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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VALHALORE : BEYOND THE STARS】 JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE OF VALHALORE !!

“Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.”

DISC REVIEW “BEYOND THE STARS”

「オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ!」
VALHALORE。ヴァルハラの伝承という、まるで北欧神話から抜け出てきたような名前の彼らは、実はオーストラリアのバンドです。太陽の日差しが降りそそぐグレート・バリアリーフと、極寒の北欧神話はあまりにも正反対ですが、だからこそ VALHALORE は欧州的なサウンドを探求しました。そこにないなら、自分たちが作ればいい。ヘヴィ・メタルの寛容さは、ルール違反を罰することなどありません。
「僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ! 」
ただし、その欧州的なサウンドは実にカラフルで、魅力的。なぜなら、彼らの根底には、白夜の太陽 WINTERSUN から流れる “混血の美学” を受け継いでいるから。WINTERSUN のセルフ・タイトルと “Time” が、21世紀を代表する北欧メタルの逸品であることに疑いの余地はありませんが、その傑作の誕生に寄与したのがまさにその “混血の美学” であり、モダン・メタルらしい多様性でした。
メロデス、パワー・メタル、フォーク・メタル、シンフォニック・メタル、プログ・メタル…どのジャンルにも収まりきらない面妖でしかし起伏と驚きに満ちたオーロラの楽曲は、凄まじいシュレッドと様々な民族楽器に彩られた理知的なごった煮。VALHALORE の探求する北欧神話の宇宙には、明らかにあの “Time” と同様の美しき “混血の美学” が宿っています。
「僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!」
マンドリン、チェロ、パイプ、ホイッスルに縦笛、横笛。さらに和楽器の琴まで使用する伝統民族楽器のるつぼもまた、VALHALORE の魅力のひとつ。Sophie の操る艶やかな管楽器は、硬質な彼らの音楽を徐々に溶かして、テンポの速いメタルの嘶きに濃密なアクセントを加えていきます。
ここにのチェロとマンドリンの欧州的で荘厳な響きが加わることで、力強いメタルとオーガニックで本格的なフォークの生命が見事に重なり合います。さらに、佳曲 “Heart on the Sea” には、あの Anna Murphy が参加。ELUVEITIE で培った先駆者の威厳を見せつけながら、このジャンルの弛まぬ進化に目を細めます。そう、歴史に彩られたフォーク・メタルもまた、歴史を重ね、その文化を広げているのです。
今回弊誌では、ボーカル、チェロ、マンドリンとひとり三役の Lachlan Neate にインタビューを行うことができました。「僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ」 来日も決定。どうぞ!!

VALHALORE “BEYOND THE STARS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH LACHLAN NEATE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【LACHLAN】: Like most kids, I grew up listening to the music my parents listened to on our long road trips around Australia. I grew up on ABBA, The Beatles, Bee Gees, Beach Boys, Eagles. This is where my love for vocal writing and arranging came from.
Then as I got older, I moved towards Led Zeppelin, Deep Purple, KISS and Black Sabbath. Since then, I dove deeper and deeper into heavier music, staring at punk, now all the way to extreme metal.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【LACHLAN】: 他のキッズと同じように、僕は両親がこの広いオーストラリアを車で旅行するときに聴いていた音楽を聴いて育ったんだ。ABBA, THE BEATLES, THE BEACH BOYS, THE EAGLES…ヴォーカルのライティングやアレンジへの思いは、ここから生まれたんだ。
それから歳をとるにつれて、僕の興味は LED ZEPPELIN, DEEP PURPLE, KISS, BLACK SABBATH へと移っていった。それ以降、パンクから始まり、今ではエクストリーム・メタルまで、よりヘヴィーな音楽へとどんどん深みにはまっていったんだ。

Q2: Australia is now famous for prog metal like Karnivool and Caligula’s Horse, but what made you decide to do European-style symphonic folk metal?

【LACHLAN】: Simply, there wasn’t a lot of the “European” sounding bands in Australia, so we wanted to write and perform the music that we wanted to listen to and see over here! That said, we love the Aussie prog scene, particularly our friends Caligula’s Horse and Voyager.

Q2: オーストラリアは近年、KARNIVOOL や CALIGULA’S HORSE のようなプログ・メタルが有名ですが、なぜよりヨーロッパ風のシンフォニック・フォーク・メタルをやろうと思ったのですか?

【LACHLAN】: 単純に、オーストラリアには “ヨーロッパ的” なサウンドのバンドが少なかったからね。オーストラリアにいても、僕が聴きたい、観たい音楽を作って演奏したかったんだ! とはいえ、オージーのプログ・シーン、特に友人のCaligula’s HorseやVoyagerは大好きだよ。

Q3: However, your music transcends various genres, and that’s what’s really great about it! Power metal, folk metal, melodeath… In a way, you represent a diverse range of modern metal, would you agree?

【LACHLAN】: We never have tried to put ourself into one musical “box”. The six of us all listen to a wide variety of different music from Jazz to classical to metal, so I think our individual influences all shine through in our music. We’ve never tried to be “the next” anyone, just “the first” Valhalore.

Q3: ただ、あなたの音楽は様々なジャンルを超越していますよね! パワー・メタル、フォーク・メタル、メロデス…ある意味、VALHALORE の音楽はモダン・メタルの多様性を象徴していると言えるのではないでしょうか?

【LACHLAN】: 僕たちは、自分たちをひとつの音楽的な “箱” に押し込めようとしたことはないんだ。僕たち6人は皆、ジャズからクラシック、メタルまで幅広いジャンルの音楽を聴いているから、それぞれの影響が VALHALORE の音楽にも表れていると思う。つまり、僕たちは “次の誰か” になろうとしたことはなく、ただ “最初の” VALHALORE になろうとしただけなんだよね。

Q4: Valhalore has great, well-crafted lyrics, but “Beyond the Stars” stays away from the folk-metal-esque historical fantasy, right? Why is that?

【LACHLAN】: For Beyond The Stars, I wanted to create a lyrical universe that was more about the human experience, rather than a “story” narrative. I wanted the lyrics to be more raw and emotional, something that people would latch onto and be able to relate to in their own lives.

Q4: VALHALORE は練り込まれた歌詞も素晴らしいのですが、”Beyond the Stars” はフォーク・メタル的な歴史ファンタジーから遠ざかっていますよね?

【LACHLAN】: “Beyond the Stars” では、”ストーリー” 的な物語というよりも、人間的な経験についての歌詞の世界を作りたかった。 歌詞は一般的なフォーク・メタルのファンタジーよりももっと生々しく、感情的で、人々が自分の人生において共感できるようなものにしたかったんだ。

Q5: The ethnic instruments played by Sophie are a great addition to the album and one of the faces of the band. Can you tell us about the advantages and difficulties of incorporating such ethnic instruments into metal?

【LACHLAN】: When Anthony wrote the first album (Voyage Into Eternity) he was just writing music for his own enjoyment and that he wanted to write, never planning for it to become a band. As we’ve progressed, Sophie’s whistle and woodwind instruments have become an iconic aspect of our sound. The challenge mainly comes for our live sound engineer, having to mix a gentle acoustic instrument against the ferocity of a metal band!

Q5: Sophie が演奏する民族楽器は、アルバムに素晴らしいアクセントを加え、バンドの顔の一つとなっていますね。民族楽器をメタルに取り入れることの利点と難しさについて教えていただけますか?

【LACHLAN】: Anthony が最初のアルバム( “Voyage Into Eternity” )を書いたときは、ただ自分が楽しみたい、自分が書きたい音楽を書いていただけで、それがバンドになるとは考えていなかった。だけど僕たちが進歩するにつれて、Sophie のホイッスルと木管楽器は僕たちのサウンドの象徴的な側面になったんだ。
ただ、大変なのは主にライブのサウンド・エンジニアかな。メタル・バンドの獰猛さに対して、穏やかなアコースティック楽器をミックスしなければならないからね!

Q6: Anna Murphy is one of the pioneers in bringing ethnic instruments into the metal world, why did you have her as a guest?

【LACHLAN】: We have all been longtime fans of Eluveitie, and subsequently Anna’s other projects. We love her work as a vocalist and as a musician, so having her as a guest on this album was really a dream come true. Her haunting vocal quality was perfect for the feel of Heart of the Sea, so she was a natural choice of guest vocalist.

Q6: Anna Murphy はメタルの世界に民族楽器を持ち込んだ先駆者の一人ですが、なぜ彼女をこのアルバムのゲストに迎えたのですか?

【LACHLAN】: 僕たちは皆、ELUVEITIE の長年のファンであり、その後の Anna の他のプロジェクトにも大好きなんだ。 ヴォーカリストとして、またミュージシャンとしての彼女の仕事が大好きだから、このアルバムにゲスト参加してもらうのは本当に夢のようなことだった。
彼女の心に響くヴォーカルは、”Heart of the Sea” の雰囲気にぴったりだったね。だから、ゲスト・ヴォーカリストに選んだのは自然なことだったよ。

Q7: I feel that there now exists an important role for heavy metal’s uplifting energy and positive fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games also play such a role, but is there any influence from Japanese culture?

【LACHLAN】: We have always aimed to bring an uplifting and empowering energy to our music, and therefore, our fans. We are all greatly inspired by movie and video game soundtracks, so there’s definitely a lot of influences from Japanese culture. We love bands like Wintersun who really utilise Japanese instruments, and we do as well. I even played the Koto for our song Aether!

Q7: ヘヴィ・メタルが持つ高揚したエネルギーやポジティブなファンタジーが、この暗い世界からの逃避場所として重要な役割を果たすようになったと感じています。
日本のアニメやビデオ・ゲームもそうした役割を果たしていると思うのですが、日本文化からの影響はありますか?

【LACHLAN】: 僕たちは常に、自分たちの音楽を通してファンに高揚感や力を与えるエネルギーをもたらすことを目指してきた。 僕たちは皆、映画やゲームのサウンドトラックから大きな影響を受けているから、日本文化からの影響も間違いなくたくさんあるよね。WINTERSUN のような和楽器を積極的に取り入れているバンドが大好きだし、僕たちもそうなんだ。”Aether” という曲では琴だって弾いたんだよ!

Q8: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. In such a world, what can heavy metal do?

【LACHLAN】: Our goal has always been to deliver what we refer to as “The Three E’s” – Escapism, Empowerment and Entertainment. We want our music, and our live shows, to give listeners the opportunity to escape their troubles for an hour or two. We want to leave the world a more positive place than when we found it.

Q8: パンデミック、戦争、分断と、20年代に入ってから世界はどんどん暗い雲に覆われていきました。 そんな世界で、ヘヴィ・メタルには何ができるのでしょう?

【LACHLAN】: 僕たちの目標は常に、僕たちが “3つのE” と呼ぶもの、すなわちエスケープ、エンパワーメント、エンターテインメントを提供することなんだ。 僕たちの音楽、そしてライブを通して、リスナーに1時間でも2時間でも悩みから逃避する機会を与えたい。僕たちは、自分たちが今いる世界よりもポジティブな世界を後世に残したいんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LACHLAN’S LIFE!!

Wintersun “Time”

Trivium “Shogun”

Deep Purple “Machine Head”

Nightwish “Once”

Blind Guardian “A Twist in the Myth”

MESSAGE FOR JAPAN

We are so excited to come back and see you all in 2026 and beyond! Be sure to come and party with us in Tokyo this March (on my birthday too)! Yabai!

2026年、そしてそれ以降も、またみんなに会えることをとても楽しみにしているよ! 今年の3月(僕の誕生日でもある)には、ぜひ東京で一緒にパーティーをしよう! ヤバイね!

LACHLAN NEATE

来日公演の詳細はこちら。Evoken de Valhall Production

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VALHALORE Official

日本盤のご購入はこちら。Ward Records

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【UUHAI : HUMAN HERDS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH UUHAI !!

“Heavy metal cannot stop wars, but it can inspire the people who will build peace. It cannot erase division, but it can create moments where division disappears. It cannot solve every problem, but it can open hearts and minds.”

