます。それでも、なぜあなたはメロデスを演奏し続けるのですか?

【MARTIN】: あらゆる音楽ジャンルは、他のスタイルから新しい要素を取り入れて刷新され、新しいリスナーを見つけるまでは、時代遅れだと感じることがある。僕たちがやろうとしていることは、まさにそうした挑戦だと思う。
客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。
結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ。 でも、僕たちが作曲するときは、比較や流行を考えることはない。僕たちはただ、自分たちが存在してほしいと願う音楽、自分たち自身が聴きたいと思う音楽を作るだけなのだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MARTIN’S LIFE!!

System of a Down “Toxicity”

Because it was the first metal I ever listened to.

Amon Amarth “Fate of Norns”

As it was the first melodic death metal album I discovered.

In Flames “Colony”

Because it made me re-discover melodic death metal when I was 21 and probably inspired me to create Aephanemer

Joe Hisaishi “Howl’s Moving Castle soundtrack”

A major album in my musical journey beyond metal.

Basil Poledouris “Conan the Barbarian”

For a similar reason, and it also became a source of inspiration for Utopie.

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you so much to all our listeners in Japan for your support and your amazing culture. We are currently working with a local promoter on a Japan tour, and we really hope to meet you all in 2026. Wishing you a wonderful day!

日本のリスナーのみんな、応援と素晴らしい文化に本当に感謝しているよ。僕たちは現在、日本のプロモーターと日本ツアーに取り組んでいて、2026年に会えることを本当に楽しみにしているんだ。みんなにとって、素晴らしい一日になりますように!

MARTIN HAMICHE

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DORMANT ORDEAL : TOOTH AND NAIL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MACIEJ NIESCIORUK OF DORMANT ORDEAL !!

“I always liked intelligent intensity, something that can be enjoyed both live and at home.”

DISC REVIEW “TOOTH AND NAIL”

