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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【MEGADETH : MEGADETH】


COVER STORY : MEGADETH “MEGADETH”

“The body will disappear, but the legend will remain. And the music will go on forever”

MEGADETH

「肉体は消えるが、伝説は残る。そして音楽は永遠に続いていく…」
スラッシュ・メタルの最前線で40年間戦い続け、MEGADETH は壮大な別れの挨拶の準備をしています。
64歳のメガデスのリーダーは、不屈の男。テコンドーと空手の黒帯を持つ男であり、人生のどん底の時期からスラッシュ帝国を築き上げた男であり、2020年に咽頭がんを克服した男。そんな男が、腕の負傷やガン診断ではなく、なぜ今 MEGADETH の終焉を決めたのでしょうか?
「咽頭がんや首の癒着、腕の麻痺みたいな病気に悩まされると、ほとんどの人は立ち止まると思う。ほとんどの人は恐怖を感じるだろう。でも俺は一歩下がって、態勢を立て直していった。なぜなら、これが俺のやりたいことだから。それでも、いつかは最後のショーの時が来ることは分かっている」
Dave が薬物とアルコールへの依存症を克服し、癌の回復が未だ “進行中” であることを考えると、60歳に到達したこと自体、驚くべきことなのかもしれません。
「俺は長寿とかには囚われていないし、80代になるまでプレイできるアーティストの一人でもある。それでも、人は生きていつか死ぬということを覚えておかなければならないんだ。だから俺は、これから自分自身の世話をする必要があるんだよ」
これが MEGADETH 最後のアルバムになるというきっかけやひらめきの瞬間はありませんでしたが、家庭、そして頂点のままやめるという引き際の美学がそこにはありました。
「俺は手に問題を抱えている。手の真ん中にデュピュイトラン拘縮と呼ばれるものがあってね。これから指が内側に曲がっていくんだ。だから、スタジオに戻って何かをしようとしてできないよりは、自分の最高の作品を作ってリリースし、トップに立ったままやめたいんだ。それに俺たちは皆、そばにいてほしい家族や家庭生活を持っている。成功を追い求めているとき、すでに恋愛関係にあることがよくあると思うが、名声を追うために幸せを道に捨ててしまうなんてあるべきではない。それは俺にとって悲劇でしかないんだ」
手の状態はあまり良くないようです。
「正直なところ、俺の手の状態はまだプレーできるが、これから病気が進行すればどうなるか分からない。でも、俺たちがプレーする意思がある限り、俺はできる限り長くプレーするつもりだよ。そしてそれが続くことを願っている。
クレイジーなことに、ツアーが予約されているのにもうプレーできなくなって、誰かにプレーを頼まなければならなくなったらどうしようかとずっと考えていたんだ。そして、俺はそのアイデアが気に入らなかった。それは俺ではない。だから俺は最後の瞬間までプレーするつもりだ。そして、プレーできなくなったら、そのときに止めるつもりだ」

このセルフ・タイトルのアルバムのレコーディングが進むにつれて、これが MEGADETH の総仕上げとなるという会話が本格的に始まり、だからこそ、これが “素晴らしいアルバム” に仕上げることがより最優先事項になったといいます。加えて、Teemu Mäntysaari という新たな血が入ることで、この作品は新鮮に保たれることとなりました。実際、この作品における MEGADETH は、一周回ってファースト・アルバムに戻ったかのようなアグレッション、野心、そしてギターにおける挑戦心が感じられます。
「俺は Teemu に、このアルバムではとにかくソロをたくさんやる必要があると何度も言ったんだよな」
これが最後のアルバムになると言ったとき、バンドはどう反応したのでしょう?
「James Lomenzo は…彼は俺よりも年上なので、問題ないよ。彼は家でビデオ編集をしながらとても楽しい生活を送っているからね。MEGADETH にいることは彼にとって喜びだけど、彼には他にやることがあるからね。
Dirk Verbeuren は非常に魅力的なドラマーだから、バンドがなくなっても絶対に大丈夫だ。Teemu も同様。 Teemu はこのレコードで名を馳せることになる。
でもそうだね、この発表をしてからは本当に素晴らしい期間だった、なぜなら俺は彼らにこう言ったからね。”スタジオ・アルバムをもう作らないと言っているからといって、二度と演奏しないという意味ではないよ。またプレイしよう” ってね。それに俺たちは単なるアメリカのバンドではない。国際的なバンドだから、ワールドツアーを終えるまでに、おそらく3、4年はプレイすることになるだろう。だから、それもとても励みになる」

同時に、最後の総決算として、自伝的なレンズを通して彼らを見ることがさらに重要になっているのは間違いありません。たとえば、オープニング・トラック “Tipping Point” には、「お前の心に侵入する/音で怖がらせる/そこには存在しない声で/周りには誰もいない」という歌詞があり、まるで怒りの代償として誰かにつきまとっているように聞こえます。
「誰かのことを念頭に置いていたわけじゃない。誰かについて曲を書くと、その人そのものというよりも、その行動や不当な行為が問題になることがある。誰かと友情を築いてそれを捨てるのは、俺にとってとても大変なことだった。とはいえ、ここ何年にもわたって、メンバーやマネージャー、あるいはレーベルなど、組織にいた人々と深く関係のある曲はたくさんあったけどね」
たとえば、MEGADETH の2000年のベスト・アルバム “Capitol Punishment” は文字通り、バンドが7枚のレコードをリリースしていた以前のレーベル、キャピトル・レコードに向けたものでした。Dave はもともと、80年代半ばに彼らと契約した時は夢の実現であり、音楽業界で望まれるすべてを備えているレーベルだと信じていましたが、その印象は長続きしませんでした。
「ゲイリー・ガーシュという名前の新しいCEOが就任してね。彼は全員を解雇し、次の NIRVANA と契約したいと考えていた。なぜなら、彼は NIRVANA と契約した人だったから。俺らは終わりに向かって虐待を受けていて、そこにいるのがあまりにも楽しくなくなった。だからレーベルを去ったんだ」
“I Don’t Care” は Dave が口を閉ざすことのできなかった多くのことを列挙した楽曲。「お前は俺の言うことが気に入らない/でも俺は気にしないし従わない」これは、彼が何年にもわたって投石や矢に直面し、払いのけてきた後の信条のようなものを表しているのかもしれません。そしてそれは、OVERKILL がかつて “!!!Fuck You!!!” で示したように、自身のパンクな側面を強調することにもつながりました。
MEGADETH のパンクの影響は有名で、それはバンドの美しさの一部となり、彼らのサウンドに長い間組み込まれてきたスタイルの豊かなタペストリーの一部となっています。
「俺たちは、さまざまな音楽のかなり広範なカタログを持っている。右へ、左へ。ジャズであり、クラシックであり、パンクであり、メタルだった。しかし、それは常に MEGADETH の音楽だった。俺の声、俺たちのリフを聞くと、いつも MEGADETH だとわかったんだよ」

確かに、Dave の比類なき声は、おそらく “憎まれることもあり、崇拝されることもあるが、決して無視されることはない” という言葉で説明がつくのかもしれませんね。Dave の唯一無二の声は、彼らのサウンドの重要な要素で、型破りで賛否両論ですが、焦燥と怒り、灼熱と皮肉を交互に繰り返す非常に特徴的な楽器。
「歌っているときは裸だ。歌は後天的に得たものなんだ。初めて自分の歌を聞いたとき、”うわ、まったく歌手っぽくない、誰かがアジテートして叫んでいるみたいだ” と思ったね。俺は寝室でヘアブラシに向かって歌うような人間ではなかったけど、それでも歌い続けた。ギターが先で歌は次の重要事項だったけどね」
歌が Dave にもたらしたものを考えると、彼は今、自分の声を受け入れることができるようになったのでしょうか?
「受け入れるのには時間がかかったけど。なぜなら、俺は自分の歌を評価するとき、スタジオでやった素晴らしい仕事ではなく、ライブ・パフォーマンスのことを考えることが多いからね。たとえば、”Countdown to Extinction” には、俺のキャリアの中で最も大人な歌唱が収録されていた。その時点から、俺は歌うことを学び始め、音楽を聴いている人にとって歌うことがどれほど重要かを学び始めたんだ。映画 “パープル・レイン” の中で、クラブのマネージャーがプリンスのところに行って、”あなたの音楽を理解しているのはあなただけだ” と言うシーンがある。まあ、俺はそんな奴にはなりたくないけど、俺たちの音楽は楽しいものでありたいよ!」
歌詞の制作にはとても時間がかかりました。
「とても難しいプロセスだった。時間がかかったね。すぐにできた曲は “Hey, God?!” と “I Don’t Care” だけ。他のすべてを作るのは永遠にも思えたね。
ただ、俺は孫子の兵法が好きだから、”I Am War” は楽しかった。あと “Let There Be Shred”は、クリント・イーストウッドの “フィストフル・オブ・ドルラーズ” のようなギター対決を思い出させるので、書くのが楽しかった」

過激な歌詞や言動が時に物議を醸すフロントマンですが、自身を “右翼” 的だとは思っていません。
「俺はクリスチャンで、天使からのメッセージに応えているんだ。俺は法律に従うけど、右翼ではないよ。そして宗教よりもスピリチュアリティを大切にしている。俺は、宗教は地獄に行くのを恐れている人々のためのものであり、スピリチュアリティは地獄に行ったことのある俺たちのような人々のためのものだといつも言っているんだ」
“Ride the Lightning”。METALLICA の名曲の MEGADETH バージョンで Dave は、深い意味で過去を振り返っていることが分かります。
Dave と METALLICA との関係、そして、彼の過去のインタビューを読んだり、2004年のドキュメンタリー “Some Kind of Monster” を観たりした人なら誰でも証言できるように、Dave の脱退の状況とその余波を再評価しようとする数十年にわたる試みは、強迫観念に近いものになっている可能性があります。
しかし、Dave にとって、自分が携わった曲に取り組むことは、単にすべてが始まった場所に戻ることであり、”輪を閉じる” ことであり、”すべてが始まったところへの敬意を示すこと” なのです。
「カバー曲をやるなら、それ以上ではないにしても、少なくとも同等にうまくやらなければならない。でも、この曲は俺も書いたんだよな。だから他の人もそう言うと思うけど、俺に言わせれば、これはカバー曲ではないんだよ。完成したとき、俺たちは何人かの人々の前でこの曲を演奏したけど、俺たちの知っている多くの人は METALLICA やあの曲のファンなので、彼らは自分たちが何を聴いているのか、すべてを理解していた。そしてコンセンサスはほぼ同じだった。つまり、俺たちがふさわしいオマージュをしたということだよ。少なくとも同じくらい良い演奏ができたと思う。少し速くなったけどね」
とはいえ、”Killing Is My Business” の最後の曲 “Mechanix” で Dave は、”The Four Horsemen” が自分のものだと明らかに主張していました。今回も作品を締めくくるのは METALLICA の楽曲です。
「それはただのランダムだよ (笑) そんなつもりはなかった。正直に。嘘じゃない。失礼なことをしようとしていたわけじゃないんだ。俺は James Hetfield のギターを本当に尊敬しているし、Lars Ulrich は素晴らしいソングライターだと思う。彼らとの時間は本当に楽しかった。だから終わったときはとても辛かったんだ。これは俺が敬意を表し、輪を閉じていくことを表現した形なんだ」

“Ride the Lightning” をカバーすることを、METALLICA のメンバーとは話したのでしょうか?
「いや、期待していないよ。だけど、いつか彼らの意見を聞くことになると確信している。皆も知っているように、俺は彼らが好きだった。友人関係が再開されたとしても、俺はそれを受け入れるよ。あのときのことをもう一度振り返ってみると良いと思う。でも、俺たちが一緒に過ごした時間には、たくさんの傷や誤解があったから、過去のことを持ち出さないのは難しいだろうとも思っている。
起こる必要があるのは、MEGADETH と METALLICA のツアーだと思う。それだけさ。そうすればきっとすべてがうまくいくだろう。ぶらぶらすることもできるし、一緒に時間を過ごせる。でも、彼らが俺らみたいに実際にツアーをするわけではないことは分かっている。つまり、ツアーに出ると、本当にたくさんのショーを行うからね」
あまりにも長い歴史を経てから、誰かとの関係を再構築するのは本当に難しいことです。
「そうだね。やり直しだ。時々思うのだけど、恨みがあるときは、それを乗り越えることは実に難しい。個人的に、俺は恨みを乗り越えるのがかなり得意だと思うけど…でも分からない…サンフランシスコのカウ・パレスで一緒に演奏したのを覚えているけど、James は俺に “My Last Words” を演奏して欲しいと言ったんだ。彼のお気に入りの曲だから。それは本当にすごいことだと思う。ありがとう、James。好きな曲があると言ってくれて、本当に嬉しかった」
“Killing Is My Business” を書いてレコーディングしていた過去の Dave は、今の Dave のことをどう思っているのでしょう?
「彼は俺がまだ生きていたことに驚くだろう。そして、孤独から抜け出し、素晴らしい人たちに囲まれている。周りに良い人がいると素晴らしいね。俺は鍵っ子で、母親は離婚経験があり、すべてのひどいことを経験してきた。今、家族がいるのは素晴らしいことだ。俺には本当に強い家族がいて、仕事でも非常に優れたチームがいる。だから、人々に俺のことはこう憶えていてほしい。愛し、笑い、生きた人間だったということを」

孤独でひどい人生を送っていた Dave には、幸運にも 音楽という “ギフト” “才能” が贈り物として与えられていました。
「音楽は贈り物だ。俺は練習をしない。だから、これは明らかに才能なんだ。そして、これだけ長く演奏できて、どこからともなく曲を思いつくことができることも、明らかに才能だ。だから…まあそれが俺の見方だよ」
数年後に MEGADETH 最後のショーが行われるとき、メタルの灯火は確実に受け継がれていくのでしょうか?
「”Nevermind”, “Appetite For Destruction”, “Rust In Peace”, “Master Of Puppets” といったアルバムを聴いてからどのくらい経つ?ああしたレコードはもうリリースされていない。今では、レコードには良い曲が 1 曲入っているだけで、人々はトラックをスキップすることに慣れすぎている。それが悲しいんだ。なぜなら、何度も聴くと、もっとたくさんの意味があるように聞こえる曲がたくさんあるからね。
ずっと前に POLICE がどこかで演奏していたとき見たんだけど、彼らは楽器を外して、U2 のメンバーに手渡した。それは本当に正当な聖火の受け渡しだった。俺がギターを外して他の人に渡す時が来たら、それが誰になるかは分からないけどね。でもね、新世代のスラッシュ・ビッグ4が誕生する時が来たと思うよ」
実際、アルバム “Megadeth” を聴くと、崇高な音楽性に多くの疑問を引き起こす鋭い歌詞など、じっくりと吟味して聴くべき層が緻密に存在しています。その中には、”The Last Note” という最後のアルバムにふさわしくタイトルが付けられた最後の曲も含まれていて、そこで Dave は自身のバンドが達成したことを振り返り、その終結の言葉でキャリアを要約しています。”彼らは俺に金を与え、俺に名前を与えた/しかし、すべての契約は血と炎の中で署名された/だから、これが俺の最後の遺言、最後の冷笑である/彼らが来て、俺が支配し、今俺は消える”
「まあ、俺たちは本当に厳しい取り組みをしてきたよ。そして MEGADETH は40年間にわたって成功を収めてきた。今俺たちは、メタルファンが同人誌を交換していた時代の、初期のオーガニックな時代に物事が戻ったように感じているんだ。いつか俺たちの肉体は消滅するだろう。しかし、伝説は残る。そして音楽は永遠に続いていく」

参考文献: KERRANG! :Megadeth: “The body will disappear, but the legend will remain. And the music will go on forever”

REVOLVER :DAVE MUSTAINE ON FINAL MEGADETH ALBUM, METALLICA COVER, CLINT EASTWOOD INSPIRATION

NEW YORK TIMES: As Megadeth Countdown To Extinction

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WINGS OF STEEL : WINDS OF TIME】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PARKER & LEO OF WINGS OF STEEL !!

“Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.”

