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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BYONOISEGENERATOR : SUBNORMAL DIVES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BYONOISEGENERATOR !!

Nothing is true, everything is permitted.” When we started playing this kind of avant-garde stuff, we made a conscious decision not to limit ourselves with genre boundaries. We began with pure experimentation, and we’re still sticking to that approach.

DISC REVIEW “SUBNORMAL DIVES”

「”正しい音楽などは決してない。すべてが許される”。こういうアヴァンギャルドな音楽を演奏し始めた時、僕たちはジャンルの枠にとらわれないことを意識的に決めたんだ。純粋な実験から始め、今もその姿勢を貫いているよ。初期の作品はデス/グラインドコア寄りだったけど、最新作は新メンバーの Dima と Semyon がもたらしたマス・コアの影響がより強くなっているね。
とはいえ、バンドの方向性は常に、最強に極めて激しい音楽を作ることにある。なぜなら、身体を動かすことは、強くて若々しくいる秘訣だからね」
混沌とした時代には混沌とした音楽がよく映える。実際、ロシアの ByoNoiseGenerator のカオスほど、2020年代のサウンド・トラックといえる音楽は他にないでしょう。
狂気じみたテクニカル・デスメタル、轟音のグラインド・コア、難解な数式のマス・コア、カウボーイ・ビバップのサウンドトラックに煙立ち込めるジャズクラブを、無機質な工業用装置で加工処理したかのような BNG の混沌にルールはありません。そう、ルール無用ですべてが許されるこの時代に、彼らの音楽はあまりにもフィットしているように思えます。
「すべてはデスメタルとその派生ジャンルから始まったんだよね。その後、グラインド・コアやマス・コアの要素をより多く取り入れるようになったんだ。僕たちはそうしたジャンルを音楽的に心から愛しているけど、凶悪な音楽に典型的に見られる歌詞のテーマからは意図的に距離を置いていてね。僕たちの音楽が、デスメタルの誇張された残虐性や、グラインド・コアによく見られる社会政治的なメッセージと結びつくことは望んでいないんだ」
とはいえ、彼らの混沌は決して戦争や抑圧といった暴力の渦に巻かれているわけではありません。むしろ、そうした狂気から距離を置き、音楽的な挑戦や寛容さが極まってたどり着いた場所こそが圧倒的なカオスだっただけ。彼らが生み出す怪物や肉塊、そして官能さえ、実は音楽のみに集約しているのです。
「John Zorn を知ったのは比較的遅い時期だったんだよね。ネット上で僕たちの音楽と彼の音楽を比較する人が出始めたのがきっかけだったんだ。当初は、Chris Potter, Ben Wendel, Michael Brecker といったサックス奏者から影響を受けていたんだよ」
近年、サックスの響きをメタルに持ち込むバンドが増えていますが、BNG に RIVERS OF NIHIL や SLEEP TOKEN のような洗練された音色を期待するのは大間違いです。ByoNoiseGeneratorは、その名の通り、純粋な聴覚的狂気を詰め込んだ混沌を投下するのみ。グルーヴ感のあるスラム・ブレイクダウン、PRIMUS 風のギター・ファンク、頭蓋骨を粉砕するグラインドコアが、フリーフォーム・ジャズの暴力的な流れと混濁し、目まぐるしくその姿を変化させていきます。
3分にも満たないトラックに山ほどの音楽ジャンル詰め込み、インテンスを高めるその姿勢はまさに NAKED CITY の遺伝子そのもの。”ジャズ・グラインド”。複雑極まりないと同時に爆発的なエネルギーを秘めた BNG の楽曲は、狂気じみた拍子と魅惑的な官能のスウィングを見事に結びつけました。この陶酔的でしかしサブリミナルなノイズの荒波で踊ることこそ、2020年代に課せられた私たちの使命なのかもしれませんね。
今回弊誌では、ByoNoiseGenerator にインタビューを行うことができました。「でも真面目な話、この名前もコンセプト全体も、僕らのドラマーがロシアのサウナで亜酸化窒素を吸っていた時に、ちょっと狂った頭で思いついたものなんだよね。だから、その狂ったコンセプトが自然と僕たちの芸術的アイデンティティの一部になったというわけだよ」どうぞ!!

BYONOISEGENERATOR “SUBNORMAL DIVES” : 10/10

INTERVIEW WITH BYONOISEGENERATOR

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【BNG】: We all started from very different places. For about half of the band, childhood happened at a time when the internet wasn’t that widespread yet, so we listened to whatever we could get our hands on.
Anything from heavy/thrash/death metal to punk rock. For example, our guitarist got into heavy music and picked up the guitar after hearing a Static-X track while playing Need for Speed.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【BNG】: メンバーそれぞれ、音楽のルーツは大きく異なるよ。バンド・メンバーの約半数は、インターネットがまだそれほど普及していなかった時代に幼少期を過ごしたので、その時手に入るものは何でも聴いていたよ。
ヘヴィ・メタル、スラッシュ・メタル、デスメタルからパンク・ロックまで、あらゆるジャンルを聴いていたね。例えば、ギタリストは “Need for Speed” をプレイ中に Static-X の曲を聴いてヘヴィ・ミュージックにハマり、ギターを手に取ったんだ。

Q2: Are you connected to the Russian metal scene? Or have you been targeting bands outside the country?

【BNG】: Even though we don’t play shows that often, we stay connected to the Russian metal scene ― we keep in touch with a lot of musicians and bands.
We also try to stay connected with bands outside the country. We’ve got a lot of great memories and friendships from our European tour.

Q2: 地元ロシアのメタル・シーンとの繋がりはあるんですか?それとも、国外により目を向けているんですか?

【BNG】: ライブ活動はそれほど頻繁には行っていないんだけど、ロシアのメタル・シーンとは繋がりを保っているよ。多くのミュージシャンやバンドと連絡を取り合っているんだ。
同時に、国外のバンドとも繋がりを保つようにしているよ。ヨーロッパ・ツアーでは、たくさんの素晴らしい思い出と友情が生まれたんだ。

Q3: ByoNoiseGenerator is exactly the right name for your music, why did you decide on this name?

【BNG】: As you pointed out ― it fits our music, so that’s why we picked it.
But seriously, both the name and the whole concept came from our drummer’s slightly deranged mind while he was inhaling nitrous oxide in a Russian sauna. So yeah, it kind of naturally became part of our artistic identity.

Q3: ByoNoiseGenerator というバンド名は、まさにあなたの音楽にぴったりですね。なぜこの名前を選んだのですか?

【BNG】: 君が言う通り、僕たちの音楽に合っているからこそ、この名前を選んだんだ。
でも真面目な話、この名前もコンセプト全体も、僕らのドラマーがロシアのサウナで亜酸化窒素を吸っていた時に、ちょっと狂った頭で思いついたものなんだよね。だから、その狂ったコンセプトが自然と僕たちの芸術的アイデンティティの一部になったというわけだよ。

Q4: Still, I’ve never heard music as chaotic as yours!Technical grindcore, free jazz, Primus-like grooves with Mr. Bungle-like progressive developments. Why did you decide to make such chaotic, avant-garde music?

【BNG】: “Nothing is true, everything is permitted.”
When we started playing this kind of avant-garde stuff, we made a conscious decision not to limit ourselves with genre boundaries. We began with pure experimentation, and we’re still sticking to that approach.
Our earlier releases leaned more towards death/grind, while the latest one has a stronger mathcore influence, brought in by our newer members Dima and Semyon.
Overall though, the band’s direction has always been about creating максимально intense music ― because physical exercise keeps you strong and young.

Q4: それにしても、あなたたちほどカオスな音楽は聴いたことがありません!
テクニカル・グラインドコア、フリージャズ、PRIMUS のようなグルーヴに Mr. Bungle のようなプログレッシブな展開。なぜこんなにカオスでアヴァンギャルドな音楽を作ろうと思ったのですか?

【BNG】: 「正しい音楽などは決してない。すべてが許される」
こういうアヴァンギャルドな音楽を演奏し始めた時、僕たちはジャンルの枠にとらわれないことを意識的に決めたんだ。純粋な実験から始め、今もその姿勢を貫いているよ。
初期の作品はデス/グラインドコア寄りだったけど、最新作は新メンバーの Dima と Semyon がもたらしたマス・コアの影響がより強くなっているね。
とはいえ、バンドの方向性は常に、最強に極めて激しい音楽を作ることにある。なぜなら、身体を動かすことは、強くて若々しくいる秘訣だからね。

Q5: Many people must feel John Zorn’s genes when they listen to your music.In fact, does his music and use of the saxophone influence you?

【BNG】: We actually discovered Zorn relatively late. It happened after people online started comparing our music to his.
Initially, we were more influenced by sax players like Chris Potter, Ben Wendel, and Michael Brecker.
That said, John Zorn had a huge impact on our sax player Shela in his early years. He learned improvisation and phrasing largely through studying Zorn and Naked City.
So yeah ― the answer isn’t entirely straightforward, as you can see.

Q5: あなたたちの音楽を聴くと、John Zorn の影響を感じる人も多いのではないでしょうか。実際、彼の音楽やサックスの使い方は、あなたたちに影響を与えていますか?

【BNG】: 実は、John Zorn を知ったのは比較的遅い時期だったんだよね。ネット上で僕たちの音楽と彼の音楽を比較する人が出始めたのがきっかけだったんだ。
当初は、Chris Potter, Ben Wendel, Michael Brecker といったサックス奏者から影響を受けていたんだよ。
とはいえ、John Zorn は、サックス奏者の Shela が若い頃に大きな影響を受けている。Shela は Zorn と NAKED CITY を研究することで、即興演奏やフレージングを多く学んだんだ。
だから、メンバーによって異なるんだよね。

Q6: Interestingly, your music reminded me of the soundtrack to the Japanese anime Cowboy Bebap.It’s strange that grindcore reminds me of such music (lol), but do you actually have any Japanese anime, video games, or music influences?

【BNG】: Japanese culture hasn’t directly influenced our music, but it’s worth mentioning that we all grew up watching iconic anime and films like Evangelion, Berserk, Tetsuo: The Iron Man.
All of that stuff feels incredibly weird and mesmerizing ― at least from a European perspective. Maybe our music creates a similar feeling for listeners.

Q6: 面白いことに、あなたの音楽は日本のアニメ “カウボーイ・ビバップ” のサウンドトラックを想起させますよ。グラインドコアがそんな音楽を連想させるなんて不思議ですが(笑)。
そうした、日本のアニメやゲーム、音楽から影響を受けたことはありますか?

【BNG】: 日本の文化が直接僕たちの音楽に影響を与えたわけではないけど、僕たちは皆、”エヴァンゲリオン”, “ベルセルク”, “鉄男” といった名作アニメや映画を見て育ったことは特筆すべきだろうね。そうした作品は、少なくともヨーロッパの視点から見ると、信じられないほど奇妙でだけど魅惑的なんだ。
もしかしたら、僕たちの音楽もリスナーに同じような感覚を与えているのかもしれないね。

Q7: Originally, grindcore and death metal were two separate things, but in recent years the two have come closer together, with a proliferation of bands that are now being referred to as death grind. You also combine the impulse and sociality of hardcore with the complexity and technique of death metal, which do you consider more your roots?

【BNG】: Like we said earlier, it all started with death metal and its variations. Later, we began incorporating more grind and mathcore elements.
We genuinely love all these genres musically, but we deliberately distance ourselves from the typical lyrical themes associated with them.
We don’t want our music to be tied to the exaggerated brutality of death metal or the socio-political messaging often found in grindcore.

Q7: 元々、グラインド・コアとデスメタルは別々のジャンルでしたが、近年は両者が接近して “デス・グラインド” と呼ばれるバンドが増えています。
BNG もまた、ハードコアの衝動と社会性に、デスメタルの複雑さとテクニックを融合させていますが、どちらがよりあなたのルーツだと考えていますか?

