NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BENTHOS : FROM NOTHING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BENTHOS !!

“I always loved the japanese math scene: downy, toe, tricot, paranoid void, LITE… Outside the math world, I enjoy MILLENIUM PARADE, MASS OF THE FERMENTING DREGS, ermhoi, Black Boboi, BAUKHA (ex HOPI), Sheena Ringo, Friday Night Plans, Ichiko Aoba, Kaho Nakamura, betcover!!, Sarah Bonito (from Kero Kero Bonito).”

DISC REVIEW “FROM NOTHING”

「2000年代以降、メインストリームは非常にドライで予測可能なものになり始めた。今起きていること、プログレッシブ・ミュージックの再評価は、消費主義やコンテンツ不足の問題とリンクしているのではなく、メインストリームの外側にある何かを探したいという欲求だと思う。もしかしたら、いつものように、狂った “飽き” からくるものなのかもしれないけど!また、”脳内腐敗” や短いコンテンツに対する自意識のようなものもZ世代から見受けられるので、僕たちの一部が “治療法” のようなものを求めている可能性もある」
DREAM THEATER や GOJIRA のグラミー受賞は、プログレッシブ世界にとってとても大きな出来事でした。いや、プログレッシブ世界のみならず、インスタントな文化に支配された音楽世界全般にとっても、かなりの衝撃だったに違いありません。なぜなら、複雑で、長く、相当な鍛錬を要するプログレッシブ・ミュージックはコンテンツを “消費” するという時流の真逆にあると目されていたからです。
イタリアのエクスペリメンタル・メタル BENTHOS は、プログの復興と再評価について、”メインストリーム” の外側にある音楽への探求が始まったと表現しました。その言葉は、現行のポップやロックに、短いコンテンツの消費に “飽きた” リスナーにとって、プログが新たなエルドラドとなり得る可能性を自ら証明するという自信の現れでもあるはずです。
「基本的に何でも聴くようになり、あらゆるジャンルへと興味の幅を広げていった。今好きなアーティストは、Radiohead, Bjork, downy, Kendrick Lamar, JPEGMAFIA, Kero Kero Bonito, Magdalena Bay, 青葉市子だね」
なぜ BENTHOS が今、プログレッシブ・ミュージックの希望と呼ばれているのでしょうか?それは、彼らがあの SLEEP TOKEN と同様、メインストリームに住むメインストリームに飽きたリスナーを、メタルやプログレッシブ世界へと惹き込む魅力を備えているから。BENTHOS は例えば、THE CONTORTIONIST や THE DILLINGER ESCAPE PLAN, DREAM THEATER に HAKEN, OPETH, THE SAFETY FIRE (!) といったメタリックで複雑なプログやマスの “基本” を当然抑えながらも、決してそれだけでは終わりません。
Kendrick Lamar, Magdalena Bay, JPEGAMFIA, Kero Kero Bonito といったカラフルなヒップホップやポップ、エレクトロはもちろん、特に日本の音楽に薫陶を受け、toe, tricot, LITE といったマス・ロック、downy や 椎名林檎のようなレジェンド、そして青葉市子や中村佳穂のような新鋭まで、BENTHOS の好奇心は尽きることがありません。さらに、THE MARS VOLTA や A LOT LIKE BIRDS のようなポスト・ハードコア、そしてロックの酩酊までもがここには詰め込まれています。だからこそ、メインストリームのリスナーを惹き込め、プログの “充足感” を伝えていくことができるのでしょう。
型破りなアレンジ、破壊と野蛮、残忍と美麗、混沌と叙情、静寂と喧騒、そして悲痛な感情。複雑なリズム、パワフルでダイナミックなギターワークが、静謐でメロディアスな間奏とシームレスにブレンドされた、プログの再構築 “From Nothing”。その音楽的想像力のスケールの大きさ比肩できる作品はそうありません。決してつぎはぎのパッチワークではなく、洗練された創造性が幾重にも織り込まれたタペストリーはきっと “プログレッシブ” の楽しさを売り込む絶好のアンバサダーとなるはずです。
今回弊誌では、BENTHOS にインタビューを行うことができました。「BENTHOS という名前は、海底に密着して生活する生物のコミュニティを意味する。比喩的には、僕たちの内なるエッセンス、地下深くに埋もれている僕たちの感情を表し、それを表面化させようと努力しているんだ。僕たちの初期の楽曲のひとつ、”Debris // Essence” の原題は “Awake the Benthos” だった。やがて、その “Benthos” が僕たちにとって完璧な名前だと感じるようになったんだ」 どうぞ!!

BENTHOS “FROM NOTHING” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PHASE TRANSITION : THE OTHER SIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FERNANDO MEIA OF PHASE TRANSITION !!

“Fado Is More Than Music; It’s Emotion. It’s About Longing, Destiny, Melancholy… Feelings That Resonate Deeply. That Emotional Weight Definitely Finds Its Way Into Our Songs.”

DISC REVIEW “THE OTHER SIDE”

「深みに飢えている人がいるのだと思う。世の中にはたくさんのコンテンツがありすぎて、つながりがないままスクロールして通り過ぎてしまうのが簡単で当たり前となっている。しかし、複雑な音楽は集中力を要求し、その代わりに豊かでエモーショナルな体験を与えてくれるんだ。ツイートではなく小説を読むようなもので、時間はかかるけど見返りは大きい。それがプログを生かし続けているんだよ」
画面をスクロールして5秒立ち止まり、またスクロールして5秒立ち止まる。コンテンツは無限にあって、私たちはその宇宙の中で “消費” というあまりにも無味乾燥かつ一方通行な言葉によって、すべてを理解し堪能した気持ちになっています。しかし、まるでそのスーパーの試食コーナーだけを回るような無料の巡回で心が満たされることはあるのでしょうか?
ポルトガルのプログ・メタル新人類 PHASE TRANSITION は、感情の起伏を山のように織り込んだ長く複雑な楽曲によって、そうしたインスタントな世界を変えたいと望んでいます。GOJIRA や DREAM THEATER のグラミー受賞はその “フェイズ移行” のきっかけとなるでしょう。結局、どれだけもっともらしいことを150字で呟いたとしても、どれだけ印象的な演奏を15秒で残したとしても、それは “作品” ではなく “コンテンツ” にすぎません。私たちにはきっと、こちらも疲れ果ててしまうような、集中力と思考力要する “作品” が今、必要なのかもしれません。
「DREAM THEATER は大好きだけど、決してクローンにはなりたくなかった。このバンドのメンバーはそれぞれ違うものを持ちよっている。Sofia はクラシックの強力なバックグラウンドを持っているし、”Dark Side of the Moon” や “Kid A” を聴いて育った。僕はモダン・メタルからEDM、シティ・ポップからフュージョンまで、何でも好きだ。僕たちは自分たちを限定することはないと信じている。PHASE TRANSITION の音楽は、そうしたすべてのテイストを反映しているんだ」
大学在学中に心酔する DREAM THEATER のカバーを演奏したのが始まりで、ドラマー Fernando Meia、ギタリスト Luis Dias、ヴァイオリニスト/ヴォーカリストの Sofia Beco を擁する PHASE TRANSITION のラインナップが完成しました。しかし、”The Other Side” を聴いて DREAM THEATER のフォロワーなどと揶揄する人はいないでしょう。キーボーディストはもちろん、ベーシストもいない、伝統的な楽器編成を回避した事実からも、彼らのエクレクティックなプログレッシブ・メタルの美学が非常に意外でユニークなものであることを証明しています。
「ファドはまさに音楽というよりもエモーションなんだ。憧れ、運命、メランコリー…深く心に響く感情なんだよ。その感情的な重みは、間違いなく僕たちの曲にも表れている」
“Veil of Illusions” や “Becoming” のような楽曲にはゴシック・メタルの雰囲気が織り込まれ、もし EVANESCENCE やアンネケ時代の THE GATHERING が PERIPHERY や TesseracT と融合したら…という極上のIFサウンドを具現化していきます。この魅惑のハイブリッドの背景には、サウダージとメランコリーを根源とするポルトガルの伝統音楽ファドの血が存在し、Sofia の幽玄な歌声とヴァイオリンが Luis のウルトラ・テクニカルなギタリズムと混ざり合うことで、未曾有の温故知新、未曾有のエモーションが完成をみるのです。きっと誰もが、この壮大な音楽を5秒でスクロールすることはできません。
今回弊誌では、リーダーでドラマー Fernando Meia にインタビューを行うことができました。「音楽的には、日本のフュージョンやシティポップ、Casiopea や T-SQUARE が好きなんだ。 日本には、情緒と技術的な素晴らしさがミックスされた素晴らしいものがあり、僕は深く敬服している」 どうぞ!!

