EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ISABEL “IZZY” JOHNSON OF CONQUER DIVIDE !!
“The Metal Community Is a Great Escape For People Because The Music Has So Much Energy And The Listeners Are So Welcoming To One Another. We Can Be Outcasts…But We Are Outcasts Together!”
DISC REVIEW “SLOW BURN”
「メタル・コミュニティは人々にとって素晴らしい逃避場所よ。なぜなら、メタルにはエネルギーが溢れているし、リスナーたちはお互いを歓迎しているからね。そうね、私たちは社会から追放されることもある……でも私たちは一緒に追放されているから大丈夫なんだよ! 」
分断された社会やパンデミックで、孤独に苛まれる世界。誰もそばにいない、誰もわかってくれない、誰も手を差し伸べてくれない。誰もが社会から一瞬で “追放” され、転がり落ちる危険をはらんだ世界で、メタルの叫びはきっと蜘蛛の糸。君はひとりじゃない。自らも社会から疎外された経験を持つ CONQUER DIVIDE はそうして様々な孤独の檻を、”Slow Burn” 緩やかな優しさの炎で燃やしていきます。
「私たちはみんな BRING ME THE HORIZON のファンなのよ。みんなと同じように、ミュージシャンも変化する。アーティストとして、何度も何度も同じような古い音楽を作るのはファンに対する冒涜だから」
長い活動休止を経て復活した国際的な5人組 CONQUER DIVIDE は、さながらリスペクトを捧げる BRING ME THE HORIZON のように豊かな成熟を遂げていました。クラシックなメタル・コアから、洗練と実験のオルタナティブへ。色彩と幅が広がった5人の音楽は、5人の内面や経験を語ることでさらに新たなレベルのカタルシス、芸術性、内省をもたらし、物語のメタル・コアとして孤独に挑むことになりました。
「”gAtEkEePer” は基本的に、私たちが女性だけのバンドであることを理由に、私たちを粗末に扱ってきた業界関係者や同業者すべてに対して立てた中指なの。それは、常に女性がフロントマンを務める音楽をブロックしようとする音楽業界のゲートキーパーたちに直接向けられたものよ」
CONQUER DIVIDE にとって新時代の到来を告げるこのエモーショナルでヘヴィなアルバムには、リスナーの心を揺さぶる感情や傷が幾重にも含まれています。そんな傷の中でも “いじめ” は一つの大きなトラウマとして常に語られています。
女性であることで拒絶され、SNS で誹謗中傷された傷。学生時代に文字通りのいじめを受けた傷。そうした “傷” は、加害者が思うよりも長く、永遠のように心の中に燻り続けることを彼女たちは知っています。だからこそ、ここでバンドもアンセムで、バラードで、そしてメタル・コアの叫びでその負の感情を解放し、同じような悩みでもがき続けるリスナーにも感情の解放を促しました。
“いつまでも過去にとらわれず、前へ進もう”。そうしてCONQUER DIVIDE は、”INVISIBLE” で世界から “透明人間” “のけもの” として傷ついた過去を捨て去り、みんなで未来へ進もうと呼びかけるのです。一緒なら大丈夫と抱きしめながら。
今回弊誌では、ギタリストの Isabel “Izzy” Johnson にインタビューを行うことができました。「10代の頃はアニメをよく見ていたし、J-ロックにもハマっていて、2008年にはロンドンでMIYAVI を見たよ。MIYAVI を見て14~15歳の頃のようなギターを弾く情熱が戻ってきたんだよ。正直なところ、MIYAVI の影響がなかったら、今の私は音楽をやっていなかっただろうね!」 どうぞ!!
CONQUER DIVIDE “SLOW BURN” : 9.9/10
INTERVIEW WITH IZZY
Q1: First of all, it took quite a long time between your first album and the release of “Slow Burn”. I know many of your fans have been waiting for this, but why did it take so long?
【IZZY】: Our debut album was released in the summer of 2015 and we toured with that music up until the end of 2017. A few things slowed down the release of our second album such as lineup changes, the pandemic and life simply getting in the way. We seriously started writing the second album probably around 2019 and in 2020/2021 we released the songs Chemicals/Bad Guy/Messy/Bad Habits (which didn’t end up being on Slow Burn, they are an inbetween album era!). Towards the end of 2021 we had actually written/recorded most of our second album in the studio. In 2022 we added the songs “N E W H E A V E N”, “the INVISIBLE” and “Over it.” to the record and finnaaaalllllyyyy were able to release Slow Burn in September 2023. We never intended for it to take this long but we are excited that it’s released!
