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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TIBERIUS : SINGING FOR COMPANY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAHAN TABRIZI OF TIBERIUS !!

“I think as a band, we very much try to be as authentic as we possibly can be, in a world of bands trying to be scary, masculine and tough, we’re just not like that as people, we like to think we’re cutting through the noise by being different and being honest about who we are.”

DISC REVIEW “SINGING FOR COMPANY”

「バンドとして、僕たちは可能な限り本物で、信頼できる存在であろうと努めているんだ。怖くて男らしく、タフであろうとするバンドの世界の中で、僕たちはどう考えてもそういう人間じゃない。僕たちはメタルのステレオタイプとは違っていて、自分たちがどんな人間かについて正直であることで、雑音を跳ね除けられると思いたいんだ」
ヘヴィ・メタルは男のもの。タフで強いもの。悪魔と死体の音楽。そんなステレオタイプは、21世紀に入って変わろうとしています。今では、女性のアーティストは少なくありませんし、死体や悪魔、剣と鎧のファンタジーだけではなく、内省的でパーソナルなテーマを扱うバンドも増えてきました。
そんなメタル世界で、スコットランドの新鋭 TIBERIUS はありのままの自分を見せることこそ、今のヘヴィ・メタルのあるべき姿だと信じています。なぜなら、ヘヴィ・メタルは正直な音楽だから。弱さを抱きしめる音楽だから。許しの音楽だから。そして、強い人間など、実はこの世界には存在しない、それこそ非現実的なファンタジーだから。
「僕たちは明るい色が大好きでね! 2018年に “Dissipate” のビデオ撮影でこの色にバイブスして、それ以来、ライブの演出やアートワーク、あるいは僕のピンクとブルーのギターを通して、この色をバンドの一貫したテーマにしてきたんだ!」
そんな TIBERIUS の、いやヘヴィ・メタルの現在地が如実にあらわれたミュージック・ビデオこそ、”Mosaic” だといえるでしょう。これほど、メンバー全員が幸せそうに、自然な笑顔でメタルを奏でるMVがこれまであったでしょうか?これほど、ピンクやブルーのビビッドカラーが映えるバンドがこれまで存在したでしょうか?これほど、ポジティブで、優しく、高揚感あふれる楽曲がこれまで聴けたでしょうか?
そう、TIBERIUS はメタルのステレオタイプを、そして閉塞感あふれる現代の暗がりを、”ありのままの自分” を見せることで打ち破り、正直で寛容な “より良い世界” を目指そうとしているのです。だからこそ、彼らは “Singing for Company”、仲間のために声を上げて歌います。
「複雑なリズムや曲の構成、テクニックを、リスナーにとって親しみやすいものにしているというだけで、”プログレとしては物足りない” と考える批評家もいる。一方で、”パワー・メタルとしては重すぎる” “激しすぎる” と考える人もいる。僕はそれを誇りに思っているんだ。もし君が心を開いてくれさえすれば、僕たちは誰にとっても何かを与えることができるし、もし君が心を開かないのなら、それは君の損失となる!」
ゆえに、彼らの音楽自体もメタルのステレオタイプで推し量ることは不可能。欧州版 AVENGED SEVENFOLD、あるいは IRON MAIDEN と LEPROUS の婚姻などと評される彼らの音楽は、パワー・メタルというには複雑すぎる、激しすぎる。プログ・メタルと呼ぶには高揚感がありすぎる…そんな批評家の声を浴びることもありました。しかし、それは逆に言えば前代未聞、唯一無二なる彼らの個性。メタルに加わる新たな魅力。そうした “異端” をも、心を開けば好奇心の新たな翼となる…TIBERIUS は自身の特異な音楽を通して、音楽の力で、世界に寛容さと許しの本質、そして何より笑顔を届けるのです。
今回弊誌では、ギタリスト Jahan Tabrizi にインタビューを行うことができました。「日本文化は間違いなく僕に影響を与えている。僕は子供の頃から X Japan の大ファンで、最近では The Gazette、The Back Horn、MIYAVI、LOUDNESS といった J-ROCK もよく聴いているので、おそらくそれらのいくつかが長年にわたって僕のソングライティングに浸透しているのだろうね」笑顔のメタル。 どうぞ!!

TIBERIUS “SINGING FOR COMPANY” : 10/10

INTERVIEW WITH JAHAN TABRIZI

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【JAHAN】: I was interested in music from a very young age, I remember getting a Sony Walkman when I was around 10 years old and the first tape I got was ‘ABC’ by Jackson 5, and then a friend’s Brother copied The Offspring’s ‘Americana’ which I played on repeat until CD’s became available and I bought Conspiracy of One, also by the Offspring. This was my gateway into heavy music and throughout my life I have went through different obsessions with various sub-genres such as Power Metal, Death Metal, Progressive Metal, Hard Rock and Nu-Metal. I was becoming a teenager when Limewire and Napster were at the height of their popularity and it gave me access to infinite music!

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【JAHAN】: 僕は幼い頃から音楽に興味を持っていたんだ。10歳くらいの頃にソニーのウォークマンを買って、そうして初めて買ったカセットテープは JACKSON 5 の “ABC” だったね。その後、友達の兄が OFFSPRING の “Americana” をコピーしてくれて、CDが手に入るまで繰り返し聴いていたな。そのころ、同じく OFFSPRING の “Conspiracy of One” も買ったね。
これがヘヴィ・ミュージックへの入り口となり、その後はパワー・メタル、デスメタル、プログレッシブ・メタル、ハード・ロック、Nu-metal など、様々なサブジャンルにハマっていったんだ。10代になる頃には Limewire と Napster が人気絶頂期で、無限の音楽に触れることができたんだよね!

Q2: I feel some classical influences in your music. Did you name your band after the great Finnish composer Jean Sibelius?

【JAHAN】: That’s an interesting interpretation! I’d say there’s definitely some elements of classical for sure! However, our band is named after Grant’s cat ‘Tiberius’ who was tragically struck by a car.

Q2: あなたの音楽にはクラシックの影響も感じますね。バンド名 TIBERIUS はフィンランドの偉大な作曲家、ジャン・シベリウスにちなんでつけたのですか?

【JAHAN】: 面白い解釈だね! 確かにクラシックの要素はあると思う! でも、僕らのバンド名は、Grant の飼い猫で、車にはねられるという悲劇に見舞われた “ティベリウス” にちなんでいるんだ。

Q3: When it comes to Scottish metal, Alestorm and Saor are well known, and they sing about their ancestors, the Vikings, and the beautiful landscape and history of Scotland. Do those themes influence you as well?

【JAHAN】: While I don’t think we’ve written any songs specifically about Scotland, there are a lot of Scottish sensibilities in our tongue-in-cheek lyric writing. It’s a very Scottish trait to use humour as a way to cope with terrible situations, like the state of the world right now. And of course, we’ve put bagpipes on a song!

Q3: スコットランドのメタルといえば、ALESTORM や SAOR が有名ですが、彼らは祖先やヴァイキング、スコットランドの美しい風景や歴史について歌っていますね。そういったテーマはあなたにも影響を与えていますか?

【JAHAN】: スコットランドについて特別に書いた曲はないと思うけど、僕たちの毒のある歌詞の書き方には、スコットランド的な感覚がたくさんあるんだよ。 今の世界情勢のようなひどい状況に対処する方法としてユーモアを使うのは、とてもスコットランド的な特徴だ。もちろん、バグパイプを使った曲もあるしね!

Q4: Some people describe your music as a European version of Avenged Sevenfold or the marriage of Iron Maiden and Leprous. Indeed, it’s an interesting combination, too catchy for prog metal and too complex for power metal, would you agree?

【JAHAN】: Those are certainly some flattering comparisons because I love all those bands! But you’re right, I often think Tiberius has a little bit of an identity crisis, some critics think we’re “not prog enough” just because we’ve managed to take complicated rhythms, song structures and techniques and make them approachable to the listener while others think we’re either too heavy or too intense for Power Metal. I’m proud of it, we have something for everyone if you open your mind to it, and if you don’t that’s your loss because we’re not changing!.

Q4: あなたたちの音楽を、ヨーロッパ版 AVENGED SEVENFOLD、あるいは IRON MAIDEN と LEPROUS の婚姻と表現する人もいます。 確かに、プログ・メタルとしてはキャッチーすぎるし、パワー・メタルとしては複雑すぎる、面白い組み合わせですよね?

【JAHAN】: 君の挙げたバンドはどれも大好きだから、確かにお世辞としても良い比較対象だね! 複雑なリズムや曲の構成、テクニックを、リスナーにとって親しみやすいものにしているというだけで、”プログレとしては物足りない” と考える批評家もいる。
一方で、”パワー・メタルとしては重すぎる” “激しすぎる” と考える人もいる。僕はそれを誇りに思っているんだ。もし君が心を開いてくれさえすれば、僕たちは誰にとっても何かを与えることができるし、もし君が心を開かないのなら、それは君の損失となる!

Q5: I really love the music video for “Mosaic” !In fact, I feel it is one of the greatest videos in metal history! Everyone is smiling, uplifting, and really kind. Metal is usually associated with grotesque corpses, heroic warriors, and terrifying demons, but you have completely destroyed those stereotypes, haven’t you?

【JAHAN】: Thank you! I’m really proud of how that came out. I was inspired by some horrible looking clothing from a menswear brand and I pitched the idea to Chris as it works so well with the lyrical content for Mosaic, being someone completely different when no one is watching. I think as a band, we very much try to be as authentic as we possibly can be, in a world of bands trying to be scary, masculine and tough, we’re just not like that as people, we like to think we’re cutting through the noise by being different and being honest about who we are.

Q5: “Mosaic” のミュージック・ビデオは本当に素晴らしいですね!実際、メタル史上最高の MV のひとつだと思いますよ! みんなが笑顔で、アップリフティングで、本当に優しさが感じられますね。
メタルというと、グロテスクな死体、英雄的な戦士、恐ろしい悪魔といったイメージがありますが、TIBERIUS はそういった固定観念を完全に壊していますよね?

【JAHAN】: ありがとう!あのミュージック・ビデオで実現したことを本当に誇りに思っているよ。あるメンズ・ウェアーのブランドのひどい見た目の服にインスピレーションを得て、人は誰も見ていないときはまったく別人になるという、”Mosaic” の歌詞の内容ととてもよく合うから、あのビデオのアイデアを Chris に提案したんだ。
バンドとして、僕たちは可能な限り本物で、信頼できる存在であろうと努めているんだ。怖くて男らしく、タフであろうとするバンドの世界の中で、僕たちはどう考えてもそういう人間じゃない。僕たちはメタルのステレオタイプとは違っていて、自分たちがどんな人間かについて正直であることで、雑音を跳ね除けられると思いたいんだ。

Q6: The artwork also breaks the metal mold with its bright pinks and blues! “Singing for Company” in a way symbolizes that metal is now a music of tolerance and unity?

【JAHAN】: We love bright colours! We vibes with these colours on the video shoot for Dissipate back in 2018 and have made them a consistent theme in our band ever since through our live show production, artwork, or even my pink and blue guitars!

Q6: アートワークも鮮やかなピンクとブルーでメタルのステレオタイプとは明らかに異なりますね。 “Singing for Company” はある意味、メタルが今や寛容と団結の音楽であることを象徴しているような気がします。

【JAHAN】: 僕たちは明るい色が大好きでね! 2018年に “Dissipate” のビデオ撮影でこの色にバイブスして、それ以来、ライブの演出やアートワーク、あるいは僕のピンクとブルーのギターを通して、この色をバンドの一貫したテーマにしてきたんだ!

Q7: At the same time, I feel that there now exists an important role for power metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【JAHAN】: You’re right, people need to escape the harsh realities of life sometimes, but you can’t ignore them forever! There’s definitely some influences for me, growing up I was a huge X Japan fan and I listen to a lot of J-Rock these days too such as The Gazette, The Back Horn, Miyavi and Loudness so perhaps some of those have snuck into my songwriting over the years!

Q7: 同時に、パワー・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが今、暗い世界からの逃避先として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオゲームも似た役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はありますか?

【JAHAN】: 君の言うとおり、人は時には人生の厳しい現実から逃れる必要があるけど、それを永遠に無視することはできないね。日本文化は間違いなく僕に影響を与えている。
僕は子供の頃から X Japan の大ファンで、最近では The Gazette、The Back Horn、MIYAVI、LOUDNESS といった J-ROCK もよく聴いているので、おそらくそれらのいくつかが長年にわたって僕のソングライティングに浸透しているのだろうね。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【JAHAN】: Yeah, the world is super messed up right now, more so than it has been for a long time. Metal bands have the opportunity to speak up about injustice in the world through their music but also use their platforms and influence to spread the word. Local music scenes have the opportunity to build communities and safe spaces for those marginalised by hate groups. The world only gets better if we make it better and music is powerful in SO many ways!

Q8: パンデミック、戦争、分断、差別、抑圧と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い場所になっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょう?

【JAHAN】: そう、世界は今、これまで以上にめちゃくちゃになっている。メタル・バンドには、音楽を通じて世界の不正義について声を上げる機会があるだけでなく、プラットフォームや影響力を利用してその言葉を広める機会もあるんだよ。
僕らの地元の音楽シーンには、ヘイト・グループによって疎外された人々のためのコミュニティと安全な場所を生み出す機会がある。僕たちが世界をより良くさえすれば、世界はより良くなるだけで、音楽はそういう意味で非常に多くの点で強力なツールなんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JAHAN’S LIFE!!

The Offspring “Conspiracy of One”

Kiss “Self Titled”

Slipknot “Iowa”

Dream Theater “Scenes from a Memory Part 2”

Protest The Hero “Fortress”

MESSAGE FOR JAPAN

Hello Japan! We would really love to come play in your beautiful country one day, so please tell all your friends about us and make sure to pick up your copy of Singing For Company from Disk Union!

日本のみんな、こんにちは! いつか君たちの美しい国で演奏したいと思っているよ。だから、ぜひ友人に僕たちのことを話して、ディスク・ユニオンで “Singing For Company” を手に入れてほしいな!

JAHAN TABRIZI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VALHALORE : BEYOND THE STARS】 JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE OF VALHALORE !!

“Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.”

DISC REVIEW “BEYOND THE STARS”

「オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ!」
VALHALORE。ヴァルハラの伝承という、まるで北欧神話から抜け出てきたような名前の彼らは、実はオーストラリアのバンドです。太陽の日差しが降りそそぐグレート・バリアリーフと、極寒の北欧神話はあまりにも正反対ですが、だからこそ VALHALORE は欧州的なサウンドを探求しました。そこにないなら、自分たちが作ればいい。ヘヴィ・メタルの寛容さは、ルール違反を罰することなどありません。
「僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ! 」
ただし、その欧州的なサウンドは実にカラフルで、魅力的。なぜなら、彼らの根底には、白夜の太陽 WINTERSUN から流れる “混血の美学” を受け継いでいるから。WINTERSUN のセルフ・タイトルと “Time” が、21世紀を代表する北欧メタルの逸品であることに疑いの余地はありませんが、その傑作の誕生に寄与したのがまさにその “混血の美学” であり、モダン・メタルらしい多様性でした。
メロデス、パワー・メタル、フォーク・メタル、シンフォニック・メタル、プログ・メタル…どのジャンルにも収まりきらない面妖でしかし起伏と驚きに満ちたオーロラの楽曲は、凄まじいシュレッドと様々な民族楽器に彩られた理知的なごった煮。VALHALORE の探求する北欧神話の宇宙には、明らかにあの “Time” と同様の美しき “混血の美学” が宿っています。
「僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!」
マンドリン、チェロ、パイプ、ホイッスルに縦笛、横笛。さらに和楽器の琴まで使用する伝統民族楽器のるつぼもまた、VALHALORE の魅力のひとつ。Sophie の操る艶やかな管楽器は、硬質な彼らの音楽を徐々に溶かして、テンポの速いメタルの嘶きに濃密なアクセントを加えていきます。
ここにのチェロとマンドリンの欧州的で荘厳な響きが加わることで、力強いメタルとオーガニックで本格的なフォークの生命が見事に重なり合います。さらに、佳曲 “Heart on the Sea” には、あの Anna Murphy が参加。ELUVEITIE で培った先駆者の威厳を見せつけながら、このジャンルの弛まぬ進化に目を細めます。そう、歴史に彩られたフォーク・メタルもまた、歴史を重ね、その文化を広げているのです。
今回弊誌では、ボーカル、チェロ、マンドリンとひとり三役の Lachlan Neate にインタビューを行うことができました。「僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ」 来日も決定。どうぞ!!

