EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JULIEN JOLVET OF SEEDS OF MARY !!
“I Quite Like “Progressive Grunge”! Actually We Are As Much Fond Of Grunge As We Are Of Prog Music.”
DISC REVIEW “LOVE”
「僕たちは GOJIRA をとても尊敬している。彼らは僕らの世代にとって、まさにフレンチ・メタルのパイオニアだ。彼らは僕たちに進むべき道を示し、フランスのオルタナティヴ・カルチャーにスポットライトを当てる手助けをしてくれた。彼らの音楽は妥協がなく、とてもよく練られている。彼らがこのセレモニーに参加するとは予想外だったけど、今や世界中が彼らのことを知っているよね。それは素晴らしいことだよ」
GOJIRA, ALCEST, IGORRR, BETRAYING THE MARTYRS, LANDMVRKS, DEATHSPELL OMEGA, GOROD, THE GREAT OLD ONES, BLUT AUS Nord。挙げればキリがありませんが
これほど多くの才能あふれる革新的メタル・バンドが揃っていながら、フランスにメタル大国というイメージはこれまでありませんでした。それは、日本と同じく “後追い” の国だったからかも知れませんね。しかし、そんなイメージもついに今年、ガラリと変わることになりました。
オリンピック・ゲームの開会式で、地元フランスの GOJIRA が見せたパフォーマンスはまさに圧巻でした。王宮と牢獄。光と影のコンシェルジュリーを光と影のメタルが彩る奇跡の瞬間は、世界中を驚かせ、メタルの力、フランスのメタル・シーンを羽ばたかせることになったのです。
「僕たちはみんなあの時代に育ったから、より共感しやすいんだ。きらびやかな80年代からダークな90年代へのシフトによって、君が言ったような偉大なバンドが出現した。戦争、大量失業、ウイルス性疾患など、残念ながら僕らの生きる今の時代は90年代に通じると思う。だからこそ、そうしたバンドや音楽の美学は今でもかなり重要なんだ」
ではなぜ、モダン・メタルの力が今、世界中で必要とされているのでしょうか?その答えを、フランスの新星 SEEDS OF MARY が代弁してくれました。煌びやかな80年代からダークな90年代へのシフト。それは、まさに理想を追い求め、追い求めすぎたためにやってきたこの “欲望の時代” への揺れ戻しと非常にシンクロしています。だからこそ、多様でダークな90年代のメタルを原点として育った新たなメタルの形、その審美性や哲学、暗がりに臨む微かな光がリスナーの心に寄り添うのでしょう。
「ALICE IN CHAINS からは常に大きな影響を受けてきた。事実、SEEDS OF MARY として初めて演奏した曲は、”Them Bones” のカバーだったんだからね。今日、僕たちはその影響から解放されて、自分たち独自のものを作ろうとしている。でも、声のハーモニーや音楽にあのダークなムードがあると、リスナーがAICを思い浮かべないのは難しいことだと思う」
ゆえに、彼らの音楽は “プログレッシブ・グランジ” と評されることもあります。ALICE IN CHAINS は間違いなく、グランジの渦の中から這い出でましたが、その本性はメタルでした。あの時代の新しい形のメタルでした。そして、その怪しいハーモニーや不確かなコード、リズムの変質に絶望のメロディはあの時代のプログレッシブであり、見事にあの時代を反映した革新でした。
SEEDS OF MARY はそこに、Devin Townsend, Marilyn Manson, SLIPKNOT, SOILWORK, SOTD, NIN といった90年代の代弁者を取り揃えながら、より現代的な手法や趣向に PINK FLOYD のサイケデリアを散りばめることで見事に20年代の暗がりを表明します。
音楽の流行に圧倒されることなく、”種” をまき、収穫する。暴力的で、幽玄で、特定の難しい彼らのサウンドは、内省的な歌詞とありのままの感情の肯定によって、急速に強く成長していきます。
今回弊誌では、Julien Jolivet にインタビューを行うことができました。「僕たちは皆、間接的に日本文化の影響を受けているんだよ。みんなレトロなビデオゲームをプレイしたことがあるし、Jeremy はクラシックな日本映画をよく観ている。アニメやマンガは僕の人生の大部分を占めているよ。アニメの音楽(たとえば “AKIRA”)や菊池俊輔のような作曲家は、間違いなく僕に影響を与えているね」 どうぞ!!
