EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FLOYD LONDON OF THE ALMIGHTY !!
“Rock Show Is All About Screaming Your Head Off, Fists In The Air, With a Bunch Of Like-minded Individuals Making a Real Connection With Band Stood Right In Front Of You. The Crowd Feed Off The Band, The Band Feed Off The Crowd, Becoming One”
DISC REVIEW “BLOOD, FIRE & LOVE”
「ストリーミングのライブと本物のライブは比較にならないと思う。ある種の落ち着いたジャンルでは、ストリーミングの方がうまくいくかもしれないけど、ロックのライヴは、目の前にいるバンドと本当のつながりを作りながら、志を同じくする大勢の人たちと一緒に、拳を振り上げて、頭を振り上げて叫ぶことがすべてだから。観客はバンドを糧とし、バンドは観客を糧とし、一体となるんだよ!」
ライブやその音源の方が、雑だけどスタジオ盤よりもかっこいいし強烈で興奮する。それが当たり前だった風景は今や昔。THE ALMIGHTY が2023年に復活する理由があるとすれば、間違いなくこれに尽きます。彼らがロックやメタルの世界から消えている間に、音楽産業のあり方は大きく変わりました。
彼らが生きた時間をかけて “足を運ぶ” 時代は遠ざかり、清廉潔白で”正しい” 音源もライブ配信も情報も、すべてがワンクリックで手に入る現代。そんなインスタントでバーチャルな無菌室の音世界に、THE ALMIGHTY は “体験” や “経験” の汚染を取り戻そうとしています。
「人々が私たちを見たいと望むかぎり、このバンドが私の居場所だと感じるようになったんだ。
最近、長いドライブ旅行をしたんだけど、最初の5枚のアルバムをプレイリストに入れて、フルボリュームで聴いたんだ。最近ではそれが音楽を聴く唯一の方法なんだよな、実際。で、自分たちの曲なのに腕の毛が全部逆立つような感じだったよ。今でも興奮した。曲は時の試練に耐えているんだ。今のバンド内の雰囲気はとてもいいんだ。私たちの人生の魔法のような時期に戻ったようで、特別な感じがするよ。だからこそ、本当にうれしいんだ!」
Ricky Warwick, Stump Monroe, Floyd London。80年代、スコットランドで学生時代からの幼馴染が結成した THE ALMIGHTY は、いつしかその存在感を世界中で大きくしていきました。特に、ここ日本では、THE WILDHEARTS, THUNDER , SKIN, THERAPY? らと共に、”生粋のメタルではないがとにかくメロディと勢いとルックスが強烈な英国勢” として人気が爆発。今では車の中でしか存在意義がないような CD も飛ぶように売れ、来日公演も大盛況だったのです。
「個人的に一番好きなのは “Crank” だ。パンクの攻撃性をロックの音楽性と明瞭な歌詞で表現したこのアルバムが、私たちのピークだったと思う。ただ、”Blood Fire & Love” には、他のアルバムとは異なるエネルギーと意図があって、今でもライブで演奏する曲が多いからな。時の試練に耐えていることは確かだよ」
CD のジャケットが色褪せたとしても、THE ALMIGHTY の音楽が時の試練に耐えたのは、一重にそれが “全能の” ロックだったからでしょう。グラムやゴス、MOTORHEAD の暴走機関車から始まり、”Powertrippin” のヘヴィ・グルーヴ、”Crank” の UK らしい口ずさめるパンクに “Just Add Life” の Pop’n Roll まで、彼らはその圧倒的なライブ・パフォーマンスにモノを言わせてやりたいことをやりたいように突き進んできました。
だからこそ、どのアルバムを聴いても新しいし、どのアルバムを聴いてもエネルギーに満ちている。それがきっと、真の音楽 “体験” なのでしょう。
「再結成してメンバー間の齟齬を脇に置くということは、すべての齟齬を脇に置くということだ。物語の始まりを祝う35周年というのは、そのための十分な口実に思えたんだ」
そんな彼らが、再集結の会場に選んだのは、始まりの場所グラスゴーであり、始まりの音 ”Blood, Fire & Love”。ギタリストも、オリジナル・メンバーである Tantrum が選ばれました。もちろん、Alice Cooper の下で学んだトリッキーな Pete Friesen を愛するファンも多いでしょうが、Tantrum の直情型ギタリズムもまた至高。
35年という時の試練や周りの雑音、メンバー間のわだかまりに耐えた THE ALMIGHTY、全能のスコティッシュが、来年以降も予定されているライブやアルバムでどんな “体験” をもたらしてくれるのでしょうか。私たちがかつて、ロックやメタルを聞いて感じていたあの全能感を、全能神が取り戻してくれることはたしかでしょう。
「記憶が正しければ、ハイライトは大阪の野外円形劇場だったな。5,000人の観客が座席に座り、静かに辛抱強く私たちを待っていた。私たちがステージに上がると、観客は熱狂し、ショーが終わると、5分も経たないうちにみんなが整然と去っていった。素晴らしかったね」来日もあわせて期待しましょう!Floyd London です。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA OF ENDON !!
