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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【THE PRETTY WILD : ZERO.POINT.GENESIS】


COVER STORY : THE PRETTY WILD “zero.point.genesis”

“The Paranormal Is Normal For Us”

zero.point.genesis”

ラスベガスを拠点とする姉妹デュオ、THE PRETTY WILD は、トラウマ、神秘主義、そして女性の怒りを、神話的でジャンルを超越した探求に込めています。そうして、Sumerian Recordsよりリリースされたデビュー・フルアルバム “zero.point.genesis” は、未知への幻想的な欲求を体現した作品群となったのです。
Jyl と Jules の Wylde 姉妹は、超常現象のテーマと彼女たち反骨精神を織り交ぜ、今や実験精神の代名詞となっています。昨年、画期的なシングル “sLeepwAlkeR” をリリースして以来、彼女たちはメタル・シーンで躍進を続け、女性らしさと激しさのバランスを力強く取りながら、他のアーティストとは一線を画す存在感を発揮しています。
デビューアルバムのリリース後も、姉妹にはタイトなスケジュールが待っています。来年2月から3月にかけて、SLEEP THEORY の2026年ヨーロッパツアーのサポートツアーに出る予定。また、Welcome To Rockville と Inkcarceration でフェスデビューを果たしたふたりは、2026年にはSonic Temple、Download、Vainstream Rockfest のステージでも世界をを席巻する予定なのです。
SLEEP THEORY との公演では、デビュー・アルバムを全曲演奏する予定ですが、Jules と Jyl はこの記念碑的なリリースの現実をまだ実感できていないと語る。
「レコードを手にするまでは、本当にリアルで、すごく直感的に感じられることはないと思う。でも、その時になって初めて、何かが腑に落ちるかもしれない」
「このアルバムは、私たちが曲作りに着手する前から、自分たちの中で取り組んで体現してきたたくさんのものの集大成。だから、それが現実に形になるのを見るのは、本当に信じられない気持ちだよ」
むき出しの脆さと神聖なエネルギーに突き動かされた “zero.point.genesis” は、恐れを知らない精神を伝えています。”PARADOX” や “hALf aLiVE” といった自由奔放なトラックを通して、Wylde 姉妹は神秘と深い自己省察の両方を体現しているのです。
「このアルバムは、多くの点で、女性らしさが芽生えていく作品なの」と Jyl は語ります。 「姉妹として、私たちが互いに自信を深め、エネルギーを持ち、それを維持していくのは、本当に素晴らしい進化だった。他の女性たちにも同じように感じてもらえるように、有害な女性らしさを捨て去り、協力的なエネルギーを真に受け入れ、力を合わせれば、もっと力強くなれることを実感できたんだ」

ニューアルバムのサウンドについて、Jules はこう語っています「私たちはクリエイティブな面で成長し、様々な方法で自分たちを追い込んできたと思う。色々なことに挑戦したよ。楽器編成だけでなく、ボーカル・パート、そして楽曲の成熟度や深みといった点でも、様々な領域に挑戦していった」
このアルバムは崩壊と再生のアルバムだと Jyl は表現しています。
「完全なコンセプトアルバムだよ。多くのテーマは、体系的なプログラム、社会的なプログラム、そうした規範を覆すことから生まれている。プログラムされている時は、それが自分にとってどれほど病的だったり、惨めだったりするのか気づかないんだよね。それが当たり前になってしまっているから。それが健康的ではなかった、自分には向いていなかったと気づき始めるまで、そこから引き離されるまで、そのことに気づかない。そしてそこから抜け出すと、過去の自分への悲しみに苛まれる部分があり、このアルバムの大部分はその悲しみを探求しているんだ。特に女性としての力。女性らしさを失わずに生きるためのロールモデルは、私の意見では、これまであまり多くなかったからね」
アルバムには、時代を超えた神話がインスピレーションを与えていると Jules が付け加えます。
「作品の多くは、少し古風だけど時代を超えた文学の世界から着想を得ているの。多くの曲で悲劇に触れたり、ギリシャ神話やローマ神話に触れたり。そういったクールで時代を超越した作品が、私たちに影響を与えてきたんだよね。コンセプト・アルバムについて言えば、BRING ME THE HORIZON の “NeX GEn”、あれは素晴らしいアルバムね。私たちはあのアルバムの大ファンなの。聴いている人をその世界に引き込み、12曲、14曲、15曲も続けて聴けるような感覚にさせてくれるのは、本当に素晴らしいと思う」

このアルバムは、個人的な要素が込められていると同時に、真摯な作品でもあります。姉妹は、このアルバムをここ数年で自分たちについて深めてきた理解、そのすべての集大成だと表現しています。このプロジェクトは意図的に多層的な構成になっていますが、真の女性らしさを受け入れ、探求を学ぶことが、このアルバムの大きな目的となっているのです。
「アルバム全体が神秘主義に根ざしていることは周知の事実だよ」と Jyl は語ります。「アルバムは、自分自身を取り戻し、自分の影と向き合い、多くの内なる子供心に向き合い、そして、体系的に見て、女性たちの育てられ方の多くが必ずしもお互いや社会のためになっていないことに気づくことについて…でも、誰かの気持ちを理解し、その気持ちに寄り添うまで、有害だと気づかないようなことがたくさんあるんだよね。このアルバムには、まさにその反発のエネルギーが詰まっているの」
全11曲を通して、”zero.point.genesis” は劇的な要素と、怒りと、魅力を鋭く織り交ぜたサウンドを融合させ、サウンド的にも精神的にも束縛されることを拒むアルバムとなりました。そしてヴァンパイアのような “living ded” であれ、ダークでロマンチックな “AFTERLIFE (feat. Magnolia Park)” であれ、このアルバムに収録されているすべての曲は、それぞれが独自の物語として際立っているのです。
映画、演劇、そして超常現象から音楽的インスピレーションを得ている THE PRETTY WYLDE の楽曲はどれも、それぞれが独自の映画的世界観を紡いでいます。神話や超自然的な伝説に深く影響を受けたふたりは、そうした物語を独自の不気味で神秘的なな芸術性に取り入れているのです。
「自分が経験しているありふれた日常の出来事を、より大きな神話の弧へと結びつけていくんだ」と Jyl は言います。「そうやって、物事の中に多くの類似点を見出していく。神話は、自分が経験している辛いことに対処するための教科書だと感じることがあるんだよね」

“Button Eyes” のビジュアルも実にシアトリカルで革命的。作曲中、すでにビジュアルやミュージックビデオのことを考えているのでしょうか?
「Jules は演劇の世界出身だから」 と Jyl は胸を張ります。「特に私たちの場合は、ただ歌を歌うのではなく、曲全体を通して風景を思い描いて書いて、演奏しているんだ。ファッションから舞台装置まで、私たちが作り上げている世界観を思い描いてね。だから、聴いてくれる人たちは、私たちがエネルギッシュに表現しようとしている芸術的な空間に引き込まれる。商業的な枠組みの中では、そうするのは難しいこともあるけどね。でも、私たちは自分たちのやり方を見つけているよ。特にこの次の作品では、その世界観がより現実のものになると思う」
つまり、THE PRETTY WILD は音楽を超えた総合芸術だと Jules は考えています。
「これからファッションの要素をもっと深く掘り下げていくつもり。私たちにとってアートとは、音楽以上の深い意味を持っているの。それは、私たちが築き上げている精神や世界観についても同じ。そして、その要素の多くは、ビデオやファッション、ヘアメイクといったクリエイティブな決断を通して表現されるの。どの時代をチャネリングするか、バロックの要素を取り入れているかどうか、クラシックの要素を混ぜているか、Nu-metal とミックスしているか…そうやって考えながらね。これはちょっと面白い組み合わせよね」
Jules に “叫び方” を教えたのは Jyl でした。
「実は、Jyl がスタジオで叫ぶ方法を教えてくれたんだ。初めて曲の中で本気で叫んだのは “Sleepwalker” の時だった。だから今、”Sleepwalker” を聴き返すと、ああ、もっとうまくできたはずって思うんだよね。でも、ちょっと面白かったよ。それから、ハーシュなボーカルに関しては、私たち二人とも似たような感じになることが多いのよね。でも、私は低音パートをシャウトすることが多いのに対して、Jyl は高音パート、ザラザラした感じの部分を多用する傾向にあるかな」
Jyl が “Sleepwalker” に込められたメッセージを伝えます。
「この曲の芸術的なメッセージは、女性が怒りと甘さを同時に抱えているという二面性だと思う。だから、音楽にはその両方が必要だったんだ。みんな “メロディックなクリーンボーカルを作るのは本当に難しい” って言うんだけど、私たちは “なんとかするよ” って感じなんだよね」

クラシック音楽は、メタルコア、Nu-metal と並んで THE PRETTY WILD の大きなインスピレーションとなっていると Jyl は語ります。
「クラシック音楽はずっと私たちの共通のテーマ。クラシック音楽は私たちのホームベースだから、THE PRETTY WILD にクラシック音楽を取り入れる必要があったのよ。当然のことだった。それから、私はダークポップが大好きで、ダークポップのメロディーも、ダークポップの構造も大好きなの。私にとって、オルタナティブ・ダークポップはまさにバイブス。そして Jules は間違いなくメタルシーンに根ざしている。だから、すべてがうまく機能したんだよ」
同じ精神を共有していると感じているアーティストは誰でしょう?Jyl と Jules が答えます。
「ジャック・ホワイトが好き。THE CIVIL WARS にはいつも大きな影響を受けているよ。サウンド的には、最小限の楽器編成で観客を惹きつけている。彼らのエネルギーには、そうさせる特別な力があるよね。それは間違いなく大きなインスピレーションだよ。私は何でも聴きくかな」
「明らかにメインストリームと言えるのは、LINKIN PARK の美学と Nu-metal だね。彼らは真に様々なジャンルを融合させ、その後シーンを築き上げた他のバンドと共に、パイオニア的存在となった。Jyl が言ったように、私たちは様々な理由で、実に様々なバンドやアーティストが融合した存在なので、単純にどれかを切り離して考えるのは難しいんだよね」
バンドの音楽的アイデンティティに関して言えば、THE PRETTY WILD は社会や業界の基準に従わず、常に自分自身に忠実であり続けることと同義になっています。だからこそ、意外なことに今日ではダーク・メタルコアで知られるこの姉妹は、当初はオルタナティブ・カントリー・アーティストとして音楽シーンに登場していたのです。
“y’allternative(ヤオールオルタナティブ)” というジャンルの先駆者である THE PRETTY WILD は、2022年に “XANAX & CHAMPAGNE” や “Eastwood” といったカントリーのシングルでデビューしました。しかし、この姉妹はカントリーからメタルへの旅は必然だったと考えています。
「自分たちが伝統的なジャンルにおいて、伝統的ではないことに気づいたんだ」と Jyl は説明します。「当時、自分たちがカントリーのシーンにいた頃は、あまりにも多くのルールを破ろうとしていた。それが当時の私たちにとっては本物だったから。でも、”自分たちに抵抗する人たちのエネルギーに囲まれたくない” と気づいたんだよね。そうして、より多様なメタルに根ざした、より共鳴するものを見つけたんだ」

サウンドは進化を遂げてきたものの、この二人の特徴であるリリカルな詩情と骨太なストーリーテリングの感覚は、カントリー/オルタナティブ時代からずっと変わっていません。Jules は、当時のレーベルを離れて以来、オルタナティブ・シーンから離れたことが、自分たちにとってプラスに働いたと語ります。
「私たちは普通じゃないのが普通なの。私たちは、あのシーンの人たちより、クリエイティブに奇抜なことをすることができたんだ。そして、それが今の、よりヘヴィなトーンへと進化し始めた。それはずっと私の興味の対象だったから。私はかなり若い頃からずっとメタルに夢中だったんだけど、Jyl はもっとダークでガーリーなポップなジャンルから来ている。だから、私たちの曲の多くには、ヘヴィなブレイクダウンやクラシカルな要素がある一方で、ポップなコーラスにはダークなコンセプトが盛り込まれている。陳腐に聞こえるかもしれないけど、そうした多様性が今の私たちを形作ったんだ」
今、THE PRETTY WILD は型破りで社会の流れに逆らうことを目指す、揺るぎない音楽的精神で進んでいます。ルールを破ること、いや、ジャンルの壁を壊すことを恐れない姉妹は、自分たちにある “内面を見つめる能力” こそが、メタル・シーンの他のアーティストたちと一線を画すものだと言います。
「何が起こっているのか、ある程度は把握していなければならないんだ」と Jules は言います。「でも、コンセプトやアイデアを思いついたり、曲をカットしたりする時は、あまり深く考えないんだ。スタジオはとてもプライベートな空間で、もちろん防音対策も万全で、他のことは考えない。だから、ただ自分が作りたいものを作り、それを心から誇りに思えるんだ。もちろん、それを人に見せたい気持ちはあるけれど、何よりもまず、自分のために音楽を作っているからね」

Jyl がこう付け加えます。「ルールに気を配ることはできるけど、最終的には自分の感覚に従うしかない。ルールを学ぶことは大切。でも、もしそれが自分のすべきことではないと感じたり、何か違うものが必要だと感じたら、その感覚に身を任せればいいんだよ。
いつもみんなに “予想外のことが起こることを期待して” と言っている。私たちは常に、まるでクリエイティブ・マシンみたいに、情熱とエネルギーとアイデアを次々と生み出していて、それが止まることはないんだよ。
だから、私たちの頭の中にあるものを現実のものにし、私たちが恋に落ちたこの世界を描き、みんなに届けられることを、本当に楽しみにしているんだ。
そして、正直に言って、周りの人たち、特に女性たちにインスピレーションを与えたいと思っているの。違った考え方をすることで、感情を大切にすることで、女性が大きな創造力を持っていることに気づくことができる。それが私たちにとって本当に大切なことなんだ。そして、それを実際に見せ、実証し、現実のものにしていくのよ!」
最終的に、THE PRETTY WILD は、彼女たちの名前が象徴するもの、つまり美しさと怒り、光と闇、意志と大胆さを体現しています。そうしてこの姉妹は、デュオの初となるフル・アルバムを通して、彼女たちは未知なるものを信じ、壁を壊し、リスナーにも縛られないことを望んでいるのです。
「特に女性なら、自分の直感に耳を傾け、感情を受け入れるべきだよ。だって、それがあなたのスーパーパワーだから」と Jyl は言います。「そして、このアルバムは最終的に、女性が直感と感情全てを取り戻し、自分の感情を表現することを恐れないことをテーマとしているの。同じ言葉、同じ音楽の中で、美しさと怒りを表現することはできる。それは何も悪いことじゃない。健全なことなのよ」
最後に、このアルバムはふたりにとってどんな存在となるのでしょう?
「まるでビッグバンの瞬間のように、この無形のものが誕生したんだ。創造性が強迫的に爆発しているんだよね。最初から最後まで、まるで旅のようで、アルバムは私たちを様々な場所へと連れて行ってくれる。混沌としているけど、それがバンドの起源なの。
アルバム全体を通して、社会によって自分自身から切り離せと言われてきた部分を取り戻すことについて歌っている。だからこそ、このアルバムは混沌としていて、生々しく、叫び声のような、それでいて美しいものでもあるんだ。なぜなら、切り離されたものを再び統合した時、そこに美しさが生まれるから。多くの人は闇を見て怖がると思うけど、私たちは真っ逆さまに闇に飛び込むの。そうすれば、もう闇を恐れなくなるからね。闇は私たちをコントロールできなる。その価値観を得た日が新たな人生の誕生日であり、世界へと自分自身を導くための、新しい知覚レンズなんだと思うよ」

参考文献: NEW NOISE MAG:INTERVIEW: THE PRETTY WILD TALK ‘ZERO.POINT.GENESIS’

HARDBEAT :Interview with The Pretty Wild

v13net:METALThe Pretty Wild: “When people can take you into this world and you feel like you’re there for 12, 14, 15 tracks, it’s really admirable…”

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MORS PRINCIPIUM EST : DARKNESS INVISIBLE】JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH VILLE VILJANEN OF MORS PRINCIPIUM EST !!

“When we started, we just wanted to make melodic death metal. We did not want to sound exactly like some other band, so maybe that is one reason. But I guess our songwriters just wanted to write songs the way we have done.”

DISC REVIEW “DARKNESS INVISIBLE”

「結成当初は、ただメロディック・デスメタルを作りたかったんだ。ただ、他のバンドと同じようなサウンドにはしたくなかった。それがテクニカルになった理由のひとつかもね。このバンドの歴代のソングライターたちは、そうして僕らがやってきたように、テクニカルな曲を書いていきたかっただけなんだと思う」
メロデス始まりの地、イエテボリから少し離れたフィンランド。彼の地もまた、メロデスを牽引した重要な場所のひとつであるだけでなく、より革命的なメロデスを生み出したと OMNIUM GATHERUM のインタビューにて記しました。AMORPHIS とカレワラの奇跡的な邂逅は、後のフィンランドのメロデス世界に “個性的である” ことを運命づけたとも言えます。CHILDIEN OF BODOM, OMNIUM GATHERUM、そして最近の BRYMIR までフィンランドのメロデスは、それぞれステレオタイプとは異なる並外れた個性を持って戦ってきました。
MORS PRINCIPIUM EST もそんなフィンランドの綺羅星のひとつ。彼らの個性は、激烈なデスメタルに、ハイパー・メロディックでウルトラ・テクニカルな冷気を吹き込むことでした。
「僕にとっては、どのアルバムも特別だよ。 それぞれのアルバムがなければ、僕らはここにいなかったし、”Darkness Invisible” というアルバムもなかっただろうからね。でもそうだね、このアルバムにはファースト・アルバムからの影響もあるけど、新しいアルバムからの影響もあると思う」
古のメタル・ファンにとって、そんなフィンランドの冷気と冷徹の洗礼を存分に浴びたのが、デビュー作 “Inhumanity” であり、名作 “The Unborn”, “Liberation = Termination” だったのです。当時のギター・チームが脱退し、Andy Gillion というメロデス・シュレッド・マシンを得て、MORS PRINCIPIUM EST は荘厳シンフォニックな要素も加えながらさらに飛翔。Gillion を失うも、黄金のギター・チーム、そしてほぼオリジナル・メンバーが復帰して最新作 “Darkness Invisible” が完成を見たのです。そうして、今回のインタビューイ、バンドの首領 Ville Viljanen が語る通り、アルバムは初期と後期の完璧なる融合、MPE 集大成ともいえる傑作に仕上がったのです。
“Of Death” と “Venator”、開幕の二連撃から我々は、Jori Haukio のメカニカルかつ抒情的なシュレッドに “Liberation = Termination” の影を見ます。そうして、牧歌的なインタルードを挟んで押し寄せる、中盤の威風堂々たるドラマティシズムに我々はただ圧倒されるのみ。近年の耽美と荘厳で磨き抜かれた初期の激情と慟哭は、狂おしいまでにフィンランドの風を運び、リスナーに北欧のカタルシスを届けるのです。そう、彼らの個性はもはやフィンランドの秘宝。
今回弊誌では、ボーカリスト Ville Viljanen にインタビューを行うことができました。「メロデスは以前ほど人気がなかったり、他のジャンルほど人気がなかったりするかもしれないのはたしかだ。それでも今でも必要とされているし、求められていると思う。僕たちが演奏を続けているのは、ただメロデスを演奏するのが楽しいからなんだ」 来日も決定!どうぞ!!