VALHALORE “BEYOND THE STARS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【LACHLAN】: Like most kids, I grew up listening to the music my parents listened to on our long road trips around Australia. I grew up on ABBA, The Beatles, Bee Gees, Beach Boys, Eagles. This is where my love for vocal writing and arranging came from.
Then as I got older, I moved towards Led Zeppelin, Deep Purple, KISS and Black Sabbath. Since then, I dove deeper and deeper into heavier music, staring at punk, now all the way to extreme metal.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【LACHLAN】: 他のキッズと同じように、僕は両親がこの広いオーストラリアを車で旅行するときに聴いていた音楽を聴いて育ったんだ。ABBA, THE BEATLES, THE BEACH BOYS, THE EAGLES…ヴォーカルのライティングやアレンジへの思いは、ここから生まれたんだ。
それから歳をとるにつれて、僕の興味は LED ZEPPELIN, DEEP PURPLE, KISS, BLACK SABBATH へと移っていった。それ以降、パンクから始まり、今ではエクストリーム・メタルまで、よりヘヴィーな音楽へとどんどん深みにはまっていったんだ。

Q2: Australia is now famous for prog metal like Karnivool and Caligula’s Horse, but what made you decide to do European-style symphonic folk metal?

【LACHLAN】: Simply, there wasn’t a lot of the “European” sounding bands in Australia, so we wanted to write and perform the music that we wanted to listen to and see over here! That said, we love the Aussie prog scene, particularly our friends Caligula’s Horse and Voyager.

Q2: オーストラリアは近年、KARNIVOOL や CALIGULA’S HORSE のようなプログ・メタルが有名ですが、なぜよりヨーロッパ風のシンフォニック・フォーク・メタルをやろうと思ったのですか?

【LACHLAN】: 単純に、オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ! とはいえ、オージーのプログ・シーン、特に友人のCaligula’s HorseやVoyagerは大好きだよ。

Q3: However, your music transcends various genres, and that’s what’s really great about it! Power metal, folk metal, melodeath… In a way, you represent a diverse range of modern metal, would you agree?

【LACHLAN】: We never have tried to put ourself into one musical “box”. The six of us all listen to a wide variety of different music from Jazz to classical to metal, so I think our individual influences all shine through in our music. We’ve never tried to be “the next” anyone, just “the first” Valhalore.

Q3: ただ、あなたの音楽は様々なジャンルを超越していますよね! パワー・メタル、フォーク・メタル、メロデス…ある意味、VALHALORE の音楽はモダン・メタルの多様性を象徴していると言えるのではないでしょうか?

【LACHLAN】: 僕たちは、自分たちをひとつの音楽的な “箱” に押し込めようとしたことはないんだ。僕たち6人は皆、ジャズからクラシック、メタルまで幅広いジャンルの音楽を聴いているから、それぞれの影響が VALHALORE の音楽にも表れていると思う。つまり、僕たちは “次の誰か” になろうとしたことはなく、ただ “最初の” VALHALORE になろうとしただけなんだよね。

Q4: Valhalore has great, well-crafted lyrics, but “Beyond the Stars” stays away from the folk-metal-esque historical fantasy, right? Why is that?

【LACHLAN】: For Beyond The Stars, I wanted to create a lyrical universe that was more about the human experience, rather than a “story” narrative. I wanted the lyrics to be more raw and emotional, something that people would latch onto and be able to relate to in their own lives.

Q4: VALHALORE は練り込まれた歌詞も素晴らしいのですが、”Beyond the Stars” はフォーク・メタル的な歴史ファンタジーから遠ざかっていますよね?

【LACHLAN】: “Beyond the Stars” では、”ストーリー” 的な物語というよりも、人間的な経験についての歌詞の世界を作りたかった。 歌詞は一般的なフォーク・メタルのファンタジーよりももっと生々しく、感情的で、人々が自分の人生において共感できるようなものにしたかったんだ。

Q5: The ethnic instruments played by Sophie are a great addition to the album and one of the faces of the band. Can you tell us about the advantages and difficulties of incorporating such ethnic instruments into metal?

【LACHLAN】: When Anthony wrote the first album (Voyage Into Eternity) he was just writing music for his own enjoyment and that he wanted to write, never planning for it to become a band. As we’ve progressed, Sophie’s whistle and woodwind instruments have become an iconic aspect of our sound. The challenge mainly comes for our live sound engineer, having to mix a gentle acoustic instrument against the ferocity of a metal band!

Q5: Sophie が演奏する民族楽器は、アルバムに素晴らしいアクセントを加え、バンドの顔の一つとなっていますね。民族楽器をメタルに取り入れることの利点と難しさについて教えていただけますか?

【LACHLAN】: Anthony が最初のアルバム( “Voyage Into Eternity” )を書いたときは、ただ自分が楽しみたい、自分が書きたい音楽を書いていただけで、それがバンドになるとは考えていなかった。だけど僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。
ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!

Q6: Anna Murphy is one of the pioneers in bringing ethnic instruments into the metal world, why did you have her as a guest?

【LACHLAN】: We have all been longtime fans of Eluveitie, and subsequently Anna’s other projects. We love her work as a vocalist and as a musician, so having her as a guest on this album was really a dream come true. Her haunting vocal quality was perfect for the feel of Heart of the Sea, so she was a natural choice of guest vocalist.

Q6: Anna Murphy はメタルの世界に民族楽器を持ち込んだ先駆者の一人ですが、なぜ彼女をこのアルバムのゲストに迎えたのですか?

【LACHLAN】: 僕たちは皆、ELUVEITIE の長年のファンであり、その後の Anna の他のプロジェクトにも大好きなんだ。 ヴォーカリストとして、またミュージシャンとしての彼女の仕事が大好きだから、このアルバムにゲスト参加してもらうのは本当に夢のようなことだった。
彼女の心に響くヴォーカルは、”Heart of the Sea” の雰囲気にぴったりだったね。だから、ゲスト・ヴォーカリストに選んだのは自然なことだったよ。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【LACHLAN】: We have always aimed to bring an uplifting and empowering energy to our music, and therefore, our fans. We are all greatly inspired by movie and video game soundtracks, so there’s definitely a lot of influences from Japanese culture. We love bands like Wintersun who really utilise Japanese instruments, and we do as well. I even played the Koto for our song Aether!

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、この暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームもそうした役割を果たしていると思うのですが、日本文化からの影響はありますか?

【LACHLAN】: 僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ!

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【LACHLAN】: Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い雲に覆われていきました。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょう?

【LACHLAN】: 僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LACHLAN’S LIFE!!

Wintersun “Time”

Trivium “Shogun”

Deep Purple “Machine Head”

Nightwish “Once”

Blind Guardian “A Twist in the Myth”

MESSAGE FOR JAPAN

We are so excited to come back and see you all in 2026 and beyond! Be sure to come and party with us in Tokyo this March (on my birthday too)! Yabai!

2026年、そしてそれ以降も、またみんなに会えることをとても楽しみにしているよ! 今年の3月(僕の誕生日でもある)には、ぜひ東京で一緒にパーティーをしよう! ヤバイね!

LACHLAN NEATE

来日公演の詳細はこちら。Evoken de Valhall Production

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日本盤のご購入はこちら。Ward Records

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WINGS OF STEEL : WINDS OF TIME】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PARKER & LEO OF WINGS OF STEEL !!

“Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.”

DISC REVIEW “WINDS OF TIME”

「ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる」
SNS という人間のほんの一面だけを切り取って強調し、分断を加速させる悪魔のツールに汚染された現代社会において、ヘヴィ・メタルほど一体感や前向きな力を得られる場所は他に多くはないでしょう。ヘヴィ・メタルを聴いている間は、体感している間は、ライブを浴びている間は孤独から解放される。異なる意見、異なる国籍、異なる文化、異なる人種であっても、ヘヴィ・メタルにおいてはひとつになれる。ヘヴィ・メタルの回復力で困難を克服できる。
そんな素晴らしきヘヴィ・メタルの世界は、その寛容さ故に伝統や壁を破壊し、様々なジャンルや文化を養分として、細分化という枝葉を瑞々しく伸ばしています。だからこそ一方で、”バンディエラ”、旗頭の欠如という問題に直面しているのかもしれませんね。自由極まりないメタル世界だからこそ、メタルらしいメタルをやりづらい、焼き直しになりかねない。WINGS OF STEEL はそんなメタル世界で “時の風” を駆け抜け、”現代的な” 伝統的ヘヴィ・メタルを復活させ、メタルのバンディエラへ堂々たる名乗りをあげたのです。
「80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ」
メタルのメタルらしいバンディエラとなるためには、ソング・ライティング、ミュージシャン・シップ、メロディ、そして揺るぎない個性…そのすべてが必要とされますが、WINGS OF STEEL はまさにその “すべて” を兼ね備えています。彼らには、あの “Painkiller” で JUDAS PRIEST が提示した強烈なテクニックを超越した現代技巧の最高峰が備わっていますし、IRON MAIDEN が “Somewhere In Time” で刻み込んだ作曲術の極みも宿っています。そして憂を帯びた雄々しきメロディと11分の長尺曲で勝負する強い個性。つまりWINGS OF STEEL には、80年代にメタルを牽引した二大巨頭に備わる奇跡的な才能と似た可能性を確実に秘めているのです。
「80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。 VICIOUS RUMORS や初期の QUEENSRYCHE, METAL CHURCH, CRIMSON GLORY, RIOT といったバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ」
加えて重要なのは、彼らがまだ20代という若さにして、私たちの愛する古き良きアメリカン・ヘヴィ・メタルの真髄を極めていることでしょう。当時パワー・メタルと呼ばれていたアメリカのメタル・ソルジャーたちは、メタルという狭い枠の中でいかに個性を、フックを、起伏を出せるかに心血を注いでいました。そうした伝統や格式の中に光るアイデンティティ、不自由の中の自由を、WINGS OF STEEL は誰よりも今、謳歌しているのです。
そう、21世紀最初のメタル四半世紀が過ぎ、メタルは原点への回帰を志向します。何よりも、耳馴染みがよく歌えて聴きやすい。流行りの NWOTHM、ETERNAL CHAMPION や HAUNT のいなたさも悪くはないですが、WINGS OF STEEL のトラディショナル・ヘヴィ・メタルはもっと明快でわかりやすく、より多くのリスナーにアピールし、鋼鉄の翼を広げてアリーナへと上り詰めるはずです。
今回弊誌では、ギタリストの Parker Halub と ボーカリスト Leo Unnermark にインタビューを行うことができました。「パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ」 ギターソロに見事なストーリーがあり、ボーカルの声質も相まって STRATOVARIUS を想起させる場面も。とにかく、DIO の “Lock Up the Wolves” が人生を変えたアルバムなのですから、間違いありませんね。どうぞ!!

WINGS OF STEEL “WINDS OF TIME” : 10/10

INTERVIEW WITH PARKER & LEO

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【PARKER & LEO】: Growing up, we listened to a wide range of music. Beyond heavy metal, Leo was raised on and gravitated toward a lot of 70s hard rock and contemporary blues, while Parker, alongside metal, discovered bands like Journey and many of the early NWOBHM groups at a young age.
That said, much of what left the deepest impression on both of us came from the 70s and 80s hard rock/heavy metal era. This era shaped our sense of melody, atmosphere, and emotional storytelling in a very fundamental way and is where our musical backgrounds came together to create something unique.
At the same time, we were always curious and open to different sounds and genres, and we believe that having a strong foundation while remaining open-minded, naturally shaped how we approach music today.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは幅広い音楽を聴いて育ったんだ。Leo はヘヴィ・メタル以外にも、70年代のハード・ロックやコンテンポラリー・ブルースを聴いて育ち、そこから影響を受けた。一方 Parker はメタルに加え、JOURNEY や初期のNWOBHM バンドを若い頃に数多く発見したんだ。
とはいえ、僕たち二人に最も深い印象を残した音楽の多くは、70年代と80年代のハード・ロック/ヘヴィ・メタル時代から来ているね。この時代は、僕たちのメロディー、アトモスフィア、そして感情的なストーリー・テリングのやり方を根底から形作った。そこに、それぞれの音楽的バックグラウンドが融合して、他に類を見ない音楽を生み出すことができたんだ。
同時に、僕たちは常に好奇心旺盛で、様々なサウンドやジャンルにオープンだった。そして、強固なメタルの基盤を持ちながらもオープンマインドであり続けたことが、今の僕たちの音楽へのアプローチを自然と形作っている…そう信じているよ。

Q2: I am truly amazed at your ultra-high technique ! What musicians were your heroes?

【PARKER & LEO】: We’ve always been drawn to music that combines strong technical ability and musicality with emotional expression. Players and singers who didn’t just impress technically, but who also knew how to tell a story through their playing and writing, naturally became our heroes.
This includes, but is not limited to, artists such as John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, and Paul Rodgers.
Many of the classic artists from the 70s and 80s left a lasting mark on us ― not only for their skill, but for the standards they set in songwriting, arrangement, and musical identity, and for how their collaborations helped define entire eras of heavy music. Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.

Q2: WINGS OF STEEL の超絶テクニックには本当に驚かされます! どんなアーティストがヒーローだったんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは常に、高い技術力と音楽性、そして感情表現が融合した音楽に惹かれてきたんだ。技術的に優れているだけでなく、演奏と作曲を通して物語を伝える術を知っているプレイヤーやシンガーは、自然と僕たちのヒーローになっていったね。
John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, Paul Rodgers…といったアーティストがそうだし、もちろん彼らに限らず、多くのアーティストに当てはまることだけどね。
70年代と80年代の名だたるアーティストの多くは、僕たちに忘れがたい影響を与えてくれた。それは、彼らの技術だけでなく、作詞作曲、アレンジ、そして音楽的アイデンティティにおいて、彼らが打ち立てた高い基準を浴びることができたということなんだ。そして彼らのコラボレーションがヘヴィ・ミュージックの時代を形作る上でいかに貢献したか。パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ。技術そのものに重点を置くのではなく、そのバランスこそが僕たちの目指すものなんだよ。

Q3: What’s great about you is that you’re not power metal, prog metal, or melodeath, but rather you’re going for traditional, bare-bones heavy metal, but updating it for the modern age! In fact, why do you pursue such straightforward heavy metal?

【PARKER & LEO】: We definitely see ourselves as rooted in heavy metal. That said, our music is intentionally diverse, in much the same way that early heavy metal albums often were ― where you’d find unexpected outliers, mood shifts, and songs that stood apart from one another, rather than records that simply follow one tempo and one formula all the way through.
We’re simply doing what feels honest to us musically. Our goal is to create powerful music that feels expressive, varied, and emotionally driven, and to let that spirit evolve naturally in a modern context. Heavy metal is our strongest foundation, but we use it as a broad language rather than a narrow lane ― which keeps the music alive and unpredictable.

Q3: WINGS OF STEEL が素晴らしいのは、パワー・メタルでもプログ・メタルでもメロデスでもなく、伝統的で骨太なヘヴィ・メタルを追求しながら、それを現代向けにアップデートしているところですよ! 実際、なぜあなたは、今ではほぼ消えてしまったストレートなヘヴィ・メタルを追求しているのですか?