“Catastrophic Noise-metal” Outfit ENDON Has Largely Eluded The Attention Of The Broader Western Underground Music Scene With New Extreme Masterpiece “Through The Mirror” !!
DISC REVIEW “THROUGH THE MIRROR”
エクストリームミュージックの光彩にして特異点。東京から世界を見据えるノイズの狂信者 ENDON が、シーンに “救い” という名の不可逆性をもたらすマスターピース 『THROUGH THE MIRROR』をリリースしました!!
「ENDON はメタルという言葉でイメージする音楽の領域を拡大する役目の一端を担っていると思います。言い換えれば私にはメタルの延命措置に関わっているという認識があります。」 と語る彼らの欲望は、残酷なまでに率直です。
ボーカル、ギター、ドラム、そして2名のノイズマニュピレーターを擁する ENDON。ノイズをその多様なソングストラクチャーへ大胆不敵に織り込む彼らの方法論は、エクストリームミュージックの最先端にあると言えます。
罪深きノイズの濁流 CODE ORANGE, ハードコア/グラインドのハイブリッドエクストリーム FULL OF HELL、そして ENDON。奇しくも等しくその最新作を CONVERGE の巨匠 Kurt Ballou に委ね、ノイズというキーワードで繋がる三傑は、創造性という核心において他の追従を許してはいませんね。
中でも ENDON が特異点であるべきは、インタビューにもあるように、彼らがノイズを “主人公” として扱っている部分だと言えるでしょう。勿論、エクスペリメンタルな極北たるデビューフル 、ノイズを中心に据えた “母盤”『MAMA』はその具象にして直接的な証です。しかし、ノイズを楽器の一つとして扱い楽曲を “構築” することで、よりロック/メタルのフォーマットへと接近した “父盤” 『THROUGH THE MIRROR』においてもその信念は揺らぐことすらありませんでした。
ENDON にとってノイズとは “有機性” の象徴なのかも知れません。つまり、音符や調に囚われないノイズは自由な胎動、母性。逆に緻密な楽曲の構築、音楽的な束縛は父性。二性の融合によりフォーカスした『THROUGH THE MIRROR』は、ENDON という稀代のバンドが産み落とした寵児だと言えるのではないでしょうか。
こうした変化、父性の強調をセルアウトと断じることは無意味です。那倉氏が 「私は「悟り」という言葉もあまり好きではありません。私は「悟り」を「去勢」と言い換えます。」 と語ったように、バンドは “去勢” とは対極に位置するマスアピールを欲しているのですから。
アルバムオープナー、6分間のノイズの弾幕、ブラストの洪水、地獄の責め苦 “Nerve Rain” をある種の踏み絵としたレコードは、実際アグレッションとカオス、エモーションとキャッチーさが奇跡のバランスで均衡を保つインテンスの塊です。
“Your Ghost is Dead” “Born in Limbo” を聴けば今回、特に彼らの獰猛さの一端をブラックメタルやハードコアのテクスチャーが支えていることに気づくはずです。歌詞を持たないボーカリスト、那倉太一の阿鼻叫喚は言語をも凌駕し、ギターやリズムと対等にレイヤーされたノイズのグラデーションは有機的にその残虐性を高めていますね。
殊更、 起伏が増し、繊細なる “オアシス” が存在感を放つ終盤の24分間は圧巻です。”Perversion ‘Till Death” における全てを破壊するかの如き非業の質量、修羅なる重量感は、狂気の狭間に挿入される仄暗くも耽美なるクリーンギターを伴って、スラッジーというワードのみで形容するにはあまりに背徳的で異端な世界観を作り上げています。
プリミティブなパンクのエナジーで疾駆するタイトルトラック “Through the Mirror” がメジャーキーで解決した刹那、世界はその色を変えます。”Torch Your House” で開花するエセリアルなムード、ノイズの宇宙、多幸感とさえ表現可能なサウンドスケープは、ポストロックやポストパンクの美麗なるイメージ、アンビエンス、崇高さを伴って作品に稀有なるコントラストをもたらし物語を締め括るのです。