【BNG】: 先ほども述べたように、すべてはデスメタルとその派生ジャンルから始まったんだよね。その後、グラインド・コアやマス・コアの要素をより多く取り入れるようになったんだ。
僕たちはそうしたジャンルを音楽的に心から愛しているけど、凶悪な音楽に典型的に見られる歌詞のテーマからは意図的に距離を置いていてね。
僕たちの音楽が、デスメタルの誇張された残虐性や、グラインド・コアによく見られる社会政治的なメッセージと結びつくことは望んでいないんだ。

Q8: Since 2020, pandemic happened, divisions are growing, and your country is at war. What can heavy music do in such a dark world?

【BNG】: We believe heavy music should keep doing what it has always done ― bringing people together, giving them a way to release emotions and energy, and helping them get through all this darkness.

Q8: 2020年以降、パンデミックが発生し、分断が深まり、遂にはあなたの国は戦争状態にあります。このような暗い世界で、ヘヴィ・ミュージックは何ができるでしょうか?

【BNG】: 僕たちは、ヘヴィ・ミュージックはこれまで通り、人々を結びつけ、感情やエネルギーを発散させる手段を提供し、この暗闇を乗り越える手助けをし続けるべきだと信じているよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED BNG’S LIFE!!

The Tony Danza Tapdance Extravaganza “Danza III”

the album that got me into mathcore (Halo)

Metallica “Master of Puppets”

the album that got me into heavy music (Tim)

Pink Floyd “The Wall”

because I like worms (Shela)

Yüth Forever “Freudian Slip”

such an underrated album that takes the best from nu metal, math metal, and metalcore and delivers it in a full-force blast of aggression, anxiety, and depression — just hits you straight in the face (M1t)

Foetopsy “In the Bathroom”

Almighty Jon Engman completely changed my drumming (Nox)

MESSAGE FOR JAPAN

We’re really happy that people in Japan are interested in what we do. Hopefully, one day we’ll get to visit your country, play a couple of shows, and fulfill our vocalist’s childhood dream!

日本のみんなが僕たちの音楽に興味を持ってくれたことを、本当に嬉しく思うよ。いつか日本に行けることを願っている。君たちの国でライブを行い、ボーカリストの幼い頃からの夢を叶えたいね!

BYONOISEGENERATOR

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JOEL HOEKSTRA’S 13 : FROM THE FADE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOEL HOEKSTRA !!

“It does’t really matter WHAT you’re working hard at. There are so many ways to become talented with guitar. The one thing all great guitar players have in common is that they have spent a lot of time with the instrument.”

DISC REVIEW “FROM THE FADE”

「僕は音楽に関しては非常に柔軟な考え方を持っていて、何事にも一生懸命取り組んでいるんだ。プロ意識を持ち、親しみやすく、感じの良い人間であろうと心がけていて、だから周りの人たちも僕が彼らのために最善を尽くそうと真剣に考えていることを感じ取ってくれているからだと思うんだ」
Joel Hoekstra は今、メタルやハード・ロックの世界で最も引っ張りだこなギタリストのひとりでしょう。NIGHT RANGER で颯爽とギター・シーンに登場した Joel は、その技巧と創造性、そして旋律の妙で瞬く間に注目を集め、David Coverdale から WHITESNAKE のギタリストに任命されます。あまりにも華麗なロックのシンデレラ・ストーリー。しかし、Joel を必要としているのはこの二大バンドだけではありません。
TSO, FOREIGNER, ICONIC, REVOLUTION SAINTS, Jeff Scott Soto, Amy Lee, Michael Sweet, Sebastian Bach, Nico Mcbrain, そして意外にも ACCEPT。少し挙げただけでも、共演者には錚々たる顔ぶれが並んでいます。興味深いのは、多種多様なアーティストが Joel との共演を望んでいること。つまり、Joel の才能はどんな音楽にも対応できるほどに柔軟ですが、しかしそれだけが求められる理由ではありません。いや、それ以上に彼は、人間的に柔軟で優しく、勤勉であることこそが求められる理由だと信じています。
「僕はいつも、誰よりも努力するようにとアドバイスしているんだ。なぜなら、努力は必ず報われると信じているから。実は、ギターを極めるために何に努力するかはそれほど重要ではないんだよ。ギターの才能を開花させる方法はたくさんあるからね。偉大なギタリストに共通しているのは、楽器に多くの時間を費やしてきたという事実だけなんだ」
そう、Joel Hoekstra はギターに対して、音楽に対して、そして音楽にかかわるすべての人に対して誰よりも謙虚で、柔軟で、真剣です。練習よりも、努力よりも、戦略やイメージ、動画の編集能力が重要になる現代において、だからこそ Joel は声高にこう語ります。ギターに触り続けろと。
運指や音の正答が瞬時にでる、YouTube や Guitar Pro 全盛の時代。しかしもしかすると、その便利さがギタリストの多様性を奪っているのかもしれません。ギターを極めるための道は何通りもあるべきで、だからこそ道が定まらない不便な時代には個性的なギタリストが多く生まれたのかもしれません。ただひとつ、裏切らないのはギターに触れた時間だけ。
「まず第一に、僕はロック・ミュージシャンだ。でも、他のジャンルの要素を取り入れてロックに融合させるのが大好きなんだよね。音楽理論が大好きだから、音楽の構造を理解できて、他の人がやっていないようなことを考えるのにとても役立っているよ。普段は親しみやすく馴染みやすいスタイルで演奏しているけど、時折、人を驚かせるような要素を盛り込むのが好きなんだよね」
そんなギターのキャプテン翼、Joel Hoekstra だからこそ、彼が作り上げる “メロハー” の世界 “From the Fade” は独特で芳醇です。”Lifeline” のように誰もが親しみを抱くメロディを根幹に置きながら、Joel は楽曲の中にギターの美技、そして好奇心を誘うギミックやフックを存分に盛り込みます。Vinnie Appice, Derek Sherinian, Tony Franklin という歴戦の猛者たちの色彩も巧みに織り入れながら、シーンのニュー・ヒーロー Girish Pradhan の情熱的な歌唱がアルバムのステージをひとつ上へと高め、Joel の絶技がトドメを指すイメージでしょうか。ただのノスタルジーではなく、衰退とは真逆の未来を見据えたフォレスタルジー。そう、Joel が作り上げた、DIO から JOURNEY、WHITESNAKE から FOREIGNER まで駆け巡るメタルの歌心と妙技の旅路は、21世紀に入っても色褪せることは決してないのです。
今回弊誌では、Joel Hoekstra にインタビューを行うことができました。「僕自身は8フィンガー・テクニックを Jeff Watson から教わったわけではなくてね。僕の初期の指導者の一人である TJ Hermerich が、僕がまだ若かった頃、たぶん14歳くらいの時に教えてくれたものなんだ。彼は Brett Garsed とフュージョン・アルバムをいくつか出しているから、ぜひ聴いてみてほしい!TJ は8フィンガー奏法において非常に高度な技術を持っていたからね」 そうなんだよね…この人 TJ Hermerich の弟子でもあるんだよね… Brett Garsed 共々、タップでもハイブリッドでもある指は全部使う努力家ギタリストの系譜。どうぞ!!

JOEL HOEKSTRA’S 13 “FROM THE FADE” : 10/10

INTERVIEW WITH JOEL HOEKSTRA

Q1: Your family is a classical music family, and you studied cello and piano from an early age. Have those experiences helped you become the guitar virtuoso you are today? Do you feel that electric guitar students should also study classical music?

【JOEL】: They helped me to develop a sense of pitch and rhythm at a young age and jump start my ability to learn songs by ear. I don’t necessarily think that EVERYONE should do anything in particular. Everybody should find their own path. In the end, there are many ways to be “good” at guitar.

Q1: あなたの家族はクラシック音楽一家で、あなた自身も幼い頃からチェロとピアノを習っていたそうですね。
そうした経験は、あなたが今日のようなギターの名手になる上で役立ちましたか?また、エレキギターを学ぶ生徒もクラシック音楽を学ぶべきだとお考えですか?

【JOEL】: クラシックのおかげで、幼い頃から音感とリズム感を養い、耳で曲を覚える能力を磨くことができたのはたしかだよ。でもね、ギターの上達のために、誰もが通らなければならない道なんてないと思っている。というより、誰もが自分自身の道を見つけるべきなんだ。結局のところ、ギターが “上手くなる” 方法はたくさんあるんだからね。

Q2: I have the impression that you came on the scene out of nowhere, and in fact, Kelly Keagy saw your 8-fingers technique and invited you to join Night Ranger, right? That technique is very interesting, but very few people use it anymore, but did the technique developed by Jeff Watson change your life in some way?

【JOEL】: That really isn’t the way my career developed. There were many steps that led up to joining Night Ranger. I had released my own albums, played in theatrical productions like Love, Janis and toured with older acts like The Turtles and Big Brother & The Holding Company. I also played with Kelly in Scrap Metal and Jim Peterik’s World Stage. So, joining Night Ranger was probably the first time people in Japan heard of me, but I had been a professional guitarist for 17 years before even joining. Also, I didn’t really learn the 8-finger technique from Jeff Watson. One of my early instructors, TJ Helmerich was teaching it to me at a young age. Maybe 14? He has some fusion albums out with Brett Garsed that people really should check out. TJ was incredibly advanced at the technique. I think the ability to play the part in Rock in America helped me in eventually joining Night Ranger full-time, but initially it had more to do with my ability to learn a lot of songs and perform them without rehearsal for Jim Peterik’s World Stage Band. As I said, Kelly was a part of those and Night Ranger just needed someone to “fill in” for Reb Beach for one show. In fact, they didn’t even realize that I was going to be able to play that solo until we were at the show.

Q2: 日本では、あなたはまるで彗星のごとく現れたような印象があります。実際、Kelly Keagy があなたの8フィンガー・テクニックを見て感銘を受け、NIGHT RANGER に誘ったんですよね?そのテクニックは非常に興味深いものですが、残念ながら今ではほとんど使われていません。ただある意味、Jeff Watson が開発したあのテクニックが、あなたの人生を切り開いたといえるのでしょうか?

【JOEL】: 僕のキャリアはそんな突然に発展したわけではないんだよ。NIGHT RANGER に加入するまでには、多くの段階があったからね。自分のアルバムをリリースしたり、”Love, Janis” のような舞台作品に出演したり、THE TURTLES や Big Brother & The Holding Company といったベテラン・バンドとツアーをしたりしていたからね。また、Scrap Metal や Jim Petrick & World Stage で Kelly と共演していたんだよね。だこら、おそらく NIGHT RANGER に加入したことが、日本で僕の名前が知られるようになった最初のきっかけだったのだろうけど、加入する前から17年間プロのギタリストとして活動していたんだよね。
それに、僕自身は8フィンガー・テクニックを Jeff Watson から教わったわけではなくてね。僕の初期の指導者の一人である TJ・Hermerich が、僕がまだ若かった頃、たぶん14歳くらいの時に教えてくれたものなんだ。彼は Brett Garsed とフュージョン・アルバムをいくつか出しているから、ぜひ聴いてみてほしい!TJ は8フィンガー奏法において非常に高度な技術を持っていたからね。
“Rock in America” で Jeff を演じた経験が、最終的に NIGHT RANGER に正式加入する上で役立ったと思うよ。でも当時は、Jim Petrick & World Stage で多くの曲を覚え、リハーサルなしで演奏できたことが選ばれた大きな理由だったと思う。さっきも言ったように、Kelly はそのバンドの一員で、その時 NIGHT RANGER は Reb Beach の代役を1公演だけ必要としていただけだからね。実際、彼らは僕がソロを演奏できるとは、公演当日まで気づいていなかったんだよ。

Q3: Then you joined WHITESNAKE. It was a great Cinderella story! You teamed up with legendary players such as Brad Gillis in Night Ranger and Reb Beach in Whitesnake, what did they teach you?