「このアルバムの目標は異なるものの調和だった。 スピードとブルータリティを維持しながら、よりシンプルな曲にして、テクニカルなリフを減らしたかったんだ。同じことを繰り返さないようね。このアルバムは、真のエクストリームなジャンル・ファンにとってはソフトすぎるし、メロディーを求める人にとっては激しすぎるという意見を耳にしているよ。そうして、誰もレッテルを貼れないような音楽を作ることができて、僕はとても満足なんだ」
テクデス・シーンと結びつけられることも多い、ポーランドの新星 DORMANT ORDEAL。しかし、彼らはそうしたテクニカル合戦、スピード競争から距離を置こうとしています。少なくとも、あの Willowtip からリリースされた4枚目のアルバム “Tooth and Nail” は、DEFEATED SANITY や ARCHSPIRE とは異なる場所にいることはたしかでしょう。なぜなら、彼らは技巧や速度を超越した、総合芸術としての攻撃性と獰猛さを追求しているから。
「ポーランドのブラックメタル・シーンはかなり充実しているし、ポスト・ブラックメタル・シーンはさらに混雑している。だから、いくつかの形容詞に絞り込んで表現するのはかなり難しいけど、激しく、凶暴で、機械的でありながら、一貫した知性があるという君の説明は好きだ。僕はいつも知的な激しさが好きで、ライブでも家でも楽しめるようなものが好きなんだ」
VADER に端を発するポーランドの凶暴なる音の流れは、BEHEMOTH, DECAPITATED, BATUSHKA, Mgła、そしてこの DORMANT ORDEAL という多種多様な地獄の業火を生み出してきました。彼らの炎は灼熱でありながら冷徹で、それ以上に一貫した知性と冒険への野心が漲っています。今回のインタビューイ Maciej が語るように、ライブでは当然そのエネルギーに圧倒されますが、同時に家でじっくりと腰を落ち着けて聴く時でも何かしらの新たな発見や好奇心をそそる展開が待ち受けている。そんなポーランド・エクストリーム世界の哲学を今に体現したバンドこそ、DORMANT ORDEAL なのです。
「”To fight tooth and nail” とは、全力で戦う、あらゆる手段を使う覚悟がある、簡単にはあきらめないという慣用句だ。 リリックでは、戦争のような外的なものであれ、憂鬱や自信喪失のような内面に向けられたものであれ、戦いや闘争という主題に触れている。 アートワークについては、上記のすべてを要約する試みだったよ」
“Tooth and Nail” というタイトルもふさわしく、DORMANT ORDEAL はこの作品で容赦のないブラック/デスメタルの集中砲火を届けます。周囲のすべてが破壊されていく中、塹壕の中で縮こまるような感覚。安全地帯から出ようとするたびに、容赦ない砲撃の波が再びリスナーをシェルターへと押し戻します。
そうした圧倒的で容赦のない音攻の中で彼らは、様々なスタイルを融合させながら、しかしいずれのスタイルにも完全には染まらない独自のエクストリーム・メタルを生み出しました。テクニカルなセンスが光るリフの猛攻にも、テクデスらしいフレットボードを駆け回るヒロイックな表現はありません。不協和音とメロディーの二律背反は必需品ではなく秘密兵器となり、何者にも染まらない DORMANT ORDEAL 独自の凶暴を生み出しました。
DECAPITATED のごとき激しいリズムの非人間的異変は、Mgła や BEHEMOTH を彷彿とさせるブラックメタルのエッジと溶け合い、そこにアンビエントなタッチが加わることで、ポーランドらしい強烈な中毒性と痛烈なまでに生々しいサウンドを実現。アートワークから内容まで、”Tooth and Nail” は DORMANT ORDEAL の真髄を体現しています。バンドの唯一の創設メンバーと別れるのは容易なことではありませんが、諦めずに死に物狂いの苦闘で乗り越えて、傑作にたどりつきました。揺るがぬ決意と、困難なに立ち向かうことこそメタルの真骨頂。不条理に全力で戦いぬけと、DORMANT ORDEAL は叫び続けます。
今回弊誌では、Maciej Nieścioruk にインタビューを行うことができました。「1993年に MEGADETH, METALLICA, それに SEPULTURA と CANNIVAL CORPSE を初めて聴いたときからすべてが始まったんだ。 その後、メタルのダムが決壊し、バンドはより残忍であればあるほど良くなった。とにかく、アグレッションと生々しい獰猛さを愛しているんだ。この数十年の間に僕の好みは大きく進化したけど、90年代にリリースされたこうしたのアルバムには今でも思い入れがあるね」 どうぞ!!

DORMANT ORDEAL “TOOTH AND NAIL” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【THE PRETTY WILD : ZERO.POINT.GENESIS】


COVER STORY : THE PRETTY WILD “zero.point.genesis”

“The Paranormal Is Normal For Us”

zero.point.genesis”

ラスベガスを拠点とする姉妹デュオ、THE PRETTY WILD は、トラウマ、神秘主義、そして女性の怒りを、神話的でジャンルを超越した探求に込めています。そうして、Sumerian Recordsよりリリースされたデビュー・フルアルバム “zero.point.genesis” は、未知への幻想的な欲求を体現した作品群となったのです。
Jyl と Jules の Wylde 姉妹は、超常現象のテーマと彼女たち反骨精神を織り交ぜ、今や実験精神の代名詞となっています。昨年、画期的なシングル “sLeepwAlkeR” をリリースして以来、彼女たちはメタル・シーンで躍進を続け、女性らしさと激しさのバランスを力強く取りながら、他のアーティストとは一線を画す存在感を発揮しています。
デビューアルバムのリリース後も、姉妹にはタイトなスケジュールが待っています。来年2月から3月にかけて、SLEEP THEORY の2026年ヨーロッパツアーのサポートツアーに出る予定。また、Welcome To Rockville と Inkcarceration でフェスデビューを果たしたふたりは、2026年にはSonic Temple、Download、Vainstream Rockfest のステージでも世界をを席巻する予定なのです。
SLEEP THEORY との公演では、デビュー・アルバムを全曲演奏する予定ですが、Jules と Jyl はこの記念碑的なリリースの現実をまだ実感できていないと語る。
「レコードを手にするまでは、本当にリアルで、すごく直感的に感じられることはないと思う。でも、その時になって初めて、何かが腑に落ちるかもしれない」
「このアルバムは、私たちが曲作りに着手する前から、自分たちの中で取り組んで体現してきたたくさんのものの集大成。だから、それが現実に形になるのを見るのは、本当に信じられない気持ちだよ」
むき出しの脆さと神聖なエネルギーに突き動かされた “zero.point.genesis” は、恐れを知らない精神を伝えています。”PARADOX” や “hALf aLiVE” といった自由奔放なトラックを通して、Wylde 姉妹は神秘と深い自己省察の両方を体現しているのです。
「このアルバムは、多くの点で、女性らしさが芽生えていく作品なの」と Jyl は語ります。 「姉妹として、私たちが互いに自信を深め、エネルギーを持ち、それを維持していくのは、本当に素晴らしい進化だった。他の女性たちにも同じように感じてもらえるように、有害な女性らしさを捨て去り、協力的なエネルギーを真に受け入れ、力を合わせれば、もっと力強くなれることを実感できたんだ」