アルバムを通してギタープレイヤー、宮部氏のルーズでクールなブルーステイストが、作品に更なる彩り、魅力を加えていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、那倉太一氏にインタビューを行うことが出来ました。8/23からは FULL OF HELL, THE BODY, FRIENDSHIP の日本ツアーが始まりますが、ENDON も8/27に出演が決定しています。インタビューで、「小説が歌詞を補完しているという関係ではありません。」 と明言していますが、太一氏の弟、悦生氏が全ての楽曲タイトルに対応する小説を著しています。実に興味深い内容なので併せてぜひ。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ZACH HOUSEHOLDER OF WHITECHAPEL !!
Pioneer of US Deathcore, Whitechapel Opens Up The New Chapter With “Mark Of The Blade”!! Don’t Miss Their First Japan Tour In April!!
DISC REVIEW “MARK OF THE BLADE”
US Deathcore の帝王 WHITECHAPEL が新たな領域へと踏み出した新作 “Mark of the Blade” をリリースしました!!10年に渡ってその王冠を守り続けたパイオニアが舵を切ったその先には、メタルの革新があるはずです。
エクストリームメタルシーンにおいて、狂気のレンジと存在感を放つ Phil Bozeman のガテラルが群を抜いていることを否定するファンはいないでしょう。そして彼が今回新たに証明したのが、そのクリーンボーカルの実力でした。
WHITECHAPEL にとって、”Mark of the Blade” は1枚のアルバム以上の意味を持つ、新境地へと赴く強いステイトメントになっています。間違いなく、Deathcore は近年で最も台頭し人気を博すモダンメタルの枝葉ですが、それ故にシーンが飽和気味な状態であることも事実。このタイミングで、WHITECHAPEL, そして SUICIDE SILENCE というジャンルの二大巨頭がクリーンボーカルを導入したことは決して偶然ではないはずです。
アルバムの4曲目に位置する “Bring Me Home” は WHITECHAPEL の可能性をさらに拡げる楽曲となりました。クリーンボイスをメインに据えたオルタナティブでミステリアスなムードの5分間はバンドの知性を物語り、作品に素晴らしいアクセントを生んでいます。TOOL や STONE SOUR、さらには ALICE IN CHAINS を想起するファンも多いでしょう。勿論、アルバムを支配するのは Phil の並外れたデスボイスですが、彼の Maynard James Keenan, Layne Staley の域に達したダークでメロウ、エモーショナルなクリーンはまさにバンドの卓越した新しい顔となっていますね。
ただ、勿論彼らのチャレンジには賛否両論があるはずです。クリーンに加えて、Phil のボーカルはタイトルトラック “Mark of the Blade” が象徴するように、凶悪なだけではなくどこかキャッチーさを伴う場面が増えており、CANNIBAL CORPSE が代表するように Death Metal シーンにはより単純化したグロウルへとシフトする風潮があるとは言え、彼らのエクストリームサイドを愛するファンにはセルアウトと捉えられる可能性も孕んでいますね。
“Venomous” はそういったダイ・ハードなファンの溜飲を下げる一曲でしょう。セルフタイトルと前作 “Our Endless War” がヒントとなっていたように、トリプルギターを生かしたグルーヴや Djenty なリフワーク、Nu Metal 的フックにメロディアスなクリーンギターやピアノの導入など、プログサイドにさらに接近したアルバムで、モッシュピットの突進力で突き進むこの曲は WHITECHAPEL がまだまだ危険な存在感であることを証明しています。
そして Deathcore の矜持を保ちながらも、クリーンボイスとアコースティックギター、オリエンタルなフレーズでバンドの未来を感じさせるアルバムクローサー “Decennium” は終焉に相応しく、アルバムを総括するフックに満ちた素晴らしいコンクルージョンだと感じました。
今回弊誌では、ギタリスト Zach Householder に短いですがインタビューを行うことが出来ました。来年の4月には Evoken de Valhall Production の招聘で待望の初来日も決定しています!”Deathcore は退屈だ”という衝撃の発言も飛び出しました。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAN ZEHRFELD OF PANZERBALLETT !!