【PARKER & LEO】: 僕らは間違いなくヘヴィ・メタルに根ざしていると考えているよ。とはいえ、初期のメタル・アルバムによく見られたように、僕らの音楽は意図的に、メタルという枠の中で多様性を追求しているんだ。つまり、予想外の要素、ムードの変化、そしてそうした感覚が際立つ曲が収録されているんだよ。ただ、ずっと同じテンポ、同じフォーミュラを踏襲したアルバムではなくね。
僕らはただ、音楽的に正直だと感じることをやっているだけなんだ。目指すのは、表現力豊かで、多様性に富み、感情に突き動かされる力強い音楽を作り、その精神を現代の文脈の中で自然に進化させること。ヘヴィ・メタルは僕らの最も強力な基盤だけど、それを狭い範囲に限定するのではなく、広い言語として使っている。それが音楽を生き生きと、予測不可能なものにしているんだよ。

Q4: NWOTHM like Haunt and Eternal Champion have become popular in recent years, but you guys are clearly playing a different kind of traditional heavy metal. It’s more solid, tight, technical, modern, and very tense, and I like your traditional heavy metal a lot better, but how do you feel about NWOTHM bands and the way they do things?

【PARKER & LEO】: We think it’s a very positive thing that heavy metal as a whole is seeing new energy, new bands, and a growing audience. Any movement that helps keep heavy metal alive, visible, and evolving is ultimately a good thing for the style. That said, we’ve never really approached our music through movements, waves, or in relation to other bands. Our focus has always been on developing our own musical identity and paving our own path.
So while we respect and encourage what others are doing ― and genuinely want the best for the style as a whole ― we stay very focused on our own journey, shaping a sound that reflects who we are and what we want Wings of Steel to become in the long run.

Q4: 近年、HAUNT や ETERNAL CHAMPION のような NWOTHM が人気を博していますが、あなたたちは明らかに彼らとは異なる伝統的なヘヴィ・メタルをやっていますよね?
よりソリッドで、タイトで、テクニカルで、モダンで、とても緊張感があり、私は古臭さを感じさせないあなたたちの解釈がより気に入っています。NWOTHM のバンドやそのやり方についてはどう思っていますか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタル全体に新たなエネルギー、新しいバンド、そして観客の増加が見られることは、非常に前向きなことだと考えているよ。ヘヴィ・メタルを存続させ、目に見える形で、そして進化させ続けるムーブメントは、究極的にはこのスタイルにとって良いことだからね。とはいえ、僕たちはムーブメントやウェーブ、あるいは他のバンドとの関係性を通して音楽にアプローチしてきたことはない。常に自分たちの音楽的アイデンティティを築き、独自の道を切り開くことに重点を置いてきたんだよ。
だから、他のアーティストの活動を尊重し、奨励し、そしてこのスタイル全体の最善を心から願う一方で、僕たちは自分たちの歩みにしっかりと焦点を当て、自分たちのアイデンティティ、そして WINGS OF STEEL を長期的にどうしていきたいかを反映したサウンドを形作っているだけさ。

Q5: Still, it’s great that you are still so young and respect the great American heavy metal of the 80’s like Vicious Rumors, Metal Church, early Queensryche, Crimson Glory and Riot! How did you get to know them and what did you like about them?

【PARKER & LEO】: We definitely have a lot of respect for the great heavy metal that came out of the 80s, and those bands are an important part of the genre’s history. That era played a huge role in shaping heavy metal as a whole, and naturally many of those records became part of our musical discovery along the way.
We came across a lot of that classic material the same way most metal fans do ― by digging deeper into the roots of the music, exploring record collections, recommendations, and following the trail of where the sound we love originally came from. What resonates most with us about that era isn’t tied to a single group of bands, but to the overall spirit: strong songwriting, real musicianship, powerful melodies, and a sense of identity that felt honest and uncompromising.In terms of bands that have had a particularly strong influence on Wings of Steel, groups like – but not limited to; Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, and The Firm – have all played an important role in shaping our musical foundation.

Q5: それにしても、あなたがまだ若いのに、VICIOUS RUMORS や METAL CHURCH, 初期の QUEENSRYCHE, CRIMSON GLORY, RIOT のような80年代の偉大なアメリカン・メタルをリスペクトしているのは素晴らしいことです! 彼らをどうやって知り、彼らのどんなところが気に入ったのですか?

【PARKER & LEO】: 80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。君が挙げたバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ。
僕たちは、多くのメタル・ファンと同じように、音楽のルーツを深く掘り下げ、レコード・コレクションを増やし、おすすめを探り、愛するサウンドがどこから来たのかを辿ることで、あの名曲の数々に出会っていった。80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ。
WINGS OF STEEL に特に大きな影響を与えたバンドとしては、例えば以下のようなバンドが挙げられるけど、ここに限定されるわけではないよ。 Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, The Firm など…こうしたバンドは、僕たちの音楽的基盤を形成する上で重要な役割を果たしてきたんだよ、

Q6: The album opener, “Winds of Time” is a great song, full of ups and downs, melody and technique, but it’s a whopping 11 minutes long! The unexpectedness of starting with such a big song is also your appeal, would you agree?

【PARKER & LEO】: Yeah, we agree. It was the first song we finished while writing the album, and from that moment we knew we wanted it to become not only the title track, but also the debut single ― with a music video to match. Opening the record with it was our way of setting the tone right away and inviting the listener fully into the world of the album.
We’re not afraid of letting songs breathe and evolve if that’s what the music calls for. That said, we didn’t set out to write a long piece simply “for the sake of it”― it was about giving the song the space it needed to unfold naturally. In many ways, it reflects how we approach music as a whole: we’d rather follow the emotional arc of a song than shape it around expectations or formats.

Q6: アルバムのオープニングを飾る “Winds of Time” は、起伏に富み、メロディとテクニックにあふれた素晴らしい曲ですが、なんと11分もありますね! 大曲から始まる意外性も、このバンドの魅力ですね?

【PARKER & LEO】: その通りだよ。”Winds of Time” はアルバム制作中に最初に完成した曲で、その瞬間からタイトル曲としてだけでなく、デビュー・シングルとして、そしてそれに合わせたミュージック・ビデオとしてリリースしたいと思っていたんだ。アルバムのオープニングをこの曲で飾ることで、作品の雰囲気を一気に盛り上げ、リスナーをアルバムの世界に完全に誘うことができだと思う。
僕らは音楽がそれを求めているのであれば、曲に息吹を与え、進化させることを恐れていないんだ。とはいえ、”ただ単に” 長い曲を書こうとしたわけではないよ。曲が自然に展開していくために、必要な空間を与えることが長さの要因だった。これは僕たちの音楽へのアプローチ方法を反映しているよ。僕たちは、曲を期待やフォーマットに合わせて形作るよりも、曲の感情の流れに沿っていくことを望んでいるからね。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【PARKER & LEO】: Our music is inspired directly by our own experiences and observations, and since we haven’t yet had the chance to visit Japan ― either as a band or as individuals ― we can’t honestly say that there has been a strong, direct influence in a specific stylistic sense. That said, we’re deeply fascinated by Japanese culture, and by the way anime, games, and storytelling in general embrace imagination, emotion, and immersive worlds.
We also strongly connect with the idea of creating shared experiences that promote unity rather than division ― something that feels very present in Japanese culture. We work with and know many people who travel to Japan regularly, and for many of them it’s their favorite place to return to whenever they get the chance. We’re very much looking forward to experiencing it ourselves, and we’re sure our first visit will be nothing short of extraordinary.

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、近年の暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームも同じ役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はあるんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちの音楽は、僕たち自身の経験や観察から直接インスピレーションを得ているんだ。バンドとしても個人としても、まだ日本を訪れる機会がないから、特定のスタイルにおいて強い直接的な影響を受けたとは正直言えないよ。とはいえ、僕たちは日本の文化、そしてアニメ、ゲーム、そして物語全般における想像力、感情、そして没入感のある世界観に深く魅了されているよ。
また、分断ではなく一体感を促進する共有体験を生み出すという考え方にも強く共感していてね。これは日本文化に深く根付いているものだよね。僕たちは、日本を定期的に訪れる多くの人々と仕事をしたり、知り合いになったりしているけど、彼らにとって日本は機会があればいつでも戻りたいお気に入りの場所となっている。僕たち自身も日本を体験することをとても楽しみにしているし、初めての訪問は間違いなく素晴らしいものになるだろうな。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【PARKER & LEO】: Heavy metal has always been more than just music. It’s a place where people can come together, feel understood, and find strength in something larger than themselves. In difficult times, it becomes a space for release, reflection, and connection.
It gives people a way to process fear, anger, hope, and resilience, and to transform those emotions into something empowering rather than isolating. Heavy metal creates community and reminds people that they’re not alone, and offers a sense of unity that goes beyond borders, language, or background, something that we see daily within our own fan base and that gives us a great sense of purpose and motivation. In a world that often feels divided and uncertain, music can still be a voice of honesty, strength, and shared human experience ― and that makes its role in today’s world more important than ever.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗くなっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。
恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる。
それは僕たち自身のファンベースの中でも日々感じられ、大きな目的意識とモチベーションを与えてくれている。分断と不確実性を感じることの多いこの世界においても、メタルは誠実さ、強さ、そして共有された人間体験の声となり得るんだ。だからこそ、現代​​社会において音楽の役割はこれまで以上に重要なんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED PARKER & LEO’S LIFE!!

Black Sabbath “Heaven and Hell”

Judas Priest “Sad Wings of Destiny”

Bruce Dickinson “The Chemical Wedding”

Whitesnake “1987”

Dio “Lock Up the Wolves”

MESSAGE FOR JAPAN

We’ve noticed a steady and fast-growing audience in Japan, especially following the release of our two latest albums, and it truly means a lot to us. Seeing that level of support from the other side of the world is incredibly inspiring, and with the growing demand, it really feels like it’s only a matter of time before we finally make our Japanese live performance debut and get the chance to meet you all in person.
Thank you so much for supporting the band, spreading the word, and being part of the Wings of Steel journey.
Our latest album Winds of Time, as well as our first full-length record Gates of Twilight, are available on CD in Japan via Rubicon Music ― and we can’t wait for the day we get to bring this music to you live!

特に最新2枚のアルバム・リリース以降、日本のファンが着実に、そして急速に増えていることを実感していて、それは僕たちにとって本当に大きな意味を持っているんだ。地球の反対側からこれほど多くの応援をもらって、本当に感激しているよ。そして、ますます高まるこの需要に応えて、ついに日本でのライブ・デビューを果たし、みんなに直接会えるのも時間の問題だと感じているんだ。
バンドを応援し、情報を拡散し、WINGS OF STEEL の旅路に加わってくれて、本当にありがとう!
最新アルバム “Winds of Time” と、初のフルアルバム “Gates of Twilight” は、日本でRubicon MusicよりCDで発売中。この音楽をライブでみんなに届けられる日が待ち遠しいね!

WINGS OF STEEL

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN : SYMPHONY OF THE UNIVERSE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CRISTIANO FILIPPINI OF FLAMES OF HEAVEN !!

“Power Metal and AOR must be about love, positivity, inner strength, battles that take place inside and outside of us, and a sense of justice. So I think Knights of the Zodiac represent not only my favorites, but also perfect examples of how to convey this message.”

DISC REVIEW “SYMPHONY OF THE UNIVERSE”

「パワー・メタルやAORは、愛、ポジティブさ、内なる強さ、自分の内外で起こる戦い、そして正義感について語らなければならないと思う。同時に、”聖闘士星矢”、”北斗の拳”、”ドラゴンボール”、”ベルセルク” といった日本のアニメも、僕のお気に入りであるだけでなく、そうしたメッセージを伝える完璧な作品でもあると思う。だからこそ、このアルバムが日本の漫画やアニメのファンに届くことを心から願っているんだよ」
仲間を信じ合う “友情”、目標達成のため苦難に耐え励む “努力”、そして最後まで諦めず勝利を目指す “勝利”。80年代から90年代にかけて、日本のアニメや漫画はそうしたポジティブでストイックなムードにあふれていました。まだまだ暴力や抑圧、不条理が蔓延していた当時の学校や子供の社会で、私たちはそうした “エンターテイメント” から、前向きな生き方や優しさ、倫理観を学んでいたのかもしれませんね。
それからおよそ30年。当時のアニメや漫画で育った子供たちは成熟し、さまざまな分野でその影響を発揮するようになりました。その波は日本国内に止まりません。イタリアの Cristiano Filippini 率いる FLAMES OF HEAVEN もそうしたアーティストのひとつ。彼らはアートも生き方も複雑を極める現代で、愛や友情、正義といったいつの世も変わらぬ不変の真理にコスモを燃やしています。そのための乗り物として、パワー・メタルや AOR は完璧な “ペガサス”。なぜなら、パワー・メタルのファンタジーはいつの時代もそうしたポジティブな心に寄り添ってきたのですから。
「”聖闘士星矢” にインスパイアされたアルバムの全曲は、最初のシリーズ “サンクチュアリ編” のいくつかのシチュエーションを描写していると言える。曲のタイトルにも登場するフェニックスの一輝やジェミニは間違いなく、漫画の中で最も魅力的で重要で複雑なキャラクターの2人だからね。 しかし、僕のお気に入りのキャラクターは、星矢、紫龍、シャカ、そして童虎だ。 強さ、前向きさ、そして星矢は別としてバランスと知恵の良い例だからね」
“ペガサス幻想 そうさ夢だけは 誰も奪えない心の翼だから”。この数小節、数文字に私たちは何度助けられたことでしょう。イタリアに生まれた Cristiano もこの聖闘士星矢の美しき理想、夢、ストーリーに魅了され、大人になった今、その世界をパワー・メタルで描くことを決意します。
「もちろん “ペガサス幻想” は知っているし、素晴らしい曲で、まさにアンセムだよね。”聖闘士星矢” の公式サウンドトラックには美しい曲がたくさん収録されている。 それに、オーケストラのインストゥルメンタルにも信じられないほどインスパイアされている。傑作だよ」
普段はクラシック・アンサンブルのための作曲に注力している Cristiano。だからこそ、”Symphony of the Universe” は、サンクチュアリのサーガを描くに十分な壮大さと情熱を兼ね備えています。もちろん、イタリアの偉大な先人 RHAPSODY の血をひくクラシカルなパワー・メタルの一撃は強烈ですが、同時にイタリアが誇る Frontiers Music の流れを汲むメロディック・ハードな旋律美も内包し、ワグナーのオペラをメタルに仕立てたような長尺曲も見事。Cristiano はクラシックの作曲プロセスをそのままメタルに持ち込むのではなく、クラシックの世界からメタルを俯瞰し手を加えることで、他のアーティストとは一線を画す存在となり得ています。
同郷 TEMPERANCE の Marco Pastorino が張り上げる歌声はペガサスに乗って駆け上がり、達人 Michele Vioni のギターは廬山昇龍覇の滝の流れの如く流麗。そして Cristiano が指揮を取る鍵盤とオーケストレーションのネビラチェーンはあまりにも純美。ここには、ファンタジックでポジティブなメタルに求められる要素すべてが詰まっているのです。
今回弊誌では、Cristiano Filippini にインタビューを行うことができました。「音楽、特にこのジャンルは、人々の生活を向上させるために大いに役立つと思う。僕の音楽がどれだけ人々が困難な時期を乗り越えるのを助け、今日まったく狂っているように見えるこの世界の灰色を取り除くことができたかについて、多くのメッセージをもらうからね。僕たちは善の戦士なのだから戦わなければならないし、あきらめてはならない。人生は時に厳しいものだけど、戦うための武器はある。そのひとつが、こうしたアートなんだよ」 どうぞ!!

CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN “SYMPHONY OF THE UNIVERSE” : 10/10

INTERVIEW WITH CRISTIANO FILIPPINI

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listeningto?

【CRISTIANO】: First of all, I would like to say hello to all our Japanese fans and readers, I am very grateful to your Country. I generally listen to everything good from the late 70s to the 2000s, rock, pop, metal, soundtracks, electronic music. Then I think after that date the quality of the music dropped a lot. Few bands have caught my attention in recent years.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【CRISTIANO】: まずはじめに、日本のファンのみんな、読者の皆みんな、こんにちは! 僕は70年代後半から2000年代まで、ロック、ポップス、メタル、サウンドトラック、エレクトロニック・ミュージックなど、いいものは何でも聴いてきた。その時代に比べて、今は音楽の質がずいぶん落ちたと思う。 近年、僕の関心を引いたバンドはほとんどいないよ。

Q2: I was very impressed when I heard your guitar! The tone is so beautiful and the crystalline shimmer shines through in your fast and unique playing! In fact, what guitarist was your hero?