DISC REVIEW “HUMAN HERDS”

「メタルは新たな自由の時代に入り、様々な文化がジャンルの中で真摯に自己表現できるようになったと確信しているよ。メタルは世界の限られた場所で生まれたけど、その感情的な言語は無限大だ。強さ、闘争、アイデンティティ、そして意味の探求を語ってくれる。そうしたテーマは地球上のあらゆる文化が共有する経験。だからこそ、メタルは今、その起源をはるかに超えて広がっているんだと思う」
2025年。メタルの生命力、感染力、包容力はその可能性をますます広げています。モダン・メタルに宿る寛容さは、世界の壁を壊し、さまざまな文化を包容していきます。そうして、世界中に根を張ったメタルの種子は、その多様な音の枝葉を存分に伸ばしているのです。
モンゴルに生まれた UUHAI も、そうしたメタルの自由を謳歌するバンドのひとつ。彼らは祖先の英雄チンギス・ハーンに学んだ勇気、正義、責任、リーダーシップを噛み締めながら、共感と団結というまた別のやり方で世界を席巻しようとしています。
「Uuhai は、深い歴史的、精神的な意味を持つ力強いモンゴル語だ。僕たちの祖先が戦いや儀式、そして団結と勇気が必要な瞬間に使っていた古代の呼び声なんだ。それは単なる叫び以上のもの。それは共有された精神の声なんだ。それは単なる名前ではない。僕たちの声であり、アイデンティティであり、モンゴルの魂との繋がりなんだよ」
勇気、強さ、そして団結を象徴する古来の戦いの雄叫び、UUHAI という名前は決して偶然選ばれたわけではありません。伝統と現代を結ぶため。草原に轟いた一致団結の雄叫びを、暗い現代社会へと響かせるため。だからこそ、当然その叫びのエネルギーは彼らの音楽にも反映されています。
モンゴルから先に世界的成功を収めた THE HU はフォークとロックのバランスを巧みに取りますが、UUHAI はより断固としたメタル寄りのサウンドを追求しています。そして、彼らのデビュー・フル “Human Herds” は、まさにその真髄でしょう。タイトルの一部は英語ですが、歌詞は彼らのルーツに忠実で、すべてモンゴル語で歌われています。だからこそ、彼らの楽曲にはステップ民族の力強さがもたらされ、草原の響きを響かせる馬頭琴(モリンホール)や、世界遺産にも登録されている喉歌といった伝統的な楽器が、より一層、真実の音をもって響き渡ります。喉歌のスピリチュアルな神秘、悍馬のように力強いリフ、草原から吹き寄せるギターソロ、そして馬頭琴独特の響きが、壮大なスケールの楽曲へと溶け合います。このシンプルな二弦楽器と人に備わる声帯が、修練と創意工夫を経てメタルの包容力に包まれる時、これほどまでに緊張感と感情を呼び起こせるものなのでしょうか…まさにモンゴルは蒼き狼、メタルは白き牝鹿。
「今日、世界は様々な闘争に直面している。戦争、分断、差別、そして恐怖が多くの場所で蔓延しているんだ。こうした課題は力で解決できるものではない。理解と団結をもって立ち向かわなければならないんだよ。
こうした世界において、ヘヴィ・メタルは特別な役割を担っている。メタルは感情を隠さない。正直で、率直で、恐れることなく真実を語る。社会が沈黙に包まれたとき、メタルは声をあげられない人々の声となる。怒り、悲しみ、そしてフラストレーションを表現するだけでなく、そうした感情を強さと繋がりへと変える力も持ち合わせているんだ。
UUHAI にとって、メタルは単なる音楽ジャンルではない。メタルは人々に共通の人間性を思い出させる力であり、国境や文化を超えたメッセージを届けることができるもの。出会うことのない人々でさえ、音楽の中で同じ鼓動を感じ、一つに繋がることができるんだ」
長い歴史の中で、モンゴルの人々は自然と調和しながら生きてきました。そして、誇り高き戦士としても。母なる大地が泣く時、それは人類への警告。世界が歴史の暗黒面を忘れ去り暗雲に包まれる時、戦士は人々を守るため恐れず、怯まず、勇気を持って武器を手に取ります。ヘヴィ・メタルという剣には、どんな弾圧も抑圧も敵いません。そうして、彼らは国境も文化も超えて、古の英雄の如く世界を、そして人と自然を再びひとつにつなげるのです。Uuhai! の雄叫びとともに。
今回弊誌では、UUHAI にインタビューを行うことが出来ました。「ヘヴィ・メタルは戦争を止めることはできないけど、平和を築こうと願う人々を鼓舞することができる。分断を消し去ることはできないけど、ライブで分断が消え去る瞬間を作り出すことはできる。すべての問題を解決することはできないけど、人々の心と精神を開くことはできる」素晴らしい言葉ですね。どうぞ!!

UUHAI “HUMAN HERDS” : 10/10

INTERVIEW WITH UUHAI

Q1: First of all, how did you come across metal and start playing in Mongolia, a place where metal was not that popular?

【UUHAI】: For many of us in Uuhai, our introduction to metal came during a time when Mongolia was just beginning to open its doors to the outside world. Before the nineteen nineties, foreign music was very limited in our country. Only a few cassettes or CDs reached Mongolia through travelers, students returning from abroad, or friends who carefully shared whatever rare recordings they could find. When we first heard heavy music, it felt like discovering a completely new form of emotional expression.
In those early years, metal was not popular and not widely accepted in society. Very few musicians were brave enough to play louder and heavier styles. Wearing long hair, torn jeans, or metal accessories often brought challenges, and performing aggressive music in public required courage. But those pioneers opened the way for everyone who came after.
As young musicians who grew up surrounded by the sounds of the steppe, the rhythm of horses, and the deep expression of throat singing, we felt a natural connection to the energy of metal. The intensity of the music matched the intensity of our land, our history, and the spirit of our ancestors. Each member of Uuhai found metal in a different way. Some of us studied music formally and discovered rock and metal during our training. Others, like Ombo, followed their passion completely on their own, without any formal education, driven only by dreams and determination. He created music from pure instinct and emotion, building his style from the heart rather than from textbooks.
Step by step, the scene slowly began to grow. Young musicians formed bands, shared equipment, and helped one another. We listened to whatever recordings we could find, trading tapes and CDs like precious treasures. It was a small community, but it was full of passion and curiosity.
Metal in Mongolia did not begin because it was popular. It began because a few people loved it enough to fight for it. For Uuhai, that spirit is still alive today. We carry the same hunger for creativity and the same belief that music can transform both the artist and the listener.
Today, Uuhai stands on international stages, but our roots go back to those early days when metal first entered our country. That journey shaped our identity and helped us understand why we must protect our culture while sharing it with the world. Metal gave us a voice, and our traditions gave that voice a soul..

Q1: まず、メタルがそれほど普及していなかったモンゴルで、どのようにしてメタルと出会い、演奏を始めたのですか?

【UUHAI】: 僕たちの多くにとって、メタルとの出会いは、モンゴルが外界への扉を開き始めたばかりの時代だった。1990年代以前、モンゴルで外国の音楽に触れる機会は非常に限られていたんだ。旅行者や帰国した学生、あるいは友人たちが見つけた貴重な音源、カセットテープやCDをごくわずかに共有してくれたくらいでね。だからこそ、ヘヴィ・ミュージックを初めて聴いた時は、まるで全く新しい感情表現を発見したかのような感覚だったな。
当時、メタルは人気がなく、社会に広く受け入れられていなかった。だから、よりラウドでヘヴィなスタイルで演奏する勇気のあるミュージシャンはごくわずかだった。長髪、破れたジーンズ、メタルのアクセサリーを身につけることは、しばしば困難を伴い、人前でアグレッシブな音楽を演奏するには勇気が必要だったんだ。だけど、そうした先駆者たちが、後を継ぐすべての人々への道を切り開いたんだ。
草原の音、ギャロップする馬のリズム、そして喉歌の深い表現に囲まれて育った若いミュージシャンとして、僕たちはメタルのエネルギーに自然と共感を覚えたね。メタルの熱狂は、僕たちの土地、歴史、そして祖先の精神の熱狂と重なっていたんだ。UUHAI のメンバーはそれぞれ異なる方法でメタルと出会った。中には正式に音楽を学び、勉強中にロックとメタルに出会った者もいた。Ombo のように、正式な教育を受けることなく、夢と決意だけを原動力に情熱を追い求めた者もた。Ombo は純粋な本能と感情から音楽を生み出し、教科書ではなく心から自分のスタイルを築き上げていったんだ。
モンゴルのシーンは少しずつ成長し始めていた。若いミュージシャンたちはバンドを結成し、機材を共有し、互いに助け合っていたね。僕たちは手に入るレコードは何でも聴き、テープやCDを宝物のように交換したものだ。小さなコミュニティだったけど、そこは情熱と好奇心に満ち溢れていたんだ。
モンゴルのメタルは、決して人気があったから始まったわけではない。少数の人々がメタルを愛し、闘い続けたからこそ始まったんだ。UUHAI にとって、その精神は今もなお生き続けているよ。僕たちは今もその精神…創造性への渇望と、音楽はアーティストとリスナーの両方を変革できるという信念を、変わらず持ち続けているんだ。
今日、UUHAI は国際的な舞台に立っているけど、僕たちのルーツはメタルが初めてこの国に到来した黎明期に遡る。その旅が僕たちのアイデンティティを形作り、自分たちの文化を守りながらも世界と共有しなければならない理由を理解する助けとなったんだ。メタルは僕たちに声を与え、僕たちの伝統はその声に魂を与えたんだよ。

Q2: “Uuhai” seems to be a Mongolian word. Why did you choose this word as the name of the band?

【UUHAI】: Uuhai is a powerful Mongolian word that carries deep historical and spiritual meaning. It is an ancient call used by our ancestors during battle, during rituals, and during moments when unity and courage were needed. It is more than a shout. It is the voice of a shared spirit.
We chose this name because it represents everything we want to express as a band. In 2020, when we officially gave the band its name, we understood that Uuhai was not only a word. It was the living force that connected us to our ancestors, our land, and our identity. When our elders shouted Uuhai, it was a prayer for strength, good fortune, and protection. When warriors shouted Uuhai, their hearts beat as one. This is the same feeling we want to share with the world.
Uuhai is also the core message of our music. We do not use it simply as a title. We use it as a call for unity, awareness, and harmony between people and nature. Our songs carry the same energy that once echoed across the steppe. When audiences shout Uuhai with us, even if they do not know the language, they still feel the emotion and the unity behind the word.
The name reflects our musical purpose as well. Uuhai stands at the meeting point of ancient tradition and modern expression. Our music is built on throat singing, morin khuur, and the wisdom of our heritage, blended with the strength of contemporary rock. The word embodies that combination. It is ancient, but still alive today. Most importantly, Uuhai reminds us to stay true to our roots. Every time we step on stage, every time we record a song, we carry the spirit of that call with us. It keeps us grounded and gives us strength.
That is why we chose Uuhai. It is not just our name. It is our voice, our identity, and our connection to the soul of Mongolia.

Q2: “Uuhai” とはモンゴル語のようですが、なぜこの言葉をバンド名に選んだんですか?

【UUHAI】: Uuhai は、深い歴史的、精神的な意味を持つ力強いモンゴル語だ。僕たちの祖先が戦いや儀式、そして団結と勇気が必要な瞬間に使っていた古代の呼び声なんだ。それは単なる叫び以上のもの。それは共有された精神の声なんだ。
僕たちがこの言葉をバンド名を選んだのは、バンドとして表現したいすべてを体現しているから。2020年に正式にバンド名を決めた時、僕たちは Uuhai が単なる言葉ではないことを理解していた。Uuhai とは、僕たちを祖先、僕たちの土地、そして僕たちのアイデンティティと結びつける、生きた力なんだとね。僕たちの長老たちが Uuhai と叫んだ時、それは力、幸運、そして守護への祈りとなった。戦士たちが Uuhai と叫んだ時、彼らの心は一つになった。これこそが、僕たちが世界と共有したい感情なんだよ。
Uuhai は、僕たちの音楽の核となるメッセージでもある。僕たちはそれを単なるタイトルとして使っているのではなく、団結、意識、そして人々と自然の調和を求める呼びかけとして使っている。僕たちの歌には、かつて草原に響き渡ったのと同じエネルギーが宿っているよ。観客が僕たちと一緒に Uuhai と叫ぶ時、彼らはたとえ言葉が分からなくても、その言葉の背後にある感情と一体感を感じ取ることができるんだ。
この名前は、僕たちの音楽的目的も反映しているよ。Uuhai は、古代の伝統と現代的な表現の交差点に立っている。僕たちの音楽は、喉歌、馬頭琴、そしてモンゴル伝統の知恵に、現代ロックの力強さが融合した上で成り立っているんだ。この言葉は、まさにその融合を体現しているよ。古代から伝わる言葉でありながら、今もなお強く生き続けているからね。そして何よりも、Uuhai は、僕たちにルーツに忠実であり続けることを思い出させてくれる。ステージに立つたび、曲をレコーディングするたび、僕たちは Uuhai という呼びかけの精神を心に刻み、地に足をつけ、力をもらう。
だからこそ僕たちは Uuhai を選んだんだ。それは単なる名前ではない。僕たちの声であり、アイデンティティであり、モンゴルの魂との繋がりなんだよ。

Q3: I believe that you attract worldwide attention because you mix metal/rock with traditional Mongolian music in a unique way. Could you tell us the origin of this “Hunnu Rock”?