PHASE TRANSITION “THE OTHER SIDE” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ORBIT CULTURE : DESCENT】 LOUD PARK 25′


COVER STORY : ORBIT CULTURE “DESCENT”

“I Believe That Orbit Culture Will Lead The Metal World In The Future. Super Heavy And Super Melodic. Above All, They Have All The “Ingredients” That Metal Should Have! -Matt Heafy-“

DESCENT

「これからのメタル世界を牽引するのは、ORBIT CULTURE だと信じている。スーパー・ヘヴィでスーパー・メロディック。何より、メタルにあるべきすべての “素材” を備えているんだ!」
TRIVIUM の Matt Heafy はそう言って、スウェーデンのエクショーという小さな街から現れた “メタルの未来” を称賛しました。
実際、ORBIT CULTURE のメロディック・デスメタルとメタルコア、グルーヴ・メタルに80年代の古き良きスラッシュ・メタルのブレンドは、メタル界で最も期待されるバンドとして、Matt 以外の人物からも高く評価されているのです。
MACHINE “Fuckin”’ HEAD の Robb Flynn もそのひとり。彼らはUSツアーのサポートに躊躇なく ORBIT CULTURE を抜擢しました。
「言葉がないよ!よく、大好きなヒーローには会うべきじゃないなんて言われるけど、それは間違いだ。ヒーローには会うべきだよ。彼らはみんな、謙虚で素晴らしい人たちだ!」
フロントマン、Niklas Karlsson はそう言って、自らのヒーローたちからの称賛を噛み締めました。そのヒーローたちと同様、Niklals が謙虚なのはここに来るまでの道のりで苦労を重ねてきたからかもしれません。実際、エクショーがどこにあるかと尋ねても、おそらくほとんどの人はあまりピンとはこないでしょう。 しかし、スウェーデンの真ん中、あのイエテボリとストックホルムの間に位置するのどかなこの街こそ、Niklas が自分のバンドを作ろうと動き出し、今でも彼が故郷と呼ぶ場所なのです。
「子供の時からずっとバンドがやりたかった。15歳のときに近くの村からここに引っ越してきたんだ。 バンドをやっている人たちの輪に入ろうとしていてね。結局、昔のギタリスト Max Zinsmeister と友達になり、バンドをやることにしたんだ」

そうして2013年、17歳の Niklas はスウェーデンの若者らしくメタル・バンド ORBIT CULTURE (バンド名ジェネレーターで決めた) を立ち上げ、何千マイルも離れた場所で暮らす人たちの前で演奏しながら、世界中を回る旅を始めたのです。
「今日に至るまで10年かかったけれど、それは必要なことだった。成熟するためのプロセスと時間が必要だったと思う。 でも、時には大変なこともあったけど、僕はバンドを止めなかった。だって、メタルとバンドのおかげで僕は正気を保っていられるのだから」
“Nija”, “Shaman” で Niklas の不屈のボーカル・レンジも相まって勢いに乗った Orbit Cultureは、同じスウェーデンの大物で、メロデス・シーンのレジェンド IN FLAMES との US ツアーにこぎつけましたが、それは実際に訪れるまで現実味がまったくないほどの驚きでした。
「オファーを受けたときは “ああ、クールな感じだ” と思った。それから、”何が起こっているんだ?” とパニックになったんだ!
でも、IN FLAMES と一緒に演奏した初日以降は、基本的に1日おきにバーベキューをしたりで馴染んでいったよ。彼らはメロディック・デスメタルの最大手のひとつだ!でも今となっては、彼らは僕らのおじさんか、兄のような感じだ。”IN FLAMES の Anders とこんなところで話しているなんて…” って、ちょっと腕をつねってみたりね。僕たちの誰もが、このツアーを実際に起こったこととまだ受け止められていないと思う」

MACHINE HEAD や IN FLAMES とのツアーの経験が、彼らの音楽を進化させました。
「巨大なバンドがライヴをやっている間、僕たちはステージの脇に立って、彼らの話し方や、彼らが楽器を通して観客にどう語りかけるかに注目してきた。そして、 ライヴに足を運んでくれる人たちに楽しんでほしいという思いが強くなった。 それがバンドとして僕らに欠けていたものなんだ。 だから、そこに集中するようにしているんだ」
実際、ORBIT CULTURE はアルバムごとに進化を遂げてきました。
「”Nija” はとても機械的な野獣だった。サウンドスケープで巨大なものを目指していた。一方 “Shaman” は、よりライブに適したものだった。最も自然なのは、”Descent” でそれらを融合させようとすることで、そこにダークな要素や新しいものを作るのも自然なことだった。2016年のアルバム “Rasen” からの要素もある。ある部分について面白かったものを取り出して、それらをまとめようとしたんだ」