MORS PRINCIPIUM EST “DARKNESS INVISIBLE” : 10/10

INTERVIEW WITH VILLE VILJANEN

Q1: You are coming back to Japan for the first time in a long time! First of all, please tell us how you are feeling right now. Is there anywhere you would like to go in Japan?

【VILLE】: Hi. Yeah, we are finally returning to Japan, after 7 years. We are feeling great about it. I have always loved Japan and Japanese people. There are many places I would like to visit in Japan, too many to mention. I am just happy I get to visit Osaka and Tokyo again..

Q1: 本当に久しぶりに日本に帰ってきますね! まずは今のお気持ちを聞かせてください。 日本で行きたいところはありますか?

【VILLE】: 7年ぶりにようやく日本に戻ることができる。 最高の気分だよ。僕はずっと日本と日本人が大好きだった。日本には行ってみたいところがたくさんあって、挙げきれないほどだよ。 また大阪と東京を訪れることができることを、ただ嬉しく思っているんだ。

Q2: Japan is one of the most popular melodeath countries in the world, and many great melodeath bands have come out of here. It seems that the love of dark and sad melodies is in common with Scandinavia, would you agree?

【VILLE】: It seems to be so, yes.

Q2: 日本は世界で最もメロデスが人気のある国のひとつで、多くの素晴らしいメロデス・バンドがここから生まれています。 ダークで切ないメロディーを愛するところは、北欧と共通しているように思いますよ。

【VILLE】: そうだね、そう思うよ。

Q3: When the history of melodeath began in the early 90’s, there were no amazingly “technical” bands. That is why MPE has become so special. Why did you decide to bring your phenomenal shred and technique to melodeath?

【VILLE】: I really don’t know. When we started, we just wanted to make melodic death metal. We did not want to sound exactly like some other band, so maybe that is one reason. But I guess our songwriters just wanted to write songs the way we have done.

Q3: メロデスの歴史が始まった90年代初頭には、驚くほど “テクニカル” なバンドは存在しませんでしたね。だからこそ、MPEは特別な存在になったと感じています。なぜ、あなたは驚異的なシュレッドとテクニックをメロデスに持ち込もうと思ったのですか?

【VILLE】: 本当にわからないんだよね。結成当初は、ただメロディック・デスメタルを作りたかったんだ。ただ、他のバンドと同じようなサウンドにはしたくなかった。それがテクニカルになった理由のひとつかもね。このバンドの歴代のソングライターたちは、そうして僕らがやってきたように、テクニカルな曲を書いていきたかっただけなんだと思う 。

Q4: In this day and age, some people say that melodeath is outdated, rustic, or unpopular. What do you think about those words? Why do you keep playing melodeath?

【VILLE】: Well, it is quite clear, that atleast it is not unpopular, as there are still many people listening to melodeath and buying melodeath albums. If it would be totally unpopular, I don’t think we would be playing in Japan either, or in any other places.
But yes, maybe it is not as popular as it used to be, or not as popular as some other genres, but I think it still is needed and wanted. We keep playing it because we enjoy playing it.

Q4: 今の時代、メロデスは時代遅れだとか、田舎くさいだとか、不人気だとか言う人もいますね。それでも、なぜあなたはメロデスを演奏し続けるのですか?

【VILLE】: まあ、少なくともメロデスを聴いている人、メロデスのアルバムを買っている人がまだたくさんいるのだから、不人気ではないことは明らかだよな。もしまったく人気がなかったら、日本や他のどの場所でも演奏していないと思うしね。
でも、そうだね、以前ほど人気がなかったり、他のジャンルほど人気がなかったりするかもしれないのはたしかだ。それでも今でも必要とされているし、求められていると思う。僕たちが演奏を続けているのは、ただメロデスを演奏するのが楽しいからなんだ。

Q5: In recent years, Andy Gillion, who was considered one of the key figures in MPE, left the group and the early golden guitar team of Jori Haukio and Jarkko Kokko returned. How did this major change come about?

【VILLE】: Mr Gillion was in fact a key figure in MPE, during his time. It was time for Mr Gillion to leave and luckily Jori and Jarkko felt like they wanted to return to MPE.

Q5: 近年、MPEの中心人物の一人と目されていた Andy Gillion が脱退し、Jori Haukio と Jarkko Kokko の初期の黄金ギター・チームが戻ってきましたね。この大きな変化はどのようにして起こったんですか?

【VILLE】: Mr. Gillion は実際、MPEの中心人物だったよ。 彼の時代の間はね。Mr. Gillion が去る時が来たけど、幸運にも Jari と Jarkko はMPEに戻りたいと感じていた。だからすべてが上手くいったね。

Q6: So, “Darkness Invisible” is really great album! “Of Death”, “Venator” and “Beyond the Horizon” will remind many people of “Liberation = Termination”! Is that album still special for you?

【VILLE】: Every album is special. Without each album, we would not be here and there would not be “Darkness Invisible” album.
We had to write all the previous albums to be able to write “Darkness Invisible” album. I think it is quite impossible not to write music that would not remind of some other previous albums, especially when the song writer is the same and he is still writing the same genre music..

Q6: “Darkness Invisible” は本当に素晴らしいアルバムですね! “Of Death”, “Venator”, “Beyond the Horizon” といった楽曲は、多くの人に名作 “Liberation = Termination” を思い出させることでしょう! あなたにとって、あのアルバムは今でも特別ですか?

【VILLE】: 僕にとっては、どのアルバムも特別だよ。 それぞれのアルバムがなければ、僕らはここにいなかったし、”Darkness Invisible” というアルバムもなかっただろうからね。
言い換えれば、”Darkness Invisible” というアルバムを書くためには、これまでのすべてのアルバムを書かなければならなかったわけだ。以前のアルバムのいくつかを想起させない作品を書くなんて不可能だよ。特に、ソングライターが同じで、同じジャンルの音楽を書いている場合はなおさらだ。

Q7: However, there are also plenty of symphonic parts on this album, such as “Seven”. Rather than a return to the roots, it seems to me that this album is more like a culmination of MPE, would you agree?

【VILLE】: I think this just was the natural way of continuing and I think Jori just wrote what he felt was right.
But yes, I think this album has influences from the first albums but also influences from the newer albums.

Q7: 初期の面影が濃い一方で、このアルバムには近年の “Seven” のようなシンフォニックなパートもたくさんありますね。原点回帰というよりは、MPEの集大成のようなアルバムに仕上がっているように思いますが?

【VILLE】: このアルバムは自然な形で続いていったと思うし、 Jori はただ自分が正しいと思う曲を書いたんだと思う。
でもそうだね、このアルバムにはファースト・アルバムからの影響もあるけど、新しいアルバムからの影響もあると思う。

Q8: Mors Principium Est means “Death is just the beginning” in Latin. And the album also opens with the song “Of Death”. In a world where death, violence, and division have become the norm, what can heavy metal do?

【VILLE】: Actually it means, “Death is the beginning”. There is no “just” word in it. 🙂 Heavy metal can still keep going and continue to be heavy metal.

Q8: “Mors Principium Est” とは、ラテン語で “死は始まりに過ぎない” という意味ですね。そして、このアルバムもまた “Of Death” という曲で幕を開けます。そうした死、暴力が常態化した世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【VILLE】: Mors Principium Est とは、”死は始まり” という意味だ。 そこには “すぎない” という言葉はないよ。ヘヴィ・メタルはこれからもまだ続けることができるし、メタルであり続けることができる。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED VILLE’S LIFE!!

Helloween “Keeper of the Seven Keys”

Metallica “Kill ‘em All”

At the Gates “Slaughter of the Soul”

Hypocrisy “Abducted”

Megadeth “Countdown to Extinction”

MESSAGE FOR JAPAN

I do like some Japanese series, like for example “Alice in borderland”. My oldest daughter loves Japanese anime. Finally I hope to see many people at out Japanese shows and lets have a great time together!

日本のシリーズものが好きなんだ。例えば、”今際の国のアリス” とかね。 長女は日本のアニメが大好きなんだ。 最後に、日本のライブでたくさんの人に会って、一緒に楽しい時間を過ごしたいと思うよ!

VILLE VILJANEN

来日公演の詳細はこちら。Evoken de Valhall Production

日本盤のご購入はこちら。AVALON online

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MPE Official

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MATTIAS “IA” EKLUNDH : RESIST THE EROSION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTIAS “IA” EKLUNDH !!

“I’ve never had world domination or fame as a goal ― just to write and perform my music, something I’ve lived off solely since I was nineteen, and something I’m incredibly grateful for. The least you can do is hug someone who supports your experimenting and songwriting.”

DISC REVIEW “RESIST THE EROSION”

「リスナーや観客がいなければ、私は一体何者なんだい?誰も聴いてくれなければ、私の音楽は空っぽのままなんだから。世界的に有名になることや名声を目標にしたことはなく、ただ自分の音楽を作り、演奏することだけが私の生きがいなんだ。私は19歳のときからこの仕事だけで生きてくることができた。そして、そのことに心から感謝しているんだよ。せめてできることは、自分の実験や作曲を応援してくれる人を抱きしめることだからね」
FREAK KITCHEN の、本当に久々となった来日公演に足を運んだ方はきっと、その会場の “温かさ” に驚かされたはずです。これほど、演者と観客の “壁” が、もっといえば観客と観客の間の “壁“ もないライブは少なくとも私は初めてでした。謎のスウェーデン語を練習させられたり、変拍子をカウントしたり、Mattias の漫談に笑い転げたり。曲の良さ、楽器の妙技はもちろん、それ以上に、人と人とが直接つながることの楽しさを心の底から実感できたライブでした。
それは、Mattias “IA” Eklundh という異能のギタリストが、誰よりもつながりを大切にしているからこそ生まれた空間でした。ライブが始まる前に観客席に姿を現し一人一人と握手をしたり、シグネイチャー・ギターの購入者を招待して一緒に写真を撮ったり。ライブ中には漫談やスウェーデン語講座で会場を盛り上げ、一体化してくれました。
顔の見えないSNSでの交流、もっと言えば引用での一方通行な “交流” がメインとなった現代世界において、Mattias は顔と顔を付き合わせたつながりを誰よりも大切にしています。それは、彼の型破りな実験に付き合い、楽しみ、応援してくれるファンがいなければ、音楽ではなくただ “音” であることを知っているから。
「”Resist The Erosion” は、プロジェクトではなくバンド形態。私の素晴らしい友人である B.C. Manjunath, Yogev Gabay, Lior Ozeri と一緒に作った作品だよ。彼らは私の音楽を驚くほど高めてくれるんだ。彼らが私と一緒に仕事をしたいと思ってくれて、素晴らしい作品を作るために本当に努力してくれたことを、とても誇りに思い、感謝しているんだよ。このアルバムは、私のアーティスト人生において常に大きなハイライトとなるだろうね」
そう、Mattias “IA” Eklundh の実験 “Freak Audio Lab” は、いつも楽しく、そして感謝に満ち溢れています。そんなラボラトリーの中でも、”Resist the Erosion” が群を抜いて印象的な、Mattias の金字塔となることは間違いないでしょう。
この Mattias のプロジェクトは、インド音楽、特にコナッコルとして知られる南インドのカルナータカ音楽への憧憬から始まりました。コナッコルは、複雑な数式に基づいた非常に入り組んだリズムと拍子で、打楽器の音節をボーカルで演奏する芸術。B.C.Manjunath は、この伝統的なインド音楽の哲学をジャズやワールドミュージックの世界に取り入れることで、その重要な担い手となっています。だからこそカルナータカ音楽に心酔する Mattias は、Manjunath から現代メタルと古代南インドの音楽スタイルを融合させたコラボレーションについて連絡を受けた際、大きな衝撃を受けたのです。
ベーシストの Lior Ozeri とドラマー/パーカッショニストの Yogev Gabay を起用し、ベテラン音楽家4人組となった Mattias のラボラトリーは、さながら John McLaughlin が全く新しいSHAKTI を結成したかのような、驚異的な10曲を生み出しました。フィボナッチの難解さで迫るコナッコルとムリダンガムの複雑怪奇が、Mattias の Djenty な8弦モダン・メタルの宇宙と出会う時、メタルとギター音楽は別の次元へと旅立ちます。きっと真のイノベーションとは、こうした純粋な情熱と好奇心から起こるのでしょう。115/16、34/4。想像を絶する複雑な拍子と、楽器同士の対位法に彩られながらも、ここには目を見張るような感情の渦と濃密なメロディが広がっています。だからこそ、”Resist the Erosion” は未曾有の景色となり、Mattias “IA” Eklundh は生涯を通したギターの科学者であるのです。
今回弊誌では、Mattias “IA” Eklundh にインタビューを行うことができました。「何よりも、停滞しないこと、新しい境地を開拓することについてだね。もちろん、私たちは奇妙な時代に生きている。特に、日々の情報攻勢に晒され、自分が今どこにいるのかさえ分からなくなってしまうような状況だ。私にとって一番良いのは、それらを無視して、自分の人生を思い通りに形作ること。家族、音楽、自然、そして何の制約もない自由な創造など、自分にとって良いものを大切にしながらね」 4度目の登場。どうぞ!!

Anyone who attended FREAK KITCHEN’s first concert in Japan in a long time was surely surprised by the warmth of the venue. At least for me, it was the first time I’d ever experienced a live performance where there was such a clear barrier between the performers and the audience, and even between the audience members themselves. We were made to practice some mysterious Swedish, counted out odd time signatures, and laughed our heads off at Mattias’s comedy routines. The quality of the songs and the virtuosity of the instruments were undeniable, but more than that, it was a concert where I truly felt the joy of direct human connection.
It was an atmosphere born out of the extraordinary guitarist Mattias “IA” Eklundh, who values ​​connections more than anyone else. He appeared in the audience before the show to shake hands with each person, and invited those who purchased his signature guitar to take photos with him. During the show, he livened up the venue with comedy routines and Swedish language lessons, bringing the audience together. In today’s world, where faceless social media interactions and, even more so, one-way “interactions” based on quotes are the norm, Mattias values ​​face-to-face connections more than anyone else. He knows that without fans who engage with, enjoy, and support his unconventional experiments, it’s just “sound,” not music.
Mattias “IA” Eklundh’s “Freak Audio Lab” experiments are always joyful and filled with gratitude. Even within this lab, “Resist the Erosion” stands out as a monumental achievement.
Mattias’s project was born out of his admiration for Indian music, particularly the South Indian Carnatic music known as Konakkol. Konakkol is an art of vocally playing percussion syllables with highly intricate rhythms and signatures based on complex mathematical formulas. B.C. Manjunath has become a key advocate for this traditional Indian musical philosophy, incorporating it into the worlds of jazz and world music. That’s why Mattias, a lover of Carnatic music, was so thrilled when Manjunath contacted him about a collaboration that would fuse modern metal with ancient South Indian musical styles. Mattias’s laboratory, now a quartet of veteran musicians with bassist Lior Ozeri and drummer/percussionist Yogev Gabay, has produced 10 astounding tracks that sound like John McLaughlin had formed a whole new SHAKTI. When the Fibonacci-esque intricacies of the konakkol and mridangam meet Mattias’s djenty, eight-string modern metal universe, metal and guitar music are transported to another dimension. True innovation truly comes from pure passion and curiosity. 115/16, 34/4. Though colored by incredibly complex time signatures and instrumental counterpoint, there’s a swirl of stunning emotion and dense melody unfolding here. That’s what makes “Resist the Erosion” such an unprecedented landscape, and why Mattias “IA” Eklundh is a lifelong guitar scientist.
This time, we had the pleasure of interviewing Mattias “IA” Eklundh. This is his fourth appearance. Enjoy!!

FREAK AUDIO LAB “RESIST THE EROSION” : 10/10

INTERVIEW WITH MATTIAS “IA” EKLUNDH

Q1: First of all, could you tell us about your impression of your first tour in Japan in a really long time? What is Japan to you?

【MATTIAS】: Japan has always been close to my heart ever since my first visit in 1996 when we released Spanking Hour. It’s always a joy to come to your fantastic country, meet all the friends and listeners who have followed us through the years.
It was incredibly fun to play in Osaka and Tokyo again! The warmth from the audience was wonderful, and it really felt like we created a connection between the crowd and the band. The band and I hope to come back soon. A huge thank you to Keiichi Ishida and his team who dared to go against all the skeptical promoters and made our return happen completely on their own. There’s an enormous amount of work behind it, and for that, I am eternally grateful. Keiichi is also my collaborator, together with Harry’s Engineering, where we build Japanese guitars and the Puppy distortion pedal ― a company we call Freak Guitar Lab Japan.

Q1: まず、本当に久しぶりとなった日本ツアーの感想を聞かせていただけますか?あなたにとって日本とはどんな国ですか?