21st Century’s “Heavy Metal Bebop”!! German Progressive Funky Math Jazz Metal five piece, PANZERBALLETT has just released epoch making newest album “Breaking Brain” !!
ドイツが誇る高性能ジャズ式重戦車 PANZERBALLETT が最新作 “Breaking Brain” をリリースし海外で話題を集めています!!
実際、”Breaking Brain” というタイトルは、彼らの音楽を表現するのにピッタリですね。2本のギター、ベース、ドラムス、そしてサクスフォンが創造するジャズメタルは、強烈にして圧倒的。リスナーの固定概念を完全に破壊するでしょう。
アルバムオープナー “Euroblast” は毎年10月に行われる Prog/Tech Metal の祭典 Euroblast への挑戦状。「こんな強烈なバンド、出演してます??」と言わんばかりに畳み掛ける、ポリリズムとテクニカルでジャジーなフレーズ、そしてヘヴィーなグルーヴ。これ程まで Jazz/Fusion を重音領域に持ち込んでいるバンドは他に存在しないと思います。実にエポックメイキングな楽曲ですね。”Typewriter Ⅱ” はタイトル通りタイプライターのサウンドを使用しています。詳細はインタビューを読んでいただくとして、そのユニークなアイデアと巧みなアレンジの才能には恐れ入るばかり。”Mahana Mahana” はマニアックなセサミストリートオマージュだったりするのですが、こういった小ネタも実にニクイ!
インドのパーカッション奏者 Trilok Grutu の楽曲 “Shunyai” のカバーには Trilok 自身がゲスト参加しており、アルバムのハイライトとなっています。エスニックなリズムの驚異的なパーカッションに導かれ幕を開けるこの曲には奇怪なボーカルも挿入されており、見事に狂気と異国感を演出することに成功しています。アルバムのラストを飾るのは “Pink Panzer” のテーマ。彼らがこの曲をカバーするのはこれで2度目なのですが、半ば PANZERBALLETT の代名詞のようになった楽曲はさらにヘヴィーさを増し、壮大にアルバムを締めくくります。
作品を通して、サクスフォンとギターのユニゾンで奏でられるテーマたちが非常に印象的でした。サクスフォン奏者の Alexander Von Hagke はあの ASIA ともツアーを行ったことがある実力者。Joe Henderson, Randy Brecker を思わせる Post-Bop なフレーズの数々が、 MESHUGGAH ライクなポリリズムリフの上で踊る様は決して他のバンドからは得ることの出来ないカタルシスを感じさせてくれます。まさに21世紀の “Heavy Metal Bebop”。即効性と味わい深さを兼ね備えた素晴らしい作品ですね。
今回弊誌ではバンドの創設者であるギタリスト Jan Zehrfeld にインタビューを行うことが出来ました。難解だと思われるかも知れませんが、彼のリードプレイは意外に明快でリックのアイデアも実に豊富ですよ。どうぞ!!
The Best Japanese Melodic Metal Outfit, GALNERYUS has just released their first conceptual record, amazing “Under the Force of Courage”!!
日本を代表する、イマジネイティブなメタルバンド GALNERYUS が最高傑作とも評される新作 “Under the Force of Courage” をリリースしました!!