“I Don’t Think Melodic Hard Rock/AOR Is Dead, In Fact I Think There’s An Upward Trend Again. If You Look At TV Shows Like Stranger Things Or Cobra Kai, The 80s Are Coming Back.”
DISC REVIEW “HEART OF THE YOUNG”
「メロディック・ハード・ロック/AORが死んだとは思わないし、むしろ再び上昇傾向にあると思う。”ストレンジャー・シングス” や “コブラ会” のようなテレビ番組を見れば、80年代が戻ってきていることに気づくはずだよ。バイパーサングラス、マレット、ジーンズにレザージャケット……。とはいえ、安っぽいグラムロックで大成功できるとは思わない。オリジナリティを持ち、モダンと80年代のいいとこ取りをすることが重要なんだ。だから、昔の模倣ではなく、リフレッシュしている限り、正しい道を歩んでいることになる!」
メロハーは死んだ。AOR なんてダサい。夢のような80年代を経て、時に煌びやかで、時に美しく、時に悲哀を湛え、そして時に情緒を宿したメロディック・ハードの響きは窓際へのと追いやられてしまいました。しかし、時代は巡るもの。”ストレンジャー・シングス” のような大人気ドラマに80年代のノスタルジアが描かれることで、当時の音楽も息を吹き返しつつあります。
そうしたドラマが視聴者の心を掴むのは、ノスタルジーを誘いながらも同時に新たな視点や思想
、テクノロジーを駆使して決して古臭く終わらせないことが理由でしょう。スイスのバンド、FIGHTER V のセカンド・アルバムのアートワークには、近代的で繁栄した都市の外観で建てられた巨大な心臓が描かれています。そう、彼らの “メロハー” も Netflix と同様に当時の風景に新たな解釈をもたらす革命の鐘。”Heart of the Young”、FIGHTER V が奏でる魅力的なメロディック・ハードは、野心的な若いミュージシャンたちによって作られ、若い心を保つすべてのリスナーに贈られたものなのです。
「”Radio Tokyo” は音楽で成功を収め、頂点を目指している少年の話。”Radio Tokyo” に出演するためにね!僕らの象徴だよ。80年代のビッグバンドはみんな東京、少なくとも日本で演奏していた。それができれば、外国のバンドとして本当に成功したと言えるんだ!」
そんな FIGHTER V が、メロハー復興計画の足がかりに選んだ場所が日本、そして東京でした。なぜなら東京、そして武道館はいつだって世界中のハードロック・キッズ憧れの場所だったから。そして、今や日本は #メロハー が生き残る数少ない国のひとつとなったから。”Radio Tokyo” はまさにメロハーの祝祭。そう、DJ に導かれた圧倒的な高揚感、凄まじい精神的な勃起をうながす楽曲こそメロハーの真髄なのです。
「よくプロデュースされ、ミックスされたコーラスといえば、間違いなく HAREM SCAREM が最高の例になるよね!特に HAREM SCAREM の最初のセルフ・タイトル・アルバムは、伝説的なプロデューサー、Kevin Doyle の傑作だった!もちろん、彼らのソングライティングにおけるトップリーグのセンスも忘れてはならないよ。HAREM SCAREM は間違いなく、メロディック・ロックのダイアモンドなんだ!」
だからこそ、クラシックで若々しいメロハーの新境地を求める FIGHTER V が日本が育てた HAREM SCAREM をお手本に選んだのは自然なことでしょう。彼らは80年代のメロハーに、さらに肉厚でオーロラのようにコーティングされたコーラスの魔法と、プログレッシブに捻くれたフック&テクニックを持ち込んだ革命家でした。タイトルをいただいた(?) WINGER の知性や、”Speed Demon” でみせる MR.BIG への憧れも織り交ぜながら、FIGHTER V もまた、敷き詰められた旋律のカーペットに、現代的なエッセンス、コンポジション、プロダクションを飾り付け、このジャンルを次のステージへと誘います。
やっぱり、コーラスやコール&レスポンスの使い方が素晴らしいですね。FAIR WARNING も、TEN も、TERRA NOVA も個性的で扇情的なコーラスを持っていましたが、メロハーはコーラスが命。何より、彼らのアー写のTシャツは SURVIVOR。大事なことはすべて SURVIVOR から学んだ。いつも心に SURVIVOR を。
今回弊誌では、FIGHTER V にインタビューを行うことができました。「GOTTHARD, KROKUS, SHAKRA のようなバンドは、より多くの観客に知られていたし、そこまでハードな音楽ではないから、より親しみやすかった。だからそうした音楽とより繋がりを深めていったんだ」 FRONTLINE に SHAKRA。滾りますね!どうぞ!!