【MATTIAS】: 1996年に “Spanking Hour” をリリースして以来、日本は私にとって常に心の大切な場所にある存在だよ。君たちの素晴らしい国を訪れ、長年私たちを応援してくれている友人やリスナーの皆さんに会えるのは、いつも喜びなんだ。
大阪と東京で再び演奏できて、本当に楽しかった!観客の温かさは素晴らしく、観客とバンドの間に繋がりが生まれたと感じたよ。バンドも私も、またすぐに日本に戻りたいと思っているんだ。動員に懐疑的な大手プロモーターたちに反抗し、私たちの復帰を完全に自力で実現させてくれた石田桂一さんと彼のチームに心からの感謝を。このツアーの裏には膨大な労力があったことを知っているから、心から感謝しているんだ。桂一さんは、日本製ギターやPuppyディストーションペダルを製造しているHarry’s Engineering(Freak Guitar Lab Japanと名付けた会社)の協力者でもあるんだよ。

Q2: So, it was really great show! There is no other place where there are no barriers between the performers and the audience as in FREAK KITCHEN’s live performances, which are warm, fun, and always bring smiles to the audience’s faces! What do you keep in mind when you perform live?

【MATTIAS】: We don’t think too much or plan things in advance. Christer, Björn, and I just go for it. No one pretends to be someone they’re not. If we mess up or make a mistake, we laugh heartily about it. We’re human just like everyone else, and the moment you let your guard down and allow yourself to make mistakes, all barriers between the band and the audience disappear. We absolutely loved everyone in both Osaka and Tokyo. An incredible response. A big thank you if you were there and are reading this.

Q2: 本当に素晴らしいショーでしたね!FREAK KITCHEN のライブパフォーマンスは温かく、楽しく、いつも観客を笑顔にしてくれます。これほど演奏者と観客の間に壁がない場所は他にないでしょうね!ライブをする際にはどんなことを心がけているんですか?

【MATTIAS】: あまり考えたり、事前に計画を立てたりはしないんだ。Christer, Björn, そして私は、ただひたすらに突き進むだけ。誰も自分ではない誰かを装ったりはしないんだ。
失敗したり、ミスをしても、心から笑い飛ばすよ。私たちも皆と同じ人間だからね。むしろ油断してミスを許した瞬間、バンドと観客の間にある壁はすべて消え去るのかもね。大阪と東京、両方の会場のみんな、本当に素晴らしかったよ。信じられないほどの反応だった。もし会場にいて、これを読んでいる人がいたら、本当にありがとうと伝えたいね。

Q3: How did you feel about the Japanese bands Rikugo and Ulma Sound Junction? Both of them have mentioned you as an influence and inspiration.

【MATTIAS】: Both bands were surprisingly good and very, very pleasant and easy to work with. Really great bands, and both delivered rock-solid performances, which made us even more fired up to do a great job when it was our turn.

Q3: 共演した日本のバンド、六合とULMA SOUND JUNCTION についてはどう感じましたか?二組とも、あなたから影響やインスピレーションを受けたと語っていますが。

【MATTIAS】: どちらのバンドも驚くほど素晴らしく、とてもとても雰囲気が良くて、一緒に仕事をするのがとても楽しかったよ。本当に素晴らしいバンドたちで、どちらも盤石なパフォーマンスを見せてくれたから、彼らのおかげで私たちの番が来た時、さらに素晴らしい仕事をしようと意気込むことができたんだ。

Q4: So, tell us about the wonderful “Resist the Erosion”. First of all, what is Freak Audio Lab? Is it your solo project?

【MATTIAS】: Freak Audio Lab can be my solo project, a band, or whatever I want it to be, actually. The music I write gets to decide. In the case of the new album *Resist The Erosion*, it’s a band ― not a project ― with my absolutely incredible friends B.C. Manjunath, Yogev Gabay, and Lior Ozeri, who elevate my music in a remarkable way. I’m very proud and grateful that they want to work with me and that they’ve really put in the effort to do an amazing job. The album will always be a highlight in my artistic life. Hopefully, we’ll also be able to tour together and make more music in the future.

Q4: では、素晴らしき “Resist the Erosion” について話しましょう。まず、”Freak Audio Lab” とは何ですか?あなたのソロ・プロジェクトなんですか?

【MATTIAS】: Freak Audio Lab はソロ・プロジェクトでも、バンドでも、あるいは私が望むどんな形でも構わない。制約がないプロジェクトだ。最終的にどうなるかは、私が作る音楽が決めるんだ。
ニュー・アルバム “Resist The Erosion” は、プロジェクトではなくバンド形態。私の素晴らしい友人である B.C. Manjunath, Yogev Gabay, Lior Ozeri と一緒に作った作品だよ。彼らは私の音楽を驚くほど高めてくれるんだ。彼らが私と一緒に仕事をしたいと思ってくれて、素晴らしい作品を作るために本当に努力してくれたことを、とても誇りに思い、感謝しているんだよ。このアルバムは、私のアーティスト人生において常に大きなハイライトとなるだろうね。願わくば、将来彼らと一緒にツアーをしたり、もっと音楽を作ったりできたらいいなと思っているよ。

Q5: Still, I think “Resist the Erosion” is the best guitar album of the 21st century! Why did you feature Karnataka music, Konakkol and mridangam throughout your work?

【MATTIAS】: Thank you so much for your kind words. I don’t actually see the album as solely a guitar record ― if I did, I probably would’ve called it *Freak Guitar* something instead. It’s a record with an unorthodox combination of people and instruments. As you probably know, I have a weakness for Indian music, especially Carnatic, and getting to work with a legend like Manjunath is almost unbelievable. He’s simply the best in his field. The same goes for Yogev and Lior.
For me, music is very little about genre. I don’t care at all about what “goes together.” Sure, I play metal guitar with distortion and eight strings. But I enjoy working with synths or traditional or exotic instruments like the mridangam just as much. In the end, it’s just music ― the way I hear it.

Q5: “Resist the Erosion” は21世紀最高のギター・アルバムだと思いますよ!まず、なぜ作品全体にカルナータカ音楽、コナッコル、ムリダンガムを取り入れたのですか?

【MATTIAS】: 温かい言葉をありがとう。実は、このアルバムをギター・アルバムだとは思っていないんだ。もしそう思っていたら、おそらく “フリーク・ギター” みたいなタイトルをつけていただろうね。型破りな組み合わせのミュージシャンと楽器が集まったアルバムだよ。ご存知の通り、私はインド音楽、特にカルナータカ音楽に目がなく、B.C. Manjunath のようなレジェンドと仕事ができるなんて、信じられないほど素晴らしいことなんだ。彼はまさにこの分野で最高。他の2人にも同じことが言えるよ。
私にとって、音楽にジャンルはほとんど関係ないんだよね。”何が合うか” なんて全く気にしないから。もちろん、私はディストーションをかけた8弦のメタル・ギターを弾く。でも、シンセサイザーや、ムリダンガムのような伝統的な楽器、あるいはエキゾチックな楽器を使うのも同じくらい好きなんだ。結局のところ、音楽はただの音楽なんだ。私にとってはね。

Q6: Why do you think Karnataka music, and more specifically Japanese and other ethnic music from around the world, harmonize so well with metal and electric guitar?

【MATTIAS】: Hard to say. There’s quite a lot of work behind creating a sound and flow where everything has its given place without disappearing. The mridangam is like an entire drum kit in itself and requires some effort to find its place next to Yogev’s kit ― we used over 25 channels to capture all the ambience and milk the whole setup. But in the end, it’s really cool when it all comes together and becomes one unit. Yogev and Manjunath also worked a lot together to not get in each other’s way. Lior is simply outstanding in his approach, and my smile was always ear-to-ear when I received everyone’s takes to work with in my studio.

Q6: カルナータカの音楽、もっと言えば日本や世界中の民族音楽が、メタルやエレキ・ギターとこんなにも相性が良いのはなぜだと思いますか?

【MATTIAS】: 難しいね。すべてが消えることなく、それぞれの位置にあるサウンドと流れを作り出すには、かなりの労力が必要だから。ムリダンガムはそれ自体が一つのドラムキットのようなもので、Yogev のキットの隣に位置づけるには少し手間がかかるんだ。
私たちは25チャンネル以上ものチャンネルを使って、すべてのアンビエンスを捉え、セットアップ全体の音を最大限に引き出したよ。でも、最終的にすべてが一体となって一つのユニットになった時は、本当にクール。Yogev と Manjunath も、お互いの邪魔にならないように、一緒に何度も作業したね。 Lior のアプローチはまさに傑出していて、スタジオでみんなのテイクを受け取るたびに、私はいつも満面の笑みだったよ。

Q7: Karnataka music is known as the most mathematically “rigorous” music in the world, and 115/16 is not something that an average person can count on! haha! Even in such a situation, Konakkol and your guitars often cross each other and play in unison. Do these miracles happen spontaneously?

【MATTIAS】: A lot of it is built on traditional Indian rhythms that I compose, arrange, and record. There’s no random factor involved. Everything is carefully constructed. Then I let it stay alive and didn’t edit or polish it (sometimes that’s needed, but not on *Resist The Erosion*). Both Manjunath and Yogev sent different rhythmic, Carnatic structures as possible inspiration when I started the pre-production, and many of their ideas I’ve woven into the music.

Q7: カルナータカ音楽は世界で最も数学的に “厳しい” 音楽として知られていますが、115/16なんて普通の人が数えられるものではありません!笑!そんな状況でも、コナッコルとあなたのギターはよく交差して、時にはユニゾンで演奏されますね。こうした奇跡は自然発生的に起こるのですか?

【MATTIAS】: 作品の多くは、私が作曲、編曲、そして演奏する伝統的なインドのリズムに基づいているんだ。そしてレコーディングされる。偶然の要素は一切ないんだよ。全てを丁寧に構築している。そして、そのままの状態を生かし、編集や磨きをかけたりはしなかったんだ。時には編集も必要だけど、”Resist The Erosion” ではそうではなかったからね。
プリ・プロダクションを始めた頃、Manjunath と Yogev はそれぞれ異なるリズムやカルナータカ様式をインスピレーションとして送ってくれ、彼らのアイデアの多くを音楽に織り込んでいるよ。

Q8: You previously released a song called “Kintsugi,” and this time it is “Nekojita”. We are very happy that you chose a Japanese word for the title, but why did you choose such a word?

【MATTIAS】: Haha, I don’t really know. I think the idea behind Kintsugi is beautiful ― to celebrate the imperfect and make it even more beautiful. I actually think I got the idea while watching an episode of *Ted Lasso* on AppleTV+. Beautiful word, beautiful thought.
Nekojita has always been a favorite word because I myself am a bit of a wimp when it comes to food and drinks that are too hot. There’s something powerful about the Japanese language that’s also percussive. There will probably be more Japanese titles in the future.

Q8: 以前 “Kintsugi” という曲をリリースされていて、今回は “Nekojita” ですね。タイトルに日本語を選んでくださってとても嬉しいですが、なぜそうした言葉を選んだのですか?

【MATTIAS】: はは、なんでだろうね。”Kintsugi” の背後にあるアイデアが素晴らしいと思ったんだ。不完全さを称え、それをさらに美しくする。実は、AppleTV+で “Ted Lasso” のエピソードを観ていた時に思いついたんだよね。美しい言葉、美しい考えだよね。
猫舌は昔から大好きな言葉なんだ。というのも、私自身、熱すぎる食べ物や飲み物にはちょっと弱気になってしまうからね。日本語には力強く、それでいてパーカッシブな響きがあるんだ。これからもっと日本語のタイトルが増えるかもしれないね。

Q9: The title “Resist the Erosion” seems to me to be a message about resisting the erosion from the “darkness” of today’s instant culture, division, slander, and oppression, how about that?

【MATTIAS】: Above all, it’s about not stagnating, about exploring new ground. Of course, we live in a strange time, especially with the total daily information bombardment that leaves you not knowing whether you’re coming or going. The best thing, for me, is to ignore it and shape my life the way I want it ― with what’s good for me: my family, music, nature, and the freedom to create without preconditions.

Q9: “Resist the Erosion” “侵食に抵抗する” というタイトルは、現代のインスタントな文化、分断、誹謗中傷、抑圧といった “闇” による侵食に抵抗するというメッセージのように思えます。

【MATTIAS】: 何よりも、停滞しないこと、新しい境地を開拓することについてだね。もちろん、私たちは奇妙な時代に生きている。特に、日々の情報攻勢に晒され、自分が今どこにいるのかさえ分からなくなってしまうような状況だ。私にとって一番良いのは、それらを無視して、自分の人生を思い通りに形作ること。家族、音楽、自然、そして何の制約もない自由な創造など、自分にとって良いものを大切にしながらね。

Q10: Lastly, I feel that you value the actual “connection” between people very much. For example, you walk around the venue before a concert to interact with fans, take pictures with each person who buys your guitar to express your appreciation, and so on. Such “connections” that transcend country, language, race, and religion are very important in times like these, would you agree?

【MATTIAS】: Absolutely. I do what feels natural, and I love meeting people who enjoy my craziness. Deep down, we’re all the same. Many times, I’ve elbowed my way out after performances, against the organizers’ reluctance, just to chat for a while with wonderful listeners. Who am I without them? My music would live in a vacuum if no one listened. I’ve never had world domination or fame as a goal ― just to write and perform my music, something I’ve lived off solely since I was nineteen, and something I’m incredibly grateful for. The least you can do is hug someone who supports your experimenting and songwriting.

Q10: 最後に、あなたは人と人との “繋がり” をとても大切にされているように感じます。例えば、コンサート前に会場内を歩き回ってファンと交流したり、ギターを買ってくれた人一人ひとりと感謝の気持ちを込めて写真を撮ったり。
国、言語、人種、宗教を超えたこうした “繋がり” は、分断が加速する今のような時代にとても重要ですね?

【MATTIAS】: まさにその通りだよ。私は自然に正しいと感じることをやっているし、私のクレイジーな面を楽しんでくれる人たちと出会うのが大好きなんだ。結局ね、掘り下げれば、私たちは皆同じなんだよ。素晴らしいリスナーと少し話をするためだけに、主催者の気乗りしない態度を押し切って演奏後に肘で彼らを押し退けて出て行ったことが何度もあるよ。だって彼らがいなければ、私は一体何者なんだい?誰も聴いてくれなければ、私の音楽は空っぽのままなんだから。
世界的に有名になることや名声を目標にしたことはなく、ただ自分の音楽を作り、演奏することだけが私の生きがいなんだ。私は19歳のときからこの仕事だけで生きてくることができた。そして、そのことに心から感謝しているんだよ。せめてできることは、自分の実験や作曲を応援してくれる人を抱きしめることだからね。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OMNIUM GATHERUM : MAY THE BRIDGES WE BURN LIGHT THE WAY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARKUS VANHALA OF OMNIUM GATHERUM !!

“I actually have Alexis old Chevy Monte Carlo SS as his sister wanted me to get it after Alexi passed away. I’ve been cherishing and building it to the max, and Alexi would really respect in what shape and supercharged and LOUD the car is nowadays. It’s fun!”

DISC REVIEW “MAY THE BRIDGES WE BURN LIGHT THE WAY”

「実は今、Alexi の古いシボレー・モンテカルロSSを所有しているんだ。Alexi が亡くなった後、彼の姉が私に譲りたいと言ってくれたんだ。これまで大切にして、最大限に磨き上げてきたんだ。今のこのマシンの出来栄え、スーパーチャージャー、そして大音量を、Alexi もきっとリスペクトしてくれると思う。楽しいよ!」
スウェーデンのイエテボリで生を受けたメロディック・デスメタル。しかし、その発展は決してスウェーデンとイエテボリだけが担ってきたわけではありません。特に、フィンランドとメロデスの蜜月はあまりにも濃密で、同時に革命的でもありました。英雄 AMORPHIS のカレワラに端を発したフィンランドのメロデスは、MORS PRINCIPIUM EST の常軌を逸したシュレッドや、INSOMNIUM の映画のような風景で常にその領域を拡大し続けています。
そんなフィンランドの創造的なメロデス、その両輪として牽引し続けたのが CHILDIEN OF BODOM と OMNIUM GATHERUM だったのです。そして、Alexi Laiho の悲劇的な死から5年。OMNIUM GATHERUM, INSOMNIUM, CEMETERY SKYLINE でギターを紡ぐ Markus Vanhala は Alexi の愛車と遺志を今日も守り続けています。
「僕は Mutt Lange と DEF LEPPARD の大ファンなんだ。実は前作の “Origin” の時、メロデスの “Hysteria” バージョンを作ろうと思ったって冗談を言ったくらいでね。だから、80年代のロック用語で僕らの音楽を “アダルト・オリエンテッド・デスメタル” と呼ぶんだよ。これはデスメタルのアリーナ・ロックを目指す “AORデスメタル” みたいなもの。ステレオタイプ的には “メロデス” というジャンルは狭すぎるように思えるかもしれないけど、僕は固定観念にとらわれずに考えるようにしているからね」
Markus が居城 OMNIUM GATHERUM で目指す革命は AOD。アダルト・オリエンテッド・デスメタルの構築です。そして実際、”May The Bridges We Burn Light The Way” には、DEF LEPPARD が “Hysteria” で成し遂げた透明で奥深くもキャッチーなアリーナ・サウンド、DOKKEN が誇ったカミソリのようなギター・リード、EUROPE のカラフルでゴージャスな哀愁がたしかに存在しています。
なにより重要なのは、前作 “Origin” ではそうした “80、90年代のAORサウンド” を加えることで減退したかのように感じられたメロデスの源衝動、慟哭が今作においてはいささかも失われてはいないことでしょう。いや、むしろシームレスに洗練されたノスタルジアを注ぐことで、OMNIUM GATHERUM が創造してきたメロデスの輪郭がより鮮やかに、色味を増して新鮮に感じられるのです。
「実はメロディック・デスメタルという言葉ももう好きじゃないんだよね。でも、ジャンル名が必要なのは理解している。僕は OMNIUM GATHERUM の音楽をただ “ヘヴィ・メタル”と呼ぶのが好きでね。それが僕らの音楽だから。Bjorn Strid は僕と音楽への愛がすごく似ているんだ。デスメタルからAOR、そしてその間の音楽まで、僕らの音楽の幅広さには音楽的に深い繋がりを感じていてね。だから、彼と一緒に仕事をするのはすごく楽しかったんだ」
だからこそ、SOILWORK の誰あろう Bjorn Strid をこの作品のプロデュースを手掛けたのはまさに天啓でした。70年代のプログレッシブ、80年代のAOR、そして90年代のメロデスをこよなく愛し、近年の SOILWORK 及び NIGHT FLIGHT ORCHESTRA でその素養を遺憾なく発揮している Bjorn と組むことで、Markus の楽曲は例えば “My Pain” の近未来的スリルや “Last Hero” のアリーナ・メタル的威風堂々、そして “The Darkest City” のメロデスとプログの夢幻回廊まで、その陶酔感の螺旋はより克明に描き出されることとなりました。メロデスの守護者でありながら開拓者でもあり続ける OMNIUM GATHERUM こそ、フィニッシュ・メタルの王に違いありません。
今回弊誌では、Markus Vanhala にインタビューを行うことができました。「僕が持っているのは、国際ビジネスと物流学なんだよ。友達にいつも笑われるんだけどね。学位に関係する仕事なんて一つもしてないって言われて(笑)。でも、僕はいつも “本当にそうかな?” って聞いてるんだよ。だって、このレベルのバンドはみんな会社を経営しているからね。僕もこのバンドの会社に深く関わっていて、基本的に必要なのは国際ビジネスと物流学だよね?だから、会社経営のコツやちょっとした落とし穴を知るのに役立ってるんだよね」 どうぞ!!