バンドにとって記念すべき10枚目の作品は、初のコンセプトアルバム。ギタリスト Syu さんの手による壮大なコンセプトストーリーを収めたブックレットは24ページにも及びます。各楽曲の質を高めることで勝負していた前作 “Vetelgyus” から一転、”人間の存在意義を問い、自己確立(悟り)に至るプロセスを描く” という新作は、映画のような1大スペクタクルに仕上がっています。
アルバムは期待を煽るような序曲で幕を開け、DREAM THEATER をメロディックにしたようなテクニカルなインスト曲 “The Time Before Dawn” を導きます。ここからの3曲がとにかく圧倒的!特に “Raise My Sword” の疾走感、メロディーが持つ扇情力は驚異的で、ここ10年で最も強力なメタルアンセムだと断言出来る程。リフがシュレッドと化したようなチャレンジングな佳曲 “The Voice of Grievous” が畳み掛けると、この時点で多くのファンが “Under the Force of Courage” が人生の友となることを確信するでしょう。また、クラシカル一辺倒ではなく、リズムやスケールを巧みに操る Syu さんのオブリやリフワークには脱帽する他ありませんね。
YUHKI さんが作曲を行った “Rain of Tears” は彼のプログレッシブな一面が開花した組曲。小野さんの低中音域を使用したボーカルも実に魅力的で、アルバムの良いアクセントになっています。こういった楽曲が自然に溶け込んでいることが、現 GALNERYUS の充実ぶりを物語っているような気がします。小野さんと言えば、”Chain of Distress” はソロでの歌唱を想起させる、キャッチーで邦楽感の強い楽曲。X JAPAN のバラードと言われれば納得してしまいそうなアプローチで、Syu さんの”人生を変えた5枚”と併せて考えるとまた興味深いですね。
ラストを飾るのは14分の大曲 “The Force of Courage”。リスナーはこれまで現れた楽曲のメロディーが巧みに散りばめられていることに気づくでしょう。そしてこの曲こそがアルバムの根幹を成していたのです。クラッシックやジャズの分野では、印象的なテーマやモチーフが形を変えて何度も現れますが、ヴァイオリンを学んでいた Syu さんらしい手法が際立っていますね。勿論、収録曲はストーリーと見事にリンクしており、ぜひこの傑作を、ブックレットを読みながら通して聴いて欲しいと思います。
今回弊誌では Syu さんにインタビューを行うことが出来ました。自然と胸が熱くなると思います。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JANI STEFANOVIC OF SOLUTION .45 !!
Outstanding Modern Melodic Death Metal outfit, SOLUTION .45 has just released long-awaited new album “Nightmares in the Waking State, PT1”!! Welcome to the heavy & progressive Nightmare!!
モダン・メロディック・デスメタルの雄、SOLUTION .45 が5年間の沈黙の後、遂に待望の新作 “Nightmares in the Waking State, PT 1” をリリースしました!!
透明感のある美しいクリーンと、アグレッシブなグロウルを使い分ける稀代のボーカリスト Christian Älvestam が SCAR SYMMETRY を脱退した時、彼の才能を惜しむ声が実に多かったことを記憶しています。故に、彼が歴戦の勇者 Jani Stefanovic と結成した新バンド SOLUTION .45 にかかる期待は決して小さくありませんでしたね。デビュー作 “For Aeons Past” はそういったファンの期待に十二分に応えた傑作で、モダンなコンポジション&サウンドとクリーンのメロディー&歌唱がずば抜けて素晴らしい作品でした。
5年の月日を経てリリースされた2ndアルバム “Nightmares in the Waking State, PT 1” は、タイトルからも読み取れるように2部作の1作目に当たります。そしてこの作品において初めて、バンドはその実力を全て発揮したと言えるかもしれません。
前作と比較して、まずこのレコードは明らかによりモダンプログの領域に接近しています。壮絶なギターシュレッドはそのままに、リフやリズムパターンを複雑にグルーヴィーに進化させ、近未来的なアトモスフィアを加えたような楽曲が増えていると感じました。強烈な MESHUGGAH臭を放つ “Perfecting the Void” を筆頭に、”Djentの影響を受けた” などと言ってしまうと Jani さんに怒られそうですが、”Wining Where losing is All” などは PERIPHERY と通じるものさえ感じさせますし、Christian が所属していた SCAR SYMMETRY を想起させる部分も存在します。
同時に、アルバムオープナー “Wanderer from the Fold” に象徴されるように、バンドのストロングポイントだった透明感溢れるクリーンパートが減少し、彼らのルーツであるアグレッシブなデスメタルの部分を強調した作風にもなっていますね。
とはいえ、北欧のバンドらしい透明感の “Bleed Heaven’s Dry”, 美しく切ないバラード “In Moments of Disappear” のような “For Aeon Past” を引き継ぐ要素も充分に存在し、そのコントラストがアルバムをさらに一段上の領域に引き上げています。モダンメロデスの最高峰、SOILWORK が今年リリースした傑作 “The Ride Majestic” にも何ら引けを取らない充実作だと思いますよ。
今回弊誌では、DIVINEFIRE などでも活躍して来た、技巧を誇るギタリストにしてドラムスやベース、キーボードにプロデュースまでこなす才能、Jani Stefanovic にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!