“If Putting a Label On Ourselves, We Would Probably Say Progressive Semi-Technical Melodic Thrash-Infused Death Metal? Our Sound Really Is a Mixture Of a Lot Of Influences.”
“Every Prog Band Worth Their Salt Really Should Do a Double Album, Shouldn’t They?”
LIFE IN THE WIRES
「価値のあるプログ・バンドは皆、ダブル・アルバムを出すものだし、出すべきだよね」
FROST* とその心臓 Jem Godfrey は、この切り抜きやプレイ・リストのストリーミング全盛のインスタントな時代に、90分2枚組の巨大なエピック “Life in the Wires” を作り上げました。それだけではありません。このアルバムは前作2021年の “Day and Age” のコンセプトとリンクしながら、同時に初期の作品、特に画期的なデビュー・アルバム “Milliontown” のサウンドを見事に取り込んでいるのです。2024年にこれだけ “布石” のあるプログらしいプログを手に入れられるとは思えません。
「新しいアルバムの最初のトラックは、”Day and Age” の最後の曲 “Repeat To Fade” の終わりから始まるんだ。”Day and Age” を作ったときに、未来のためのちょっとした布石としてこの曲を入れたのを覚えているよ。
新しいアルバムの舞台に映画の世界のようなものを作り上げたんだ。 John と私が “Day and Age” を書いていたとき、私は音楽に関してかなり視覚的に考えていたんだ。曲を書いていると、その人たちがいる世界が見えてくる。”Day and Age” の世界観はとても映画的で、さまざまな場所や、メガホンを持った5人の紳士が象徴的なアルバム・ジャケット、そしてその世界観など、私にはとても映画的に感じられた! それで、”Day and Age” の最後、”Repeat to Fade” という曲の最後に、曲がフェードアウトして訪れる静寂の中で、”Can you hear me? “という声を入れた。それが新しいアルバムの始まりなんだ。”ジェームス・ボンドが帰ってくる” みたいな感じかな。 そういうアイデアがとても気に入ったんだ」
その映画のような世界観は、ビデオゲームともリンクしています。
「私の頭の中では、ビデオゲームの “グランド・セフト・オート” のような、ひとつの街でドライブしながら何かをするような世界が舞台になっている。 でも、その気になれば、車に飛び乗り、橋を渡って別の街に行くことができ、そこでは別の世界が繰り広げられているみたいなね。”Day and Age” の世界と “Life in the Wires” の世界は同じ世界の別の場所なんだ。 でも、物事は同時進行している。
“Day and Age” の世界では、”Terrestrial” や “The Boy Who Stood Still” のような登場人物たちがいて、同じように “Life in the Wires” にも登場人物たちがいて、それが同時に起こっている。 すべてが同じ宇宙を舞台にしているというアイデアがとても気に入ったんだ。その結果、ビジュアル面でも音楽面でも、ハウス・スタイルを確立するのはとても簡単だった」
だからこそ、ダブル・アルバムが必要でした。
「”Life in the Wires” のストーリーは、2枚組のアルバムが正義だと思えるほど、十分な物語があったと思う。たしかに怖さはあったよ。長くてつまらない迷走しているプログ・バンドだと評価されるほど最悪なことはないからね。 だから私たちは、以前は60分のCDというフォーマットの枠の中で十分に語ることができると思っていた。
でもこのアルバムでは、4面のレコードを作りたいと強く思ったんだ。 その結果、最適な音質を得るために、ヴァイナルの1ビットが約20分(片面)という制約が生まれた。 不思議なことに、86分と言われるととても長く感じる。 でも、20分のヴァイナル盤を4面分と言われれば、頭の中ではそれほど大変なことだとは感じない。
ダブルアルバムのアイデアはずっとやりたいと思っていた。 2枚組アルバムという素晴らしいプログのクリシェをやるのにちょうどいいタイミングだと思ったんだ!」
“I Felt Like I Was Operating At The Top Of My Abilities As a Singer, For Sure. I Think I’m Growing. I’m Trying To Get More Consistent At Everything. That’s The Goal”
I WANT BLOOD