DISC REVIEW “WINDS OF TIME”

「ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる」
SNS という人間のほんの一面だけを切り取って強調し、分断を加速させる悪魔のツールに汚染された現代社会において、ヘヴィ・メタルほど一体感や前向きな力を得られる場所は他に多くはないでしょう。ヘヴィ・メタルを聴いている間は、体感している間は、ライブを浴びている間は孤独から解放される。異なる意見、異なる国籍、異なる文化、異なる人種であっても、ヘヴィ・メタルにおいてはひとつになれる。ヘヴィ・メタルの回復力で困難を克服できる。
そんな素晴らしきヘヴィ・メタルの世界は、その寛容さ故に伝統や壁を破壊し、様々なジャンルや文化を養分として、細分化という枝葉を瑞々しく伸ばしています。だからこそ一方で、”バンディエラ”、旗頭の欠如という問題に直面しているのかもしれませんね。自由極まりないメタル世界だからこそ、メタルらしいメタルをやりづらい、焼き直しになりかねない。WINGS OF STEEL はそんなメタル世界で “時の風” を駆け抜け、”現代的な” 伝統的ヘヴィ・メタルを復活させ、メタルのバンディエラへ堂々たる名乗りをあげたのです。
「80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ」
メタルのメタルらしいバンディエラとなるためには、ソング・ライティング、ミュージシャン・シップ、メロディ、そして揺るぎない個性…そのすべてが必要とされますが、WINGS OF STEEL はまさにその “すべて” を兼ね備えています。彼らには、あの “Painkiller” で JUDAS PRIEST が提示した強烈なテクニックを超越した現代技巧の最高峰が備わっていますし、IRON MAIDEN が “Somewhere In Time” で刻み込んだ作曲術の極みも宿っています。そして憂を帯びた雄々しきメロディと11分の長尺曲で勝負する強い個性。つまりWINGS OF STEEL には、80年代にメタルを牽引した二大巨頭に備わる奇跡的な才能と似た可能性を確実に秘めているのです。
「80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。 VICIOUS RUMORS や初期の QUEENSRYCHE, METAL CHURCH, CRIMSON GLORY, RIOT といったバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ」
加えて重要なのは、彼らがまだ20代という若さにして、私たちの愛する古き良きアメリカン・ヘヴィ・メタルの真髄を極めていることでしょう。当時パワー・メタルと呼ばれていたアメリカのメタル・ソルジャーたちは、メタルという狭い枠の中でいかに個性を、フックを、起伏を出せるかに心血を注いでいました。そうした伝統や格式の中に光るアイデンティティ、不自由の中の自由を、WINGS OF STEEL は誰よりも今、謳歌しているのです。
そう、21世紀最初のメタル四半世紀が過ぎ、メタルは原点への回帰を志向します。何よりも、耳馴染みがよく歌えて聴きやすい。流行りの NWOTHM、ETERNAL CHAMPION や HAUNT のいなたさも悪くはないですが、WINGS OF STEEL のトラディショナル・ヘヴィ・メタルはもっと明快でわかりやすく、より多くのリスナーにアピールし、鋼鉄の翼を広げてアリーナへと上り詰めるはずです。
今回弊誌では、ギタリストの Parker Halub と ボーカリスト Leo Unnermark にインタビューを行うことができました。「パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ」 ギターソロに見事なストーリーがあり、ボーカルの声質も相まって STRATOVARIUS を想起させる場面も。とにかく、DIO の “Lock Up the Wolves” が人生を変えたアルバムなのですから、間違いありませんね。どうぞ!!

WINGS OF STEEL “WINDS OF TIME” : 10/10

INTERVIEW WITH PARKER & LEO

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【PARKER & LEO】: Growing up, we listened to a wide range of music. Beyond heavy metal, Leo was raised on and gravitated toward a lot of 70s hard rock and contemporary blues, while Parker, alongside metal, discovered bands like Journey and many of the early NWOBHM groups at a young age.
That said, much of what left the deepest impression on both of us came from the 70s and 80s hard rock/heavy metal era. This era shaped our sense of melody, atmosphere, and emotional storytelling in a very fundamental way and is where our musical backgrounds came together to create something unique.
At the same time, we were always curious and open to different sounds and genres, and we believe that having a strong foundation while remaining open-minded, naturally shaped how we approach music today.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは幅広い音楽を聴いて育ったんだ。Leo はヘヴィ・メタル以外にも、70年代のハード・ロックやコンテンポラリー・ブルースを聴いて育ち、そこから影響を受けた。一方 Parker はメタルに加え、JOURNEY や初期のNWOBHM バンドを若い頃に数多く発見したんだ。
とはいえ、僕たち二人に最も深い印象を残した音楽の多くは、70年代と80年代のハード・ロック/ヘヴィ・メタル時代から来ているね。この時代は、僕たちのメロディー、アトモスフィア、そして感情的なストーリー・テリングのやり方を根底から形作った。そこに、それぞれの音楽的バックグラウンドが融合して、他に類を見ない音楽を生み出すことができたんだ。
同時に、僕たちは常に好奇心旺盛で、様々なサウンドやジャンルにオープンだった。そして、強固なメタルの基盤を持ちながらもオープンマインドであり続けたことが、今の僕たちの音楽へのアプローチを自然と形作っている…そう信じているよ。

Q2: I am truly amazed at your ultra-high technique ! What musicians were your heroes?

【PARKER & LEO】: We’ve always been drawn to music that combines strong technical ability and musicality with emotional expression. Players and singers who didn’t just impress technically, but who also knew how to tell a story through their playing and writing, naturally became our heroes.
This includes, but is not limited to, artists such as John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, and Paul Rodgers.
Many of the classic artists from the 70s and 80s left a lasting mark on us ― not only for their skill, but for the standards they set in songwriting, arrangement, and musical identity, and for how their collaborations helped define entire eras of heavy music. Power needs emotion, and technicality needs soul, and that balance is something we’ve always aimed to carry forward into Wings of Steel rather than focusing on technique for its own sake.

Q2: WINGS OF STEEL の超絶テクニックには本当に驚かされます! どんなアーティストがヒーローだったんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちは常に、高い技術力と音楽性、そして感情表現が融合した音楽に惹かれてきたんだ。技術的に優れているだけでなく、演奏と作曲を通して物語を伝える術を知っているプレイヤーやシンガーは、自然と僕たちのヒーローになっていったね。
John Sykes, Neal Schon, Dave Meniketti, Joe Bonamassa, Rob Halford, Ronnie James Dio, Bruce Dickinson, David Coverdale, Gary Moore, Paul Rodgers…といったアーティストがそうだし、もちろん彼らに限らず、多くのアーティストに当てはまることだけどね。
70年代と80年代の名だたるアーティストの多くは、僕たちに忘れがたい影響を与えてくれた。それは、彼らの技術だけでなく、作詞作曲、アレンジ、そして音楽的アイデンティティにおいて、彼らが打ち立てた高い基準を浴びることができたということなんだ。そして彼らのコラボレーションがヘヴィ・ミュージックの時代を形作る上でいかに貢献したか。パワーには感情が必要であり、テクニックには魂が必要だ。僕たちは、このバランスを WINGS OF STEEL で継承することを目指してきたんだ。技術そのものに重点を置くのではなく、そのバランスこそが僕たちの目指すものなんだよ。

Q3: What’s great about you is that you’re not power metal, prog metal, or melodeath, but rather you’re going for traditional, bare-bones heavy metal, but updating it for the modern age! In fact, why do you pursue such straightforward heavy metal?

【PARKER & LEO】: We definitely see ourselves as rooted in heavy metal. That said, our music is intentionally diverse, in much the same way that early heavy metal albums often were ― where you’d find unexpected outliers, mood shifts, and songs that stood apart from one another, rather than records that simply follow one tempo and one formula all the way through.
We’re simply doing what feels honest to us musically. Our goal is to create powerful music that feels expressive, varied, and emotionally driven, and to let that spirit evolve naturally in a modern context. Heavy metal is our strongest foundation, but we use it as a broad language rather than a narrow lane ― which keeps the music alive and unpredictable.

Q3: WINGS OF STEEL が素晴らしいのは、パワー・メタルでもプログ・メタルでもメロデスでもなく、伝統的で骨太なヘヴィ・メタルを追求しながら、それを現代向けにアップデートしているところですよ! 実際、なぜあなたは、今ではほぼ消えてしまったストレートなヘヴィ・メタルを追求しているのですか?

【PARKER & LEO】: 僕らは間違いなくヘヴィ・メタルに根ざしていると考えているよ。とはいえ、初期のメタル・アルバムによく見られたように、僕らの音楽は意図的に、メタルという枠の中で多様性を追求しているんだ。つまり、予想外の要素、ムードの変化、そしてそうした感覚が際立つ曲が収録されているんだよ。ただ、ずっと同じテンポ、同じフォーミュラを踏襲したアルバムではなくね。
僕らはただ、音楽的に正直だと感じることをやっているだけなんだ。目指すのは、表現力豊かで、多様性に富み、感情に突き動かされる力強い音楽を作り、その精神を現代の文脈の中で自然に進化させること。ヘヴィ・メタルは僕らの最も強力な基盤だけど、それを狭い範囲に限定するのではなく、広い言語として使っている。それが音楽を生き生きと、予測不可能なものにしているんだよ。

Q4: NWOTHM like Haunt and Eternal Champion have become popular in recent years, but you guys are clearly playing a different kind of traditional heavy metal. It’s more solid, tight, technical, modern, and very tense, and I like your traditional heavy metal a lot better, but how do you feel about NWOTHM bands and the way they do things?

【PARKER & LEO】: We think it’s a very positive thing that heavy metal as a whole is seeing new energy, new bands, and a growing audience. Any movement that helps keep heavy metal alive, visible, and evolving is ultimately a good thing for the style. That said, we’ve never really approached our music through movements, waves, or in relation to other bands. Our focus has always been on developing our own musical identity and paving our own path.
So while we respect and encourage what others are doing ― and genuinely want the best for the style as a whole ― we stay very focused on our own journey, shaping a sound that reflects who we are and what we want Wings of Steel to become in the long run.

Q4: 近年、HAUNT や ETERNAL CHAMPION のような NWOTHM が人気を博していますが、あなたたちは明らかに彼らとは異なる伝統的なヘヴィ・メタルをやっていますよね?
よりソリッドで、タイトで、テクニカルで、モダンで、とても緊張感があり、私は古臭さを感じさせないあなたたちの解釈がより気に入っています。NWOTHM のバンドやそのやり方についてはどう思っていますか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタル全体に新たなエネルギー、新しいバンド、そして観客の増加が見られることは、非常に前向きなことだと考えているよ。ヘヴィ・メタルを存続させ、目に見える形で、そして進化させ続けるムーブメントは、究極的にはこのスタイルにとって良いことだからね。とはいえ、僕たちはムーブメントやウェーブ、あるいは他のバンドとの関係性を通して音楽にアプローチしてきたことはない。常に自分たちの音楽的アイデンティティを築き、独自の道を切り開くことに重点を置いてきたんだよ。
だから、他のアーティストの活動を尊重し、奨励し、そしてこのスタイル全体の最善を心から願う一方で、僕たちは自分たちの歩みにしっかりと焦点を当て、自分たちのアイデンティティ、そして WINGS OF STEEL を長期的にどうしていきたいかを反映したサウンドを形作っているだけさ。

Q5: Still, it’s great that you are still so young and respect the great American heavy metal of the 80’s like Vicious Rumors, Metal Church, early Queensryche, Crimson Glory and Riot! How did you get to know them and what did you like about them?

【PARKER & LEO】: We definitely have a lot of respect for the great heavy metal that came out of the 80s, and those bands are an important part of the genre’s history. That era played a huge role in shaping heavy metal as a whole, and naturally many of those records became part of our musical discovery along the way.
We came across a lot of that classic material the same way most metal fans do ― by digging deeper into the roots of the music, exploring record collections, recommendations, and following the trail of where the sound we love originally came from. What resonates most with us about that era isn’t tied to a single group of bands, but to the overall spirit: strong songwriting, real musicianship, powerful melodies, and a sense of identity that felt honest and uncompromising.In terms of bands that have had a particularly strong influence on Wings of Steel, groups like – but not limited to; Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, and The Firm – have all played an important role in shaping our musical foundation.

Q5: それにしても、あなたがまだ若いのに、VICIOUS RUMORS や METAL CHURCH, 初期の QUEENSRYCHE, CRIMSON GLORY, RIOT のような80年代の偉大なアメリカン・メタルをリスペクトしているのは素晴らしいことです! 彼らをどうやって知り、彼らのどんなところが気に入ったのですか?

【PARKER & LEO】: 80年代に生まれた素晴らしいヘヴィ・メタルには、本当に大きな敬意を抱いているんだ。君が挙げたバンドは、このジャンルの歴史において重要な位置を占めている。あの時代はヘヴィ・メタル全体の形成に大きな役割を果たし、当然のことながら、当時のレコードの多くは、僕たちの音楽的ルーツの一部となっていったんだ。
僕たちは、多くのメタル・ファンと同じように、音楽のルーツを深く掘り下げ、レコード・コレクションを増やし、おすすめを探り、愛するサウンドがどこから来たのかを辿ることで、あの名曲の数々に出会っていった。80年代について僕たちが最も共感するのは、特定のバンドやグループではなく、あの時代の全体的な精神…つまり強烈なソング・ライティング、真のミュージシャン・シップ、力強いメロディー、そして誠実で妥協のない個性なんだ。
WINGS OF STEEL に特に大きな影響を与えたバンドとしては、例えば以下のようなバンドが挙げられるけど、ここに限定されるわけではないよ。 Rainbow, Black Sabbath, Dio, Blue Murder, MSG, Scorpions, Judas Priest, Triumph, Saxon, Thin Lizzy, Whitesnake, Iron Maiden, The Firm など…こうしたバンドは、僕たちの音楽的基盤を形成する上で重要な役割を果たしてきたんだよ、

Q6: The album opener, “Winds of Time” is a great song, full of ups and downs, melody and technique, but it’s a whopping 11 minutes long! The unexpectedness of starting with such a big song is also your appeal, would you agree?

【PARKER & LEO】: Yeah, we agree. It was the first song we finished while writing the album, and from that moment we knew we wanted it to become not only the title track, but also the debut single ― with a music video to match. Opening the record with it was our way of setting the tone right away and inviting the listener fully into the world of the album.
We’re not afraid of letting songs breathe and evolve if that’s what the music calls for. That said, we didn’t set out to write a long piece simply “for the sake of it”― it was about giving the song the space it needed to unfold naturally. In many ways, it reflects how we approach music as a whole: we’d rather follow the emotional arc of a song than shape it around expectations or formats.

Q6: アルバムのオープニングを飾る “Winds of Time” は、起伏に富み、メロディとテクニックにあふれた素晴らしい曲ですが、なんと11分もありますね! 大曲から始まる意外性も、このバンドの魅力ですね?

【PARKER & LEO】: その通りだよ。”Winds of Time” はアルバム制作中に最初に完成した曲で、その瞬間からタイトル曲としてだけでなく、デビュー・シングルとして、そしてそれに合わせたミュージック・ビデオとしてリリースしたいと思っていたんだ。アルバムのオープニングをこの曲で飾ることで、作品の雰囲気を一気に盛り上げ、リスナーをアルバムの世界に完全に誘うことができだと思う。
僕らは音楽がそれを求めているのであれば、曲に息吹を与え、進化させることを恐れていないんだ。とはいえ、”ただ単に” 長い曲を書こうとしたわけではないよ。曲が自然に展開していくために、必要な空間を与えることが長さの要因だった。これは僕たちの音楽へのアプローチ方法を反映しているよ。僕たちは、曲を期待やフォーマットに合わせて形作るよりも、曲の感情の流れに沿っていくことを望んでいるからね。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【PARKER & LEO】: Our music is inspired directly by our own experiences and observations, and since we haven’t yet had the chance to visit Japan ― either as a band or as individuals ― we can’t honestly say that there has been a strong, direct influence in a specific stylistic sense. That said, we’re deeply fascinated by Japanese culture, and by the way anime, games, and storytelling in general embrace imagination, emotion, and immersive worlds.
We also strongly connect with the idea of creating shared experiences that promote unity rather than division ― something that feels very present in Japanese culture. We work with and know many people who travel to Japan regularly, and for many of them it’s their favorite place to return to whenever they get the chance. We’re very much looking forward to experiencing it ourselves, and we’re sure our first visit will be nothing short of extraordinary.