ニューアルバムのサウンドについて、Jules はこう語っています「私たちはクリエイティブな面で成長し、様々な方法で自分たちを追い込んできたと思う。色々なことに挑戦したよ。楽器編成だけでなく、ボーカル・パート、そして楽曲の成熟度や深みといった点でも、様々な領域に挑戦していった」
このアルバムは崩壊と再生のアルバムだと Jyl は表現しています。
「完全なコンセプトアルバムだよ。多くのテーマは、体系的なプログラム、社会的なプログラム、そうした規範を覆すことから生まれている。プログラムされている時は、それが自分にとってどれほど病的だったり、惨めだったりするのか気づかないんだよね。それが当たり前になってしまっているから。それが健康的ではなかった、自分には向いていなかったと気づき始めるまで、そこから引き離されるまで、そのことに気づかない。そしてそこから抜け出すと、過去の自分への悲しみに苛まれる部分があり、このアルバムの大部分はその悲しみを探求しているんだ。特に女性としての力。女性らしさを失わずに生きるためのロールモデルは、私の意見では、これまであまり多くなかったからね」
アルバムには、時代を超えた神話がインスピレーションを与えていると Jules が付け加えます。
「作品の多くは、少し古風だけど時代を超えた文学の世界から着想を得ているの。多くの曲で悲劇に触れたり、ギリシャ神話やローマ神話に触れたり。そういったクールで時代を超越した作品が、私たちに影響を与えてきたんだよね。コンセプト・アルバムについて言えば、BRING ME THE HORIZON の “NeX GEn”、あれは素晴らしいアルバムね。私たちはあのアルバムの大ファンなの。聴いている人をその世界に引き込み、12曲、14曲、15曲も続けて聴けるような感覚にさせてくれるのは、本当に素晴らしいと思う」

このアルバムは、個人的な要素が込められていると同時に、真摯な作品でもあります。姉妹は、このアルバムをここ数年で自分たちについて深めてきた理解、そのすべての集大成だと表現しています。このプロジェクトは意図的に多層的な構成になっていますが、真の女性らしさを受け入れ、探求を学ぶことが、このアルバムの大きな目的となっているのです。
「アルバム全体が神秘主義に根ざしていることは周知の事実だよ」と Jyl は語ります。「アルバムは、自分自身を取り戻し、自分の影と向き合い、多くの内なる子供心に向き合い、そして、体系的に見て、女性たちの育てられ方の多くが必ずしもお互いや社会のためになっていないことに気づくことについて…でも、誰かの気持ちを理解し、その気持ちに寄り添うまで、有害だと気づかないようなことがたくさんあるんだよね。このアルバムには、まさにその反発のエネルギーが詰まっているの」
全11曲を通して、”zero.point.genesis” は劇的な要素と、怒りと、魅力を鋭く織り交ぜたサウンドを融合させ、サウンド的にも精神的にも束縛されることを拒むアルバムとなりました。そしてヴァンパイアのような “living ded” であれ、ダークでロマンチックな “AFTERLIFE (feat. Magnolia Park)” であれ、このアルバムに収録されているすべての曲は、それぞれが独自の物語として際立っているのです。
映画、演劇、そして超常現象から音楽的インスピレーションを得ている THE PRETTY WYLDE の楽曲はどれも、それぞれが独自の映画的世界観を紡いでいます。神話や超自然的な伝説に深く影響を受けたふたりは、そうした物語を独自の不気味で神秘的なな芸術性に取り入れているのです。
「自分が経験しているありふれた日常の出来事を、より大きな神話の弧へと結びつけていくんだ」と Jyl は言います。「そうやって、物事の中に多くの類似点を見出していく。神話は、自分が経験している辛いことに対処するための教科書だと感じることがあるんだよね」

