“Balenciaga Or Moschino Are Great Examples In Fashion For Being Incredibly Technical Clothing That Doesn’t Take Itself Too Seriously. That’s Really What We Want The Most In Music, To Connect With People.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RAFAL BOWMAN OF CHAOS OVER COSMOS !!
“As a Musician, I Am Definitely In The “More is More” Camp – For Me, It’s a More Exciting Approach, And It Appeals To Me More In Terms Of The Energy It Gives, The Emotions It Evokes.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SERGIO LUNATICO OF COSMIC JAGUAR !!
“We Didn’t Want To Be Another Primitive And Dull Thrash Band That Sings About Booze, Sex, Zombies, Partying, Social Problems And Other Hackneyed Topics.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CARLOS LOZANO OF PERSEFONE !!
“I Remember I Read “Hagakure”, “Dokkodo”, “The Book Of Five Rings” And Works From Mishima Yukio. There Was Something On Those Books That Resonated With Me Since a Very Young Age And Made Me Look To Japan In a Very Personal And Respectful Way.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Daníel Máni Konráðsson OF OPHIDIAN I !!
“Icelandic Music All Shares a Similar Undertone That Probably Has Everything To Do With The Influence Of The Country Being Essentially All-consuming. There Are Feelings That Our Country Evokes Within Everyone That Experiences It, And Those Feelings Are Very Easily Translated Into Art Of All Sorts.”
DISC REVIEW “DESOLATE”
「ここでの生活には苦難や浮き沈みがつきものなんだ。アイスランドの音楽はどれも同じようなトーンを持っているんだけど、それはおそらく、この国がもたらす影響が本質的にすべてを包み込んでいることと関係しているんだ。この国を体験した人たちの中には、この国が呼び起こす感情があって、その感情はさまざまな芸術に変換されているよ」
アイスランドほど自然の恩恵と脅威を等しく享受する場所は世界中でもほとんどないでしょう。火山活動が活発で、大部分が凍りついた不毛の島国。しかしその威容は壮観を通り越して荘厳で、馬や羊、新鮮な魚と魅力的な特産品はどれも自然の恩恵を受けています。ゆえに、SIGUR ROS, Bjork, SOLSTAFIR といったアイスランドの音楽家は静謐で、荘厳で、美しく、しかし時にダークで荒涼としたアトモスフェリックな世界を好む傾向にあるのでしょう。OPHIDIAN I はその両極のコントラストを一層際立たせるテクニカル・デスメタルの英俊。
「実はこのアルバムの歌詞は、僕たちが生まれ育った世界とよく似た世界を舞台にしているんだ。風景や厳しい天候という点では似ているんだけど、それでも全く異なるものなんだけどね。
多くの点で、この背景は僕たちがバンドのサウンドについて感じていることでもあるんだよね。非常にアイスランド的でありながら、外国的でもあり、僕たちの世界とほとんど別のパラレル・ワールドを並置したようなサウンドだよ」
OPHIDIAN I がアイスランドの光と陰をことさら強調できるのは、さまざまな影響を並行世界としてその音楽に住まわしているからなのかもしれませんね。もちろん、彼らの根幹にあるのは NECROPHAGIST, OBSCURA, GOROD, PSYCROPTIC, SPAWN OF POSSESSION といったテクニカル・デスメタルの遺伝子ですが、IN FLAMES や DARK TRANQUILLITY の叙情と哀愁、さらに OBITUALY や MORBID ANGEL の地を這うような混沌まで、すべてをその血肉とするからこそ起伏に富んだ故郷の自然を深々と描き出せるのでしょう。
「テクニカルな要素を活用することで、優れたソングライティングの特性をさらに高めることができるんだよね。だから、僕たちは限界を超えることを目標にしていたとも言えるけど、そこにスピードや難易度といった明確な方向性はなかったんだよね。とはいえ、結果的にはとても速く、とてもテクニカルなアルバムになったんだけど」
つまり、OPHIDIAN I の目標は、記憶に残るテクデスの創造でした。NECROPHAGIST の “Epitaph” 以来、もしくは OBSCURA の “Cosmogenesis” 以降、テクデス世界には究極の技巧とスピードを求める有象無象が大量に現れては消えていきました。その中に、記憶に残るリフやメロディーがいったいいくつあったでしょうか?そんなビシャス・サークルの中で、彼らはBPMやテクニックの限界を超えることで、作曲の完成度やリフのインパクトを向上させる離れ業をやってのけたのです。それは、究極の技術で究極のメロディーを引き出す極北の魔法。
氷河期の冬よりも混沌とした白銀に、赤々と燃え狂う噴火、そして穏やかな海と空の青。そう、”Desolate” の10曲はさながらジェットコースターのように、メロディーとフックをたずさえてアイスランドの全貌を描いていきます。
ビデオゲームのような8-bitアタック “Spiral To Oblivion”、フラメンコのアコースティックなイントロが胸を打つ “Captive Infinity”。サプライズや音の洪水から逃れる時間も巧妙に用意、最終的に技術はすべてメロディーへと集約されていきます。”Enslaved In A Desolate Swarm” は顕著ですが、テクデス天国カナダの MARTYR, BEYOND CREATION, ARCHSPIRE 譲りの知の構成力を磨いているのも実に魅力的ですね。
今回弊誌では、ギタリスト Daníel Máni Konráðsson にインタビューを行うことができました。「僕は、このジャンルにおいて演奏家の一面に拘りがあるんだ。僕たちは、プレイヤーや彼らの貢献に多大な敬意を払っているからね。このジャンルには、バンドやミュージシャンが常に向上しようとし、リリースするたびにより良い、より速い音楽を作ろうとする健全な競争意識があるんだから」 どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HUNTER GINN OF CANVAS SOLARIS !!