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、近年の暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームも同じ役割を果たしていると思いますが、日本文化からの影響はあるんですか?

【PARKER & LEO】: 僕たちの音楽は、僕たち自身の経験や観察から直接インスピレーションを得ているんだ。バンドとしても個人としても、まだ日本を訪れる機会がないから、特定のスタイルにおいて強い直接的な影響を受けたとは正直言えないよ。とはいえ、僕たちは日本の文化、そしてアニメ、ゲーム、そして物語全般における想像力、感情、そして没入感のある世界観に深く魅了されているよ。
また、分断ではなく一体感を促進する共有体験を生み出すという考え方にも強く共感していてね。これは日本文化に深く根付いているものだよね。僕たちは、日本を定期的に訪れる多くの人々と仕事をしたり、知り合いになったりしているけど、彼らにとって日本は機会があればいつでも戻りたいお気に入りの場所となっている。僕たち自身も日本を体験することをとても楽しみにしているし、初めての訪問は間違いなく素晴らしいものになるだろうな。

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【PARKER & LEO】: Heavy metal has always been more than just music. It’s a place where people can come together, feel understood, and find strength in something larger than themselves. In difficult times, it becomes a space for release, reflection, and connection.
It gives people a way to process fear, anger, hope, and resilience, and to transform those emotions into something empowering rather than isolating. Heavy metal creates community and reminds people that they’re not alone, and offers a sense of unity that goes beyond borders, language, or background, something that we see daily within our own fan base and that gives us a great sense of purpose and motivation. In a world that often feels divided and uncertain, music can still be a voice of honesty, strength, and shared human experience ― and that makes its role in today’s world more important than ever.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗くなっています。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【PARKER & LEO】: ヘヴィ・メタルは、常に単なる音楽以上の存在だった。人々が集い、仲間に理解され、自分よりも大きな一体感の中に強さを見出せる場所なんだよ。困難な時期には、解放、内省、そして繋がりのための空間となる。
恐怖、怒り、希望、そして回復力といった感情を受け止め、人々を孤立させるのではなく、強い力へと変える方法を与えてくれる。ヘヴィ・メタルはコミュニティを創り出し、自分が孤独ではないことを思い出させてくれるんだ。国境、言語、そしてバックグラウンドを超えた一体感を与えてくれる。
それは僕たち自身のファンベースの中でも日々感じられ、大きな目的意識とモチベーションを与えてくれている。分断と不確実性を感じることの多いこの世界においても、メタルは誠実さ、強さ、そして共有された人間体験の声となり得るんだ。だからこそ、現代​​社会において音楽の役割はこれまで以上に重要なんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED PARKER & LEO’S LIFE!!

Black Sabbath “Heaven and Hell”

Judas Priest “Sad Wings of Destiny”

Bruce Dickinson “The Chemical Wedding”

Whitesnake “1987”

Dio “Lock Up the Wolves”

MESSAGE FOR JAPAN

We’ve noticed a steady and fast-growing audience in Japan, especially following the release of our two latest albums, and it truly means a lot to us. Seeing that level of support from the other side of the world is incredibly inspiring, and with the growing demand, it really feels like it’s only a matter of time before we finally make our Japanese live performance debut and get the chance to meet you all in person.
Thank you so much for supporting the band, spreading the word, and being part of the Wings of Steel journey.
Our latest album Winds of Time, as well as our first full-length record Gates of Twilight, are available on CD in Japan via Rubicon Music ― and we can’t wait for the day we get to bring this music to you live!

特に最新2枚のアルバム・リリース以降、日本のファンが着実に、そして急速に増えていることを実感していて、それは僕たちにとって本当に大きな意味を持っているんだ。地球の反対側からこれほど多くの応援をもらって、本当に感激しているよ。そして、ますます高まるこの需要に応えて、ついに日本でのライブ・デビューを果たし、みんなに直接会えるのも時間の問題だと感じているんだ。
バンドを応援し、情報を拡散し、WINGS OF STEEL の旅路に加わってくれて、本当にありがとう!
最新アルバム “Winds of Time” と、初のフルアルバム “Gates of Twilight” は、日本でRubicon MusicよりCDで発売中。この音楽をライブでみんなに届けられる日が待ち遠しいね!

WINGS OF STEEL

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日本盤のご購入はこちら。RUBICON MUSIC

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【THE PRETTY WILD : ZERO.POINT.GENESIS】


COVER STORY : THE PRETTY WILD “zero.point.genesis”

“The Paranormal Is Normal For Us”

zero.point.genesis”

ラスベガスを拠点とする姉妹デュオ、THE PRETTY WILD は、トラウマ、神秘主義、そして女性の怒りを、神話的でジャンルを超越した探求に込めています。そうして、Sumerian Recordsよりリリースされたデビュー・フルアルバム “zero.point.genesis” は、未知への幻想的な欲求を体現した作品群となったのです。
Jyl と Jules の Wylde 姉妹は、超常現象のテーマと彼女たち反骨精神を織り交ぜ、今や実験精神の代名詞となっています。昨年、画期的なシングル “sLeepwAlkeR” をリリースして以来、彼女たちはメタル・シーンで躍進を続け、女性らしさと激しさのバランスを力強く取りながら、他のアーティストとは一線を画す存在感を発揮しています。
デビューアルバムのリリース後も、姉妹にはタイトなスケジュールが待っています。来年2月から3月にかけて、SLEEP THEORY の2026年ヨーロッパツアーのサポートツアーに出る予定。また、Welcome To Rockville と Inkcarceration でフェスデビューを果たしたふたりは、2026年にはSonic Temple、Download、Vainstream Rockfest のステージでも世界をを席巻する予定なのです。
SLEEP THEORY との公演では、デビュー・アルバムを全曲演奏する予定ですが、Jules と Jyl はこの記念碑的なリリースの現実をまだ実感できていないと語る。
「レコードを手にするまでは、本当にリアルで、すごく直感的に感じられることはないと思う。でも、その時になって初めて、何かが腑に落ちるかもしれない」
「このアルバムは、私たちが曲作りに着手する前から、自分たちの中で取り組んで体現してきたたくさんのものの集大成。だから、それが現実に形になるのを見るのは、本当に信じられない気持ちだよ」
むき出しの脆さと神聖なエネルギーに突き動かされた “zero.point.genesis” は、恐れを知らない精神を伝えています。”PARADOX” や “hALf aLiVE” といった自由奔放なトラックを通して、Wylde 姉妹は神秘と深い自己省察の両方を体現しているのです。
「このアルバムは、多くの点で、女性らしさが芽生えていく作品なの」と Jyl は語ります。 「姉妹として、私たちが互いに自信を深め、エネルギーを持ち、それを維持していくのは、本当に素晴らしい進化だった。他の女性たちにも同じように感じてもらえるように、有害な女性らしさを捨て去り、協力的なエネルギーを真に受け入れ、力を合わせれば、もっと力強くなれることを実感できたんだ」

ニューアルバムのサウンドについて、Jules はこう語っています「私たちはクリエイティブな面で成長し、様々な方法で自分たちを追い込んできたと思う。色々なことに挑戦したよ。楽器編成だけでなく、ボーカル・パート、そして楽曲の成熟度や深みといった点でも、様々な領域に挑戦していった」
このアルバムは崩壊と再生のアルバムだと Jyl は表現しています。
「完全なコンセプトアルバムだよ。多くのテーマは、体系的なプログラム、社会的なプログラム、そうした規範を覆すことから生まれている。プログラムされている時は、それが自分にとってどれほど病的だったり、惨めだったりするのか気づかないんだよね。それが当たり前になってしまっているから。それが健康的ではなかった、自分には向いていなかったと気づき始めるまで、そこから引き離されるまで、そのことに気づかない。そしてそこから抜け出すと、過去の自分への悲しみに苛まれる部分があり、このアルバムの大部分はその悲しみを探求しているんだ。特に女性としての力。女性らしさを失わずに生きるためのロールモデルは、私の意見では、これまであまり多くなかったからね」
アルバムには、時代を超えた神話がインスピレーションを与えていると Jules が付け加えます。
「作品の多くは、少し古風だけど時代を超えた文学の世界から着想を得ているの。多くの曲で悲劇に触れたり、ギリシャ神話やローマ神話に触れたり。そういったクールで時代を超越した作品が、私たちに影響を与えてきたんだよね。コンセプト・アルバムについて言えば、BRING ME THE HORIZON の “NeX GEn”、あれは素晴らしいアルバムね。私たちはあのアルバムの大ファンなの。聴いている人をその世界に引き込み、12曲、14曲、15曲も続けて聴けるような感覚にさせてくれるのは、本当に素晴らしいと思う」

このアルバムは、個人的な要素が込められていると同時に、真摯な作品でもあります。姉妹は、このアルバムをここ数年で自分たちについて深めてきた理解、そのすべての集大成だと表現しています。このプロジェクトは意図的に多層的な構成になっていますが、真の女性らしさを受け入れ、探求を学ぶことが、このアルバムの大きな目的となっているのです。
「アルバム全体が神秘主義に根ざしていることは周知の事実だよ」と Jyl は語ります。「アルバムは、自分自身を取り戻し、自分の影と向き合い、多くの内なる子供心に向き合い、そして、体系的に見て、女性たちの育てられ方の多くが必ずしもお互いや社会のためになっていないことに気づくことについて…でも、誰かの気持ちを理解し、その気持ちに寄り添うまで、有害だと気づかないようなことがたくさんあるんだよね。このアルバムには、まさにその反発のエネルギーが詰まっているの」
全11曲を通して、”zero.point.genesis” は劇的な要素と、怒りと、魅力を鋭く織り交ぜたサウンドを融合させ、サウンド的にも精神的にも束縛されることを拒むアルバムとなりました。そしてヴァンパイアのような “living ded” であれ、ダークでロマンチックな “AFTERLIFE (feat. Magnolia Park)” であれ、このアルバムに収録されているすべての曲は、それぞれが独自の物語として際立っているのです。
映画、演劇、そして超常現象から音楽的インスピレーションを得ている THE PRETTY WYLDE の楽曲はどれも、それぞれが独自の映画的世界観を紡いでいます。神話や超自然的な伝説に深く影響を受けたふたりは、そうした物語を独自の不気味で神秘的なな芸術性に取り入れているのです。
「自分が経験しているありふれた日常の出来事を、より大きな神話の弧へと結びつけていくんだ」と Jyl は言います。「そうやって、物事の中に多くの類似点を見出していく。神話は、自分が経験している辛いことに対処するための教科書だと感じることがあるんだよね」

“Button Eyes” のビジュアルも実にシアトリカルで革命的。作曲中、すでにビジュアルやミュージックビデオのことを考えているのでしょうか?
「Jules は演劇の世界出身だから」 と Jyl は胸を張ります。「特に私たちの場合は、ただ歌を歌うのではなく、曲全体を通して風景を思い描いて書いて、演奏しているんだ。ファッションから舞台装置まで、私たちが作り上げている世界観を思い描いてね。だから、聴いてくれる人たちは、私たちがエネルギッシュに表現しようとしている芸術的な空間に引き込まれる。商業的な枠組みの中では、そうするのは難しいこともあるけどね。でも、私たちは自分たちのやり方を見つけているよ。特にこの次の作品では、その世界観がより現実のものになると思う」
つまり、THE PRETTY WILD は音楽を超えた総合芸術だと Jules は考えています。
「これからファッションの要素をもっと深く掘り下げていくつもり。私たちにとってアートとは、音楽以上の深い意味を持っているの。それは、私たちが築き上げている精神や世界観についても同じ。そして、その要素の多くは、ビデオやファッション、ヘアメイクといったクリエイティブな決断を通して表現されるの。どの時代をチャネリングするか、バロックの要素を取り入れているかどうか、クラシックの要素を混ぜているか、Nu-metal とミックスしているか…そうやって考えながらね。これはちょっと面白い組み合わせよね」
Jules に “叫び方” を教えたのは Jyl でした。
「実は、Jyl がスタジオで叫ぶ方法を教えてくれたんだ。初めて曲の中で本気で叫んだのは “Sleepwalker” の時だった。だから今、”Sleepwalker” を聴き返すと、ああ、もっとうまくできたはずって思うんだよね。でも、ちょっと面白かったよ。それから、ハーシュなボーカルに関しては、私たち二人とも似たような感じになることが多いのよね。でも、私は低音パートをシャウトすることが多いのに対して、Jyl は高音パート、ザラザラした感じの部分を多用する傾向にあるかな」
Jyl が “Sleepwalker” に込められたメッセージを伝えます。
「この曲の芸術的なメッセージは、女性が怒りと甘さを同時に抱えているという二面性だと思う。だから、音楽にはその両方が必要だったんだ。みんな “メロディックなクリーンボーカルを作るのは本当に難しい” って言うんだけど、私たちは “なんとかするよ” って感じなんだよね」

クラシック音楽は、メタルコア、Nu-metal と並んで THE PRETTY WILD の大きなインスピレーションとなっていると Jyl は語ります。
「クラシック音楽はずっと私たちの共通のテーマ。クラシック音楽は私たちのホームベースだから、THE PRETTY WILD にクラシック音楽を取り入れる必要があったのよ。当然のことだった。それから、私はダークポップが大好きで、ダークポップのメロディーも、ダークポップの構造も大好きなの。私にとって、オルタナティブ・ダークポップはまさにバイブス。そして Jules は間違いなくメタルシーンに根ざしている。だから、すべてがうまく機能したんだよ」
同じ精神を共有していると感じているアーティストは誰でしょう?Jyl と Jules が答えます。
「ジャック・ホワイトが好き。THE CIVIL WARS にはいつも大きな影響を受けているよ。サウンド的には、最小限の楽器編成で観客を惹きつけている。彼らのエネルギーには、そうさせる特別な力があるよね。それは間違いなく大きなインスピレーションだよ。私は何でも聴きくかな」
「明らかにメインストリームと言えるのは、LINKIN PARK の美学と Nu-metal だね。彼らは真に様々なジャンルを融合させ、その後シーンを築き上げた他のバンドと共に、パイオニア的存在となった。Jyl が言ったように、私たちは様々な理由で、実に様々なバンドやアーティストが融合した存在なので、単純にどれかを切り離して考えるのは難しいんだよね」
バンドの音楽的アイデンティティに関して言えば、THE PRETTY WILD は社会や業界の基準に従わず、常に自分自身に忠実であり続けることと同義になっています。だからこそ、意外なことに今日ではダーク・メタルコアで知られるこの姉妹は、当初はオルタナティブ・カントリー・アーティストとして音楽シーンに登場していたのです。
“y’allternative(ヤオールオルタナティブ)” というジャンルの先駆者である THE PRETTY WILD は、2022年に “XANAX & CHAMPAGNE” や “Eastwood” といったカントリーのシングルでデビューしました。しかし、この姉妹はカントリーからメタルへの旅は必然だったと考えています。
「自分たちが伝統的なジャンルにおいて、伝統的ではないことに気づいたんだ」と Jyl は説明します。「当時、自分たちがカントリーのシーンにいた頃は、あまりにも多くのルールを破ろうとしていた。それが当時の私たちにとっては本物だったから。でも、”自分たちに抵抗する人たちのエネルギーに囲まれたくない” と気づいたんだよね。そうして、より多様なメタルに根ざした、より共鳴するものを見つけたんだ」

