EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MESSA !!
“Off Course In Messa All These Elements Are Somewhat Used As Contrast, Or As a Way To Expand The Sonoric Palette We Have At Our Disposal. Contrast Is a Very Important Thing In Our Music.”
DISC REVIEW “CLOSE”
「私はジャズやブルース、そして70年代のロックが好きなんだよね。それが私の主なバックグラウンド。もちろん、MESSA ではこれらの要素はすべてコントラストとして、あるいは私たちが自由に使える音のパレットを広げるための方法として使っているんだ。対比は、私たちの音楽にとってとても重要なことだから」
モダン・メタル世界に育まれる金の卵は途切れることがありません。その並外れた生命力と感染力によって、世界中どんな場所からも多様な才能は産声をあげ続けています。
ポスト・メタル、プログ・メタル、ドゥーム、ジャズ、クラシック・ロックが地中海を駆け巡る MESSA も、メタル以上にプログレッシブ・ロックで名を馳せたイタリアからの意外な天啓です。彼らの登場で、メタルにおけるエレガンスと力強さは対極にあるのではなく、真に両立するものだという仮説がついに証明されたのです。
「私たちがナクのことを知ったのは、E・M・シュッツが撮影した1930年代の写真を見つけたのがきっかけだった。その写真から、私たちが “Close” で表現したい気持ちが強く伝わってきたから、あの写真をアルバムのジャケットにすることにしたの。このダンスはとても魅力的で、強烈で、一目惚れしたのよね。”Pilgrim” のビデオにナクのパフォーマンスを入れるのも自然な流れだったわ」
一際目をひくアートワーク。アルジェリア/チュニジアの女性が踊る躍動感あふれる伝統的なダンス “ナク” の写真は、自らを “地中海人” と名乗る MESSA にとって素晴らしい名刺代わりとなりました。芸術は世界中の誰もが自身の受け止め方で等しく鑑賞でき、等しく制作できるべき聖域。私たちは思うよりも “近い” 存在だから。
そんな想いが込められたアルバム “Close” には、彼らの基盤であるヨーロッパだけでなく、アフリカ、アラブ、地中海を囲むすべての地域のアートが “壁” を超えて見事に落とし込まれているのです。
「地中海音楽の伝統とロックやメタル音楽を融合させることは、私たちにとって全く簡単なことではなく、大きな挑戦だったよ。最も困難なことのひとつは、それぞれの要素のバランスを見つけることだった…。時には、カミソリの刃の上を歩いているような気分にもなったよね。ウードは微分音のフレットレス楽器だから、演奏するのに大変な努力が必要だったしね」
地中海全域の音楽から影響を受けた “Close” は、リスナーを音楽で “旅” へと連れ出す役割を与えられています。オリエンタルなサウンドを取り入れた重厚でダークなローラーコースター “Dark Horse”、アルメニアから地中海の東部に広がったドゥドゥクが活躍する “Orphalese” (レバノンの詩人、ハリール・ジブランの詩にちなんでいる)、そしてウードとダルシマーが巧みに踊る “Hollow” から “Pilgrim” の濃密な流れ。肉感的で巨大なロックの山脈から地中海へと流れ出す厳かな水脈によって、MESSA の儀式は急速にその真実味を帯びていきます。
「私は、すべての音楽家がまず良いリスナーでなければならないと思っているんだ。そうすれば、ある時点で、願わくば、本当に感動した音楽が自分の演奏や作曲の中に出てきてくれるかもしれないからね。そうだな、少なくとも私はそうありたいと願っているよ」
そうして “Close” は、場所だけでなく、時間も旅していきます。さながら、ナクとヘッド・バンギングを隔てるのが悠久の時だけであるかのように。すべてのメンバーが “良きリスナー” である MESSA は、60年代の輝かしいモダン・ジャズ、70年代の堂々たるクラシック・ロックを現代的なメタルの理論に憑依させていきました。そうすることで、ドゥームの陰はより深く、ポスト・メタルの景色はより色濃く、そしてプログ・メタルの知性はより高尚に発展することとなりました。
当然そこには、21世紀のビリー・ホリデイこと Sara, 音楽院でブルースとジャズを極めた後南スペインでフラメンコに魅了された Alberto をはじめ、全員の突き抜けた技量があってこそ。オープナーの完全無欠のジャズギター、”Rubedo” に垣間見るモンゴメリーのオクターブ奏法、”0=2″ に鳴り響く4ビートなど音楽的な実験は尽きることがありませんね。
今回弊誌では、MESSA にインタビューを行うことができました。「芸術の世界で女性であることは、時に困難を伴うけれど、私は常に平等でありたいと願っているわ。性別に関係なく自分の生き甲斐、私の場合は音楽で評価されたいの。時々、私の外見に関する無駄なインターネット・コメントにぶつかることがある。私の外見が私の芸術性に強く関係していると感じる人がいるようでね…もうひとつ嫌いなのは、”フィーメール・フロント” という言葉。そんなことはどうでもいい。クソくらえよ!私は他の人たちと同じように音楽をやっているだけなんだから」 どうぞ!!