NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SADUS : THE SHADOW INSIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JON ALLEN OF SADUS !!

“We Didn’t Want To Get Board Playing The Same Songs So We Challenged Ourselves To Learn Stuff That Was Hard To Play To Keep Us Interested.”

DISC REVIEW “THE SHADOW INSIDE”

「当時はマスタード (テクニック) をデリ (メタル) に持ち込むバンドはあまりいなかったよね!(笑) 僕たちは、当時流行していた平凡なメタルのスタイルから自分たちのスタイルを切り離したかったんだ。それで、いわば限界に挑んだわけさ」
今でこそ、メタルといえばテクニカル、ストイックな技術の修練と自己研鑽が生み出す音楽というイメージが定着していますが、かつては必ずしもそうではありませんでした。もちろん、華やかなギターソロや、リズミックな瞬間はありましたが、楽曲を通して知性と異端を貫いたバンドはそう多くはありませんでした。
「”Swallowed in Black” は、練習に練習を重ねた全盛期に作ったからね。週7日、1日4~6時間練習していたよ。だけど、同じ曲ばかり演奏するのは嫌だったから、自分たちを飽きさせないために難しい曲に挑戦していたんだ」
ではなぜ、メタルはテクニカルで、知的で、異端な道に進んで行ったのでしょうか?あの百花繚乱なベイエリアでも、抜群のテクニックと推進力を誇った SADUS のドラマー Jon Allen はその答えを知っていました。
まず第一に、90年代に入って既存のメタルが時代遅れとなり、売れなくなったこと。売れなければもちろん、知名度を上げるために典型を脱出しなければなりませんし、平凡なままではジリ貧です。SADUS は当時、より限界を極め、テクニカルで複雑怪奇になることで、終焉を迎えつつあったメタル・パーティーからの差別化と進化を目指したのです。
同時に、同じリフや同じリズム・パターンを繰り返すことが多かった既存のメタルは、何度も演奏していると飽きてしまうと Jon は語っています。これは実に興味深い証言で、90年代初頭に枝分かれし、複雑化し多様化したメタル・ツリーの原動力が、ただリスナーへ向けてだけではなく、アーティスト自らの表現や挑戦のためだったことを示しています。
「プログ・スラッシュやテクデスを意図的にやろうとしていたわけじゃないんだ。僕たちはただ、70年代と80年代のアイドルから影響を受けたものを、自分たちの音楽で輝かせるためにそうしたヘヴィな枠組みを使っていただけなんだよ。有名どころだと、メイデン、ラッシュ、サバス、ジェスロ・タル、プリーストみたいなバンドの影響をね」
DEATH, CYNIC, ATHEIST といったバンドと並んで、テクニカル・メタルの開拓者となった SADUS にとって、奔放で自由な枠組みであったスラッシュやデスメタルは、特別都合の良い乗り物でした。悲鳴を上げるボーカルの狂気、プログレッシブな暴走、フレットレスのうねり、限界を突破したドラム、拍子記号の乱発。
規格外のメンバーが集まった SADUS は当時、前述のバンドたちほど人気を得ることはありませんでしたが、前述のバンドたちよりも奇々怪々でした。だからこそ、その壁を壊す “黒い衝動” が徐々に認められて、今では伝説の名に相応しい存在となりました。
「Steve Di Giorgio は他のプロジェクトで超多忙だったんだけど、僕たちはボールを転がし続け、サダス・マシーンを起動させなければならなかった。それでも、Steve を作曲とレコーディングのために招いたんだけど、今回はうまくいかなかったんだよね。それで、Darren と僕は前進し続けることにしたんだ」
2006 年以来となる新作 “The Shadow Inside” には、バンドの顔であったベーシスト、フレットレス・モンスター Steve Di Giorgio は参加していません。それでも、彼らは今でもスラッシュのやり方、メタルの壁の壊し方をしっかりと覚えています。
SADUS がかつてのような高みに到達する力があるのかという疑問符は、オープナーの怒涛なる一撃 “First Blood” から一掃されます。猫の目のリズム・チェンジこそ減りましたが、それを補ってあまりある洗練と強度。”The Shadow Inside” は年齢が単なる数字に過ぎず、好きと挑戦を続けることの強みを再度、力強く証明しました。
この作品には、Darren と Jon がなぜ “Tech-metal” の先陣を切ったのかを再確認させる大量のエネルギーと興奮が詰まっています。リフの饗宴、リズムの混沌、冷徹な知性に激しさの渦。スラッシュとデスメタル、2つの祭壇を崇拝する者にとって、SADUS は今も揺るぎない司教に違いありません。
今回弊誌では、Jon Allen にインタビューを行うことができました。「大事なのは、人生の決断の一点において、ソーシャルメディアを気にしないことだ。君の中にある影は、人生において何が真実なのかを見抜き、指摘することができるのだから」 どうぞ!!

SADUS “THE SHADOW INSIDE” : 9.9/10

INTERVIEW WITH JON ALLEN

Q1: Sadus’ history began in 1985. At that time, did you still start your band because of your admiration for Bay Area thrash metal?