【UUHAI】: We usually describe our music as Mongol Rock rather than Hunnu Rock. While the term Hunnu Rock is sometimes used to describe music that draws inspiration from very ancient steppe civilizations, we feel that Mongol Rock better represents who we are and what we express today.
Our music is rooted in the living culture of Mongolia as it exists now. We sing in modern Mongolian, we reflect on contemporary society, and we speak about present day responsibility toward nature, humanity, and the future. The word Mongol connects our sound directly to our people, our language, and our current identity, not only to a distant historical era.
That does not mean we reject ancient heritage. On the contrary, our music carries ancestral spirit, traditional instruments, throat singing, and historical awareness. But we are not trying to recreate the past or place ourselves inside a single ancient concept. We are expressing how Mongolian culture lives, breathes, and evolves in the modern world.
Mongol Rock feels honest to us because it allows space for both tradition and change. It reflects the Mongolia we come from today, a country that respects its roots while standing on the global stage. Our sound carries the voice of the steppe, but it also speaks to modern humanity and global listeners.

Q3: UUHAI は、メタル/ロックとモンゴルの伝統音楽をユニークな方法でミックスしているからこそ、世界的に注目されているのだと思います。 この “Hunnu Rock” の成り立ちを教えていただけますか?

【UUHAI】: 僕たちは普段、自分たちの音楽を “Hunnu Rock” ではなくモンゴル・ロックと表現しているんだ。”Hunnu Rock” という言葉は、非常に古い騎馬民族のステップ文明からインスピレーションを得た音楽を指すこともあるけど、モンゴル・ロックの方が僕たちの本質や、僕たちが今表現しているものをよりよく表していると考えているからね。
僕たちの音楽は、今を生きるモンゴルの文化に根ざしている。現代モンゴル語で歌い、現代社会を見つめ、自然、人類、そして未来に対する現代の責任について語っている。”モンゴル” という言葉は、僕たちのサウンドを遠い歴史的時代だけでなく、今を生きる人々、言語、そして現在のアイデンティティに直接結びつけてくれる。
それは、僕たちが古代の遺産を否定するという意味ではないよ。むしろ、僕たちの音楽は祖先の精神、伝統楽器、喉歌、そして歴史認識を体現している。ただし、僕たちは過去を再現したり、単一の古代の概念に身を委ねたりしようとしているわけではないんだ。僕たちは、モンゴル文化が現代世界においてどのように生き、息づき、進化しているかを表現したいんだ。
モンゴル・ロックは、伝統と変化の両方に余地を与えてくれるから、僕たちにとって誠実な音楽だと感じているよ。それは、僕たちが今いるモンゴル、つまり世界の舞台に立ちながらも自らのルーツを重んじる国を反映しているんだ。僕たちの音は草原の声を伝えるだけでなく、現代の人間性や世界中のリスナーにも訴えかけるからね。

Q4: In fact, what kind of a global success THE HU is for you?

【UUHAI】: The global success of The Hu is meaningful for us because it showed the world that Mongolian music has a powerful place on the international stage. Their achievements opened many eyes and helped listeners discover the beauty of our culture, our instruments, and our way of expressing emotion through sound. For that, we have respect. When a Mongolian artist succeeds, it reflects something positive for our entire country.
At the same time, Uuhai follows its own artistic path. We are inspired by the strength of Mongolian culture itself, not by comparison with any particular band. Our sound is heavier, more spiritual, and deeply connected to the ancestral voice of throat singing and the emotion of the morin khuur. We stand on the same land, but we walk our own road.
For us, the true success is that Mongolian artists of different styles are now reaching global audiences. This shows that our culture is rich, diverse, and capable of touching people far beyond our borders. It gives us motivation to continue developing our own identity and to share the spirit of Mongolia in a way that is unique to Uuhai.

In the end, when one Mongolian band is recognized internationally, it creates more curiosity and appreciation for all Mongolian music. And if Uuhai can contribute to that growing interest and bring more of our heritage to the world, then that is a success we are proud to be part of..

Q4: 実際、先に世界で大きな成功を収めた THE HU は、あなたにとってどのような存在なのでしょう?

【UUHAI】: THE HU の世界的な成功は、モンゴル音楽が国際舞台で力強い地位を​​占めていることを世界に示したという点で、僕たちにとって大きな意義を持っている。彼らの功績は多くの人々の目を開かせ、リスナーがモンゴル文化、楽器、そして音を通して感情を表現することの美しさを発見する助けとなったね。僕たちはその偉業に敬意を抱いているよ。モンゴルのアーティストが成功することは、国全体にとって良いことなんだ。
同時に、UUHAI は独自の芸術的な道を歩んでいる。僕たちは特定のバンドと比較するのではなく、モンゴル文化そのものの力強さにインスピレーションを受けているからね。僕たちのサウンドはより重厚で、よりスピリチュアルで、喉歌の祖先の声や馬頭琴の感情と深く結びついている。つまり、僕たちは THE HU と同じ地に立っているけど、独自の道を歩んでいるんだ。
僕たちにとって真の成功とは、様々なスタイルのモンゴルのアーティストが今や世界中のリスナーに届いていること。これは、僕たちの文化が豊かで多様性に富み、国境をはるかに越えた人々の心に響く力を持っていることを示している。その事実は、僕たち自身のアイデンティティを発展させ続け、UUHAI ならではの方法でモンゴルの精神を共有し続けるためのモチベーションとなるんだ。
最終的に、モンゴルのバンドの一つが国際的に認知されることで、モンゴル音楽全体への好奇心と理解がさらに深まっていく。そして、UUHAI がその高まりに貢献し、僕たちの伝統を世界に広めることができれば、それは僕たちにとって大きな成功であり、その一翼を担えたことを誇りに思うんだ。

Q5: OK, let’s talk about your amazing debut-full “Human Herds”. When I had an interview with Nature G. of Tengger Cavalry (R.I.P), he said his songs are “It’s all about (Mongolian) Shaman, history, nature, horse and warrior spirit.” How about you? Is there any concept or lyrical themes on this record?

【UUHAI】: Human Herds carries its own concept, shaped by the history, spirit, and worldview of the Mongolian people, but expressed through the voice of Uuhai. While every Mongolian artist draws inspiration from similar sources such as nature, ancestors, and the warrior spirit, our album approaches these themes in a way that reflects who we are as a band.
The central theme of Human Herds is the dual nature of humanity. We look at how people move together, how we influence the earth, and how our choices shape the future. The album speaks about the balance between creation and destruction, which is a concept deeply rooted in Mongolian thought. Our ancestors always taught that human beings must live in harmony with the land that sustains them. When Mother Earth cries, it is a warning for all of us.
Nature is a major pillar of the album. Not only as scenery, but as a living presence. The wind, the sky, the mountains, and the steppe are treated with respect in our culture, and they became emotional guides for many of the songs. When the morin khuur sings or when throat singing rises, it is not just music. It is the voice of the land.
The ancestral spirit is another major theme. Songs like Uuhai and Secret History of the Mongols carry the strength, unity, and wisdom that shaped our history. We do not sing these themes to glorify the past. We sing them to show that the values of courage, respect, and responsibility still matter today. These songs remind us that the warrior spirit is not only about battle. It is about character, leadership, and protecting the world around us.
Human Herds also speaks about modern society. It shows the tension between tradition and the fast changing world. It asks how we can remain connected to our roots while facing the challenges of the present. This is especially important for us as Mongolians who travel globally and perform on international stages. We carry the old and the new together.
So yes, there is a concept behind the record.
It is about humanity, nature, ancestors, responsibility, unity, and awakening.
It is about remembering who we are under one sun and one moon.

Q5: では、あなたたちの素晴らしきデビュー・フル “Human Herds” について話しましょう。TENGGER CAVALRY の Nature・G(R.I.P.)にインタビューしたとき、彼は自分の曲は “(モンゴルの)シャーマン、歴史、自然、馬、そして戦士の精神がすべてだ” と語ってくれました。 あなたはどうですか?

【UUHAI】: “Human Herds” は、モンゴル人の歴史、精神、そして世界観に形作られた独自のコンセプトを掲げているけど、それを UUHAI の声を通して表現しているんだ。モンゴルのアーティストは皆、自然、祖先、戦士の精神といった共通の源からインスピレーションを得ているけど、僕たちのアルバムは、バンドとしての自分たちらしさを反映しながらそうしたテーマにアプローチしているよ。
“Human Herds” のテーマは、人間の二面性。人々がどのように共存し、地球にどのような影響を与え、そして僕たちの選択がどのように未来を形作っていくのかを探求しているんだ。このアルバムは、モンゴルの思想に深く根ざした概念である、創造と破壊のバランスについて語っているんだよ。僕たちの祖先は常に、人間は自分たちを支える大地と調和して生きなければならないと教えてきた。母なる大地が泣く時、それは僕たち全員への警告なんだよ。
自然はアルバムの大きな柱だ。風景としてだけでなく、生き生きとした存在として。風、空、山、そして草原は、僕たちの文化において敬意を持って扱われ、多くの曲の感情的な導き手となっている。馬頭琴が歌い、喉歌が高らかに響く時、それは単なる音楽ではない。それは大地の声なんだ。
祖先の魂もまた、もう一つの重要なテーマだ。”Uuhai” や “Secret History of the Mongols” といった歌は、僕たちの歴史を形作った力強さ、結束、そして知恵を体現しているよ。僕たちは、こうしたテーマを過去を称えるために歌うのではない。勇気、敬意、そして責任という価値観が、今日でもなお重要であることを示すために歌うんだ。こうした歌は、戦士の精神とは戦いだけではないことを僕たちに思い出させてくれる。戦士の精神とは人格、リーダーシップ、そして僕たちを取り巻く世界を守ることなんだ。
“Human Herds” は現代社会についても語っているよ。伝統と急速に変化する世界との間の緊張関係を描いていてね。現代の課題に直面しながらも、どのように自分たちのルーツとの繋がりを保つことができるのかを問いかけているよ。これは、世界を旅し、国際的な舞台で演奏する僕たちモンゴル人にとって特に重要だ。僕たちは古いものと新しいものを共に担っているからね。
そう、このレコードにはコンセプトがある。それは、人間性、自然、祖先、責任、結束、そして覚醒について。それは、一つの太陽と一つの月の下で、自分たちが誰であるかを思い出すことなんだ。

Q6: It is amazing that when rock and throat singing intersect, they create such an emotional sound! It is indeed a great challenge to sing in Mongolian and use throat singing in rock music that originated in the West, would you agree?

【UUHAI】: Yes, we agree that blending Mongolian throat singing with Western rock is a great challenge, but it is also one of the most beautiful parts of our music. These two sound worlds grew from very different histories. Rock carries the energy and rebellion of the West, while throat singing comes from the silence of the steppe, the breath of nature, and the spiritual practices of our ancestors.
Singing in Mongolian adds another layer of complexity. The language is rich, rhythmic, and deeply connected to the land. It follows a completely different flow than English. When we place Mongolian lyrics inside rock structures, we must reshape the rhythm while still protecting the natural character of the language. It requires careful thought, respect, and creativity.
Throat singing itself is a demanding technique. It depends on strong breath control, physical discipline, and many years of training. When we combine it with distorted guitars and powerful drums, we must make sure that the traditional sound is not drowned out. Instead, it must shine through the music as the guiding spirit. That balance takes time to master.
But the emotional impact makes the challenge worth it.
When throat singing rises over heavy rock, something unique happens. The ancient and the modern meet in one voice. Listeners who have never heard our language or our traditions still feel the vibration in their bodies. They feel the emotion even before they understand the meaning.
This is why we believe the combination works so naturally.
Both rock and Mongolian music carry deep emotion. Both connect directly to the heart. Both are honest forms of expression.

Q6: ロックと喉歌が融合すると、こんなにもエモーショナルなサウンドが生まれるなんて、本当に驚きです!西洋発祥のロック・ミュージックにモンゴル語で喉歌を取り入れるのは、本当に大きな挑戦ですよね?

【UUHAI】: モンゴルの喉歌と西洋のロックを融合させることが大きな挑戦であることは間違いないね。しかし、同時に僕たちの音楽の最も美しい側面の一つでもあると思う。この二つの音世界は、全く異なる歴史から生まれた。ロックは西洋のエネルギーと反骨精神を体現する一方、喉歌は草原の静寂、自然の息吹、そして祖先の精神的な実践から生まれたものだからね。
モンゴル語で歌うことは、更なる複雑さをもたらしてくれる。モンゴル語は豊かでリズミカルで、大地と深く結びついているからね。英語とは全く異なる流れを辿る。だからロックの構造にモンゴル語の​​歌詞を組み込む際には、言語の自然な特徴を守りながらも、リズムを再構築する必要があるんだよ。綿密な思考、敬意、そして創造性が求められるんだ。
喉歌自体も高度な技術だ。しっかりとした呼吸のコントロール、身体の鍛錬、そして長年の訓練が不可欠だよ。歪んだギターと力強いドラムと組み合わせる際には、伝統的な響きがかき消されないように注意しなければならない。むしろ、音楽全体を導く精霊として輝かなければならないからね。そのバランスを習得するには時間がかかるんだ。
しかし、感情に訴えかける喉歌の衝撃は、その挑戦に見合うだけの価値がある。喉歌がヘヴィ・ロックに響く時、他に類を見ない何かが起こる。古代と現代が一つの声で融合するんだ。僕たちの言語や伝統を初めて耳にしたリスナーでさえ、その振動を体で感じる。意味を理解する前に、感情を揺さぶられるんだ。
だからこそ、この組み合わせは自然に生まれると僕たちは考えているよ。ロックとモンゴル音楽はどちらも深い感情を宿し、心に直接響く。どちらも誠実な表現方法なのだから。

Q7: As the breakthroughs of BLOODYWOOD and THE HU show, bands that incorporate the traditional music and culture of the land where they grew up into their metal have become increasingly popular in recent years. In fact, you have incorporated many traditional Mongolian instruments, throat singing, and the Mongolian language into your metal. In this way, has metal really been liberated to the rest of the world in a way that blends different cultures?