【JOEL】: I learned a lot from Brad in terms of attitude. Brad was a great mentor for me. We were like big brother, little brother. Reb was great to play rhythm guitar with. Everyone knows he’s a great lead player, but his rhythms are very tight and accurate. I tried to stay away from what they did as guitarists, because good guitar teams should have recognizable identities.

Q3: それからあなたは WHITESNAKE に加入しました。まさにシンデレラ・ストーリーですね!NIGHT RANGER の Brad Gillis や WHITESNAKE の Reb Beach といった伝説的なミュージシャンたちと共演しましたが、彼らからはどんなことを学びましたか?

【JOEL】: Brad からは、アティテュードの面で多くのことを学んだよね。Brad は僕にとって素晴らしいメンター、師匠だった。まるで兄と弟のような関係だったんだよ。
Reb はリズム・ギターを一緒に演奏するのに最高の相手だったね。誰もが彼が素晴らしいリード・ギタリストであることを知っているけど、彼のリズムも非常にタイトで正確なんだよ。でも僕は、ギタリストとして彼らの演奏スタイルに倣わないように努めていたんだ。なぜなら、優れたギター・チームにはそれぞれ明確な個性があるべきだからね 。

Q4: You have been needed by a variety of great artists from TSO, Foreigner, Michael Sweet, and surprisingly, Accept (!), and now you are even working with Nicko Mcbrain! What do you think it is about you that makes such a wide range of people like you so much?

【JOEL】: Musically I am very open minded and work hard on whatever it is I’m doing. I try to be professional, friendly, nice and I think that people sense that I really care about doing my best for them.

Q4: TSO, FOREIGNER, Michael Sweet, そして意外にも ACCEPT(!)といった数々の素晴らしいアーティストから求められてきたあなたは、今では Nicko Mcbrain とも仕事をしていますね!これほど幅広い層の人々に愛され、必要とされる理由は何だと思いますか?

【JOEL】: 僕は音楽に関しては非常に柔軟な考え方を持っていて、何事にも一生懸命取り組んでいるんだ。プロ意識を持ち、親しみやすく、感じの良い人間であろうと心がけていて、だから周りの人たちも僕が彼らのために最善を尽くそうと真剣に考えていることを感じ取ってくれているからだと思うんだ。

Q5: Still, “From the Fade” is a great album! There are very few hard rock albums that mesh so well with melody and technique! You used to release jazz and acoustic- infused instrumentals (That’s great too), why do you stick to melodic hard rock now?

【JOEL】: Well, I became more well-known in the melodic hard rock scene and the fans who listened to my fusion albums wanted something more rock from me. It was something that I had always intended to do anyway. So the timing was right to start Joel Hoekstra’s 13. Someday I may release some instrumental albums again, but I’m having a good time writing and recording the style that I’m best known for, so it makes sense for now.

Q5: それにしても、”From the Fade” は素晴らしいアルバムですね!これほどメロディーとテクニックがこれほど見事に融合したハード・ロック作品は滅多にありませんよ!
以前はジャズやアコースティックを取り入れたインストゥルメンタルもリリースしていましたが(それも素晴らしい)、なぜ今はメロディックなハード・ロックに集中しているのですか?

【JOEL】: メロディック・ハードロックのシーンで知名度が上がったことで、フュージョン・アルバムを聴いてくれたファンまでも、もっとロック色の強い音楽を求めていたんだ。
そもそも、僕自身もいつかはロックをやりたいと思っていたので、Joel Hoekstra’s 13 を始めるにはちょうど良いタイミングだったね。いつかまたインストゥルメンタル・アルバムをリリースするかもしれないけど、今は自分が最も得意とするスタイルの曲作りやレコーディングを楽しんでいるし、今はこれでいいと思っているよ。

Q6: What is great about you is that even in such a hard rock context, you are unafraid to use out-note and progressive apporoach. That is why you are called a virtuoso. What do you keep in mind when using such jazz and classical sounds in a hard rock context?

【JOEL】: First and foremost, I’m a rock player. But, I LOVE to take elements from other styles and pull them into rock. I love music theory and when you understand the construction of music, it helps to think of things that others aren’t doing. I guess I play with a relatable, familiar style MOST of the time and like to throw things in that surprise people.

Q6: あなたの素晴らしいところは、ハード・ロックというジャンルの中でも、アウト・ノートやプログレッシブなアプローチを恐れずに取り入れている点です。だからこそ、あなたはヴァーチュオーゾと呼ばれるのでしょう。

【JOEL】: まず第一に、僕はロック・ミュージシャンだ。でも、他のジャンルの要素を取り入れてロックに融合させるのが大好きなんだよね。音楽理論が大好きだから、音楽の構造を理解できて、他の人がやっていないようなことを考えるのにとても役立っているよ。
普段は親しみやすく馴染みやすいスタイルで演奏しているけど、時折、人を驚かせるような要素を盛り込むのが好きなんだよね。

Q7: Of course, Vinnie, Tony, and Derek are great as always, but it is Girish Pradhan’s voice that stands out as much as yours on this album. I first became convinced of his talent when I heard Girish’s “Rock the Highway,” and now he is one of the most sought-after singers in the world. I think he is from the same group of singers you have worked with, in the vein of David Coverdale, Russell Allen, and Jeff Scott Soto, but What makes him outstanding?

【JOEL】: Girish has a great range, a great rock feel and also is capable of adapting very well. He’s also very open minded and has a good attitude. He was very good with me on Crash of Life, in particular, because those melodies were written not knowing who was going to sing on the album. I KNEW he was going to sing on From the Fade, so I took advantage of his range and screaming abilities a bit more.

Q7: もちろん、Vinnie, Tony, Derek は相変わらず素晴らしいですが、このアルバムでは Girish Pradhan の歌声があなたのギターと同じくらい際立っています。
私が彼の才能を確信したのは、Girish の “Rock the Highway” を聴いた時で、今では彼はメタル世界で最も人気のある歌手の一人となりました。
彼は、あなたがこれまで一緒に仕事をしてきた David Coverdale, Russell Allen, Jeff Scott Soto といった歌手と同じ系統だと思いますが、その中でも彼を際立たせているのは何でしょうか?

【JOEL】: Girish は音域が広く、ロック・センスも抜群で、順応性も非常に高い。それに、とてもオープン・マインドで、人柄も良いんだよね。
特に “Crash of Life” では、誰がアルバムで歌うのか分からないままメロディーを作ったので、彼には本当に助けられたんだよ。一方で、”From the Fade” では彼が歌うことが分かっていたので、彼の音域の広さとスクリーム能力をより活かすことができたと思うよ。

Q8: what advice would you give to young guitarists?

【JOEL】: I always tell people to try to outwork everyone else, I think that in the end, you are rewarded for hard work. It does’t really matter WHAT you’re working hard at. There are so many ways to become talented with guitar. The one thing all great guitar players have in common is that they have spent a lot of time with the instrument.

Q8: 最後に、若いギタリストに贈るアドバイスをお願いします!

【JOEL】: 僕はいつも、誰よりも努力するようにとアドバイスしているんだ。なぜなら、努力は必ず報われると信じているから。実は、ギターを極めるために何に努力するかはそれほど重要ではないんだよ。ギターの才能を開花させる方法はたくさんあるからね。偉大なギタリストに共通しているのは、楽器に多くの時間を費やしてきたという事実だけなんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JOEL’S LIFE!!

AC/DC “Back in Black”

Yngwie Malmsteen “Rising Force”

Joe Satriani “Not of This Earth”

Garsed/Helmerich “Quid Pro Quo”

Steve Vai “Passion and Warfare”

MESSAGE FOR JAPAN

My daughter (who is 10) is obsessed with Japanese culture. She loves anime! I adore the Japanese music scene and miss it very much right now. I really, really want to get back to Japan. The fans are so knowledgeable, dedicated and respectful. I hope to be back there very soon! I miss all of you so much!

僕の娘(10歳)は日本の文化に夢中なんだ。アニメが大好きなんだよ!僕自身は日本の音楽シーンが大好きで、今とても恋しいよ。本当に、本当に日本に早く戻りたいね。ファンの人たちは知識が豊富で、熱心で、礼儀正しいからね。できるだけ早く日本に戻れることを願っているよ!みんなにとても会いたいよ!

JOEL HOEKSTRA

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DARREN HOUSHOLDER : A VISION FOR YOU】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DARREN HOUSHOLDER !!

“My life goal since I was fifteen was to become an internationally known rock musician. My current goal is to make Psycho Pharma an internationally known brand of supplements.”

DISC REVIEW “A VISION FOR YOU”

「僕がバークリーに在学していたのは、John Petrucci, John Myung, Mike Portnoy が全員バークリー音楽大学に在籍していた年だった。彼らは毎晩練習室にこもり、後に “Majesty” となる楽曲制作に励んでいたんだよね。彼らは信じられないほど勤勉で、努力家で、成功は確実だと学校の誰もが感じていたよ」DREAM THEATER の成功は、その才能と努力、勤勉さから多くの人が予感していました。しかし、例えば James LaBrie との出会いだったり、MTV でのヘヴィ・ローテーションだったり、グラミー獲得までにはほんの少しの “運” の要素も作用していたはずです。実は彼らと同学年に、そんな “運” がほんの少し、味方しなかったひとりのギタリストがいたのです。
「1995年までに、僕はインストゥルメンタル・ギター・アルバムを3枚と、Love/Hate との共作 “Let’s Rumble” をリリースしていた。ドラムに Ray Luzier 、ボーカルに Sean Daily を迎えた僕のバンド、FREAK POWER TICKET は、オリジナル曲を15曲録音し、当時は難しかった契約獲得を目指してロサンゼルス周辺で演奏活動を行っていたよ。そんな時、当時ガール・フレンドだった今の妻が、僕たちの第一子となるドリアン(僕たちの好きな短音階にちなんで名付けた)を出産間近となって、僕は音楽学校時代ずっとやっていたテレ・マーケティングの営業を再開することにしたんだ。やがてその仕事が得意になり、家族を養えるほどになって、2年以内に念願のマイホームを購入することができた。その6ヶ月後、僕はその会社を辞め、Brand New Energy というサプリメント販売会社を立ち上げたんだ。これが後に僕のフィットネス・ブランド、Psycho Pharma になったんだよ。あれから28年が経ったんだね」
Darren Housholder。”シュラプネル” の一員だった彼は、レーベルの中で特に目立った存在とは言えませんでした。しかし、当時彼が残した3枚のソロ・アルバムはどれも、ギターが本当に “弾ける” 人なら理解できる、そしてそんな人を唸らせる実に素晴らしい作品でした。クラシックやオーケストラ、ビッグバンドに MESHUGGAH のようなリズムの実験。バラエティ豊かな3枚のアルバムにはどれも、挑戦的で音楽的な楽曲が揃えられていましたが、それ以上に Darren はギターを自らの手足のように扱っていました。
ギターを “弾ける” 人なら、そうしたギターとの一体感は演奏からすぐに感じ取ることができます。だからこそ、例えば Marty Friedman が MEGADETH で、Paul Gilbert が MR. BIG で、Bumblefoot が GUNS N’ ROSES で世界へ羽ばたいたように、Darren にもほんの少しの運が傾くべきだったのです。
「15歳の頃からの僕の人生の目標は、国際的に有名なロック・ミュージシャンになることだ。同時に、現在の目標は、Psycho Pharma を国際的に認知されるサプリメント・ブランドにすることなんだ」
もし出会ったのが LOVE/HATE ではなかったら (とはいえ “Let’s Rumble” は名作ですが)、もし Jeff Pilson と Vinnie Appice とバンドを組めていたら、もし David Lee Roth に拾われていたら…そんなたくさんの “If” を経て、Darren はギター以外の世界に活路を見出すことに決めました。
ギター教師、テレワークの経験を活かして立ち上げたフィットネス/サプリメント・ブランド “Psycho Pharma” は世界的なブランドへと成長。もし音楽を諦めたとしても、他の何かで自己実現することができる。そして、人はいつでも音楽へと戻ることもできる。Darren は自らの生き方で、音楽を諦めた誰かの希望となってみせました。そう、彼はブランドを成功へと導きながらも、若かりし頃の夢であった音楽の世界へと再び戻ってきたのです。
「何十年ぶりに書いたインストゥルメンタル曲は、2019年の “Ava’s Dance” だったね。当時、Jizzy Pearl のアルバムを2枚レコーディングしたばかりで、1日に30分以上ギターを弾く練習を再開したばかりだった。長い間失っていた創作意欲が、ようやく戻ってきたんだよ!アルバム “A Vision for You” に収録されている曲は、それから6年の歳月をかけて書き上げていったんだ。どれも全く異なる個性を持っていて、似たような曲は一つもない。ただ一つ共通しているのは、僕のトレードマークであるアグレッシブで攻撃的なサウンドだね」
もしかすると、それは “中年の危機” だったのかもしれません。一時は練習さえしなくなっていたギターを、Darren は再び毎日手に取るようになりました。盟友 Jizzy Pearl のリクエストもあり、アルバムに参加。そうして感覚を取り戻したマエストロは、音楽で自己実現を果たすためインストの世界に舞い戻りました。
“A Vision for You”。ちょうど30年ぶりに届けられたアルバムには、まさしく Darren の多様なビジョンで満ちています。私たちはこういう、展開の読めない、惜しみなく技巧を披露した、ワクワクするような、シュレッド・アルバムをいつでも待ち侘びています。きっと Jeff Beck がシュラプネル時代のアーティストならこんな作品を作っていたのではないでしょうか? 旧友 Billy Sheehan と KORN の Ray Luzier のダイナミックな演奏も加わり、作品は完璧な復活祭となりました。”Ava’s Dance” の5/8とダウンテンポの6/8の使い分けといったらもう…”Generator Man” で正面されていましたが、やはりこの人はリズムの魔術師です。
今回弊誌では、Darren Housholder にインタビューを行うことができました。「ギターを弾くことで、内気な少年だった僕が自信に満ちた人間へと変われたんだ。人生観そのものが変わり、真の自信とカリスマ性を身につけることができた。音楽という言語を学び、自分だけのサウンドスケープを創造し、世界に発信してほしい。これこそが、僕が知る最高の贈り物だよ。ミュージシャンの個性とは、音色、フィーリング、そしてキャラクターだ。単に音符を弾くだけではなく、音符の弾き方、そして “これは私だ、他の誰にも真似できない” という個性的な表現力こそが、その人を際立たせるんだ。だから、自分だけの個性を見つけてほしい。自分だけのスタイルを見つけてほしい。それは、あらゆる影響が融合し、君だけの唯一無二の音楽へと昇華されるのだから」 どうぞ!!