MMM RATING IS…
SOLUTION .45 “NIGHTMARES IN THE WAKING STATE, PT1” : 9,2/10
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FLO MOUNIER OF CRYPTOPSY !!
Legendary Technical Brutal Death Metal from Canada, Cryptopsy has just released Ultra Brutal & Super Technical EP “The Book of Suffering Tome Ⅰ” !!
カナダが生んだ、テクニカルデスメタルのレジェンド/オリジネーター CRYPTOPSY が新作EP “The Book of Suffering-Tome 1” をリリースしました!!
結成は1988年、1994年の1stアルバム “Blasphemy Made Flesh” リリースから数えてももう立派な20年選手です。唯一のオリジナルメンバーで、世界最高のテクニックを誇るとも称される Flo Mounier の人間離れしたドラミングを中心として、超絶技巧とブルータリティーをどちらも損なうことなく楽曲に注ぎ込む驚異的なバンドなのです。
メンバーチェンジが多く、今作でも、セルフタイトルの前作 “Cryptopsy” でバンドに復帰し素晴らしい仕事を見せた初期メンバーでリフマイスター Jon Levassur が1作のみで再度脱退しています。2作前の “The Unspoken King” はクリーンボーカルの導入やメタルコア風リフの多用で批判を浴びた作品で、Jon の復帰がバンドを本来有るべき姿に引き戻し “Cryptopsy” を名作にせしめたと感じているファンは、彼が再度脱退したことで不安を感じていたことでしょう。しかし完全にそれは杞憂でした。”The Book of Suffering-Tome 1″ は前作 “Cryptopsy” の路線を引き継ぎさらに凶悪性を強めたような会心のEPに仕上がっています。
今作は “The Book of Suffering” シリーズの1冊目(Tome)という位置づけで、インタビューで判明しましたがトリロジーで完結する予定とのことです。複雑怪奇でブルータリティー溢れる楽曲は彼らの金字塔 “None So Vile” を彷彿とさせます。同時にこの20年で培ったキャッチーさや音楽の素養を惜しみなく詰め込み、非常に濃密な4曲17分間を提供して来ましたね。特に Flo のドラミングには鬼気迫るものがあり、未だに進化を続けているような印象を持ちました。あれだけのテクニック、手数足数を炸裂させながらヘヴィネスを欠片も失っていない点が真の超人たる所以でしょう。
今回弊誌ではその Flo にインタビューを行うことが出来ました!どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Pär Sundström OF SABATON !!
“Veni, Vidi, Vici”!! SABATON has just conquered Japan at LOUD PARK 2015!! Definitely, best act of the festival, Pär Sundström of SABATON talks about Japan, past, and future of the band!!
SET LIST
1. Ghost Division
2. To Hell And Back
3. Carolus Rex
4. Swedish Pagans
5. Resist and Bite
6. The Art of War
7. Night Witches
8. Primo Victoria
9. Metal Crue
【INTERVIEW WITH Pär Sundström】
Q1: Hi, Par! Thanks a lot for giving us this great opportunity!! Sabaton really knocked us out at Loud Park 2015!! Lots of Japanese Metal fans choose you as best act of Loud Park. Please let me know your impression about Japan, Japanese Metal fans, and Loud Park.
