EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JONAS RENKSE OF KATATONIA !!
“I Don’t Really Mind The Different Tags People Put On Our Music. We Can Only Do The Music That Keeps Us Inspired And It Doesn’t Matter What Genre It’s Supposed To Be.”
DISC REVIEW “SKY VOID OF STARS”
「すべてのアルバムは新しい章であり、作曲やレコーディングをしている間は、そのアルバムが将来的にどんな意味を持つかなんて考えていない。僕らははただ “今” にいて、自分自身を凌駕しようとしている。作ったアルバムがディスコグラフィーの名作になるかどうかは、歴史が示してくれるだろうね」
KATATONIA、そして Jonas Renkse は、”時代” という言説をあまり信用していません。正直なところ、多くのバンドはそうではありません。そして、KATATONIA というアーティストは、自身をリスナーとは全く違った “今” というレンズで作品を見ています。
「僕らの音楽に付けられる様々なタグはあまり気にしていないんだ。僕らが生み出せるのはインスピレーションを維持できる音楽だけで、それがどんなジャンルであろうと関係ないんだからね」
ゴシック・ドゥームやデスメタルに生を受け、アトモスフェリックなダーク・メタル、ポスト系の音作り、アンビエント、フォーク、プログレッシブと、時に鋭く、時に溶け合いながら、万華鏡のごとくそのサウンドを変化させてきた KATATONIA。リスナーからすれば、アルバム間の区別、つまり “Brave Murder Day” と “Discouraged Ones”、”Last Fair Deal Gone Down” と “Viva Emptiness” 、”The Great Cold Distance” と “Night Is the New Day” 、さらにそこから “Dead End Kings” とのリリースを隔てる、ほとんど断崖絶壁のような決定的 “違い” は、何らかの意識的な決断が働いていると思わざるを得ません。しかし、Jonas はインタビューの中で、そうではなく、KATATONIA の各アルバムは明らかに、一つの芯となる同じ DNA を共有していることを明かしています。それは、彼らの象徴である鴉に宿る暗がりで、メランコリーで、憂鬱。ただし、そんな KATATONIA にも、皮肉なことに “時代” の風を受けた変化の兆しが現れています。
「音楽は常に苦しい現実からの慰めと逃避を提供してきた。そして今もそうだ。音楽という、苦難から乖離した聖域を作り出すことのできる力。その一部になれたことを、僕はうれしく思うよ」
パンデミックや大きな戦争、分断という未曾有の苦難は、KATATONIA の活動、そして Jonas の心にこれまで以上の暗い影を落としました。自分にできることは何なのか。Jonas がたどり着いた結論は、音楽で逃避場所という “サンクチュアリ” を作ること。
“Sky Void of Stars” で私たちは、間違いなくそれを聴くことができます。分厚いベース、轟くメランコリー、そして寂しげなギターはたしかに、今でも彼らのサウンドの大部分を占めています。しかし、”Opaline” が示唆するノスタルジックで、きらびやかで、重厚なシンセの虹空は、エモーショナルなコーラスと相まって、明らかに、苦境に立つリスナーへと寄り添う KATATONIA の新たなサンクチュアリでしょう。
もちろん、プログレッシブな “Austerity”、アンセミックな “Birds”、アトモスフェリックな “Sclera” は過去の残響。しかし、その残響にはすべて、”優しさ” という新たな魅力が加味されています。星のない空などを望む人はいないでしょう。エネルギッシュでありながら瞑想的な優しき名作。そう、KATATONIA は常に挑戦し、今を生きるメタル世界では稀有なるバンドなのです。また、アルバムを締めくくる、6/8の変幻自在なバラードが素晴らしい…
「Mikael Akerfeldt との “聴き合い” の儀式は今でもやっているよ。楽しい儀式だし、最近は集まってつるむための理由という意味の方が大きいかもしれないね。OPETH と KATATONIA は今でも多くの影響を共有しているけれど、ささやかで恵まれない始まりから間違いなく違う道を歩んできているよ」
そんな KATATONIA の初来日が遂に決定しました。”Better Late Than Never”。ボーカリスト Jonas Renkse の、OPETH の Mikael Akerfeldt との親交の深さ (“Brave Murder Day” のボーカルはほとんどが Mikael のもの) 、音楽性の近しさは有名な話ですが、それ以外にも、AYREON や Bruce Soord との WISDOM OF CROWD への参加など、彼の歌声に対するミュージシャンからの信頼は絶大なものがあります。Mr. エモーショナル。Jonas Renkse です。どうぞ！！
KATATONIA “SKY VOID OF STARS” : 10/10
INTERVIEW WITH JONAS RENKSE
Q1: First of all, you have decided to tour Japan for the first time! It is very surprising that this is your first visit to Japan, despite your very long career. How do you feel now?