DARREN HOUSHOLDER “A VISION FOR YOU” : 10/10

INTERVIEW WITH DARREN HOUSHOLDER

Q1: I first discovered you on the “Generator Man” album, and the title track really blew my mind! No other guitarist at the time could demonstrate such amazing technique over such complex rhythms. You were certainly one of the first to bring complex rhythms to shred―would you agree?

【DARREN】: Generator Man was actually my second album. At that time grunge and industrial music like Nine Inch Nails were dominating the scene. The public had turned against shred guitarists―it had become uncool to look clean and play great. I wanted to make a non-Shrapnel record that incorporated the sound of the times, like industrial music, but with shred guitar on top.
My first Shrapnel record, released in 1992, featured what I called “funky heavy metal big band.” I love clean, funky guitars, and I emulated a horn section by layering multiple guitars harmonizing together. While Shrapnel was known for Yngwie Malmsteen and neoclassical styles―which I loved―there were already departures from strict classical with players like Paul Gilbert, Greg Howe, Richie Kotzen, and Michael Lee Firkins. I went to Berklee College of Music, not GIT. Being at a jazz school and finding my own groove, I wrote songs like “Rubber Neck,” “Noodle Surprise,” and “Detrick Hates Jazz.” You can really hear the love of horn-section jazz in that track―it almost sounds like a big band.
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Q1: 初めてあなたを知ったのはアルバム “Generator Man” で、タイトル曲には本当に衝撃を受けました!当時、これほど複雑なリズムを、これほど素晴らしいテクニックで演奏できるギタリストは他にいませんでした。明らかにあなたは、複雑なリズムをシュレッドに取り入れた先駆者の一人ですよね?

【DARREN】: “Generator Man” は僕の2枚目のアルバムだった。当時、グランジや NINE INCH NAILS のようなインダストリアル・ミュージックがシーンを席巻していたんだよね。世間はシュレッド・ギタリストに背を向けていた。ルックスが良くて演奏が上手いことがダサいと思われるようになってしまったんだよね。だから僕はシュラプネルとは異なる、インダストリアル・ミュージックのような時代のサウンドを取り入れつつ、シュレッド・ギターを前面に出したアルバムを作りたかったんだ。
1992年にリリースしたシュラプネルのファースト・アルバムは、僕が “ファンキー・ヘヴィ・メタル・ビッグバンド” と呼んでいたサウンドを特徴としていたね。僕はクリーンでファンキーなギターが好きで、複数のギターを重ねてハーモニーを奏でることでホーン・セクションを模倣したんだ。シュラプネルは Yngwie Malmsteen やネオクラシカル・スタイルで知られていたけど(僕も大好きだった)、Paul Gilbert, Greg Howe, Richie Kotzen, Michael Lee Firkins といったギタリストたちによって、すでに厳密なクラシック音楽からの脱却が見られていたんだよね。
僕はGITではなく、バークリー音楽大学に通っていた。ジャズ・スクールに通い、自分なりのスタイルを見つけたことで、”Rubber Neck”, “Noodle Surprise”, “Detrick Hates Jazz” といった曲が生まれたんだ。特に “Detrick Hates Jazz” には、ホーン・セクションのあるジャズへの愛が色濃く表れていて、まるでビッグバンドのようなサウンドになったね。

Q2: I love all three of your solo albums―funky big band like Detrick Hates Jazz, complex rhythms like Generator Man, and classical yet unusually progressive songs like “Middle of the Night.” Clearly you were breaking shred conventions and moving the genre forward. Which of the three albums do you particularly like?

【DARREN】: The third record, Symphonic Aggression. I actually had the song “Middle of the Night” on my original demo tape for Mike Varney’s Guitar Player magazine Spotlight column back in October 1988. For that record, I basically submitted to the “Shrapnel sound”―the neoclassical genre―because that’s what it took to get accepted for distribution and to fund the album.
Symphonic Aggression ended up being much better received than Generator Man and gave the Shrapnel shred audience exactly what they wanted. I took Beethoven’s “Moonlight Sonata” and turned it into “Mayday,” a Paganini classical guitar piece into “When in Rome,” Chopin into “Espresso,” and Mozart’s 40th Symphony into “Dinner with Wolfgang.” There was a lot of creativity and satisfaction in adapting those classical pieces into big rock guitar instrumentals. The tracks really came alive with Ray Luzier on drums and my former Jennifer Batten bandmate, Ricky Wolking, on bass.

Q2: あなたのソロアルバムはどれも大好きです。まさにファンキーなビッグバンド調の “Detrick Hates Jazz” 、複雑なリズムの “Generator Man” 、そしてクラシックでありながらも斬新なプログレッシブ・ソング “Middle of the Night” など、どれも個性的で素晴らしいですね。
あなたは明らかにシュレッド・ギターの常識を覆し、このジャンルを前進させていました。過去の3枚の中で、あなたが特に気に入っているアルバムはどれですか?

【DARREN】: 3枚目のアルバム “Symphonic Aggression” だね。実は “Middle of the Night” は、1988年10月に Mike Varney の “Guitar Player” 誌の “Spotlight” コラムのために作ったデモ・テープに収録されていたんだよ。このアルバムでは、流通ルートを確保し、制作資金を捻出するために、いわゆる “シュラプネル・サウンド”、つまりネオ・クラシカルなジャンルに身を委ねる必要があったんだ。
“Symphonic Aggression” は “Generator Man” よりもはるかに好評を博し、シュラプネルのシュレッド・ギター・ファンがまさに求めていたものを提供していたね。ベートーヴェンの “月光” を “Mayday” に、パガニーニのクラシック・ギター曲を “When in Rome” に、ショパンを “Espresso” に、モーツァルトの交響曲第40番を “Dinner with Wolfgang” にアレンジして取り入れたんだ。こうしたクラシック曲を壮大なロック・ギター・インストゥルメンタルにアレンジすることには、大きな創造性と満足感があったよ。ドラムの Ray Luzierと、かつて Jennifer Batten で一緒にバンドを組んでいた Ricky Wolking がベースを担当したことで、楽曲は本当に生き生きとしたものになったね。

Q3: That’s why it’s such a shame you were gone from the scene for over twenty years until you performed with Jizzy Pearl again. What happened during that time?

【DARREN】: By 1995 I had three instrumental guitar albums plus the Let’s Rumble record with Love/Hate. My band Freak Power Ticket, featuring Ray Luzier on drums and Sean Daily on vocals, had recorded fifteen original songs and was performing around Los Angeles trying to land a deal―which was tough at the time. My girlfriend, now wife, was about to have our first child, Dorian―named after our favorite minor mode―so I went back to mornings doing telemarketing sales, something I’d done all through music school. I eventually got really good at it, good enough to support us, and within two years we bought our first home. Six months after that, I quit and started my own supplement distribution company called Brand New Energy, which later became my fitness brand Psycho Pharma. That was twenty-eight years ago.

Q3: だからこそ、あなたが Jizzy Pearl と再び共演するまで、20年以上もシーンから姿を消していたのは本当に残念でしたよ。その期間は、何があったのですか?

【DARREN】: 1995年までに、僕はインストゥルメンタル・ギター・アルバムを3枚と、Love/Hate との共作 “Let’s Rumble” をリリースしていた。ドラムに Ray Luzier 、ボーカルに Sean Daily を迎えた僕のバンド、FREAK POWER TICKET は、オリジナル曲を15曲録音し、当時は難しかった契約獲得を目指してロサンゼルス周辺で演奏活動を行っていたよ。
そんな時、当時ガール・フレンドだった今の妻が、僕たちの第一子となるドリアン(僕たちの好きな短音階にちなんで名付けた)を出産間近となって、僕は音楽学校時代ずっとやっていたテレ・マーケティングの営業を再開することにしたんだ。やがてその仕事が得意になり、家族を養えるほどになって、2年以内に念願のマイホームを購入することができた。その6ヶ月後、僕はその会社を辞め、Brand New Energy というサプリメント販売会社を立ち上げたんだ。これが後に僕のフィットネス・ブランド、Psycho Pharma になったんだよ。あれから28年が経ったんだね。

Q4: It’s well known you were at Berklee with John Petrucci and John Myung. Did you jam with them a lot? What were they like back then?

【DARREN】: I was there the one year that John Petrucci, John Myung, and Mike Portnoy were all at Berklee. They were in the practice rooms every single night working on material for what becameMajesty. They were incredibly hard-working, industrious guys―clearly destined for success.
I performed in the recital hall once per semester, playing songs from Malmsteen, Steve Vai, Paul Gilbert, and my own compositions with JD on bass―who’s now in Black Label Society―and J. Gates on drums. Unfortunately the Dream Theater guys never performed their original songs live at Berklee; they were too busy writing and recording them in the practice rooms.

Q4: あなたが John Petrucci や John Myung とバークリー音楽大学で一緒だったことはよく知られていますね。彼らとはよくジャム・セッションをしていたのですか?