「私はこのレコードのファンだ。もし私が私でなく、ALICE IN CHAINS のメンバーでなかったとしても、ALICE IN CHAINS の作品と私が作ったソロ作品のファンになっていただろう」
ヘヴィ・ミュージックの世界は永遠に流動的で、新しい声は台頭し、常に驚くべき進化を遂げています。
2024年夏季オリンピック・パリ大会では、開会式でフランスのメタルバンド、GOJIRA が大活躍を果たしました。7月、このバンドは、かつてマリー・アントワネットが幽閉され、死刑判決を受けた中世のコンシェルジュリー宮殿で、火柱が立ちのぼり、窓から何人もの首を切られたアントワネットが歌う中、雷鳴のように19世紀のフランス国歌 “Ah!Ça Ira” を轟かせました。
セーヌ川のほとりから世界中に、妥協のないメタルが鳴り響いたことに、Jerry Cantrell は目を細めます。
「クールで意外な選択だと思った。時代が良い方向に変わってきているのかもしれない」
もちろん、変わるものもあれば、変わらぬものも存在します。Cantrell にとって、創造の瞬間はこれまでと同じです。その感覚は、彼が若いギタリストとしてシアトルのガレージやベッドルームで過ごした時間と何ら変わらないのですから。
ALICE IN CHAINS のギタリストは、そうした初期の日々をはっきりと覚えています。
「そこでマリファナを吸ったり、RUSH のレコードを聴いたり、ドラムキットが半分しかなくても仲間と一緒に演奏してみたり。そういうのが好きだったんだ」
シアトルのシーンも懐かしく回想します。
「私たちの前にも、HEART や QUEENSRYCHE がいてずっと活気のあるシーンだった。音楽や芸術が盛んな土地でね。大都市じゃないから、誰からも干渉されずに熟成する時間があった。そして、ここで何かが起こっていると感じ、気がつけば自分もその一部となっていた。19歳や20歳の若者にとっては、それはかなりクールなことだった。
我々はMTVを開拓した最初のバンドともいえた。SOUNDGARDEN もね。シーンにとっては、MOTHER LOVE BONE も本当に重要なバンドだったし、MAD HONEY も、GREEN RIVER もいた。彼らみんなが小さな足がかりとなった。
一緒に仕事をしていなくても、我々はそれぞれが個人として、グループとして、お互いに助け合っていたよ。そしてその成功のひとつひとつが、より大きなものへとつながっていき、臨界点に達して、PEARL JAM や NIRVANA が誕生したんだ」
だからこそ、Cantrell は UK のバンドに大きな影響を受けたといいます。
「私はイギリスのバンドに大きな影響を受けた。JUDAS PRIEST, BLACK SABBATH, LED ZEPPELINなど当時はあの場所に素晴らしい音楽が圧倒的に多かった。量も質もね。これらのバンドはすべて、何らかの形で、互いに影響を与え合ったり、刺激し合ったり、誰かが別の道を進むための分岐点を作ったりしていた。そういう環境は、私たちの小さな町で一握りのバンドで起こったことと似ていて、健全なレベルの尊敬と同時に競争があり、それがすべてのバンドの成長に拍車をかけたんだ。多くのUKバンドも同じだと思う。
だから “British Steel” が好きなんだ。すべてのメタル・ヘッズにとって特別で時代を代表するレコードのひとつだ。Dimebag やVinnie Paul と何度一緒になったかわからないけど、Dime はいつも首にこのカミソリの刃のペンダントをしていたね。
このリフは、私が最初に弾き方を覚えたリフなんだ。K.K. と Glenn Tipton は、メタル界における名デュアル・ギターで、Rob Halford はまさに最高だ。彼のような人はいない」
一方で今、ロサンゼルスやシアトルの自宅のリビングルームで、Cantrell と彼の仲間たちは、アンプとペダル、電子ドラム・キットに接続し、ヘッドホンをつけて演奏します。彼の横に座るのは、ベーシストのDuff McKagan (Guns N’ Roses) と Robert Trujillo (Metallica), ドラマーの Gil Sharone (Marilyn Manson, Dillinger Escape Plan) と Mike Bordin (Faith No More), そしてコンポーザーでギタリストの Tyler Bates。
そうしてある日、”Let It Lie” となる曲が誕生します。完成したその曲は、Cantrell の新たなソロ・アルバム “I Want Blood” に収録されていますが、Cantrell はそれを、”クソみたいにドロドロしている” と表現しています。うなるギター、プログレッシブな中間部、ビッグ・ロック・ソロ、そして Cantrell の歌声からなるドロドロの叙事詩。”誰にでも呪縛がある/原始的な闘争衝動がある/相手の中に自分が見えるか?”