【JONAS】: Very excited. As you say, it’s going to be our first time, and to visit and play Japan is something we’ve been waiting to do since the 90’s.
Q1: まず最初に、KATATONIA は今回、初めて日本を訪れることになりましたね！長いキャリアがありながら、今回が初来日というのはとても意外です。
【JONAS】: とても興奮しているよ！君の言う通り、初めての来日だし、日本を訪れて演奏することは、90年代からずっと待ち望んでいたことだからね！
Q2: Are there any aspects of Japanese culture, traditional or recent, anime, video games, or music that interest you? Are there any places you would like to visit in Japan?
【JONAS】: Unfortunately our visit is very brief so I don’t think we have the time to visit anything specific, but of course we are looking forward just to feel the atmosphere and also eat the Japanese food that we all already love.
Q2: 日本の伝統的な文化、もしくは最近のアニメ、ビデオゲーム、音楽など、興味があるコンテンツはありますか？日本で行ってみたい場所はありますか？
【JONAS】: 残念ながら今回の滞在はとても短いので、具体的にどこかを訪れる時間はないと思うんだけど、もちろん日本の雰囲気を感じたり、僕たちがすでに大好きな日本食を食べたりすることは、とても楽しみにしているんだよ。
Q3: Katatonia is a band that has changed genre names at different times. I have a feeling you guys have been looking in basically the same direction for a long time, though. How do you feel about being called by different genre names?
【JONAS】: I don’t really mind the different tags people put on our music. We can only do the music that keeps us inspired and it doesn’t matter what genre it’s supposed to be.
Q3: KATATONIA は時代によって称されるジャンル名を変えてきたバンドです。しかし、それでも私にとってあなたたちは、基本的にずっと同じ方向を見ているような気がします。
【JONAS】: 僕らの音楽に付けられる様々なタグはあまり気にしていないんだ。僕らが生み出せるのはインスピレーションを維持できる音楽だけで、それがどんなジャンルであろうと関係ないんだからね 。
Q4: Katatonia was considered gothic doom and death metal until your second album. I believe that it was the song “Day” and Jonas’s overwhelming and wonderful emotional expression that inspired the band to go one step further, but what do you really think?
【JONAS】: It was a defining moment for sure and it helped us experiment further.
Q4: KATATONIA は、セカンド・アルバム “Brave Murder Day” まではゴシック・ドゥームやデスメタルだとみなされていました。私は “Day” という楽曲と Jonnas の圧倒的で素晴らしい感情表現が、そこからバンドをさらに一歩先に進ませるきっかけになったと思うのですが、実際のところどう思いますか？
【JONAS】: そうだね、確かに “Day” は決定的な瞬間だったし、あの曲があったおかげで僕たちはさらなる実験をすることができたんだ。
Q5: Speaking of the 2nd album, Mikael from Opeth was on it. It is rumored that you and Mikael play each other’s albums every time a new album is released. Do you still do that ritual? How do you feel about the differences between Opeth and Katatonia?
【JONAS】: Yeah we still do, it’s a fun ritual and maybe more of a reason to get together and hang these days. Opeth and Katatonia still share a lot of influences but we have definitely walked different paths since our humble beginnings.