【DARREN】: 僕が在学していたのは、John Petrucci, John Myung, Mike Portnoy が全員バークリー音楽大学に在籍していた年だった。彼らは毎晩練習室にこもり、後に “Majesty” となる楽曲制作に励んでいたんだよね。彼らは信じられないほど勤勉で、努力家で、成功は確実だと学校の誰もが感じていたよ。
僕は学期に一度、リサイタルホールで演奏し、Yngwie, Vai, Satriani の曲や、JD(現在は BLACK LABEL SOCIETY に在籍)がベース、J・Gates がドラムを担当する形で、自分のオリジナル曲を演奏していたね。ただ残念ながら、DREAM THEATER のメンバーはバークリーでオリジナル曲をライブ演奏することはなかったんだ。彼らは練習室で作曲とレコーディングに没頭していたからね。

Q5: Dream Theater has earned a Grammy. You have exceptional technique, of course, but more than that, you can write good, challenging songs. For example, I understand there was talk of putting together a band with Jeff Pilson and Vinnie Appice?

【DARREN】: I moved to Los Angeles to join Jeff Pilson from Dokken and Vinnie Appice from Dio just a year after I graduated from Berklee. I was teaching guitar lessons and writing instrumental songs day and night when Mike Varney called with the introduction to Jeff. I auditioned, got the gig, and we moved from Boston to L.A. After about a year and a half the band signed a deal, got dropped, and eventually split up. They later released a record called War & Peace with Russ Parrish on guitar.

Q5: DREAM THEATER はグラミー賞を受賞するに値するバンドですよね。ただ、あなたもその場所にいてもおかしくない才能を持っていると思います。なぜなら、あなたは卓越したテクニックを持っていますが、それ以上に、良質で挑戦的な楽曲を書くことができるからです。
例えば、Jeff Pilson と Vinnie Appice とのバンド結成の話が実現していれば…?

【DARREN】: バークリー音楽大学を卒業してわずか1年後、DOKKEN の Jeff Pilson と DIO の Vinnie Appice のバンドに加わるため、ロサンゼルスに移住したんだよね。
それまで、ギターのレッスンをしながら、昼夜を問わずインストゥルメンタル曲を作曲していたところ、Mike Varney から Jeff を紹介する電話がかかってきてね。オーディションを受けて合格し、ボストンからロサンゼルスへ引っ越したんだ。
約1年半後、バンドはレコード会社と契約したんだけど、その後契約を解除され、最終的に解散してしまった。その後、Russ Parrish がギターを担当した “War & Peace” というアルバムをリリースしたんだけどね。

Q6: There was a wide variety of great guitarists on Shrapnel back then, but who were the ones you particularly identified with?

【DARREN】: All the Shrapnel guys had an impact on me―starting with Yngwie Malmsteen and Paul Gilbert, but really everyone, including Greg Howe. My primary influences are Jimi Hendrix, Joe Satriani, Steve Vai, Jeff Beck, Al Di Meola, Steve Morse, and especially Eddie Van Halen and Ted Nugent. I could go on―Aerosmith, Led Zeppelin, The Beatles….

Q6: 当時、シュラプネル・レコードには実に多様な素晴らしいギタリストが在籍していましたが、あなたが特に共感していたのは誰でしたか?

【DARREN】: シュラプネルのメンバー全員から影響を受けていたよ。Yngwie Malmsteen と Paul Gilbert をはじめ、Greg Howe も含めて本当に全員だね。
僕の主な影響を受けたミュージシャンは、Jimi Hendrix, Joe Satriani, Steve Vai, Jeff Beck, Al Di Meola, Steve Morse, それから Eddie Van Halen と Ted Nugent は特別だね。他にも AEROSMITH, LED ZEPPELIN, THE BEATLES など、挙げればきりがないね。

Q7: A Vision for You is really a great album―well worth the wait! I get the impression you’ve become a deeper guitarist with more country licks, but you haven’t lost your signature challenging rhythms and complex melodies. What made you decide to make another guitar instrumental album now?

【DARREN】: The first instrumental song I wrote in decades was “Ava’s Dance” back in 2019. I’d just recorded two records for Jizzy Pearl and was getting back into playing guitar more than thirty minutes a day. Eventually the creative writing came back to me―I had lost it for a long time, but it returned.
The songs on A Vision for You were written over the course of six years. They’re all very different―none of them sound alike. One thing that stays consistent is the attack and aggression that’s always been my signature. You can hear it throughout.

Q7: “A Vision for You” は本当に素晴らしいアルバムですね!待った甲斐がありました!
カントリー調のフレーズが増え、より深みのあるギタリストになった印象を受けますが、あなたの持ち味である挑戦的なリズムと複雑なメロディーは健在です。今回、再びギター・インストゥルメンタル・アルバムを制作しようと思ったきっかけは何だったんですか?

【DARREN】: 何十年ぶりに書いたインストゥルメンタル曲は、2019年の “Ava’s Dance” だったね。当時、Jizzy Pearl のアルバムを2枚レコーディングしたばかりで、1日に30分以上ギターを弾く練習を再開したばかりだった。長い間失っていた創作意欲が、ようやく戻ってきたんだよ!
アルバム “A Vision for You” に収録されている曲は、それから6年の歳月をかけて書き上げていったんだ。どれも全く異なる個性を持っていて、似たような曲は一つもない。ただ一つ共通しているのは、僕のトレードマークであるアグレッシブで攻撃的なサウンドだね。アルバム全体を通して、そのサウンドを感じ取ってもらえると思うよ。

Q8: While the development of AI and social media has its conveniences, it’s also made it easier to over-edit videos and have AI create songs. Are AI and social networking good for the future of the guitar, or bad?

【DARREN】: With AI, it’s a phenomenon that’s hard to fully comprehend. Music is organized sound that causes emotion in humans―it could be industrial machines clicking in a way that moves you, or the sound of someone fingerpicking a nylon-string guitar. I don’t think we can limit how we get there. As long as the finished piece is organized sound that creates emotion, it qualifies as music.

Q8: AIとソーシャルメディアの発展は便利な面もある一方で、動画の過剰編集やAIによる楽曲制作も容易にしてしまっています。AIと SNS はギターの未来にとって良いものなのでしょうか?それとも悪いものなのでしょうか?

【DARREN】: AIに関しては、完全に理解するのは難しい現象だと思う。音楽とは、人間の感情を揺さぶる組織化された音のこと。それは、工業機械のクリック音であれ、ナイロン弦ギターを指で弾く音であれ、何が君を感動させるかはわからないんだよ。だから、そこに至る過程を限定することはできないと思う。完成した作品が感情を生み出す組織化された音である限り、それは音楽として認められると思うよ。

Q9: By the way, your brand Psycho Pharma deals with supplements, right?

【DARREN】: My life goal since I was fifteen was to become an internationally known rock musician. My current goal is to make Psycho Pharma an internationally known brand of supplements―one that’s authentic to me and carries both my character and Eric Bugenhagen’s. Our product names are Thunderstruck, Crazy Train, Far Beyond Driven, and Edge of Insanity―that’s our hero product.
Edge of Insanity has been available in China for four years, Australia for three, and through Suplinx in Japan. We’re in GNC and Amazon in the U.S., independent stores across the country, Mexico, South America, and we’ve done tradeshows in Germany the last three years. This is the most creative, passionate thing I’ve done in my life. I’m as obsessed with Psycho Pharma as I was with playing guitar sixteen hours a day. And somehow I’ve managed to build Psycho Pharma around the world while writing guitar instrumentals, recording three records with Jizzy Pearl, and releasing my first solo record in thirty years. Two records came out in 2025 as I turned sixty. I’m truly grateful for my life today.
I’ll keep writing and release another instrumental guitar record. I’d love to latch onto some guitar tours so I can perform my original music around the world. I also plan to write a comprehensive guitar book that simplifies scales, chords, and theory, and shows how to put it all together to become a creative musician. I’ve created a music theory page that’s basically the multiplication table for music. I have so much more to offer―I’m just getting started.

Q9: ところで、あなたのブランドであるサイコファーマはサプリメントを扱っていますよね?

【DARREN】: 15歳の頃からの僕の人生の目標は、国際的に有名なロック・ミュージシャンになることだ。同時に、現在の目標は、Psycho Pharma を国際的に認知されるサプリメント・ブランドにすることなんだ。それは、僕自身の個性と、エリック・ブーゲンハーゲンの個性を融合させた、真に自分らしいブランドだから。製品名は、Thunderstruck, Crazy Train, Far Beyond Driven, そして看板商品である Edge of Insanity だよ。
Edge of Insanityは、中国で4年間、オーストラリアで3年間、そして日本ではSuplinxを通じて販売されている。アメリカではGNCとAmazon、全米各地の独立系小売店、メキシコ、南米でも販売されていて、過去3年間はドイツで展示会にも出展しているんだ。これは、僕の人生で最も創造的で情熱を注げる仕事だよ。Psycho Pharma への情熱は、かつて1日16時間ギターを弾いていた頃と同じくらいさ。つまり僕は、ギター・インストゥルメンタル曲の作曲、Jizzy Pearl との3枚のアルバム制作、そして30年ぶりのソロ・アルバムのリリースと、世界中でPsycho Pharmaの活動を展開することができたんだ。2025年には60歳を迎えるけど、2枚のアルバムをリリースできた。今の人生に心から感謝しているんだ。
これからも作曲を続け、インストゥルメンタル・ギター・アルバムをリリースしていくつもりだよ。ギターツアーに参加して、世界中でオリジナル曲を演奏できたら最高ですね。また、スケール、コード、音楽理論を分かりやすく解説し、それらを組み合わせて創造的なミュージシャンになる方法を教える、包括的なギター教則本も執筆する予定。音楽理論のページも作成済みで、いわばこれは音楽の九九表のようなもの。まだまだ僕に提供できるものはたくさんあるんだ。これはまだ始まりに過ぎないんだよ。

Q10: You yourself have great muscles, and John Petrucci and Zakk Wylde are also very intense. Do you think strong muscles are necessary for a guitarist?

【DARREN】: I think we should all be mindful about exercise, eating right, sleeping, and taking care of our mental, physical, and spiritual health. For the last five years I’ve had the habit of reading spiritual and self-help books while pedaling the Peloton for thirty minutes every morning. It helps my physical, mental, and spiritual life every single day. I believe most successful people are athletes, scholars, and have a connection to something higher.

Q10: あなた自身も素晴らしい筋肉をお持ちですし、John Petrucci や Zakk Wylde もマッスル・ギタリストです。ギタリストにとって強い筋肉は必要だと思いますか?

【DARREN】: 僕たちは皆、運動、適切な食事、睡眠、そして心身の健康に気を配るべきだと思う。ここ5年間、毎朝30分間ペロトンを漕ぎながら、スピリチュアルや自己啓発の本を読む習慣をつけているんだ。これは僕の心身の健康に毎日役立っているよ。成功している人の多くは、アスリートか学者であり、より高次の存在と繋がっていると僕は信じているんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED DARREN’S LIFE!!

Jimi Hendrix “Axis: Bold as Love”

Van Halen “Fair Warning”

Yngwie Malmsteen “Rising Force”

Steve Vai “Passion and Warfare”

Joe Satriani “Surfing with the Alien”

MESSAGE FOR JAPAN

My message for Japan and young guitar players is this: playing the guitar took me from a shy kid to someone full of confidence. It changed my whole outlook―I gained real self-confidence and charisma. Learn the language of music so you can create your own personal soundscapes and share them with the world. This is the greatest gift I know.
A musician’s signature is the sound, the feel, the character. It’s not just the notes―it’s how the notes are played and that personalized attack that says, “This is me, and no one else.”
Find your signature. Find your style. It’s a combination of all your influences, turned into something that is uniquely you.