Cantrell にとってこの曲は、初期の SOUNDGARDEN を彷彿とさせる、重厚で荒涼としたロック・チューンで、彼がよく知るグランジの初期を彷彿とさせるもの。リビングルームでたむろしていたロック野郎たちが、偶然インスピレーションを得た瞬間から物語が始まりました。
「フリーフォームのジャムをやっていて、偶然あのリフを見つけたんだ。そうしたら Bates が別の何かで反応した。彼はただ、クールだね、という感じで私を見ていた。ジャムの段階やデモの段階では、少しローファイにしておくのが好きなんだ」
2021年のソロ・アルバム “Brighten” と同様にオールスター・ミュージシャンをフィーチャーした “I Want Blood”。ただ、”Brighten” は Cantrell にとって19年ぶりのソロ・プロジェクトでした。
その19年の間に彼は、2002年の Layne Staley の悲劇的な死によってキャリアを絶たれた ALICE IN CHAINS の復活に集中していました。彼らのカムバックは2009年の “Black Gives Way to Blue”。これはかつての AC/DC のように、ダイナミックなフロントマンの死後、ロックバンドが成功した珍しいケースとなり、アルバムはゴールドを獲得し、ビルボード200で5位を記録しました。その後、シンガーの William DuVall を迎えてさらに2枚のアルバムをリリースした ALICE IN CHAINS は、ツアーとレコーディングを積極的に行うユニットとして完全に再確立され、今年はラスベガスで開催された注目のシック・ニュー・ワールド・フェスティバルで話題をさらいました。
ALICE が確かな地盤を築いたことで、Cantrell はダウンタイムを手にし、1998年の “Boggy Depot”、2002年の “Degradation Trip” に続くソロ・キャリアに戻ることができました。このシンガー兼ギタリストはそうして “Brighten” で、エンニオ・モリコーネのハードロックと傷ついたバラードのコレクションで、新たな伸びを見せたのです。
「あの経験の後、私は燃え上がっていたんだ。もう少し早く仕事に取り掛かりたいと思ったし、時間とチャンスがあるうちにもう1枚やりたいって思ったんだ」
名は体を表す。アルバム・タイトル “I Want Blood” はまさに Cantrell の乾きと情熱を表しています。
「ALICE IN CHAINS の共同マネージャー、スーザン・シルバーとシック・ニュー・ワールド・フェスのためにヴェガスにいたとき、彼女に訊かれたんだ。タイトルは “Fuck You” でしょ?ってね!彼女は正しかった!私のカタログには、”Dirt”, “Facelift”, “Degradation Trip” など、強力なタイトルがいくつかあるからね。運が良ければ、核となる曲のひとつからタイトルをもらえたり、作品を体現するようなものをもらえたりする。”I Want Blood” という曲には、その両方があった。このアルバムはハードな内容なので、この曲のトーンがぴったりだと思ったんだ」
“I Want Blood” の曲の中で浮かび上がってくるのは、もっとヘヴィなもの。威嚇的な “Vilified” は、渦巻くギター、轟く Trujillo のベースラインと Sharone のドラムビート、そして Cantrell の特徴的な歌声が何層にも重苦しく重なりアルバムの幕を開けます。”Off the Rails” と “Throw Me a Line” を含め、ここにはたしかに ALICE IN CHAINS の初期から彼が生み出してきた印象的で陰鬱なロックのフックが溢れています。
「作曲だけでなく、ギターの演奏も歌もリスクを犯した。最高の作品というのは、自分が心地よくない場所にいるときに生まれるものなんだ。それをやり遂げられるかどうかわからない。もう少し安全なことをしよう。そんな考えは捨てて、とにかくやってみるんだ。そうすれば、きっと普段はやらないようなことをやったり、自分を追い込んだりして、自分が目指しているよりも高い目標を達成できるはずだ。中心から少しずれた、少し危険な感覚を味わうことができる。そして、偉大な作品になる可能性を秘めたものを作る良いチャンスを手に入れるんだ」
この9曲入りのアルバムは、Cantrell と Joe Barresi のプロデュースにより今年初めにレコーディングされました。セッションは、カリフォルニア州パサディナにあるバレージのJHOCスタジオ(ジョーズ・ハウス・オブ・コンプレッション)で、赤レンガの壁とヴィンテージ機材に囲まれて行われました。Cantrell は、TOOL, SLIPKNOT, QUEENS OF THE STONE AGE など、メジャー・アーティストとの仕事で知られるプロデューサーとのコラボレーションについて説明します。
「彼のスタジオに入ると、まるで10軒のギター・センターがひとつに詰め込まれたようで、過去50年分の機材で埋め尽くされているんだ」
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KYNAN GROUNDWATER OF DIAMOND CONSTRUCT !!
“Bands Like Korn And Linkin Park Blend New Things Together So Well. We’ve Always Looked Up To The Nu-metal Genre For Being Something Truly Unique. That’s What We Want To Do In a Modern Way.”