サウンドは進化を遂げてきたものの、この二人の特徴であるリリカルな詩情と骨太なストーリーテリングの感覚は、カントリー/オルタナティブ時代からずっと変わっていません。Jules は、当時のレーベルを離れて以来、オルタナティブ・シーンから離れたことが、自分たちにとってプラスに働いたと語ります。
「私たちは普通じゃないのが普通なの。私たちは、あのシーンの人たちより、クリエイティブに奇抜なことをすることができたんだ。そして、それが今の、よりヘヴィなトーンへと進化し始めた。それはずっと私の興味の対象だったから。私はかなり若い頃からずっとメタルに夢中だったんだけど、Jyl はもっとダークでガーリーなポップなジャンルから来ている。だから、私たちの曲の多くには、ヘヴィなブレイクダウンやクラシカルな要素がある一方で、ポップなコーラスにはダークなコンセプトが盛り込まれている。陳腐に聞こえるかもしれないけど、そうした多様性が今の私たちを形作ったんだ」
今、THE PRETTY WILD は型破りで社会の流れに逆らうことを目指す、揺るぎない音楽的精神で進んでいます。ルールを破ること、いや、ジャンルの壁を壊すことを恐れない姉妹は、自分たちにある “内面を見つめる能力” こそが、メタル・シーンの他のアーティストたちと一線を画すものだと言います。
「何が起こっているのか、ある程度は把握していなければならないんだ」と Jules は言います。「でも、コンセプトやアイデアを思いついたり、曲をカットしたりする時は、あまり深く考えないんだ。スタジオはとてもプライベートな空間で、もちろん防音対策も万全で、他のことは考えない。だから、ただ自分が作りたいものを作り、それを心から誇りに思えるんだ。もちろん、それを人に見せたい気持ちはあるけれど、何よりもまず、自分のために音楽を作っているからね」

Jyl がこう付け加えます。「ルールに気を配ることはできるけど、最終的には自分の感覚に従うしかない。ルールを学ぶことは大切。でも、もしそれが自分のすべきことではないと感じたり、何か違うものが必要だと感じたら、その感覚に身を任せればいいんだよ。
いつもみんなに “予想外のことが起こることを期待して” と言っている。私たちは常に、まるでクリエイティブ・マシンみたいに、情熱とエネルギーとアイデアを次々と生み出していて、それが止まることはないんだよ。
だから、私たちの頭の中にあるものを現実のものにし、私たちが恋に落ちたこの世界を描き、みんなに届けられることを、本当に楽しみにしているんだ。
そして、正直に言って、周りの人たち、特に女性たちにインスピレーションを与えたいと思っているの。違った考え方をすることで、感情を大切にすることで、女性が大きな創造力を持っていることに気づくことができる。それが私たちにとって本当に大切なことなんだ。そして、それを実際に見せ、実証し、現実のものにしていくのよ!」
最終的に、THE PRETTY WILD は、彼女たちの名前が象徴するもの、つまり美しさと怒り、光と闇、意志と大胆さを体現しています。そうしてこの姉妹は、デュオの初となるフル・アルバムを通して、彼女たちは未知なるものを信じ、壁を壊し、リスナーにも縛られないことを望んでいるのです。
「特に女性なら、自分の直感に耳を傾け、感情を受け入れるべきだよ。だって、それがあなたのスーパーパワーだから」と Jyl は言います。「そして、このアルバムは最終的に、女性が直感と感情全てを取り戻し、自分の感情を表現することを恐れないことをテーマとしているの。同じ言葉、同じ音楽の中で、美しさと怒りを表現することはできる。それは何も悪いことじゃない。健全なことなのよ」
最後に、このアルバムはふたりにとってどんな存在となるのでしょう?
「まるでビッグバンの瞬間のように、この無形のものが誕生したんだ。創造性が強迫的に爆発しているんだよね。最初から最後まで、まるで旅のようで、アルバムは私たちを様々な場所へと連れて行ってくれる。混沌としているけど、それがバンドの起源なの。
アルバム全体を通して、社会によって自分自身から切り離せと言われてきた部分を取り戻すことについて歌っている。だからこそ、このアルバムは混沌としていて、生々しく、叫び声のような、それでいて美しいものでもあるんだ。なぜなら、切り離されたものを再び統合した時、そこに美しさが生まれるから。多くの人は闇を見て怖がると思うけど、私たちは真っ逆さまに闇に飛び込むの。そうすれば、もう闇を恐れなくなるからね。闇は私たちをコントロールできなる。その価値観を得た日が新たな人生の誕生日であり、世界へと自分自身を導くための、新しい知覚レンズなんだと思うよ」

参考文献: NEW NOISE MAG:INTERVIEW: THE PRETTY WILD TALK ‘ZERO.POINT.GENESIS’

HARDBEAT :Interview with The Pretty Wild

v13net:METALThe Pretty Wild: “When people can take you into this world and you feel like you’re there for 12, 14, 15 tracks, it’s really admirable…”

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【LORNA SHORE : I FEEL THE EVERBLACK FESTERING WITHIN ME】


COVER STORY : LORNA SHORE “I FEEL THE EVERBLACK FESTERING WITHIN ME”

“I think it’s one of the saddest things you can watch happen to someone, It’s a very, very slow death that you’re forced to watch happen over time, and no matter what you do, you can’t stop it from happening.”

WILL RAMOS

Will Ramos のスタジオと保管庫を兼ねた部屋。背後の紫色の壁と、それと一体になった棚には、日本から持ち帰った木刀やサーフボード、レゴセット、ワンピースのフィギュア、ハワイアン・フラワーのガーランドが飾られています。その品々は、Will が LORNA SHORE のツアーで集めたものもあれば、ファンからもらったものも。
「ゴミの山のように見えるかもしれないけど、それは照明がちゃんと当たっていないからだよ。どれも宝物なんだ」
これらの品々の中で最も重要なのが、表紙に “The Rat Club” と書かれた黒い本。ラット・クラブは Will のアパレル・レーベルの名前ですが、もともとはPatreonのコミュニティで、そこで彼は普段の仕事とは全く異なる音楽を共有していました。このレーベルは絶大な人気を博し、Will は何度か交流会を開催しましたが、事態があまりにも混乱したため縮小せざるを得なかったのです。しかし、その前に、ある人物がこの本を贈ってくれました。初めてそれを受け取った時、彼は涙を流したといいます。
「これは本当に最高に美しい…誰かがまず、僕宛にメッセージを書いてくれ、僕たちが出会った頃の写真も添えてくれた。そして、それを次の人に送り、その人も同じように送り、また次の人へと、というように続いていった。少なくとも数ヶ月はかかったはずだよ。なぜなら、アメリカだけでなく、ヨーロッパや南米など世界中から人が集まっているからね。この本は本当にたくさんの人の手に渡ったんだ」
そうして、寄せ書きを書いた人たち、さらには世界中のファンが LORNA SHORE 5枚目のアルバム “I Feel The Everblack Festering Within Me” に満足していることは間違いないでしょう。バンド特有の荒々しさが息を呑むようなスケールと創造力の奔放さと融合し、デスコアのルール・ブックを再度塗り替えています。そして、Will の黒い本と同様に、このアルバム壮大でありながら、親密でパーソナルな作品でもあるのです。
後者の性質について語る時、ニュージャージー州のほぼど真ん中、ミドルセックス郡にある Will の家は重要な鍵になります。ただし、ここは彼が育った場所ではありません。幼少期、Will は住民が “リバー・ラッツ” というニックネームで呼ぶハドソン川沿いのエッジウォーターと、そこから40マイル以上離れたレオニアを行き来していました。家族が州中に散らばっていたのです。つまりこの場所は、身近で深刻な問題を扱ったこの作品の感情的な震源地となっているのです。

アルバムの不吉なタイトルは、”Prison Of Flesh” という曲の歌詞に由来していて、そこで Will は自らの家族が多く苦しむ認知症が、いかに残酷にも愛する人たちの主体性とアイデンティティを奪っていくかを歌っています。
「認知症は誰にでも起こりうるし、誰かに起こるのを見るのが耐えられないほど悲しい出来事の一つだと思う…それはゆっくりとした死であり、時間をかけて見守らざるを得ない。何をしても、進行を止めることはできないんだ」
ウィルの父方の祖母は長い間認知症を患っていて、今では “かなり進行して” おり、自分の家族でさえも見分けがつきません。
「以前は通りで彼女を見かけても、何も言わずに通り過ぎた時もあった。通り過ぎる時に彼女が僕だと気付くかどうか確かめるためだったんだ。もう何度も会っているのに、彼女は僕が誰なのか全く分かっていないんだよな…」
Will の叔母も認知機能の低下が見られますが、症状はそれほど深刻ではありません。ただ彼女は今でも、Will に北ジャージーの地元で道路が閉鎖されていると定期的に電話やメッセージを送ってきます。数年前に引っ越したにもかかわらず、Will がまだそこに住んでいると勘違いしているのです。
「話は聞くけど、もうそこには住んでおらず、実際はかなり遠くに住んでいることを伝えるんだ。すると叔母は “ああ、そうか…” と言って、後でまた同じことを聞いてくる」
Will はその悲しみを、認知症を悪霊が犠牲者に取り憑く様子 “何かが私の心を襲い、ゆっくりと私の内側を蝕んでいく” に例え、彼らを抜け殻同然にしてしまう “恐怖以外の何ものでもない、空っぽの体” という叫びで表現します。そうして彼自身も同じ運命を辿るのではないかと恐れているようにも思えます。”私は心の闇から逃れられない/悪魔は私の中に棲みついている”。
おそらくそれは、Will が家族の中でずっと若く、だからこそ介護の責任があり、その苦しみを痛感しているからでしょう。彼自身も認めているように、31年前に生まれた彼は “サプライズ・チャイルド” でした。彼が生まれた時、両親にはすでに3人の娘がおり、最も下の娘でさえ Will より15歳年上で、彼女には Will よりわずか3歳年下の息子がいます。
「僕の家族は高齢化している。皆が年老いていくのを見て、もし誰かが亡くなったらと思うと…だからすべてをやってあげたい。後悔したくないんだよ」

両親は人口の85%がローマ・カトリック教徒とされるプエルトリコ出身。アメリカに移住したにもかかわらず、両親は揺るぎない信心深さを保ち、子供たちには毎週日曜日、放課後もミサに行くよう強く求めました。特に熱心なのは母親です。彼女は Will が “クリスチャン・サルサ・サン” と呼ばれるような、信仰と家族の伝統を重んじる、端正な青年になることを夢見ていました。そして母親にとっては残念なことでしたが、デスコアのファンにとっては幸運なことに、その夢叶いませんでした。
「母と特にひどい喧嘩をしたのを覚えている。僕は顔中にピアスをしていたんだ。母は僕にこう言っていたよ。”あんな友達とは付き合ってほしくない。あんなにピアスしててヘヴィ・メタル聴いてるし” って。当時彼女は、僕もそうだったって分かってなかった。てそれが僕だった。母はそれを一時的なものだと思っていたかもしれないけど、僕にとってはそれが自分だったんだ。ピアスをするのが好きで、なりたい自分になるのが好きなんだ」
義理の弟が亡くなるという悲劇にも見舞われました。
「”Forevermore” は、義理の弟が亡くなった時のことを歌っているんだ。この曲は、ヴァイキングの葬式を象徴している。昔は、人が亡くなると…皆が悲しみながらも、ヴァルハラでまた会おうって気持ちになったんだよな。それから彼らは外に出て矢を放つ。矢は船に命中し、船は炎に包まれ、海へと旅立つんだ。皆が悲しみながらも、同時に少しだけ喜びも感じる。その人と知り合えただけで幸せなんだよ。
“Forevermore” では、まさにその瞬間を表現しようとしている。この曲には、人生は庭のようなもので、僕たちは皆、庭に咲く花のようなもの、という歌詞がある。そして遠くからカラスの鳴き声が聞こえてくる。カラスは死を象徴する鳥だと言われていてね。時が経つにつれて、庭の花が摘み取られて、彼はまるで突然、どこからともなく姿を消したかのようだった。最後は、これは別れではなく、向こう側でまた会おう、という思いで締めくくられる。まるで弟への最後の頌歌のようで、まるで彼がどこにいようと、彼に語りかけているような。だから、これは僕が長年書いてきた歌詞の中で最も重要なものの一つかもしれない」

AIが台頭し、物事がアルゴリズムで創造されるようになった今でも、Will のような人物を再現するのは難しいでしょう。LORNA SHORE が彼ららしくなったのは、Will の自分自身と自分の仕事に対する信念のおかげだといえます。彼が2020年に加入するまでに、グループには3枚のアルバムと4人の元ヴォーカリストがいました。
それから5年、彼らはバンドを刷新し、大きく飛躍を果たします。2021年6月11日、Will の正式メンバー加入が発表された日に、新曲 “Hellfire” をリリース。バンド自身でさえ未だに理解できない展開ですが、この6分間の曲は、TikTok で Will の異様な歌声を真似しようと試みる #LornaShoreChallenge のおかげで、瞬く間に人気を博しました。現在までに、この曲はSpotifyで7,300万回以上再生されており、この記録は2022年のアルバム “Pain Remains” にも活かされました。意外に思う人もいるかもしれませんが、Will はスクリーム・テクニックを身につけるにあたって、適切なヴォーカル・コーチやテクニックのトレーニングを受けたことはありません。
「昔から、デスコアのヴォーカリストになりたかったんだ。悪魔のような、小さな怪物のような声を出すのが好きだったから。僕はただそれを試し続けた。 他のデスコア・ヴォーカリストを聴き続け、彼らからインスピレーションを受け、彼らのやっていることを真似していったんだ。
その頃は自分でも気づかなかったんだけど、他のことに挑戦すればするほど、自分の中にあるさまざまな感覚、たとえば知らなかった筋肉や声の動かし方が目覚めてくる。僕はヴォーカルをやっていない時よりも、ヴォーカルをやっている時期の方が長いんだ。 だから、試行錯誤を繰り返しながら、自分の声について学んできた。最近は、クリーンな歌い方をもっとたくさんやって、その方法を学ぼうとしているよ。クリーンな歌い方を学ぶことは、僕が想像する以上にグロウルを学ぶのに役立っている。 僕はいつも、ひとつの音を出すことができれば、それをどうにかして進化させることができると思っている人間だからね」

そういう意味で、今 Will が最もコラボレートしたいのが SLEEP TOKEN です。
「言うまでもないね。僕を知っている人ならもうみんな知っていると思うけど、SLEEP TOKEN と一緒に仕事がしたいんだ。 彼らのヴォーカル、音楽全般が大好きなんだ。 本当に素晴らしいよ!」
稀有な才能と共に、彼は若い頃から自分のやりたいことをはっきりと理解していて、迷うことなくそれを追求しました。そうして、2022年9月には彼らのヒーローである PARKWAY DRIVE のゲストとして出演することができました。
「僕たちがあんなバンドに太刀打ちできるとは思えない。僕たちはあのバンドの抜け殻みたいなものだ。今、彼らがヘッドライナーを務めた場所でヘッドライナーを務めるなんて、インポスター (詐欺師) 症候群のせいで “こんなの全然意味わかんない!” って思うんだ。でも、やるんだから、とにかく楽しみにして、この経験を最大限に楽しもう」
PARKWAY DRIVE の “アリーナ的” 影響は、新作の楽曲 “Unbreakable” への野望にも深く浸透していました。Will 曰く、この曲は彼らの “アリーナ・ソング” であり、オーケストラの要素、猛烈なダブル・キック、そして大勢の人々を間違いなく嫌悪させるであろうブレイクダウンを網羅した、シンフォニックなスケールの攻撃的な楽曲で、新たなファンを開拓しています。その中には Will の両親も含まれており、70代にもかかわらず息子の音楽を遂に愛するようになったといいます。
「バンドがうまくいっているからだよ!そうでなければ、”最悪だ!やめてしまえ!って言われるだろうね (笑)」