【UUHAI】: Yes, we believe metal has entered a new period of freedom where different cultures can express themselves honestly within the genre. Metal began in one part of the world, but its emotional language is universal. It speaks about strength, struggle, identity, and the search for meaning. These are experiences shared by every culture on earth. That is why metal is now expanding far beyond its origins.
When bands incorporate their own traditional music, they are not simply adding exotic elements. They are bringing their roots, their history, and their worldview into the music. This gives metal new stories, new emotions, and new colors that were not present before. It is not a trend. It is a natural evolution of a global art form.
For us in Uuhai, this blending is not only musical. It is cultural and spiritual.
The morin khuur, throat singing, harkhiraa, long song, and our Mongolian language carry the soul of our ancestors. When these elements meet the raw energy of rock, a new voice emerges that feels both ancient and modern. It allows us to stay true to our identity while connecting with listeners from every background.
This process shows that metal can be a bridge between cultures.
Listeners in Europe, Asia, and the Americas can experience the spirit of Mongolia without needing translation. They can feel the vibration of throat singing, the power of the morin khuur, and the emotional depth of our land. In that moment, the distance between cultures disappears.

Q7: BLOODYWOOD や THE HU の躍進が示すように、近年では、出身地の伝統音楽や文化をメタルに取り入れるバンドが人気を集めています。実際、あなたたちはモンゴルの伝統楽器、喉歌、そしてモンゴル語をメタルに多く取り入れています。こうしてついに、メタルは様々な文化を融合させ、世界に解き放たれたと言えるのでしょうか?

【UUHAI】: そうだね、メタルは新たな自由の時代に入り、様々な文化がジャンルの中で真摯に自己表現できるようになったと確信しているよ。メタルは世界の限られた場所で生まれたけど、その感情的な言語は無限大だ。強さ、闘争、アイデンティティ、そして意味の探求を語ってくれる。そうしたテーマは地球上のあらゆる文化が共有する経験。だからこそ、メタルは今、その起源をはるかに超えて広がっているんだと思う。
メタルのバンドが独自の伝統音楽を取り入れる時、単にエキゾチックな要素を加えているだけではないんだ。彼らは自らのルーツ、歴史、そして世界観を音楽に持ち込んでいる。そうして、メタルにはこれまでなかった新たな物語、新たな感情、そして新たな色彩が生まれてくる。これは単なる流行ではなく、世界的な芸術形態の自然な進化なんだよ。
僕たち UUHAI にとって、この融合は音楽的な意味合いだけではなく、文化的であり、精神的な意味合いも持ち合わせている。
モリンホール、喉歌、ハルヒラー、長歌、そしてモンゴル語は、僕たちの祖先の魂を宿している。そうした要素がロックの生々しいエネルギーと融合するとき、古代と現代が融合した新たな声が生まれるんだ。だからこそ、僕たちは自分たちのアイデンティティを貫きながら、あらゆる背景を持つリスナーと繋がることができるんだ。
この事実は、メタルが文化間の架け橋となり得ることを示している。ヨーロッパ、アジア、そして南北アメリカ大陸のリスナーは、言葉がわからなくても翻訳を必要とせずにモンゴルの精神を体感することができる。喉歌の響き、馬頭琴の力強さ、そしてこの土地の感情の奥深さを体感できるんだ。その瞬間、文化間の距離は消え去るんだよ。

Q8: Unlike Genghis Khan who conquered the world, you sing of world peace and unity, but the world is moving into darker times. War, division, discrimination, oppression, violence… What can heavy metal do in such times?

【UUHAI】: Our ancestors lived through difficult times, and Mongolian history is filled with both strength and wisdom. Genghis Khan united a vast land under one rule, but he also taught principles about justice, leadership, and responsibility. Today, the world faces different kinds of battles. War, division, discrimination, and fear are rising in many places. These challenges cannot be solved with force. They must be approached with understanding and unity.
In such a world, heavy metal has a special role. Metal does not hide emotion. It is honest, direct, and unafraid to speak about the truth. When societies become heavy with silence, metal becomes a voice for those who feel unheard. It can express anger, sorrow, and frustration, but it can also transform those emotions into strength and connection.
For Uuhai, metal is more than a musical style. It is a force that can remind people of their shared humanity. It can carry messages that reach across borders and cultures. It can unite people who may never meet, yet feel the same heartbeat in the music.
When we shout Uuhai on stage, it is not a call to battle. It is a call to awareness and unity. It is an ancient word repurposed for a modern world that urgently needs courage, empathy, and responsibility. When thousands of people shout it back to us in Europe or Asia, it feels like a sign that humanity still has the power to stand together.
Heavy metal cannot stop wars, but it can inspire the people who will build peace. It cannot erase division, but it can create moments where division disappears. It cannot solve every problem, but it can open hearts and minds.
Music is not a weapon. It is a light. And even a small light is powerful in dark times. If Uuhai can give people strength, comfort, or a sense of connection, then that is our contribution. Heavy metal gives us a platform to speak honestly and to remind people that we all live under one sun and one moon, sharing the same fragile home. The world needs that message now more than ever.

Q8: 世界を征服したチンギス・ハンとは異なり、あなたは世界平和と団結を歌っていますが、世界は暗い時代へと向かっています。戦争、分断、差別、抑圧、暴力…このような時代にヘヴィ・メタルには何ができるのでしょうか?

【UUHAI】: 僕たちの祖先は困難な時代を生き抜いた。モンゴルの歴史は力と知恵に満ちているよ。チンギス・ハンは広大な地を一つの統治の下に統一したけど、同時に正義、リーダーシップ、そして責任という原則も教えたんだ。今日、世界は様々な闘争に直面している。戦争、分断、差別、そして恐怖が多くの場所で蔓延しているんだ。こうした課題は力で解決できるものではない。理解と団結をもって立ち向かわなければならないんだよ。
こうした世界において、ヘヴィ・メタルは特別な役割を担っている。メタルは感情を隠さない。正直で、率直で、恐れることなく真実を語る。社会が沈黙に包まれたとき、メタルは声をあげられない人々の声となる。怒り、悲しみ、そしてフラストレーションを表現するだけでなく、そうした感情を強さと繋がりへと変える力も持ち合わせているんだ。
UUHAI にとって、メタルは単なる音楽ジャンルではない。メタルは人々に共通の人間性を思い出させる力であり、国境や文化を超えたメッセージを届けることができるもの。出会うことのない人々でさえ、音楽の中で同じ鼓動を感じ、一つに繋がることができるんだ。
ステージで “Uuhai” と叫ぶ時、それは戦いへの呼びかけではない。それは、気づきと団結への呼びかけだ。勇気、共感、そして責任を切実に必要とする現代世界のために、古来の言葉が再解釈されたんだよ。ヨーロッパやアジアで何千人もの人々が僕たちにこの言葉を叫ぶ時、人類には依然として共に立ち上がる力があるという証のように感じるね。
ヘヴィ・メタルは戦争を止めることはできないけど、平和を築こうと願う人々を鼓舞することができる。分断を消し去ることはできないけど、ライブで分断が消え去る瞬間を作り出すことはできる。すべての問題を解決することはできないけど、人々の心と精神を開くことはできる。
音楽は武器ではなく光。そして、たとえ小さな光であっても、暗い時代には力強いものだ。もし “Uuhai” が人々に力、慰め、あるいは繋がりを感じさせることができれば、それは僕たちの貢献だよ。メタルは僕たちに正直に語り、僕たちは皆、一つの太陽と一つの月の下に生き、同じ脆い家を共有していると人々に思い出させる場を与えてくれる。世界は今、これまで以上にこのメッセージを必要としているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED UUHAI’S LIFE!!

Choosing only five albums is difficult because every artist we listen to becomes part of our musical journey. But there are a few recordings that left a deep impression on us, both in traditional Mongolian music and in the global rock and metal scene.
These are five albums that helped shape our understanding of sound, emotion, and artistic purpose:

Traditional Mongolian Long Song recordings

These recordings taught us the beauty of open space and emotional depth. The long song is the soul of our people, and its melodies influenced the way we compose and express feeling.

開放的な空間の美しさと感情の深みを教えてくれた。ロングソングは僕たちの魂であり、そのメロディーは僕たちの作曲や感情表現に影響を与えている。

Classic morin khuur ensemble recordings from the Mongolian State Philharmonic

These recordings showed us how powerful and cinematic the morin khuur can be when performed with intention and skill. They helped us understand how tradition can live inside modern compositions.

意図と技巧をもって演奏された馬頭琴がどれほど力強く、映画のような響きを持つかを示してくれた。伝統が現代音楽の中にどのように息づいているかを理解させてくれたね。

Metallica “The Black Album”

This album was one of the first global recordings many of us heard as young musicians. Its simplicity, weight, and emotional directness opened our eyes to what rock music could become.

僕らの多くが若いころ、初めて聴いた世界的な録音の一つだった。そのシンプルさ、重み、そして感情の直接性は、ロック・ミュージックの可能性を僕たちに開いてくれたね。

System of a Down “Toxicity”

This album taught us that modern rock can carry cultural identity, political thought, and raw emotion all at once. It showed us that powerful music does not have to fit into one shape.

このアルバムは、現代のロックが文化的アイデンティティ、政治的思想、そして生々しい感情を同時に表現できることを教えてくれた。力強い音楽は必ずしも一つの形に収まる必要はないことを教えてくれたんだ。

Mongolian throat singing masters – archive recordings from the Academy of Culture and Art

These recordings are not commercial albums, but they changed our lives. Listening to the old masters of throat singing and harkhiraa helped us understand the spiritual and physical discipline behind the technique, and it shaped our identity as musicians.
These albums and recordings influenced us in very different ways, but they all taught us one important lesson.
Music is most powerful when it is honest, fearless, and connected to its roots.
They inspired us to create a sound that carries the strength of the steppe and speaks to the modern world at the same time.

商業的なアルバムではないけど、僕たちの人生を変えた。喉歌とハルキラーの巨匠たちの演奏を聴くことで、その技法の背後にある精神的・肉体的な鍛錬を理解し、音楽家としてのアイデンティティを形作ることができたんだ。
こうした作品は、それぞれ異なる形で僕たちに影響を与えたけど、どれも重要な教訓を与えてくれている。音楽は、誠実で、恐れを知らず、そのルーツと繋がっている時に最も力強いとね。
ステップ文明の力強さと現代社会へのメッセージを同時に伝えるサウンドを生み出すインスピレーションとなったよ。

MESSAGE FOR JAPAN

The connection between Mongolia and Japan has always been strong and respectful. Our two countries share many cultural links, from sumo wrestling to traditional music, and there is a deep sense of mutual admiration. Mongolia has benefited greatly from the kindness of Japanese people and organizations who have supported education, health, infrastructure, and many important projects in our society. Their contributions have touched many lives, and we hold that friendship with sincere gratitude.
As musicians, we have great respect for Japanese culture. Japanese traditional music carries a purity and emotional discipline that feels very close to our own artistic spirit. Instruments such as the shamisen and taiko drums have a spiritual quality that resonates with the sounds of the Mongolian steppe. We also admire Japan’s ability to honor ancient traditions while leading the world in modern creativity, from cinema to design to technology.
Japanese audiences are known for listening with focus and emotion. They approach music with sincerity, and for a band like Uuhai that expresses deep cultural roots and strong emotional themes, that kind of audience connection is very meaningful. Japan is a place where art is treated with respect, and that inspires us.
Message for Japan:
To all our friends in Japan, thank you for your continuous support and kindness toward Mongolia and its people. Your friendship has helped our country grow, and we respect you deeply for your generosity and your cultural richness. We hope to visit Japan soon and bring the voice of the Mongolian steppe to your stage. Until then, please continue protecting your beautiful land, honoring your traditions, and creating art that inspires the world. We look forward to meeting you under one sun and one moon.
Uuhai sends you strength, unity, and respect.