Q1: How was your tour with Prompts from Japan? There are more and more great Japanese bands like them, are you interested in the Japanese scene?
【KYNAN】: Touring with Prompts was an incredible experience. We all bonded quickly and personally noticed how humble and hard working they are as people. From the moment we first met them at the airport in Perth it was apparent that they have a very similar sense of humour to us so we knew we’d get along fine. Seeing them live on stage was awesome because we’ve never toured with a band from Japan before – it was great to see their energy and how they portray themselves. It made for a unique tour package that the fans here in Aus were very appreciative of. We’d love to return the favour and get over to Japan to tour with Prompts. Safe to say the goodbyes at the end of tour were somber so I’m sure they’d love to do it all again on their home turf.
Q2: Speaking of Japan, “Angel Killer Zero” is clearly influenced by Japanese anime and video game culture? Why did you decide to make such an album?
【KYNAN】: The influence of Japanese anime and gaming culture on our latest album really comes down to our upbringing. Growing up in a small town in Australia – we loved watching the morning shows on TV before school. The characters and world building are what is really attractive to us.
As we were writing the album, I noticed a lot of similarities and connections in how the music and lyrical content matched the aura that these anime’s and games have. Stories of personal growth and heartbreak, love and overcoming boundaries with a group. That’s what this album is about. Similar to the storyline that a game like final fantasy brings you. We wrote interludes with voice excerpts from the games to tie in with that. It all sort of made sense to have a visual representation that matched the music and themes that we created.
Q3: The songs on the album pay homage to Evangelion, Akira, Gundam, Demon Slayer, etc. What anime and video game works actually influence you guys?
【KYNAN】: Shows like Dragon Ball Z, Yugioh, Beyblades etc. These sorts of anime shows had a massive influence on what we loved in terms of art forms and storylines. That grew into our love for JRPG video games like Final Fantasy and Kingdom Hearts. As we got older, watching shows like Evangelion and Gundam really nailed home the art form from an earlier time since before we got into Japanese culture. The art style is immaculate.
Q4: What theme or concept is behind the title and artwork of “Angel Killer Zero?”