約1年前、父親は初めて息子のライブに訪れました。いや、ヘヴィ・メタルのライブ自体、彼にとって初めての経験でした。それまで、父ラモス氏は Will がバンドをやっていること以外、その内容をほとんど知らなかったのです。しかし、LORNA SHORE のライブを体験した瞬間、状況は一変しました。会場は広く、観客は満員で、花火も盛大。
「”ちっぽけなバンドなんかじゃない!ステージには文字通り火が燃えているんだ!” って父は言ったんだ (笑)。認めてもらうには長い時間がかかったけど、今は満足しているよ」
Will は、バンド活動を通して父親との関係を修復できたことに大喜びしています。両親は彼が12歳の時に離婚したため、Will は両親の家を行き来しながら生活していました。しかし、その綱渡は親権の問題ではありませんでした。父親と暮らしていれば、いらだちを募らせ、母親の家に預けられ、母親と暮らしていれば、”メタル人間”(彼女の言葉)であることを受け入れてもらえず、父親の元に戻る、といった具合。幸いにも、両親は Will の高校の近くに住んでいたため、ある程度の継続性は保たれていました。
しかしある時期から、Will と父親は “すっかり疎遠に” なり、連絡を絶ってしまいます。数年間、Will は会いたくないという気持ちが彼の心を蝕んでいたといいます。しかし、時の流れが後戻りできないことを実感した Will は、父親に会いに行く旅に出て、父親の変わり果てた姿に衝撃を受けます。父親はまさに老人になり、記憶にあるような白髪ではなく、雪のように白い髪になっていたのです。
「父親と息子の関係、愛する気持ちを取り戻したかったんだ。それが何であれ。父がひどく老け込んでいるのを知っているから、償いをしなければならなかったんだ」
激しい波に乗せて芝居がかったギターラインが流れる傑作 “Glenwood” は、その再会について歌われ、”昔のように戻れるかな?” というリフレインを軸に、コーラスで和解の美しさを伝えています。

バンドはどのように曲作りをするのでしょうか?常識的に考えれば、まずリフを思いつき、それをより完成度の高いアレンジに仕上げ、それから音楽を反映し、深みを増す歌詞を添えることになります。しかし、LORNA SHORE はそうではありません。彼らの創作ワークフローは少々変わっています。
「みんなで座って、”どんなバイブスが欲しいんだ?” と自問するんだ。たとえそれを物理的な物で表現しなければならないとしても、動詞で表現しなければならないとしても、関係ないんだ」
実際、それがどのようにして、とめどなく攻撃的な “War Machine” のような曲へと繋がったのでしょうか?
「このバイブスは “怒り” だって言う人もいるだろうね。誰かが “銃” って言うと、次は “ドカーン” って言う。それから “爆発” って言う。そうやって作ったアイデアを、壁に貼った大きなムードボードに、それぞれの曲のアイデアを言葉と絵で表現して書き留めて、みんな自分の部屋に集まって、とことん話し合うんだ。音楽的にはどこかから始めなきゃいけないから、Adam がギターを持って、一日の終わりに発表して、お互いの作品について意見交換するんだ」
つまり、LORNA SHORE のメンバー5人が、自分たちの音楽で伝えたいことを5人で明確に表現することで、より繊細なニュアンスが生まれるのです。
「例えば GOJIRA が、ある時はめちゃくちゃヘヴィな曲を歌って、次の瞬間にはアンビエントな曲を歌うみたいに、変化をつけられる。僕はそうありたいんだ。いつも超ダークである必要はないと思う。僕たちはそういう人間じゃない。これは今まで僕たちが発表してきたものの中で、最も人間味あふれる作品だと思う。僕たち全員が、個人として、あるいは一緒に、実際に体験した物語や感情に基づいている。これは今までやったことのないことだ」
この新たな章をどう乗り越えていくかは、全く別の問題です。Will は前述のインポスター症候群を抱えており、バンドの急成長のスピードにまだ慣れていません。
「世代のせいなのか、それとも何か他の理由なのかは分からない。最近、誰かと話したんだけど、本当に良いことをした時、自分がそれを良いと感じたというよりは、それをじっくり考える時間も与えずに次のことに移ってしまうんだ。LORNA は急速に成長していて、たくさんのことが起こっているから、ハンドルから手を離すのが難しい。だから、時にはハンドルに引きずられるしかないんだよ。ほんと、あっという間にいろんなことが起こった。 バンドにいたすべての時間を振り返ってみると、”ワオ、僕は本当にしばらくここにいたんだ” というような、ほとんどシュールな感じなんだ。 信じられないよ」
すべてがうまくいっているという感覚、充足感と充実感が入り混じった感覚は、Will が滅多に味わうことのできないもの。だからこそ、それが訪れた時は特別な感覚になるのです。普段はなかなか抱かない自己省察を強いられるから。
「会場に戻る前に、どこかで食事をする。その時考えるべきことは、食事をすることと会場に戻ることだけだよね。でも、ふと “今この瞬間、すべてが完璧に感じられる” と思うんだよな」

参考文献: NEW NOISE MAG :INTERVIEW: LORNA SHORE VOCALIST WILL RAMOS TALKS ‘I FEEL THE EVERBLACK FESTERING WITHIN ME’

KERRANG!:Lorna Shore: “The band’s growing so fast that it’s hard to keep your hands on the wheel. Sometimes you’ve got to let it drag you around”

LOUDWIRE : WILL RAMOS

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FIRSTBORNE : LUCKY】CHRIS ADLER’S TRIUMPHANT RETURN !


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHRIS ADLER OF FIRSTBORNE !!

“I had lost the joy of playing as I found it disappointing. This changed when I realized I had only been focusing on the things that dystonia had taken away – trying to find ways around it or force it to work. Once I turned my focus away from those very few things, I began to enjoy playing again and have found a new appreciation and love of the instrument and how creative I can be with it.”

DISC REVIEW “LUCKY”

「ミュージシャンズ・ジストニアやジストニア全般は、治ったり良くなったりするものではないんだ。僕はまだ、この病気に適応する方法を学んでいるところなんだよ。もう二度と自信を持ってできない動きもあるし、長い間とても憂鬱だった。またプレーしたいと思うようになるまでには時間がかかった。プレーする喜びを失い、失望していたからだ。
それが変わったのは、ジストニアによって奪われたものにばかり目を向けていたことに気づいたときだね。それを回避する方法を探したり、無理やり何とかすることばかり考えていたことにきづいたんだ。でも、そんなごくわずかな、ネガティブなことから目をそらすと、僕は再び演奏を楽しめるようになり、楽器への新たな感謝と愛情、そして楽器を使っていかに創造的になれるかを発見したんだよ」
病は誰にでも降りかかります…才能にあふれるミュージシャンにも分け隔てなく。あの Jason Becker が全身の筋肉が徐々に萎縮してしまう難病 ALS に冒された時、多くのファンは若きギターヒーローの過酷な運命を嘆き、彼の音楽人生は早晩、終わってしまうだろうと考えました。しかし、Jason は病と向き合いながら、多くの人の助けを借りながら、今もその美しい旋律を私たちに届け続けています。音楽に対する情熱、きっとそれが今も Jason を突き動かしているのです。
LAMB OF GOD で伝説となったドラム・ヒーロー、Chris Adler もまた、病に冒され、立ち向かい、共存しながら創造の翼を広げています。そう、音楽に対する情熱の炎は、過酷な病にも屈することはありません。何より、ヘヴィ・メタルには素晴らしきレジリエンス、回復力、反発力が宿っているのですから。Chris は楽器への愛情と感謝で憂鬱から立ち直り、FIRSTBORNE という新たなスタートを切ったのです。
「これまで僕がやってきたことと競争したくなかったんだ。好きな人たち、一緒にいたい人たちと一緒に新しいスタートを切りたかったし、単純に友人関係の調子やその場の雰囲気に音楽の方向性を委ねたかった。メンバーには、僕が以前やったことのコピーだけは禁止だと伝えた。この方向性がとても気に入っているよ。聴いていてとても楽しいし、子供の頃に聴いていて、音楽に関わりたいと思うようになった音楽をいろいろな意味で思い出させてくれるよね」
FIRSTBORNE の音楽は、LAMB OF GOD, TESTAMENT, PROTEST THE HERO, MEGADETH といった過去に彼が携わってきたエクストリームな音楽とは少し異なっています。”First-born” 、初めての子供というバンド名が表す通り、Chris は健康だった過去の自分と競うのではなく、病気と共に生まれ変わることを選びました。そうして、子供の頃に夢中になっていたハードロックを基盤に、スラッシュ、パンク、プログ、ブルースといった自らのルーツを配合し、新たな道を切り開くことに決めたのです。
相棒は、Ronnie Romeo と並んで今最もハードロックの真髄を体現できるシンガー Girish Pradhan、”ソフト・シュレッド” という新たなジャンルを確立したギタリスト Myrone、そして歴戦の強者 James Lomenzo。このメンバーから生み出される音楽に、情熱の炎が宿らないはずはありません。エナジーも、パワーも、フックも、テクニックも、メロディも、メタルを愛するものなら琴線に触れるものばかり。何より、Chris のタイトで正確無比なあの轟音が再び帰ってきた…その事実に私たちはただ、敬意と感謝を持ってこの “幸運” を噛み締めるだけなのです。
今回弊誌では、Chris Adler にインタビューを行うことができました。「LAMB OF GOD は僕のライフワークだったからね。僕はあのバンドにすべてを注ぎ込み、自分も含めてバンドのみんなのために懸命に働いた。 バンドの歴史を知っている人なら誰でも、僕がどれだけあのバンドに関わり、どれだけ献身的だったかを知っている。
あんなことが起こって、一緒に育った仲間と始めたバンドにもういないなんて、今でもショックを受けているよ。正直、奇妙なことだ。僕はバンドの誰とも連絡を取っていない…というか、このようなことが起きてからずっと連絡を取っていないんだ。こんなことになったから、連絡を取る必要性を特に感じているわけでもないしね」 Chris Adler…その情熱の炎、不死鳥の翼は決して燃え尽きない。どうぞ!!

FIRSTBOURNE “LUCKY” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【BETWEEN THE BURIED AND ME : THE BLUE NOWHERE】


COVER STORY : BETWEEN THE BURIED AND ME “THE BLUE NOWHERE”

“There is no formula in heavy music—it’s a blank canvas, you can have all of these influences and be inspired by all these different genres and all these different eras of music.”

THE BLUE NOWHERE

ノースカロライナ州ローリーで結成された BETWEEN THE BURIED AND ME。メタルコアに端を発した彼らの音楽は、広大で多彩なソングブックに、まさに虹のような音楽的色合いを描くようになりました。”Colors” や “The Great Misdirect” のような多様な実験は、プログレッシブなヘヴィネスと咆哮に根ざしながらも、必要に応じてジャズ、ブルースグラス、プログレッシブ・ロックといった “ノン・メタル” な要素も臆することなく取り入れて、彼らは “モダン・メタル” の象徴的存在となったのです。
バンドの11枚目となる新作 “The Blue Nowhere” はそんな彼らの作品においても、最もエクレクティックで、メタルの可能性を切り開くというゾーンに入ったといえるのかもしれませんね。
“The Blue Nowhere”。ボーカル兼キーボードの Tommy Rogers は、青という色から何を思い浮かべるかと訊かれ、「夢のような、そしてとても平和な…僕たちの音楽はたいていの場合そうではないけれど」と答えています。一方で、彼の長年のバンドメイトで名手、ギタリストの Paul Waggoner は、青には深いセルリアン、コバルト、ネイビーなど、探求すべき色合いの海がまだあることを示唆して、この色をバンドのサウンド拡大の象徴としています。
「青という色は、パレットの中で最も魅力的な色だ。淡いブルーはとても穏やかで安らぎを与えてくれるが、ダークなブルーになると…それは悲しいものになる。たぶん、”The Blue Nowhere” はその全領域を包括しているんだ」

実際、”The Blue Nowhere” は、Rogers, Waggoner, ベーシストの Dan Briggs、ドラマーの Blake Richardson の4人となった BETWEEN THE BURIED AND ME が相変わらず挑戦的でカラフルであることを証明しています。
ワイルドでファンキーなオープニングの “Things We Tell Ourselves in the Dark” は、80年代のスタイリッシュなファンカデリック・ポップに、メタルとプログの狂気がミックスされています。 “The Absent Thereafter” は、ナッシュビルを切り裂くようなカントリー・メタルと、ピーク期のヒューイ・ルイスを思わせるホーン・アレンジが織り成す10分間の大作。 タイトル・トラックはまるで高品質の、しかし一筋縄ではいかないヨット・ロックで、圧巻の “Slow Paranoia” はさながらコーラス・ラインのような生意気なブロードウェイ・ミュージカルと死神のようなメタルの威圧感をマッシュアップした奇跡。
アルバムで Rogers は、想像上のホテル “ブルー・ノーウェア” を舞台にした寸劇で歌い叫び、邪悪なエゴ旅行者たちと過ごすひとときから、”月を見つめて月と交信する” 人々のグループまで、様々な人間模様を描いていきます。そして普段の暮らしから離れた場所への旅が私たちをどう変えていくのかを、非常に人間的に探求。そう、このアルバムはプログ・メタル版、21世紀版の “Paradise Theater” なのです。Rogers はアルバムがホテルをテーマにした理由を明かします。
「何年も前からホテルをテーマにした曲を書きたいと思っていたんだ。曲作りを始めたばかりの頃、それぞれの曲がそれぞれ独自の空間に存在しているように感じられたからね。
全体としては同じものの一部でありながら、それぞれが全く異なる。それぞれが全く別の世界へと誘ってくれる。だから、ホテルというアイデアにぴったりのアルバムだと思った。それぞれの曲が、”ブルー・ノーウェア” というホテルの中で、それぞれ異なる存在であってほしいと思ったんだ。どんな展開になるのか、最初は全く想像がつかなかったけど、最終的には、人間の経験、それに伴う浮き沈みといったものを凝縮した作品になったね
自分自身に問いかけたのは、”この曲は、この想像上の空間のどこで起こっているんだろう?何が起こっているんだろう?” ってこと。それから、ある意味、人間の経験、その中で起こる忌まわしい混沌や恐ろしい出来事、そして美しいものについて歌ったような曲にしようと考えたんだ。この奇妙なホテルを通して、登場人物が人生を歩んでいるような、抽象的な世界を作ろうとしたんだよ」

Waggoner はバンドで泊まるホテルで経験した最悪の経験を回想します。
「おそらく最悪、いや間違いなく一番変なホテルだと思うけど、ダラス郊外に悪名高いモーテル6があったんだ。当時はすごく貧乏で、モーテル6はまさに行きつけだった。当時は30ドルで部屋が取れて、満員だったからね。
到着した途端、妙な雰囲気が漂ってきた。ポン引きみたいな車が停まっていて、見た目はカッコよかったんだけど、”モーテル6にこんな車があるなんて変だ” って思った。鍵をもらって部屋に行くと、窓辺に奇妙なトロフィーが山ほど置いてあるのに気づいた。ドアを開けると、明らかに誰かが泊まっている。ベッドは整えられておらず、部屋は散らかっていた。
フロントに行くと、”ああ、そうですね…すみません” と返事をされ、別の鍵を渡されたんだ。その間も、奇妙な出来事が次々と起こった。警官が車を停めて、それから売春婦がパトカーから降りてきて、僕たちが最初に入った部屋に上がっていく、といった具合でね。さすがに僕たちはそこから脱出したんだ。
3週間後、友人のバンド HOPESFALL が強盗に遭った。ダラス郊外のホテルでトレーラーが盗まれたという投稿があったのを覚えているよ。すぐにメンバーの一人に連絡して、”あの、モーテル6?” と聞いたら、”ああ!”って。
だから…泊まらなくてよかった。僕たちが強盗に遭わず、代わりに友人が強盗に遭ってくれてよかった (笑)。
でも、素敵なリゾートに泊まったり、素晴らしいホテル体験もしているよ。メキシコシティのインターコンチネンタルに一度泊まったのを覚えている。すごく高級で美しいホテルでね。だから本当に様々なタイプのホテルがあるよね。ホテルって面白いよね。だって、本当に幅広いスペクトラムを体現しているから。五つ星リゾートやオール・インクルーシブもあるけど、偶然か状況で世界中のいかがわしい場所にたどり着くこともある。このアルバムはそういうスペクトラムを全部体現しているんだ。自分がどんなホテルに泊まっているのかよくわかっていないっていうのが、いいよね」