日本と若いギタリストたちへの僕のメッセージ。ギターを弾くことで、内気な少年だった僕が自信に満ちた人間へと変われたんだ。人生観そのものが変わり、真の自信とカリスマ性を身につけることができた。音楽という言語を学び、自分だけのサウンドスケープを創造し、世界に発信してほしい。これこそが、僕が知る最高の贈り物だよ。
ミュージシャンの個性とは、音色、フィーリング、そしてキャラクターだ。単に音符を弾くだけではなく、音符の弾き方、そして “これは私だ、他の誰にも真似できない” という個性的な表現力こそが、その人を際立たせるんだ。
だから、自分だけの個性を見つけてほしい。自分だけのスタイルを見つけてほしい。それは、あらゆる影響が融合し、君だけの唯一無二の音楽へと昇華されるのだから。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WIDEK : ENTRANCE INTO ETERNITY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH WIDEK !!

“I’ve always loved calmer parts in metal music. Back in 2010 I listened a lot of djent precursors and post-rock bands and I was like: Hey! I love heavy riffs and I love ambienty post-rock clean guitars. Let’s mix this!”

DISC REVIEW “ENTRANCE INTO ETERNITY”

「僕は常に Djent の単調さや類似性を避けようとしてきたんだ。当時多くの曲は “0-0-0” というリフ構成と、同じようなメロディーやパターンに基づいていたからね。だから、同じようなサウンドのバンドが多すぎたという理由で、Djent の人気が衰えた理由も理解できるよね。残念ながら、メタルコアというジャンルでも同様のことが起こっていた。もちろん、今でもトップレベルで活躍している Djent バンドはたくさんあり、僕の大好きなバンド (PERIPHERY) もその一つだよ!」
00年代末期から10年代の中盤まで、Djent は大きなムーブメントとしてヘヴィ・メタルを牽引していました。もともと、MySpace やネットの掲示板から火がついたナードでアンダーグラウンドなリズムとシュレッドの実験は、その多くが “ベッドルーム・ミュージシャン” で、プロモーションやリリースも大半が DIY で行うという、まさに SNS 時代の到来を感じさせる刹那の煌めきでした。
しかし、その “誰にでも参加できる” というムーブメントの性質は、多くの才能を輩出すると同時に、シーンを飽和させ、同じような音楽が乱立することによって衰退への道を歩むことにもつながったのです。とはいえ、もちろん Djent の代名詞であったあの重低音とポリリズミックな響きは今でもメタル・リフのそこかしこで輝きを放っていますし、何よりも真に才能あるアーティストはムーブメントの浮き沈みにかかわらず活動を続けています。
シーンの先駆けとなった PERIPHERY, ANIMALS AS LEADERS, TesseracT、そして Plini, Sithu Aye, Owane, Jacob Zytecki, David Maxim Micic…彼らには人智を超えた超絶技巧はもちろん、類稀なる個性も備わっています。ポーランドの Widek もそんなひとつの才能。
「僕はメタルの中の落ち着いた静かなパートが昔から大好きなんだよ。2010年頃、Djent の先駆けやポスト・ロックをたくさん聴いていて、”ヘヴィなリフも好きだし、アンビエントなポスト・ロックのクリーン・ギターも好きだ。これをミックスしてみよう!” って思ったんだよね。新しいジャンルではないのは分かっていたけど、当時はヘヴィでありながら落ち着いた/アンビエントなインストゥルメンタル・バンドはあまり多くなかったからね。個人的には、その方がずっと退屈じゃないと思うんだ。そして、その試みは大成功だった。誰かが僕の最初のEPを YouTube にアップロードしてくれて、最初から人気が出たんだよね!」
当時 Bandcamp の “Djent” タグをせっせと漁っていた人間で、WIDEK の名を知らない者はいないでしょう。そしてたしかに、彼の音楽は異端で、斬新で、雄弁でした。細分化と多様化が進むモダン・メタル勇躍の時を象徴するかのように、WIDEK はなんのためらいもなくメタルの重厚な技巧に、ポスト・ロックの繊細と静謐、夢見心地な壮大さ、そして幻想的で美しい世界観を組み合わせました。
重要なのは、WIDEK の音楽がいわゆる “ポスト・メタル” とはまた別のベクトルを向いていること。彼の盟友 Gru の手によるアートワークが示す通り、WIDEK の世界は宇宙と空間、次元の合間を行き来していて、だからこそ、プログレッシブで、まるで夜空を輝く星々のように息を呑むほど美しいのです。トレモロとクリーンが織りなす Djent の天の川。
「ギターは決して死んでいない。ソロ・ゲストの参加は僕の音楽の大きな部分を占めていて、曲に深みと多様性を加えてくれる。ギターソロなしでは Widek のアルバムを聴くことは不可能だと言っても過言ではないんだよ!」
同時に、彼の音楽にはシュレッドの夢が詰まっています。”Entrance into Eternity” “永遠への入り口” と名付けられたアルバムには、Gru, Sithu Aye, Morgan Thomaso, Paul Wardingham, Marco Sfogli, Bruno Henrique, Per Nilsson といった歴戦のギター勇士たちが馳せ参じ、AI 全盛の時代に人の手による驚きと興奮を存分に伝えてくれます。そう、これはギターという永遠に探索可能な “宇宙” への入り口でもあるのです。
今回弊誌では、WIDEK にインタビューを行うことができました。「僕は昔からSFや宇宙を題材にした作品が好きだったんだ!そんなロマンティックな場所から発する世界へのメッセージは、”言葉遣い、仕草、日々の選択において、お互いに優しくありましょう” というものだよ。優しい言葉一つが、誰かの1日、あるいは人生を変えることもあるからね。僕たちは、今他人がどんな困難に直面しているかを知るすべもない。だけど、一つだけできることがある。それは、優しくあること。敬意を払うことにお金はかからないけど、その意味は計り知れないんだよ」 どうぞ!!

WIDEK “ENTRANCE INTO ETERNITY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EXXÛL : SEALED INTO NONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL TOUGAS OF EXXÛL !!

“I got this idea from Sortilège, a french band that has greatly inspired me. The song “Délire d’un fou” has a short moment like this and the first time I heard this solo, I couldn’t believe it! This song marks probably one of the greatest moments in heavy metal history in my book. Not only that, but I couldn’t believe more bands that came after them didn’t try this either.”

DISC REVIEW “SEALED INTO NONE”

「独自の音楽で故郷ケベック州を代表することが僕の使命だと考えているんだ。また、僕の活動を通して、音楽シーンを活性化させ、仲間や友人たちがそれぞれの個性を磨き、独自のサウンドを確立していくよう、刺激を与えたいと思っているんだ。こうした思いから、僕は “TSO”(The Stygian Oathの略)というレーベルを設立したんだ」
今、メタル世界で Phil Tougas ほど多忙かつ、才能溢れる人物は他にいないかもしれません。FIRST FRAGMENT ではシュラプネルに敬意を表したフラッシーなテクニカル・デスメタルを叩きつけ、ZEICRYDEUS では MANOWAR や RUNNING WILD をベースだけで演じきり、WORM では ENSLAVED がドゥームと契ったネクロマティックな音楽を披露。Phil の多才は TSO という自身の音楽を解き放つためのレーベルを立ち上げるにまで至り、今やケベックの、いやカナダ、もっといえば世界のメタルを牽引する場所にいます。
Phil がメタル世界で一目置かれているのは、その独特で斬新な古の音楽に対するリスペクトが故でしょう。多くの “モダンな” メタル・バンドが影響を受けている GOJIRA のような “メジャー” には目もくれず、Phil は多くのマニアにとって特別な、しかしナードなバンドを追い続け、創造的な音楽を作り続けています。
例えば、ZEMETH の Junya 氏が MAGO DE OZ や RATA BLANCA, DARK MOOR といったマニアックなバンドに対する愛情を隠さないその姿に、私たち真のメタル・オタクは心を動かされ、喝采を送ります。それは、彼が私たちと同じ熱量と時間をメタルに費やした “こちら側” の人間、本物である証明だから。メタルに対する深い知識と愛情は、そのまま絶大な信頼感へと置き換わります。そしてもちろん、Phil Tougas も同様に、”こちら側” の人間です。
「僕の目標はパワー・ドゥーム・アルバムを作ることだった。速いテンポと遅いテンポを組み合わせ、ダークでスローなリフの上に高揚感のあるボーカルとシュレッディングを乗せて、独特の音楽的コントラストを生み出したかった。多くの界隈でプログレッシブ・ドゥームと見なされている MEMENTO MORI や VENI DOMINE に影響を受けたとはいえ、このアルバムを必ずしもプログレッシブ・メタル・アルバムとは考えていないよ」
こちら側の人間だからこそ、Phil は EXXÛL でメタル史に残る傑作 “Sealed into None” を生み出せたのでしょう。驚くべきことに、このアルバムは、ドゥーム・メタルとプログ・パワーという、一見仄暗く遠い場所にある音楽が見事に融合した、古めかしくも斬新で、非常に稀有な作品です。Phil が言及しているように、あの素晴らしき MEMENTO MORI はもしかすると近い場所にいたかもしれません。とはいえ、FATES WARNING の迷宮と SOLITUDE AETERNAUS の陰鬱がブラック・メタルやダンジョン・シンセを経て、これほど濃密に美しく混ざり合えるなど、誰が想像したでしょう?
「”スキャット” のアイデアは、僕に大きなインスピレーションを与えてくれたフランスのバンド、Sortilège から得たんだ。”Délire d’un fou” という曲に、まさにこのような短いパートがあり、初めてこのソロを聴いた時は信じられなかったよ!この曲は、僕にとってヘヴィ・メタルの歴史の中でも屈指の名曲となった。それだけでなく、彼らの後に続くバンドがなぜこの手法を取り入れなかったのか、不思議でならないんだよ」
そのふたつを見事に繋いだのが、Phil の “GOAT” とも評される卓越したギター・シュレッドでしょう。WORM の作品に Marty Friedman を招いたように、彼のシュラプネルやシュレッドに対する愛情もまた本物。同世代の教科書通りのギタリストたちを置き去りにする、大胆不敵でヘヴィ・メロディックな Phil の魔法は、CRIMSON GLORY の Midnight を彷彿とさせる驚異のボーカル Thomas Karam の歌声とシンクロし、ダークな深淵からメタルのスキャットをお見舞いします。SORTILEGE を聴いたことのない奴は黙ってろ!真に信頼できるのは、そんな一見さんお断りでしかし絶品のグルメを提供する通な店なのかもしれませんね。”Painkiller” や “Into the Arena” みたいな有名曲ばかり上手に弾いて再生数だけ稼いでんじゃねえ!
今回弊誌では、Phil Tougas にインタビューを行うことができました。「僕は日本のメタルも大好きだよ。SABER TIGER が大好きでね。彼らのデビュー・アルバム “Invasion” は、僕にとって歴代最高のメタル・アルバムの一つなんだ。 Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns から GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris。それから Galneryus, X Japan, Skywings, Versailles といった過激なパワー・メタルまで、日本のメタルはほとんど好きなんだよ」21世紀最高のメタル・アルバムのひとつ。 二度目の登場。どうぞ!!

EXXÛL “SEALED INTO NONE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HEADLESS : TRANSITIONAL OBJECTS】GÖRAN EDMAN IS COMING BACK TO JAPAN 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GÖRAN EDMAN OF HEADLESS !!

“It’s difficult to highlight anything in particular but Kharma “Wonderland “ is definitely a pearl worth mentioning.”