【KYNAN】: It all actually came to me in a dream. I saw an angel crying holding her own wing and I vividly remember the three words ‘Angel Killer Zero’. I can’t really explain why but when I woke up I knew that what I saw was the album art and title for what we were working on at the time. It felt right the ambiguous title, the fallen angel. It all perfectly matched what we were writing lyrically and musically. The themes explore loneliness and abandonment, love, loss etc. So it made sense to put a concept of an anime or video game persona to the album. To make it digestible in a visual format.
Q5: Your way of incorporating noise into riffs like “I Don’t” is truly innovative! Metalcore has long been considered a formulaic genre, but I can sense your passion for evolving the genre, would you agree?
【KYNAN】: Thank you! We completely agree that the genre of metalcore is very regimented and almost gate kept by certain sounds or the way you are supposed to write riffs. We’ve always cared about originality. We don’t want Diamond Construct to sound like anyone else. So we make a point of trying our best to expand the sound that others have left for us to grab influence from. Bands like Korn and Linkin Park blend new things together so well. We’ve always looked up to the Nu-metal genre for being something truly unique. That’s what we want to do in a modern way. Create something new and recognisable that when someone listens to our music they can say “that’s Diamond Construct!”
【KYNAN】: ありがとう!メタルコアというジャンルが非常に規則的で、特定のサウンドやリフの書き方があるせいで門戸が閉ざされているようだということには、僕たちもまったく同意見だよ。
だからこそ、僕たちは常にオリジナリティを大切にしてきた。DIAMOND CONSTRUCT を他の誰かのように聴かせたくない。だから、他のバンドが残してくれたサウンドから影響を受けつつも、自らのサウンドを拡大させようとベストを尽くしているんだ。
KORN や LINKIN PARK のようなバンドは、当時の新しいものをうまく融合させていた。だからこそ、僕たちは Nu-metal というジャンルが本当にユニークなものであることを常に尊敬してきたんだ。僕たちは、ああいうことを今の現代的なやり方でやりたいんだ。誰かが僕らの音楽を聴いたときに、”あれは DIAMOND CONSTRUCT だ!”と言ってもらえるような、新しくてすぐ認識できるものを作りたいんだよ。
Q6: Braden’s “pedal dance” is what gives Diamond Construct its trademark sound! I’ve never seen a guitarist so busy pedaling around, How did he arrive at that style?
【KYNAN】: Braden is a very unique person. He loves to go against the grain and doesn’t like to do what is expected. His love for guitarists like Wes Borland, Josh Travis and Jason Richardson is what grew him into finding his niche which is the pedal dancing. He knows that he might not be the most shreddy or tech guitarist but he’s doing something that not many other people can do and we love to push the boundaries of how a guitar is perceived.
【KYNAN】: Braden はとてもユニークな人だ。時代の流れに逆らうのが好きで、期待されることをするのが嫌いなんだ。
Wes Borland, Josh Travis, Jason Richardson のようなギタリストへの愛が、彼をペダル・ダンスというニッチなテクニックを見つけるまでに成長させたんだ。彼は、自分が最もシュレッディでテクニカルなギタリストではないかもしれないことを知っているからこそ、他の多くの人ができないことをやっているんだ。僕たちは、全員がギターという楽器の限界を押し広げるのが好きなんだ。
Q7: The music of “Angel Killer Zero” is as diverse or major as that of Code Orange. Especially the crossover with Nu-metal, which has become a trend in modern metal, are bands from that era a big part of your music?
【KYNAN】: Code Orange are a great band! In the early days of childhood for us – our parents would put on a lot of bands that they were into. Bands like Slipknot, Limp Bizkit etc. So we grew up listening to Nu-metal from a young age. We almost understand that genre back to front. It’s undeniably the biggest influence in our music to date. It’s great to see that there is a resurgence in the crossover.