ホテルにはメタルと同様に、歴史があり人生があると Rogers は語ります。
「ホテルというものは、そこに歴史があって、行き交う人々の人生が面白いんだよ。ホテルは人々が人生について考えるための器だ。孤独、喜び、悲しみなど、様々な感情が渦巻いている。人生最高の時も最悪の時も、ホテルには宿っていることがあるんだよね。
部屋によって様々だ。例えば、ある部屋は休暇中の家族連れで、別の部屋は3週間も飲みまくって人生最悪の状態にある男の部屋、といった具合でね」
ホテルがいかに多様な体験を提供できるかというアイデアを踏まえ、このアルバム全体には様々な感覚が流れています。Rogers は音楽的な融合や実験にも、以前よりさらに力を入れたと胸を張ります。
「僕たちが曲作りをするときの素晴らしいところは、物事がいかに早く、そして自然に生まれ始めるかということ。曲を組み立てるのに何年もかかっていると思うかもしれないけど、こんなにうまくまとまったグループでいることの素晴らしさは、一度全員が同意して飛び込み始めると、物事が自然と動き出すことなんだよ」
オープニングの大仰な “Things We Tell Ourselves in the Dark” はエゴについての楽曲。
「僕はどちらかと言うと、歌詞である瞬間を捉えようとしているんだ。この歌詞は、ある男の視点、あるいはこの曲のテーマとなっている人物の視点から書かれている。彼は自分が完璧な人間だと言っている。彼は素早く、機械のような正確さを持っていてね。
“Things We Tell Ourselves in the Dark” は、BTBAM にとっては全く異質な曲だった。この曲には自信が溢れている。そして、誰かが高級ホテルに入ってきて、みんなを見下しているような姿をすぐに想像したんだ。基本的に、このひどい人物像を作り上げ、それについて曲を書いた。エゴについて…エゴが強すぎると、人生にひどいことが起こる。これは僕たちが捨て去らなければならないものだ」

バンドが成長していく中で、かつてメンバー自身もエゴを捨て去る必要があったと Rogers は認めます。
「物事を自分の中に閉じ込めすぎないことを、ずいぶん前に学んだと思う。みんな曲をたくさん書くから、うまくいかないことに何時間も費やしてしまうことがある。
僕たち全員の目標は、良い曲、良いアルバムを作りたいという思いだけ。だけど、うまくいかないこともある。でも、その後に何かが起こることもあるんだ。例えば、”Absent Thereafter” のメインリフの一つは、Paul (Waggoner) が2018年の “Automata” の時に書いたものだ。当時、彼がその部分をとても気に入っていたのは知ってるし、それは最高だった。でも、僕たちが当時書いていたものには、どうもしっくりこなかったんだ」
Waggoner が付け加えます。
「ああ、彼らは気に入らなかったんだ。”出て行け” って言われた。傷ついたよ (笑)。面白いよね…Tommy が言ったように、僕たちは個人として、それぞれ曲を書いていて、そういうものすべてに対してビジョンを持たずにはいられない。でも、それをグループで共有したら、それは共同の財産になるという事実を受け入れないといけないんだ。自分のビジョンが変わる可能性も受け入れないといけない。個人のビジョンではなく、集団のビジョンになる。若い頃はそれが難しいし、少し傷つくこともある。でも、バンドとして、そして家族として成長するにつれて、それが常に最善だと分かるようになった。
長い歴史の中で、メンバー間で多少の不和はあったけど、ここ数枚のアルバムで素晴らしいケミストリーが生まれたから、もうそんなことはない。個人として、音楽に対するエゴイスティックなアプローチは捨てたんだよ。それは良いことだよね。
他の多くのバンドも同じような経験をしていると思うよ。最近、MASTODON の Brent Hinds が亡くなったけど、彼も同じことを言っていたね。複数のソングライターがいるバンドの場合、一度アイデアをグループに提示したら、それはもう自分だけのものではなくなってしまう。それを受け入れなければならないんだ」

ファースト・シングル “Things We Tell Ourselves In The Dark” は、このバンドの実験性とアイデンティティの両方を反映した曲だと Waggoner は語ります。
「これは Dan の独創的な発想で、彼は本当にマルチ楽器奏者なんだ。彼はまさにプログ好きの典型で、紛れもなく変わっている。僕たちにとっては突飛な曲だけど、それでも BTBAM のアイデンティティはしっかりと残っている。賛否両論あるだろうとは思っていたけど…でも、みんなが話題にしてくれるからクールだと思う」
“The Blue Nowhere” のタイトル曲もある意味、BTBAM にとっては新境地で、挑戦で、”奇妙な” 楽曲です。過激な実験主義者である彼らにとって、ただ落ち着いてテンポを乗っていくというのは前代未聞の試みに思えます。
「でも、僕にとっては全然不自然じゃなかった。もっとこういう曲が書けたらいいのに。覚えやすくて、演奏しやすい。でも、あの曲の誕生は本当に奇妙な体験だった。Tommy が “ヨット・ロック風の曲を作ろうぜ” って、ふと口にして。もちろん、ファンの中には驚いた人もいたけど、すごく自然に形になったんだよね。様々なトーンを試す機会、Tommy のメロディアスな歌い方、ヴァース・コーラス・ヴァースみたいなもの、そういうのは、みんなが思うほど僕たちにとっては不自然じゃないんだよ。だって、僕たちはそういう音楽が好きなんだから。普段曲作りに使っているフォーマットよりも、あのフォーマットで聴く音楽の方が多いかな。クレイジーなメタルはあまり聴かないからね。
それに、あの曲は僕たちに、あまり大げさにしないように、ある程度の抑制を強いる試練を与えた。作るのは楽しかったし、ファンが聴いてくれるのは、僕たちが曲を作る時よりも奇妙な感じがすると思う。自分たちのそういう側面を探求する機会だったんだ」
Rogers にとって、タイトル・トラックは今回のフェイバリットとなりました。
「タイトル曲はすごく気に入ってる。すごく個性的な曲だからね。僕らの頭の中ではヨット・ロックの曲だったんだけど、“BTBAMスタイルで”、それが目標だったんだ。デモのタイトルは “Prog Yacht” だったんだ。
アルバムの流れの中で、この曲がうまく配置されたのは、本当に嬉しい偶然だったよ。直前の2曲は、も”これやりすぎ?” って思うくらい、かなり盛り上がってる。もしあの直後にあんな曲があと2曲あったら、みんなお腹いっぱいになってしまうよ」

“Absent Thereafter” のホーンセクションの響きにはヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、”The Heart of Rock & Roll” の影響が感じられると、さらに Waggoner は語ります。
「Dan がその要素を加えてくれたし、あの曲を提案した時にヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの名前を文字通り口にしたと思う。でも、ギタリストとしての僕は、”Eddie Van Halen, Danny Gatton, Earl Scurggsがメタル・ソングを書いたらどうなるだろう?”みたいな曲を書こうとしていたんだ」
BETWEEN THE BURIED AND ME には昔からこういう “おどけた” 要素があって、それがバンドの良い隠し味となっています。
「セルフ・タイトルのアルバムでも、そういう要素はたくさんあった。こうしたアイデアの主な提供者は Dan だと思う。彼はちょっと変わったタイプの人で、OINGO BOINGO や CARDIACS に影響を受けているからね」
“The Blue Nowhere” にとって、ダイナミクスは不可欠です。だからこそ、Waggoner はインタールードを採用しました。
「山あり谷ありのアルバムが好きなんだ。ファンにはアルバム全体を一つの没入感あふれる体験として聴いてほしいから、特に激しい曲の前後で、少し落ち着く瞬間があるのは重要だと思うんだ」
その哲学は “Slow Paranoia” にも明確に表れています。
「最初は Dan が書いたちょっと変わった曲、とてもプログレ的でメロディアスなワルツだった。そこに Blake がちょこちょこ要素を加えて、突然、すごくヘビーな瞬間が生まれた。みんなが少しずつ個性を出し合って、壮大でクールな曲になった。あの曲は最初から最後まで、まるで一つの旅のようだ」
そう、このアルバムに宿るのは真に自由なサウンド。ファンが渇望する特徴-脱線的でカラフルなコンポジション、カーニバルのようなメロディー、超越的なテーマに豊富なリフは確かに健在ですが、”The Blue Nowhere” を5つ星体験に押し上げる特別な要素が一つあります。それは、”The Great Misdirect” と同じくらいバンドのキャリアの中で最も記憶に残る楽曲たちだと、Tommy は語ります。
「このアルバムの本当に好きなのは、”The Great Misdirect” にも通じるところがあって、それぞれの曲が本当に独自の世界を持っているように感じるところ。これは、曲作りを始めた頃に自然に生まれたものなんだ。本当にたくさんの新しいアイデアを掘り起こせたと思う。これまで書いてきた膨大な量の曲のおかげで、作曲家としてこれまで以上にリラックスした状態になれたと思う。こうして心地よくいられるのは幸運だと思うし、お互いを、そして自分自身を本当に刺激し合える。ファンもそれを期待してくれているんだ」

Waggoner が続けます。
「アルバムを作るたびに、僕たち全員の多様性、そして影響を受けてきたものが、どんどん抑えられないものになっていく。”The Great Misdirect” は、その良い参考例になると思う。あのアルバムは、僕たちが書く様々なタイプの音楽のムードを、本当にうまく表現できたと思うからね」
4人組として初のアルバムとなった “The Blue Nowhere”。長年ギターのパートナーを務めた Dustie Waring が脱退し、Waggoner はギターパートのほぼすべてを自らレコーディングすることになりました。
「ベースの Dan が12弦アコースティックギターなどのギターを担当しているけど、ギター演奏はほぼすべて僕が担当した。僕たちは非常に複雑な曲を書いているので、1人になることが精神的な挑戦というよりは、ギターのレイヤーがいくつもあることが多くて大変だった。2つのリズムと1本のリードギターといった単純なものではなく、もっと複雑なパートもあるからね。ハーモニーパートがあったり、2本のリズムギターがそれぞれ違う役割を担っていたりするんだよ」
正気を保つため、Waggoner は綿密な整理整頓に頼っていました。
「レコーディングが必要なギターパートを全部スプレッドシートにまとめているような感じなんだ。レコーディングが進むにつれて、完成していくにつれて、一つずつ項目にチェックを入れていく。そうすることで、少しは気が楽になるんだよな」
このアルバムは、バンドにとって Inside Out Musicからの初リリース。それに伴い、Waggoner は同士を得たことを喜んでいます。
「僕らにとって、それは理にかなったことで。彼らはプログ界の最前線に立っていて、若くてヘヴィなバンドたちと共に進化し始めている。僕らは、クラシックなプログとアグレッシブなプログの間の橋渡しをしているんだ。僕らのお気に入りのバンド、例えば HAKEN とはツアーで共演したことがあるし、LEPROUS や DREAM THEATER ともツアーで共演している。彼らはプログ界のアイコン的な存在だよね。だから、彼らと同じレーベルに所属できることは光栄なんだ」
バンドにとって、影響を受けてきたアーティストは常に多岐にわたっています。
「僕らは影響を受けてきたものを一度も捨てたことはない。ただ、そこに新たなものを加えただけなんだ」と Waggoner は振り返ります。 「ヘヴィ・ミュージックには公式なんてない。まっさらなキャンバスみたいなもの。あらゆるジャンル、あらゆる時代の音楽から影響を受け、インスピレーションを得ることができる。僕たちは枠にはめようとはしていない。枠なんてないんだってことを、みんなに証明したいんだ。音楽的には何でもできるって。幅広いミュージシャンからインスピレーションを得て、その影響とインスピレーションを活かして自分だけのサウンド、自分だけのものを作り上げることができるってことをね」
例えば、Tommy にとって、DREAM THEATER も NINE INCH NAILS も同じくらい大切なバンドなのです。
「エクストリームメタルやハードコアにハマる前は、80年代メタルで育ったから。だから当然、”Images And Words” に惹かれてたんだ。ヘッドバンガーズ・ボールで “Pull Me Under” を見て、”うわ、これはヤバい!” って思ったのを覚えてる。”QUEENSRYCHE みたいだけど、もっとヤバい!” って感じ。だから、あのレコードはずっと大好き。彼らのアルバムのいくつかは、たぶん20代の頃、僕にとってすごく大切なものだった。彼らの作品の多くは、間違いなく僕に大きな影響を与えていると思う。彼らはいいバンドだよ!本当にクールなアルバムを何枚も作っているし、彼らのようなバンドが今も勢いづいて、ツアーも回って、音楽をリリースしているのを見るのは嬉しい。本当に…
同時に NIN の “Downward Spiral” はおそらく、これは僕の人生で一番好きなレコードの一つだ。彼らは僕の音楽人生において大きな部分を占めてきた。 “Pretty Hate Machine” は今でも史上最高の曲の一つだ。とにかく、彼らは本当に素晴らしいバンドだよ!」

参考文献: NEW NOISE MAG :INTERVIEW: BETWEEN THE BURIED AND ME TALK ‘THE BLUE NOWHERE’

BOOLIN TUNES:IN CONVERSATION: Tommy Giles Rogers of Between the Buried and Me at ArcTanGent

ROCKIN GR:Between The Buried And Me: “The prog community has gotten more comfortable with the extreme versions of that world”

SONIC PERSPECTIVE:PAUL WAGGONER On Why BETWEEN THE BURIED AND ME Refuses To Play By The Rules: “We’re Not Trying To Fit Into A Box, We Want To Prove To People That There Is No Box”

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【QUADVIUM : TETRADOM】 STEVE DI GIORGIO SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEVE DI GIORGIO OF QUADVIUM & TESTAMENT !!

“You Can Make a Fretless Sound Like Fretted If You Want, But You Can Never Make a Fretted Sound Like a Fretless…The Fretless Bass Is Just So Much More Expressive And Has a Greater Distance From The Guitar.”

DISC REVIEW “Tetradōm”

「異なるサウンドを作るために実験的にエクストリーム・サウンドにフレットレスを持ち込んだんだ。もし望むなら、フレットレスをフレット付きのように鳴らすことはできるけど、フレット付きをフレットレスのように鳴らすことは決してできない……フレットレス・ベースの方が表現力が豊かで、ギターとの距離もとても近いんだ」
メタル世界で “フレットレス”、つまりヴァイオリンのようにフレットのない楽器は今や珍しいものではありません。ベースはもとより、Tom Fountainhead のようにギターにまでその波は広がっています。フレットを取り払った異次元的で滑らかな音色は、どんな楽曲にもえもいわれぬ独特な風味を加え、メタルの幻想と宇宙を深化させてくれるのです。
「DEATH は僕にとってすべてを意味する。Chuckは僕にミュージシャンとして成長するチャンスを与えてくれたし、何より他の人たちが注目できるよう僕をメタルの地図に載せてくれたんだからね。もちろん、”Individuals” の2年前には、僕にとってとても重要なアルバムに参加していたんだけどね… “Human” だよ。CYNIC の才能ある連中と一緒に、あんなに若くしてデスメタルの景色を変えたんだからね。あの作品で新しい方向への扉が開かれ、まったく新しいジャンルが生まれたんだ」
Steve Di Giorgio はそんなフレットレスの魔法をメタルに持ち込んだパイオニアのひとり。今は亡き Chuck Schuldiner が作り上げた DEATH の “Human” は、硬質なメタル世界に “浮遊感” という宇宙を持ち込みました。その新たな景色を描くために Chuck が必要としたのが、ジャズ/フュージョンに精通した CYNIC の面々と Steve のフレットレス・ベースだったのです。
そう、いつだって “壁” を壊すのは “奇抜” にも思える挑戦的なアイデア。以来、エポック・メイキングな “Human” は、テクニカル/プログレッシブ・デスメタルの金字塔となり、フレットレスはメタルの異世界を描く貴重な筆のひとつとなっていったのです。
「僕たちが若く、影響を受けながら成長していた頃、ベースは曲にとって他の何よりも重要だった。だけど、残念ながら90年代にはインスピレーションに溢れたベース演奏が乏しくなり、それは新世紀に入っても続いた。しかし、ここ10~15年の間に、非常に優れた、創造的なスタイルを持つ新しい世代のベーシストが現れ、メタルの中にベースの重要性を取り戻しつつあると思う。ベースが影から出てくると同時に、バンドをサポートし続けることが一般的になってきているんだよ」
始まりの場所 SADUS から、Steve が家と呼ぶ TESTAMENT、ARTENSION や SOEN、果ては MEGADETH まで果てないベースの旅を続ける Steve。そんな彼の挑戦と求道の中でも、QUADVIUM ほど “奇抜な” 試みは初めてでしょう。そう、QUADVIUM にはフレットレス・ベースの達人が Steve 以外にもうひとり、存在するのです。Jeroen Paul Thesseling。OBSCURA や PESTILENCE で名を成したオランダの奇才が加わることで、QUADVIUM はまさに前代未聞の “異質” な物体となりました。
“多弦フレットレス・ベースをさらに進化させたら?” をコンセプトに掲げる QUADVIUM。アルバム “Tetradōm” は、DEATH, CYNIC, ATHEIST, PESTILENCE といった90年代のテクニカル・デスメタルと、現代的なフュージョン・プログ・メタルを基盤とし、楽器の攻撃性と滑らかでジャジーなコード進行、そしてフレットレスの浮遊感、宇宙的景観を巧みに融合させながら、特徴的なダブルベースのサウンドを際立たせていきます。
次から次へとアイデアが飛び交うメタルの迷宮。アストラルな静寂の海、幻想的なハーモニーを切り裂く技巧と激情のインテンション。ふたりのベースの達人は、どちらが主役をはるでもなく、まさに Steve が語る表に出ながらサポートするというこの楽器の理想型を見せつけていきます。
ベースの進化はメタルの進化。「Chuck はよりオープンでメロディアスなギター・リフ・スタイル、”Human” や “Individual” のより創造的なやり方に戻るために僕のベースが必要だと感じていたんだ。でも、僕たちが2作目の CONTROL DENIED の計画を立てている最中に、彼の健康状態が悪化し、完成させることができなくなってしまったんだ。とても、悲しかったよ…それは、その音楽が彼の最も冒険的な楽曲であったからというだけでなく、いや、それ以上に僕たちが出会った1986年、アルバム前のデモの時代からずっと良い友人であったからなんだ。僕はひとりの親友を失い、世界はユニークな先見の明を失った」 TESTAMENT の新作も控えています。Steve Di Giorgio です。どうぞ!!