【JON】: I would say yes to part of that, I think just the kill em all album from Metallica inspired a lot of the early thrash in the 80s in the Bay Area , bonded by blood , show no mercy, to name a couple more early releases That influenced us and a lot of Bay Area thrash bands then.

Q1: SADUS の歴史は1985年に始まりました。当時はやはり、ベイエリアの先輩スラッシュ・バンドに憧れて音楽を始めたのですか?

【JON】: ある程度はそうだね。METALLICA のアルバム “Kill em’ All” は特に、ベイエリアの80年代初期のスラッシュに影響を与えたと思う。あとは、EXODUS の “Bonded By Blood” や SLAYER の “Show No Mercy” といった初期の限られたアルバムが、僕らやベイエリアの後続スラッシュ・バンドの多くに影響を与えたんだ。

Q2: Then you guys became really technical and challenging legends bridging thrash and death metal! In your own mind, do you feel more comfortable with thrash or death metal?

【JON】: Well I think thrash was the 1st real fast and heavy music we were listening to , we had lots of death metal band friends that were inspiring, we didn’t plan to be a tech/ thrash Prog band . We just used our influences from our idles in the 70s and 80s to shine through in our music . Maiden, Rush, sabbath, Tull, priest, that’s just to name the commercial bands.

Q2: その後、あなたたちはスラッシュとデスメタルの架け橋となる、実にテクニカルで挑戦的な作品を作るようになりました。あなた自身の中では、SADUS を称する時、スラッシュとデスメタルのどちらがしっくりきますか?

【JON】: スラッシュは、僕らが聴いていた最初の本格的な速くてヘヴィな音楽だったと思う。でも、僕らにはデスメタル・バンドの友達がたくさんいて、彼らにも刺激を受けていたんだ。
だから、プログ・スラッシュやテクデスを意図的にやろうとしていたわけじゃないんだ。僕たちはただ、70年代と80年代のアイドルから影響を受けたものを、自分たちの音楽で輝かせるためにそうしたヘヴィな枠組みを使っていただけなんだよ。有名どころだと、メイデン、ラッシュ、サバス、ジェスロ・タル、プリーストみたいなバンドの影響をね。

Q3: At that time, there were few extreme metal acts as ferocious but technical as you guys. Why did you decide to pursue technical difficulties? And how do you feel about today’s technical metal?

【JON】: Yes not a lot of bands brought the mustard to the deli ! Haha! We wanted to separate our style from the medioker metal style that was out at that time so we pushed the envelope so to say.

Q3: 当時、あなたたちほど凶暴でテクニカルなエクストリーム・メタルはほとんどいませんでした。なぜ、こうしたヘヴィな音楽の中で、技術的な難しさを追求しようと思ったのですか?
また、現在のテクニカル・メタルについてどう感じていますか?

【JON】: そうだね、当時はマスタード (テクニック) をデリ (メタル) に持ち込むバンドはあまりいなかったよね!(笑) 僕たちは、当時流行していた平凡なメタルのスタイルから自分たちのスタイルを切り離したかったんだ。それで、いわば限界に挑んだわけさ。

Q4: “Swallowed in Black,” released in 1990, has gone down as an extreme metal classic in particular. In fact, I was shocked when I first heard it and still love it today. why do you think that album still gets “special treatment” more than 30 years later?

【JON】: Well we wrote the album we were in our prime with practice. We practiced 7 days a week 4 to 6 hours a day. And we didn’t want to get board playing the same songs so we challenged ourselves to learn stuff that was hard to play to keep us interested. Also we had just signed to road runner so we had that metal fever.
We also recorded a lot of that album live with no click track so it has a very natural flow to it that can’t be overlooked.

Q4: 1990年にリリースされた “Swallowed in Black“ は、あなたたちの作品の中でも特に、エクストリーム・メタルのクラシックとして語り継がれています。実際、初めて聴いた時は衝撃的で、今でも大好きなアルバムですよ!
30年以上経った今でも、あのアルバムが “特別扱い” されているのはなぜだと思いますか?

【JON】: あのアルバムは、練習に練習を重ねた全盛期に作ったからね。週7日、1日4~6時間練習していたよ。だけど、同じ曲ばかり演奏するのは嫌だったから、自分たちを飽きさせないために難しい曲に挑戦していたんだ。ロード・ランナーと契約したばかりだったから、メタル熱の恩恵もあったしね。
それに、このアルバムはほとんどをクリック・トラックなしのライブでレコーディングしたから、とても自然な流れが生まれたんだ。そこを見過ごすことはできないよね。

Q5: “The Shadow Inside” is your first album in 17 years since “Out For Blood.” It’s a really great comeback, but why did you not release any work for such a long time?

【JON】: Yes it was a lot of no writing for a long time. I was living in Texas for 10 years and we are a band that likes to jam the natural way, no click, loud and in the same room . So it was hard for us to get together to do anything. I also think the break was good for the song writing process because we hadn’t done anything in so long the new songs just flowed like butter.