DISC REVIEW “TRANSITIONAL OBJECTS”

「北欧の声なんて思ってはいなかったよ。スカンジナビア・メタルが特に日本で人気があることは知っていたけどね。実際は、当時影響を受けていたイギリスやアメリカのバンドのサウンドを真似て、それを模倣しようとした結果、僕らの色が加わって副産物としてスカンジナビア・メタルのサウンドが生まれたんだよね」
北欧の声。本人がどう思おうとも、私たちにとってそれは、Joey Tempest であり、Tony Harnell (アメリカ人ですが) であり、そして Göran Edman でした。北欧の厳粛で荘厳で美麗な雰囲気をそのまま声に宿らせたかのような彼らの歌唱は、そして陰りのあるクラシカルな響きをギターに込めたシュレッダーの音の葉は、特に当時の日本人の心を打ち、北欧メタルというひとつの素晴らしきジャンルを作り上げました。
中でも、様々なバンドを渡り歩き、幾多の名作を生み出してきた Göran は、北欧メタルと同義であり、その創設者ともいえる存在でしょう。MADISON に始まった Göran の旅路は、John Norum, TALISMAN という偉大な場所に立ち寄りました。特に、John Norum の “Total Controll”、あのメランコリックな恍惚が北欧メタルの原点のひとつとなったことはたしかでしょう。
「Yngwie と共演したあの数年間は、色々な意味で波乱万丈だったけど、そこから多くのチャンスが生まれたことに感謝しているんだ。一番良い思い出は、おそらく “Eclipse” のプリ・プロダクション、レコーディング、そして最終プロモーションに関することだろうな。”Fire & Ice” の時代は、首に縄をかけられているような気分で、衝突も多かったからね。でも、どちらのアルバムにも、僕なりのハイライトがあるんだよ」
Göran のキャリア、そのハイライトはあの Yngwie Malmsteen との共闘でしょう。共闘と書きましたが、実際のところ、なぜかリード・シンガーを毛嫌いし敵視するマエストロとの仕事は簡単ではなく、むしろバンドにいること自体が恐闘と呼べるような状況だったようです。
ただし、Göran の声と Yngwie の音楽、その相性は素晴らしく、オール・スウェーデンで臨んだ “Eclipse”, “Fire & Ice” は北欧メタルの教科書として今や多くの人に溺愛されています。実際、”Eclipse” のダークでしかし煌めきに満ちた皆既日食の景色や、”Fire & Ice” のバラエティに富んだ一級品の旋律たちも、Göran の狂おしいまでの情歌によって北欧メタルのマイルストーンとなりました。
「これまで様々なプロジェクトやバンドに参加し、ゲスト出演なども行ってきたよね。そうしたボーカルのほとんどは、自宅スタジオで録音したものなんだ。ジャンルも多岐にわたるね。特に何かひとつを挙げるのは難しいけれど、KHARMA の “Wonderland” は間違いなく特筆すべき作品だと思うよ」
Yngwie と別れて以降、Göran はその才能をより幅広く開花させていきました。理想的な北欧メタルから GLORY が辿った変遷はそのまま、Göran の行く道を暗示していたのかもしれません(“Positive Bouyant” とか “Wintergreen” とか今聞くと素晴らしいですよ)。Göran の優しくソフトな歌声で人気を博した STREET TALK, プログレッシブ・サイドを探求した KARMAKANICK, そして何より Göran 自身が特別だと語る KHARMA の “Wonderland”。まるで QUEEN と STYX が北欧で出会ったかのような珠玉の一品は、アルバム1枚で終わってしまったのがあまりにも惜しいまごうことなき傑作。
そうして自然に歳を重ね、69歳となった今、Göran は HEADLESS というスーパー・バンドで本当に久々の来日を果たします。ELEGY や Neil Zaza のメンバー擁するバンドは、丁寧にプログレッシブなハード・ロックを作り上げ、Göran の今をしっかりと伝えてくれます。誰も年齢に逆らうことはできません。しかし、年齢に逆らわず、人生を抱きしめ、今の自分を抱きしめながら愛する音楽を続ける Göran の声に、私たちはロックの真髄を見るはずです。
今回弊誌では、Göran Edman にインタビューを行うことができました。「69歳という年齢になると、当然だけど音域も以前とは違ってくる。原曲からあまり大きく音程を変えてしまうと、僕の声の特徴が変わってしまい、ファンの人たちにも受け入れられないかもしれないし。以前、カバーのオファーをもらったこともあったけど、丁重に断ったんだよね。HEADLESS のセットリストに Yngwie のカバー曲が含まれている可能性はあるけど、それは例外的なケースなんだ」 どうぞ!!

HEADLESS “TRANSITIONAL OBJECTS” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JACK GARDINER : KINTSUGI】 JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JACK GARDINER !!

“First come the years of hard work, and then comes the ‘following’. It’s why we are seeing tons of ‘scandals’ – players heavily editing and miming their videos/music in order to present themselves as a ‘higher-level’ player. I liken it to models using Photoshop or bodybuilders using steroids – it’s simply not real.”

DISC REVIEW “KINTSUGI”

「最近、マスタークラスを教えていると、若いプレイヤーからよくこんな質問が寄せられる。”ギターや音楽の概念をきちんと理解し、習得するには、毎日何時間も何年も練習する必要があると言うけれど、ソーシャルメディアでフォロワーを増やす必要があるのに、どうやって時間をかけて学べばいいの?”
優先順位が完全に間違っていると思う。まずは何年もの努力があって、それから “フォロワー” が増えるんだ。その順番を間違えてしまうから、多くの “スキャンダル” が生まれてしまう。演奏家が、自分を “よりレベルの高い” プレイヤーとして見せるために、動画や音楽を過度に編集したり、当て振りしたりするんだよね。
僕はこれを、モデルがフォトショップを使ったり、ボディビルダーがステロイドを使ったりするのと同じようなものだと考えていてね。それって、単純に本物じゃないんだ。だけど、そうした動画が氾濫することで、若い演奏家たちに非現実的な期待とレベルを課してしまうことになる。
若い演奏家たちが、こうした偽物に惑わされず、自分の演奏に真剣に取り組むだけの忍耐力と規律を持ってくれることを願っているよ」
SNS は諸刃の剣です。何も持たないベッドルームの DIY プレイヤーが一夜にしてシンデレラのように大スターとなることもあれば、そうした名声や自己顕示欲を得るためにギター本来の目的を狂わせてしまうこともある。テクノロジーや AI の進化によって、偽ることも、偽られることも、あまりに多い世界となりました。むしろ、技術が進化したにもかかわらず、真実や本物を見分けることは、以前に比べて飛躍的に難しくなったと言えるのかもしれません。
そんな世界で、物事の “順序” を間違えることは、ギター・ミュージックというジャンルそのものの危機だと Jack Gardiner は訴えます。まずは鍛錬に時間を費やし、技術を養い、個性を磨き、自らのスタイルを作り上げる。そうすれば、自ずと “数字” や名声はついてくると Jack は語ってくれました。その順序を間違え、時間と労力を要する鍛錬を過度な “編集” で偽ったギター世界に未来はないだろう。Jack のその言葉に真実と重みがあるのは、彼が誰よりも鍛錬に労力と時間を費やしてきたから。そしてその “順序” の正しさを実証してきたから。
「CASIOPEA はもうずっと前から大好きなバンドの一つなんだよ。メンバー全員が素晴らしいミュージシャンで、作曲もとても美しいからね!日本文化ももちろん大好きだよ!実は歴史がきっかけなんだ。”戦国無双” というビデオ・ゲームをプレイして、戦国時代に夢中になったんだ。今でも実家には、その時代に関する本がぎっしり詰まった大きな本棚があるくらいでね」
そんな Jack の技巧とセンスを養うきっかけとなったのが、日本でした。Jack の最新作 “Kintsugi” には、そのタイトルはもちろん、楽曲名、そして偉大なる CASIOPEA のカバー “Asayake” が象徴するように日本の音楽からの影響まで、Jack の日本に対する愛情と敬意が詰まっています。そう、きっと Jack の驚異的なレガート・テクニックやアウト・フレーズのセンス、繊細なトーン・コントロールに豊かなグルーヴは日本のフュージョンから養われたもの。しかし、それ以上に、音楽の単純化や簡略化に流されず、様々な装飾とジャンルを重ねる日本音楽の哲学や多様性、そして豊かなメロディとハーモニーに Jack は心を打たれたのです。
「多くのミュージシャンと同じように、僕はインポスター症候群や自己不信に悩まされている。”Kintsugi” とは、そうした心の傷を乗り越え、つまり疑念、変化、そして修復の瞬間を尊重し、それを力として持ち続けることを学ぶものなんだ。
ダメージを隠すのではなく、ひび割れを露わにし、その物の物語の一部となる。壊れたものは消されるのではなく、変容していくんだ。漆と金粉が、壊れた陶器(僕)を繋ぎ止め、唯一無二の何かへと変える協力者となるという考えが好きなんだ。傷やひび割れも皆、僕の音楽のDNAと旅の一部であり、そのことに僕は永遠に感謝しているんだよ」
偽らず、正直に生きることがギター世界の道となる。そう信じる Jack だからこそ、金継ぎの文化に惹かれたのでしょう。誰にだって傷はある。痛みも抱えている。喪失感に苛まれている人もいるだろう。傷を隠したまま無理に修復するのではなく、Jack はそうした痛みや悲しみも自らの糧として、抱きしめながら前へ進もうと決めました。だからこそ、Cory Wong, Matteo Mancuso, Owane, Andy Timmons といったそうそうたるゲスト陣の中でも、Jack のギターは漆の乗った逞しい金色に輝いているのです。
今回弊誌では、Jack Gardiner にインタビューを行うことができました。「日本のあらゆるメディアで衝撃を受けたのは音楽だったね。ロックやフュージョン風の音楽の中で、エレキ・ギター、力強いソロ、そして高度なジャズ・ハーモニーが使われているなんて信じられなかったよ。欧米のビデオ・ゲーム、映画、テレビ番組ではこんな音楽は聞いたことがなかったから、これも日本を好きになったきっかけだと思うな」 亡き Shawn Lane を想起させるような、雷撃のスピードとセンス。何より、フック満載の楽曲が素晴らしいですね。来日も決定!どうぞ!!

JACK GARDINER “KINTSUGI” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOEN : RELIANCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN LOPEZ OF SOEN !!

“Progressive music should evolve, not just technically, but emotionally otherwise it stops being progressive and very often complexity can be “in the way” of emotion.”