【CRISTIANO】: I have the opportunity here to clarify something. In Flames Of Heaven I take care of practically everything, I compose all the music, the lyrics, the vocal lines, I take care of the arrangements and orchestrations. I also compose the bass and drum guidelines. As for the guitar, I compose the rhythms and some slower, more melodic solo lines. For everything else, that is, the virtuoso solos and the beauty and perfection of the lead guitar, it is all thanks to Michele Vioni. He’s one of the best guitarists in the world, and he records the guitars for now, while I record the keyboards in the studio. Live instead I will be the rhythm guitar who will also take care of some solo. But the guitar hero is him.

Q2: あなたはギタリストでオーケストレーターだそうですが、この作品はギターのトーンがとても美しく、まるでクリスタルのような煌めきが、ファストでユニークなプレイに輝いています! あなたのヒーローはどんなギタリストだったんですか?

【CRISTIANO】: ここではっきりさせておきたいことがある。FLAMES OF HEAVEN では、実質的に僕がすべてを担当している。すべての楽曲、歌詞、ヴォーカル・ラインを作曲し、アレンジとオーケストレーションを担当しているんだ。 ベースとドラムのガイドラインも僕が作曲しているよ。
ギターに関しては、リズムと、よりスローでメロディアスなソロラインを作曲している。 それ以外のすべて、つまりシュレッド的なソロやリード・ギターの美しさと完璧さは、すべて Michele Vioni のおかげなんだ。彼は世界最高のギタリストの一人で、今のところ彼がギターを録音し、僕はスタジオでキーボードを録音している。 ライブでは僕がリズム・ギターを担当し、ソロも担当する。 でもギター・ヒーローは彼なんだ。

Q3: Still, “Symphony of the Universe” is a masterpiece ofpower metal, combining great melody, technique, andfantasy! Italy has an excellent power metal tradition,including Rhapsody and DGM. Do you have such blood inyour veins?

【CRISTIANO】: As for Rhapsody, in the classic lineup, I think they were unrivaled in their genre. DGM I think they are the best Italian prog band and beyond. By the way, they are my friend Simone Mularoni’s band, who, working with me for six months, mixed and mastered “Symphony Of The Universe.” And they’re also the last band I saw live, they played in my city a month ago. I think these two examples, added to us and 3/4 other bands, represent the best that Italian power and related metal can offer. The first Rhapsody influenced me a little, while I discovered DGM a few years ago and they also make a different genre than ours, progressive metal. They both do a different genre than us anyway.

Q3: それにしても、”Symphony of the Universe” は、素晴らしいメロディ、テクニック、ファンタジーを兼ね備えたパワー・メタルの傑作ですね! イタリアには、RHAPSODY や DGM など優れたパワー・メタルの伝統がありますが、あなたにもそうした血が流れているのでしょうか?

【CRISTIANO】: RHAPSODY に関しては、クラシックのラインナップでは、このジャンルで他の追随を許さなかったと思う。 DGM は最高のイタリアン・プログ・バンドであり、そのジャンル以上の存在だと思う。
ところで、DGM は僕の友人 Simone Mularoni のバンドで、6ヶ月間僕と一緒に働き、”Symphony Of The Universe” のミックスとマスタリングを担当してくれた。 そして、彼らは僕が最近ライブを見たバンドでもある。一月前に僕の街で演奏したからね。
この2つのバンド、それに僕らと他のバンドも加えて、イタリアのパワー・メタルとそれに関連するメタルが提供できる最高のものを表していると思う。RHAPSODY は僕に少し影響を与えたし、DGMは数年前に知ったんだけど、彼らもまた僕らとは違うジャンルのプログレッシヴ・メタルを作っている。 とはいえ、彼らは僕らとは違うジャンルをやっているけどね。

Q4: I am very glad to know that this album is inspired bySaint Seiya! The artwork also features Pegasus andconstellations, what part of that anime inspired you andwhat story did you draw from it?

【CRISTIANO】: I became very fond of “Saint Seiya”, on the cover I wanted to combine some elements, “Saint Seiya”, “Masters Of The Universe” and other religious elements dear to me, such as the cross that is in the Flames Of Heaven logo and the angels from the first album (small on the left). He could ideally represent the first knight of Pegasus, not Seiya but the warrior who first donned the armor and ideally rode the Pegasus. I would say that all the songs on the album that are inspired by this manga describe some situations from the first series “Sanctuary”.

Q4: このアルバムが “聖闘士星矢” にインスパイアされていると知って、とても嬉しく思っています! アートワークにもペガサスや星座が描かれていますが、あのアニメのどの部分からインスピレーションを受けて、どんなストーリーを描きましたか?

【CRISTIANO】: 僕は “聖闘士星矢” がとても好きだから、ジャケットには “聖闘士星矢”、”Masters Of The Universe” 、そして FLAMES OF HEAVEN のロゴにある十字架やファースト・アルバムの天使たち(左の小さい方)など、僕にとって大切な宗教的要素を組み合わせたいと思った。
主人公は理想的にはペガサスの最初の騎士といえる。星矢ではなく、最初に鎧を身にまとい、ペガサスに乗った戦士だ。”聖闘士星矢” にインスパイアされたアルバムの全曲は、最初のシリーズ “サンクチュアリ編” のいくつかのシチュエーションを描写していると言えるだろうね。

Q5: Speaking of Saint Seiya, the theme song Pegasus Fantasy(R.I.P. Nob) is like a chant for those of us who grew up onthat anime. Are you influenced by such anime theme songs and game music?

【CRISTIANO】: Of course I know “Pegasus Fantasy” and it’s a wonderful song, a real anthem. There are many beautiful songs on the official “Saint Seiya” soundtrack. Plus the orchestral instrumentals are incredibly inspired. Masterpieces. Besides that, my favorite song is “Dead Or Dead” from the “Hades” series. Stunning. Changing anime naturally here is very famous and appreciated “Tough Boy” by Tomcat from the second series of “Hokuto No Ken”. On average, Japanese symphonic and video game composers are very good. Of course, I’m also very attached to Konami’s Castlevania series.

Q5: “聖闘士星矢” といえば、主題歌の “ペガサス幻想”(R.I.P. Nob)は、あのアニメで育った私たちにとっては聖歌のようなものです。 そういったアニメの主題歌やゲーム音楽からも影響を受けているんですか?

【CRISTIANO】: もちろん “ペガサス幻想” は知っているし、素晴らしい曲で、まさにアンセムだよね。”聖闘士星矢” の公式サウンドトラックには美しい曲がたくさん収録されている。 それに、オーケストラのインストゥルメンタルにも信じられないほどインスパイアされている。傑作だよ。
それ以外に好きな曲は “黄泉がえり” シリーズの “Dead Or Dead”。素晴らしいよね。アニメなら、やはり “北斗の拳” 第2シリーズから TOM★CAT の “Tough Boy” だね。 日本のシンフォニックやゲームの作曲家はとても優れている。もちろん、コナミの “悪魔城ドラキュラ” シリーズにも愛着があるしね。

Q6: Phoenix and Gemini appear in the titles of yoursongs, but what characters and stories do you like inSaint Seiya?

【CRISTIANO】: I wrote those two songs, how much drafts, now over twenty years ago and it wasn’t a rational choice. It was natural to talk about them. They are definitely two of the most fascinating, important and complex characters in the manga. But my favorite characters are Seiya, Shiryu, Shaka and Dohko. Examples of strength, positivity and apart from Seiya aha, also balance and wisdom.

Q6: 曲のタイトルにもフェニックスとジェミニが出てきますが、”聖闘士星矢” ではどんなキャラクターやストーリーがお気に入りですか?

【CRISTIANO】: この2曲を書いたのはもう20年以上も前のことで、どれだけの原案を書いたかわからないけど合理的というよりも、彼らについて話すのはむしろ自然なことだったからね。
彼らは間違いなく、漫画の中で最も魅力的で重要で複雑なキャラクターの2人だからね。 しかし、僕のお気に入りのキャラクターは、星矢、紫龍、釈迦、そして童虎だ。 強さ、前向きさ、そして星矢は別としてバランスと知恵の良い例だからね。

Q7: You have a great love for other Japanese anime andmanga such as Hokuto No Ken, Dragon Ball, and Berserk,and I think the positive power, courage, and fantasy ofthose anime to be very much in line with power metal.How about you?

【CRISTIANO】: Exactly like that. Power Metal and AOR must be about love, positivity, inner strength, battles that take place inside and outside of us, and a sense of justice. So I think the anime you mentioned represent not only my favorites, but also perfect examples of how to convey this message. I really hope this album reaches fans of the manga and anime you mentioned.

Q7: あなたは “北斗の拳” や “ドラゴンボール”、”ベルセルク” といった日本のアニメや漫画が大好きなようですが、そうしたアニメのポジティブなパワーや勇気、ファンタジーはパワー・メタルに通じるものもありますよね?

【CRISTIANO】: まさにそうだね。パワー・メタルやAORは、愛、ポジティブさ、内なる強さ、自分の内外で起こる戦い、そして正義感について語らなければならないと思う。 だから、君が挙げたアニメは、僕のお気に入りであるだけでなく、そうしたメッセージを伝える完璧な作品でもあると思う。このアルバムが、日本の漫画やアニメのファンに届くことを心から願っているんだよ。

Q8: With Covid, war, and division, the world has beengetting darker and darker since the beginning of the 20s. For the marginalized and oppressed people, power metal fantasy seems to be a great escape. Would you agree?

【CRISTIANO】: Absolutely, I think that music, and especially this genre, can help a lot to improve the lives of others. I get numerous messages about how much my music has helped people get through difficult times and take away the grayness of this world, which today seems totally crazy. We must fight because we are the warriors of good and we must not give up. Life is sometimes hard but there are weapons to fight with, and one of them is art.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代初頭から世界はどんどん暗い場所となっています。そんな世界で疎外され、抑圧された人々にとって、あなたの生み出すパワー・メタル・ファンタジーは素晴らしい逃避場所のようにも思えます。

【CRISTIANO】: 音楽、特にこのジャンルは、人々の生活を向上させるために大いに役立つと思う。僕の音楽がどれだけ人々が困難な時期を乗り越えるのを助け、今日まったく狂っているように見えるこの世界の灰色を取り除くことができたかについて、多くのメッセージをもらうからね。
僕たちは善の戦士なのだから戦わなければならないし、あきらめてはならない。人生は時に厳しいものだけど、戦うための武器はある。そのひとつが、こうしたアートなんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CRISTIANO’S LIFE!!

EUROPE “The Final Countdown”

IRON MAIDEN “Somewhere in Time”

SAVATAGE “From The Gutter To The Stage”

HELLOWEEN “Keepers Of The Seven Keys I”

VIRGIN STEELE “Noble Savage”

MESSAGE FOR JAPAN

I would like to thank you first of all Sin, for this opportunity, all the readers and all of Japan for making me the man I am now with stories like the anime that raised me. Give “Symphony Of The Universe” a chance, you won’t regret it!

このような機会を与えてくれた SIN、読者の皆さん、そして僕を育ててくれたアニメの物語…今の僕があるのは日本のおかげだから、日本中の皆さんに、まずお礼を言いたいよ。 “Symphony Of The Universe” をぜひ聴いてみて!後悔はさせないよ!

CRISTIANO FILIPPINI

FLAMES OF HEAVEN Facebook

FLAMES OF HEAVEN Official

日本盤のご購入はこちら。SPIRITUAL BEAST

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRIMSON SHADOWS : WHISPERS OF WAR】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JIMI MALTAIS OF CRIMSON SHADOWS !!

“We’re Definitely Inspired By The Way Metalcore Bands Like Killswitch Engage Blend Growls And Clean Vocals, And We Wanted To Bring Some Of That Emotional Intensity Into a Power Metal Context.”

DISC REVIEW “WHISPERS OF WAR”

「KILLSWITCH ENGAGE のようなメタルコア・バンドの、グロウルとクリーン・ボーカルを融合させる手法にインスパイアされているのは確かで、そのエモーショナルな激しさをパワー・メタルに持ち込みたかったんだ。 同時に、僕たちは常にメタルのダークでシアトリカルな側面のファンでもあるので、CRADLE OF FILTH のようなバンドの影響は、僕たちのアレンジや雰囲気の一部にも自然に表れているはずだよ。 僕らにとっては、厳密なジャンルの枠に収まることよりも、自分たちのストーリーを伝え、自分たちが望むムードを作り出すために正しいと感じるものをブレンドすることの方が重要なんだ。それこそがパワー・メタル、あるいはエクストリーム・パワー・メタルの進化形と言えるかもしれないね」
エクストリーム・パワー・メタル。CRIMSON SHADOWS のサウンドはそんな二つ名で呼ばれています。そして、実際にそのパワー・メタルはあまりにもエクストリームで規格外。だからこそ、長い活動休止がなければ、明らかに彼らは DRAGONFORCE と共にモダン・パワー・メタルの主力となっていたはずでした。
CRIMSON SHADOWS のサウンドは、もし DRAGONFORCE が90年代後半から2000年代前半の北欧に降り立っていたら、長じて北米の恩恵を胸いっぱいに吸い込んでいたらこうなっていただろうと思わせる圧倒的な推進力と破壊力を備えています。つまり、メロデスやブラック・メタル、メタル・コアの手法を、ファンタジックでエピカル、ファストなパワー・メタルに叩きつけているのです。
「僕たちにとって、グロウルは、ただ単に他と違うことをしようとするためのものではなかったんだ。僕たちが語っているストーリーの種類や、音楽にもたらしたい激しさによって、導入するのが自然に感じられたんだよね。パワー・メタルは非常に高揚感があり、メロディックであることもあるけれど、僕たちは常に戦争、喪失、闘争といったダークなテーマに傾倒してきた。だからハーシュ・ヴォーカルを採用することで、感情の重みをより直感的な方法で表現できるようになったんだ。クリーン・ボーカルとのコントラストは、曲にダイナミックな幅を与えるのにも役立っている。 高揚感のある壮大な瞬間から、よりアグレッシブでプリミティブなものへと変化させることができるからね」
そうして、もしかすると CRIMSON SHADOWS は、同じカナダの INTO ETERNITY や UNLEASH THE ARCHERS 以上に、パワー・メタルにおけるグロウルの導入を見事にやってのけているかもしれませんね。この試みの難しいところは、パワー・メタルにグロウルを取り入れすぎると、例えば WINTERSUN や KALMAH のようなメロデスになってしまうこと。それは、初期のイエテボリ勢が多かれ少なかれ、パワー・メタルに影響を受けていたことにも通じます。しかし、CRIMSON SHADOWS のやり方は、あくまでもパワー・メタルが主軸。同時に、戦争という重苦しい、血生臭いテーマにグロウルの凶暴で巧みにリアリティを与えていきます。
「戦争は難しいテーマだけど、人類の歴史や物語には常につきまとうものだ。僕たちにとって、”戦争のささやき” は争いを美化するものではなく、戦争の現実と結果、それに伴う痛み、喪失感、回復力を探求するものだったんだ。 世界が分断され、暴力的になっているように感じる中、僕たちは、そのような葛藤に正直に光を当てたいと思った。 時に音楽は、困難な感情を処理し、暗い時代であっても団結することに強さと希望があることを人々に思い出させる手段となり得る。それは、特に今、伝えるべき重要な物語のように感じるね」
平和への希望を持ち続けても、実際に戦争はすぐそばにある。そんな葛藤を CRIMSON SHADOWS は “Whispers of War”、”戦争のささやき” において、希望のクリーンと絶望のグロウルで見事に描き出していきます。試されるのは忍耐力。自分を信じ、他人を信じ、全てを乗り越える力強さを、彼らは200bpmの猛スピードで世界に示して見せるのです。
今回弊誌では、ボーカリスト Jimi Maltais にインタビューを行うことができました。「際立っているのは、カナダのバンドのテクニックの高さだ。たぶん冬が長いからだと思う。1年の半分は楽器を抱えて家に閉じこもっていて、他にすることがないからね。練習し、曲を書き、すべてを微調整する時間がたくさんある。そのおかげで、正確さと生々しさがミックスされ、カナディアン・メタル独自の味わいが生まれるんだ」 どうぞ!!