“As Far As Djent Goes, I Hate It. I Think It’s a Watered-Down, Trash Version Of Meshuggah That Captures None Of That Band’s Invention, Intensity, Or Imagination. That Whole Scene Can Drift Offer Into Oblivion, For All I Care.”
“We All Grew Up Loving BTBAM And While We Never Sit Down And Attempt To Write Anything That Sounds Like Them, Their Philosophy Of Letting a Song Take Any Twist Or Turn That It Wants Is Certainly Present In Our Music. If Anything, Our Bands Are Most Similar In Our Liberated Attitude Toward Writing Music.”
DISC REVIEW “THE ANGEL OF HISTORY”
「ポストメタルは間違いなく僕たちのサウンドの大きな部分を占めているね。たしかに完全にポストメタルとは呼べないかもしれないけど、でも同時に、完全にプログレッシブメタルとも呼べないかもしれないよね。」
音の革新は、概しておぼろげであやふやな秘境に端を発します。プログレッシブメタルコアをアステカの魔法とカオスで異次元へと導いたトリックスター、VEIL OF MAYA に見出された NYC の海獣 CRYPTODIRA は、その名の通り深海で数万年もの異種族交配を繰り返したモダンメタルモンスターです。
「僕らはみんな BETWEEN THE BURIED AND ME を愛して育ったからね。楽曲を自由自在に捻くれさせる彼らの哲学は、僕らの音楽にも確かに存在しているんだ。どちらかと言えば、僕たちのバンドは彼らと、音楽を書くことに対する自由な姿勢が最も似ているんじゃないかな。」
BTBAM の名作群を手がけた Jamie King をプロデューサーとして迎えたように、たしかに CRYPTODIRA は難解と容易、混沌と明快、暴虐と安寧、激音と静謐の狭間に巣喰いながらメタルの荒唐無稽を自由自在に謳歌しています。
「彼はとてもオープンマインドなプロデューサーで、僕たちのアイデアをより商業的にに手なずけようとするのではなく、可能な限りクレイジーなことをしてサウンドに自分たちの息を吹き込ませるよう促してくれたんだからね。」
実際、マルクス主義、精神分析、フェミニストやポストコロニアル理論など人類史におけるテーマを哲学的な視点から俯瞰し、理想と現実の狭間を示唆する “The Angel of History” は、常軌を逸したメタルの歴史書だと言えます。プログ、ポストメタル、ハードコア、デスメタル、スラッジ、マスコア、ジャズの豊潤なるアマルガムは、深海で熟成されためくるめくテクニックや多彩な歌唱スタイルで人と音の歴史を投影するのです。それは万年海獣のみに許された秘法。
もちろん、”Dante’s Inspiration” を聴けば、瞬きと同時にテンポや拍子が移り行く THE DILLINGER ESCAPE PLAN の数学が、千変万化な歴史の授業に欠かせない教科書の一つであることは揺るぎません。ただしその一方で、ポストメタルの申し子は嫋やかで美麗な対比の魔法を忘れることはないのです。それは歴史に宿る儚さでしょうか。
“Self-(Affect/Efface)” で “Alaska” のような精神病的グロウルが高らかなクリーンボイスに磨き上げられる瞬間、”The Blame For Being Alive” で Pat Metheny がオルタナティブやデスメタルに蹂躙される瞬間、天使とのデュエット、”The White Mask Speaks” に宿る荘厳なポストメタルのシネマトグラフィー。あまりにドラマティックな場面転換はさながら猫の目のごとく。リスナーは予想不可能なメタルと人類の未来に幾度も思いを馳せるはずです。
今回弊誌では、CRYPTODIRA にインタビューを行うことが出来ました。「日本のアーティストは、様々なジャンルを日々聴いているよ。ちょっと頭に浮かんだだけで、toe, Tricot, Mouse on the Keys, Passepied, ゲスの極み乙女, Indigo la End, 水曜日のカンパネラ, Snail’s House なんかをよく聴くよ。」 どうぞ!!