DISC REVIEW “RELIANCE”

「誰かとの比較は避けられないし、僕たちはそれをネガティブなものとして捉えてはいないよ。”Reliance“ はより直接的で拡大した音楽なので、アリーナ・ロックやメタルとの関連性が自然と強く出てくるよね。だけど、僕たちの意図は特定のバンドに似せようとしたのではなく、明確かつ誠実に音楽を伝えたいというものだった。もし楽曲が人々の心に深く響くなら、それは僕たちにとって大きな喜びだ。だけど、それが目的で曲作りをしているわけではないんだよ」
2010年、かつて OPETH と AMON AMARTH というビッグ・バンドに所属していた名ドラマー Martin Lopez は、自身の新しいバンドを立ち上げました。SOEN と名付けられたこのバンドは、非常に優れたミュージシャン集団 (あの Steve DiGiorgio も在籍) で、Lopez はそのサウンドを “メロディアスでヘヴィ、複雑で、他のどのサウンドとも全く異なる” と表現していました。しかし、そんな彼の意図とは裏腹に、SOEN のサウンドは常に誰かと比較される運命にありました。
初期のアルバム “Cognitive” や “Tellurian” では TOOL と比較されることが多かったものの、SOEN は明らかにクローン以上の存在であり、Lopez の出自である OPETH や KATATONIA のプログ・メタル的な血肉にナイーブで心に迫るメロディを加えて見事な化学反応を起こしていました。近年は初期のアルバムのようなオルタナティブな複雑さ、プログレッシブな紆余曲折は減退しましたが、一方でメタリック & グルーヴィーでありながらアトモスフェリックという SOEN 独自の世界観は伸張。重要なのは、そこにいつも、心を震わせるメロディの泉が存在すること。
そうして、歌の力が戻りつつあるメタル世界で、SOEN は堂々たるプログレッシブ・アリーナ・メタルの実現へと舵を切りました。DISTURBED や NICKELBACK のグルーヴィーでシンガロングを誘うコーラスと、プログレッシブでナイーブな感情の共存。Joel Ekelof の歌声は、脂が乗り切ってまさに今が旬。
「依存は心地よいものだけど、同時に危険なものでもある。このアルバムは、答えを与えることではなく、僕たちが何に、そしてなぜ依存するのかを振り返ることを促しているよ。幸せを探し求めるとき、僕らは依存を恐れながらも受け入れなければならないだろう。ただ、何に頼るのかについては、非常に慎重にならなければならないと思う」
そんな両極を抱きしめたアルバムで SOEN がテーマとしたのは “Reliance” “依存”。SNS の発達により、私たちは見知らぬ誰かと共感しながら、何かの “推し” にかつてより深く依存するようになりました。もちろん、辛い現実を生きていく中で、幸福感や満たされた感覚を得るため好きなものに依存することは、ある意味でライフハックなのかもしれません。しかし、盲目的に “推し” に依存し、”推し” を全肯定することで、自己という最も重要な存在が消えてしまってはいないだろうか? SOEN は盲信的な依存が当たり前となった世界で、依存を恐れ、自分の頭で慎重に考慮することを促しています。
“Primal” では “無意識にスマホをスクロールしている” とか “SNSは暴力的なポルノ” といった表現が使われ、”Drifter” では “アルゴリズムを操る奴らに振り回されるな” といった辛辣な言葉が飛び出します。そもそも、あなたが依存しているのは “推し” なのでしょうか?ひょっとすると、あなたが依存しているのは “推し” ではなく、SNS そのものなのかもしれません。もしそうだとしたら、あなたが孤独を感じ、誰かと少しでも共感したいだけなのだとしたら、SOEN のアリーナ・メタルで共に歌えばいい。もちろん、進化した感情でプログレッシブに思考を巡らせながら。
今回弊誌では、Martin Lopez にインタビューを行うことができました。「音楽のトレンドは移り変わるけど、感情は残り続ける。僕たちが始めた頃は、たしかにテクニックと複雑さが非常に際立っていて、それは刺激的なことだったよね。でも今は、アトモスフィア、ダイナミクス、そして傷つきやすさにもっと居場所があって、僕たちはそれを歓迎しているんだよ。プログレッシブ・ミュージックは、テクニックだけでなく、感情面でも進化するべきなんだ。そうでなければ、複雑さが感情の “邪魔” になってしまう。よくあることだけど、それはもうプログレッシブな音楽とは呼べないからね」 3度目の登場。どうぞ!!

SOEN “RELIANCE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VIANOVA : HIT IT!】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALEX KERSKI OF VIANOVA !!

“I mean our goal is to make something that is not fully Metal, so if that’s an issue with someone i guess they can just listen to something else. It’s totally fine to have different preferences.”

DISC REVIEW “HIT IT!”

「僕らはこのアルバムを宣伝するためにソーシャルメディアをたくさん使ってきた。 個人的には、これからのバンドがTiktokやinstagramを使って自分たちを売り込むのをたくさん見てきたし、そんなに新しいことではないんだ。BRING ME THE HORIZON や SUICIDE SILENCE のようなメタルコア・バンドの多くが、昔myspaceでビッグになったことを考えればね。 正直なところ、それらはツールでしかなくて、親和性があるかどうかは、それをどう使いたいかによるような気がする。僕らはある程度力になっていると感じるけどね。自分たちでプロモをやることで、バンド外部の人に頼らなくてすむから。昔、それで嫌な思いをしたからね。僕らは自分たちの音楽が良くて、それをライブで演奏できれば、それでいいんだ」
ソーシャルメディア時代において、簡潔さと大げさな表現は注目を集める上で最も重要な手段です。例えば TikTokで人気を博したいなら、気まぐれなユーザーの集中力の持続時間を捉えるために、アルゴリズムを巧みに操れるかどうかが成功の鍵となります。ヘヴィ・メタルは確実に、リスナーのアテンション・タイムを捉えるだけの表現力がありながら、やっと近年、SNS を自在に操れるようになったようです。
デビューアルバムのリリース時点でSpotifyの月間リスナー数18万6000人を誇る VIANOVA は、アルゴリズムの攻略法を熟知しているバンドと言えるでしょう。ドイツ出身の4人組は、ペレストロイカ時代のソ連のディスコにいるかのような恰好で注目を集め、SNS には彼らのミーム動画が溢れかえっています。しかしもちろん、バイラルを得られるのはその確かな才能があってこそ。
「”Hit It!” の場合、可能なかぎり自然な感じで融合できるように努めたんだ。 もし僕たちの多様性が本物だと思うなら、君や他の人たちは、僕たちが取り入れているジャンルに対する純粋な評価と興奮を感じ取ることができるのかもしれないね。 よく比較されるTWELVE FOOT NINJA のようなバンドも、自分たちが取り入れている非メタル音楽を深く理解し、愛していると思うけど、彼らの曲では時にそうした要素が水と油のように構成全体でより分離しているため、もう少し切り離されているように感じるのかもしれないね」
VIANOVA のデビュー・アルバムとなる “Hit It!” は、ファンク、ヒップホップ、ソウル、ハードコア、ハイパーポップといったあまりにも多様なジャンルを融合させ、Djent なグルーヴがそのサウンドを支えています。熱狂的なエネルギー、ブルーノ・マーズ的ポップなセンス、ポスト・ハードコアのエッジ、そしてジャンルのメルティング・ポットが到達したのは、PERIPHERY や CLOSURE IN MOSCOW が統合失調症に冒されたかのような混沌。しかしその混沌は常に変化し続け、驚くほど精巧に自然に作られていて、それぞれのジャンルがあまりにも真に迫っています。
「僕らは伝統を守ろうとしているわけではないので、ジャンルの門番は気にしていないよ。 僕らのゴールはメタルっぽくないものを作ることなんだから、それが気になる人は他の曲を聴けばいいと思う。 曲の方向性に腹を立てる人がいるのは、僕にとっては奇妙なことなんだ。 今は素晴らしいバンドがたくさんいるから、非建設的なコメントを打つよりも、もっとクラシックなメタルバンドを探した方がきっと時間を有効に使えるような気がするけど、人それぞれなんだろうね」
メタルと非メタル。彼らの核融合が真に迫っているのは、楽曲の中でアイデアから次のアイデアへと飛び移るのではなく、ジャンルの実験を一曲ずつ丁寧に行っていく傾向があるからかもしれませんね。だからこそ、アルゴリズムで捉えたミーム的な奇抜さよりも、熟考された対比が際立っていくのです。こうした瞬間こそが VIANOVA の真骨頂であり、大胆にメタルを壊し、大胆にメタルを再構築していくのでしょう。メタルには TikTok で羽ばたく瞬間的な表現力がありますが、もちろん、インスタントなアテンション・スパンには収まりきらない魅力もあるのですから。
今回弊誌では、ボーカル Alexander Kerski にインタビューを行うことができました。「僕らのベーシスト、Raoul はクラシック・プログの大ファンなんだ。 OPETH, PAIN OF SALVATION, BETWEEN THE BURIED AND ME, PROTEST THE HERO をよく聴いていたよ」 どうぞ!!

VIANOVA “HIT IT!” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【百合花 (LILIUM) : 萬事美妙】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH 百合花 (LILIUM) !!

“If composing music is like cooking, I’m probably a chef who loves using local ingredients. Taiwan has such a rich musical heritage to explore”

DISC REVIEW “萬事美妙”

「作曲が料理のようなものだとしたら、僕は地元の食材を使うのが大好きなシェフなのかもしれない。 台湾には探求すべき豊かな音楽遺産が多くあり、僕は大学でも民俗学を学んできた。 学べば学ぶほどその魅力に取りつかれ、だから僕は常にそうした要素を自分の作品に織り込んでいるんだ」
台湾へ旅したことのある人なら、彼の地の料理、その本場の躍動感に圧倒された経験があるはずです。その地で育ち、その地の歴史や空気を吸って生み出された文化の蓄積は、あまりにも尊く、そして魅力的です。
近年、そうした唯一無二の審美や精神性を自らのアートに取り入れるメタルやプログレッシブの綺羅星が登場し、シーンを牽引していますが、台湾の百合花もそうしたバンドのひとつ。そして彼らが料理した音楽は、西欧というポップスやロックの出発点を置き去りにするほど、理想的な東洋の神秘だといえるでしょう。
「僕は音楽を聴くたびに、その要素を分解し、ジャンルの起源をたどることに惹かれる。 音楽は人間が作り出したものだから、文章と同じように分析することができるんだよ。その土地の語彙や借用語、さらには発音を間違えて生まれた新しい用語みたいなものを、音楽の中に発見できる。だから将来、百合花の音楽を聴いた人々が、その中に埋め込まれた北管や南管の要素を発見してくれることを願っているよ」
音楽を文章に例えるとしたら、百合花が記す言葉は豊かなクレオールなのかもしれませんね。プログレッシブやメタル、オルタナティブ・ロックはもちろん、ボサノバ、レゲトン、ディスコ・ファンク、そして演歌にいたるまで、西洋も東洋もなく、あまりにも多様な音の葉を飲み込んだ彼らの音楽は、しかしいかなる時も “台湾的” なバイブスに貫かれています。
台湾に根付いた伝統音楽、北管・南管に加えて、銅鑼、リコーダー、葬儀の音楽。そして、多くの台湾人がマンダリン、北京語の台湾方言を使用する中で、台湾伝統の Hokkien (福建語) で紡がれる百合花の音楽には確実に台湾固有のスピリットが宿っています。だからこそ、百合花の音楽は、色彩豊かでに驚きに満ちた万華鏡の中に、確固とした独自のビジョンを投影できるのです。
「音楽は、人々に過去に起こったことを思い出させ、同じ過ちを繰り返さないようにすることができる。 例えば、僕たちの曲のひとつである “もし私が女だったら”(假使我是一個女人)は、政治的犠牲者である蔡奇遠さんの獄中告白をもとに生み出した。 脱獄中、彼は女装して美容院に行き、髪をセットしてもらっていたんだ」
戦争の足音がゆっくりと、しかし確実に忍び寄る東アジアにおいて、最新作 “萬事美妙” で彼らは各曲で複数の主人公の物語が探求することに決めました。祝福を授ける神様から、無力感に苛まれる外国人の叫び、道端の占い師の問いかけ、大道芸人の送別パフォーマンス、そして政治犯の嘆きまで、バンドの楽曲は台湾音楽に台湾音楽ならではの想像力豊かで、思考を要する視点をもたらしました。
そう、音楽は世界を変えることはできなくとも、その身に宿った旋律やリズム、そしてリリックで心を動かすストーリーを伝えることならできるのです。過去や寓話、物語から学ぶのもまた、おそらくアートを嗜む私たちの義務なのですから。そうすればきっと、”すべてが素晴らしくなる” はずです。
今回弊誌では、ボーカル/ギターの林奕碩 (リン・ イースォ) とベーシスト林威佐 (リン・ウェーズォ) にインタビューを行うことができました。「台湾の文化は日本文化の影響を強く受けている。 僕たちが若い頃は、年長者が日本の演歌を歌っているのをよく耳にしたものだよ。 そして、台湾の歌の多くも演歌の影響を受けているんだ。 僕たちの歌 “藝術家” も演歌の影響を使っているんだ。台湾の年長者の様子を表現するためにね。 あと、”猿捕り唄”(掠猴之歌)のアレンジは、任天堂の “マリオブラザーズ” のサウンドトラックの影響を受けているよ」 どうぞ!!

百合花 “萬事美妙” : 10/10

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