CRIMSON SHADOWS “WHISPERS OF WAR” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DRAGONKNIGHT : LEGIONS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIKAEL SALO OF DRAGONKNIGHT !!

“I Think In Tough Times Power Metal Can Be Something You Hang On To, And When Times Are Good It Is Something To Celebrate Life With! I Think I Might’ve Heard That Quote Actually From André Matos In a Japanese Interview !”

DISC REVIEW “LEGIONS”

「学生時代、ちょっとはみ出し者だった僕にとって、BLIND GUARDIAN の “Nightfall in Middle-Earth” や ANGRA の “Temple of Shadows” のようなアルバムは、人間の領域を超えた壮大な物語を体験させてくれ、心に音楽的な冒険を与えてくれたからね。パワー・メタルは、辛いときには心のよりどころとなり、幸せなときには人生を祝福してくれるものだと思う!この言葉は、日本のインタビューで読んだ Andre Matos の言葉の受け売りなんだけどね!」
早いもので、Andre Matos が亡くなってもう6年の月日が経ちました。メタル・ファンの多くは、未だにこの喪失の大きな穴を完全には埋められていないでしょう。しかし、彼の遺志と音楽は今も生き続けて、リスナーの心に寄り添い、もしくは後続のインスピレーションとして燦然と輝いています。フィニッシュ・パワー・メタルの新鋭 DRAGONKNIGHT も Andre Matos に薫陶を受けたバンドのひとつ。
「このアルバムは重層的な作品と言える。アルバムのいくつかの曲は “時を越えた地” からの短い物語に過ぎないが、アルバムの全てにわたる広いコンセプトもある。ドラゴンロードとして知られる5人の兄弟が、打ちのめされた子供時代を経て、力を取り戻し、子供時代の故郷であるアトランティスを奪還する。アルバムの最後を締めくくるのに、神秘的なアトランティスの再征服以上の勝利があるだろうか?」
日本語を学び、日本の音楽を愛するフィンランドの Ronnie James Dio こと Mikael Salo が語るように、パワー・メタルのファンタジーはこの暗い世界において素晴らしき逃避場所だと言えます。私たちは大人になっても、DRAGONKNIGHT というバンド名に心奪われても、闇の皇帝を頂く仮面で匿名の5人の亡霊を名乗っても、ドラゴンが飛翔する異世界に憧れても良いのです。痛みを忘れて、想像力を羽ばたかせることはいくつになっても素敵なこと。厳しい現実、無慈悲な社会から少々はみだしても大丈夫。きっとヘヴィ・メタルがそんなあなたを丸ごと抱きしめてくれるから。
「特に日本のフォーク・ミュージックに多く見られるペンタトニック・ハーモニーを多用するのが好きなんだ!必要なときに、全体的な音楽体験に神秘的でダークな雰囲気を与えてくれると思う。また、シンガーとしても、Yama-B、坂本英三、森川之雄、小野正利など、日本の巨匠たちの激しさや情感にいつもインスパイアされているよ!」
そうして、Mika の歌うメロディは、ファンタジーのメッカ日本の音楽に触発されています。時代は変わり、今や日本のメタルは世界中から注目を浴びています。不滅のドラゴンロードたちが奏でる壮大なアンセミック・シンフォニー。ドラムの疾走感が、見事なシュレッドと複雑なギター・ワークに向かって、彼らの航海を前進させます。そう、その主役は、日本のメロディで育ったサー・ミカ・サロ卿。
実際このアルバムは、海賊からドラゴンに至るまで、素晴らしいファンタジー、冒険映画のサウンドトラックになり得るでしょう。剣に生き、剣に死ぬ。その彼らの華麗な剣技は、間違いなくいつも人生に寄り添ってくれた BLIND GUARDIAN や ANGRA、彼らから受け継いだパワー・メタルの血、祝福そのものなのです。
今回弊誌では Mikael Salo にインタビューを行うことができました。「メタル以外での僕の “ギルティプレジャー” は、最近80年代の日本の “シティポップ “だ。普段はYouTube Musicで様々なアルバムの曲を個別に聴いているんだ。杏里のこのアルバムはバンガーをたくさん収録しているので、間違いなく最近のお気に入りアルバムのひとつに挙げられる!”I Can’t Stop The Loneliness” と “Windy Summer” は、暗くて寒いフィンランドにいても、沖縄のビーチでくつろいでいるような気分にさせてくれるね(笑)」 二度目の登場!。どうぞ!!

DRAGONKNIGHT “LEGIONS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VICTORIANO : LIVING AN ODYSSEY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SERGIO VICTORIANO FROM VICTORIANO !!

“I Fell My Selfattracted By The Originality Of Japanese Music, The Way They Mix Many Styles Into One Piece, That’s Absolutely Outstanding, For Example I Really Like Acid Black Cherry, Cause They Have Songs In Different Styles, From Rock, Jazz, Ballad, Pop. etc…”

DISC REVIEW “LIVING AN ODYSSEY”

「日本の音楽のオリジナリティに惹かれたんだ。いろんなスタイルを1つの作品にミックスするやり方は、本当に素晴らしい。例えば、僕は Acid Black Cherry が大好きなんだけど、彼らはロック、ジャズ、バラード、ポップスなど様々なスタイルの曲を持っている。日本のバンドから受けた影響によって、僕らの心は新しい音楽の地平へと開かれ、日本の音楽によって VICTORIANO は様々な音楽スタイルに挑戦し、自分たちの道を見つけることができた」
かつて、日本の音楽は西欧よりも “遅れている”、テクニックが足りていない、外国では売れない、日本語が壁になるなどと言われていた時代がありましたが、インターネットの進歩によってそうした言説が誤ちであることが証明されつつあります。もちろん、他文化を受け入れる風潮が高まったという時流の変化もあるでしょうが、むしろ日本の音楽は “発見” されていなかっただけで、今ではその独特のコード感やメロディ、日本語の響きを含めて “クール” だと感じる外国人が明らかに増えています。
地球の反対側、チリから現れた VICTORIANO もそんなバンドのひとつ。ただし、彼らの日本に対する愛情はアメリカ大陸においても群を抜いています。
「数年間日本語を勉強していて、日本語はとても美しい言語だと気づいたし、その響きが好きになったから。その頃僕は、何か本当にオリジナルなことをしたいと思い、アメリカ大陸で日本語でフルアルバムをリリースする初めてのバンドになるという挑戦を自分に課したんだ。僕らの音楽を日本のリスナーの心に届けることは、僕にとってとても重要なこと。だからすべての愛を込めて、特に日本の人たちのためにアルバムを作ったんだ」
日本の音楽、その美しいメロディと多様なスタイル、そしてリリックの侘び寂びに魅せられた VICTORIANO。だからこそ、彼らは “日本語で” 歌うことにこだわりました。当然、ラテン系の言語と日本語の間には大きな隔たりがあります。その習得だけでも容易ではありません。ましてや、心を込めて歌うことには相当の鍛錬が必要でしょう。そうして彼らはやりきりました。
「最近日本の音楽でよく聴いているのは、Iron Attack, Imari Tones, 陰陽座, Siam Shade, Acid Black Cherry, Xie, Saluki, Galneryus だね。VICTORIANO のスタイルはかなり実験的で、ロック、ダブステップ、インダストリアル・メタル、プログレッシブ・ロック、ポップ、ジャズの間のミクスチャーだ。僕たちにとって最も重要なことは、他のバンドのスタイルを真似たり、守ったりするのではなく、オリジナルのスタイルを確立することだ」
“Living an Odyssey” を聴けば、その音楽のそこかしこに、古き良き往年のパワー・メタルと共生する日本の息吹を感じるはずです。バンドとして敬愛する Acid Black Cherry を筆頭に、Siam Shade, L’Arc~en~Ciel といったVとメタルの架け橋となったバンドの刹那のメロディ。さらにはボーカルの Sergio が幼少期から愛するアニソンとメタルの架け橋、Make Up や影山ヒロノブの遺伝子。そして Yama-B のゲスト参加が物語るように、日本を代表するパワー・メタルの伝説 GALNERYUS の純真。聖飢魔IIや Daita のシュレッドを思わせる場面も。
チリは敬虔なカトリックの国ですが彼らはプロテスタントで、興味深いことに彼らはそうした日本に対する愛情をキリスト教文化の中に落とし込みました。ルカの福音書にインスピレーションを得た “神の許しがない” を筆頭に、STRYPER も顔負けの穢れなきまっすぐなリリックは、不思議と日本語の響き、日本の音楽に自然に融合し、新たなアマルガムを創造していきます。広がるメタルの世界。その情報過多とも思える彼らの創造こそ、まさに今のメタルが翼を広げて飛翔する姿の象徴でしょう。
今回弊誌では、Sergio Victoriano にインタビューを行うことができました。「間違いなく僕は子供の頃からパワー・メタルが大好きだった。そして、これからもパワー・メタルを、新しい曲を作り続けていきたい。今の時代、パワー・メタルがそれほど人気がなくても構わないんだ。大事なのは、心の中にある音楽を作れるかどうかだから」 二度目の来日にも期待。どうぞ!!

VICTORIANO “LIVING AN ODYSSEY” : 9.9/10

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NEVERMORE REUNION 2025 “A NEW CHAPTER RISES”


NEVERMORE REUNION 2025 “A NEW CHAPTER RISES”

RESURRECTION THE DREAM

特大のお年玉。NEVERMORE が2025年に復活することを発表しました。ギタリストの Jeff Loomis とドラマーの Van Williams は、”Resurrecting The Dream(夢の復活)” と “A New Chapter Rises(新たな章の幕開け)” というフレーズを使用したティーザーを彼らの SNS ページで発表したのです。
「僕は自分たちを何かのカテゴリーに分類したことはないんだ。パワー・メタル、プログ・メタルと呼ぶかどうかもわからない。ただ、僕らの頭から飛び出したものだと思う。僕たちは、できる限りオリジナリティを出そうとしているだけなんだ。僕らがオリジナルに見えるという点では、多くの人を納得させることができると思う。普通のメタルバンドとはかなり違うサウンドだと思う- Jeff Loomis」
NEVERMORE は、プログレッシヴ・メタル界で最もユニークで前衛的でエモーショナルなバンドのひとつでした。1990年代初頭、シアトルのスラッシュ・ムーブメント、その灰の中から生まれた彼らはプログ・メタル、スラッシュ、陰鬱でアトモスフェリックな楽曲とメロディを融合させることでその個性を確立し、テクニカルな芸術性、深遠な歌詞、激しく感情を揺さぶる送葬の音楽でたちまち評判を確立しました。伝説的な両巨頭、Warrel Dane と Jeff Loomis のもと、バンドは新たなメタルの道を切り開き、後の世代にインスピレーションを与え、永遠の遺産を残したのです。
「確かに私たちは、今流行っているものを演奏しているわけではない。NEVERMORE の音楽はメロディックなエッジを持ったヘヴィ・メタルで、それこそが私たちが常に夢中になってきたものなんだ。多くのバンドが売れっ子になって、流行に乗っかっている。成功している大物バンドほど、軟化し、より受け入れられるようになっているように思えるし、自分たちが始めたときに信じていたこと全てに逆らっている。彼らは、自分たちがなりたくなかったものになってしまった。
だからメタルは停滞した。これからは、より多くのバンドが、自分たちのジャンルの中で、周りで起こっていることよりももっと独創的なサウンドで、違うことをしていくと思う-Warrel Dane」

NEVERMORE のルーツは、Warrel をリード・ヴォーカルに、Jim Sheppard をベースに迎えた1980年代後半のスラッシュ・バンド SANCTUARY に遡ります。SANCTUARY は、MEGADETH の Dave Mustaine がプロデュースした1988年のデビュー作 “Refuge Denied” でなかなかの成功を収めます。しかし、90年代初頭、グランジの台頭により、彼らのスラッシュ・メタル・スタイルはレコード会社から不評を買い、バンド内部も緊張状態に陥ることに。1992年に解散に至りました。
「僕はスウェーデンのバンドに夢中なんだ。特に MESHUGGAH!オフタイムのものとポリリズムが大好きなんだ。それ以外は、70年代の音楽、ジャズ、クラシック…… 16歳のときに MEGADETH のオーディションに挑戦したんだ。皮肉なもんだよ。彼らのような過激なバンドに入るには若すぎるけど、がんばればキラー・プレイヤーになれると丁寧に言われたんだ-Jeff Loomis」
Warrel と Jim はそれでも共に音楽を創り続けたいと考え、まだ10代だったギターの新星 Jeff Loomis と手を組み、メタルの限界に挑戦する新しいバンドを結成したのです。それが NEVERMORE でした。プログ・メタルの複雑さと実験性、スラッシュの激しさ、そして Warrel の送葬の旋律を融合させたサウンドを生み出すべく、彼らはドラマーの Van Williams と共に1992年に新たな旅に出たのです。

NEVERMORE は1995年、センチュリー・メディア・レコードからセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリース。このアルバムで彼らは、ヘヴィでグルーヴ感溢れるリフ、複雑怪奇なギターワーク、そしてデインの怪しくもオペラティックなボーカルというバンドの特徴的な組み合わせをお披露目しました。特に、”What Tomorrow Knows” や “Garden of Gray”, “C.B.F.” といった曲は、伝統的なプログ・メタルよりもヘヴィでダークでありながら、典型的なスラッシュよりもメロディアスで複雑な、バンド独自のスタイルをファンに知らしめました。
「トレンドは、私の好みからすると本当に平凡なんだ。ギターソロがある音楽の方が好きなんだ。今の時点では、それが NEVERMORE の使命かもしれないと思っている。クラシックなギター・ソロを復活させつつ、その中に現代音楽の要素を取り入れること。それをやり遂げるのに、ここに十分なギタリストがいるのは確かだ-Warrel Dane」
セカンド・アルバム “The Politics of Ecstasy” (1996年)のリリースで、彼らの音楽は新たな高みに達します。この作品で彼らは、実存主義、社会的操作、個人の自由といったテーマを、より力強く、テーマ性を重視した形で取り上げました。”Next in Line” や “The Seven Tongues of God” といった楽曲では、より凝ったソロや複雑なアレンジで Jeff の卓越したギター・スキルが開花します。後に CANNIBAL CORPSE で頭角を表すギタリスト Pat O’Brien も参加。

「とても親しかった人を亡くしたことがあったんだ。私は幸運にもその出来事を乗り越えて、前に進み、対処することができた。でも、私がここで触れたかったのは、人は時として、そのようなトラウマ的な経験を乗り越えることができず、基本的に一生を台無しにされてしまうこともあるということ。アウトプットはただそれを吐き出すための方法なんだ、ということが伝われば同じような問題を抱えた人たちの心に響いて、気持ちが楽になるかもしれない。これは奇妙な精神療法であり、私にとってはちょっとしたカタルシスなんだと思う-Warrel Dane」
そして、”Dreaming Neon Black”。1999年にリリースされたアルバムで、彼らはついに飛翔します。精神的な危機、悲しみ、喪失をテーマにした作品は、親しい友人の死のような Warrel の個人的な体験が、アルバムの陰鬱なトーンと重苦しい歌詞のインスピレーションとなり、批評家とファンの両方にアピールしたのです。”Beyond Within”, “The Death of Passion”, そしてタイトル曲 “Dreaming Neon Black” で彼らは、技術的な熟練と純粋な情熱、感情を結びつけることに成功します。しかし、ストーリーの結末は悲劇的。
「悲劇的な結末は、常に私が望んでいたことなんだ。憂鬱で暗い話だとは思うけれど、暗い題材を書く方が面白いんだ。エンディングはもっと明るいものにすべきだったと言われるけど、どうして?人生はいつもそうなるとは限らない。人生のちょっとした問題が悲劇的な結末を迎えることもある-Warrel Dane」
このアルバムは、恋人を失った男の狂気へのスパイラルを描いたストーリー。NEVERMORE が深く感情的でテーマ性のある複雑な音楽を生み出せるバンドであることを世界に知らしめました。Jeff が織りなす速度と旋律のイリュージョン、そして Warrel の不気味に印象的なストーリーテリングの脳裏は、NEVERMORE を最もアヴァンギャルドでしかしキャッチーなメタル・バンドのひとつに押し上げたのです。Jeff が振り返ります。
「まあ、間違いなく最高の作品だったよ。”Politics” とは少し違って、より歌に重点を置いた作品だと思う。かなり誇りに思っているよ。一番好きなのは、 “Deconstruction” で Tim のソロの前にやったフラメンコ・ギターだね。あれは本当にクールだった。あれは自然発生的なものだった。あの曲にいい色を加えてくれたと思う。”No More Will” のソロもそうだ。いろいろなタイム・チェンジがあるんだ。本当にクールだよ-Warrel Dane」