“Button Eyes” のビジュアルも実にシアトリカルで革命的。作曲中、すでにビジュアルやミュージックビデオのことを考えているのでしょうか?
「Jules は演劇の世界出身だから」 と Jyl は胸を張ります。「特に私たちの場合は、ただ歌を歌うのではなく、曲全体を通して風景を思い描いて書いて、演奏しているんだ。ファッションから舞台装置まで、私たちが作り上げている世界観を思い描いてね。だから、聴いてくれる人たちは、私たちがエネルギッシュに表現しようとしている芸術的な空間に引き込まれる。商業的な枠組みの中では、そうするのは難しいこともあるけどね。でも、私たちは自分たちのやり方を見つけているよ。特にこの次の作品では、その世界観がより現実のものになると思う」
つまり、THE PRETTY WILD は音楽を超えた総合芸術だと Jules は考えています。
「これからファッションの要素をもっと深く掘り下げていくつもり。私たちにとってアートとは、音楽以上の深い意味を持っているの。それは、私たちが築き上げている精神や世界観についても同じ。そして、その要素の多くは、ビデオやファッション、ヘアメイクといったクリエイティブな決断を通して表現されるの。どの時代をチャネリングするか、バロックの要素を取り入れているかどうか、クラシックの要素を混ぜているか、Nu-metal とミックスしているか…そうやって考えながらね。これはちょっと面白い組み合わせよね」
Jules に “叫び方” を教えたのは Jyl でした。
「実は、Jyl がスタジオで叫ぶ方法を教えてくれたんだ。初めて曲の中で本気で叫んだのは “Sleepwalker” の時だった。だから今、”Sleepwalker” を聴き返すと、ああ、もっとうまくできたはずって思うんだよね。でも、ちょっと面白かったよ。それから、ハーシュなボーカルに関しては、私たち二人とも似たような感じになることが多いのよね。でも、私は低音パートをシャウトすることが多いのに対して、Jyl は高音パート、ザラザラした感じの部分を多用する傾向にあるかな」
Jyl が “Sleepwalker” に込められたメッセージを伝えます。
「この曲の芸術的なメッセージは、女性が怒りと甘さを同時に抱えているという二面性だと思う。だから、音楽にはその両方が必要だったんだ。みんな “メロディックなクリーンボーカルを作るのは本当に難しい” って言うんだけど、私たちは “なんとかするよ” って感じなんだよね」