Niklas は、イエテボリやストックホルムのようなメタルの “故郷” ではなく、エクショーという小さな街で育ったことが ORBIT CULTURE のオリジナルなサウンドを生み出したと考えています。
「もし僕たちがイエテボリやストックホルムで育っていたとしたら、こうはならなかっただろうな。僕らは、シーンの一部でも何でもなかった。IMMINENCE の Christian とも話したんだけど、僕らは生まれるのが15年遅かったんだ。当時は誰もがバンドをやっていたからね。だから、自分たちの音楽を自分たちだけで作り続けていたんだ。シーンの中心から遠かったからこそ、スウェーデンのバンドだけじゃなく、USのスラッシュや METALLICA からもより多くのインスピレーションを受けることができた。もちろん、MESHUGGAH や IN FLAMES は敬愛しているけど、同時に僕たちはいつもアメリカの80年代や90年代の音楽に興味があったんだ。
もちろん、メロディック・デスメタルもまだ聴くことができるけど、僕らはそこに様々な影響を融合させたんだ。自分たちがクールだと思うものを演奏し、レコーディングしているよ」

彼らの音楽と人生を変えたバンドは、昨年オリンピックのオープニング・セレモニーで叫び、そしてグラミーを受賞しました。
「メタル仲間が “The Way of All Flesh” についてよく話していたんだ…でも、当時は METALLICA に夢中だったから、友達みんなでパーティーをすることになるまで、GOJIRA に触れる機会はなかった。 その夜、僕が知っていたメタルと音楽全般についてのすべてが変わったんだ。
パーティーのみんなは朝早くには眠ってしまっていて、僕だけがまだ起きていてゲームをしたり、新しい音楽を探し回ったりしていた。 そうして、”Where Dragons Dwell” に出会い、そのイントロが流れた瞬間、ある種の高揚感を感じた。 僕は “The Way of All Flesh” まで聴き続け、”The Art of Dying” という曲が流れてきた。 その曲を初めて体験した後、僕はヘッドホンをゆっくりと外し、緊張した目が潤んできた。 これはもう音楽ですらなく、18歳の僕の魂にまっすぐ語りかけてくる何か別のものだった。 その体験の後、僕は眠りにつき、目を覚ますと、荷物をまとめてまっすぐ家に帰り、さっき聞いたことを燃料にしてリフと曲を書いた。 あの日のことは決して忘れないだろう。
GOJIRA は METALLICA と同様、僕が何年も何年も聴き続けている数少ないバンドのひとつだ。 彼らはレコードを出すたびに、僕が最初に彼らを好きになった理由であるスピリチュアルな面を含みながら、完全に新鮮なものを作っている。 世界で最もヘヴィなメタル・バンドのひとつでありながら、悲しみ、希望、愛、怒りなど、リスナーのあらゆる感情とつながることで、完全なスピリチュアルな感覚をリスナーに与えている。つまり、僕らの屋台骨は GOJIRA と METALLICA なんだ」

AVICII の大ファンであることも公言しています。
「つまり、彼の音楽は素晴らしいけど、僕が一番興味を惹かれるのは、フックを書く能力だと思う。 ポップでハッピーな曲でも、心の琴線に触れることができるんだ。そしてそれが僕の興味をそそる。
最もダークなメタルであれ、最もポップなダンスミュージックであれ、音楽は何かを感じさせてくれることが大切なんだ」
映画 “Dune” も “Descent” の大きなインスピレーションのひとつです。
「そう、もう2回も観ている。まったく飽きることがなかったよ。ハンス・ジマーによるサウンドデザインは素晴らしかった。サウンド・デザインと言ったのは、メロディーというより、壮大なサウンドが印象的だからだ。 その広大さが映像にとても合っているんだ。 ストーリーも音楽も、どちらも重厚な映画だ。だから、次のアルバムでも “Dune” はもっと出てくると思うよ」
まさに “映画” は ORBIT CULTURE の音楽にとってなくてはならない音楽の景色となりつつあります。”The Tales of War”。彼らの最新曲は、緊張感がありながらも洗練されたシンフォニー・ストリングスのイントロで始まり、すぐに廃墟のようなギターの沼地へと沈んでいきます。Niklas は、暗闇の中を這いずり回り “恐怖の海に溺れる” と唸り、威嚇的な姿を見せながらも、アンセム的なコーラスで憧れとメロディックな救いを与えていきます。
「これまでほとんどすべてのライヴで、ムードを盛り上げるために映画のような長いイントロを使ってきた。でも今回は、曲そのものにその感覚をそのまま焼き付けるのはどうだろうと考えたんだ。映画のような要素、盛り上がり、詩、そしてコーラス。最初から、これが僕らの新時代を紹介する最初の曲でなければならないとわかっていた」

とはいえ、実験のしすぎにも気をつけています。
「実験や進化はとても大事なことだけど、あまり手を広げすぎるのもよくない。 というのも、僕はまず自分のために曲を書くし、今の僕らのサウンドが好きだから…(笑)。でも明らかに、僕はどこでもプラグインやサウンドパックを “ああ、これカッコいいな” と思って買ってしまうような人間でもある。でも結局のところ、10個の要素のうち1個を使うだけなんだ。 イントロ、ヴァース、コーラスというような、ポップでシンプルな公式が基本。僕はそれが好きだし、それが僕にとってのメタル。1秒間に100万音符を弾くような演奏はしないよ(笑)」
歌いながらギターを弾くことも簡単ではありません。
「”Nija” の3曲目に収録されている “Day of the Cloud” は、演奏するのも歌うのも大変だった。 でも、”Shaman” に収録されている “Mast of the World” という曲にはいまだに苦労している。 歌いながら同時に演奏することはなんとかできるようになったけど、ただそこにつっ立っていなければならないんだ。 完全に時間通りにやらないとスタミナが続かない。 他のメンバーとの連携が取れていないと、平坦なものになってしまう」
“Descent” を作るにあたって、Niklas が考えていたのは静寂を使ったダイナミズムでした。
「ほとんどの曲は、ジェットコースターのように上下する。それが僕らの好きなところなんだ。アルバムの流れについてもっと考えている。”Descent” の最後を飾る “Through Time” は、星間的な雰囲気の曲で、いい感じだった。45秒間大音量で鳴り響き、その後に静かな音楽が鳴り響く。僕はそれが好きだ。そうありたいんだ。NIRVANA のようなね。ライヴ向きのアルバムにしたかったんだけど、最終的にはこの巨大でダークなモンスターになった。最高の山から最低の奈落の底まで。ただ、僕はギターがそんなに上手くないから、曲を作るときは、自分ができることにとどめているんだよ」

苦労と実験の長い道のり。それでも、1400年代にまで遡る歴史的で、しかし小さな町から生まれたヒーローは常に前を見据えています。
「最初の頃は大きな問題を抱えていた。 僕は一体何を間違えているんだ? って。それから他人のせいにしたり、そんなくだらないことを始めた。 ORBIT CULTURE で何をしたいのか、目的を見失いかけていた。 ただ曲を書いて、カッコいいアルバムやカッコいいアルバム・カバーを作りたかったんだけなんだけどね。 でも同時に、外に出て演奏しなければならないことも分かっていたし、そのためにふさわしい仲間を見つけなければならないことも分かっていた。 幸運なことに、それがうまくいった。 特にスウェーデンのこんな人口10000人の小さな町から来たのは超レアだ。 ここで音楽をやっている人はもうそんなに多くないし、僕が知っている限りではね。 それが僕らを家族のように感じさせてくれた。ファンのコメントで、何か暗い経験をしていると書いてあるのを見ると、自分もそういうことを考えることがあるんだ。 僕らの音楽に共感してくれるなんて、本当に素晴らしいことだよ。 僕らの音楽が人々の助けになるなら、僕らにとってはそれで十分なんだ。僕たちは兄弟みたいなもので、みんなと ORBIT CULTURE を共有できることに興奮しているよ」