2000年の “Dead Heart in a Dead World” で彼らは新機軸を打ち出しました。をリリースした。7弦ギターの使用によって、より複雑な曲構成とメロディックな深み、劇場型の低音を追求し続けたこのアルバムは、彼らのスタイルに大きな変化をもたらしました。特に、The River Dragon Has Come”, “Narcosynthesis”, “We Disintegrate” など、複雑なリズム、高らかに歌い上げるヴォーカル、変化に富んだリフを含む曲では、Jeff の卓越したギター・ワークが主役の座を得たのです。
「”Dreaming Neon Black 2″ を作るのは簡単だったし、多くの人がそれを期待していたのかもしれない。でも、Chuck Schuldiner の不朽の名言を借りれば、 “人々は予想外のことを期待すべきだ” ということ。このバンドでは、人々が期待するようなことは決してしない。私たちは常に前へ進もうとしているし、レコードを出すたびに少し違ったものを作ろうと自分たちを駆り立てている。安全策を取ることもできたが、それのどこが楽しいんだ?安全策を取ることに楽しみはないと思う。メタルが境界線を本当に広げるべきなのであれば、安全策を取ることは正しいアプローチではないと思う」
このアルバムはさらに広く称賛を浴び、NEVERMORE を世界のメタル・シーンにおける脇役から主役へと引き上げました。同時に、実存的な恐怖、社会の腐敗、内面の混乱といった暗いテーマの探求は、リスナーの共感を呼び心を打ちました。実際、”Dead Heart in a Dead World” は、しばしば史上最高のプログレッシブ・メタル・アルバムのひとつとして挙げられ、プログ・パワーというジャンルを確立し、無数のバンドやミュージシャンに影響を与えたのです。
「この世界にいると、誰もが常に何かを与えようとしているし、人々は常にいろいろなクソを手渡してくる。酒やドラッグ。そしてシラフになると、現実それ自体が大きなドラッグになるんだ。”Enemies of Reality” にこんな歌詞がある。”現実ほど大きな麻薬はない”。これは麻薬中毒のときに書いたんだけど、皮肉なもんだね。他にも知ってる?私はいつもショーの前に少しの酒に頼っていたんだけど、ショー中に完全にシラフで歌っていると、ずっと歌がうまくなることがわかった。私は、バンドの他のメンバーもそうであるように、完全にめちゃくちゃな酔っ払いだった。でもこれまで散々飲んできたから、もし私が止めなかったら、これから生まれてくる若い子たちは何も飲めなくなる。だから今、誰かからウォッカのボトルを渡されるたびに、CHILDREN OF BODOM に渡しているんだ (笑)-Warrel Dane」

2003年の “Enemies of Reality” は怒りのアルバム。アルバム・ジャケットに描かれているミミズは、タイトル曲 “Enemies of Reality” の歌詞を直接引用したもので、Warrel は “大きく口を開いて敵のミミズを食べよう” と歌っています。NEVERMORE のメンバーにとって個人的にも仕事上でも激動の時期に書かれ、レコーディングされた作品で、Warrel は、このアルバムのサウンドはバンド・メンバーがこの時期に直面した試練が反映されたと語っていました。
「”Enemies Of Reality” は作るのがクソ難しいアルバムだった。私たちはみんな本当にクソ怒りっぽい人間で、それがこのアルバムに表れていると思う」
CDブックレットの最後のページには、DEATH の亡きフロントマン Chuck Schuldiner に捧げる言葉が書かれています。 “このレコードはチャックに捧げる。メタルは永遠へと流れるだろう…”。
「実は Chuck から “Control Denied” のアルバムで歌ってほしいと頼まれたんだ。でも、私は NEVERMORE に忠誠を誓っているからね。当時はとても忙しかったし…。彼はすべてのデモと歌詞を送ってくれた。ああ、もちろんやりたかったさ。でも残念ながら、結局は時間がなかったんだ。もし過去に戻って何か違うことができるとしたら、あのレコードで歌いたいね-Warrel Dane」
トラック “Noumenon” は、物事がどのように見えるかという現象の概念と比較して、物事が実際に存在するという哲学的概念にちなんで名付けられました。この言葉はイマヌエル・カントによって広められ、カントは超越論的観念論の哲学を説明するためにこの言葉を使ったのです。

「メディアは世界を支配している。テレビで見たことをすべて信じるのか?なぜなら、そのほとんどは真実ではないからだ。特に、私たちが大きな国家に向かい始めていることが気になる。ヨーロッパにはこのようなものがたくさんあるし、アメリカのある都市では実施され始めている。いたるところにCCTVカメラが設置され、スピード違反をした車の写真が郵便で送られてくる。時間とともにエスカレートしていくだろう。それが唯一の論理的な結論であり、クソ危険なことだ。個人の自由が徐々に奪われていき、人々は手遅れになるまでそれに気づかないのだから-Warrel Dane」
2005年にリリースされた “This Godless Endeavour” を彼らの最高傑作に推すファンはすくなくありません。この作品は明らかにもうひとつの重要なアルバムであり、NEVERMORE の勢いをさらに加速させました。名人アンディ・スニープがプロデュースしたこのアルバムは、複雑なアレンジメントと哲学的なテーマが組み合わされ、テクニックに宇宙的な奥深さがくわわりました。”Born”, “Final Product”, そして壮大なタイトル曲 “This Godless Endeavour” など、破壊的な激しさと内省的で示唆に富んだ歌詞の組み合わせで、彼らはバンドとしての成熟を示したのです。
「Andy Sneap はある意味、NEVERMORE の6人目のメンバーと言っていい。彼はいつも、バンドがレコードに求めているサウンドを最終ミックスで出すことができる。彼は NEVERMORE サウンドに必要なセパレーションを得ることができるんだ。僕は7弦ギターを弾くんだけど、とても低くて泥臭い音だから、彼の作り出すセパレーションは本当に素晴らしくて、僕らのサウンド全体にとって極めて重要だ。一度こんな素晴らしい人と仕事をしたら、他のところに行くのは難しいよ。彼は最高のメタル・プロデューサーのひとりだ-Jeff Loomis」

テーマはまさに今日本で話題となっている “オールドメディア”、そして権力によって個人のアイデンティティが失われる恐怖。そして、そのアイデンティティの喪失、私たちが生きるシステム、人生の意味、世界のさまざまな地域でさまざまな宗教によって引き起こされた紛争など、すべての問題と神の関係性を問います。
“Sentient 6″ の途中で、”私は終焉をもたらす者、恐れよ、私はテクノロジーという獣だ” というメッセージが逆再生されます。”センティエント6 “とは、人類を絶滅させるためにプログラムされたロボットやアンドロイドのこと。つまり、彼らは AI の時代も先取りしていました。感情や魂を持っている人類を羨む機械。内容は逆説的で、機械の視点から歌詞は書かれました。
そうしてこのアルバムは、比類なき音楽性、心を揺さぶる詩的な歌詞、プログレッシブで驚異的にヘヴィなサウンドなど、NEVERMORE のすべてを象徴するものとなり、バンドにとって決定的なステートメントとなったのです。VICIOUS RUMORS でならしたSteve Smyth の参加もバンドの音楽にアクセントを加えました。
「私たち4人はとても気難しい性格なんだけど、みんな彼ととても仲良くなった。彼はバンドの大ファンでね。曲作りを始めたとき、彼は新曲を出してきたんだけど、最初に驚いたのは、彼が提供してくる曲がとても NEVERMORE に似ていることだった。Jeff が書きそうな曲だった。私にとってはそれが決め手になった-Warrel Dane」
“This Godless Endeavour” が成功を収めた後も NEVERMORE は幅広く活動を続けましたが、ここにきて内部対立が表面化し始めます。”The Obsidian Conspiracy” は、2010年にリリースされたバンドの7枚目にして今のところ最後のスタジオ・アルバム。このアルバムは、”Without Morals” や “The Day You Built the Wall” のような素晴らしい曲があるにもかかわらず、他の作品ほど高くは評価されませんでした。一部のファンや批評家は、バンドのダイナミクスやサウンドに変化を感じたのかもしれませんね。とはいえ、タイトル・トラックのギターは圧巻の一言。

「”Godless Endeavor II” を簡単に作ることもできたけど、アーティストとしては常に何か違うことをやりたいと思うものだ。特に NEVERMORE では、これまでリリースしたアルバムはどれも違うものだった。でも、そうだね、ちょっとクレイジーだった。どのようなアプローチを取りたいのかよくわからなかったし、2009年は正直なところ、”もういいや” と思って、スタジオに座って、自分の中から出てくるものを何でも書いたんだ。心から魂を込めて演奏し、出てきたものをそのままレコーディングしたんだ。それが “The Obsidian Conspiracy” になったんだ-Jeff Loomis」
時を同じくして、個人的・芸術的意見の相違により、Jeff Loomis と Van Williams がリリース直後にバンドを脱退。こうして NEVERMORE は活動休止に入りました。再結成の可能性や新曲について話し合いがもたれたものの、バンドが正式に再結成することは2025年までなかったのです。
ブラジルで2枚目のソロ・アルバムに取り組んでいた Warrel Dane は、2017年12月13日に心臓発作で56歳の若さで悲劇的に亡くなりました。メタル世界で最も識別しやすいその声は、オペラのような音域と感情の激しさ、そして祈りと痛みを兼ね備えていたのです。
2014年、Jeff Loomis は ARCH ENEMY に加入していました。Warrel の死によって、NEVERMORE 再結成の芽は永遠に潰えたかのように思えたのです。しかし、奇跡は起こりました。NEVERMORE の物語はまだ終焉を迎えてはいなかったのです。

「QUEENSRYCHE と自分たちの間にある類似点は、出身地が同じことにも起因するのだろう。Jeff がデスメタルのバックグラウンドを持っていて、私たち全員が常に様々なスタイルの音楽を聴いているという事実が、その多くを生み出していると思う。私は1つのスタイルの音楽だけを聴いているわけではない。デスメタルもブラックメタルもたくさん聴く。皮肉なことに、あまり興味がないのは最近のパワー・メタルだ。すべてがハッピーすぎると思う。ヘヴィ・メタルはハッピーであるべきだとは思わない!ダークであるべきだ!Tony Iommi が “Black Sabbath” のリフを書いたとき、彼はこのような大きなものになるとは思ってもみなかっただろうね。たぶん彼に電話して、この音楽形態が生んだ1万もの HELLOWEEN のクローンについてどう思うかと聞いたら、吐き気を催すだろうね-Warrel Dane」
誰がボーカルを務めるにせよ、Warrel との比較はさけることができないでしょう。しかし、そこに NEVERMORE の芸術的、技術的、感情的な DNA が受け継がれている限り、きっと彼らはまた世界を驚かせてくれるはずです。
「NEVERMORE は死んでいない。秘密の計画があるんだ。Jeff と Van がバンドを脱退すると決めたとき……バンドは解散しなかった。彼らはバンドを去ったんだ。私は次のアルバムのために歌詞を書いた。それはコンセプチュアルなもので、NEVERMORE のすべての歌詞が進化し、永遠の物語になっていくという伝統を引き継ぐものだった。そして、次の(アルバムが)出る可能性もある。でも、Jeff がいないとやらないよ。我々は敵同士じゃないからね。絶対に敵じゃない。仲が悪いわけでもないし……そのうちわかるよ」


参考文献: BRAVEWORDS:NEVERMORE REMEMBERED IN DREAMING NEON BLACK INTERVIEW

METAL SUCKS: LESS IS NEVERMORE

CHRONICLE OF CHAOS: NEVERMORE INTERVIEW 2005

GUITAR WORLD: NEVERMORE WHAT DOESN’T KILL

Van と Jeff からのオープンレター。
NEVERMORE のティーザーは、多くの肯定的な意見と、予想された否定的な意見を呼び起こした。私(Van )はまず否定的な意見に対処させてほしい。
ベーシストの Jim を巻き込まず、私たちの計画を知らせないのは失礼だと考える人もいる。でも、そう感じる人たちは、このバンドの歴史やこの決断に至った舞台裏の力関係を知らないんだ。最も理想的な方法ではなかったかもしれないが、現実には彼とのコミュニケーションは何年もなかった。
私たちは、新たなスタートのためには、もはや成長や新たな出発につながらないかもしれない関係から離れることも時には必要だと感じた。 私たちは、バンドのレガシーを尊重しながら、その時の私たちにとって正しいと思える方法で前進するつもりで、この決断を下したんだ。
とはいえ、私たちは彼の健康を祈っているし、彼がどんな道を選ぼうと自由だ。あまり詳しく説明するのはやめておくが、リスペクトは双方向のものであり、ある種のことは私たちにとって時間の経過とともに和解できないものとなった。私の人生の現時点では、これ以上説明する必要はないと思っているので、好きなように解釈してほしい。
なぜNEVERMOREを再結成するのかというと、単純な話、このバンドはずっと私の夢だったからだ。一緒にバンドをやる仲間を見つけて、世界中を旅しながら音楽を作ること。オーディションから加入が決まった瞬間まで、音楽、芸術、創造性、冒険、楽しみ、仲間意識の渦だった。
何年もの間、私たちは一緒に素晴らしい音楽と素晴らしい思い出を作った。しかし、時が経つにつれ、物事は制御不能になり、信頼、尊敬、そしてその喜びが消え始めた。
最終的な分岐点は、SYMPHONY Xとのヨーロッパ・ツアーの最後に訪れた。何年もかけて自分たちで最高のバンドを作り上げてきたのに、それを修正するために同じページに立つことができなかった。Jeff と私、そして Warrel と Jim は別の道を歩んだ。和解はなかった。Warrel はブラジルに行き、Jim はアラスカに引退し、連絡を取らないまま何年も過ぎた。
この間、妻が卵巣がんと診断され、私の私生活は壊滅的な状況に陥った。私たちは幼い息子のために平穏な日々を送れるようあらゆる手を尽くし、妻が快適に過ごせるよう最善を尽くした。
Warrel は時折ブラジルから電話をかけてきて、その際に優しい言葉を交わしたが、過去を消し去ることはできなかったし、ある種のことは変わっていないと言える。でと彼は2020年に他界してしまった。その喪失感は私と息子に大きな衝撃を与えた。私自身は、本当のことを言えば、昏睡状態から覚め始めたところだと感じていて、神に感謝しながら、ようやく光が見えてきたような感じだ。
暗黒の日々を乗り越え、私と家族を助けてくれた家族、親しい友人、そしてファンへの感謝の気持ちは、言葉では表せないだろう。辛い時期を乗り越えさせてくれて、本当にありがとう。
そんな中でも Jeff はいつも私の強力なサポーターであり続け、私たちの絆は深まった。時が経つにつれ、私たちは共に創作し、演奏する喜びを懐かしむようになった。NEVERMORE はその喜びの大きな一部であり、私はそれを非常に誇りに思っている。
これを “金目当て “だと言う人たちには、同意しかねる。ほとんどのミュージシャンは、お金のためにやっているわけではない。ただ好きだから、汗を流し、リハーサルをし、演奏し、レコーディングしてきた。これが私たちが人生で選んだことなんだ。音楽への情熱、ファンとのつながり、創造的なプロセス、それが私たちを突き動かしている。もしそこからお金が生まれるなら、それは素晴らしいことだけど、それが焦点になったことは一度もない。
Jeff と私は、Warrel と Jim がバンドにもたらしたものを尊重しつつ、新しい章を築く手助けをしてくれるミュージシャンを見つけることで、NEVERMORE の遺産を尊重したいと考えている。Warrel の代わりを探すことではない。それは誰にもできないことなんだ。しかし、彼の作品に敬意を払いつつ、新しいことに貢献できる人を見つけたい。私たちは、ファンが集まり、音楽を祝福し、あの素晴らしい歌詞を再び歌うチャンスを与えたい。そして願わくば、クラシックと肩を並べるような新しい音楽を作りたい。
Jim の状況が違っていればよかったのだが、過去が私たちをここまで連れてきてしまった。私自身はポジティブさとポジティブな人々に焦点を当てており、過去のネガティブな感情に絡め取られることは拒否するつもりだ。Jeff と私が適切なヴォーカリストとベーシスト、つまり遺産を尊重し、私たちとともに前進したいと思うミュージシャンを見つけることができれば、この新しい章は、私たちとともに来ることを選んだすべての人にとって、本当に特別なものになるだろう。これはカヴァー・バンドでもトリビュート・バンドでもなく、NEVERMORE と呼ばれるバンドの旗を掲げ、それを受け継いでいくことを決意したバンドの次の進化・章になるんだ。
またみんなに会えるのを楽しみにしているよ。
Van Williams