OMNIUM GATHERUM “MAY THE BRIDGES WE BURN LIGHT THE WAY” : 10/10

INTERVIEW WITH MARKUS VANHALA

Q1: Few people in the metal world are as talented and busy as you are! I loved Manitou and Wolftrap, but now you are working with Omnium Gatherum, Insomnium, and Cemetery Skyline, right? How do you separate each of them musically?

【MARKUS】: Arigato from your nice words! I’ve always been a busy bee and operating on different bands simultaneously since I started playing, maybe it’s some musical ADHD or maybe I got bored on doing just only own thing. Awesome that you remembered my old bands like progmetal Manitou and even hard rocking Wolftrap, you’ve been digging deeper. As of today, I play in OG, Insomnium, Cemetery Skyline and I Am The Night. In my own head these bands are completely different sides of my musical adventures, so it’s pretty clear to me what riff and melody goes to what band. Actually I was already really busy with OG and Inso, but during pandemic era I was bored and just had to write music all the time to keep my sanity together, so that’s how the friend gathering bands CemSky and IATN came together and I’m really happy they did.

Q1: メタル世界であなたほど才能豊かで多忙な人はほとんどいませんよ!あなたが昔やっていた MANITOU と WOLFTRAP も大好きでしたが、今は OMNIUM GATHERUM, INSOMNIUM, CEMETERY SKYLINE の3つで活動されていますよね?音楽的にそれぞれをどのように区分しているのですか?

【MARKUS】: 素敵な言葉をありがとう!僕は演奏を始めた頃からずっと忙しくて、複数のバンドを同時進行で活動してきたんだ。音楽的なADHDなのか、自分のことだけをやるのに飽きてしまったのかもしれないね。プログ・メタルの MANITOU やハードロックの WOLFTRAP といった昔のバンドを覚えていてくれて嬉しいよ。より深く掘り下げてきれているね。
現在、僕は OMNIUM GATHERUM, INSOMNIUM, CEMETERY SKYLINE, そしてI AM THE NIGHT で演奏しているんだ。僕にとってこれらのバンドは、自分の音楽的冒険における全く異なる側面なので、どのリフやメロディーがどのバンドに合うかは明確に分かっているんだよね。実は、OMNIUM GATHERUM と INSOMNIUM ですでにかなり忙しかったんだけど、パンデミックの時期は暇で、正気を保つためにずっと曲作りに励まなければならなかったんだ。それで友達を集めてバンドを組むことになったんだよね。彼らとやれて本当に嬉しいよ。

Q2: With such a busy schedule, I am surprised that you have a bachelor’s degree in business administration! Does business administration actually help you to live in the metal world?

【MARKUS】: Yeah, I read that bachelor degree ages ago when I wasn’t that busy yet on touring et all. My degree is actually international business and logistics, and my friends are always laughing to me that I haven’t done a day work that relates to my degree, and I always ask them really? Because all bands have own companies to run behind them on this level, which I am highly involved and it’s basically just international business and logistics, right? So it does help on some business tricks and traps as running a company. I almost got finished another degree too, that was culture producer but after two years of studying that I was just way too busy with all my music adventures to get this done.

Q2: そんなに忙しいスケジュールの中で、経営学の学士号をお持ちだなんて驚きですよ!ところで、経営学はメタルの世界で生きていく上で役立っているのでしょうか?

【MARKUS】: うん、その学士号は随分前に取ったんだ。ツアーなどがまだそんなに忙しくなかった頃にね。実は僕が持っているのは、国際ビジネスと物流学なんだよ。友達にいつも笑われるんだけどね。学位に関係する仕事なんて一つもしてないって言われて(笑)。でも、僕はいつも “本当にそうかな?” って聞いてるんだよ。だって、このレベルのバンドはみんな会社を経営しているからね。
僕もこのバンドの会社に深く関わっていて、基本的に必要なのは国際ビジネスと物流学だよね?だから、会社経営のコツやちょっとした落とし穴を知るのに役立ってるんだよね。カルチャー・プロデューサーの学位ももう少しで取得できるところだったんだけど、2年間勉強した後、音楽活動で忙しくなりすぎて取得できなくなってしまったよ。

Q3: Members and former members of Insomnium have studied chemistry or biology in college or are doctors. In a world where you can no longer make money from music, is it important to diversify and diversify your sources of income?

【MARKUS】: Well, I think all of us got the degrees when we really thought we can live thru music, which we happily have actually during over the past 10 years already or so. So that’s actually possible even todays music world, if you do your stuff right and keep yourself busy.

Q3: INSOMNIUM のメンバーや元メンバーは、大学で化学や生物学を専攻していたり​​、医師だったりします。音楽で大きく稼げなくなった現代で、収入源を多様化することは重要なんでしょうか?

【MARKUS】: そうだな…僕たちはみんな、音楽で生きていけるって本気で思っていた頃に学位を取得したと思う。実際、ここ10年くらいは幸せなことに、音楽で生きていけるようになってきているんだ。だから、今の音楽の世界でも、自分のやりたいことをちゃんとやって、忙しくしていれば、音楽で生きていくことは実際に可能なんだよ。

Q4: “May The Bridges We Burn Light The Way” is a really great album! Your music and guitars are very sophisticated and urban, as is the case with Insomnium and Cemetery Skyline. Sometimes people say that melo-death is outdated or rustic, but your music is just the opposite, would you agree?

【MARKUS】: Thanks, I try to get my ingredients outside the ”melodeath field” to keep it interesting and I try to keep my par high to not get boring player or songwriter. I try to stay away on easy solutions in music that sounds they’ve been done many times before, and those riffs belong to my trash bin on my studio computer hehe. My biggest musical loves are 90’s death metal, 80’s hard rock and 70’s heavy and progressive rock. I’m always and eternally too searching new sounds and equipment and I am guitar gear nerd and my collection of guitars, amps and pedals start to be quite wide, so there’s a lot to adventure with my music. For OG my view have always been melodeath with 80’s rock twist and guitar heroism between the lines, and somehow cinematic melodies and soundscapes with song structures. I pretty much see my songs and music many times as landscapes or movie scenes, so I kind of ”see my music”, and when they tell a complete story then I know I am on the right path.

Q4: それにしても、”May The Bridges We Burn Light The Way” は本当に素晴らしいアルバムですね!
INSOMNIUM や CEMETERY SKYLINE でもそうですが、あなたの音楽やギターは洗練されていて都会的です。メロデスは時代遅れだとか、田舎臭いと言う人もいますが、あなたの音楽はそうした評判とは正反対だと思いますよ。

【MARKUS】: ありがとう。面白さを保つために、僕は “メロデスの領域” の外側で素材を探すようにしているし、退屈なプレイヤーやソングライターにならないように、自分の基準を高く保つように心がけているんだ。音楽の中で、何度も使われてきたような安易な解決策には手を出さないようにしているし、そういうリフはスタジオのコンピューターのゴミ箱行きだよ (笑)。
僕が最も愛しているのは、90年代デスメタル、80年代ハードロック、70年代ヘヴィ・ロックやプログレッシブ・ロックだ。常に新しいサウンドや機材を探し求めているし、ギターギアのオタクでもあるから、ギター、アンプ、ペダルのコレクションはかなり幅広くなってきている。だから、僕の音楽にはまだまだ冒険することがたくさんありそうだ。
OMNIUM GATHERUM に関しては、常に80年代ロックのひねりと行間にあるギターのヒロイズム、そして構成のある映画的なメロディーやサウンドスケープを加えたメロデスという考え方を持っていたんだ。僕は自分の曲や音楽を、風景や映画のワンシーンのように捉えることが多いんだよね。だから、ある種 “自分の音楽を見る” ような感覚で見て、楽曲が物語として完結している時、自分が正しい道を歩んでいると確信できるんだ。

Q5: When I heard this album, the first thing I remembered was Def Leppard’s “Hysteria”. It’s strange to say this about a melo-death band, but the beautiful production, guitar sounds, and arena rock sophistication that Mutt Lange seems to do. This wonderful nostalgia felt very fresh when it met Melo-death! That’s why it makes sense that Bjorn of Soilwork, who loves AOR, is producing it. In fact, is one of your goals to expand the narrow confines of Melo-death?

【MARKUS】: Nice you spotted this, as I am huge Mutt Lange and Def Leppard fan. Actually with the previous ”Origin” album, I joked that we tried to do ”Hysteria” version of melodeath. That’s why we in 80’s rock terms call our music ”adult oriented death metal” – that’s like AOR-death metal which aims like arena rock death metal. I agree that stereotypically ”melodeath” field seems quite narrow, but I try to think outside the box. I actually don’t like the term melodic death metal anymore, but I understand the genre titles are needed to give some explanations to people. I like to call OG’s music ”heavy metal”, as that’s what we are. Björn Strid really shares the similar love for music than I do, so our range from death metal to AOR and between felt like a deeper connection in music, so he was naturally great to work with him on vocal production.

Q5: このアルバムを聴いた時、まず思い出したのが DEF LEPPARD の傑作 “Hysteria” だったんです。メロデス・バンドにこんなことを言うのは奇妙かもしれませんが、Mutt Lange がやりそうな美しいプロダクション、奥行きのあるギターサウンド、そしてアリーナ・ロック的な洗練。この素晴らしきノスタルジアがメロデスと出会った時、とても新鮮に感じるんです!
だからこそ、AORを愛する SOILWORK の Bjorn がプロデュースを手掛けているのも納得です。ある意味、メロデスの狭い領域を広げることが、あなたの目標の一つなのでしょうか?

【MARKUS】: 気づいてくれて嬉しいよ。僕は Matt Lang と DEF LEPPARD の大ファンなんだ。実は前作の “Origin” の時、メロデスの “Hysteria” バージョンを作ろうと思ったって冗談を言ったくらいでね。だから、80年代のロック用語で僕らの音楽を “アダルト・オリエンテッド・デスメタル” と呼ぶんだよ。これはデスメタルのアリーナ・ロックを目指す “AORデスメタル” みたいなもの。ステレオタイプ的には “メロデス” というジャンルは狭すぎるように思えるかもしれないけど、僕は固定観念にとらわれずに考えるようにしているからね。
実はメロディック・デスメタルという言葉ももう好きじゃないんだよね。でも、ジャンル名が必要なのは理解している。僕は OMNIUM GATHERUM の音楽をただ “ヘヴィ・メタル”と呼ぶのが好きでね。それが僕らの音楽だから。Bjorn Strid は僕と音楽への愛がすごく似ているんだ。デスメタルからAOR、そしてその間の音楽まで、僕らの音楽の幅広さには音楽的に深い繋がりを感じていてね。だから、彼と一緒に仕事をするのはすごく楽しかったんだ。だから、ヴォーカル・プロダクションで彼と仕事をするのは当然素晴らしいことだったよ。

Q6: In terms of changing melo-death, so did Children of Bodom, also from Finland, with its power metal, classical shred, and 80s sounds. Alexi Laiho has been gone for 5 years now, what was he and his music like for you?

【MARKUS】: Of course Alexi was huge inspiration and genre inventing genius for metal and for Finnish music export, and as also a great dude and a character. When ”Something Wild” came out in 90’s it changed everything, it was really my cup of tea as it included death metal and guitar virtuosity of the 80’s, so my big loves and connected with turbo boosted songs. We toured together few times, and always liked to speak about music and US muscle cars, as we both liked them. Now I actually have Alexis old Chevy Monte Carlo SS as his sister wanted me to get it after Alexi passed away. I’ve been cherishing and building it to the max, and Alexi would really respect in what shape and supercharged and LOUD the car is nowadays. It’s fun!

Q6: メロデスを変えたという意味では、同じフィンランド出身の CHILDREN OF BODOM もパワー・メタル、クラシカルなシュレッド、そして80年代サウンドでメロデスに大きな影響を与えました。
Alexi Laiho が亡くなって5年になりますが、彼と彼の音楽はあなたにとってどのような存在でしたか?

【MARKUS】: もちろん、Alexi は大きなインスピレーションの源で、フィンランドのメタルと音楽の輸出を叶え、ジャンルを創造した天才だったよ。彼は素晴らしい人物で、個性的な人物でもあった。90年代に “Something Wild” がリリースされた時、すべてが変わったんだ。デスメタルと80年代のギターの技巧が融合した、まさに僕好みの作品だったね。ターボ・ブーストされた曲が大好きで、共感したものだよ。
僕たちは何度か一緒にツアーをしたけど、音楽やアメリカのマッスル・カーについてよく話していたね。二人とも同じものが好きだったからね。実は今、Alexi の古いシボレー・モンテカルロSSを所有しているんだ。Alexi が亡くなった後、彼の姉が私に譲りたいと言ってくれたんだ。これまで大切にして、最大限に磨き上げてきたんだ。今のこのマシンの出来栄え、スーパーチャージャー、そして大音量を、Alexi もきっとリスペクトしてくれると思う。楽しいよ!

Q7: People like you and CoB are heroes for breaking down barriers, but you must have had your share of criticism from the “gatekeepers of melo-death”. The title “May The Bridges We Burn Light The Way” and the album itself show your determination not to be swayed by such criticisms, would you agree?

【MARKUS】: Yeah, the title says it all – you cannot please every one and don’t let it stop you. Like Lemme said, ”don’t let the bastards bring you down” so this title is kind of like a synonym for that phrase. I’ve noticed many times that OG annoys that kind of ”musical gatekeepers” or ”genre polices”, like we’re too light for death metal but too brutal for heavy metal, but I could not care less and I just wanna do my own thing. Happily we’ve found a steady OG army to follow our band and style and people know what to expect from us.

Q7: あなたやCoBのような人たちは壁を打ち破るヒーローですが、”メロデスの門番” たちから批判も受けてきたでしょうね。 “May The Bridges We Burn Light The Way” “ニ度と戻らないと燃やした後ろの橋が、先行く道を明るく照らすように” (ビバリーヒルズ青春白書: ディラン・マッケイの有名なセリフ)というタイトルやアルバム自体が、そうした批判に動じないというあなたの決意を表していると感じました。

【MARKUS】: そうだね、タイトルが全てを物語っているよ。すべての人を満足させることはできないけど、同調圧力に屈してはいけない。Lemmy が言ったように、”ろくでなしどもに負けるな”。だからこのタイトルは、ある意味その言葉の同義語みたいなものなんだよ。
OMNIUM GATHERUM が “音楽の門番” や “ジャンルの規制” みたいなものに苛立たしい思いをすることは何度もあったよ。例えば、デスメタルには軽すぎるけどヘヴィ・メタルにはブルータルすぎるとか。でも、僕はそんなことは気にしない。自分のやりたいことをやりたいだけなんだ。ありがたいことに、今では僕たちのバンドとスタイルを応援してくれるOGの安定したファン層ができて、みんな僕たちに何を期待していいか分かってくれている。

Q8: Tomas Lindberg’s death had a huge impact on the scene, what was the 90’s and the Gosenburg scene like for you?

【MARKUS】: Early 90’s and Swedish death metal in general, and Gothenburg scene was important for OG when we started this band. As also Finnish scene with bands like Sentenced, Amorphis, Stratovarius that showed to us lil’ boys that you can make international success out of our small country barriers. At The Gates and Tompa were one of the most important influences with his unique voice and ”Slaughter OF The Soul” album, alongside ”Subterranean” of In Flames, ”Gallery” of Dark Tranquillity and ”Crimson” of Edge OF Sanity. Those were super-interesting times to find these new bands and suck the influences out of these bands to our own new thing.. I was just in Brazil with Cemetery Skyline on tour, when we got the news from Tompas death and it hit us really hard, especially as CemSky band members Mikael Stanne and Victor Brandt were his really close friends. So we respected him on a silent moment on stage and his picture on the screen during the show.

Q8: Tomas Lindberg の死はシーンに大きな衝撃を与えました。90年代とイエテボリのシーンはあなたにとってどんな存在でしたか?

【MARKUS】: 90年代初頭、スウェーデンのデスメタル全般、そしてイエテボリのシーンは、僕たちがバンドを始めた頃の OMNIUM GATHERUM にとって重要だった。同時に SENTENCED, AMORPHIS, STRATOVARIUS といったバンドが活躍したフィンランドのシーンも、若い僕たちに、小さな国という壁を乗り越えて国際的な成功を収められることを教えてくれたんだ。
AT THE GATES と Tompa は、その独特な声とアルバム “Slaughter OF The Soul” で、IN FLAMES の “Subterranean”、DARK TRANQUILLITY の “Gallery”、EDGE OF SANITY の “Crimson” と並んで、最も大きな影響を与えたバンドの一つとなったね。当時は新しいバンドを発掘し、そこから自分たちの新しい音楽に取り入れていくという、とても興味深い時期だった。
ちょうど CEMETERY SKYLINE のツアーでブラジルにいた時に Tompa の訃報を聞き、僕たちは本当にショックを受けたんだ。特に CEMETERY SKYLINE のメンバーである Mikael Stanne と Victor Brandt は親友だったからね。だから、ステージ上で沈黙を守り、ショーの間にスクリーンに映し出された彼の写真を通して、僕たちは彼に敬意を表したんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MARKUS’S LIFE !!