 参考文献: KERRANG! MUSIC CULTURE REVIEWS COVER STORY THE K! PIT STORE MAGAZINE BUY NOW SPRING 2025 FEATURES “This keeps me sane, I have to do this”: Meet Orbit Culture, the band Matt Heafy is calling the future of metal

REVOLVER :”HIGHEST MOUNTAIN, LOWEST ABYSS”: INSIDE ORBIT CULTURE’S MOST EXTREME ALBUM YET

NEW NOISE MAG:INTERVIEW: SWEDEN’S ORBIT CULTURE ARE SHOOTING FOR THE STARS

KNOTFEST:Niklas Karlsson Of Orbit Culture Talks Their Rise, Touring With In Flames and More!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SIGN OF THE WOLF : SIGN OF THE WOLF】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY CAREY OF SIGN OF THE WOLF !!

“In The Original Era, 60s, 70s, and 80s, The Music Was New And The Style Was Being Invented. It’s Now 50 Years Later For Me – I Joined Rainbow In 1975 – And The Bands I Hear Today Aren’t Inventing Anything. That’s The Difference.”

DISC REVIEW “SIGN OF THE WOLF”

「Ronnie の声?まさに最高の一人だよ。人として?彼は僕より14歳年上で、叔父さんのような存在だった。Ronnie も Wendy Dio も素晴らしい人たちだったし、彼は僕と同じアメリカ人だったからね。僕はイギリス人ミュージシャンと仕事をしたことがなかったから、バンドにもう一人アメリカ人がいたことは大きな助けになったんだよ」
70年代/80年代を象徴するハードロックについて語るとき、RAINBOW の “Rising”、BLACK SABBATH の “Heaven And Hell”、DIO の “Holy Diver” が挙がることは間違いないでしょう。共通項はもちろん、伝説のボーカリスト Ronnie James Dio の存在。彼の歌声、彼の魔法、彼のファンタジーが失われて久しい2025年の暗闇に虹をかけるような傑作が、Ronnie を愛する人々の手によって生まれました。SIGN OF THE WOLF。彼の掲げるメロイック・サインに集いし者たち。
「オリジナルの時代…60年代、70年代、80年代は、音楽が新しく、スタイルが発明がどんどん発明されていった。僕は1975年に RAINBOW に加入したんだ。それから50年が経って…今僕が耳にする新しいバンドは何も発明していない。それが違いだと思うよ」
この美しいプロジェクトは、Firework Mag の Bruce Mee の発案で始まりました。”Tarot Woman” のイントロ、Tony Carey の幽玄神秘なキーボードが彼をハードロックに引き込み、Ronnie の圧倒的な歌声に忠誠を誓いました。そうして長年音楽業界に身を置く中で、今回のインタビューイ Tony Carey と同く、現代のハードロックにどこか物足りなさを感じるようになったのです。かつての、個性的で、音楽の発明が各所に散りばめられた壮大なるメロディの園を甦らせたい。そうして彼は Tony Carey をはじめ、温故知新で才能豊かなアーティストを集めることに決めたのです。
「このプロジェクトにはたくさんの才能があるし、僕はとにかく、Doug Aldrich と Vinnie Appice と一緒にやってみたかったんだ」
ドラム・キットの後ろには、”Mob Rules” や “Holy Diver” など数多のマイルストーンでエンジンとなった Vinnie Appice が鎮座し、Chuck Wright や Mark Boals といった名手とタッグを組みます。リード・ギターは Doug Aldrich。ご承知の通り、WHITESNAKE に再び魂を込め、DIO を復活に導いたカリスマにして、真のギターヒーロー。
もちろん、Ronnie James Dio の歌声は誰にも代えられませんが、ここでは全曲に Andrew Freeman が参加。Vivian Campbell が DIO を受け継ぐ LAST IN LINE (“Ⅱ” の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい) でボーカルを務める Andrew の実力は本物。良い意味で “ジェネリック・ディオ” ともいえる彼のキャッチーな力強さは、SIGN OF THE WOLF の音楽に真のフックと重厚さを与えています。そこに、Doug や Vinnie と演奏をしてみたかったと語る RAINBOW のレジェンド Tony Carey が合流。絶対的なハードロックの金字塔がここに誕生しました。
「”Rising” がこんなに長く愛されていることに驚いているよ。たいていのレコードは2~3年で忘れ去られてしまうものだからね。”Rising” はほとんど50年も人々の記憶に残っているんだから」
実際、Tony の参加した “The Last Unicorn” や “Rage of Angels” では、まさに “Tarot Woman” や “Stargazer” が放っていた神秘的で荘厳なロックの魔法が降臨しています。まだ鍵盤がロックの中心にいた虹色の時代。ただし、アルバムは RAINBOW のみならず、”Arbeit Machat Frei” では THIN LIZZY を (まるで Doug の BAD MOON RISING の3rd のようでもある)、”Silent Killer” では DIO を、そして壮大なタイトル・トラックではあの名曲 “Heaven and Hell” をも探訪して、ロックやメタル、その革命の炎を今でもあかあかと燃やせることを証明するのです。Steve Mann や Steve Morris, Mark Mangold の美学が炸裂するメロディックな楽曲もまた素晴らしい。
今回弊誌では、Tony Carey にインタビューを行うことができました。「実は、RAINBOW のライブは、スタジオでの RAINBOW とはまったく違っていたんだ。コンサートではハモンドをたくさん弾いたけど、レコードではほとんど弾かなかった。”Rising” と “Long Live Rock and Roll” のレコードは、ハモンドの代わりにギターのオーバーダブがほとんどだったんだ。だから僕たちのライブ・サウンドはスタジオとはとても違っていて、そのライブ・サウンドこそが僕にとっての RAINBOW だったんだ」本物にしか作りえない本物のハードロック・アルバム…Dio といえば “Dehumanizer” の再評価も進んで欲しいと祈りながら…どうぞ!!

SIGN OF THE WOLF “S.T.” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KING GARCIA : HAMELIN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KORNILIOS KIRIAKIDIS OF KING GARCIA !!

“The Clarinet, In Particular, Has a Fascinating Quality: It Offers Freedom Between Tempered And Non-Tempered Systems, Opening Up Countless Musical Pathways. It Can Transform From a Sweet, Intimate Instrument To a Scream Of Despair, Making It Incredibly Expressive.”