Q5: “The Shadow Inside” は、”Out For Blood” 以来17年ぶりのアルバムですね。本当に素晴らしいカムバックですが、なぜこれほど長い間作品をリリースしなかったのですか?

【JON】: そうだね、長い間何も書かなかった。 僕は10年間テキサスに住んでいたんだけど、SADUS は自然なやり方でジャムるのが好きなバンドなんだ。クリックなしで、同じ部屋でラウドにね。だから、ベイエリアのメンバーとみんなで集まって何かをするのが大変だったんだ。
長い間何もしていなかったから、新しい曲はまるでバターのように流れていったよ。ある意味、10年の時間が素晴らしいソングライティングのプロセスになったのさ。

Q6: I see that Steve Di Giorgio is not participating in this album. His fretless bass is one of the faces of the band, Why didn’t he participate this time?

【JON】: At that this time sadus needed to strike. it had been long enough, Steve was super busy with his other projects but we had to keep the ball rolling and fire up the sadus machine . We invited steve for writing and recording but it wasn’t going to work out , so Darren and I kept working forward and that’s when the shadow was born.

Q6: Steve Di Giorgio はこのアルバムに参加していないようですね。彼のフレットレス・ベースはバンドの顔のひとつですが、なぜ今回は参加しなかったのでしょう?

【JON】: もう十分長い間、Steve は他のプロジェクトで超多忙だったんだけど、僕たちはボールを転がし続け、サダス・マシーンを起動させなければならなかった。
それでも、Steve を作曲とレコーディングのために招いたんだけど、今回はうまくいかなかったんだよね。それで、Darren と僕は前進し続けることにしたんだ。だからこそ、”The Shadow Inside” が生まれたんだ。

Q7: Looking at the song titles and lyrics of “The Shadow Inside,” it seems to me that they reflect the very dark times we are living in today, with division, pandemics, and war, would you agree?

【JON】: yes I would agree. The lyrics do deal with today’s world but I would say that they are honest and show hope also. The shadow inside is the way you deal with the balance of good and bad and excepting them both in your life with one cannot thrive without the other.

Q7: “The Shadow Inside” の曲名や歌詞、音楽を見ると、分断、パンデミック、戦争など、私たちが今生きているとても暗い時代を反映しているように思えます。

【JON】: そうだね。歌詞は今の世の中を扱っているけれど、正直で、希望も示している。自らの内なる影とは、善と悪のバランスに対処する方法であり、人生の中でその両方を受け入れることなんだ。自分の中に暗闇がなければ光も成長しないからね。

Q8: One of the most reassuring things about “The Shadow Inside” is that there are no “instant” moments anywhere in the song. The world is now dominated by cut-out videos on social networking sites and short streaming sessions, but this piece is in direct opposition to such “instant” culture, isn’t it?

【JON】: Yes, I would say the world is really what you make it , the shadow deals with the balance again of both left and right and you must deal with decisions on your life’s direction to make this world work. We don’t care about social media in a point of life’s decision but the shadow can deal and point out what’s reall in life.

Q8: 先ほど、クリックなしのラウドなジャム・バンドだと仰られていましたが、”The Shadow Inside” で最も心強いことのひとつは、曲のどこにも “インスタント” な瞬間がないことです。
今、世界は SNS の切り抜き動画や短時間のストリーミングに支配されていますが、この作品はそうした “インスタント” な文化に真っ向から勝負しているように思えます。

【JON】: そうだね、世界は結局、君が作るものだ。”The Sadow Inside” は右と左のバランスにも言及している。そして君は、この世界をうまく機能させるために、人生の方向性の決定していかなければならないんだ。
大事なのは、人生の決断の一点において、ソーシャルメディアを気にしないことだ。君の中にある影は、人生において何が真実なのかを見抜き、指摘することができるのだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JON’S LIFE!!

RUSH “Fly by Night”

DIO “Holy Diver”

IRON MAIDEN “Piece of Mind”

BLACK SABBATH “Paranoid”

LED ZEPPELIN “Ⅲ”

And most of this is because I was learning drums at this point and I listened none stop to these albums every day.

MESSAGE FOR JAPAN

Alright Japan !!!!
All I can say is sadus has brought the fire and brimstone to this new album and I hope you can relay the message. it’s never to late show that metal is here to stay and we will keep delivering the fire to the world ! The shadow inside is a mix of dark and light and forces the metal into your veins! Atlas’s We will be in Japan soon and I can’t wait to show you the sadus style of thrash!!!!!

日本のみんな!僕が言えることは、SADUS はこの新しいアルバムに地獄の業火を注いだということだ!このメッセージを伝えてほしい。メタルが健在であり続けるのを見せるのは今からでも遅くはないし、僕たちは世界に炎を届け続ける!内なる影は闇と光の混合であり、メタルを君たちの血管に押し込む!巨人アトラスはもうすぐ日本に行く。SADUS 流のスラッシュを見せるのが待ちきれないよ!!!!

JON ALLEN

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