Europe “Final Countdown”

That was my first love when I saw that as a 5 year old kid from TV and I immediately insisted my parents to get it for me and I listened this 10 times a day back then and it shaped my future with rock and metal!

5歳の時にテレビで見て、すぐに両親に買ってきてとせがみ、毎日10回は聴いていたよ。ロックとメタルへの道を決めるきっかけとなった作品だね!

Iron Maiden ”Somewhere in Time”

This was the testimony for me after Europe that I’ve found the right path to follow and it was something out of this world on this album. Adrian Smith and his guitar solo on ”Stranger in a Strange Land” opened my eyes that I wanna play guitar.

EUROPE の後、自分が進むべき正しい道を見つけたという証となった。このアルバムにはこの世のものとは思えないほど素晴らしい音楽があった。Adrian Smith と彼の “Stranger in a Strange Land” でのギターソロは、ギターを弾きたいと強く思わせてくれたんだ。

Ozzy Osbourne & Randy Rhoads ”Tribute”

This was my deeper book and bible for guitar playing and showed me how to execute it all. This album got me rehearsing and playing guitar all the time in my parents basement. ”Mr Crowley” was the solo that I got fixation to execute that I HAVE TO LEARN THIS. It took hours, days, months, but then I did it. Around 13 years old.

僕にとってギター演奏の奥深さを体現した本であり、バイブルだった。あらゆる演奏の仕方を教えてくれたね。このアルバムのおかげで、両親の家の地下室でいつもリハーサルをしてギターを弾くようになったんだ。”Mr. Clowrey” は、絶対に弾きたいと強く思ったソロ。何時間も、何日も、何ヶ月もかかったけど、ついに実現できたんだ。13歳くらいの頃にね。

In Flames ”Subterranean”

For all mid 90’s metal albums I think this was the last rite that we had to form Omnium Gatherum with my buddies, as this album connected Iron Maiden and death metal, my two main loves back then (*another album I have to mention for this OG beginning was ”Symbolic” by Death which was as important as this IF album!)

90年代中盤のメタル・アルバムの中で、これは仲間たちとOMNIUM GATHERUM を結成するための最後の儀式だった。このアルバムは、当時僕が最も愛していた IRON MAIDEN とデスメタルを繋ぐものだったからね。(OMNIUM GATHERUM の始まりとして、DEATH の “Symbolic” も忘れてはいけないね。これもこのアルバムと同じくらい重要なアルバムだ!)。

Type O Negative ”October Rust”

That was my pathway to gothic music and back to more melodic music after my death and black metal years in later 90’s. ”Love You To Death” was also my wedding song – so it totally changed my life again way afterwards!

ゴシック・ミュージックへの道、そして90年代後半のデスやブラック・メタル時代を経て、僕がよりメロディックな音楽へと回帰するきっかけとなった。”Love You To Death” は僕の結婚式のテーマソングでもあった。つまり、その後ずっと僕の人生を変えたんだ!

MESSAGE FOR JAPAN

Oh yes, I love Japan and Japanese culture especially as it’s so different than our own. My all-time Japanese favorites are of course your food (I am a great sushi cook and do it all the time at my home!), Hayao Miyazaki anime movies, Loudness’ music from the 80’s and Japanese martial arts – when I was a teenager i was active in Shukokai karate and I loved it. Our shows always in Japan are really special warm moments for me, and i cherish them in my heart and hopefully we’ll be back asap there with our new album tour! See ya!

日本と日本の文化が大好きだよ。特に、僕たちの文化とは全く違うところが気に入っているんだ。僕の一番の日本のお気に入りは、もちろん日本料理(僕は寿司職人で、いつも家で寿司を作っている!)、宮崎駿のアニメ映画、80年代の LOUDNESS の音楽、そして日本の武道だね。10代の頃は修交会空手に熱中していて、とても楽しかった。日本でのライブは僕にとって本当に特別な温かい瞬間であり、心の中で大切にし、これからもずっと大切にしていきたいと思っているものなんだ。

MARKUS VANHALA

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DEFECTO : ECHOES OF ISOLATION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICKLAS SONNE OF DEFECTO !!

“Melody is what makes it human. You can feel aggression and emotion through growls and screams, but clean vocals bring vulnerability – and that’s powerful.”

DISC REVIEW “ECHOES OF ISOLATION”

「メタルは常に現実を映し出す鏡であり、同時に現実を超える手段でもある。ヘヴィ・ミュージックは人々にフラストレーションや痛み、そして希望のはけ口を与えてくれるんだ。孤独を感じている人々を結びつけ、自分は一人ではないことを思い出させてくれる。メタルは世界を修復したり、変えることはできないけど、何かリアルなものを感じさせることはできる。そして、きっとそれが力強いスタートとなるんだよ」
痛みを力に。孤独をアートに。複雑を情熱に。DEFECTO は、地元デンマークの名物スモーブローのように、現代に巣食う病巣や難解さを様々な味付けで美味しく料理し、暗い世界におけるメタルのあり方を示してくれます。メタルはありのままの現実を映し出し、その現実を超える力を持つ。世界を変えることはできないけど、希望へ歩み始める最初の一歩への後押しならできる。DEFECTO のメタルは背中を押すメタルなのです。
「バランスが大切なんだよ。メロディと感情が好きだけど、メタルのカオスやテクニカルな面も大好きなんだ。だから、ベースには複雑な部分があっても、表面的には感情的に繋がるような曲を作ろうとしているんだ。メロディアスなボーカル・パートのほとんどは、簡単に追えて、のめり込める。見せびらかすための複雑さではなく、聴くたびにもっと多くのことがわかるようなレイヤーを作り出すことが大切なんだ。僕にとって本当の魔法はそこにあるんだ」
DEFECTO の魔法はまさにスモーブロー的オープン・サンド。その下地であるビートは実に難解で複雑。奇数の海で強烈なグルーヴが繰り広げられますが、重なる具材は実に華やかで、何層にも連なる色彩豊かなメロディとハーモニーを堪能することが可能。そして、その卓越したメロディの訴求力によって、リスナーは現代というメカニカルな暴力の時代に、優しさや寛容さといった人間味を感じ取ることができるのです。
「メロディーは時代を超越するものだとずっと信じてきたからね。曲がどれだけヘヴィで複雑であっても、メロディーこそがその曲を “人間” らしくするものだ。グロウルやスクリームからは攻撃性や感情が感じられるけど、クリーン・ボーカルは脆さや弱さをもたらしてくれる。そして、その両方が揃うことこそパワフルなんだ。メタル・シーンが再び両方の側面を受け入れているのは素晴らしいことだと思うよ。なぜなら、真の感情は美しさと混沌の間のどこかに宿るからね」
“歌”、歌の力が戻ってきたメタル世界において、アグレッションと難解さ、そして弱さと人間味を併せ持つ DEFECTO の音楽はある意味理想的です。そして、その理想を具現化するのが、マルチ・プレイヤーで唯一無二のシンガー、英雄 Nicklas Sonne。彼の怒りと弱さを同様に抱きしめた自由自在な歌声は、”Echoes of Isolation” の闇と光を巡る感情の旅、その葛藤の中に強さと平和を見出します。そう、これは構造と感情が互いを増幅し合い、卓越した技巧をより人間味あふれるものに昇華させ、共感によって研ぎ澄まされた新時代のプログレッシブ・メタル。身を委ねれば美しい傷跡を残す、心に深く刻まれる映画のような旅路。
今回弊誌では、Nicklas Sonne にインタビューを行うことができました。「KING DIAMOND や DIZZY MIZZ LIZZY のようなバンドは、小さな国でも真にユニークなものを生み出せることを証明してくれたね。彼らは誰かを真似しようとはせず、独自のアイデンティティを築き上げた。それは僕にとって非常に刺激的なことだったんだ。DEFECTO も常に同じことを成し遂げたい思っているんだ。つまり、独自のサウンドとメッセージを維持しながら、デンマークのメタルを国際的に代表することだよ」Michael Romeo と Russell Allen を一人二役でこなせる奇跡。今年リリースされた Nicklas のソロ作品も素晴らしいですよ。どうぞ!!

DEFECTO “ECHOES OF ISOLATION” : 10/10

INTERVIEW WITH NICKLAS SONNE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【NICKLAS】: I grew up surrounded by all kinds of music – everything from classical to pop and heavy metal. But the moment I discovered bands like Metallica, Judas Priest, Alice Cooper, and later Symphony X and Dream Theater, something clicked. I was drawn to powerful melodies, big emotions, and the kind of musicianship that told a story without words. That combination of raw energy and deep feeling is what shaped me the most.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【NICKLAS】: クラシックからポップス、メタルまで、あらゆる種類の音楽に囲まれて育ったんだ。でも、METALLICA, JUDAS PRIEST, Alice Cooper、そして後に SYMPHONY X や DREAM THEATER といったバンドを発見した瞬間、何かがカチッとはまったんだよね。力強いメロディー、大きな感情、そして言葉を使わずに物語を語るような音楽性に惹かれたんだ。そのむき出しのエネルギーと深い感情の組み合わせこそが、僕を形成した最大の要因となったね。

Q2: Your technique and singing skills are among the best in the metal world, how did you acquire them? Who were your heroes back then?

【NICKLAS】: Thank you so much! That really means a lot. I’ve always been obsessed with learning and improving – not just as a singer or guitarist, but as a musician overall. I started playing guitar when I was around 11, and I spent countless hours every day practicing, recording, and studying my favorite artists. I started singing when I was 18, not until then did I dare venture towards that. For me, singing has always been very personal and “naked”, and it took me a great deal of courage to start trying to sing and record my own voice.
Some of my biggest heroes were and are Russell Allen, James Hetfield and Dio. Each of them had something unique – power, emotion, or theatricality – and I tried to learn a little from all of them while finding my own sound. I have always been inspired by musical singers and opera singers too – amazing the ability they have to tell a story with their voice.

Q2: DEFECTO のテクニックとあなたの歌唱力はメタル世界でもトップクラスだと思いますが、そうしたスキルをどのようにして身につけたのですか?当時のヒーローは誰でしたか?

【NICKLAS】: 本当にありがとう!とても嬉しいよ。僕は常に学び、向上することに夢中だったんだ。シンガーやギタリストとしてだけでなく、ミュージシャンとしてね。僕は11歳くらいからギターを始め、毎日何時間もかけて練習し、レコーディングし、好きなアーティストを研究していたんだ。18歳で歌い始めたけど、その時になって初めて、歌に挑戦する勇気が出たんだよ。僕にとって、歌うことは常にとても個人的で “裸” なものであり、自分の声で歌い、レコーディングを始めるのには、かなりの勇気が必要だったからね。
僕のヒーローの中には、Russell Allen, James Hetfield, Dio がいる。彼らは皆、力強さ、感情、演劇性など、何か独特なものを持っていたからね。僕は自分自身のサウンドを見つけながら、彼ら全員から少しずつ学ぼうとしていったんだ。ミュージカル歌手やオペラ歌手からも常にインスピレーションを受けてきたよ。彼らが声で物語を伝える能力には驚かされるばかりだ。

Q3: Speaking of Denmark, there are many great bands, though not many, such as King Diamond, Mnemic, Dizzy Mizz Lizzy, Volbeat, and Vola. How do you draw inspiration from these predecessors and the scene?

【NICKLAS】: Denmark has a small but very passionate scene, and I think that’s part of what makes it special. Bands like King Diamond and Dizzy Mizz Lizzy showed that you can create something truly unique even from a small country. They weren’t trying to copy anyone – they built their own identity, and that’s very inspiring to me.
Defecto has always wanted to do the same – to represent Danish metal internationally while keeping our own sound and message.

Q3: デンマークといえば、KING DIAMOND, MNEMIC, DIZZY MIZZ LIZZY, VOLA など、数は多くありませんが素晴らしいバンドがたくさんいます。こうした先駆者やシーンからはどのようなインスピレーションを得ていますか?

【NICKLAS】: デンマークには小規模ながらも非常に情熱的なシーンがあり、それがデンマークを特別なものにしている理由の一つだと思う。KING DIAMOND や DIZZY MIZZ LIZZY のようなバンドは、小さな国でも真にユニークなものを生み出せることを証明してくれたね。彼らは誰かを真似しようとはせず、独自のアイデンティティを築き上げた。それは僕にとって非常に刺激的なことだったんだ。DEFECTO も常に同じことを成し遂げたい思っているんだ。つまり、独自のサウンドとメッセージを維持しながら、デンマークのメタルを国際的に代表することだよ 。

Q4: What’s great about you is that what appears to be symphonic, ultra-melodic, metal-like metal is actually a labyrinth of riffs and beats, and the music is full of intelligence! There are very few bands in the world that do that! Why did you choose to do it that way?

【NICKLAS】: That’s such a kind compliment – thank you! For us, it’s about balance. We love melody and emotion, but we also love the chaos and technical side of metal. So we try to build songs that are complex underneath but still connect emotionally on the surface and in most melodic vocal parts are easy to follow and get into.
It’s not complexity for the sake of showing off – it’s about creating layers that reveal more every time you listen. That’s where the real magic is for me.

Q4: DEFECTO の素晴らしいところは、一見シンフォニックでメロディアスなメタルっぽいメタルのように見えますが、実はリフとビートの迷宮で、音楽がインテリジェンスに満ちている点でしょうね!世界でもそんなことを成し遂げているバンドはほんの一握りですよ。

【NICKLAS】: とても嬉しい言葉をありがとう!僕たちにとっては、バランスが大切なんだよ。メロディと感情が好きだけど、メタルのカオスやテクニカルな面も大好きなんだ。だから、ベースには複雑な部分があっても、表面的には感情的に繋がるような曲を作ろうとしているんだ。
メロディアスなボーカル・パートのほとんどは、簡単に追えて、のめり込める。見せびらかすための複雑さではなく、聴くたびにもっと多くのことがわかるようなレイヤーを作り出すことが大切なんだ。僕にとって本当の魔法はそこにあるんだ。

Q5: Complexity meets passion. Your methodology is different from the typical prog metal of Dream Theater, Symphony X, Gojira, BTBAM, etc. How do you feel about being called prog metal?

【NICKLAS】: I think it’s fair, but I also think Defecto is a bit of a hybrid. We have the progressive elements, yes – but our heart is very melodic and groovy. We don’t write long songs just to be “prog”; we write them because that’s where that particular story takes us.
If people call us progressive because we explore new sounds and structures, that’s a compliment. But at the core, we just write what feels honest.

Q5: まさに複雑さと情熱が出会う DEFECTO の手法は、DREAM THEATER, SYMPHONY X, GOJIRA, BTBAM といった典型的なプログ・メタルとは異なりますが、そう呼ばれることについてどう思っていますか?

【NICKLAS】: それは妥当だと思うけど、DEFECTO はちょっとハイブリッドなところもあると思っていてね。確かにプログレッシブな要素もあるけど、僕たちの心は非常にメロディアスでグルーヴィーだ。ただ “プログレ” であるために長い曲を書いているわけではないんだよ。それぞれのストーリーが僕たちを導く場所がそこだから書いているんだ。
新しいサウンドや構成を探求しているからプログレッシブだと言われるなら、それはたしかに褒め言葉だよ。でも本質的には、僕たちはただ正直に感じられるものを書いているだけなんだ。

Q6: As evidenced by Dream Theater’s Grammy and Ozzy Osbourne’s “Mama I’m Coming Home,” it seems that “singing,” sing-alongs, and melodies have returned to the world of heavy metal in recent years. Of course, Nicklas can sing everything from high tones to growls, but how do you feel about the power of clean vocals returning to metal?

【NICKLAS】: I love it. I’ve always believed that melody is timeless. No matter how heavy or complex a song is, melody is what makes it human. You can feel aggression and emotion through growls and screams, but clean vocals bring vulnerability – and that’s powerful.
I think it’s amazing that the metal scene is embracing both sides again – because real emotion lives somewhere between the beauty and the chaos.

Q6: DREAM THEATER のグラミー賞受賞やオジー・オズボーンの “Mama, I’m Coming Home” からもわかるように、近年メタルの世界に “歌”、一緒に歌うこと、そしてメロディーが戻ってきたように思えます。
Nicklas はハイトーンからグロウルまで何でも自在に歌えますが、メタルにクリーン・ボーカルが戻ってきたことの力についてどう思っていますか?

【NICKLAS】: 僕はとても気に入っているよ。メロディーは時代を超越するものだとずっと信じてきたからね。曲がどれだけヘヴィで複雑であっても、メロディーこそがその曲を “人間” らしくするものだ。グロウルやスクリームからは攻撃性や感情が感じられるけど、クリーン・ボーカルは脆さや弱さをもたらしてくれる。そして、その両方が揃うことこそパワフルなんだ。
メタル・シーンが再び両方の側面を受け入れているのは素晴らしいことだと思うよ。なぜなら、真の感情は美しさと混沌の間のどこかに宿るからね。

Q7: “Echoes of Isolation” is a great album that turns various emotional pains and struggles into strength, and the music allows the listener to experience this concept, would you agree?

【NICKLAS】: Absolutely. That’s exactly what we wanted to achieve. Echoes of Isolation explores mental illness – depression, OCD, PTSD, paranoia, schizophrenia, and more – and how those struggles shape your view of the world.
It’s an emotional journey through darkness and light, but it’s also about finding strength and peace within it. If listeners feel understood or less alone because of this album, then we’ve succeeded.

Q7: “Echoes of Isolation” は、本当に素晴らしいアルバムですね!様々な感情的な痛みや葛藤を強さに変えていくストーリー、そして音楽がリスナーにそのコンセプトを追体験させてくれますね?