DISC REVIEW “HAMELIN”

「ハーメルンの伝説は、社会的にも政治的にも、多くの文脈に適用できる。芸術家は常に、はみ出し者、フリンジ (奇抜な狂信者、過激派) として扱われてきた。しかし、芸術には世界を動かす力があると同時に、世界を止めてしまう力もあるんだ。救うことも破壊することも、団結させることも分断させることもできる。重要なメッセージは、権力の行使、あるいは行使の誤りこそが、救世主と暴君を分けるということだ」
欲望に魅入られた権力者の心ない、愚かな行為や圧政、暴力に差別はいつの世にも存在します。そしていつの世も、そんな理不尽や抑圧を引き受けるのは弱い者、はみ出し者、社会の常識に収まらなかった者。
ドイツの寓話、”ハーメルンの笛吹き男” では、ネズミ退治を請け負った 笛吹き男が報酬を支払ってもらえず、怒って町の子どもたちを笛の音で誘い森へと連れ去りました。一方で現代メタルの “笛吹き男”、ギリシャの KING GARCIA は暗い世にはびこるあらゆる種類の腐ったネズミたち-政治家、侵略者、宗教家-をその笛の音で何処かへ連れ去ろうとしています。こうした寓話から読み取れることは何でしょう?”生産性” がないと切り捨てられた人に、実際は世界を動かす力がある?芸術に秘められた諸刃の剣?とはいえ、その寓話と言葉のないアルバム “Hamelin” の受け止め方はリスナーの耳に委ねられています。
「僕たちはクラリネットやトランペットのような管楽器を “伝統的な楽器” として使っているわけではないということだよね。僕たちにとって最も重要なのは、木管楽器や金管楽器のサウンドと、それがもたらすユニークな特徴なんだ。特にクラリネットは魅力的な性質を持っている。調律された音と調律されてない音の間で自由を提供してくれて、数え切れないほど音楽の道を開いてくれる。甘く親密な楽器から絶望の叫びまで変幻自在で、信じられないほどの表現力を発揮するんだ」
実際、モダン・メタルの笛吹き男、その異名は伊達ではありません。クラリネットを主軸にトランペット、バグパイプ、ガイダ、カヴァルといった多彩な管楽器を駆使するのは、バンドの “声” の幅を広げるため。もちろん、ひとつの楽器、ボーカルやギターを “声” に据えてもその才能によって幅を広げることは可能ですが、KING GARCIA は楽器自体を入れ替えるという手法で “声” の多様さを追い求めようとしています。さらに、主軸となるクラリネット、そのギターで言えばフレットレスのような調律のフレキシビリティーがさらに “声” の可能性を押し広げていきます。
「伝統的なギリシャ音楽の影響が僕たちのスタイルにシームレスに織り込まれ、KING GARCIA のサウンドの豊かさと独自性を際立たせている。僕たちの音楽的伝統への敬意は、創造性を制限するものではなく、むしろそれを高め、僕たちの作品に聴衆と直接共鳴する深みを与えているんだよ」
そうした “声” の幅広い可能性は、KING GARCIA の肉体、その音楽的基盤の多様さによってさらに増幅されていきます。ただし、彼らが血肉としてきた影響の数々は、決して意図的ではなく有機的にその体内を巡ります。PAIN OF SALVATION, MESHUGGAH, QUEENS OF THE STONE AGE といったプログレッシブ/オルタナティブの極北、その雫は KING GARCIA の原衝動である ギリシャの伝統音楽とシームレスに混ざり合い、ガイダやカヴァルといった彼の地の伝統楽器を心臓にその体内を駆け巡ります。もしエンニオ・モリコーネやジョン・ウィリアムズがメタルを作ったら…そんな “If” の世界を実現できるのは、きっと彼らだけではないでしょうか?
今回弊誌では、ベーシストの Kornilios Kiriakidis にインタビューを行うことができました。「オンライン中毒による注意力の分断が事実上すべての人に影響を及ぼしている時代において、5秒以上続くものは今やリスクとみなされている。しかし、日常生活の中には、このような注意散漫が侵入できないわずかな時間がまだ残されているんだ。複雑で要求の多い音楽が輝きを放つのは、こうした瞬間なんだよ」 MOTHER OF MILLIONS のメンバーが参加、NEED のプロデューサーが手がけたギリシャ・メタルの最高到達点。どうぞ!!

KING GARCIA “HAMELIN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CHANGELING : CHANGELING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOM “FOUNTAINHEAD” GELDSCHLÄGER OF CHANGELING !!

“Hans Zimmer Famously Said That His Music Is Not Original, But It Is The Sum-total Of All The Music That He’s Consumed In His Life – And That Is Also True For Me.”

DISC REVIEW “CHANGELING”