モンゴルと日本の絆は、常に強く、敬意に満ちたものだった。両国は、相撲から伝統音楽まで、多くの文化的繋がりを共有し、深い尊敬の念を抱いている。モンゴルは、教育、医療、インフラ整備、そして社会における多くの重要なプロジェクトを支援してくれた日本の人々や団体の厚意から、多大な恩恵を受けてきたんだ。日本人の貢献は多くの人々の心に響き、僕たちは心からの感謝の念をもって、この友情を育んでいるよ。
そして僕たち音楽家は、日本文化に深い敬意を抱いている。日本の伝統音楽は、僕たちの芸術精神と深く結びつく純粋さと、感情的な規律を備えているよね。三味線や太鼓といった楽器には、モンゴルの草原の音色と共鳴する精神的な響きがある。また、映画からデザイン、テクノロジーに至るまで、現代の創造性において世界をリードしながらも、古代の伝統を重んじる日本の力強さにも感銘を受けているんだ。
日本のオーディエンスは、集中して感情を込めて音楽を聴くことで知られている。彼らは真摯に音楽と向き合っている。深い文化的ルーツと強い感情的なテーマを表現する UUHAI のようなバンドにとって、そうした観客との繋がりは非常に意義深いものだよ。日本は芸術が敬意を持って扱われる国であり、それが僕たちのインスピレーションとなっているんだ。
日本へのメッセージ:
日本の友人のみんなへ。モンゴルへの変わらぬ支援と厚意に感謝を。みんなの友情は僕たちの国の成長を支えてきたんだ。日本の寛大さと豊かな文化に深く敬意を表するよ。近いうちに日本を訪れ、モンゴルの草原の声を日本のステージに届けられることを願っているね。
それまで、美しい国土を守り、伝統を尊重し、世界にインスピレーションを与える芸術を創造し続けてほしい。一つの太陽と一つの月の下でみんなに会えるのを楽しみにしているよ。
UUHAI より、力と団結、そして敬意を。

UUHAI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AEPHANEMER : UTOPIE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE OF AEPHANEMER !!

“I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.”

DISC REVIEW “UTOPIE”

「僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。メタルの世界では母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね」
音楽、特にメタルの優れているのは、たとえ言葉の壁やボーカル・スタイルによって歌詞が不明瞭で理解不能な場合でも、ムード、メロディ、テーマ、バイブスなどその音楽自体に伝える力が込められているところでしょう。裏を返せば、モダン・メタルの寛容さは、あらゆる異端を排除せず、壁を壊して包容し、自らの血肉としていくことができるのです。フランスの AEPHANEMER は、そうして文化の壁も、さらにはメロデスというジャンルの限界まで打ち壊し、突破していきます。
「客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ」
メタルの進化に終わりはありません。そう、AEPHANEMER はメロデスの遺産をしっかりと抱きしめながら、そのサウンドを別の次元へと高めるために音楽を奏でています。”メディーヴァル・フォーク的シンフォニック・メロデス” という大げさな表現が、もしかしたら今の彼らには最もしっくりくるのかもしれませんね。それだけ、この最先端のメロデスは、映画的で、オーケストラで、壮大な音の祭典です。
2023年にベーシストの Lucie Hune が脱退し3人編成となったにもかかわらず、これだけの緻密な壮観を完成させた AEPHANEMER の才能は比類なきもの。バンド創設者でインタビューイ、 Martin Hamiche が全ての弦楽器とオーケストレーションを担当して、あの鬼才 Dan Swanö 再度の協力により、力強いメロディにフック、心を震わす激情、幻想的なムード、フランスらしい気品と格調の高さ、そして豪華絢爛な “La Rivière Souterraine” が象徴する複雑で多面的な色彩を帯びた、ダーク・フォークとネオクラシカルの煌びやかな祭典 “Utopie” が降臨することとなりました。
「僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ」
お馴染みとなった Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) の手による鮮やかなアートワーク。そこには、彼らにとっての “Utopie” “理想郷”、自然と人間が手を携え、調和して生きていく世界が描かれています。もちろん、前作 “A Dream of Wildness” のイノシシに、私たちは “もののけ姫“ の影をみましたし、久石譲の風も受け取りました。
そう、AEPHANEMER の理想郷にとって、進化し多様に共生するべきは音楽だけにとどまりません。彼らは、人も小さな行動の積み重ねでより良い世界を目指すことができる、異文化と共生し調和することができると信じてアートを生み出していますし、もちろんアシタカとサンのように文明と自然も調和して生きていく未来を見据えているのです。
今回弊誌では、ギタリスト Martin Hamiche にインタビューを行うことができました。「Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ」ギターの煌めきとドラムの技巧、そして声の獰猛は群を抜いていますね。どうぞ!!

AEPHANEMER “UTOPIE” : 10/10

INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【MARTIN】: I discovered metal when I was around 12 or 13, thanks to my older sister, and for a long time, it was the only music I listened to. It started with System of a Down, which I played almost nonstop for a couple of years. Then, a friend gave me a compilation CD that introduced me to a dozen metal bands from different genres. On that CD I found bands that would become favorites for a long time: Amon Amarth, Insomnium, Dimmu Borgir, Therion. Shortly after, I also discovered Windir and Children of Bodom. These bands became the foundation of my metal influences, and I listened to them almost exclusively until I was 20 or 21. I wish I could say that I grew up with classical or folk music, but that was not the case, my family was modest and music culture simply was not present in our home.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【MARTIN】: 姉の影響で12歳か13歳頃にメタルに出会い、それから長い間、メタルだけを聴き続けていた。SYSTEM OF A DOWN から始まり、2、3年間ほとんどノンストップで聴き続けたね。その後、友人からコンピレーションCDをもらったんだ。 そのCDの中で、僕はそれから長い間お気に入りとなるバンドを見つけたんだよ。AMON AMARTH, INSOMNIUM, DIMMU BORGIR, THERION といったバンドだね。その直後、WINDIR と CHILDREN OF BODOM にも出会った。
彼らは、僕が影響を受けたメタルの基礎となり、20歳か21歳になるまで、ほとんど彼らばかり聴いていたね。クラシックや民俗音楽とともに育った、と言いたいところだけど、僕の家族は質素で、音楽文化は我が家には存在しなかったんだ。

Q2: How did Aephanemer begin? What is the meaning behind your band name?

【MARTIN】: Aephanemer started as a one-man band in 2014 when I released “Know Thyself,” an instrumental EP that I created on my own. A few months later, I brought in other musicians and turned it into a full band. The name of the band is inspired by the autumn season, which has always been my favorite, because it is the season in which I feel most at home and at peace. “Aephanemer” is actually a combination of the words “éphémère,” meaning ephemeral, and “fânée,” meaning faded or wilted, like a flower.

Q2: AEPHANEMER はどのように始まったのですか? そのバンド名に込められた意味を教えてください。

【MARTIN】: AEPHANEMER は、2014年に僕がひとりで制作したインストゥルメンタルEP “Know Thyself” をリリースしたときに、ワンマン・バンドとしてスタートしたんだ。 その数ヵ月後に、他のミュージシャンを加えてフルバンドにしたんだよ。
バンド名は、昔から大好きな秋という季節にインスパイアされたもの。僕は秋が最も、自分の家のように穏やかに過ごせるんだ。”Aephanemer” は、儚いという意味の “éphémère” と、花のように色あせた、しおれたという意味の “fânée” を組み合わせたものなんだ。

Q3: Marion’s ghoulish vocals are truly amazing, and she is the face of the band! How do you feel about the gradual increase of female vocalists and players in the metal world, which used to be a boys’ club?

【MARTIN】: Well, I think that is a wonderful development for many reasons. Humanity has probably missed out on many female Mozarts, Beethovens, or Tchaikovskys simply because access to music careers was so limited for women for so long. I am truly happy that Marion, in Aephanemer, contributes to changing that, both as a singer and as a musician.

Q3: Marion の鬼気迫るボーカルは本当に素晴らしく、彼女はバンドの顔となっていますね! ボーイズ・クラブだったメタル界に、女性ヴォーカリストや女性プレイヤーが徐々に増えていることについてはどう思っていますか?

【MARTIN】: そうだね、それは多くの理由から素晴らしい発展だと思う。 これまで人類は、おそらく多くの “女性版” モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキーを見逃してきたのだろう。というのも、長い間、女性にとって音楽活動へのアクセスは非常に限られたものだったから。AEPHANEMER で Marion が、歌手として、また音楽家として、それを変えることに貢献していることを心から嬉しく思うよ 。

Q4: When I saw the artwork for your last album, “A Dream of Wilderness,” it reminded me of Hayao Miyazaki’s anime. Have you been influenced by such Japanese culture, anime, music, and video games?

【MARTIN】: When we thought about putting a boar on the cover of “A Dream of Wilderness,” we looked for references to boars throughout history to give some inspiration to Niklas Sundin, who created the artwork. Marion immediately thought of the boars in Hayao Miyazaki’s Princess Mononoke, a work we both love. She has been a fan of anime since she was younger, and it has always inspired her creatively. Personally, I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.

Q4 :前作 “Dream of Wildness” のアートワークを見て、宮崎駿監督のアニメを思い出しましたよ。そうした日本文化、アニメ、音楽、ビデオゲームから影響を受けているんですか?

【MARTIN】: “A Dream of Wildness” のアートワークにイノシシを描こうと考えたとき、アートワークを担当した Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) にインスピレーションを与えるために、さまざまなイノシシを探したんだ。
Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ。

Q5: Dan Swano is involved in “Utopie” as he was in the last album. What do you learn from the originator of Melo-death?

【MARTIN】: Dan Swanö is an incredible sound engineer and has been essential in shaping the current Aephanemer sound, balancing all the classical instruments with the metal ones. His work allows every layer to be heard and feel alive. We are very grateful for his contribution and look forward to collaborating with him even more in the future.

Q5: Dan Swano は前作に引き続き “Utopie” にも関わっていますね。メロデスのオリジネーターのひとりから何を学んでいますか?

【MARTIN】: Dan Swano は素晴らしいサウンド・エンジニアで、現在の AEPHANEMER サウンドの形成に欠かせない存在であり、すべてのクラシック楽器とメタル楽器のバランスをとってくれているんだ。 彼の仕事によって、すべてのレイヤーが聴こえ、生きているように感じられる。 僕たちは Dan の貢献にとても感謝しているし、今後さらに彼とコラボレーションできることを楽しみにしている。

Q6: In fact, “Utopie” is a truly wonderful album!I can’t think of any other work that blends the wailing, fierce of melo-death with cinematic beauty as well as this one! Is one of your goals to portray a cinematic world with melo-death?

【MARTIN】: Thank you very much! When we create our albums, we don’t really set out to make something cinematic. What we do want is to give the feeling that our music opens a window to another universe, and orchestral instruments help us achieve that. They bring colors and textures that allow us to express emotions in ways that metal instruments alone could not. As for the metal side of our sound, we don’t really think in terms of genres. We simply include all the ideas we have and let them shape the music naturally.

Q6: 実際、”Utopie” は本当に素晴らしいアルバムですね!メロデスの慟哭と獰猛さ、そして映画的な美しさがこれほど融合した作品は他にありませんよ!
メロデスで映画のような世界を描くことは、あなたの目標のひとつなんですか?

【MARTIN】: ありがとう! 僕たちがアルバムを作るとき、映画のようなものを作ろうと思っているわけじゃないんだ。僕たちが望んでいるのは、自分たちの音楽が別の宇宙への窓を開けてくれるような感覚を与えることで、オーケストラ楽器はそれを達成する手助けをしてくれるね。オーケストラ楽器は、メタル楽器だけでは表現できないような色彩や質感をもたらしてくれる。
また、僕たちのサウンドのメタル的な側面に関しては、ジャンルで考えることはあまりないよ。 自分たちが持っているアイデアをすべて盛り込み、それが自然に音楽を形作っていくだけなんだ。

Q7: War, pandemics, division, discrimination, oppression… There are many people seeking escape in this dark world, and this work is a veritable “Utopie” for them. If metal has a role to play now, is it to provide a wonderful escape like this record?

【MARTIN】: Yes and no. We are not escapists in the sense of creating art to run away from reality. Our approach is more that we create art to inspire ourselves, and perhaps others, about what could happen in the real world if we don’t give up and continue working to improve it through our small daily actions. We love when people feel energized and inspired by our music, and then take that energy to make positive changes in their lives, in their homes, or in their communities. For us, creating a better future for all living beings is essential, because our vision of Utopia is a world where humanity lives in harmony with nature and other life forms.

Q7: 戦争、パンデミック、分断、差別、抑圧…この暗い世界で逃避を求める多くの人々にとって、この作品はまさに “ユートピア” だと感じています。
今、メタルが果たすべき役割があるとすれば、それはこのレコードのような素晴らしい逃避場所を提供することなのでしょうか?

【MARTIN】: イエスでもありノーでもある。僕たちは、現実から逃げるために芸術を創作するという意味での逃避主義者ではない。僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。
僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ。

Q8: From this record, French is the main language. In recent years, more and more metal bands are incorporating the language and culture of their native country instead of English, why did you decide to make French the main language?