Van の発言に同意するよ。NEVERMORE の過去の歴史には、明らかに多くの浮き沈みがあった。Van と共にバンドの新たなレベルへと聖火を運びながら、良いことだけを覚えていたい。
私の心はいつも音楽、ツアー、パフォーマンスのためにある。この10~11年間、他のミュージシャンと一緒に演奏して素晴らしい時間を過ごしてきたけど、NEVERMORE は、僕がこれまでしてきたこと、そして創り上げてきた最高の音楽への個人的な入り口であり、これからもずっとそうあり続けるだろう。
誰も Warrel Dane の代わりにはなれない。それが結論。彼の興味深いメロディーとステージ上でのカリスマ性で、彼は詩的にも精神的にもバンドの大きな部分を占める力だった。だから彼のクローンを探しているわけではない。
私たちは、彼のヴォーカル・スタイルで古い NEVERMORE の曲を歌いこなせる人、そしてバンドの次の章に何か新しく新鮮なものを加えられる人を探しているんだ。明らかに、これは最も簡単なことではないだろう。
以上のことから、私たちは2人の並外れたミュージシャンを求めてWORLD SEARCHを行うよ。1人はメイン・リード・ヴォーカリスト、もう1人はベース奏者で、私たちの遺産を受け継いでくれる人。その後、2人目のギタリストのポジションも埋まりましたが、それについてはまた後日、別の更新で!
Jeff Loomis

ヴォーカリストのオーディション
NEVERMORE は激しい感情的共鳴で知られており、それは明らかに Warrel のユニークなヴォーカル・ダイナミクスによってもたらされている。私たちは、幅広いトーンとエモーションを巧みかつ真正に表現できるヴォーカリストを探している。
ダイナミック・レンジ: 高音と響く低音を歌い分けることができ、曲の要求に応じて力強さと弱さをブレンドできる。
表現の深さ: 技術的なスキルだけでなく、NEVERMORE の音楽の特徴である生の感情や心を揺さぶるテーマを取り入れることができる人を求めている。
ステージでの存在感: 観客との協調性があり、ライブで音楽の激しさを体現できる人を求めています。
ベーシスト・オーディション
私たちは、NEVERMORE のアレンジメントに深みと推進力を生み出す方法を理解している、揺るぎないプレーヤーを探しています。正確さ、グルーヴ、そしてヴァンとタイトにロック・インする能力があれば大歓迎です。もしあなたがバッキング
ヴォーカルができれば、それも素晴らしい。リズムセクションをタイトにキープできる人、それが私たちが求めるすべてです。
両方の役割に求めるもの
前向きな姿勢…バンドのダイナミズムに良いエネルギーをもたらしてくれる人を求めています。
集中力、プロ意識、音楽への敬意を保てる人を求めています。信頼でき、準備ができ、仕事熱心な人。
現在有効なパスポートを所持し、世界各地へのツアーに積極的に参加できる人。創造的に協力し合い、お互いをサポートし合い、ステージの上でも外でも誠実さをもってネヴァーモアを代表する意欲のある人。
オーディション方法
ボーカリスト: アルバム “This Godless Endeavor”から “Born” と “Sentient 6” を歌ったビデオを提出してください。好きなだけ歌ってください。全曲を歌わない場合は、少なくとも全節を歌ってください。少なくとも、それぞれの曲の全節とコーラスを歌ってください。また、あなたの経歴、影響を受けたこと、あなたがバンドにもたらすことができることについて、簡単な自己紹介を添えてください。あなたの可能性を最大限に発揮してください。
ベーシスト: “Enemies of Reality” と “Inside Four Walls” を、タイトさ、テクニック、フィーリングに焦点を当て、立ったまま演奏してください。
オーディションのYouTubeリンクを officialnevermoreinfo@gmail.com まで送ってください。
あなたからの連絡をとても楽しみにしています。世界中のファンの皆さん、本当にありがとうございます。素晴らしい2025年に乾杯!

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【MOISSON LIVIDE : SENT EMPERI GASCON】


COVER STORY : MOISSON LIVIDE “SENT EMPERI GASCON”

“Je ne pourrais pas m’en passer, l’école power metal a laissé des traces bien trop profondes, merci Tobias Sammet !”

SENT EMPERI GASCON

MOISSON LIVIDE のデビュー・アルバムは、フォーク&パワー・メタルが黒に染まった魔法のような作品です。
ガスコーニュ地方として知られるフランス南西部出身の MOISSON LIVIDE(怒りの収穫)は、主に Baptiste Lavenne の発案によるプロジェクトです。Lavenne は、関連の深いフォーク・メタル・バンド、BOISSON DIVINE(神の酒)の中心人物ですが、MOISSON LIVIDE では、より幅広い楽器と様々な影響を取り入れながら、サウンドの攻撃性と激しさ、そして芳醇なるメロディを研ぎ澄ませました。
“Sent Empèri Gascon” は、初手であらゆる民族楽器(アコーディオン、バグパイプ、ティン・ホイッスル、ホルン、ブズーキなど)が魅了するかもしれませんが、作品が聴き手にしみ込んでいくにつれ、最も印象的なのは、実は基本的で最も重要なこと、つまり歌だとわかります。民俗音楽の系譜に忠実な Lavenne には、新鮮さと古さを同時に感じさせるメロディーを紡ぎ出し、それを中心に壮大でありながら論理的な構成を構築する才能があるのです。そうした点で、このアルバムには初期の MOONSORROW との強いつながりがあるのかもしれませんね。
そして何よりも意外性がここにはあります。フォーク・メタルはソフトだと思うなら、ここにはロケット燃料を使ったブラックメタルの激しさがあります。ブラックメタルは頑固で真面目だと思っているなら、このアルバムは暖かさと胸を高鳴らせる高揚感や笑いに溢れています。メタルは極端さを追求すると道を踏み外すと思っているなら、MOISSON LIVIDE は伝統的なメタルの疾走とツインギターのリードが唸りを上げます。彼らはフォーク・メタルを核に、ブラック・メタル、トラディショナル・メタル、メロデス、ピュア・フォーク、パンク、シネマティックな雰囲気、パワー・メタルなど、曲が必要とするところへ放射状その豊かな味わいを広げていくのです。
そうして、パンチの効いたパワー・メタルとパワフルなブラック・メタルの間で揺れ動くこの新しいバンドは、イノシシのように彼らの生まれた土地を隅々まで掘り下げます。自嘲と皮肉、そして何よりも知性に満ちた LAVENNE は、このプロジェクトの起源を振り返ります。

「BOISSON DIVINE があるからまあ、このプロジェクトが冗談のようなものだと考えるのは完全に間違っているわけではない。もう少し詳しく説明しよう。私がブラックメタルを知ったのは、雑誌のCDサンプラーでメタル全般を知った後、かなり早い時期だった。当時は正直言って、そのスタイルをよく理解していなかった。暴力のレベル、イメージ、ドラミングのスピード、皮を剥ぐようなボーカル……もちろん印象的ではあったけど、私にはすべてがほとんど不条理に思えたんだ。私はすぐにそこから離れ、明るいもの、特にパワー・メタルを愛するようになった。私は DISSECTION に出会い、衝撃を受けたんだ!DISSECTIONは、私がこのスタイルの虜になるために不可欠なバンドだった。アグレッションとメロディーの比率、メタルのちょっとしたアクセント、アコースティックなパッセージ、それは私にとって勝利のコンボだった!それから少しして、VEHEMENCE、AORLHAC、ABDUCTION、PAYDRETZ、HANTERNOZ…といったフランスのメロディック&メディーヴァルなシーンを味わった。だから私は、ゆっくりと、でも自然に、ブラックメタルの影響を自分の作曲に取り入れるようになった。それは BOISSON DIVINE の他のメンバーに定期的に送っていた新曲のデモにも反映されるようになっていったんだ。
それから、ガスコーニュ地方のブラックメタルというアイデアが気に入り、私は曲作りに熱中した(笑)。アイデアがどんどん湧いてきて、あっという間にすべてがうまくいった。BOISSON DIVINE をもじって MOISSON LIVIDE と名付けた。自分たちの足跡を隠すため、人々を笑わせるため、そして不意を突くためにね。こうして “Sent Empèri Gascon”が誕生したんだ」
このアルバムは明らかにガスコーニュ人による、ガスコーニュ地方のための、ガスコーニュのアルバムです。こうしたレコードを作るというアイデア全体、つまりジャンルの制約を気にせず、マーチング・トランペットとブラストビートと80年代のシュレッド・ソロを嬉々としてミックスするスピリットが、とてもフランス的だとも言えるでしょう。”気にしない” という強い姿勢、それはフランスのメタル・シーンに貫かれた哲学なのでしょうか?
「”We don’t care” はアルバムの雰囲気をよく表しているね(笑)。私を突き動かしている哲学であることは間違いない。反商業的な精神が大好きなんだ。自分たちの好きなことをやって、誰がそれを好きなのか見る。既成のジャンルの基準に100%固執して自分たちを芸術的に制限することは考えられないし、それは無意味だからだ。きれいなコーラスを思いつくたびに、私はこの言葉を口にしてきた。誰が気にするんだ?!ってね。ブラック・メタル純血主義者に嫌われる?ああ、でも私は気にしない!」

“聖なるガスコン帝国” というアルバム・タイトル、そして壮大なストーリーにも、フランスイズム、ガスコンイズム、そして中央集権化された首都への苛立ちが宿っています。
「コンセプト・アルバムではないし、テーマは曲によって大きく異なる。地元に古くから伝わる伝説や歴史上の人物、田舎からの脱出や過疎化といったシリアスな話題もあれば、サイクリストに関するユーモラスな話題や、大都会から来た迷惑な観光客をやっつける妄想もある。しかし、タイトルとジャケットは、技術の飛躍的進歩の後に銀河系ガスコン帝国が誕生するという近未来的な架空の物語で “Sent Empèri Gascon”(聖なるガスコン帝国)という曲に基づいている。2084年、パリのジャコバン党が、投票率83%で、”ヨーロッパ連合超民主主義共和国 “として知られる新生国家の選挙に勝利した。その後、中央集権化、自由を奪う、抑圧的な政策が強まった。公共の安全を確保するために高速道路の制限速度が時速50キロに引き下げられ、債務削減のために付加価値税が42%に引き上げられた。エネルギー消費を抑えるため、夜7時からの夜間外出禁止令が導入され、朝7時まで停電となった。反乱は拡大し、地域の独立を望む声はかつてないほど強くなった。
10月2日、鴨の胸肉の脂肪の摂取を禁止する改正案が可決された。さすがに背に腹は代えられなかった。ガスコーニュ地方の2人の農民、ジルとジョン・ドゥディジョスは首都を訪れ、パリの警察署に放火した。彼らの逮捕はメディア、特に24時間放送のオック語ニュースチャンネル “ベルグー・ニュー” で大きく報道された。民衆蜂起の試みを阻止するため、彼らは罰則を受けた。トラクターのボンネットは、自転車のフレームやスクーターのハンドルとして再利用される。彼らはまた、60.8°F以上の暖房をしている市民を通報する無料ホットラインの電話オペレーターとして、2週間の社会奉仕活動を強いられる。国防委員会は、公衆の面前でベレー帽をかぶった場合、頭囲1センチにつき90ユーロの罰金を科すという最後の一撃を加えた。
このような極端な暴力に直面した反体制派は、できる限り目立たないように、新たな集会の方法を探さざるを得なかった。しかし11月17日、すべてを変える出来事が起こった。バスク地方のイルレギー近郊で考古学的発掘が行われ、ガスコン語で刻まれた動物の骨が発見されたのだ。専門家たちの懸命の努力にもかかわらず、フェブシア文字で書かれたメッセージを解読することはできなかった。
そんなことができるのは、この世でただ一人の男だけだ。ピック・デュ・ミディ・ド・ビゴールからほど近い暗い洞窟に住む孤独な男、ガスコン族の最後の一人、ジャン・タイエール。伝説によると、彼は辞書を破って作ったマットレスの上で寝ており、マイクロトポニーミーへの執着が彼を狂わせたという。南風が吹く満月の夜には、アレッテの詩の一節を叫ぶ声が聞こえる。
12月21日、彼のもとに骨が運ばれてきた。彼は一息で、書物を覆っていた埃を払い落とした。Quan dou cèu e séra cadut Lou princi qui estoû proumétut Fénira lou téms de misèri Bastiram lou nouste Empèri」(約束された王子が天から降るとき、不幸の時は終わり、我々は帝国を築く)。
大地震が山を揺らした。何とも言えない音とともに、別世界からの宇宙船のようなものが岩の上に着陸した。長い金髪に熊の絵で飾られたマントを羽織った人型の巨漢が出てきた。彼は完璧なガスコン語で聴衆に語りかけた。彼の名はアラリック4世、Kメラト太陽系のブラアD星から来た。何千年もの間、地球を観察してきた彼の祖先が、ガストン・フェビュスの姿に魅了され、1390年8月2日、彼のバスタブの下にあるマイクロ・ブラックホールを使って、彼を誘拐する計画を立てたという話をした。溺れているように見せかけ攫ったと。
アラリック4世は話を続けた。予言は聖典によって明らかにされた。彼の使命はガスコーニュの人々に星間旅行と反重力の原理を理解する鍵を与え、パリのジャコバン派の凡庸さ、愚かさ、寄生から地球と銀河系を解放することだった。彼は、この技術的飛躍に不可欠な燃料である元素115を安定させる方法を教えた。ニンニク1片、ワイングラス2杯、モスコビウム7kgを量子粒子加速器の中で混ぜなければならなかった。
このようにしてマスターされた115番元素は、核兵器の1万2000倍の破壊力を持つ、想像を絶する恐ろしい戦争兵器の創造も可能にした。核兵器の1万2千倍の破壊力を持つのだ。権力を取り戻し、専制君主を打倒し、フェブスの昔からの夢を実現するときが来たのだ。そして、彼の意志は実現した。
この文章は、ほとんど理解できないような曖昧な文学や社会的引用で、ばかばかしくさえあることは分かっている。しかし、現在の(そして過去200年間の)フランスがどのようなものかを説明するならば、フランスは高度に中央集権化された国で、権力、資金、決定は主にパリに集中している。共和国はその支配力を確立するために文化の標準化を推進し、その結果、パリだけのフランス人を優遇するために、地方の文化や言語は破壊され、少なくとも弱体化した。
このアルバムには、肯定と復讐の思想がある。存在への叫び、私たちが再発見しなければならない生命力。要するに、私たちは自分自身を死なせるのではなく、抵抗しなければならないという考えだ。
疑念を抱くたびに、そのことが頭をよぎった。この精神がフランスのシーン全体に一般化できるかどうかはわからない。いずれにせよ、君がそう感じるのであれば、そこには何らかの真実があるに違いない」