【NICKLAS】: その通りだよ!まさにそれが僕たちがやりたかったことなんだ。”Echoes of Isolation” は、うつ病、強迫性障害、PTSD、パラノイア、統合失調症などの精神疾患と、それらの葛藤が人の世界観をどのように形作るかを探求しているんだ。
これは闇と光を巡る感情の旅だけど、同時にその中で強さと平和を見つけることでもある。もしリスナーがこのアルバムを通して理解されたと感じたり、孤独感が和らいだと感じたりするなら、僕たちの挑戦は成功したと言えるだろうね。

Q8: In the 2020s, the world is in a dark time of war, pandemics, division, oppression, violence and falsehoods. What can heavy metal do in such a dark world?

【NICKLAS】: Metal has always been a mirror of reality – but it’s also a way to rise above it. I think heavy music gives people an outlet for frustration, pain, and hope. It unites people who feel disconnected and reminds them that they’re not alone.
We can’t fix the world, but we can make people feel something real – and that’s a powerful start.

Q8: 2020年代、世界は戦争、パンデミック、分断、抑圧、暴力、デマの拡散といった暗い時代にあります。このような暗い世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるでしょうか?

【NICKLAS】: メタルは常に現実を映し出す鏡であり、同時に現実を超える手段でもある。ヘヴィ・ミュージックは人々にフラストレーションや痛み、そして希望のはけ口を与えてくれるんだ。孤独を感じている人々を結びつけ、自分は一人ではないことを思い出させてくれる。
メタルは世界を修復したり、変えることはできないけど、何かリアルなものを感じさせることはできる。そして、きっとそれが力強いスタートとなるんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NICKLAS’S LIFE!!

Metallica “Black Album”

Dream Theater “Train of Thought”

Symphony X “Iconoclast”

Judas Priest “Painkiller”

Alice Cooper “The Last Temptation”

MESSAGE FOR JAPAN

Japan has an incredible culture – the mix of tradition, art, and modern creativity is fascinating. I grew up with Japanese games and anime, and I’ve always admired the passion and precision in Japanese music.
To our fans in Japan: thank you for your support and for always showing such love for music. We hope to come play for you again very soon – and when we do, we’ll bring the full energy of Echoes of Isolation with us.
Arigatou gozaimasu!

日本には素晴らしい文化があり、伝統、芸術、そして現代的な創造性が融合しているところが魅力的だね。僕は日本のゲームやアニメで育ち、日本の音楽の情熱と精密さにいつも感心しているんだ。
いつもサポートしてくれて、音楽への愛情を示してくれてありがとう。またすぐにみんなの前で演奏できることを願っているよ。その時は、”Echoes of Isolation” のエネルギーを全開で届けるね。ありがとうございます!

NICKLAS SONNE

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NYTT LAND : SONGS OF THE SHAMAN】 JAPAN TOUR 25′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANATOLY PAKHALENKO OF NYTT LAND !!

“Throat singing is a real treasure, the heritage of our indigenous peoples. We use throat singing in our music quite actively, as it is an incredible magic and it is our connection with our ancestors.”

DISC REVIEW “SONGS OF SHAMAN”

「私たちにとってシベリアで暮らすのは、世界のどの地域よりもずっと簡単なんだ。 ここは私たちの祖国であり、祖先の土地であり、自分たちのルーツを大切にして、伝統を守ることが重要なんだよ。 私たちはアジア人で、ライフスタイルの面では非常に保守的だ。 フランス、ノルウェー、セルビアなど、他の国や大都市への移住を何度も勧められよ。でも、私たちはそんなことはしたくない。 どこまでも続く美しい草原、山々、森といった生まれ育った土地を離れることは、私たちにとって大きなストレスになる。 ここが私たちの人生のすべてであり、私たちが生まれた場所であり、先祖が生まれた場所であり、私たちの一部であり、だからこそ私たちはここに住んでいるのだよ」
シベリアの大地に深く根を張る NYTT LAND の作品は、2021年の “Ritual” を皮切りに、北欧のフォーク・ミュージックからシベリアの伝統をより深く表現するダークな音楽へと徐々に移行し、最新アルバム “Songs Of The Shaman” で頂点を極めました。
満州・ツングース民族のシャーマニズム的な歌や呪文を、彼ら自身の言語と伝統楽器を用いて解釈することで NYTT LAND は自らの古代文化を守り、より幅広いオーディエンスに届けることを目指しています。NYTT LAND の音楽を聴けば、かつてシベリアに広がっていた風景や営みが心に深く刻まれるような感覚を覚えます。それは、まさに太古の昔からもたらされた音のささやき。 これはもはや、地球上で最も古い文化を巡る魅力的な旅。そして、”Songs Of The Shaman” でその旅路の鮮やかさは一段と際立っています。
「ホーミーはシベリアとモンゴルの先住民の伝統的な歌唱法なんだ。こうした伝統的な歌い方は、世界中のどこを探しても見つからない。もし誰かが、バイキングの間でのどを使った歌い方があったという話をしたら、その人の顔にツバを吐いてもいいだろう。現在では、喉歌をヨーロッパ民族のものとすることが非常にポピュラーになっているけど、これはまったくのナンセンスだよ。喉歌は、先住民族の遺産であり、真の宝なんだ。私たちが非常によく喉歌を使うのは、喉歌が信じられないような魔法であり、祖先とのつながりでもあるからなんだ」
伝統的なシャーマニズムの歌と呪文を解釈した NYTT LAND の音楽。すべての曲は原語で録音され、喉歌や太鼓などの非常に古い音楽技法が用いられています。そうして彼らは、イントネーションとリズムからも生まれる魔法の力を逃さないようにしています。降霊術、呪文、祝福…古代の魔法は、慎重に選択され、有害な呪いは意図的に排除されていきました。NYTT LANDは聴く者すべてを、精霊たちが今も支配し、神々でさえも恐れる時空の秘境、音楽の旅へと誘います。
そうしてこの音の旅は、原始的な人間性に対する理解を何よりも深めてくれるはずです。真っ暗な草原の夜空の下、焚き火のそばに座り、シャーマンが祖先、星々、そこに宿る神々、そしてこの極寒の地を形作る岩や川についての物語を紡ぐのをただ聞いている。そしてシャーマンが炎の中で喉歌を歌い踊る姿に目を奪われる…そこに広がるのは民俗神話の荘厳なる世界。
そう、NYTT LAND こそ古の草原を旅する真の音楽遊牧民。そしてもちろん、この原始と神話、古代の再来は、NYTT LAND が祖先、土地、ルーツと伝統を心から大切にしてきたからこそ成り立っているのです。
今回弊誌では、Anatoly Pakhalenko にインタビューを行うことができました。妻 Natalia とのユニット。「私たちはメタルを演奏するのではなく、伝統的な儀式のフォークロアとその音楽における解釈を研究しているんだ。 そう、私たちの聴衆の一部は間違いなくメタル・ヘッズで、それはクールなことだ。 これは、私たちの音楽がすべての人の魂に触れ、ある種の感情を呼び起こすことを意味している」 ARKONA との来日も決定。どうぞ!!

NYTT LAND “SONGS OF THE SHAMAN” : 10/10

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COVER STORY 【STRAPPING YOUNG LAD : 30TH ANNIVERSARY】


COVER STORY : STRAPPING YOUNG LAD “30TH ANNIVERSARY”

“Obnoxious music with super fast double kick, lots of random explosions and a bald guy screaming his balls off over top. Stress music made for catharsis.”

STRAPPING YOUNG LAD

Devin Townsend は、VAI の1993年のアルバム “Sex & Religion” で世に出ました。二人はその後、それぞれ別々に大成功を収めていますが、Steve Vai は Devin との仕事の思い出を今でも大切にしています。
「Devin は全身全霊で音楽に打ち込んでいたね。彼と一緒にいて、初めて彼の才能が自分の音楽にどう役立つかに気づいたんだ。彼は素晴らしいシンガーだった。彼はどんな歌でも歌えるんだ。そして本当に面白くて、奇抜で、ワイルドで、そういうところが大好きだった。でも、当時は彼が真にクリエイティブな人間だとは気づいていなかった。VAI は私が仕切っていたからね。でも、彼は私のバンドで活動して、何かを学んだんだろう。一度ツールを手に入れると、爆発的に成長した。とにかく表現したかったんだ」
Vai は Devin が作り上げた STRAPPING YOUNG LAD の2005年のアルバム “Alien” がお気に入りだと明かし、そのメロディアスで圧倒的な内容は “研究” に値するとまで称賛しています。そして誰がその言葉に異論を唱えられるでしょう?”Alien” は不健康な状況下で制作された(Devin が双極性障害の薬を断薬していた)にもかかわらず、メタル史に残る傑作となりました。
「Devin についてもう一つ言わせてくれ。彼の音楽は、どんなに激しいものでも、邪悪なものではない。その奥には、光、変革を求める、輝かしい欲求がある。彼の創作活動をずっと見てきた。彼の音楽が、彼にとってカタルシス的なプロセスとなり、自分自身の心に安らぎと心地よさを見出していく過程を目の当たりにしてきたんだ。STRAPPING YOUNG LAD の “Alien” は研究する価値がある。あの作品は、これまで聴いた中でも、これほどまでに強烈な作品はなかったよ」

STRAPPING YOUNG LAD は、Devin Townsend の作品群の中でも特別な位置を占めています。このバンドのヘヴィ・メタル的文脈を構成するインダストリアル、グルーヴ・メタル、デスメタル、ノイズの要素は、同時期の Devin の他のソロ作品にも存在し、同様に、ザッパ以降のシアトリカルでパノラマ的なシネマティック・プログは、STRAPPING YOUNG LAD のすべてのレコードに深く織り込まれています。そのため、サウンド面では意外にもそれほど深い差別化はないようにも思えますが、STRAPPING YOUNG LAD を信奉するファンは未だに絶えません。
もちろん、このオールスターバンドのメンバーが Jed Simon(ギター、当時はインダストリアル・グループFRONTLINE ASSEMBLY に在籍)、Byron Stroud(ベース、2004年から2012年までは FEAR FACTORY にフルタイムで参加)、Gene Hoglan(史上最高のエクストリーム・メタル・ドラマー)だったことはプラスに働きました。しかし、それ以上にこのバンドは Devin Townsend の血と汗と涙と才能と怒りと双極性障害、そのすべてを凝縮していたからこそ特別だったのです。
「OCEAN MACHINE の “The Death of Music” はまるでファンタジーの世界みたいだ。行くべき場所があるような気分になれる。うまくいけば、他の人も、あの音の逃避行を作ろうとしていた頃の僕と同じ精神状態を、少なくとも訪れることができる。”The Death of Music” は、Steve Vai のレコードを制作した直後に生まれた曲で、音楽業界に完全に幻滅していたんだ。何もかもが自分の思い通りにはならなかった。それから僕はRelativity recordsと契約していたけど、不運にも “Noisescapes” というプロジェクトに携わることになった。結局、このレコードは未完成に終わり、完成した作品もレーベルから “統合失調症的” すぎるという理由で却下されたんだ。このレコードは STRAPPING YOUNG LAD と OCEAN MACHINE の起源でその二つが一つにまとまっていて、レーベルはそれが混乱を生むと感じていた)。僕は他のレーベルにもデモ音源を依頼しようとしたけど、最終的には、アプローチしたすべての関係者が同じ意見だった。
それで僕は THE WILDHEARTS の友人たちのギタリストとしてイギリスのバーミンガムに移り、そこでよりアグレッシブな楽曲に注力し始めたんだ。だから、このファースト・アルバムの曲はイギリス滞在中に書かれたもの。”The Rainy Season”, “SYL” をはじめ、このアルバムの核となる曲は、SUICIDAL TENDENCIES とのヨーロッパ・ツアー中に書かれていった。
当時は非常に不安定な時期で、当時の僕の心境を最も端的に反映したのが、この奇妙で怒りに満ちた、非常に “レッド” なアルバムだった。CDのジャケットに写っているのは僕のお尻だよ。悪くないでしょ?肘を二つくっつけたみたいに見えるって言われたことがある。まあいいか。プロダクションは不安定で、ソングライティングにもかなりの浮き沈みがあったけど、僕の活動をまず紹介する作品としては、当時の僕をよく表していると思う」

SYL 名義での最初のアルバム “Heavy as a Really Heavy Thing” は、Devin が Vai のバンドに在籍していた直後にリリースされました。楽曲制作からツアーに至るまで、メジャー・レーベルの不手際への不満がこの作品を、初期のインダストリアル・メタル、デスメタル、スラッシュといった、よりエクストリームな領域へと導いたと言われています。Devin はその後、このアルバムを痛烈に批判するようになりましたが、実際には彼が言う以上に力強い作品でしょう。それは後期の作品にある映画的なスケール感がまだ未熟で、よりダーティーでザラザラとしたアルバムとなっているからかも知れません。そのインダストリアルな音色は、Devin の作品に大きな影響を与えたことで知られる GODFLESH の “Streetcleaner” にも違和感なく調和し、そのプロダクションは、初期 MESHUGGAH のような、当時のエクストリームなデス/スラッシュ・バンドに見られるようなメタリックなサウンドに近いものです。
「混乱と敵意に満ちた心境でイギリスから帰国した。Vai との活動は音楽業界全般への嫌悪感を生み、WILDHEARTS での活動は多くの疑問と怒りを生んだ。Jason Newsted(他にも数名)とのサイド・プロジェクトも期待外れだった。SYLの最初のアルバムは大ヒットしなかった。そこで、バンクーバーを離れ、音楽の新たな可能性を探る時が来たと感じた。
都会の醜悪な自然と、比較的目立たない場所に魅了され、ロサンゼルスの準工業地帯のような荒廃地はインスピレーションを得るのに良い場所だと考え、マリナ・デル・レイの友人数人と暮らしながら作曲を始めたんだ。
当時は、いくつかのアルバム(MORBID ANGEL の “Domination”、FOETUS の “Gash”、OLD LADY DRIVERS の “Formula” や “Cop Shoot Cop” など)に心を奪われていた。センチュリー・メディア・レコードの郵便室で注文を処理する仕事も時々していたけど、ほとんどの時間はSYLのダークな曲をひたすら書き続けていたんだ。”Oh My Fuckin’ God” を聴いてくれよ。偽善的なバカどもについて話しているんだけど、俺はこのシーン全体からなんとか逃れてきたんだ。だって、ファッションショーみたいでね。新作はいいけど KORN が好きなキッズには受けないって言われるのにうんざりだから。アディダス履いてウォレットチェーン持ち歩くようなクソみたいなの、もうやめてくれ。メタル・シーン全体で一番問題なのは、女性蔑視的な部分なんだ。
それから、”Spirituality”。曲の最後の部分に、かなりヘヴィな詩節がある。歌詞と、自分の考えを伝えることが、僕にとって一番大切なこと。僕が書くのは、どんなに些細で下品なことでも、僕の人生で起こっていることだ。たとえそれがセブンイレブンで働いている人とのトラブル、職場でのトラブル、家族とのトラブル、妹との喧嘩など、人によっては些細なことに思えるかもしれないけれど…本当に腹が立つようなことを歌っていて、ただ “ジェネレーションX” 的な “もううんざり、みんな最低、世界は私に生計を立てる義務がある、政府はクソだ” みたいな、ありきたりな怒りをただ吐き出しているだけじゃないなら…何を歌っているかなんて関係ない。ただそこに誠実さがあれば、音楽は10倍になるから…自分が歌っていることを感じられればね。この新しいアルバムで誇りに思っていることがあるとすれば、それは全部、僕の体の一部から生まれたものなんだ。それが睾丸でも、胃でも、心臓でも、わかるでしょ?
とにかく、デモも完成した頃、ハリウッドのライブで Gene Hoglan と出会ったんだ。彼がファースト・アルバムを気に入ったと言ってくれたので、彼を誘って “City” を制作することになった。彼は何ヶ月も演奏しておらず、ブラストにも慣れていなかったので、最初は少し難航したけど、リハーサルを始めて3日ほどで彼の素晴らしい才能に気づき、最終的にハリウッドにある Steve Vai のスタジオでレコーディングすることになったんだ。旧友の Byron と Jed をロサンゼルスに招き、より “バンドらしい” レコーディング体験をしようとした。意気投合したね。この初めての本格的なレコーディング体験が、後の僕たちの原点となったんだ」

“City” は STRAPPING YOUNG LAD の最高傑作と広く考えられています。Devin 自身も、このアルバムをバンドのディスコグラフィーの中で最高傑作だと考えているようです。その理由は明白。”Heavy as a Really Heavy Thing” をテンプレートとすれば、本作はほぼあらゆる面で確実に進歩を遂げているから。前作のヘヴィなデス/スラッシュ・プロダクションや、ザラザラとしたローファイなデモ感は消え去り、Devin が最初からこのプロジェクトに込めていたであろう、シネマティックなビジョンが全編に渡り採用されています。”City” は “Ocean Machine: Biomech” と並行して作曲・レコーディングされており、ヘヴィさを除けば、両者にはたしかに類似点が存在。”Ocean Machine: Biomech” は広大なサウンドスケープを用いて、ヘヴィとドリーミーの中間の空間を創り出し、人体に関する長編プログの寓話を表現しているのに対し、”City” は荒々しくノイジーな工業都市の風景を表現しているのです。工業都市なのに歌舞伎町から超鋼鉄重低爆撃。
“City” を語る上で、このレコードの音楽の激しさは欠かせません。もし “Heavy as a Really Heavy Thing” が、方向性を見失い、整理されていない創造的エネルギーの爆発だとしたら、”City” はそうした本能が軽躁病的な混乱と恐怖へと絞り込まれた作品だったと言えるでしょう。焼けつくような激しさにもかかわらず、このレコードのテーマは怒り以上にむしろ、双極性障害の片端からドラッグとアルコールで満たされた躁のエネルギーが爆発したように感じられます。それは “Ocean Machine: Biomech” の物悲しくメランコリックな壮大さとは対照的。アルバムは悪意に満ちているというより、むしろ慌ただしく、狂乱し、混乱しているように感じられ、危険がないわけではないものの、害悪の意志は感じられません。つまり、インスピレーションとなった大都市の混乱を、躁病に陥った身体の混乱、行き詰まり、そして途方もなく複雑な内なるエネルギー、自身の生々しい部分を象徴するメタファーとして用いているのです。