【MARTIN】: As you said, we feel that more and more bands singing in their own language is becoming common and widely accepted. It can even be seen as a sign of sincerity and authenticity, which people appreciate today. For us, using French was a very natural choice, especially since our previous album, A Dream of Wilderness, included one French song that was very well received. From our experience on tour, audiences everywhere actually prefer the French lyrics. There is a small exception with part of the US audience, who sometimes see it as a personal insult that we don’t write in English anymore, but that doesn’t matter to us. We make the art that feels true to us, and only to us.

Q8: このアルバムからフランス語がメイン言語となりました。 近年、英語ではなく、母国の言語や文化を取り入れるメタル・バンドが増えていますが、あなたはなぜフランス語をメインにしようと思ったのですか?

【MARTIN】: 君の言う通り、母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね。
僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。特に、前作にはフランス語の曲が1曲入っていて、それがとても好評だったから。 ツアーでの経験から言うと、どこの国でもオーディエンスはフランス語の歌詞を好んでいる。 アメリカのオーディエンスの一部には小さな例外があって、彼らは僕たちが英語で書かなくなったことを個人的な侮辱と捉えることもあるようだけど、それは僕たちにとっては問題ではない。僕たちは、僕たち自身にとって、僕たち自身にとってのみ真実であると感じられる芸術を作るだけだよ。

Q9: In this day and age, some people say that melodeath is outdated, rustic, or unpopular. What do you think about those words? Why do you keep playing melodeath?

【MARTIN】: Every music genre can feel outdated until it is reforged, renewed with new elements from other styles, and then finds a new audience. I feel that is exactly what some of us are trying to do. Objectively, we don’t really sound like Dark Tranquillity, Amon Amarth, or Arch Enemy at all. Even Children of Bodom, a band we are sometimes compared to, has a very different vibe than us. This makes sense, because today I am mostly inspired by medieval, classical, and folk music, which isn’t the case for any of those bands. That is simply how music evolves. But when we write, we never think about comparisons or trends: we just create the music we wish existed, the music we would want to listen to ourselves.

Q9: 今の時代、メロデスは時代遅れだとか、いなたいだとか、人気がないなどと言う人がいます。それでも、なぜあなたはメロデスを演奏し続けるのですか?

【MARTIN】: あらゆる音楽ジャンルは、他のスタイルから新しい要素を取り入れて刷新され、新しいリスナーを見つけるまでは、時代遅れだと感じることがある。僕たちがやろうとしていることは、まさにそうした挑戦だと思う。
客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。
結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ。 でも、僕たちが作曲するときは、比較や流行を考えることはない。僕たちはただ、自分たちが存在してほしいと願う音楽、自分たち自身が聴きたいと思う音楽を作るだけなのだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MARTIN’S LIFE!!

System of a Down “Toxicity”

Because it was the first metal I ever listened to.

Amon Amarth “Fate of Norns”

As it was the first melodic death metal album I discovered.

In Flames “Colony”

Because it made me re-discover melodic death metal when I was 21 and probably inspired me to create Aephanemer

Joe Hisaishi “Howl’s Moving Castle soundtrack”

A major album in my musical journey beyond metal.

Basil Poledouris “Conan the Barbarian”

For a similar reason, and it also became a source of inspiration for Utopie.

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you so much to all our listeners in Japan for your support and your amazing culture. We are currently working with a local promoter on a Japan tour, and we really hope to meet you all in 2026. Wishing you a wonderful day!

日本のリスナーのみんな、応援と素晴らしい文化に本当に感謝しているよ。僕たちは現在、日本のプロモーターと日本ツアーに取り組んでいて、2026年に会えることを本当に楽しみにしているんだ。みんなにとって、素晴らしい一日になりますように!

MARTIN HAMICHE

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MATTIAS “IA” EKLUNDH : RESIST THE EROSION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTIAS “IA” EKLUNDH !!

“I’ve never had world domination or fame as a goal ― just to write and perform my music, something I’ve lived off solely since I was nineteen, and something I’m incredibly grateful for. The least you can do is hug someone who supports your experimenting and songwriting.”

DISC REVIEW “RESIST THE EROSION”

「リスナーや観客がいなければ、私は一体何者なんだい?誰も聴いてくれなければ、私の音楽は空っぽのままなんだから。世界的に有名になることや名声を目標にしたことはなく、ただ自分の音楽を作り、演奏することだけが私の生きがいなんだ。私は19歳のときからこの仕事だけで生きてくることができた。そして、そのことに心から感謝しているんだよ。せめてできることは、自分の実験や作曲を応援してくれる人を抱きしめることだからね」
FREAK KITCHEN の、本当に久々となった来日公演に足を運んだ方はきっと、その会場の “温かさ” に驚かされたはずです。これほど、演者と観客の “壁” が、もっといえば観客と観客の間の “壁“ もないライブは少なくとも私は初めてでした。謎のスウェーデン語を練習させられたり、変拍子をカウントしたり、Mattias の漫談に笑い転げたり。曲の良さ、楽器の妙技はもちろん、それ以上に、人と人とが直接つながることの楽しさを心の底から実感できたライブでした。
それは、Mattias “IA” Eklundh という異能のギタリストが、誰よりもつながりを大切にしているからこそ生まれた空間でした。ライブが始まる前に観客席に姿を現し一人一人と握手をしたり、シグネイチャー・ギターの購入者を招待して一緒に写真を撮ったり。ライブ中には漫談やスウェーデン語講座で会場を盛り上げ、一体化してくれました。
顔の見えないSNSでの交流、もっと言えば引用での一方通行な “交流” がメインとなった現代世界において、Mattias は顔と顔を付き合わせたつながりを誰よりも大切にしています。それは、彼の型破りな実験に付き合い、楽しみ、応援してくれるファンがいなければ、音楽ではなくただ “音” であることを知っているから。
「”Resist The Erosion” は、プロジェクトではなくバンド形態。私の素晴らしい友人である B.C. Manjunath, Yogev Gabay, Lior Ozeri と一緒に作った作品だよ。彼らは私の音楽を驚くほど高めてくれるんだ。彼らが私と一緒に仕事をしたいと思ってくれて、素晴らしい作品を作るために本当に努力してくれたことを、とても誇りに思い、感謝しているんだよ。このアルバムは、私のアーティスト人生において常に大きなハイライトとなるだろうね」
そう、Mattias “IA” Eklundh の実験 “Freak Audio Lab” は、いつも楽しく、そして感謝に満ち溢れています。そんなラボラトリーの中でも、”Resist the Erosion” が群を抜いて印象的な、Mattias の金字塔となることは間違いないでしょう。
この Mattias のプロジェクトは、インド音楽、特にコナッコルとして知られる南インドのカルナータカ音楽への憧憬から始まりました。コナッコルは、複雑な数式に基づいた非常に入り組んだリズムと拍子で、打楽器の音節をボーカルで演奏する芸術。B.C.Manjunath は、この伝統的なインド音楽の哲学をジャズやワールドミュージックの世界に取り入れることで、その重要な担い手となっています。だからこそカルナータカ音楽に心酔する Mattias は、Manjunath から現代メタルと古代南インドの音楽スタイルを融合させたコラボレーションについて連絡を受けた際、大きな衝撃を受けたのです。
ベーシストの Lior Ozeri とドラマー/パーカッショニストの Yogev Gabay を起用し、ベテラン音楽家4人組となった Mattias のラボラトリーは、さながら John McLaughlin が全く新しいSHAKTI を結成したかのような、驚異的な10曲を生み出しました。フィボナッチの難解さで迫るコナッコルとムリダンガムの複雑怪奇が、Mattias の Djenty な8弦モダン・メタルの宇宙と出会う時、メタルとギター音楽は別の次元へと旅立ちます。きっと真のイノベーションとは、こうした純粋な情熱と好奇心から起こるのでしょう。115/16、34/4。想像を絶する複雑な拍子と、楽器同士の対位法に彩られながらも、ここには目を見張るような感情の渦と濃密なメロディが広がっています。だからこそ、”Resist the Erosion” は未曾有の景色となり、Mattias “IA” Eklundh は生涯を通したギターの科学者であるのです。
今回弊誌では、Mattias “IA” Eklundh にインタビューを行うことができました。「何よりも、停滞しないこと、新しい境地を開拓することについてだね。もちろん、私たちは奇妙な時代に生きている。特に、日々の情報攻勢に晒され、自分が今どこにいるのかさえ分からなくなってしまうような状況だ。私にとって一番良いのは、それらを無視して、自分の人生を思い通りに形作ること。家族、音楽、自然、そして何の制約もない自由な創造など、自分にとって良いものを大切にしながらね」 4度目の登場。どうぞ!!

Anyone who attended FREAK KITCHEN’s first concert in Japan in a long time was surely surprised by the warmth of the venue. At least for me, it was the first time I’d ever experienced a live performance where there was such a clear barrier between the performers and the audience, and even between the audience members themselves. We were made to practice some mysterious Swedish, counted out odd time signatures, and laughed our heads off at Mattias’s comedy routines. The quality of the songs and the virtuosity of the instruments were undeniable, but more than that, it was a concert where I truly felt the joy of direct human connection.
It was an atmosphere born out of the extraordinary guitarist Mattias “IA” Eklundh, who values ​​connections more than anyone else. He appeared in the audience before the show to shake hands with each person, and invited those who purchased his signature guitar to take photos with him. During the show, he livened up the venue with comedy routines and Swedish language lessons, bringing the audience together. In today’s world, where faceless social media interactions and, even more so, one-way “interactions” based on quotes are the norm, Mattias values ​​face-to-face connections more than anyone else. He knows that without fans who engage with, enjoy, and support his unconventional experiments, it’s just “sound,” not music.
Mattias “IA” Eklundh’s “Freak Audio Lab” experiments are always joyful and filled with gratitude. Even within this lab, “Resist the Erosion” stands out as a monumental achievement.
Mattias’s project was born out of his admiration for Indian music, particularly the South Indian Carnatic music known as Konakkol. Konakkol is an art of vocally playing percussion syllables with highly intricate rhythms and signatures based on complex mathematical formulas. B.C. Manjunath has become a key advocate for this traditional Indian musical philosophy, incorporating it into the worlds of jazz and world music. That’s why Mattias, a lover of Carnatic music, was so thrilled when Manjunath contacted him about a collaboration that would fuse modern metal with ancient South Indian musical styles. Mattias’s laboratory, now a quartet of veteran musicians with bassist Lior Ozeri and drummer/percussionist Yogev Gabay, has produced 10 astounding tracks that sound like John McLaughlin had formed a whole new SHAKTI. When the Fibonacci-esque intricacies of the konakkol and mridangam meet Mattias’s djenty, eight-string modern metal universe, metal and guitar music are transported to another dimension. True innovation truly comes from pure passion and curiosity. 115/16, 34/4. Though colored by incredibly complex time signatures and instrumental counterpoint, there’s a swirl of stunning emotion and dense melody unfolding here. That’s what makes “Resist the Erosion” such an unprecedented landscape, and why Mattias “IA” Eklundh is a lifelong guitar scientist.
This time, we had the pleasure of interviewing Mattias “IA” Eklundh. This is his fourth appearance. Enjoy!!

FREAK AUDIO LAB “RESIST THE EROSION” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NYTT LAND : SONGS OF THE SHAMAN】 JAPAN TOUR 25′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANATOLY PAKHALENKO OF NYTT LAND !!

“Throat singing is a real treasure, the heritage of our indigenous peoples. We use throat singing in our music quite actively, as it is an incredible magic and it is our connection with our ancestors.”