「Hans Zimmer の有名な言葉に、”自分の音楽はオリジナルなものではなく、人生で消費してきた音楽の総体である” というものがある。そしてその言葉は、僕にとっても真実なんだ。僕は若い頃からオーケストラ音楽に興味があり、10代で初めてレコーディングしたときから、さまざまな種類の楽器を重ねたりオーケストレーションしたりすることで、ロックバンドのサウンドを超えることを試みていた。まだ10代の頃に書いた曲を収録した僕の最初のソロ・アルバムでさえ、オーケストラ・パートや世界中のパーカッション・サウンドがあり、さまざまなジャンルや音楽の伝統から影響を受けている。それが僕の頭の中の音楽の聴こえ方なんだと思う」
“モダン・メタルの歴史上最高傑作のひとつ”。AMOGH SYMPHONY で共闘した Vishal J Singh は、戦友 Tom “Fountainhead” Geldschläger の新たな旅路をこう称賛しました。その言葉は決して大げさなものではありません。長年、艱難辛苦に耐え抜いたフレットレス・モンスターは、これまでの人生と音楽体験をすべて注ぎ込み、モダン=多様を完璧なまでに体現しためくるめくメタル・アートを遂に完成させたのです。
「メディアだけでなくギター業界も、僕のプロとしての全生涯を通じて僕の作品をほとんど無視してきたからね。そしてもちろん、世界各国のアルバム・チャートにランクインした “Akroasis” を通して、ようやく世界中の聴衆に僕の作品を聴いてもらえたというのに、OBSCURA のバンド・リーダーによって、”Tom のパートを再録音した”、”アルバムにはフレットレス・ギターがない”、”Tom はスタジオでギターのチューニングもできない” と嘘の中傷キャンペーンを展開されたときがその最たるものだったね。それだけでなく、僕のビデオはほとんど削除され、僕のソーシャルメディア・ページは何度もハッキングされ、いじめられたり、せっかく僕の活動に興味を持ってくれていたオーディエンスから切り離されたりするケースもたくさんあった。だから、そうした僕の旅路が “Changeling” でやっとメディアの注目を得ただけでね。このアルバムを聴いて、斬新だと思われるのはよくわかるけど、実は僕はもう20年くらいフレットレスでメタルやそれに関連するスタイルを演奏してきたんだ」
Fountainhead が正当な評価を得るのにここまで時間がかかったのは、あまりに遅すぎたとしか言いようがありません。そして皮肉なことに、その評価の妨げとなっていたのは他でもない、彼を世に送り出した OBSCURA の “Akroasis” だったのです。
実際、Fountainhead は OBSCURA の最も野心的な作品となった “Akroasis” の源泉でした。15分の “Weltseele” では東洋の影響と弦楽五重奏を加え、魅惑の実験的スタイルでアルバムを締めくくるなど Fountainhead の貢献、その大きさは誰の目にも明らかであったにもかかわらず、近年よりその人間性が疑問視される OBSCURA の首領 Steffen Kummerer によって彼の存在は抹殺されてしまったのです。しかし豊かな才能は決していつまでも草庵で燻るべきではありません。遂に臥薪嘗胆が報われる日が訪れたのです。まさにメタルの回復力。
「フレットレス・ギターの長所と短所だけど、普通のギターではできないことを実現してくれる。微分音、グリッサンド、ハーモニクスをスライドさせたり、指板を縦よりも横に動けたり…本当にとても楽しいんだ。ただし、コードとなるとできることには限界があって、高音域でのサスティーン、演奏性にも限界がある。また、僕がよく使うメタル・フィンガーボードとブラス・ピックを使っても、ハイエンドを出すには限界があるんだ。だから、”フレットのない普通のギター” ではなく、”ユニークな目的&シチュエーションのためのユニークな楽器” としてアプローチするのが一番効果的なんだよね」
まずこの作品を特別なものにしているのが、Fountainhead のトレードマークであるフレットレス・ギターでしょう。フレットのない耳が頼りの弦楽器は、当然その習熟により大きな労力と鍛錬を必要としますが、あの Bumblefoot に薫陶を受けた Fountainhead にとってこの楽器はむしろ水を得た魚。輝くメタル・フィンガーボードで、この音楽にとって異質な夢幻の世界をフレットレス・ベースと共に紡ぎ上げていきます。
「アルバムのオーケストラ・パートの99%は本物の楽器なんだ。そう、それはとても大変で長いプロセスだった。既存のオーケストラと協力して、大きな部屋ですべてを生録音する手段がなかったからだ。 その代わり、数年かけていろいろな楽器やラインをいろいろな場所で録音した。そのために、さまざまなプレイヤーを起用する必要があったんだ。このアルバムのコンセプトのひとつは、曲ごとにまったく異なる形のオーケストレーションにすることだったから」
とはいえ、フレットレスの異端でさえこの作品にとっては飾りのひとつに過ぎません。ALKALOID, FEAR FACTORY, VIPASSI, DEATH, CYNIC といった強力なメンバーを礎に、混成合唱から、チェロ、フルート、ホーン、ピアノ、チューバ、ヴァイオリン、ヴィオラなど、あらゆる楽器でデザインされたテクニカル・デスメタルの宮殿は、ジャズ・フュージョン、プログレッシブ・ロック、ワールドミュージックを融合してまだ見ぬメタル景色を映し出していきます。アルバムを通して何度も登場し、クライマックスで花開くモチーフの成長も見事。そして、野心という実験音楽における諸刃の剣をしっかりと制御し、地に足のついたメタル・アルバムとして完成させたバランス感覚もまた見事。
今回弊誌では、Tom “Fountainhead” Geldschläger にインタビューを行うことができました。「”Changeling” には日本文化から直接影響を受けた曲が1曲あってね。”Abdication” なんだけどこの曲は、僕が最も影響を受けた音楽家の一人である久石譲の和声言語とオーケストレーション・スタイルを取り入れたものなんだ」これまで何度も弊誌に登場してくれている Morean の声も素晴らしいですね。どうぞ!!

CHANGELING “CHANGELING” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ANCIENT DEATH : EGO DISSOLUTION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JERRY WITUNSKY OF ANCIENT DEATH !!

“Pink Floyd’s My Biggest Influence. I Picked Up a Guitar When I Was 4 Years Old Because Of David Gilmour From Watching Pink Floyd Live at Pompeii. So My Natural Style Is Just Things I Picked Up From Listening And Watching Him.”

DISC REVIEW “EGO DISSOLUTION”

「ATHEIST, CYNIC, DEATH…ANCIENT DEATH はこれらのバンドなしでは存在しなかっただろう。僕がそうした “グループ” を知ったのは、10歳か11歳の頃だった。当時クールだった “トレンド” の枠を超えて、より傷つきやすく内省的なところから曲を書くことで、個人として、ミュージシャンとして、自分らしくいられることを教えてくれたんだ。その体験は文字通り、僕の世界を変えた。僕は今年28歳になるけど、彼らは今でも当時と同じくらい僕にとって重要な存在だよ」
真の芸術は時の試練をものともせず、時代を超え、そして受け継がれる。メタルコアや Djent 直撃世代の Jerry Witunsky は、そのトレンド以上に探求すべきプログレッシブなデスメタルの審美と人間味に魅了され、情熱を注ぎ、ついには日本で愛するバンド ATHEIST の一員としてライブを行うという夢を叶えようとしています。その夢の実現のために大きな助けとなったのが、彼の世界観を体現した ANCIENT DEATH だったのです。
「”Ancient Death” という名前は僕らにとって実に意味があるんだ。それは、僕らの曲 “Voice Spores” の歌詞にある。ここで基本的に語っているのは、今は否定が否定を生み、それが僕たちを互いに分断しているということ。僕たちの見解では、否定性こそが人と人とのつながりにおける古き良き “古代の死” なんだよね」
憂鬱、悲しみ、心の平和、自己成長といったテーマを探求することで、ANCIENT DEATH は、人々がやがて自分自身にも他人にももっと優しく、寛容となり、共感できることを願っています。SNS では他者を否定し、断罪し、攻撃して溜飲をさげる行為が当たり前となった現代。彼らはそんな時代を古き良き “古代の死” と命名しました。デスメタル世界の “つながり” によって夢を叶えた Jerry は、心と魂のつながりの強さを信じています。つい最近、地球上で最も影響力のある人物が共感は “西洋文明の根本的な弱点” だと言及したばかりですが、だからこそ彼らのデスメタルはそうした合理主義に反旗を翻していきます。
「PINK FLOYD に一番影響を受けたっていうだけなんだ。彼らの “Live at Pompei” を見て、David Gilmour の影響で4歳のときにギターを手にしたんだからね。だから僕の自然なスタイルは、彼の演奏を聴いたり見たりして得たものなんだ。また、サウンドトラックの大ファンで、特に宮崎駿監督の映画は大好きで、1作を除いてすべて久石譲が手掛けているよね。僕にとって音楽とは、解放の場なんだ。誰かに何かを “感じさせて”、違う場所に連れて行く…それこそが美しいことだよ」
ANCIENT DEATH の音楽は、メタルを別次元に誘った80年代後半から90年代前半の、プログレッシブで実験的なデスメタルの鼓動を宿しています。しかし、オールドスクールなデスメタルに正直で真っ直ぐでありながらも、決して過去の焼き直しだけには終わりません。音楽を先に進めることこそ、彼らが先人から受け継ぐ美学。彼らがほんの数秒前まであった場所とは全く違う方向へと聴く者を連れて行くような、豊かなサウンドの雰囲気を作り出した時の驚きは、決してあの BLOOD INCANTATION に負けるとも劣らず。
90年代、DEATH や CYNIC が開拓したデスメタルの実験は、オフキルターなリズム、脈打つベースライン、幻覚的なギターの響きで、さながら THE DOORS や PINK FLOYD が見せる精神的な深みへと移行していきます。時折歌われるクリーンな祈りは、濃い瘴気の中で聴く者に手を差し伸べる静寂の声。
常に移り変わるムード、複雑なドラム・パターン、不可解な拍子記号がジグソーパズルのように組み合わさったアルバムは、それでも “Ego Dissolution” エゴを捨て去りすべてをアートとデスメタルのためにのみ捧げられています。だからこそ彼らは、ゴア描写や反宗教的な歌詞にこだわるのではなく、デスメタルらしい安っぽさや陳腐さを感じさせることもなく、私たちの感情の内面や魂の本質を探る、より深いトピックに踏み込んでいくことができたのです。
今回弊誌では、Jerry Witunsky にインタビューを行うことができました。「Rand Burkey は、僕にとってメタル界で最も影響を受けたギタリストだろう。彼のソロとメロディーは他のギタリストにはないものだった!14歳の頃、寝室で彼のパートをかき鳴らし、まるで自分が書いた曲のように人前で演奏することを夢見ていた僕が、実際にステージに立って彼らとまさに同じ曲を演奏しているなんて!デスメタル世界の心とつながりは、とてもパワフルなものだよね」 どうぞ!!

