EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL ROMEO OF SYMPHONY X !!
“I’ll Take a Great Song Over Anything Else. The Technique And All That Stuff Is Fine, But Using It In a Tasteful And Musical Way Is What Is Important. “
DISC REVIEW “WAR OF THE WORLDS / PT.1”
Michael Romeo は自己超克を命題に刻む、ストイックなギターウィザードです。一定のスタイルを確立した後、そのクオリティーを安住の地とするプレイヤーが多い中、SYMPHONY X のマスターマインドはイノベーションを続けます。
90年代初頭、Yngwie Malmsteen と John Petrucci のハイブリッドとしてシーンに登壇した Michael は、プログメタル第ニの波にシンクロした SYMPHONY X 共々着実にその地位を築いて行きました。
PANTERA の獰猛かつ理知的なリフエージを自らのファンタジーへと取り込んだ “The Divine Wings of Tragedy” は序章にしてエレガントなマイルストーン。”ユリシーズ” をテーマにシンフォニックな24分の大曲をリリカルに演じる “The Odyssey”、そして TOOL や DISTURBED のコンテンポラリーで数学的なリフロマンスが冴え渡る “Paradise Lost”。
「僕にとっては、異なることに挑戦したり、新しく興味深い何かを創造したりといったことの方が大きな意味があるんだよ。」と語る通り、Michael は SYMPHONY X を通してその豊潤なビジョンと、アップデートを重ねた先鋭なる時代性を表現して来たのです。
94年に、今は亡きゼロ・コーポレーションからリリースしたクラシカルな “The Dark Chapter” をノーカウントとしてソロデビュー作の肩書きを得た “War of the Worlds/Pt.1” は、まさにそのビビッドな開拓的スピリットを体現した作品だと言えるでしょう。
インタビューで、「僕はこのアルバムでメタルに映画音楽の要素をミックスしたかったんだ。」 と語ったように、実際 “War of the Worlds/Pt.1” こそが、チャレンジングかつ前人未到のオーケストラルなシネマティックメタルであることは明らかです。
もちろん、RHAPSODY のようにクラッシックや民族音楽を、オーケストラルにメタルファンタジーへと落とし込む手法はこれまでもありました。しかし、Bernard Hermann や John Williams, Hans Zimmer といった、コンテンポラリーなシネマミュージックの息吹を濃厚に抱きしめる Michael の手法と慧眼は、近年の多様でカラフルなモダンメタルレボリューションの中でも際立っていますね。
アルバムを通して奏でられる印象的なテーマ、モチーフを内包した、ダークで荘厳な “Introduction” はスターウォーズメタルのファンファーレ。アルバムのテーマは “Conflict” “紛争”。”彼ら” と “私たち”、立場、人種、種族、生い立ち、様々な違いにより争いを余儀なくされる無慈悲なドラマはそうしてオーケストラルにその幕を上げます。
刹那、プログメタルのカタルシスを満載した “Fear of the Unknown” が鳴り響くと、リスナーは慣れ親しんだ “X のシンフォニー” に酔いしれるでしょう。ただし、Russell Allen に比べてよりデリケートでメロディックな Rick Castellano のボーカルアプローチは喝采と共に新鮮に映るはずです。
よりシリアスで陰鬱な領域を探求する “Black” はスターウォーズメタルの象徴かもしれませんね。壮大なオーケストレーションとギターの共闘で迫り来る闇を表現したイントロから、ファストにイマジネーティブに畳み掛けるメタルの牙はあまりにスリリング。
さらに、EDM/dubstep を大胆にそのメタルオーケストラへと導入した “Fucking Robots” は創造性と享楽の両面からアルバムのハイライトと言えるかも知れません。プログメタル、オーケストラ、EDM が三位一体となり、ビッグでキャッチーなコーラスを伴いながら畳み掛けるそのインパクトはまさに圧巻のトライデント。
シンフォニックなインタルードでシームレスに繋がり映画の体をしたアルバムは、オリエンタルトライバルな “Djinn”、胸を打つ壮大なパワーバラード “Believe”、TOOL のメソッドをメロディックメタルに封入した”Oblivion” と、いくつかのモチーフを音楽的に拡大し、オーケストラとメタルのシンクロ度をさらに高めながらエピックな世界を創り上げて行くのです。
そうしてアルバムは、”Constellations” で二者を完璧なまでに融合し、その幕を閉じました。
ARK, Yngwie との仕事で知られる達人 John Macaluso, 実は同じ学校に通っていたというBLSの John JD DeServio のオールスターキャストもファンにはたまりませんね。今回弊誌では、マエストロ Michael Romeo にインタビューを行うことが出来ました。「テクニックとか、ギターに纏わる様々な事柄も良いけど、それを絶妙に、音楽的な方法で使用することこそ重要なんだ。」どうぞ!!
MICHAEL ROMEO “WAR OF THE WORLDS / PT.1” : 10/10
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