DISC REVIEW “SONGS OF SHAMAN”

「私たちにとってシベリアで暮らすのは、世界のどの地域よりもずっと簡単なんだ。 ここは私たちの祖国であり、祖先の土地であり、自分たちのルーツを大切にして、伝統を守ることが重要なんだよ。 私たちはアジア人で、ライフスタイルの面では非常に保守的だ。 フランス、ノルウェー、セルビアなど、他の国や大都市への移住を何度も勧められよ。でも、私たちはそんなことはしたくない。 どこまでも続く美しい草原、山々、森といった生まれ育った土地を離れることは、私たちにとって大きなストレスになる。 ここが私たちの人生のすべてであり、私たちが生まれた場所であり、先祖が生まれた場所であり、私たちの一部であり、だからこそ私たちはここに住んでいるのだよ」
シベリアの大地に深く根を張る NYTT LAND の作品は、2021年の “Ritual” を皮切りに、北欧のフォーク・ミュージックからシベリアの伝統をより深く表現するダークな音楽へと徐々に移行し、最新アルバム “Songs Of The Shaman” で頂点を極めました。
満州・ツングース民族のシャーマニズム的な歌や呪文を、彼ら自身の言語と伝統楽器を用いて解釈することで NYTT LAND は自らの古代文化を守り、より幅広いオーディエンスに届けることを目指しています。NYTT LAND の音楽を聴けば、かつてシベリアに広がっていた風景や営みが心に深く刻まれるような感覚を覚えます。それは、まさに太古の昔からもたらされた音のささやき。 これはもはや、地球上で最も古い文化を巡る魅力的な旅。そして、”Songs Of The Shaman” でその旅路の鮮やかさは一段と際立っています。
「ホーミーはシベリアとモンゴルの先住民の伝統的な歌唱法なんだ。こうした伝統的な歌い方は、世界中のどこを探しても見つからない。もし誰かが、バイキングの間でのどを使った歌い方があったという話をしたら、その人の顔にツバを吐いてもいいだろう。現在では、喉歌をヨーロッパ民族のものとすることが非常にポピュラーになっているけど、これはまったくのナンセンスだよ。喉歌は、先住民族の遺産であり、真の宝なんだ。私たちが非常によく喉歌を使うのは、喉歌が信じられないような魔法であり、祖先とのつながりでもあるからなんだ」
伝統的なシャーマニズムの歌と呪文を解釈した NYTT LAND の音楽。すべての曲は原語で録音され、喉歌や太鼓などの非常に古い音楽技法が用いられています。そうして彼らは、イントネーションとリズムからも生まれる魔法の力を逃さないようにしています。降霊術、呪文、祝福…古代の魔法は、慎重に選択され、有害な呪いは意図的に排除されていきました。NYTT LANDは聴く者すべてを、精霊たちが今も支配し、神々でさえも恐れる時空の秘境、音楽の旅へと誘います。
そうしてこの音の旅は、原始的な人間性に対する理解を何よりも深めてくれるはずです。真っ暗な草原の夜空の下、焚き火のそばに座り、シャーマンが祖先、星々、そこに宿る神々、そしてこの極寒の地を形作る岩や川についての物語を紡ぐのをただ聞いている。そしてシャーマンが炎の中で喉歌を歌い踊る姿に目を奪われる…そこに広がるのは民俗神話の荘厳なる世界。
そう、NYTT LAND こそ古の草原を旅する真の音楽遊牧民。そしてもちろん、この原始と神話、古代の再来は、NYTT LAND が祖先、土地、ルーツと伝統を心から大切にしてきたからこそ成り立っているのです。
今回弊誌では、Anatoly Pakhalenko にインタビューを行うことができました。妻 Natalia とのユニット。「私たちはメタルを演奏するのではなく、伝統的な儀式のフォークロアとその音楽における解釈を研究しているんだ。 そう、私たちの聴衆の一部は間違いなくメタル・ヘッズで、それはクールなことだ。 これは、私たちの音楽がすべての人の魂に触れ、ある種の感情を呼び起こすことを意味している」 ARKONA との来日も決定。どうぞ!!

NYTT LAND “SONGS OF THE SHAMAN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ARKONA : KOB’】 JAPAN TOUR 25′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARIA “MASHA SCREAM” ARKHIPOVA OF ARKONA !!

“As a result, Slavic paganism became a part of my life, and subsequently I began to convey my worldview through my music.”

DISC REVIEW “KOB'”

「古代スラブのペイガニズムは私たちの歴史であり、過去であり、取り返しのつかない、しかしどうしようもなく説得力のあるテーマだ。私たちのルーツに戻り、多神教的な宇宙とそのさまざまな顔、解釈、そして数多くの神々や要素という形での現れと相互作用しながら、自然の法則のみに従って動くその世界そのものに真に没頭するよう教えてくれる。 私の意識はこのテーマに完全に没頭し、その結果、スラブ多神教は私の生活の一部となり、その後、私は音楽を通して自分の世界観を伝えるようになった」
ロシアの ARKONA (Аркона) は、ペイガン・メタルとフォーク・メタルの定義と革新を今もなお追求し続けています。ダークなプロダクション、ブラック・メタルとプログレッシブ・メタルの融合、強烈で内臓をえぐるようなパフォーマンス、そして物憂げで重々しいギターワークと民族色豊かな管楽器の響き。そうした言語をも超越した ARKONA のパフォーマンスは、自らが生まれ育った母なるロシアの厳しくも美しい大地と、ルーツである古代スラブのペイガニズムに捧げられています。
「ARKONA は非常に多様で、バンド結成20年の間に、私たちの音楽は大きな変化を遂げた。昔の、のんきで陽気で、荒々しく正直で、エネルギッシュでありながら儀式的な神秘に満ちたフォーク時代の ARKONA と、新しい、暗くて絶望的で、骨抜きで死の息吹が漂い、混沌の果てしない抱擁の中で勝利する ARKONA の両方のファンがいることは素晴らしいことだ。 誰もが自分自身のアルコナを選ぶことを勧めるよ。そして、1枚のアルバムに焦点を当てるには、あまりにも私たちは多面的で広大だ」
ARKONA の音楽は、彼らが崇拝するスラブ多神教のごとく多様で千変万化。初期の “Yarilo” や “Stenka Na Stenku” のようにある種牧歌的で楽しくしかしどこか憂いを帯び、直情的でパワフルなスラブ音楽の祭典はもちろん ARKONA の原点。一方で、近年の大作路線、難解で神秘的、死と混沌のプログレッシブ・ブラックにも彼らのペイガニズムは儀式として根付いています。
そして何より、今回のインタビューイでありボーカリスト Maria “Masha Scream” Arkhipova の哲学と人類の現代、そして未来観という深く暗い領域はどの時代の ARKONA においても紡がれていて、ペイガンの伝統、その光の中で音楽を描き出していくのです。
「ARKONA が結成されたとき、私はすでに熱狂的なメタル・ファンだったので、あるリハーサルで生々しく過激なヴォーカル・スタイルで歌ってみたところ、すぐに夢中になったの。 その結果、私はすぐにこの新しい、自発的な能力を自分の仕事に取り入れることにした。当時は、同じような声のテクニックを持つ女性ヴォーカリストのことをほとんど知らなかったから、だれかの真似をしたわけじゃない。 すべてが自然に起こったんだよ」
古代スラブの神話を語る時、Masha のスクリームやグロウルはストーリーに大きな抑揚を生み出します。その個性、存在感、そして圧倒的な音域は人智を超えた未知の恐怖と神性を ARKONA の音楽へともたらします。比較的自由で穏やかだったソ連崩壊後に声楽を学び、まだ女性スクリーマーがほとんど存在しなかった90年代後半からスクリームを追求し続ける彼女の声は、今や当たり前となったメタル世界の女性たちを力強く後押しし、今ではメタル世界最高の女性スクリーマーのひとりと言われるまでになりました。そうして、Masha の声は、人類が長らく忘れてしまった過去の知恵、太古の生活を蘇らせます。戦争、疫病、宗教的信念、環境問題によって社会が自らの墓穴を掘る中で、ARKONA は本物の疫病が現代を生きる強欲な人類自身であると太古の森から警告を発していくのです。
今回弊誌では、Maria “Masha Scream” Arkhipova にインタビューを行うことができました。「どんな状況でも、メタルは私たちを団結させてくれる。あなたが前の質問で、ヘヴィ・メタルは国際的な現象となり、政治や支配者層が私たちを陥れようとしているあらゆる汚物を超越する、と指摘したのは正しんだよ」 来日決定!どうぞ!!

ARKONA “KOB'” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KORYPHEUS : GILGAMESH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANDY GUSHIN OF KORYPHEUS !!

“Since August I am serving in the army. So we stopped writing new music. However, before that we managed to record 2 new songs and were about to record the third one in September but…”

DISC REVIEW “GILGAMESH”

「僕たちはロシアの SLAUGHTER TO PREVAIL とのツアー、その経験から距離を置こうとしているんだ。ああした協力は、今では不可能だよ。8月から僕は兵役に就いているんだ。だから、僕らは新曲を作ることをやめざるを得なかった。なんとか、その前に2曲の新曲をレコーディングすることができて、9月には3曲目をレコーディングしようとしていたんだけどね…」
戦争に巻き込まれること…それは私たちが享受し、人生の糧としている “文化” の破壊にもつながります。ウクライナの素晴らしきプログレッシブ・メタルコア KORYPHEUS は、ロシアの侵略によって多くを失いました。SLAUGHTER TO PREVAIL は決して侵略を肯定しているバンドではありませんが (というより、Alex Terrible は当局による逮捕の可能性もあって、アメリカに居を移している)、それでも彼らはロシアのバンドと協力することは今や不可能だといいます。メタルの寛容さや壁を壊す力も、非道の戦争には抗えません。
そして何より、ボーカリスト Andy Gushin が祖国を守るため兵役についたことで、バンドの未来さえ暗礁に乗り上げようとしているのです。それでも、KORYPHEUS はドローンとミサイルが飛び交うキーウの防空壕から見事なアルバムを届けてみせました。それはきっと、音楽家としての誇りと使命がもたらしたもの。
「子供の頃から神話が好きだった。 ギルガメシュは最古の叙事詩だ。 後の多くの登場人物、神話、英雄のルーツはメソポタミアにある。でも、このアルバムは古代の神話をテーマにしているわけではないんだ。 実際、僕たちの脳の奥深くに根付いていて、自分たちの行動や潜在意識に影響を与えている原型というものがある。それは過去と現在が出会う場所だ。僕たちはアマテラスのことも知っているよ。とても興味深いよね」
そんな KORYPHEUS が自らの “叫び” を音に乗せるため、選んだテーマは様々な神話をベースにしていました。”Gilgamesh”, “Odysseus” そして “Icarus”。神話上の人物を想起させるタイトルの数々は、古代の英雄譚に巣食う人の傲慢さ、そして悲劇へとつながり、そのアルバムを通じた人間の業はそのまま彼らが今直面している現代の悪夢へと通じているのです。
「メソポタミアは文明発祥の地。 古代のルーツを知ることは重要だ。僕たちは今でも、メソポタミアの文化と音楽は広い意味で自分たちのものだと感じているんだ。Yossi のことは、ORPHANED LAND とツアーをする予定だったから知っているんだよ。 戦争のせいで実現しなかったんだ」
JINJER, IGNEA など活気あふれるウクライナのプログ/メタルコア世界においても、KORYPHEUS が放つ異世界感は明らかに際立っています。それは、彼らがメソポタミアという人類の素晴らしさ、そして愚かさすべての始まりの地を大きな柱としているから。もちろん、彼らの音楽は PERIPHERY や GOJIRA のように実に新鮮でモダンで知的で重くダイナミックですが、同時にそこにはメソポタミアが育んだ太古の響きとドラマが潜んでいます。そうして彼らは、遥か昔の神話を現代に重ねるように、その音楽でも過去と現在を見事に出会わせていくのです。愚かな歴史は繰り返すのかもしれませんが、歴史から学べるのもまた、人間の良さなのですから。
今回弊誌では、Andy Gushin にインタビューを行うことができました。「キーウの状況はあまりよくないよ。 毎日、この都市はドローンやミサイルで攻撃されているんだ。だから、多くの人が安全を求めて防空壕に逃げ込んでいる。一方で、このような事態に嫌気がさし、危険を無視して家に留まり閉じこもっている人もいるんだ」ヘヴィ・メタルの轟音でも戦争の足音はかき消せないかもしれませんが、それでも私たちはこの優しい音楽と共に “浅はか” な思考回路を捨て去り、様々な世界に共感して文化を、そして平和を守っていくべきでしょう…どうぞ!!

KORYPHEUS “GILGAMESH” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MAWIZA : ÜL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AWKA OF MAWIZA !!

“Our Song Wingkawnoamestá Is Based On The Dance Of The Wemul (Deer). It Has a Syncopated Rhythm Because This Animal Has The Wisdom To Confuse Its Predators, It Even Makes a False Step.”