「”Physicist” のツアーを経てライブ・シーンに再び触れた後、僕は “City” に影響を与えた自らの中にある恐怖感を克服し始めた。再び SYL のような作詞作曲に挑戦し始め、”典型的なメタル・バンド” のアプローチを取れば、SYL に再び関わっても問題ないだろうと自分に言い聞かせたんだ。
なぜなら、正直に言うと “City” がもたらした注目は嬉しかったし、称賛やライブショーは実に魅力的だったから。セルフ・タイトルの楽曲と歌詞の8割は僕が持ち込んだものの、Gene と Jed には彼らが蓄えていたアイデアを出し合うように促すようになった。
このアルバムの歌詞は、僕がこれまで手がけてきた作品の中で最も自分と繋がりが薄いかもしれない。どちらかというと “クールに聞こえるか”、そして僕自身の “タフガイ” 的な姿勢を重視した作品だからね。満足できる要素もいくつかあったけど…”Bring On The Young” の一部は、当時の戦争への恐怖を直接反映していたよ。だけま、”Rape Song” のような曲は、激しいテーマと遠い感情的な繋がりが絡み合った結果、僕が意図していたものとは正反対の形で生まれてしまったんだ。
フランスのテレビ番組でレイプシーンのある番組を見て、女性にあんなことをする人への憎しみが募り、レイプ犯をぶちのめす曲を書かざるを得なくなったんだ。ところが、その意図は裏目に出て、一部の人たちはこれを “レイプ賛美” だと捉えてしまった…
SYL はこうした特異な性質のために、常に僕を不安にさせてきた。僕は無意識のうちに演じる “役割” に多大な労力を費やしていた。当時は気づいていなかったけど、僕のエネルギーの多くは、自分が抱いていたイメージを守ることに費やされていたんだ。そのイメージがどう進化していくのかをひどく恐れていたし、そのことを人々に悟られないようにするためにね」

セルフタイトルのアルバム “Strapping Young Lad” は、”City” のツアー後、グループが一時活動休止した後にリリースされました。当時、Devin は満足のいくヘヴィな音楽が書けなくなったと述べ、代わりに後の “Physicist” と “Terria” となる作品に注力したのです。しかし、あの9.11をきっかけに、Devin は新たな創作意欲を見出したようでした。地震や津波といった自然災害から、大国による帝国主義的な戦争、そしてそれが引き起こす小国や非力な国々の権力の空白まで、あの規模の悲劇は世界各地を悩ませ、今もなお続いていますが、9月11日の出来事は、アーティストであろうとそうでなかろうと、西洋の多くの人々の心の奥底を揺さぶったのです。突然、世界の苦しみの現実が明らかになる。一部の人々はこれを愛国主義や人種差別に利用しようとしましたが、Devin はいつものように自分のエネルギーを自分自身に注ぎ、最終的には、セルフタイトルのレコード “Strapping Young Lad” と、同時に結成された THE DEVIN TOWNSEND BAND 初のレコード “Accelerated Evolution” の両方を作り上げたのです。
「このアルバムは全てを変えた。”Alien” の後、SYLはもう終わりだと悟ったんだ。ライフスタイルを変える必要があるとね。このアルバムに至るまでの出来事、そしてレコーディングを取り巻く状況は、自分自身と精神を破壊してしまったと心から思うほど、混乱を招いた。僕の創作サイクルはタイムラインを見ればわかるように明らかに循環的だけど、そのことに気づいたことが、今の僕をありがたいことに導いてくれたんだ。
本質的には、”Alien” は、僕が自ら、そして当時の周りの人々によって、精神的に崩壊するほどにまで煽られた躁病の結果だった。SYLのセルフタイトル・アルバムで(善意にかかわらず)”有名” になってしまったことで、またしても中途半端なアルバムに対する批判に耐えられなかったのだろう。”Alien” に全力を注ぎ、”Infinity” の時と同じように、自分のプロセスに徹底的に取り組もうと決意したんだ。
“Infinity” でかつて自分を駆り立てた “殉教者芸術家” というロマン主義が頭から離れず、再びその境地に達してメタルというジャンルに “傑作” を残せると信じていた。”誰も成し遂げていない” 境地まで自分を追い込むことで、”City” 時代には自然にできていたことが、今や “無理やり” 生み出されるようになり、SYLを取り巻く状況はますます暴力的になり、今にして思えば自分がほとんど何も知らなかった事柄と複雑に絡み合っていた。そのため、僕の歌詞の傾向は歪んでいった。
怒ったり、落ち込んだり、あるいは何らかの負の感情を抱かなければ幸せになれない人がいるという考えがある。そして、僕がその限界まで自分を追い込む能力(そしてその意志)を持っていた時、僕は自らを暗く悪意に満ちた結末へと導くシナリオに陥っていた。注目を浴びることを喜び、”Terria” 時代にはそれを抑制していた薬の服用をやめてしまった。マリファナとアルコールへの依存が悪影響を及ぼしていたことを認めようとしていなかった。むしろ、それが歪んだ視界を悪化させていたんだよ。
このアルバムは Gene Hoglan と密に協力して制作し、毎日彼の家でリハーサルを行っていた。エクストリーム・ミュージックにおけるテクノロジーの可能性を最大限に活かそうとしたよ。実際、”Alien” で本当に良かったと思えることがあるとするなら、それは彼と音楽仲間として歩んできた道のりだ。僕たちは議論し、妥協し、そして最終的には、一人で作るよりも良いものを作り上げた。でも、二人で作り上げたものは、最終的に僕にとって非常に居心地の悪いものとなり、その後のツアー期間中ずっと落ち込んでいたんだ。
最後の曲 “Info Dump” は、朝4時に地下室でモールス信号と数学的なアイデアを駆使して書いたもの。巧妙で “限界に挑戦した” と思ったものの、結果として僕を恐怖の抜け殻のような人間にしてしまった。自分自身と自分の置かれた状況に対する妄想と恐怖は、つい最近まで僕を悩ませていた。しかし、少し距離を置いて、そして数年経ってから…このアルバムは、アーティストとして非常に誇らしい瞬間だと言えるようになったよ。だけどその誇りの大部分は、苦い経験を​​通して学んだ教訓を、二度と繰り返すつもりはないという自覚から生まれている」

終わりの始まり。”City” が真実だとすれば、”Alien” は現実だと言えます。”City” は間違いなく、このグループの壮大なコンセプトが初めて実現された瞬間でした。しかし “Alien” は、より歳を重ね、より賢明になったグループが、より感情的な精緻さを伴って、同じ考え方に立ち返った作品です。”City” は、身体と精神との関係における都市の比喩的なイメージに焦点を当てていました。大都市のすべてを理解することは困難です。一方 “Alien” は、酩酊状態、精神疾患、神経発達障害などによって、私たちが自分自身を理解できず、自分が思考プロセスの外側にいるように感じてしまうことに焦点を当てています。その結果、私たちは周囲の世界と繋がり、意味のある形で進んでいくことができなくなるのです。
つまり、”City” が外に向けられた躁状態だとすれば、”Alien” は内へと注ぎ込む、内破する精神のブラックホールだったのです。狂気じみた疑似哲学的 “Skeksis” は、それ自体が Devin の映画的なアート・メタルのキャリアの過去と現在を縮図のように捉えています。この時期 Devin は SYL の存在意義についてこう語っていました。
「STRAPPING YOUNG LAD が効果的なのは、僕らがそれほど人気が​​ないからだと思う。人気がないからこそ、自分をどう見せるかに多少の自由がある。僕は大成功なんて求めていない。次のアクセル・ローズになりたいとも思っていない。成功という点では、せいぜい SLIPKNOT (当時) と同程度だろう。彼らもまた、自分たちのやり方で成功を収めてきたヘヴィ・バンドだからね。でも、例えば METALLICA や GN’R だったら…
“Some Kind of Monster” っていうドキュメンタリーを見たんだけど、あいつらはもうメタルのためにやってるって感じじゃない。”マジかよ、俺らは億万長者なのに人生最悪だ” みたいな顔してる」
Devin が SYL を継続することが不可能な精神状態になり、必要なものさえも消し去ってしまったプロジェクトだと語る時、彼が言及しているのは主に “Alien” でした。このアルバムには、Devin が芸術的な高みに到達するために意図的に抗精神病薬を断薬したという神話が流れています。しかし、彼は自らの躁状態と鬱状態は過剰な薬物使用と若くして音楽業界に身を置く環境に起因する可能性が高いと判断し、抗精神病薬の服用を中止し、自らを見直すことを決意しただけでした。当時は禁酒状態だったため、精神状態はますます悪化し、それが心理的に不安を掻き立てるほど化け物じみたアルバムへと発展したのです。Devin は SYL と DTB の関係性をいつしかこう表現するようになっていました。
「STRAPPING YOUNG LAD って、ある意味、誰かに無理やり引っ張られて、やらされているって感じだからね。分かる? 全てを燃やし尽くすような、そういう宣言なんじゃないかな。政治も宗教も、全部クソくらえ! 物事は大丈夫かもしれない、なんて言う段階は完全に過ぎ去ってる。だって、大丈夫じゃないんだから。そういう感情への反応なんだ。Devin Townsend の次のレコードは、それと正反対だ。あのレコードは “大丈夫” って言ってる。この2つはそういう関係性なんだ。SYL は “なんてこった!” って言ってるし、DTB は “大丈夫” って言ってる。SYLはゾクゾクするけど、DTBは頭が柔らかくなる。どちらも自分とは正反対のものを体現していると思うから…だから、できるだけ正反対の要素を取り入れているのが良いと思っている。”Alien” にはアコースティックとか、ソロの雰囲気に合う部分もあるけれど。SYLの雰囲気は独特で、曲作りをしている時にすぐに違いが分かるんだ。DTBは温かい家族のような雰囲気。SYLとはセックスするし、DTBとは結婚しているんだ」

そうして、漆黒のスワンソング “The New Black” でその歴史に幕を下ろした STRAPPING YOUNG LAD。Devin のライブにおいても、SYL の楽曲は取り上げられていますが、おそらく復活することはないでしょう。ただし、Devin はSYL再結成の要望を賛辞と受け止めています。
「いつ再結成するのかって?この質問で一番気に入っているのは “いつ” という言葉だよ。まるで再結成の兆しがあるかのように聞こえるよね。でも、もうバンドの誰とも話していない。25年前の自分とはまるで別人だ。そうしたくない。それが僕の答えだと思う。 他の人たちがそれを望んでいるのを知っているから、それは罪悪感を伴う難しい選択だ。でも、この2、3年で学んだことがあるとすれば、自分自身の欲求に注意を払わなければならないということ。だから SYL を再結成するつもりはないけれど、みんながこのバンドに夢中になって、再結成を待ち望んでいるという事実は、僕にとって大きな名誉なんだ。これほどまでに光栄なことはないよ。これからも、みんなが待ち望んでくれるようなプロジェクトを作り続けたいと思っているよ。で関心を持ってくれて本当にありがとう!」
最後に、SYL を初めて聴く若者に Devin はこの音楽をどう説明するのでしょう?
「7弦ギター。チューニングはGCGCGCE。超高速ダブルキック、ランダムな爆発音、そしてその上にハゲ男が大声で叫ぶ耳障りな爆音。カタルシスのために作られたストレス発散音楽だ」

参考文献: https://hevydevy.com/discography/

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CORONER : DISSONANCE THEORY】


COVER STORY : CORONER “DISSONANCE THEORY”

“Even people like Mikael Åkerfeldt from Opeth, he came to me and was like, ‘Back in the day, when I didn’t know how to go on with a song, I asked my band, ‘What would Tommy do?’ I almost fell, you know? I mean, Åkerfeldt is a genius. I love Opeth to death. It was like, ‘Okay!’ We never made a lot of money, but this feels very good.”

DISSONANCE THEORY

怪物 CORONER が最後にアルバムをリリースしてから30年以上が経ちましたが、待望の復活作 “Dissonance Theory” を聴けば、そこに長いブランクを感じる人はいないでしょう。というより、ほんの数週間しか休んでいなかったかのようです。スイス出身のこのバンドが体現していた革新的なスラッシュメタルへのアプローチは、今も全て健在。Tommy Vetterli の難解にして激烈なギターリフは今も楽曲の中心を駆け抜け、驚異的なテクニックと巧妙な数式、そして記憶に残るサウンドを巧みに融合させています。Ron Broder のベースラインは、トリオらしい脈打つような対位法的グルーヴを生み出し、彼の唸り声のようなボーカルは相変わらず不気味に響きます。そしてオリジナルメンバーの Marky Edelmann に代わり Diego Rapacchietti が担当するドラムは、力強くも軽快で、世紀の不可思議リズムを自然な楽曲へと昇華させていきます。”Dissonance Theory” は、バンドにとって復活であり、また更なる前進を意味する作品でもあります。過去の作品においても、アルバムごとにテーマがあり、独特のサウンドを新たな領域へと押し進めていた CORONER。その探究心こそがまさに、”Dissonance Theory” の原動力となっているのです。CORONERだからこそ、そして今だからこそ生み出せた奇跡のアルバムと言えるでしょう。
「曲作りを始める前、今のバンドのサウンドはどうあるべきか、ずっと考えていたんだ」と Vetterli は語ります。「でも、すぐに、そんな考えは全く意味をなさないって気づいた。1987年のデビュー作 “R.I.P.” をもう一度書くことはできない。なぜなら、今の僕はあの頃とは全くの別人だから。もうすぐ60歳になるけど、当時は20代だった。もうあれを再現するのは不可能だよ。だから、ただ落ち着いて、どんなものが出てくるか見てみようって決めたんだ」

“Dissonance Theory” は “R.I.P.” ではないかもしれませんが、少なくとも “R.I.P.” との連続性は保持しています。CORONER の始まりは伝説的なものでした。よく語られる物語は多少脚色されてはいるそうですが。1986年、バンドは CELTIC FROST のフロントマンで、同じくチューリッヒ出身の Tom G. Warrior に、 “Death Cult” のデモでボーカルを依頼しました。数ヶ月後、Tom G. は Vetterli と Edelmann に、CELTIC FROST の次の全米ツアーのローディーとして来ないかと声をかけたのです。これは若い彼らにとって非常に重要な経験でしたが、一部の人が言うように、CORONER 結成のきっかけになったわけではありませんでした。
「みんなは僕たちがただのローディーだったと思っていて、それで “バンドも組める!” って思ったみたいに勘違いしている。でも、実際はそうじゃなかったんだ」と Vetterli は説明する。「ツアーの進め方を体験するチャンスだった。それに、Tom がインタビューを受けるたびに、インタビュアーに僕らのテープを渡してくれていた。デモテープは既にリリースされていたし、それは僕たちにとってとても良かったよね。良いスタートだった。でも、このツアーの後、ドイツかベルギーのどこかでローディーとしてあと1公演やっただけで、それで終わりだったと思う」
原始的なブラックメタル、デスメタル、ドゥーム、スラッシュ・メタルを独自に自由に融合させた CELTIC FROST のように、CORONER も特定のサブジャンルに固執することはありませんでした。Edelmann は DISCHARGE のようなハードコア・パンクや、VENOM のような初期エクストリーム・メタルに傾倒していました。そして、Vetterli と Broder はそもそもチューリッヒで DOKKEN 風のハードロックバンドで活動していましたが、IRON MAIDEN ような、よりヘヴィでテクニカルな音楽を演奏したいと切望していたのです。そうして3人は、デンマークに共通の基盤を見つけました。コープスペイントをまとったフロントマンが、ギター・ハーモニーの洪水と複雑な構成の中を闊歩する偉大なバンドに。
「MERCYFUL FATE については、皆の意見が一致したね。彼らは僕たちにとって、初期に最も重要なバンドだった。メロディアスでありながらテクニカルで、少しプログレッシブなサウンドだったからね。僕らは基本的にはスラッシュメタルのプログレッシブ形式なんだ。つまり、ファストフードではなく、じっくりと聴き込むことで、20回聴いても新しい発見があるようなもの。僕たちは他人が何をしているかにとらわれることなく、常に自分たちだけの、唯一無二の、本物のサウンドを作り上げてきたんだよ」

CORONER は “R.I.P.” の時点ではまだ完成形に達していませんでした。(”たくさん練習したってことを見せたかったんだと思う” と Vetterli)しかし、道は既に開かれていました。続く4枚のアルバム――1988年の “Punishment for Decadence”、1989年の “No More Color”、1991年の “Mental Vortex”、そして1993年の “Grin” を通して、バンドはスラッシュ・メタルの輪郭を膨張させて、再定義していきました。自明の技術力の高さを、キャッチーなメロディー、型破りなリズム、異様なサウンドのテクスチャー、そして奇抜なソングライティングと見事に融合させていったのです。そうして彼らの特異性は “Grin” で頂点に達しました。このアルバムは、テクニカルなスラッシュ・メタルと、きらびやかで現代的なインダストリアル調のグルーヴ・メタルの狭間で揺れ動いていました。だからこそ、この時初めて CORONER は、限界にぶつかったような気がしたのです。
「奇妙な時期だった。メタルは衰退しつつあった。チューリッヒではテクノ・ミュージックが流行っていてね。実は、音楽的にオープンマインドだった僕らにとっては、それは興味深いことだった。常に少し新しいこと、自分たちの好きなことをやろうとしてきたからね。テクノ・パーティーにもよく出入りしていたんだ。精神状態を変えるようなドラッグを摂取することもあったけど、それはとても楽しかった。ヒップホップまで取り入れた。そして、もしかしたら、何か別のことをする時期が来たのかもしれない…と思ったんだよね」