【 Pär 】: We are very impressed by all of Japan. Of course the fans who are very loyal but also we are impressed by Japan as a country. We had a fantastic time even if the jetlag made sure we slept early in the evenings and sadly missed all of Tokyos nightlife. Next time!
Q1: SABATON は LOUD PARK 2015のまさに台風の目でしたね!多くの日本のメタルファンが SABATON をベストアクトに選んでいました。まずは感想を聞かせてください。
Q2: The tank was on stage!! Tank!! We couldn’t believe that. haha. Joakim’s vest, What a nice !! All members wore same military pants. These army like stage effects reminds us WWⅠ, WWⅡ. What made you so? And what is past world war to you?
【 Pär 】: Actually we sing about history. And to fit into our own theme a bit more we take some theatrer effects onto the stage. It becomes more intense and exciting to have the stage a part of the show.
Of course Sabaton does not need to hide behind tanks and stagesets but its a nice addon to a show.
Q3: This is first interveiw with you, so could you tell us about the band? How did Sabaton start? And what’s the meaning of your band name Sabaton?
【 Pär 】: Well, its a long story. Lots of people in Japan I guess have recently discovered Sabaton and thinks its a new band. But we have been going on for 16 years and today the band is headlining some of the biggest festivals in Europe and has several gold and platinum awards for sales.
The band was formed in 1999 in Falun, Sweden. Since we signed to a small local label the first 10 years we had to do all ourselves. This has led to that we are now a well functioning band that does not even need a management on this level. We are self managed. Even though the original lineup was intact for 13 years we had finally a break in the band in 2012. Since some of us wanted to work even harder and some wanted to step down a bit.
Sabaton is a very hard touring band. I have been on the road for 300 days in 12 months.
Q4: So, your latest release “Heroes” is definitely your masterpiece. Especially, I was really impressed by “Inmate 4859” That is the song about Witold Pilecki, hero of Poland. Also from the title of the album, I felt you focused on kind of “Heroism” at the “Heroes”. How about that?
【 Pär 】: We focused the album on people who went beyond the call of duty and did something that put them into great harms way to make it short and simple. It was a perfect theme for Sabaton we thought.
The song Inmate 4859 was actually the first story we started with, it became the leading star when writing the album.
Q5: “Ballad of the Bull” is really beautiful and emotional song. I really love the song because it shows your melodic aspect deeply. But lot’s of fans surprised at your ballad. What made you record this kind of song?
【 Pär 】: Sabatons music is very wide spread. There are trashmetal songs, ballads and all kinds of technical stuff. So for us we are not bound to any limitations when writing a song. This song we had no idea on how to proceed when we first wrote it so we took help of some old friends who had the whole idea of the arrangement.
Q5: 対して “BALLAD OF THE BULL” は非常に美しくエモーショナルなバラードですね。あなた達のメロディックな側面を深く表したような楽曲です。ただ、ファンはこういった楽曲に驚いたでしょうね?
Q6: At 2012, four original members left the band. And “Heroes” is the first album with new lineup. What’s the difference between these two lineups?
【 Pär 】: Indeed. After 13 years with original lineup 4 bandmembers decided to quit. I simply said we have to tour more and work harder. And some were not willing to do that due to different reasons which I totally understand and support. No hard feelings but me and Joakim went on with Sabaton and they formed Civil War which is their band today.
Q7: Anyway, “Primo Victoria” was played at Loudpark, off course. Melody and lyric of the song is loved much by your fans and it’s like Anthem of Sabaton. Looking back now, what’s “Primo Victoria” to you?
【 Pär 】: Primo Victoria means the first victory and I guess it sums up what it means. The song gave us our first real record deal and thats where it all began!
We are looking forward to Come back to Japan!! Sorry it took 16 years for us to come. We promise we come back quicker next time!
Actually the show at Loud Park was over our expectations and I am already looking into ways to coming back soon!!
日本に戻るのが待ち切れないんだ!!初来日に16年もかかってしまってゴメンね。次はもっと早く戻ると約束するよ!実際、LOUD PARK のショーは全くもって期待以上だったし、すでに僕は早く日本へ戻れるように交渉を初め始めているんだよ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAN TOMPKINS OF TesseracT!!
