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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CORONER : DISSONANCE THEORY】


COVER STORY : CORONER “DISSONANCE THEORY”

“Even people like Mikael Åkerfeldt from Opeth, he came to me and was like, ‘Back in the day, when I didn’t know how to go on with a song, I asked my band, ‘What would Tommy do?’ I almost fell, you know? I mean, Åkerfeldt is a genius. I love Opeth to death. It was like, ‘Okay!’ We never made a lot of money, but this feels very good.”

DISSONANCE THEORY

怪物 CORONER が最後にアルバムをリリースしてから30年以上が経ちましたが、待望の復活作 “Dissonance Theory” を聴けば、そこに長いブランクを感じる人はいないでしょう。というより、ほんの数週間しか休んでいなかったかのようです。スイス出身のこのバンドが体現していた革新的なスラッシュメタルへのアプローチは、今も全て健在。Tommy Vetterli の難解にして激烈なギターリフは今も楽曲の中心を駆け抜け、驚異的なテクニックと巧妙な数式、そして記憶に残るサウンドを巧みに融合させています。Ron Broder のベースラインは、トリオらしい脈打つような対位法的グルーヴを生み出し、彼の唸り声のようなボーカルは相変わらず不気味に響きます。そしてオリジナルメンバーの Marky Edelmann に代わり Diego Rapacchietti が担当するドラムは、力強くも軽快で、世紀の不可思議リズムを自然な楽曲へと昇華させていきます。”Dissonance Theory” は、バンドにとって復活であり、また更なる前進を意味する作品でもあります。過去の作品においても、アルバムごとにテーマがあり、独特のサウンドを新たな領域へと押し進めていた CORONER。その探究心こそがまさに、”Dissonance Theory” の原動力となっているのです。CORONERだからこそ、そして今だからこそ生み出せた奇跡のアルバムと言えるでしょう。
「曲作りを始める前、今のバンドのサウンドはどうあるべきか、ずっと考えていたんだ」と Vetterli は語ります。「でも、すぐに、そんな考えは全く意味をなさないって気づいた。1987年のデビュー作 “R.I.P.” をもう一度書くことはできない。なぜなら、今の僕はあの頃とは全くの別人だから。もうすぐ60歳になるけど、当時は20代だった。もうあれを再現するのは不可能だよ。だから、ただ落ち着いて、どんなものが出てくるか見てみようって決めたんだ」

“Dissonance Theory” は “R.I.P.” ではないかもしれませんが、少なくとも “R.I.P.” との連続性は保持しています。CORONER の始まりは伝説的なものでした。よく語られる物語は多少脚色されてはいるそうですが。1986年、バンドは CELTIC FROST のフロントマンで、同じくチューリッヒ出身の Tom G. Warrior に、 “Death Cult” のデモでボーカルを依頼しました。数ヶ月後、Tom G. は Vetterli と Edelmann に、CELTIC FROST の次の全米ツアーのローディーとして来ないかと声をかけたのです。これは若い彼らにとって非常に重要な経験でしたが、一部の人が言うように、CORONER 結成のきっかけになったわけではありませんでした。
「みんなは僕たちがただのローディーだったと思っていて、それで “バンドも組める!” って思ったみたいに勘違いしている。でも、実際はそうじゃなかったんだ」と Vetterli は説明する。「ツアーの進め方を体験するチャンスだった。それに、Tom がインタビューを受けるたびに、インタビュアーに僕らのテープを渡してくれていた。デモテープは既にリリースされていたし、それは僕たちにとってとても良かったよね。良いスタートだった。でも、このツアーの後、ドイツかベルギーのどこかでローディーとしてあと1公演やっただけで、それで終わりだったと思う」
原始的なブラックメタル、デスメタル、ドゥーム、スラッシュ・メタルを独自に自由に融合させた CELTIC FROST のように、CORONER も特定のサブジャンルに固執することはありませんでした。Edelmann は DISCHARGE のようなハードコア・パンクや、VENOM のような初期エクストリーム・メタルに傾倒していました。そして、Vetterli と Broder はそもそもチューリッヒで DOKKEN 風のハードロックバンドで活動していましたが、IRON MAIDEN ような、よりヘヴィでテクニカルな音楽を演奏したいと切望していたのです。そうして3人は、デンマークに共通の基盤を見つけました。コープスペイントをまとったフロントマンが、ギター・ハーモニーの洪水と複雑な構成の中を闊歩する偉大なバンドに。
「MERCYFUL FATE については、皆の意見が一致したね。彼らは僕たちにとって、初期に最も重要なバンドだった。メロディアスでありながらテクニカルで、少しプログレッシブなサウンドだったからね。僕らは基本的にはスラッシュメタルのプログレッシブ形式なんだ。つまり、ファストフードではなく、じっくりと聴き込むことで、20回聴いても新しい発見があるようなもの。僕たちは他人が何をしているかにとらわれることなく、常に自分たちだけの、唯一無二の、本物のサウンドを作り上げてきたんだよ」