クラシック音楽は、メタルコア、Nu-metal と並んで THE PRETTY WILD の大きなインスピレーションとなっていると Jyl は語ります。
「クラシック音楽はずっと私たちの共通のテーマ。クラシック音楽は私たちのホームベースだから、THE PRETTY WILD にクラシック音楽を取り入れる必要があったのよ。当然のことだった。それから、私はダークポップが大好きで、ダークポップのメロディーも、ダークポップの構造も大好きなの。私にとって、オルタナティブ・ダークポップはまさにバイブス。そして Jules は間違いなくメタルシーンに根ざしている。だから、すべてがうまく機能したんだよ」
同じ精神を共有していると感じているアーティストは誰でしょう?Jyl と Jules が答えます。
「ジャック・ホワイトが好き。THE CIVIL WARS にはいつも大きな影響を受けているよ。サウンド的には、最小限の楽器編成で観客を惹きつけている。彼らのエネルギーには、そうさせる特別な力があるよね。それは間違いなく大きなインスピレーションだよ。私は何でも聴きくかな」
「明らかにメインストリームと言えるのは、LINKIN PARK の美学と Nu-metal だね。彼らは真に様々なジャンルを融合させ、その後シーンを築き上げた他のバンドと共に、パイオニア的存在となった。Jyl が言ったように、私たちは様々な理由で、実に様々なバンドやアーティストが融合した存在なので、単純にどれかを切り離して考えるのは難しいんだよね」
バンドの音楽的アイデンティティに関して言えば、THE PRETTY WILD は社会や業界の基準に従わず、常に自分自身に忠実であり続けることと同義になっています。だからこそ、意外なことに今日ではダーク・メタルコアで知られるこの姉妹は、当初はオルタナティブ・カントリー・アーティストとして音楽シーンに登場していたのです。
“y’allternative(ヤオールオルタナティブ)” というジャンルの先駆者である THE PRETTY WILD は、2022年に “XANAX & CHAMPAGNE” や “Eastwood” といったカントリーのシングルでデビューしました。しかし、この姉妹はカントリーからメタルへの旅は必然だったと考えています。
「自分たちが伝統的なジャンルにおいて、伝統的ではないことに気づいたんだ」と Jyl は説明します。「当時、自分たちがカントリーのシーンにいた頃は、あまりにも多くのルールを破ろうとしていた。それが当時の私たちにとっては本物だったから。でも、”自分たちに抵抗する人たちのエネルギーに囲まれたくない” と気づいたんだよね。そうして、より多様なメタルに根ざした、より共鳴するものを見つけたんだ」

サウンドは進化を遂げてきたものの、この二人の特徴であるリリカルな詩情と骨太なストーリーテリングの感覚は、カントリー/オルタナティブ時代からずっと変わっていません。Jules は、当時のレーベルを離れて以来、オルタナティブ・シーンから離れたことが、自分たちにとってプラスに働いたと語ります。
「私たちは普通じゃないのが普通なの。私たちは、あのシーンの人たちより、クリエイティブに奇抜なことをすることができたんだ。そして、それが今の、よりヘヴィなトーンへと進化し始めた。それはずっと私の興味の対象だったから。私はかなり若い頃からずっとメタルに夢中だったんだけど、Jyl はもっとダークでガーリーなポップなジャンルから来ている。だから、私たちの曲の多くには、ヘヴィなブレイクダウンやクラシカルな要素がある一方で、ポップなコーラスにはダークなコンセプトが盛り込まれている。陳腐に聞こえるかもしれないけど、そうした多様性が今の私たちを形作ったんだ」
今、THE PRETTY WILD は型破りで社会の流れに逆らうことを目指す、揺るぎない音楽的精神で進んでいます。ルールを破ること、いや、ジャンルの壁を壊すことを恐れない姉妹は、自分たちにある “内面を見つめる能力” こそが、メタル・シーンの他のアーティストたちと一線を画すものだと言います。
「何が起こっているのか、ある程度は把握していなければならないんだ」と Jules は言います。「でも、コンセプトやアイデアを思いついたり、曲をカットしたりする時は、あまり深く考えないんだ。スタジオはとてもプライベートな空間で、もちろん防音対策も万全で、他のことは考えない。だから、ただ自分が作りたいものを作り、それを心から誇りに思えるんだ。もちろん、それを人に見せたい気持ちはあるけれど、何よりもまず、自分のために音楽を作っているからね」