QUADVIUM “TETRADOM” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【DREAMWAKE : THE LOST YEARS】


COVER STORY : DREAMWAKE “THE LOST YEARS”

“Wavecore Is Essentially The Mixture Of Synthwave And Metalcore. We Just Took The Two Coolest Sounding Words From Both Of Those And Put Them Together.”

WAVECORE

2025年のヘヴィ・ミュージック・シーン。多くのモダン・メタル・バンドが創造的なことをしているのを目にします。SLEEP TOKEN はメタルに強烈でポップなオーラをもたらし、ELECTRIC CALLBOY はヘヴィ・ミュージックをパーティーに変えていきます。また、ICE NINE KILLS はメタルのスタイルでホラーに命を吹き込んでいます。
そして4年前、シンセ・ウェーブへの強烈な愛と情熱をメタル・コアのスタイルに融合させたバンドは今、そのアイデアを広げただけでなく、サックスを全面的に取り入れ、彼らのブランド “ウェーブ・コア” のアーバンでセクシーなサウンドを開花させました。
メタル・コアにプログレッシブなアプローチを取り入れ、そこにシンセウェイヴやサックスパートを持ち込む野心。コネチカットの DREAMWAKE は2018年以降、そのサウンドと野心を見事にスケール・アップさせてきました。セカンド・アルバム “The Lost Years” では、まさに独自の進化を遂げたメタルの構築に成功。彼らの “ウェーブ・コア”サウンドは、メタル・コアのヘヴィネスとシンセウェイブの温かくノスタルジックなフィーリングをカップリングしたもので、まさに唯一無二の取り合わせ。まず、ウェーブ・コアとはどういったジャンルなのでしょうか?ギタリストの Dave Pazik が答えます。
「ウェーブ・コアとは、基本的にシンセ・ウェーブとメタル・コアのミックスだ。 シンセ・ウェーブとメタル・コアの中で、最もクールな響きを持つ2つの言葉を一緒にしたんだ。それでウェーブ・コアになった。 少しずつ定着し始めているね。シンセ・コアやレトロ・コアを使う人もいるけど、僕らはウェーブ・コアが気に入っている。それがこのバンドの本質なんだ。 僕らは典型的なメタルコア・バンドよりも少し多くのことをやろうとしている。 メタル・コアは僕らが大好きなものだけど、シンセ・ウェーブの要素を加えて、僕らのアートの原動力にしたいんだ」
フロントマンの Bobby Nabors も付け加えます。
「シンセウェーブは僕らの人生の中でとても大きな部分を占めている。 僕らはみんな、2017年にリリースされた “Nocturnal” で THE MIDNIGHT というバンドを知ったんだ。 僕たち全員が初めてそれを聴いて、音楽的にも人間としても変わったんだ。僕らの人生、キャリア、そして目標において、とても重要なポイントだった。 このアルバムは、僕たちがバンドとしての本当のアイデンティティを見つける手助けをしてくれたんだよ。僕たちはまだまだ拡大し、成長し、実験していくような気がするけど、超自然に真摯に僕たちの心と魂を完全に注ぎ込むことができるものを見つけたんだ。とても情熱を持っているよ。シンセ・ウェーブは DREAMWAKE の大きな部分を占めていて、これからもこの要素を加えたいと思っているんだ」

メタル・コアとして始まり、そこにシンセウェーブを加えたのでしょうか?Bobby が答えます。
「僕ら3人は、このバンドを結成する前にも複数のバンドをやっていたんだ。シンセを取り入れたバンドもあったけど、ほとんどはストレートなメタル・コアだった。それからバンドを始めて、EP “Dark Thoughts in Vibrant Minds” をリリースして、自分たちの本当のサウンドというか、少なくとも方向性を見つけることができた。でも、その中の何曲かはただのストレートなメタル・コアだった。 方向性が定まっていなかったんだ。実際にサックスを使って少し実験してみるまではね。サックス奏者 Jesse Molloy は、僕たちのすべてのレコーディングに参加してくれている。確か “Paradise” という曲で実験的に彼に声をかけたんだ。 この曲は春のビーチのようなフィーリングで、僕たちはサックスで一段上のフィーリングにしたかった。うまくいったし、だから僕たちはそれを取り入れて走り出した。Jesse は、それまでメタルはやったことがなかったので、自分とはまったく違うものだと言っていたけどね。こうして DREAMWAKE のサウンドが誕生したんだ。 サックスはかなり大きな存在だけど、シンセ・ウェーブで自分たちのサウンドを見つけたんだ」
つまり、DREAMWAKE にとってはメタル・コアと同じくらい、シンセ・ウェーブとの出会いが衝撃的だったのです。Dave が回想します。
「僕らが初めてシンセ・ウェーブに出会ったときのことを覚えている。とてもクールな瞬間だった。友人の車で音楽を聴いていたとき、彼が初めて THE MIDNIGHT を聴かせてくれたんだ。それまであまり聴いたことのない、本当にクールなスタイルの音楽だった。だから僕たちは、自分たちがすでに知っていて大好きなものを使って、シンセ・ウェーブを自分たちのものにする方法を見つけたかった」

Bobby がシンセ・ウェーブに見つけたのは、エモーションとノスタルジアでした。
「感情に訴える音楽に関しては、僕らはみんな本当に情熱的だと思う。僕たちは皆、音楽に何かを求めている。 何かを感じさせてくれるような… シンセ・ウェーブや THE MIDNIGHT、そういったバンドに出会って、一気に世界が広がった。シンセ・ウェーブの音楽の多くには、僕たちが書く傾向にあるものと似たテーマがある。人生、内なる葛藤、物事のダークでヘヴィな側面、でも同時にポジティブであること。ほろ苦さという奇妙なエネルギーがある。ノスタルジックで温かみがあると同時に、ちょっと冷たい感じもする。この作品は感情に左右される音楽で、サックスはその素晴らしい一部だと感じている。感情を引き出してくれる。 それこそが、僕らの音楽の正義なんだ。
サックスが入ると、ひとつのレベルからまったく違う領域になるんだ。鳥肌が立つような感じだ。バンドをやりながら自分たちを表現できることが本当に嬉しいね」
とはいえ、今をときめくあのバンドにも影響を受けています。
「SPIRITBOX, PERIPHERY, ERRA, NOVELISTS といったバンドやアーティストからインスピレーションを受けている。加えて、The Midnight, FM-84, Timecop 1983 といったシンセウェーブ・アーティストからも多くのインスピレーションを受け、プログレッシブ・メタルコアとシンセウェーブ・ミュージックの両方から影響を得ることで、現在のサウンドを作り上げることができたんだ」

モダン・メタルの世界では、多くのバンドが同じように外部から様々な影響を取り入れようとしていますが、不誠実で歪なやり方も少なくありません。しかし、DREAMWAKE は実に自然です。Bobby はこの実験をとても気に入っています。
「ありがとう。 サックスを使った実験は、最初は1回限りのものだったんだけど、曲の感情をうまく引き立てているのを聴いて、僕らのサウンドの永久的な一部にする必要があると感じたんだ。 僕らの曲はサックスがとてもよく合っている。
以前は曲を書いてから、入れる場所をサックス奏者に選んでもらっていた。サックスを入れる場所を決めてもらっていたんだ。でも今回のアルバムでは、彼に楽しんでもらうことにしたんだ。 やりすぎたり、無理強いしたりすることなく、サックスの出番を増やすようにした。以前のレコードよりもサックスを散りばめて、そのメッセージを訴えかけるようにしているんだ」
“The Lost Years” は、前作 “Virtual Reality” よりも様々な点で進化を遂げていると Dave は語ります。
「幅を広げたという感じかな。 サックスやシンセ・ウェーブ、軽めのパートもたくさん書いたけど、ヘヴィなパートも間違いなく増えた。 そういう意味でも幅が広がったと思う。今回は DREAMWAKE のダイナミックさがより広がったと思う。まず、僕らは “Virtual Reality” で自分たちのサウンドを見つけたんだ。今回のアルバムでは、自分たちがやっていることを両極端により強烈な形で届けるにはどうしたらいいか、より意図的で計算されたものにしたのさ」

“The Lost Years” から何を感じ取ってほしいのでしょう?Bobby が答えます。
「”The Lost Years” は人生の “ページめくり” のような気がするね。青春時代から、大人としての自分を発見し、人生の目的を見つける。人生の次のステップを踏み出し、自分が進むべき道を進む。制作中の何年かの間に、僕らはちょっとしたアイデンティティの危機に陥っている。
“The Lost Years” の多くは、痛みや感情、人生の良い年や悪い年について書かれている。しかし、トンネルの中には光もある。怖いけれど、楽観的になること。 地平線の先には、必ず良いことが待っている。人生は前進する。もしこのアルバムを聴いてくれる人がいたら、大丈夫だと感じてほしいし、人生がどんなに苦しくても、怖くても、前に進み続ける理由があることを知ってほしいんだ」
Dave が付け加えます。
「さらにいえば、陳腐に聞こえるかもしれないが、”君はひとりじゃない” というメッセージを発信したかった。年齢を重ね、問題や葛藤を抱えていると、かなり孤立してしまうような気がするんだよ。周りのみんなもそうした苦労をしている。時には結局自分しかいないことに気づくこともある。それは良いことでもあるけれど、誰にでもサポートシステムが必要だし、自分が経験している苦難は一時的なもので、解決できるものだと気づかせてくれる人が必要なんだ。僕らの音楽がそのための逃げ道になったり、苦境に立たされているのは自分だけではないということを誰かにわかってもらうためのプラットフォームになったりするのなら、それは素敵なことだ。それが大きな目標であり、僕たちの活動から受け取ってほしいメッセージなんだよ」

DREAMWAKE にとって、歌詞やメッセージはとても大切なものだと、フロントマンは語ります。
「僕は歌詞を書くとき、それが良いものであれ悪いものであれ、特定の感情を感じない限り何も書けないんだ。無理やり書くことを自分に許さない。書けるのは、音楽を通して納得して、解決するに値する何かを感じているときだけだ。だから歌詞を書くときは、誰がどう解釈してもいいように曖昧に書く。 でも、僕は自分自身の個人的な葛藤や自分の人生で経験していることから歌詞を書いているんだよ。
歌詞はある意味セラピーのようなもの。 自分の考えや感情を処理するためのね。誰だってそれを吐き出す方法が必要だ。僕の方法は幸運にも音楽だ。 歌詞には誇りを持っているし、時間をかけている。僕にとってとても大切なものであり、このアルバム全体がとても重要なものなんだ」
シンセ、サックス、そしてプログレッシブなメロディー。 曲を作るプロセスを Dave が説明します。
「どの曲もスタートが違う気がする。 最近はシンセのメロディから始まる曲が多い。というより、リフから書くことだけは避けるようにしている。むしろ、すでにそこにあるメロディにリフをつけるほうがいい。僕たちはいつも演奏を先に仕上げる。Bobby と僕は10代の頃からずっとそうだった。スタジオに行って、歌詞のない曲を書いて、曲を完成させる。 そうすれば、自分たちのサウンドスケープを作ることができる。 ギター・パートやシンセの多くが、まるでボーカルのメロディーのように歌えることに気づくだろう。 ボーカルを入れる前に、そういうものをたくさん入れるようにしているんだ。なぜなら、初めて聴いたときには気づかないような、サブリミナル的なメロディーが背後にあるからだ」

ボーカリストも、バックの演奏には絶大な自信を持っています。
「インストゥルメンタルの面では、ボーカルがいなくても、僕らの曲は大きな声で語りかけてくるような気がする。何が起こっているのか聴き取れる。僕らの音楽と作曲プロセスには、たくさんのレイヤーがある。 集中しないと聞こえないこともある。そのプロセスには、とても多くの思いが込められているんだ。もちろん、ボーカルがあるときは、とてもいいし、音楽に素晴らしい要素を加えているのだけど、インストゥルメンタルだけを聴いていないと聴こえないようなものがたくさん隠されてしまうんだ。だからファンにはインストゥルメンタルも集中して聴いてほしいと思っているんだ。ある意味、曲を別の視点から聴いているようなものだからね。
どのレイヤーも無駄にはなっていない。僕らの音楽には、ひとつひとつに明確な目的がある。 フィラーもナンセンスもない。それぞれのピースがそこになければならないと感じているんだ。 インストゥルメンタルにはプライドがあるんだ。僕らはバンドで全領域をカバーしようとしているんだ。 トラック内のあらゆるものが常にシュレッドしているようにしたいんだ(笑)。 もしそうでないなら、僕たちはそれをさらに加速させる必要がある。 すべての小品が印象的であってほしい。 どの曲にも驚きを与えたいんだ」
DREAMWAKE は音楽と歌詞だけでなく、MVやマーチャンダイズにもノスタルジックでレトロ・フューチャーな雰囲気が醸し出されています。逆にいえば、メタル・バンドが定期的に使うような色彩はあまり見かけません。Bobby が説明します。
「そうすることで、自分たちを最大限に表現することができる。このバンドのピースは、イメージ、マーチャンダイズ、すべてを含めて、僕たちの心の一部みたいなものなんだ。それはまた、僕たちがバンドと迷い、そして今ここにいること、人生の様々な時期に似ているのかもしれない。シンセ・ウェーブ/ヴェイパーウェイブの美学は、僕たち自身を本当によく捉えている。ノスタルジックな子供時代のような、温かくてファジーな感覚を持ちながら、同時に切なくてエモーショナルでもある。
ピンクとブルーを見ると、誰もが自動的に DREAMWAKE 思い浮かべるよね(笑)。それが僕らのカラーなんだ!」