Q5: セカンド・アルバムといえば、あの作品には OPETH の Mikael Akerfeldt が参加していましたね。あなたと Mikael は、新しいアルバムがリリースされるたびにお互いのアルバムを一緒に聴いているという噂があります。実際、今でもその儀式を続けているのですか？ また、OPETH と KATATONIA の違いについてはどう感じていますか？
【JONAS】: ああ、その儀式は今でもやっているよ。楽しい儀式だし、最近は集まってつるむための理由という意味の方が大きいかもしれないね。OPETH と KATATONIA は今でも多くの影響を共有しているけれど、ささやかで恵まれない始まりから間違いなく違う道を歩んできているよ。
Q6: At that time, Katatonia was often compared to the “Peaceville Three” (My Dying Bride, Paradise Lost, and Anathema), and in fact each band moved away from gothic doom and death metal towards more diverse and artistic music. Were you paying attention to what they were up to at the time?
【JONAS】: Of course, they have all been on our radar through the years as inspiration, peers and friends.
Q6: 当時、KATATONIA はよく “ピースヴィル・スリー”（MY DYING BRIDE, PARADISE LOST, ANATHEMA）とよく比較されていましたが、実際、それぞれのバンドは KATATONIA と同様に、ゴシック・ドゥームやデス・メタルから、より多様で芸術的な音楽へと向かっていきました。当時、彼らの動向に注目していましたか？
【JONAS】: もちろん、彼らは皆、インスピレーションの源であり、仲間であり、友人として、長年にわたって僕たちのレーダーに映っていたよ。
Q7: Speaking of Mikael, I remember his rave reviews of “Night Is The New Day”. Is that a milestone for you as well, as an album that really showcases the “progressive” side of Katatonia?
【JONAS】: Hard to say. Every album is a new chapter and while writing and recording you don’t really think about what the album might mean in the future. You’re just there in the “now” trying to outdo yourself. History will show whether the albums you will become classics in the discography or not.
Q7: Mikael といえば、彼が “Night Is The New Day” を絶賛していたのを覚えていますよ。KATATONIA の “プログレッシブ” な側面を如実に示したアルバムとして、あなたにとっても重要な作品ですか？
【JONAS】: 何とも言えないね。すべてのアルバムは新しい章であり、作曲やレコーディングをしている間は、そのアルバムが将来的にどんな意味を持つかなんて考えていない。僕らははただ “今” にいて、自分自身を凌駕しようとしている。作ったアルバムがディスコグラフィーの名作になるかどうかは、歴史が示してくれるだろうね。
Q8: Since the current members were fixed in 2016, Katatonia seems to have always woven hope into the darkness. What do you think of their latest album, “Sky Void of Stars,” in particular, as a positive force in today’s fractured world of pandemics and war?
【JONAS】: Music have always offered comfort and a pause from reality. And it still does. I am happy to be part of something that can create a sanctuary from hardship.
Q8: 2016年に現メンバーが定まって以来、KATATONIA は常に暗闇の中に仄かな希望を織り込んできたように思います。特に最新アルバム “Sky Void of Stars” は、パンデミックや戦争で分断された今日の世界において、ポジティブな力を宿しているように思います。
【JONAS】: 音楽は常に苦しい現実からの慰めと逃避を提供してきた。そして今もそうだ。音楽という、苦難から乖離した聖域を作り出すことのできる力。その一部になれたことを、僕はうれしく思うよ。
FIVE ALBUMS THAT CHANGED JONAS’S LIFE!!
The Cure “Disintegration”
Morbid Angel “Altars of Madness”
Paradise Lost “Gothic”
Slowdive “Souvlaki”
Red House Painters “Ocean Beach”
MESSAGE FOR JAPAN
ついに日本へ行くことになったよ！できるだけ多くの人にライヴで会えることを願っているよ！ありがとう！
JONAS RENKSE
KATATONIA 来日公演
KATATONIA Facebook
https://www.napalmrecords.com/