Jyl がこう付け加えます。「ルールに気を配ることはできるけど、最終的には自分の感覚に従うしかない。ルールを学ぶことは大切。でも、もしそれが自分のすべきことではないと感じたり、何か違うものが必要だと感じたら、その感覚に身を任せればいいんだよ。
いつもみんなに “予想外のことが起こることを期待して” と言っている。私たちは常に、まるでクリエイティブ・マシンみたいに、情熱とエネルギーとアイデアを次々と生み出していて、それが止まることはないんだよ。
だから、私たちの頭の中にあるものを現実のものにし、私たちが恋に落ちたこの世界を描き、みんなに届けられることを、本当に楽しみにしているんだ。
そして、正直に言って、周りの人たち、特に女性たちにインスピレーションを与えたいと思っているの。違った考え方をすることで、感情を大切にすることで、女性が大きな創造力を持っていることに気づくことができる。それが私たちにとって本当に大切なことなんだ。そして、それを実際に見せ、実証し、現実のものにしていくのよ!」
最終的に、THE PRETTY WILD は、彼女たちの名前が象徴するもの、つまり美しさと怒り、光と闇、意志と大胆さを体現しています。そうしてこの姉妹は、デュオの初となるフル・アルバムを通して、彼女たちは未知なるものを信じ、壁を壊し、リスナーにも縛られないことを望んでいるのです。
「特に女性なら、自分の直感に耳を傾け、感情を受け入れるべきだよ。だって、それがあなたのスーパーパワーだから」と Jyl は言います。「そして、このアルバムは最終的に、女性が直感と感情全てを取り戻し、自分の感情を表現することを恐れないことをテーマとしているの。同じ言葉、同じ音楽の中で、美しさと怒りを表現することはできる。それは何も悪いことじゃない。健全なことなのよ」
最後に、このアルバムはふたりにとってどんな存在となるのでしょう?
「まるでビッグバンの瞬間のように、この無形のものが誕生したんだ。創造性が強迫的に爆発しているんだよね。最初から最後まで、まるで旅のようで、アルバムは私たちを様々な場所へと連れて行ってくれる。混沌としているけど、それがバンドの起源なの。
アルバム全体を通して、社会によって自分自身から切り離せと言われてきた部分を取り戻すことについて歌っている。だからこそ、このアルバムは混沌としていて、生々しく、叫び声のような、それでいて美しいものでもあるんだ。なぜなら、切り離されたものを再び統合した時、そこに美しさが生まれるから。多くの人は闇を見て怖がると思うけど、私たちは真っ逆さまに闇に飛び込むの。そうすれば、もう闇を恐れなくなるからね。闇は私たちをコントロールできなる。その価値観を得た日が新たな人生の誕生日であり、世界へと自分自身を導くための、新しい知覚レンズなんだと思うよ」

参考文献: NEW NOISE MAG:INTERVIEW: THE PRETTY WILD TALK ‘ZERO.POINT.GENESIS’

HARDBEAT :Interview with The Pretty Wild

v13net:METALThe Pretty Wild: “When people can take you into this world and you feel like you’re there for 12, 14, 15 tracks, it’s really admirable…”

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MORON POLICE : PACHINKO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SONDRE SKOLLEVOLL OF MORON POLICE !!

“Especially the JRPGs, went on to influence millions of kids, who then, because of the music in these games, had a natural inclination towards progressive rock/metal (and classical too, to an extent). It was basically prog rock/metal, just on a Super Nintendo/Playstation!”

DISC REVIEW “PACHINKO”