The most important band in the modern prog scene now, TesseracT has just released definitely masterpiece “Polaris” from Kscope!! It must be the “Guiding Light” of lot’s of prog rock fans and bands!!
Q1: Hi, Dan! TesseracT’s newest album “Polaris” is just out now!! How are you feeling now?
【Dan】: We’re all feeling very excited, like waiting in queue for a rollercoaster! We can’t wait to see how the album is received by our fans but at the same time we also feel quite relieved to be at the end of the writing process so we can take the album on tour!
Q2: You quit TesseracT once at 2011, and returned to the band at last year. Could you tell us about the story behind that?
【Dan】: Unfortunately a few years ago the intensity of the touring schedule became unrealistic to maintain but over the course of the 3 or so years apart we’ve all made it possible to commit to the demands of a 24/7 TesseracT.
Q4: “Polaris” is amazing!! Groovy, beautiful, and atomospheric. We can realize what TesseracT is from them. So, this time, what’s the new challenge for you and TesseracT?
【Dan】: The only challenge we face now is being apart from our loved ones whilst on tour. Every other aspect of TesseracT life is perfect. We have a great team behind us and a fan base to follow!
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Q5: “Polaris” is first studio release from Kscope. I think Kscope is the label of Prog and Atomspheric music. Off course, Kscope is the most important label in the modern prog scene. Do you think TesseracT parts ways with Djent and Metal?
【Dan】: We’ve never considered ourselves as Djent, Metal of course however we see ourselves more of a progressive rock band in all honesty. We are definitely happy to be paired with Kscope but also eOne music in the US and now Ward Records in Japan!
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【Dan】: 僕たちは勿論、自らを Djent とか Metal だと思ったことはないよ。ただ、全て正直に言うけど、僕たちはプログロックバンド以上の存在だと考えているんだよ。Kscope、そしてアメリカのeOne music、日本の Ward Records と契約出来て本当に満足しているんだ。
Q6: Anyway, you and Anup parted ways with Skyharbor. What happend to the band? Guiding Lights” was lanked high in our Reader’s Poll at last year, and your voice was really beautiful. So, we are so sorry to hear that
【Dan】: My brothers in Skyharbor will always be brothers. I felt I was holding the band back from really achieving their full potential. They wanted to tour far afield but my other commitments just got in the way for them. We’re very proud of what we achieved together. Music is eternal.
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Q7: You parted ways with Skyharbor, but you look still busy. Last year, you released with Skyharbor, Piano, and White Moth Black Butterfly, and joind with lots of bands as a guest singer. Personally, Piano’s “Salvage Architecture” was special record for me. What’s your favorite?
【Dan】: It’s true I’ve been busy, I have an insane love for music and singing. I couldn’t name a favourite but Guiding lights and Polaris are two of my greatest creations vocally.
Q7: なるほど。そうして Skyharbor を離脱した訳ですが、それでもあなたはとても忙しそうに見えます。昨年だけでも、Skyharbor, Piano, White Moth Black Butterfly でアルバムをリリースしましたし、ゲスト参加も多数です。そういった作品の中で特に気に入っているものはどれですか?
Q8: You’ve just launched new band Zeta with Paul Ortiz of Chimp Spanner, and Katie Jackson. It seems have lots of Electronic music aspects. Can’t wait for new material. When it will be? Could you tell us about Zeta?
【Dan】: ZETA is a great project that I hope to see remain creative for years to come. Myself Paul and Katie are good friends and have a great casual process for recording and writing. We love that 80’s iconic sound but we’re also fans of synthwave so it’s a no brainer for us to express ourselves and have some fun! We released our first single 24th September called Silent Waves
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Q8: お忙しいという話をしましたが、新しいバンドを立ち上げましたね。Chimp Spanner の Paul Ortiz、Katie Jackson と共にエレクトロニカの要素を多分に持つ Zeta というバンドを結成しています。
I have toured Japan previously twice with my old band ‘Piano’ It was the most memorable trip of my life. We and I cannot wait to tour Japan and meet all our amazing fans!
僕は以前、昔のバンド Piano で日本ツアーを2回行っているんだ。人生の中でも記憶に残る旅だったな。TesseracT と僕は日本をツアーして素晴らしいファンのみんなに会うのが待ちきれないんだよ!