MOISSON LIVIDEの音楽は、ブラックメタルやヘヴィメタル、さらにはパワー・メタルを基調としながら、伝統的な中世の楽器やフォーク的な部分も持ち込んだ実に多様な農夫のメタル。
「まあ、オープンマインドを強調するつもりはないけれど、時間が経てば経つほど、聴くものが多様になり、影響を受けたものが蓄積されていくんだ。私は作曲が大好きで、Cubase の空のセッションを開いて、ここ数ヶ月の間に蓄積されたアイデアの断片に命を吹き込み、それを構造化することをとても楽しんでいる。音楽を分析するのも好きだし、好きなスタイルのコードはすぐに理解できる。でも、あるジャンルを聴くことで、それが頭の片隅に残って、自然と出てくるんだ。結局、作曲のプロセスを説明するのはかなり難しい。脳がさまざまな情報の断片を保存し、その都度ユニークな組み合わせの混合物の形で吐き出すのだと想像している」
Lavenne が恐ろしいのは、農家であることをメタルに活用しているところでしょう。まさに農家とメタルの二刀流。
「私は頭を使ってよく書く。本当にほとんど楽曲は頭で書いている。アイデアは何の前触れもなく浮かんでくるので、ボイスレコーダーアプリを取り出し、赤いボタンを押してラララと歌う。夕方家に帰ると、自分が書いたものを聴いて、アコースティックギターかピアノでコードを練る。ほとんどすべて仕事中に書いている。私はワイン生産者なので、多くの時間をブドウ畑で手作業に費やしている。ブドウの木は1本1本違うが、やるべきことを覚えたら、他のすべてのブドウの木で同じ作業を繰り返す。これを疎外感と捉える人もいるかもしれないが、私は脳の時間を解放する素晴らしい機会だと考えている。
数年のノウハウとブドウ畑の知識があれば、ある種の自動操縦モードに入ることもある。楽器を手にして座り、何か書かなければと自分に言い聞かせることは、本当にめったにない。だから同時に2つのことができる。そのおかげで膨大な時間を節約できる。さまざまな影響について話を戻すと、このようにたくさんの曲をミックスするときに一番難しいのは、”コラージュ” 的な嫌味を出さずに、すべての曲を調和させる一貫性、共通の糸を保つことだ。
だから私は、長尺にもかかわらずかなりシンプルな構成に特に注意を払っている。フック、節、繰り返されるテーマ、コーラス……私はビッグなコーラスが大好きなんだ!パワー・メタル派は、メタルにあまりにも深い足跡を残しすぎた!ありがとう、トビアス・サメット!」
歌詞はガスコーニュ地方の昔話、寓話と現代の出来事に対する批判、さらには未来的な推測の間で揺れ動きます。
「いつもメロディーが先に作られる。それからコード。歌詞はその連鎖の最後のリンクにすぎない。実際、デモを作るときは、曲を完成させるために、何でも歌ったり、思いつきで書いたりすることがよくあるんだ。本当の歌詞は、曲がアルバムの選考段階を通過してから、後で書く。これが一番難しい作業で、なかなか進まないこともある。それでも、美しく、よく書かれた文章を最終的に完成させるのはとても満足感がある……少なくとも形としてはね、内容がくだらないこともあるから(笑)。
ただ、テーマを最初に思いつくということはよくあるんだ。それが曲の内容に大きく影響する。実際、最も非定型的な作曲はそうやって生まれることが多い。主題に変化をつけるのに役立つからだ。また、あらかじめテーマがあると、イメージを思い浮かべることができ、とても刺激になる。最終的には、それをメモに書き写すだけ」

戦争のトランペット、狩の角笛、あるいは反逆のパンクなど、まったく予想外の要素を導入するのも、意外性を生み出すためでしょうか?
「常にそれを意識してやっているわけではないけど、たしかにそんな一面はある。私はアレンジのバラエティーが大好きで、あらゆる方向に飛び出したり、いくつもの音域に触れたり、さまざまなスタイルをミックスしたり、要するにあらゆる棚からつまみ食いするのが好きなんだ(笑)。私はその冒険心をとらえようとしていて、”何でもあり” でいたい。商業的には間違いなく逆効果だけど、仕事ではないので経済的な制約がなく、このようなリスキーな組み合わせができるのは贅沢なことだ。というか、音楽制作のリスクって何?」
残忍さにメロディを加えるという意味で参考にしたのは、あのレジェンドでした。
「 CHILDREN OF BODOM がいい例だよ。私は必ずしもブラックメタルに詳しいわけではないけど、あれほどパワー・エッジの効いた残忍なメタルはまだ聴いたことがない。だから、ブラックメタルの純血主義者のことは気にせず、100%ブラックなアルバムを作る意味はなかった。 ビッグなコーラスがないトラックは作れないし、思いつくことはできても実現できない。私は、ハーディ・ガーディ、ランド地方のバグパイプ、マンドリン、ブズーキ(ちなみにガスコーニュ風ではない)を使い、私が望んでいたハードでキャッチーなコーラスをミックスしている。そしてもちろん、フランスの地方の力強さ、古くからの伝統や価値観に親近感と哀愁をもたらす伝統楽器も」
もちろん、パワー・メタルからの影響も強く残ります。
「IRON MAIDEN, JUDAS PRIEST, ACCEPT, HELLOWEEN, GAMMA RAY…それ以上に AVANTASIA とトビアス・サメットの大ファンでもあるし、伝統的なフォークに軍隊行進曲の側面もある。実際、MOISSON LIVIDE は、私のでたらめな考えをすべて受け入れてくれるような存在だった」
歌詞に使われているガスコン語で自分のルーツに忠実であること、信憑性を保つことは重要なのだろうか?
「簡単に言えば、ガスコン語は私の心の言葉だよ。私の言語だから私の言語で歌う。他の言語で音楽を作ろうとは思わないし、ごく散発的にしかやらないよ。ガスコン語はバスク語をローマ字にしたようなもので、特にRの転がし方にロック的な側面がある。メロディアスなんだ。
私がマスターしている他の言語に関して言えば、フランス語はゲルマン語の影響を受けてメロディーに悪影響を与えるし、メタルでは英語は完全に使いすぎだ。カスティーリャ語に関しては、中学の最後の年以来レベルが急降下しているし、イベリアの友人には失礼だが、ホタの使い方には少し抵抗がある。私たちの歴史はフランス共和国の学校では教えられていない。しかし、私たちのささやかなやり方で、この地域の文化を広める手助けをしている。私たちの歌のおかげでガスコン語を習い始めた人たちや、語学教室に通い始めた人たちからメッセージをもらうと、とてもうれしいね。ガスコン語の使用は70年前から減少しており、復活を望むのはユートピア的だとは思うけどね」
時代に反して、MOISSON LIVIDE の楽曲はかなり長く、変化に富んだパッセージに満ちています。
「レコード盤のフォーマットを埋める必要があったし、Cubase の ctrlC + ctrlV は僕のお気に入りの機能なんだ。”St.Anger” の遺産だね!冗談はさておき、曲のフォーマットは計画的なものではなく、とても本能的なもので、テーマによって本当に様々なんだ。でも、多くの場合、壮大な題材は少なくとも8分以上の時間を必要とする。昔の IRON MAIDEN や HELLOWEEN のアルバムのラスト・トラックに影響を受けているんだ(笑)」

アルバムのジャケットに使われている地図と紋章にも興味をそそられます。
「左の紋章はガスコン地方の紋章で、ルイ14世の紋章官が作った最も広く普及しているシンボルのひとつなんだ。2頭のライオンと麦の穂が描かれたこの紋章は、歴史上ガスコーニュの国旗は存在しないが、これは国旗の役割を果たした。私は赤と青よりも、より正統的な赤と白の方が好きだった。その下の標語は “Sauvatgèr, pataquèra, quantica, renavida” で、意味は “野蛮、乱闘、量子、刷新”。まあ、何の意味もないのだけど、なかなか調子に合っていると思う。ローマ帝国にちなんで乗っかっただけだ。右は銃士の十字架、ガスコン語で “crotz deu larèr”(囲炉裏の十字架)。
その下には “Nunqan Polluta”(決して汚されない)という標語がある。これはバイヨンヌの街の歴史的標語で、何度も包囲されたが一度も奪われなかったから。その版図は日本にまで及んでいるね。地図にはデタラメやダジャレがたくさん書かれているので、全部を解剖するつもりはないけど、パリは帝国の監獄と記されている。この街はこれ以上の価値はない」
MOISSON LIVIDE の精神には、人に内在する嘲笑と楽しみの精神が如実に感じられます。それは人生の明るい面を見る方法であり、蔓延する憂鬱を鼻で笑うこと。
「私の音楽はシリアスで、形式は巧みだけど、歌詞の半分は不条理で、二番煎じで挑発的で、実にくだらないものだ。それは私の性格の一部だからね。単純に人生の反映だと思う。映画の人生のように一面的なものではない。あるときはシリアスで厳粛、またあるときは遊び心にあふれ嘲笑的、速いか遅いか、短いか長いか、まったく異なるムード、サウンド、モード、トーナリティを通過する。深く掘り下げれば、自分の好みに合うものがすぐに見つかるからだ。とはいえ…メタルは真面目すぎるよな(笑)」

原点回帰の田舎暮らしを推奨し、礼賛するメタルだとすればまさに前代未聞でしょう。
「ただ、私たちは必ずしもそのメッセージを伝えようとしているわけではないんだよ。私たちがやっていることは、結局のところ、私たちが情熱を持っていて、他の人に音楽にして聴いてもらいたいと思っているテーマについて話しているだけだからね。特に制約もなく、思いついたものをミックスしているだけなんだ。個人的には、”土地に根を下ろせ”、”田舎に帰れ”, “庭を作れ”, “その土地の言葉を学べ” といった命令や小難しいフレーズを発する気にはならない。おそらく、私は人に指図されるのがあまり好きではないし、その逆もしかりだからだろう。だから自分でビジネスを立ち上げて、働き手を持たないのがいいんだ(笑)。
というのも、無理強いすることなく、ただ敬意を表し、練習し、提案することによって、私たちは人々にガスコン語を習得してもらい、年配の人々には再びガスコン語を始めてもらい、若者たちはランド・バグパイプのような伝統楽器を手にしてもらい、地元のポリフォニック・グループは私たちの歌をレパートリーに取り入れてもらっている。私たちのささやかな貢献によって、さまざまな人々が同じ旗のもとに集い、ガロンヌ地方やピレネー地方を越えて、この地方の知名度を高めることができるのは光栄なことだからね」
最後に、このアルバムにはどんなワインを合わせるべきなのだろうか?
「メルローではなく、100%タナだ!もちろん、MOISSON LIVIDE を存分に味わいたいなら、私のドメーヌ・ド・マティラのタナを飲まなければならない。私の祖父が1960年代に植えた古木のタナ100%の2020年のキュヴェがある。素晴らしいタンニンの強さを持ち、味わいはとてもリッチだが、とてもソフトでクリーミーでもある。家で15年から20年保存できるようなボトルだ。
アルバムを聴きながらタナを飲めば、五感が活性化する。飲むために聴き、その逆もまた然り。高価なVIPチケットよりずっといい、まさに没入型の体験だ。もし私の国を通りかかったら、遠慮なく訪ねてきてほしい。私は夜間、敷地内で人々を歓迎し、試飲やワイナリー周辺のツアーを提供しているからね」

参考文献: HARD FORCE:MOISSON LIVIDE Interview Darkagnan

HEAVY METAL DK:Interview med Baptiste ”Darkagnan” Labenne fra Moisson Livide

METAL OBS:MOISSON LIVIDE : OH, MA DOUCE FRANCE !

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LETHAL X : 90 TONS OF THUNDER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MILAN POLAK OF LETHAL X !!

“The First Time I Heard “Street Lethal,” I Was Completely Blown Away. The Guitar Playing, The Energy And Attitude Were Just Jaw-Dropping. And The Fact That Paul Was Only 18 Was Unbelievable And Incredibly Inspiring.”

DISC REVIEW “90 TONS OF THUNDER”

「初めて “Street Lethal” を聴いたときは、完全に衝撃を受けた。そのギター・プレイ、エネルギー、アティテュードには度肝を抜かれたよ。Paul が当時まだ18歳だったことも信じられないし、その音楽はあまりにも感動的だった。技術的にも、彼はその後数年間、僕が最も影響を受けた人物の1人となったね。RACER X の曲で一番好きなのは断然、 “Street Lethal” と “Scarified” かな」
RACER X の何が凄かったのか?その答えは “Paul Gilbert が凄かった” です。もちろん、のちの、BADLANDS のドラマー、JUDAS PRIEST のドラマー、MARS VOLTA のベーシスト、MR.BIG と THE SCREAM のギタリストを輩出した才能の宝庫であったこと。そして、スタジオ・アルバムではなく “Extreme Volume: Live” というライブ・アルバムで完成に近づいた、”ツインギターが舞い踊る究極で複雑なるスピード・メタル” の狂気。そのすべてが RACER X の魅力ではありました。
しかし、それでも RACER X は Paul Gilbert です。なぜなら、RACER X はすでに “Street Lethal” の時点で飛び抜けて凄かったから。この頃の Paul は、スピード・メタルの領域においてリフをいかに複雑に、テクニカルに、クレイジーに聴かせるかにすべてを注いでいた節があります。もはや、リードとリフの境目すら理解不能なネオ・クラシカルの極北。ここに齡わずか18歳でたどり着いていたのですから、その衝撃はまさに “90 Tons of Thunder” でした。
「その曲にインスピレーションを受けた Jeff が、完全なボーカル入りの曲を送り返してくれて、”90 Tons Of Thunder” が誕生したんだ。実際、Jeff はとても感激して、もっと曲を書いて、RACER X のファースト・アルバム “Street Lethal” へのオマージュ作品をバンド名 ”Lethal X” で作ろうと提案してきた。そうしてアイデアを交換し始め、何曲か作った後、ユニークな化学反応が起こり、アルバムが独自の野獣になることがはっきりしたんだ」
そして、当時の Paul Gilbert に90tの雷ほどの衝撃を受けた男が今、彼の偉業を引き継ぎます。Milan Polak。知る人ぞ知る、遅すぎた元シュラプネル系ギタリスト。”Guitar Odyssey” は、例えば Bumblefoot や Buckethead のような多様でカラフルで好奇心を激しくくすぐるギター・インストの名品ですし、後に Randy Coven, John Macaluso を従えてスタートした歌モノの作品群も Mark Tremonti のソロくらいは認知を得てもおかしくない素晴らしさ。だからこそ、ついに彼がここで陽の目を浴びる、しかも彼が敬愛する Paul Gilbert の後継バンドでという筋書きはあまりにもドラマティック。まさにメタルの回復力。
Paul Gilbert (になぜか Billy Sheehan まで) はこのアルバムにゲスト参加をしていますが、今の彼がこうした音楽をパーマネントにやることはおそらくないでしょう。Scott Travis も、John Alderete も、Bruce Bouillet もきっと戻りませんし戻れません。だからこそ、彼らはこのメンバー、この名前、この音楽で “Street Lethal” と今の狭間でアクセルを踏み抜きます。
もちろん、私たちは Jeff Martin のあの声を聴けば、懐かしさに包まれます。バンドが GIT で産声をあげたころのドラマー Harry Gschoesser も健在。うれしいことに、ベースは Mark Szuter が務め、Milan もフレキシブルなギターワークで作品に貢献。そうして、Paul Gilbert の人脈で集められた新たな RACER X、”LETHAL X” は、ほぼ全員が歌える楽器の名手という奇跡的なメタル・バンドとして再生したのです。
今回弊誌では、Milan Polak にインタビューを行うことができました。「多くの RACER X ファンが驚くと思うよ。Mike はとても才能のあるミュージシャンで、素晴らしいシンガーだ。アルバムでは Jeff と僕がすべてのバッキング・ボーカルを担当したけど、ライブでは必ず Mike が参加してくれる。僕たち3人の歌のDNAが合わさることで、とてもユニークなサウンドが生まれると思う」 アルバムは、来年の1/15に MARQUEE/AVALON よりリリース!どうぞ!!

LETHAL X “90 TONS OF THUNDER” : 10/10

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