ANCIENT DEATH “EGO DISSOLUTION” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DROWN IN SULPHUR : VEANGENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DROWN IN SULPHUR!!

“We Would Like To Make Concerns What Happened After Lorna Shore’s Explosion. They Have Created a Trend That Is Followed In a Schematic Way By Many Deathcore Bands And We Find It Quite Monotonous.”

DISC REVIEW “VENGEANCE”

「LORNA SHORE の初期の作品は、少しクラシックなデスコアで、もちろんそれからのシンフォニックな進化も両方高く評価しているんだよ。ただ、彼らの爆発的な人気の後に起こったことに対して唯一コメントしておきたいのは、彼らは、多くのデスコア・バンドが図式的に、システマティックに追随するトレンドを作り出してしまったよね。僕たちはそれが非常に単調だと感じている。それが気がかりなんだ」
シーンに巨大なバンドが出現すると、それに追従する数多のフォロワーが出現する。それは黎明期から続く “ロックの法則” であり、飽和と定型化、そして衰退がひとつのライフ・サイクルとしていくつものジャンルを隆盛させ、また没落させてきました。そして現在、デスコアの巨人といえば LORNA SHORE でしょう。
「僕たちは常にオリジナリティのあるものをファンに提供し、僕らに気づいてくれた人たち、そしてデスコア/メタルコア・シーン全体に対して DROWN IN SULPHUR を認識させ、差別化したいと考えているんだ。そのために、作曲や作曲方法において、より多くのジャンルから影響を受けることを恐れないんだよ」
イタリアの DROWN IN SULPHUR は素直に LORNA SHORE をリスペクトしつつも、決して彼らの足跡を追おうとはしていません。なぜなら、そうした “セルアウトの方程式” がいつしかシーンを衰退に導く諸刃の剣だと知っているから。だからこそ、彼らはオリジナリティあふれる自らのデスコア道を歩んでいきます。
「僕たちは皆、ブラックメタルからクラシック・デスコア、ハードコア、ニュースクール・メタルコア、オールドスクール・デスメタル、そしてプログレまで、全く異なる嗜好を持っているんだ!もちろん、ロックやメタルの偉大な古典を愛する共通項もあるしね」
DROWN IN SULPHUR のデスコアはむしろ WHITECHAPEL の哲学に近い。そんな感想を抱くほど彼らの音楽は多様で、実験的で、それでいて非常に “聴きやすい” キャッチーさを多分に備えています。LORNA SHORE のように荘厳なる痛みをアルバム全体で醸し出すよりも、リッチで目まぐるしい展開を選んだともいえます。
クラシックなデスコアやデスメタルの重量感とテンポ・チェンジ、PANTERA のグルーヴやソロイズム、ハードコアのエナジーや衝動、ブラックメタルの暗がりやスピード、そして時に補充されるシンフォニーや民族音楽の響き、プログレッシブな構成美。特筆すべきは、”Scalet Rain” で見せるような悲痛なクリーン・ボーカルでさえ、”Vengeance” というアルバムにはわずかな違和感さえなく完璧にハマっている点でしょう。
まさにアートとしてのデスコア。憤怒と毒を含んだミケランジェロ。ヘヴィネス、スピード、ブレイクダウン、アトモスフィア、そしてメロディが黄金比で織り込まれたデスコアのダビデ像は、”Vengeance” でジャンルと音楽業界の不条理に中指を立てながら、一方では深い知性と実験性を備えたその美しき構成と展開の妙でジャンルの未来を切り開いていくのです。
今回弊誌では、DROWN IN SULPHUR にインタビューを行うことができました。「シンプルに僕たちは、パワー・メタルのようなジャンルに特に興味を持ったことはないんだ。メタルの真髄は、検閲や圧力なしに多くの創造性を発揮する余地を残したエクストリームなサブジャンルにあると信じているからね」 常軌を逸した演奏の巧さ、ギターソロののドラマ性、そして複雑な構築美。DREAM THEATER を影響元に挙げているのも頷けますね。どうぞ!!

DROWN IN SULPHUR “VEANGENCE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SNOOZE : I KNOW HOW YOU WILL DIE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LOGAN VOSS OF SNOOZE !!

“The More People Are Inundated With Instant Gratification, The More It Becomes Impactful When Something Comes Around That Was Worked On Really Hard. I Think The Pendulum Is Beginning To Swing The Other Direction.”