Q1: まず、ファースト・アルバムから “Slow Burn” のリリースまでかなりの時間がかかりましたね。多くのファンが待ち望んでいたと思いますが、なぜそんなに長くかかったのでしょうか?
【IZZY】: デビューアルバムは2015年の夏にリリースされ、2017年末まであのアルバムのツアーを行っていたの。ラインナップの変更、パンデミックの世界的大流行で単純に生活に支障が出るなど、いくつかのことが重なってセカンドアルバムのリリースを遅らせてしまったのよ。
おそらく2019年頃から真剣にセカンド・アルバムの作曲を始め、2020年/2021年に “Chemicals/Bad Guy/Messy/Bad Habits” をリリースしたわ。結局それは、”Slow Burn” には収録されなくて、つなぎのような形になった。2021年末には、セカンド・アルバムのほとんどをスタジオで作曲/レコーディングしていたわ。そこから、2022年には “N E W H E A V E N”、”the INVISIBLE”、”Over it.” を追加し、2023年9月にやっと “Slow Burn” をリリースすることができたの。こんなに時間がかかるとは思っていなかったけど、リリースできて興奮しているわ!
Q2: Your musicality has changed a lot in this long time.” Slow Burn” is a very diverse and alternative album that can no longer be pigeonholed into just the metalcore genre. How did these changes come about?
【IZZY】: We are a band of 5 individuals, and we all like to listen to different kinds of music from pop to death metal. We wanted to create a varied album that reached a broad audience and I truly believe there is a song for everyone on this album!
Q2: この長い時間の間に、あなたたちの音楽性も大きく変化を遂げました。”Slow Burn” は非常に多様でオルタナティブなアルバムで、もはやメタルコアというジャンルだけに括ることはできません。こうした変化は、どのようにして生まれたのでしょうか?
【IZZY】: 私たちは5人編成のバンドで、みんなポップスからデスメタルまで様々な音楽を聴くのが好きなのよ。幅広いオーディエンスに届くようなバラエティに富んだアルバムを作りたかったし、このアルバムにはどんな人にも響く “みんなのため” の曲があると心から信じているわ!
Q3: Interestingly, Bring Me The Horizon, who were the standard bearers of metalcore, have also diffused their musicality to arrive at a very alternative music, haven’t they? Were you aware of them?
【IZZY】: Yes, we are all fans of Bring Me The Horizon’s music. Just like everybody, musicians change. As artists it would be a disservice to the fans to create the same old music over and over and over again.
Q3: 興味深いことに、メタルコアの旗手であった BRING ME THE HORIZON もまた、その音楽性を拡散させ、非常にオルタナティヴな音楽に到達しましたね?彼らの動向は気にかけていましたか?
【IZZY】: ええ、私たちはみんな BRING ME THE HORIZON のファンなのよ。みんなと同じように、ミュージシャンも変化する。アーティストとして、何度も何度も同じような古い音楽を作るのはファンに対する冒涜だから。
Q4: “Slow Burn” includes the song “gAtEkEePer.” Is this a song against the gatekeepers of the metalcore genre? Or is it a rebellion against the racists who make fun of the fact that this is an all-female band?
【IZZY】: “gAtEkEePer” is basically a middle finger to all of the industry professionals and peers who have treated us poorly because we are an all-female band. It’s directed to gatekeepers in the music industry who constantly try to block female fronted music.
Q4: “Slow Burn” には “gAtEkEePer” “門番” という曲が収録されています。これはメタル・コアというジャンルのゲートキーパーに対する歌なのでしょうか?それとも、このバンドが女性だけのバンドであることを揶揄する差別主義者への反抗なのでしょうか?
【IZZY】: “gAtEkEePer” は基本的に、私たちが女性だけのバンドであることを理由に、私たちを粗末に扱ってきた業界関係者や同業者すべてに対して立てた中指なの。それは、常に女性がフロントマンを務める音楽をブロックしようとする音楽業界のゲートキーパーたちに直接向けられたものよ。
Q5: And the wonderful “Slow Burn” is an album that totally stokes the flames of defiance, isn’t it?” The Invisible” is about bullies. Bullying is a serious social problem in Japan, and there is no end to the number of children who commit suicide due to the pain and trauma. Can heavy metal be an escape for these people?