バンドは “Grin” のセッションを始めた時点では活動休止するつもりはありませんでしたが、ツアー・サイクルの終了に伴い、互いに合意の上で解散することになりました。Edelmann は Tom G Warrior のインダストリアルメタルプロジェクト APOLLYON SUN に参加し、Vetterli はジャーマン・スラッシュの巨匠 KREATOR のアルバム “Outcast” と “Endorama” に参加した後、チューリッヒ郊外にニュー・サウンド・スタジオを設立しました。そして Broder は音楽活動から完全に距離を置きました。CORONER が再び演奏活動を始めたのは、アルバム “Grin” のリリースから20年近く経った2011年のこと。Vetterli は、再結成が実現した理由のひとつが、フェスティバルのオファーが高額になり断れなくなったからだと皮肉っぽく語っています。しかし、CORONER が後進のバンドに与えた影響が時を経て、無視できないものになっていたというのもまた、事実でした。
「YouTubeで若いミュージシャンたちが僕らの曲を演奏しているのを見て、”20年前の僕らの曲をまだ聴いてくれる人がいるなんて、不思議だ” と思ったよ。OPETH の Mikael みたいな人でさえ、僕のところにやってきて、”昔、曲作りの進め方が分からなかった時に、バンドのメンバーに “Tommy Vetteri ならどうしただろう?” って聞いたものだった” って言うんだよね。Hellfest でたまたま同じ時間に演奏した時には、観客に向かって “君らのために演奏するのはうれしいけど、本当は CORONER が見たい” って言ってくれたしね。もう、びっくりしたよ。Mikael は天才だよ。僕は OPETH が死ぬほど好きなんだ。 “やった!” って感じだった。大金を稼いだわけじゃないけど、すごくいい気分だよ。そう、音楽で大金を稼いだことはないけど、僕らが残してきたものを他の人に今見せられるのは、本当に素晴らしいことだと思う。僕らが時代を先取りしていたという話はよく聞いたり読んだりする。だから僕らはこう言ったんだ。”今新しいアルバムを作るなら、自分たちが一番楽しめる、最高に素晴らしいものを作ろう” ってね」

CORONER の再結成から数年が経ち、Vetterli は再び曲作りへの衝動に駆られ始めました。同じ頃、ドゥームバンド、TAR POND に専念するため CORONER を脱退した Edelmann の後任として、Rapacchietti がドラムを担当するようになりました。その頃には、ニュー・サウンドでのバンドのレコーディングが Vetterli の時間のほとんどを占めるようになり、プロデュース作業と同じ空間で作曲するのは不可能だと感じていました。しかし、時にひどく時間がかかることもありましたがその後10年かけて、後に “Dissonance Theory” となるアルバムをゆっくりと作り上げていったのです。
「一人で山へ行き、気分を盛り上げる必要があった。そうしたらうまくいくようになった。でも、時間を見つけるのは少し大変だった。他にも色々あった。人が亡くなったり、離婚したり、そしてクソみたいなコロナが起こったり。それに、少し先延ばし癖もあったかもしれない。自分たちへの期待があまりにも高かったから、少し怖かったのかもしれないね」
Vetterli のプロデューサーとしての経験は、アルバムの成熟に役立ちました。
「プロデューサーとしての経験はテクニックを成長させたわけではないかもしれないけど、それ以上の成長には繋がっている。つまり、頭の中では自分の実力以上に上手く演奏できていると思っているんだ。問題は、自分の期待に応えられないこと。でもこれは、ただの音楽であって、生死に関わることではないということを常に自分に認めなければならないよね(笑)。
最近のYouTubeでは、16歳かそれ以下の若者がものすごく速くて正確な音楽を演奏している動画をたくさん見ることができる。だけどね、いくつかの例外を除いて、どれも僕の心には響かないんだ。僕にとって、感情と意味はこれまで以上に大切になった。
だから、速くてオールドスクールなスラッシュパートを演奏することに決めたのは、できるからではなく、それが合っているからなんだ。その結果、新しいアルバムは以前よりも聴きやすくなった。それが僕たちの成長だと思う」

“Dissonance Theory” は、その自らに課したハードルを、徹底的な緻密さでクリアしています。Verterli は「50個のリフのうち、アルバムに収録されたのは1個くらい」だと語ります。アルバムからの先行シングル第1弾であり、32年ぶりの新曲となった “Renewal” のオープニング・リフは、Vetterli が2015年にタイで書き下ろし、10年近くかけて調整と再アレンジを重ねてきました。Rapacchietti のドラムパートは、全体で2回録音されました。1回は Broder がベースラインを録音する前、もう1回はベースが曲の雰囲気を変えていることが明らかになった後。Vetterli はアメリカ人の友人 Dennis Russ を共同プロデューサーに迎え、作詞も共同で行い、宗教、人工知能、そして原爆といったテーマを皮肉たっぷりの緻密さで切り取ることになりました。
Vetterli はギタリストとしてもキャリア最高の状態にあります。”The Law” や “Trinity” といった曲は、不気味で思索的な始まりから、大胆なメロディーの華麗な旋律に彩られたクライマックスへと突き進み、 “Consequence” や “Renewal” では、そのテクニックも未だワールドクラスであることを証明しています。ほぼ全ての曲に華々しいシュレッドとソロがあり、シュレッダー志望者は耳を休める暇もありません。 “Dissonance Theory” のテクニカルな過激さは、初期の CORONER ように即効性のあるものではないかもしれませんが、だからといって彼がギタリストとして衰退したわけではありません。ただ、もう何も証明する必要がないというだけで十二分に創造的。
「一番の違いは、昔はテクニカルな演奏をただテクニカルに演奏していたのが、今はムードやヴァイブ、そして表現の方がずっと重要になっているということだと思う。速いパートがあっても、見せびらかすためではなく、そこに必要だと思うから演奏するんだ」

“Dissonance Theory” というタイトルは音楽の話ではありません。
「変なコードを弾くから、不協和音というタイトルが僕たちの音楽と何か関係があるのではないかと考える人もいる。確かにそうかもしれないね(笑)。でも、僕たちがここで言っているのは認知的不協和、いわゆる不協和理論です。例えば、君が肉を食べるのが好きだとしよう。一方で、動物に危害を加えたくはない。すると、選択肢はベジタリアンになるか、そうでなければビタミンB12欠乏症になるかだ。もしくは、自分自身の真実を作り出すか。人類が様々な分野でこの問題にどう対処するか、これは非常に興味深い概念だと思うよ。
“Consequence” は、AI、あるいは現代の技術革新全般について。人類にとって非常に良いことは、一方で非常に危険なことでもある。特にAIの登場によって、人々は職を失うだろうし、何かが真実なのか、現実なのか、どうすればわかるのだろう?
“Sacrificial Lamb” では状況が異なるね。これは、自らを犠牲の子羊と見なす大量殺人犯の物語。彼は、島に行ってティーンエイジャーを撃つことで人類のために貢献していると考えている。なんてひどい話だろう?
つまり、これは様々な真実についての物語。あなたにはあなたの真実があり、他人には別の真実がある。そしてそれは単なる事実だ。歌詞のテーマをまとめるには、刺激的なコンセプトだと思ったね」
アートワークはまるで DNA のよう。
「カバーにあるDNA構造は、下に向かって崩壊していくのだけど、これは人類の没落を象徴している。アルバムタイトルは、本当は “Oxymoron(矛盾)” にするべきだったかもね。もっと広い意味では、これは知性と愚かさを同時に意味する。つまり、人類の象徴だよ。あらゆる功績を残したにもかかわらず、それと共に自ら墓穴を掘るほど愚かなのが人間。それが最初のアイデアだった。ただ、この言葉は主に文章を書く際に使われるため、多くの英語話者はこのタイトルを嫌がった。そこで別のタイトルを探して、すぐに “Dissonance Theory(不協和理論)” を思いついたんだ。僕にとっては、今となっては全てがしっくりくるよ」

“Dissonance Theory” というアルバムを3つの言葉で表すとすれば?
「厳しく、妥協がなく、正直。僕は常に自分自身を成長させ、異なる意見を受け入れ、誰かを批判しないように努めている。暴力ではなく、会話と議論で問題を解決しようとしているんだ。これが、朝起きた時の僕の目標。嫌な奴にならないこと」
“Dissonance Theory” のデラックス版には、Tom G Warrior がボーカルを務め、40年前に CORONER をこの道へと導いた “Death Cult デモ”のリマスター版が同梱されます。CORONER の最古の曲と最新の曲を立て続けに聴くのは、ちょっとした混乱を招くかもしれませんね。”Death Cult” の大胆で先祖返り的な曲と、”Dissonance Theory” の洗練された技巧の間には、大きな隔たりがあるのは当然です。しかし、それらを並べて聴くことで、このバンドが初期から溢れ出ていた共通の目的意識、挑発的な探究心、そして限界を押し広げようとする野心が、同時に浮かび上がってくるのです。
「当時僕は自動車整備士をしていて、”Death Cult” を作るために1週間の休暇を取ってスタジオに入ったんだ。これが僕の人生を変えてくれた。この1週間の後、両親に “ミュージシャンになりたい。車の修理はもうやめたい。そういう仕事には興味がない” と伝えることになった。その後のことは、歴史が語る通りだよ」

日本盤のご購入はこちら。DIW on Metal / Daymare Recordings

参考文献: Bandcamp Daily:Great Thrash Never Dies: The Return of Coroner

Metal Insider : Coroner Interview

KNOT FEST: CORONER

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ROYAL SORROW : INNERDEEPS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARKUS HENTUNEN OF ROYAL SORROW !!

“The non-conformity of prog metal is an important part to us, who have always found inspiration in many different places and satisfaction in combining those elements.”

DISC REVIEW “INNERDEEPS”

「20代に近づくにつれ、メタルとは大きく異なるタイプの音楽を聴くことを “自分に許可する” という感覚に目覚め、自分のパレットが大きく広がっていくのを感じた。特にK-POPやJ-POPなど、ハーモニーが面白いポップ・ミュージックが大好きになったのはその頃だ。メタルへの興味がなくなったことはないけれど、今ではこんなに幅広いジャンルの素晴らしい音楽を楽しめるようになって幸せだよ」
誰にとっても、10代で夢中になり、体内へと吸収した音楽は特別です。なぜなら、そうした音楽、もしくはアートは “自分のもの” となって、どんな気分や体調の時でも違和感なく楽しむことができるから。だからこそ、その “コンフォート・ゾーン” から抜け出すことは決して容易ではありません。しかし、モダン・プログ・メタルの急先鋒にして期待の星、フィンランドの ROYAL SORROW は、自らが愛するメタル以外の音楽を聴くことを “自分に許可する” ことで音の色彩、音の世界が広がったと語ってくれました。
そこには驚くことに、J-POP の瑞々しいハーモニーまでもが含まれます。つまり、ROYAL SORROW には日本の音楽から得た圧倒的なコーラスとメロディが備わっています。そう、メタルやプログはその包容力で多様な音楽を吸収するミャクミャク様的怪物なのです。
「音楽的には、当時、プログには何の境界線もないことを突然知った感覚は、本当に目を見張るものだった。 素晴らしいリスニング体験ができただけでなく、幼い頃に初めて曲を書き始めたときに、探求し続ける道を示してくれた。プログ・メタルのルールに “従わない” ところは、常に様々な場所にインスピレーションを見いだし、それらの要素を組み合わせることに満足感を得てきた僕たちにとって重要な部分なんだよ」
“ルールに従わない” ことこそが、プログやメタルの強み。そして、リード・シングルとなった “Metrograve” はまさに、ROYAL SORROW が従来のルールに従わないという意思を表明したミッション・ステイトメント。メタルの世界にラップのビートを持ち込み、それを駆使してひとつの曲を作り上げる。そんな斬新なアイデアから生まれた楽曲は、プログレッシブという使い古された言葉を再構築するほどに新鮮で、Devin Townsend の神性を借りながらリスナーのとめどない没入を誘います。
「プログレッシブな音楽で、想像力を膨らませておく必要があるからだよ。僕はポップ・ミュージックをそれなりに楽しんでいるけど、そうした音楽はエンターテインメントを “あらかじめ咀嚼” しているような感覚がますます強まっている。 どんな形であれ、それが良いとは思わないよ。 時には我を忘れて、より複雑な芸術的世界に集中することは貴重なことだ。スマホのスクロール代わりに映画を見続けることが重要なのと同じように。 また、音楽が現実から逃避するための、逃避場所を与えてくれるように、時には心の風景を変えることも必要なんだと思う」
“Metrograve” のテーマは、エンパワーメント。自分に意味を与えてくれるもののために闘うこと、そして他者が押し付けるルールを無視すること。そうして、ROYAL SORROW はまだまだアンダーグラウンドな “プログ” という世界自体もエンパワーメントしていきます。SNS が支配する世界は、どんどんインスタントで軽薄なものとなっていきます。
しかし、そんな世界だからこそ、じっくりと腰を据えて鑑賞するプログレッシブ・ミュージックのようなアートが必要だと彼らは主張します。スマホの画面をスクロールするだけでは決して没入できない、別世界、そして逃避場所。アンダーグラウンドだからこそ見せられる真逆のカタルシス。心の平穏を得るには時に、心の風景を変えなければならないのかもしれませんね。
今回弊誌では、フロントマン Markus Hentunen にインタビューを行うことができました。「フロム・ソフトウェアはバンドにとって特別な存在で、クリアするまでエルデンリングの話をしない日はなかったね。全体的に、日本とフィンランドには文化的な共通点がある。 一般的に、僕たちはかなり内向的で、社会的な境界線を尊重するからね。でも僕たちを知れば、クレイジーな一面もあるよ。 特にカラオケボックスで狂っているときはね」 EDGE OF HAZE という名前で活動していたことをご存知の方も多いでしょう。大手 Inside Out と契約して再デビュー。どうぞ!!

ROYAL SORROW “INNERDEEPS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ARKONA : KOB’】 JAPAN TOUR 25′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARIA “MASHA SCREAM” ARKHIPOVA OF ARKONA !!

“As a result, Slavic paganism became a part of my life, and subsequently I began to convey my worldview through my music.”

DISC REVIEW “KOB'”

「古代スラブのペイガニズムは私たちの歴史であり、過去であり、取り返しのつかない、しかしどうしようもなく説得力のあるテーマだ。私たちのルーツに戻り、多神教的な宇宙とそのさまざまな顔、解釈、そして数多くの神々や要素という形での現れと相互作用しながら、自然の法則のみに従って動くその世界そのものに真に没頭するよう教えてくれる。 私の意識はこのテーマに完全に没頭し、その結果、スラブ多神教は私の生活の一部となり、その後、私は音楽を通して自分の世界観を伝えるようになった」
ロシアの ARKONA (Аркона) は、ペイガン・メタルとフォーク・メタルの定義と革新を今もなお追求し続けています。ダークなプロダクション、ブラック・メタルとプログレッシブ・メタルの融合、強烈で内臓をえぐるようなパフォーマンス、そして物憂げで重々しいギターワークと民族色豊かな管楽器の響き。そうした言語をも超越した ARKONA のパフォーマンスは、自らが生まれ育った母なるロシアの厳しくも美しい大地と、ルーツである古代スラブのペイガニズムに捧げられています。
「ARKONA は非常に多様で、バンド結成20年の間に、私たちの音楽は大きな変化を遂げた。昔の、のんきで陽気で、荒々しく正直で、エネルギッシュでありながら儀式的な神秘に満ちたフォーク時代の ARKONA と、新しい、暗くて絶望的で、骨抜きで死の息吹が漂い、混沌の果てしない抱擁の中で勝利する ARKONA の両方のファンがいることは素晴らしいことだ。 誰もが自分自身のアルコナを選ぶことを勧めるよ。そして、1枚のアルバムに焦点を当てるには、あまりにも私たちは多面的で広大だ」
ARKONA の音楽は、彼らが崇拝するスラブ多神教のごとく多様で千変万化。初期の “Yarilo” や “Stenka Na Stenku” のようにある種牧歌的で楽しくしかしどこか憂いを帯び、直情的でパワフルなスラブ音楽の祭典はもちろん ARKONA の原点。一方で、近年の大作路線、難解で神秘的、死と混沌のプログレッシブ・ブラックにも彼らのペイガニズムは儀式として根付いています。
そして何より、今回のインタビューイでありボーカリスト Maria “Masha Scream” Arkhipova の哲学と人類の現代、そして未来観という深く暗い領域はどの時代の ARKONA においても紡がれていて、ペイガンの伝統、その光の中で音楽を描き出していくのです。
「ARKONA が結成されたとき、私はすでに熱狂的なメタル・ファンだったので、あるリハーサルで生々しく過激なヴォーカル・スタイルで歌ってみたところ、すぐに夢中になったの。 その結果、私はすぐにこの新しい、自発的な能力を自分の仕事に取り入れることにした。当時は、同じような声のテクニックを持つ女性ヴォーカリストのことをほとんど知らなかったから、だれかの真似をしたわけじゃない。 すべてが自然に起こったんだよ」
古代スラブの神話を語る時、Masha のスクリームやグロウルはストーリーに大きな抑揚を生み出します。その個性、存在感、そして圧倒的な音域は人智を超えた未知の恐怖と神性を ARKONA の音楽へともたらします。比較的自由で穏やかだったソ連崩壊後に声楽を学び、まだ女性スクリーマーがほとんど存在しなかった90年代後半からスクリームを追求し続ける彼女の声は、今や当たり前となったメタル世界の女性たちを力強く後押しし、今ではメタル世界最高の女性スクリーマーのひとりと言われるまでになりました。そうして、Masha の声は、人類が長らく忘れてしまった過去の知恵、太古の生活を蘇らせます。戦争、疫病、宗教的信念、環境問題によって社会が自らの墓穴を掘る中で、ARKONA は本物の疫病が現代を生きる強欲な人類自身であると太古の森から警告を発していくのです。
今回弊誌では、Maria “Masha Scream” Arkhipova にインタビューを行うことができました。「どんな状況でも、メタルは私たちを団結させてくれる。あなたが前の質問で、ヘヴィ・メタルは国際的な現象となり、政治や支配者層が私たちを陥れようとしているあらゆる汚物を超越する、と指摘したのは正しんだよ」 来日決定!どうぞ!!

ARKONA “KOB'” : 9.9/10

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