DISC REVIEW “I KNOW HOW YOU WILL DIE”

「アートが消費され、”コンテンツとなった芸術” の時代である今、より多くの人々が、よく練られ、愛のこもった作品で、時代に左右されずに存在する音楽、芸術、アイデアを求めているのだと思う。人々が即座に満足できるインスタントなものが溢れれば溢れるほど、情熱をかけて心から一生懸命取り組んだものが世に出たときの衝撃は大きくなる。より多くの人々が、自分の意思をあまり持たずスマホに釘付けになることに不満を感じ、振り子が反対方向に振れ始めているんだと思うよ」
アートが消費される “コンテンツ” となった現代。人々はさながら SNS を一瞬賑わせ、そしてすぐに忘れ去られていく日々のニュースのようにアートを消費し、放流していきます。しかし本来、芸術には “永続性” が備わっているはず。本来のアートは時代を超えて愛されるべきでしょう。そうした意味で、シカゴの “ハッピー・ヘヴィ・マスロック” SNOOZE の音楽はさながらスマホのアラーム、あの “スヌーズ” 機能のように、時が過ぎても何度も何度もリスナーの心を目覚めさせていくはずです。
「ヘヴィな歌詞の内容とヘヴィ・メタルに影響を受けた音楽的要素が、とても楽観的なコード進行の選択と組み合わさって、楽しい認知的不協和を生み出しているように感じるよ」
複雑怪奇な変拍子を操る SNOOZE の最新作 “I Know How You Will Die” が4/4日にリリースされた事実がすでに、彼らのニヒリズムと知性が生み出す二律背反を見事に表現しています。たしかに SNOOZE はハッピーなマスロック・バンドですが、同時にヘヴィなプログレッシブ・メタルでもあります。その怒りと幸福、ヘヴィとキャッチー、実験と正統をまたにかけるダイナミズムの妙こそ、彼らが情熱を注いだアート。
「若いメタルヘッズだった僕たちは、テクニカルさと名人芸に取り憑かれていたような気がする。それからマスロックに出会ったとき、それと同じ波動を感じたような気がしたんだ。だから、それを掘り下げていくと、より多くの非常識なバンドを見つけることができた。 でも最近の僕たちは、可能な限りテクニカルなこと(考えすぎること)を探すのをやめて、意味のある、感情的な音楽に傾倒していると思う。だからよりメロディックな音楽の中に濃密なリズムのアイディアを取り入れる人がいると、いつも嬉しくなるよ」
またにかけるのは光と闇だけではありません。エモ/ポップ・パンクのヴォーカル・センスをヒントに、マスロック、プログレッシヴ・メタル、ポスト・ハードコアをブレンドした、大胆かつ折衷的な旋風こそ彼らの真骨頂。 最も際立っているのは、それぞれのジャンルをシームレスに行き来しながら、独自の色と説得力をもって主張する彼らのアイデンティティでしょう。BETWEEN THE BURIED AND ME が見せるようなボーカル・ハーモニー、その実験的な使い方も、SNOOZE の複雑な楽曲に驚くほどの色彩と感情をもたらしています。彼らの創意工夫を前にして、スマホに齧り付くことはできません。振り子の針は逆側に触れ始めました。
今回弊誌では、ボーカル/ギターの Logan Voss にインタビューを行うことができました。「当時は VEIL OF MAYA をよく聴いていて、ギターを初めて弾いた曲のひとつでなんと “It’s not Safe to Swim Today” を覚えようとしたんだ。YouTube の黎明期には、バイラルになる動画は限られていたので、初期の ANIMALS AS LEADERS のミュージックビデオを見たとき、みんなが度肝を抜かれたのは間違いないよね!」 どうぞ!!

SNOOZE “I KNOW HOW YOU WILL DIE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SLEEP PARALYSIS : SLEEP PARALYSIS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEPHEN KNAPP OF SLEEP PARALYSIS !!

“I Really Like Using The Pianos Percussiveness, It Can Add a Lot To The Rhythm Section In Different Ways While Also Providing Harmony And Accents, Plus Slamming Loud Dissonant Chords Sounds Sick As Fuck Over Blast Beats.”

DISC REVIEW “SLEEP PARALYSIS”

「ピアノのパーカッシブさを使うのがとても好きなんだ。ハーモニーやアクセントを提供しながら、リズム・セクションにさまざまな形で多くのものを加えることができるし、ブラスト・ビートの上で大音量の不協和音を叩きつけると、最高に気持ち悪いサウンドになる。 ピアノは曲の緊張感を高めるのにとても効果的だし、クラスターコードはサウンドに違う色を加えるのに遊んでいていつも楽しい」
メタルにおいてピアノの響きは過去のものになりかけています。キーボードにしても場所をとりますし、ギターの可能性が広がるのと比例して、ピアノの出番はどんどん少なくなっていきました。しかし、本当にメタルからピアノは消え去るのでしょうか?ピアノの打楽器的な力強さ、一方で両の手で組み立てる繊細さと旋律の妙はやはり唯一無二のものでしょう。SLEEP PARALYSIS をひとりでとりしきる Stephen Knapp はそんなピアノの可能性をブラックメタルで再度呼び起こします。
「MIDIですべてを書き込んで、どんな音がするかすぐに調整できる汎用性が気に入っている。それに、自分の思い通りのサウンドにするために、必要に応じてダイナミクスを調整できるのも魅力だ。メタル・コミュニティでは、楽器をプログラミングすること(特にドラム)は簡単な方法だという汚名があるように思う。とはいえ、実際にドラムやピアノを演奏してレコーディングするのと同じくらい難しいとは言わない。最終的には、自分のビジョンを完全に実現し、目指すヴァイブを達成するためのツールでしかないからね」
面白いことに、Stephen はピアノが弾けるにもかかわらず弾いていません。すべてをプログラミングで入力しています。なぜなら、彼には思い描いた音楽の確固たるビジョンが存在するから。NEURAL GLITCH もそうですが、若い世代のアーティストにとってはプログラミングもまた楽器のひとつ。自らの理想を実現するためには、むしろ “入力” という正確な手段の方が彼らにとっては必要だったのです。
「大学時代、睡眠時間がめちゃくちゃで、慢性的な睡眠不足に陥っていたとき、よく金縛りになったんだ。 このアルバムのために最初に書いた “Sleep Paralysis” という曲は、僕が初めて金縛りになったときのことを音楽的に解釈したもので、どこにでもいるような金縛りの影鬼が僕の上に乗っていた」
そんな Stephen がブラック・ピアノ・メタルの実験場に選んだテーマが “金縛り” でした。実際、この悪夢のようなオデッセイの上演にこの主題は完璧でしょう。陰湿に渦巻く不協和音。恐ろしいほどスリリングな混沌。聖歌隊に狂気のラグタイム、ホラー映画、任天堂の怪奇ゲームに重なるドゥビッシーやラベル、ショパンのファンタズマゴリア。不吉で威圧的で猛烈に突き進むこの悪夢の錯乱状態に、ピアノのアタックやサスティナーはあまりにも完璧にフィットしています。
そう、このアルバムはリスナーを恐怖と不安で冷や汗の渦に引き入れ、PTSD ストックホルム症候群の湧き上がる疑念が押し寄せる中、それでももう一度アルバムの再生ボタンを押させる日本の怪談のような不気味な中毒性を宿すのです。
今回弊誌では Stephen Knapp にインタビューを行うことができました。「ピアノは、メロディー、ハーモニー、リズム、テクスチャーなど、通常のメタルでは見られないようなものを加えることができるので、超万能なんだ。WRECHE のファンになってしばらく経つし、DEATHSPELL OMEGA の曲のピアノ・カバーをいくつか見ていたから、ピアノ中心のブラックメタルがうまくいくことはわかっていた」 どうぞ!!

SLEEP PARALYSIS “S.T.” : 10/10

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