【IZZY】: Yes, bullying is a huge problem everywhere…. it is so sad and it’s exactly what we wrote the INVISIBLE about. The metal community is a great escape for people because the music has so much energy and the listeners are so welcoming to one another. We can be outcasts…. but we are outcasts together!
Q5: この素晴らしき “Slow Burn” は、抑圧されたものたちが反抗の炎をじわじわと燃え上がらせるようなアルバムですね。”The Invisible” であなたたちはいじめについて歌っています。日本でも、いじめは深刻な社会問題となっていて、その痛みやトラウマから自殺する子供が後を絶ちません。ヘヴィ・メタルは、そんな人にとっての、逃避先となり得るでしょうか?
【IZZY】: そうね、いじめはどこでも大きな問題よね……それはとても悲しいことで、私たちが “INVISIBLE” を書いたのもまさにそれが原因なの。
メタル・コミュニティは人々にとって素晴らしい逃避場所よ。なぜなら、メタルにはエネルギーが溢れているし、リスナーたちはお互いを歓迎しているからね。そうね、私たちは社会から追放されることもある……でも私たちは一緒に追放されているから大丈夫なんだよ!
Q6: On the other hand, “welcome2paradise” is about global warming. It seems to be having a great impact on your part of Michigan, doesn’t it? That’s why it’s important to draw attention to such issues through music, would you agree?
【IZZY】: Yes I totally agree! That is why we wrote about more serious topics in this album because music is powerful and can start conversations that need to be had. welcome2paradise, system_failure and playing w/ fire are some examples of “serious” songs on the album.
Q6: 一方、”welcome2paradise” は地球温暖化をテーマにしています。ミシガン州のあなたの地域にも大きな影響を与えているようですね?だからこそ、音楽を通してこうした問題に注意を喚起することは重要ですね?
【IZZY】: そうだね!音楽には力があるし、そこから必要な会話や議論を始めることができるからね。だからこそ、私たちはこのアルバムで、シリアスな話題を取り入れることにしたの。
“.welcome2paradise”, “system_failure”, “playing w/ fire” などは、アルバムに収録されている “シリアス” な曲の一例よ。
Q7: The world is full of malice and violence with wars , SNS and divisions. This album at least caters to the metal “outcasts” who want to be kind and tolerant in such a world, right?
【IZZY】: Yes! We absolutely love our listeners and are proud of the Conquer Divide community we have created. We have a great facebook group called “Conquer Divide Litposting” and we just launched a Patreon. We are happy that a lot of our listeners have become friends.
Q7: 世界は戦争、SNS、分裂など悪意と暴力に満ちています。つまり、このアルバムは少なくとも、そんな世界でも優しく寛容でありたいと願うメタルの “はみ出し者 “に応えるものですね?
【IZZY】: そうだね!私たちはリスナーを愛しているし、私たちが作り上げた “Conquer Divide コミュニティ” を誇りに思っているの。Conquer Divide Litposting という素晴らしい facebook グループもあるし、Patreon も立ち上げたばかり。多くのリスナーが友達になってくれたことをうれしく思っているわ。
Q8: Japan also has Hanabie, a diverse girls-only band with metalcore undertones. Are you interested in Japanese music, games, or anime?
【IZZY】: Yes! They are so cool.
As a teenager I watched a lot of anime and was into J-rock music and in 2008 I saw Miyavi in London. Even though I don’t listen to a lot of Japanese music anymore, it sparked passion back into my guitar playing when I was about 14/15. Honestly without it’s influence I wouldn’t be playing music today!
Q8: 日本には、あなたたちと同様に、メタル・コアを基調とした多様なガールズ・オンリー・バンドの Hanabie もいます。そうした日本の音楽やゲーム、アニメに興味はありますか?
【IZZY】: あるよ!彼女たちはとてもクールよね。
10代の頃はアニメをよく見ていたし、J-ロックにもハマっていて、2008年にはロンドンでMIYAVI を見たよ。今は日本の音楽をあまり聴かなくなったけれど、MIYAVI を見て14~15歳の頃のようなギターを弾く情熱が戻ってきたんだよ。正直なところ、MIYAVI の影響がなかったら、今の私は音楽をやっていなかっただろうね!