「世界は年を追うごとに暗くなっているように思えるね。 インターネットが普及し、ソーシャルメディアが発達したことで、僕たちはあらゆるものを見聞きし、何らかの形でそうしたノイズに関わらざるを得なくなったからだ。 これはとても、とても憂鬱なことだよね。そんな世界でノルウェーの小さなバンドが世界中に広がり、こんなにも遠い日本という岸辺に居場所を見つけることができるなんて、不思議なことだ。でも、これってインターネットってこうして僕たちを引き合わせるものであって、引き離すものではないということを示す素晴らしい例だと思う!」
今や世界は、インターネットとSNSに支配されています。分断や差別を煽るだけの無責任かつ野放図なアルゴリズムは、ただただ悪意と対立を感染させる狂気のウィルスとして日々世界中にばら撒かれています。現代を生きる私たちに、そこから逃れるすべはありません。インターネットなしで生きることのできない私たちには、そうしたノイズを完全に遮断することなど不可能なのです。
しかし、インターネットやSNSは本来、人と人、好きと好きをつなげるポジティブなツールであるべきでしょう。ノルウェーの美しき海辺の街、ベルゲンから世界に旅立った MORON POLICE は、彼らの音楽が遠き日本の岸辺へと届き、この国で人気を博すこととなった現代の “メッセージ・イン・ザ・ボトル” こそがインターネットのあるべき姿だと胸を張ります。
「これは近未来の東京で、ある男が悪魔によってパチンコ台にされてしまうというコンセプト・アルバムなんだ。ストーリーが日本を舞台にしているからというのが一番の理由なんだけどね! それに、僕は日本に興味があるからね! 祖父母と叔父が80年代に確か3年間日本に住んでいて、日本から輸出されるさまざまな文化を見て育ったから、日本の文化や歴史、さまざまな自然に興味があるんだ。それから、アイヌの人々にはとても興味があって、いつか北海道を訪れてみたいと思っているんだ。”Hanabi” については、北野武監督の同名の映画にちなんだ楽曲なんだ」
だからこそ、MORON POLICE の心臓、Sondre Skollevoll は最新作の舞台に日本と “パチンコ” を選びました。実際、このミュージカルのようにカラフルな、そしてジェットコースターのように目まぐるしい風変わりなアルバムに “パチンコ” というタイトルは完璧にフィットしています。現実世界から逃避できる、光のような高揚感も音楽的な射倖心を煽ります。ただし、パチンコに闇があるように、この作品にも暗がりは存在していました。それは、Sondre の親友で長年の相棒でもあったドラマー、Thore Omland Pettersen の死去でした。
「”Pachinko” は彼が亡くなる前にすでに書かれていて、彼はアルバムの曲を知っていた。だから僕たちは、彼のためにもアルバムを完成させたかったんだ。僕が唯一得意なのは音楽を作ることだけど、彼がいなければ同じようにはいかないね。 正直、彼が亡くなってからあまり音楽を作っていないんだけど、それでも今でも演奏するのは楽しいよ。これから僕らの音楽はもっと増えるだろう。それが彼の遺産を称えることであり、2008年に僕たちが始めたことを称えることだと考えているよ。 彼の死を理由に MORON POLICE を終わらせてしまったら、彼は本当に本当に怒ると思うからね」
2022年に不慮の交通事故で亡くなってしまった親友にしてバンドの盟友。Sondre は真剣に、MORON POLICE の終焉を考えました。しかし、それは決して亡き Thore の望みではないと思い直します。そして、Thore も携わっていた “Pachinko” は思わぬ形で完成を見ました。亡き Thore が心酔していた THE DILLINGER ESCAPE PLAN、Billy Rymer の参加です。そうして、ポップとプログ、そしてゲーム音楽のクロスオーバーとして名を上げた MORON POLICE の音楽は、そこにハードコアと混沌を取り入れることでさらなる進化を遂げました。高揚感と遊び心、繊細と優雅の狭間にパンチの効いたアクセントを取り入れたアルバムは、まさに前人未聴。誰も聴いたことのないオープンワールド・ミュージックの傑作として、紆余曲折の末、遂にリスナーの元に届きます。
今回弊誌では、Sondre Skollevoll にインタビューを行うことができました。「JRPGの多くは、何百万人もの子供たちに影響を与え、影響を受けた子供たちは、これらのゲームに登場する音楽のおかげで、プログレッシブ・ロック/メタル(そしてある程度はクラシックも)に自然と傾倒するようになった。 だから、あの頃のゲーム音楽はスーパーファミコン/プレイステーションに乗っているだけで、基本的にプログ/メタルだったんだ!”」 二度目の登場。どうぞ!!

MORON POLICE “PACHINKO” : 10/10

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