DISC REVIEW “ÜL”

「僕たちはヘヴィ・メタルやロックの自由の叫びから、大きな力とエネルギーを見出したんだ。これは偶然ではないと感じているよ。自然とその精霊はメタルの力に気づいている。マプチェの知識では、マプ(土地)は最も身近なエネルギーを使うと言われている。MAWIZA は土地に仕える者だからね」
チリ・アルゼンチンに暮らす先住民、マプチェ族。マプは土地、チェは人を意味し、文字通り自らの生まれ育った土地を守りながら生きる人々。インカ帝国にも、スペインにも屈することなく独立を貫き続けた誇り高きマプチェの民は、その土地の自然とスピリチュアリティを何よりも大切にしています。そしてその自然や精霊から得られる大きな力、エンパワーメントがメタルとシンクロすることに MAWIZA は気づいたのです。自由の叫びと共に。
「僕たちの言語、マプズグン(土地の言語)は、19世紀末に抑圧されたため、現在復活の過程にあるんだ。マプズグンでフルアルバムをリリースすることは、それ自体がマプチェ復興のための活動であり、僕たちから奪われた場所を取り戻す行為でもある。
僕たちは、先住民の視点から現代の楽器を使用し、メタルを通じてこの活動を実践することで、エンパワーメント、力を得ている。それが、このアルバムで表現しようとしたものなんだ。
僕たちはマプチェの論理に基づいて音楽を構成しているから、自然、鳥、動物のリズム、海洋のパターンを模倣した音が聴こえるだろうね」
19世紀末、”アラウカニア制圧作戦” でスペインから独立したチリ政府に併合されたマプチェ族。以降彼らは、ピノチェトや国軍、大企業、もしくはヨーロッパから移住したチリのエリートから差別や迫害を受け、抑圧され、共に生き育てた自然を奪われていきました。マプズグンという彼らの言葉さえも奪われてしまいました。
いつの世も、植民者、征服者にとって先住民とは “なかったこと” にしたい存在です。それでも、マプチェとメタルには並外れた回復力、反発力、レジリエンスが宿っていました。MAWIZA はマプチェの言葉で歌い、マプチェのメタルを奏でることで、民族の復興を願っているのです。
「マプチェのリズムは先祖から受け継がれたもの。僕たちは、こうしたダンスを動物、風、海から学んだんだ。それはマプチェの民のコミュニティによって異なるんだよ。例えば、僕たちの曲 “Wingkawnoamestá” は、ウェムル(鹿)のダンスを基にしている。鹿は捕食者を混乱させる知恵を持ち、偽のステップを踏むため、シンコペーションのリズムが特徴となっているよ。実際、自然はメタルだよ」
そう自然はメタル。マプチェ復興の強い意志が込められた MAWIZA の最新作 “ÜL” には、雷のような轟音、風や海と地を揺るがすグルーヴ、情熱の炎と先祖から受け継いだ知恵とスピリチュアリティが織り込まれています。”ÜL” の詠唱はまさに土地の声。”Wingkawnoam” はインダストリアルで現代的なビートで進行しますが、その音はマプチェの儀式用ドラム “Kultxung” で叩き出されています。 Kultxung は神聖な楽器。シャーマンがこのドラムを叩くとき、彼らは空のエネルギーを受け取り、それを大地に伝えると言われています。
そうして彼らはシャーマンの言葉、先祖の夢託により、鹿のステップをプログレッシブなリズムに落とし込みました。自然の力である鹿を自らに見立て、植民者たちの目を撹乱するために。そう、マプチェの土地は今でも自然との共存とは程遠い開発業者の侵食に脅かされています。それでも、MAWIZA は先祖や長老から受け継いだ知恵、そして自然とメタルのエンパワーメントで力強い抵抗を続けていきます。彼らが紡ぐのは、血に飢えた征服者の目ではなく、土地と生きる先住民の目から見た歴史。
今回弊誌では、ボーカリスト Awka にインタビューを行うことができました。「MAWIZA とは “山” を意味する。現在僕たちが住むピクン・マプ(北部の土地)では、アンデス山脈が圧倒的な規模で広がっていてね。毎日、太陽がアンデスの背後から昇る光景は息をのむほど美しいものだ。冬には雪に覆われ、時にはピューマが山から下りてくる。森と山は多くの命が交わる場所。そこでは水、滝、多様な樹種、薬草、動物が共存しているんだよ」GOJIRA の Joe Duplantier もゲスト参加。どうぞ!!

MAWIZA “ÜL” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IMPUREZA : ALCÁZARES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LIONEL CANO MUNOZ OF IMPUREZA !!

“Metal And Flamenco…Two Worlds That Seem To Be Opposites, But Which Share The Same Intensity, The Same Pain, The Same Rebellion. It’s This Mixture That Forged The Guitarist I Became.”

DISC REVIEW “ALCÁZARES”

「非常に美しい進化だと思うよ。メタルはついに、これまで以上にユニバーサルなものになりつつあるんだからね。各言語には歴史、色、文化があり、それを使用する者にリズムを与える。スペイン語は、僕たちの歌詞に特有の音楽性をもたらし、ドラマチックで激しく暴力的な側面を与え、メタルの力とフラメンコの強度を自然に融合させてくれるんだ」
BLOODYWOOD や THE HU の台頭により、メタルに宿る生命力、包容力、感染力がついに可視化されました。今やメタルに第三世界はありません。その大いなる寛容さで様々な地域、様々な人々の文化を暖かく包み込み、メタルの咆哮と旋律に共感を誘います。
“ヒスパニック・メタル” を標榜する IMPUREZA も、そんなユニバーサルなモダン・メタル世界を象徴するバンドのひとつ。フランスとスペインの伝統の炎…その熱き血潮で鍛えられた IMPUREZA は、エクストリーム・メタルとフラメンコの情熱的で激しい融合を20年もの長きに渡って、追求してきました。そして今、イベリア半島のアイデンティティを刃物のように操り、自らのルーツをメタルの中に浸透させた彼らの勇気に遂に時代が追いついたのです。
「僕はフラメンコとメタルという、非常に強力な2つの世界の間で育ったんだ。家ではパコ・デ・ルシア、カマロン・デ・ラ・イスラといったスペインのギター音楽を聴いていたんだよ。一方で、METALLICA, PANTERA, SLAYER, MORBID ANGEL, TESTAMENT, NILE などにも完全に浸っていた。一見対立する二つの世界だけど、同じ情熱、同じ苦悩、同じ反逆の精神を共有しているんだよ。このふたつのミックスが、ギタリストとしての僕を形作ったんだ」
そう、一見交わらないように思える様々な道を交わらせるのがメタルの力。しかし、そもそもフラメンコとメタルには、情熱、苦悩、そして逆境を跳ね返す回復力といった多くの共通項が存在しました。だからこそ、今回のインタビューイでありイベリアのギター・ヒーローLionel Cano Muñoz は PANTERA とパコ・デ・ルシアを同時に愛することができたのです。
「フラメンコには深い、悲劇的で、感情的、本能的な精神がある。メタルには、この解放的な音楽の力を通じて、僕たちの中に埋もれたエネルギーをアウトプットする能力がある。ただしふたつとも複雑な音楽で、多くの厳格さを必要とする。勇気は、この絶対的な誠実さから生まれてくるんだ」
とはいえ、これほど精巧で、荘厳で、ドラマティックなヒスパニック・メタルはまさに前人未到の領域。誰も踏み入れたことのない場所を開拓するためには勇気が必要です。そして、NILE や BEHEMOTH のように凶悪でありながら、OPETH のように挑戦的で、パコ・デ・ルシアのように革命的で苦悩と歓喜に満ちた “La Orden del Yelmo Negro” は、絶対的な勇気の歌。あの Jacob Hansen 指揮の下、見事に練られたクラシカルなストリングスとリズミックなパーカッションが、メタルの “レコンキスタ”、再征服を誇り高く宣言します。そしてもちろん、フレットレス・ベースの嗎はプログレッシブなデスメタルの矜持。
「スペインの歴史には、その偉大さと衰退の両方が刻まれている。政治的、宗教的、さらには神秘的な対立が多くの不幸の根源だけど、そうしたテーマは僕たちの創作に無限のインスピレーションを与えてくれる。僕たちは戦争を美化しようとしているわけではなく、その精神的、文化的、人間的な共鳴を探求しているんだ。戦争は確かに暴力的なものだけど、同時に深くて象徴的なものだと思う」
常にイベリアの歴史を物語ながら、ある種の教訓をもたらしてきた現代の吟遊詩人 IMPUREZA。今回のアルバム “Alcázares” で彼らは、血と死が今よりもはるかに近くにあった中世、レコンキスタをテーマに選びました。キリストとイスラム…血塗られた歴史と神秘が交錯する宗教と戦いのストーリー。争いから始まった文化と人の流動性はいつしか成熟され、洗練され、多様な背景を持つ人々を生み出し、ルネサンスの下地にもなりました。血と死に導かれたレコンキスタはまさに、メタルとフラメンコの “不純な” 婚姻にも似て、多文化共生、異文化共鳴の始まりでもあったのです。
今回弊誌では、Lionel Cano Muñoz にインタビューを行うことができました。「メタルは世界を変えることができない。それはたしかだ。だけど、ニュース、本、映画とは全く異なるチャンネルを通じて物語を伝えることならできる。そうやって、いつも僕たちに “逃避” する場所を与えてくれるんだ。メタルはおそらくこの世界におけるユニバーサルな言語であり、表現における最高の武器なんだ!」どうぞ!!

IMPUREZA “ALCÁZARES” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DARKASIDE : DECADE OF CRISIS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOSHUA MAYUM OF DARKASIDE !!

“Kakarot Is My Favorite Hero, He Is a Force That Knows No Fear, He Always Challenges Himself And Fights For Others That Need Help, As a Kid I Always Wanted To Be Like Goku And Stand Up For Others”

DISC REVIEW “DECADE OF CRISIS”

「カカロットが僕の一番好きなヒーローなんだ。彼は恐れを知らない存在で、常に自分自身に挑戦し、助けを必要とする他者のために戦う。子供の頃、僕は常に悟空のように他者のために立ち上がることを望んでいたんだよ」
誰にでも、幼いころに勇気や優しさをもらったヒーローはいるはずです。もしかしたら、そうしたヒーローから “生き方” のお手本を示してもらった人もいるかもしれませんね。パプア・ニューギニアで抑圧をうけるブーゲンビルの DARKASIDE は、恐れ知らずで、自分に挑戦し、弱いもののために立ち上がる生き方をドラゴンボールの悟空から受け継ぎました。そう、もちろんメタルも誰かのヒーローになれるのです。
「この曲はブーゲンビルの人々に対して、危機を乗り越えて戦った人々や命を落とした人々の犠牲を忘れないよう、また現在も独立のために戦っている人々へのメッセージとリマインダーなんだ。抑圧と弾圧の下でも、ブーゲンビルの人々は互いを支え合い、教育、仕事、ビジネスに努力し、自己を向上させることで、この不条理を克服しなければならないことをね。現在のパプア・ニューギニア政府は、ブーゲンビルが資源(金、銅、カカオなど)に富むため、僕たちの島を富と収入の源と見なし、独立を渋っているんだ」
世界でも最も文化的・人種的・言語的に多様な国の一つといわれる異色の地、パプア・ニューギニアの中でもブーゲンビルはさらに異色の地です。首都ポートモレスビーのあるニューギニア島から離れた場所にあるブーゲンビル島は、鉱物や海洋資源が豊富。その資源は国の主な収入源のひとつとなっています。特に巨大なパングナ鉱山は国の生命線。しかし、政府によるその利益の分配が不公平だとブーゲンビル人は怒り、独立を求めています。内戦まで発展したそのブーゲンビル危機の裏側には、肌の色、言葉、文化の違いで抑圧を受け続けたブーゲンビルの人々の怒り、反骨精神、逆境を乗り越える回復力が存在しました。そしてその回復力は、まさにヘヴィ・メタルに宿る力。
“Decade of Crisis” はそのブーゲンビル危機をテーマとした楽曲です。ただし、DARKASIDE は争いや暴力による解決を求めているわけではありません。友と互いに支え合って高め合い、己を磨き、自己実現を果たしていく中で、権利を主張し譲歩を求める。それはまさにドラゴンボールの修行と武道会。そして、不条理を跳ね退けた先に待っているのは、きっと悟空とベジータのように互いを認め合う心なのかもしれませんね。
「僕たちはメタルを愛しているけど、僕たちはパプア・ニューギニア人であり、より具体的にはブーゲンビル人だ。僕たちは地元の伝統、文化、民話、言語(トク・ピジン/ナシオ)も大切にしているんだよ。こうした文化すべてが非常に重要で、可能な限り自然にメタル・ジャンル(カナカ・メタル)と融合させようと努めているよ。伝統とメタルは、それぞれの地域にとってリアルで忠実なものだから、よく調和するんだ。だから、人々は BLOODYWOOD や SEPULTURA の音楽スタイルに共感するんだよ」
重要なのは、DARKASIDE が理想だけを語る絵に描いた餅、机上の空論のような存在では決してないことです。彼らの音楽には明らかに、人を惹きつける何かがあります。Nu-metal と伝統音楽の類稀なる蜜月。BLOODYWOOD が蒔いたリズミックでフォーキッシュなメタルの種は今、世界中で芽吹こうとしています。そう、世界各地の文化、音楽、言語を吸収するセルのような力こそ、メタルの生命力にして真骨頂。今やメタルに第三世界はありません。ゆえに、そんなモダン・メタルの申し子ともいえる DARKASIDE が、5年後に BLOODYWOOD と肩を並べていたとしても決して不思議ではないのです。
今回弊誌では、フロントマン Joshua Mayum にインタビューを行うことができました。「メタルは、男女の関係について歌ったり、派手なライフスタイルや富を追求したり、この世界の快楽に浸るためのものではない。この音楽は、正義と平等を求める戦いの叫びであり、僕たちが日常の生活で直面する現実の状況と闘い続けるための武器なんだよ」 どうぞ!!

DARKASIDE “DECADE OF CRISIS” : 10/10

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