【KYNAN】: CODE ORANGE は素晴らしいバンドだよね!僕らが子供の頃、両親は自分たちが好きなバンドをたくさん聴かせてくれた。SLIPKNOT や LINKIN PARK, LIMP BIZKIT のようなバンドだ。だから僕らは若い頃から Nu-metal を聴いて育ったんだ。
僕たちは、そのジャンルをほとんど隅から隅まで理解している。これまでの僕らの音楽に最も大きな影響を与えたのは紛れもなく Nu-metal だ。だから、クロスオーバーが復活しているのを見るのは素晴らしいことだよ。
Q8: You guys have become even more popular with buzz on TikTok and Instagram. However, there are still many artists who would like to be evaluated on an album basis rather than such clipped videos. How do you feel about such changes in the music industry?
【KYNAN】: This is a really good question. For us, we solely care about writing original music. In a perfect world we’d love to be judged off our albums and songs in particular. But we also understand that the music industry has changed and you have to go with that change otherwise you fall by the wayside of so many bands. In recent times we noticed that to truly make a dent or to be seen you have to have a grasp on modern social media. It’s almost as important as the music these days. So we’ve taken it upon ourselves to learn that world and work on it, become better at it and more consistent with it.
Sure thing! We’d like to say thank you for listening firstly. It means so much to us that our music can reach your ears. We’d love to get over to Japan soon and show you all what we love to do, which is play shows and talk to new fans. Hopefully we get to meet you all soon.
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NOISE OF KANONENFIEBER !!
“The Topic Of War In The Metal Genre Is Often Handled In a Provocative And Glorifying Way. We Wanted To Create a Contrast To That And Develop a Project That Depicts War In Its Worst Aspects, Serving As a Warning.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH YUSUKE SUMITA OF DEFILED !!
(ALL PHOTOS BY SHIGENORI ISIKAWA)
“I Think Everyone Has Something They Love And Can’t Get Enough Of. If We Pursue It With Full Curiosity And Love, We Can Reach a Certain Point, Even If We Are Complacent.”
COVER STORY : BLOOD INCANTATION “ABSOLUTE ELSEWHERE”
“A Lot Of People Would Say, ‘I Don’t Even Listen To Any Metal At All, But This Record Somehow Does It For Me,’ Which I Found Amazing”
ABSOLUTE ELSEWHERE
「PINK FLOYD をどう説明する?彼らはサウンドトラックを作った。他のこともやっていた。”彼らはメタルやロック、プログのバンドだ” と言われるのではなく、ただ “バンドの名前だ” と言われるような立場にいることは、とてもクールなことだと思う。そして、僕らもその段階に差し掛かりつつある。BLOOD INCANTATION はただ BLOOD INCANTATION なんだ」
一見、BLOOD INCANTATION の作品はとっつきにくいように思えるかもしれません。デンバーの実験的デス・メタル・バンドは、過去10年間、音楽的挑戦だけでなく、一見不可解で幻覚的なイメージも包括する世界に肉薄してきました。その哲学は、彼らの歌詞だけでなく、アルバムのアートワークにも浸透しています。
つまり、BLOOD INCANTATION を完全に理解するには、エイリアンやピラミッド、オベリスクの意味を理解しようとする必要があるのです。CANNIBAL CORPSE が “スター・ウォーズ” なら、BLOOD INCANTATION は “2001年宇宙の旅”。
難解な音楽を披露するバンドにもかかわらず、彼らは幅広く多様な聴衆を惹きつけることに成功しています。2016年に発表された初のフルアルバム “Starspawn” は、バンドの土台を築き、より壮大でプログレッシブな野心を示す、最初の突破口となりました。しかし、扉を大きく開けたのは2019年の “Hidden History Of The Human Race” でしょう。その代表曲は18分ものサイケ・エピック “Awakening From The Dream Of Existence To The Multidimensional Nature Of Our Reality (Mirror Of The Soul)” であるにもかかわらず、”Hidden History” は2010年代で最も幅広く評価されたメタル・アルバムの1枚となりました。そうして、ブルース・ペニントンの象徴的なアルバム・ジャケット(グレーのエイリアン、淡いブルーの空、謎の浮遊物)をあしらったTシャツは、インディ・ロックのライヴで見かけるくらいに有名になったのです。
ギタリストの Morris Kolontyrsky は、「多くの人が、”私はメタルをまったく聴かないのに、このレコードはなぜか聴いてしまう” と言うんだ」 と目を細めます。