ブルーとピンク。Bobby はそのツートンカラーの色合いを、完璧主義者とそこからの解放のふたつで実践しています。
「少なくとも僕は、ミュージシャンとして毎公演完璧でありたいと思っている。でも毎晩必ず何かがあるわけだから、自分の頭で考えて、ショーの後に自分を責めないことが大切なんだ。多くのミュージシャンは、少なくとも僕が会った人たちはそうだった。完璧でありたい、もっとうまくなりたいと思うのはみんな同じだけど、常に自分が一番の批判者なんだ。以前はステージから降りると、その晩はずっと怒っていて、ツアーや旅を台無しにしていた。今は、ステージに立つこと、そしてそのステージをやり遂げることに喜びを感じられるようになった。何が起ころうとも、起こったことは起こったことだし、自分が一生懸命やった限り、それがすべてなんだ。この前のツアーでは、それを本当に実践したし、精神状態も以前よりずっと良くなった。 ミュージシャンとして、少なくとも僕にとっては、毎晩110%完璧でなくても大丈夫だということが、大きなことだと感じている。 人間である以上、何かは起こるものだから、そこに行って人々のためにやった自分を褒めてあげて、多幸感を感じて次のステージに行くんだ」
DREAMWAKE というバンド名も、そもそも “多幸感” を意識してつけられました。
「DREAMWAKE という名前の由来は、音楽を演奏することで自分たちの感覚を体現できるような名前を見つけようとしたことからきているんだ。僕たちはそれを、夢やフロー状態、ネガティブな考えやアイディアから解放された状態だと考えたい。 音を通して、現実から一時的に逃避し、多幸感に浸るようなね」
シンセ・ウェーブは、ここ10年ほどの間に、音楽だけでなく様々な側面に浸透してきました。バンド全員がその事実に興奮を覚えています。
「本当にクールだと思うよ。 僕らのビデオにも、そういった側面をいくつか使っている。”Night Rider” のビデオでは、ランボルギーニが登場し、背景にはサイバー・パンクのような街並みが映っていた。
シンセ・ウェーブの要はフィーリングに浸れることだ。 だから、純粋でオーセンティックなシンセウェーブを取り入れたものには、何らかの愛着が湧くんだ。 胸に響く感覚を与えてくれる。僕らにとってはとてもありがたいことなんだ。
今、シンセウェーブが注目されているのはとても嬉しいことだよ。みんなが大好きなものだから、あちこちのメディアで目にすることができる。ある意味、僕らのために作られたトレンドのようなものだ。僕らにとっては、子供時代に似ているんだ。90年代に育ったから、80年代後半から90年代がスイートスポットだと感じている。まさにノスタルジーだね。僕たちがこの音楽をやっているのと同じ頃に流行っているというのは神だ。もちろん、情熱的なプロジェクトだから、流行に乗るつもりはないけれど、社会がシンセウェーブで病みつきになっているのは事実だ。僕たちはその利点を享受することができるんだ」

参考文献: DEAD RHETRIC : Dreamwake – Championing Wavecore

KILL THE MUSIC : UNSIGNED SPOTLIGHT DREAMWAKE

100% ROCK MAG: DREAMWAKE Interview

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CAR BOMB : TILES WHISPERS DREAMS】


COVER STORY : CAR BOMB “TILES WHISPERS DREAMS”

“At The End Of The Day, The Process Of Making And Playing Music Is The Biggest Reward, So You’d Better Be Making Something That You Love.”

TILES WHISPERS DREAMS

複雑なメロディとリズムの融合は、メタルの誕生以来、常にその主要な要素の一つでした。BLACK SABBATH の楽曲における Bill Ward のジャズ的なドラミングや、LED ZEPPELIN の層を重ねたアレンジ、シンコペーションなど、メタルの激しさはその複雑さと密接に結びついてきました。そして、そのつながりは時と共にさらに強固なものとなっています。
ニューヨークの CAR BOMBは結成されてからほぼ25年間、演奏が困難なほど複雑なメタルを創造する最前線に立ち続けています。そして、6年ぶりとなる巨匠の帰還。ポスト・ハードコア、メタルコア、マスコア、そしてパンクのあらゆる要素を、純粋無垢な激しさでぶつけ合った、野蛮で妥協のない短編アルバム “Tiles Whisper Dreams” の12分はあまりも濃密で予測不能かつ衝撃的です。
そんな CAR BOMB の混沌は、どのように始まったのでしょうか?ギタリストの Greg Kubacki が説明します。
「1990年代後半、Mike と僕は NECK というバンドに所属していて、Elliot と Jon は SPOOGE というグループで一緒に演奏していたんだ。両バンドはロングアイランドのロックビル・センターにある同じリハーサルスペースを共有していて、互いの音楽のファンだったんだ。だから、両バンドが解散してから数年経った後、僕たちは力を合わせ、以前のプロジェクトよりもヘヴィでテクニカルな音楽に挑戦することを決めたんだよ。以来、僕たちは CAR BOMB に全力で取り組んできた。
2000年代初頭に結成後、僕たちは自らのサウンドを探求し、アイデアを書き下ろし録音する方法を学ぶために多くの時間を費やした。最初のアルバム “Centralia” は2007年に Relapse Records からリリースされ、同レーベルの他のバンドと共にツアーを開始した。だけど僕らは昼間の仕事を完全に辞めることを望まなかったから、Relapse と別れ、自分たちのペースで音楽を作り、全てを自分たちで手がける道を選択したんだ。僕たちは3枚のアルバム “w^w^^w^w”, “Meta”, “Mordial” を自らレコーディング・リリースし、Meshuggah, Gojira, Dillinger Escape Plan, Between the Buried and Me, Animals as Leaders といったバンドとのツアーにも参加する幸運に恵まれたんだ」

CAR BOMB の音楽は、時にエイリアン・コアなどと例えられています。
「創造的な活動を言葉で表現するのは難しい。僕らは感覚に依存しているからね。それでも言葉にするならばおそらく、プログレッシブ・デスコア、マスコア、プログレッシブ・メタルに、スペースロックやシューゲイザーの要素を混ぜたものと言えるだろう。まあ、”エクストリーム・メタ” や “エイリアン・コア”、甚至いは “レーザー・コア” と呼ぶ人もいるよ…(笑)。僕たちは多くの実験をするけれと、ジャジーやアバンギャルドな方向へ行き過ぎないように注意しているんだ。ヘヴィでグルーヴィーなサウンドを保つことを重視しているし、それが僕たちの独自のグルーヴの解釈であってもね。
僕たちの音楽に惹かれる人々は、僕たちが好むようなヘヴィなサウンドを求めていると思う。ただし、それは従来のジャンルに囚われないもの。僕たちは常に異なるアイデアや、曲、ドラムビート、コード進行、リフを歪める方法を模索していて、ファンもそのような実験的な要素を好むと考えているよ」
パンク、ハードコア・パンクもメタルと同様、CAR BOMB にとって重要な要素です。
「リフを演奏するときの感覚として、パンクの美学は常に持っていたいと思っている。メロディックなパートであっても、洗練されていないというか、そう表現するのが一番だと思う。 あまりプロダクションを加えたりせず、かなりラフな状態に保ちたいんだ。2017年に GOJIRA とツアーを行い、30日間ぶっ通しで演奏したんだ。 彼らがどのようにエネルギーを使い、それぞれのリフを曲の完璧な部分に落とし込んでいくかを見て、僕たちは本当に感銘を受け、それを目指して努力した。ランダムに長尺の曲を作るのではなく、”オーケー、異なる拍子のランダムなリフがいくつかあるけれど、どうすればもっと多くの断片を曲の後の部分に入れることができるだろう?” とか、”どうすればリフを持ってきて、半分に切ったり反転させたりできるだろう?” と考えてみたんだ」

つまり、GOJIRA から学んだのは混沌をコンパクトに纏めること。
「繰り返しになるけど、GOJIRA との経験に戻らなきゃいけないと思うんだ。観客の反応や、彼らがどれだけ誠実に音楽を作っているかを目の当たりにしたからね。 スタジオが一緒だから、彼らのレコーディングや曲作りを見ることができるんだけど、彼らのやることはすべて100%本心からなんだ。彼らの音楽がより原始的になるにつれて、彼らはいつも SEPULTURA “Roots” 時代や “Chaos A.D.” 時代のグルーヴ・メタルに近いものを追求している。 僕たちはあまりそういうことはしないんだけど、”自分たちの音楽でやっていることをすべてコンパクトにして、より良いストーリーを語るにはどうしたらいいか? どうすれば観客を驚かせることができるだろうか?”… 今回は、それを本当に恐れていない。”ああ、またあの部分が出てきた!”と思うような部分もある。 “w^w^w^w” の時は、ランダムなリフに次ぐランダムなリフの奇妙なピースのようだった」
これだけ複雑な音楽を制作するためには、クラシックや理論の教育が必要なのでしょうか?
「特には必要ないよ。僕たちの中には、クラシックの訓練を受けた人はいない。実際、最も多くのレッスンを受けたのはボーカルの Mike で、彼は狂ったようなクラシックギター奏者だった。ナッソーコミュニティカレッジで3年間ほどクラシックギター音楽を専攻していたからね。
僕たちはフィリップ・グラス、スティーブ・ライヒ、ストラヴィンスキーのような現代の作曲家に影響を受けている。フィリップ・グラスは完璧な例で、彼は常に1つの要素を少しずつ追加していくんだ。7/8拍子から4/4拍子、9/8拍子へと拍子を伸ばしていくのだけど、それは非常に自然で、不快なものではない。それはもはや数えるようなものではなく、リスナーを包み込むような織物のようなパターンになり、それこそが僕たちも目指しているものなんだ。数えられるならいいし、数えられなくてもいい…できれば、頭を使わなくても消化できるようなものを目指しているんだ」

長い音楽生活の中で、現在の CAR BOMB を刺激しているものは何なのでしょう?
「明らかに Meshuggah と Deftones で、彼らの影響は僕たちの音楽の至る所に感じられるよ。個人的には、90年代と00年代にやや主流から外れたミュージシャンが好きで、その時代のフェイバリット・アーティストとしては、Aphex Twin, Autechre, Failure, My Bloody Valentine, Coalesce, Suffocation, Boards of Canada, Mew, Radioheadなどがいるね。IDM…インテリジェント・ダンス・ミュージックとは、ワープ・レーベルに所属していた人たちの呼び名で、Squarepusher など、1990年代前半に大流行した音楽。 僕たちはみんな、1990年代前半にそういうものに夢中になって育ったんだ。 特に最新作では、僕らがどこから影響を受けているのかがよくわかる。 Meshuggah のリフをそのままパクることを恐れているわけじゃない。 僕らはそういうバンドが大好きだから、そうだ、それを入れようって感じなんだ。 そういうバンドは最初から続いているんだ。
CAR BOMB ができる前は、2つの別々のバンドとして一緒にリハーサル・スペースでジャムっていたんだけど、Elliotが “Destroy Erase Improve” が出た時にテープでくれたんだ。 ちなみに、僕は今でもそのコピーを持っている。 それを聴いてすぐに、そして Eliot の演奏を聴いて以来、彼とずっと一緒に演奏したいと思うようになったんだ。
現在、僕は Turnstile や Sanguisugabogg のようなバンドによるハードコアの復活に本当に刺激を受けているんだ。彼らは、現代の音楽に欠如している生のエナジーを再びもたらしているよね」
ラインナップが不変で、共に創造性を高め続けられるのも CAR BOMB の強みでしょう。
「最初から僕らにとって常に新しい音楽を作るという意図のようなものがあった。たぶん、これまでに試したことのないようなもの、あるいは音楽界である意味ユニークだと感じるようなもの。 さっきも言ったように、僕らは他のバンドからたくさんのものを借りているけど、自分たちらしいものを作りたいと思っているんだ。 Mike の歌い方、僕のエフェクトのかけ方、Elliot のドラムの叩き方、そして Jon の怪物的なベース。 でも、僕たちはいつも新しいものを聴いたり、新しい映画や番組を見たり、新しいアート作品を鑑賞したりしている。新しいものを探すことは、僕たちのDNAに組み込まれているようなものだから、それも大いに関係していると思う」

 

生死を問わず、共演してみたいアーティストは?
「うーん、難しい質問だけど、今ならグスタフ・ホルストを選ぶだろう。彼は1920年代に “ザ・プラネッツ” を作曲したイギリスの作曲家で、今回、一連の曲の作曲に大きな影響を与えてくれたんだ。彼の頭の中をのぞき、シンプルなモチーフを感情豊かな音楽に展開する方法を学べたら、僕にとって非常に興味深く興奮する経験になるだろうね」
“Tiles Whisper Dreams” には、バンドの進化、6年の歳月が反映されています。
「2019年に前作のアルバム “Mordial” をリリースし、その直後から音楽の制作を開始し、以来ずっと試行錯誤を続けてきたんだ。数多くの異なる試みを重ね、最終的にそれらのアイデアは数曲に凝縮されていったんだ。そのうちの3曲が今回の新EPを構成しているよ。過去20年間で学んだ全てを、最もインパクトのある曲に凝縮しようと努めたんだ。
ギター的にはそれぞれが独自の難しさがあるね。”Paroxysm” は右手の腕を酷使する曲、”Tiles Whisper Dreams” は左手のリフの連打が特徴的で、”Blindsides” はエフェクトの切り替えが頻繁。 3曲ともライブで圧倒的な迫力を出すように設計されているので、大きなフェスティバルのPAスピーカーでどう響くか楽しみだよ。昔の曲だと、”Secret Within” をライブでやるのはいつも楽しいね」
これからの目標はどこに置いているのでしょう?
「現在の目標は、作曲と音楽のリリースを続けること。音楽の作曲とレコーディングは僕の最大の情熱で、今までにないほど、それに集中したいという強い衝動を感じているんだ。CAR BOMB は現在、来年リリース予定のLP用に8曲の制作を進めている。また、Xytechra(私のエレクトロニック・ミュージック・プロジェクト)、Thrush(ギターを軸にした新規プロジェクト)、Ben Frost とのコラボレーション作品も複数あり、今年後半にリリース予定だよ」

25年の経験を踏まえて、若いアーティストに贈るアドバイスとは?
「まず、最も共鳴する音楽やアートを追求すべきだね。結局のところ、音楽の制作や演奏できること自体が最大の報酬なんだから、あとは愛するものを創り続けるべきだよ。次に、諦めずに続けること。バンド Bent Knee の友人 Courtney Swain が “成功するバンドの秘訣は解散しないことだ” と教えてくれたね。言うは易く行うは難しだけど、続けるほどに芸術表現のスキルが向上し、新たな機会が拓けていくよ。
僕たちが成功を収めている大きな理由は、バンド内のトラブルや人生の責任、様々な障害にもかかわらず、常に友人として結束し、諦めずに努力し続けたことだと確信しているんだ。つまり、3曲リリースするのに6年かかったけどね(2年に1曲…笑)。過酷なプロセスで、時にはこれが終わることはないと感じることもあった。でも諦めず続け、今ようやく音楽が世に出る楽しい段階にたどり着けたんだ」
演奏できること自体が最大の報酬。そう、CAR BOMB はライブを愛しています。
「僕が最も好きなのは、ステージ上で全員が完全に調和し、非常に緊密に演奏している瞬間なんだ。その瞬間は、自分が何を演奏しているか考えず、音楽が独自の生命を帯びていくのを感じるよ。体は自動操縦状態にあるような至福の状態で、同時にPAから響く巨大な歓声と、観客の熱気を感じている。その感覚を言葉で表現するのは難しいけど、その感覚に浸ることは中毒性があるね…落ち着きとエネルギーが同時に感じられるんだ。
キャリアのハイライトとしてショーを選ぶなら、Hellfest のメインステージは本当に壮観だった…人波の前で演奏する経験は、まさに現実離れしたものだったから。でも、おそらく最大の節目と言えるのは、2014年に Meshuggah とツアーをしたことだね。ヒーローたちの前座を務めることは、信じられないほどの栄誉で、僕たちに “このバンドをどこまで連れていけるのか” と考えさせてくれたから」
しかし、CAR BOMB ももはやその Meshuggah と遜色のない伝説の位置にいます。
「Meshuggah のレコードはいつでも聴き返せる。Radiohead のレコードも、My Bloody Valentine のレコードも、Aphex Twin のレコードも。 恥ずかしながら、僕のリスニング時間の50%は Aphex なんだ。”OK Computer” や “Selected Ambient Works Vol.2” などを聴いたときのような感覚を味わえるような、1年に1回聴き返せるような、カタログの定番として僕らを聴きたいと思ってくれる人がいたら、それだけでいいなと思っているんだ」

参考文献: Amplify:Interview with GREG KUBACKI from CAR BOMB

decibelmagazine: car-bomb-interview

INVISIBLE ORANGE: Car Bomb