CORONER は “R.I.P.” の時点ではまだ完成形に達していませんでした。(”たくさん練習したってことを見せたかったんだと思う” と Vetterli)しかし、道は既に開かれていました。続く4枚のアルバム――1988年の “Punishment for Decadence”、1989年の “No More Color”、1991年の “Mental Vortex”、そして1993年の “Grin” を通して、バンドはスラッシュ・メタルの輪郭を膨張させて、再定義していきました。自明の技術力の高さを、キャッチーなメロディー、型破りなリズム、異様なサウンドのテクスチャー、そして奇抜なソングライティングと見事に融合させていったのです。そうして彼らの特異性は “Grin” で頂点に達しました。このアルバムは、テクニカルなスラッシュ・メタルと、きらびやかで現代的なインダストリアル調のグルーヴ・メタルの狭間で揺れ動いていました。だからこそ、この時初めて CORONER は、限界にぶつかったような気がしたのです。
「奇妙な時期だった。メタルは衰退しつつあった。チューリッヒではテクノ・ミュージックが流行っていてね。実は、音楽的にオープンマインドだった僕らにとっては、それは興味深いことだった。常に少し新しいこと、自分たちの好きなことをやろうとしてきたからね。テクノ・パーティーにもよく出入りしていたんだ。精神状態を変えるようなドラッグを摂取することもあったけど、それはとても楽しかった。ヒップホップまで取り入れた。そして、もしかしたら、何か別のことをする時期が来たのかもしれない…と思ったんだよね」

バンドは “Grin” のセッションを始めた時点では活動休止するつもりはありませんでしたが、ツアー・サイクルの終了に伴い、互いに合意の上で解散することになりました。Edelmann は Tom G Warrior のインダストリアルメタルプロジェクト APOLLYON SUN に参加し、Vetterli はジャーマン・スラッシュの巨匠 KREATOR のアルバム “Outcast” と “Endorama” に参加した後、チューリッヒ郊外にニュー・サウンド・スタジオを設立しました。そして Broder は音楽活動から完全に距離を置きました。CORONER が再び演奏活動を始めたのは、アルバム “Grin” のリリースから20年近く経った2011年のこと。Vetterli は、再結成が実現した理由のひとつが、フェスティバルのオファーが高額になり断れなくなったからだと皮肉っぽく語っています。しかし、CORONER が後進のバンドに与えた影響が時を経て、無視できないものになっていたというのもまた、事実でした。
「YouTubeで若いミュージシャンたちが僕らの曲を演奏しているのを見て、”20年前の僕らの曲をまだ聴いてくれる人がいるなんて、不思議だ” と思ったよ。OPETH の Mikael みたいな人でさえ、僕のところにやってきて、”昔、曲作りの進め方が分からなかった時に、バンドのメンバーに “Tommy Vetteri ならどうしただろう?” って聞いたものだった” って言うんだよね。Hellfest でたまたま同じ時間に演奏した時には、観客に向かって “君らのために演奏するのはうれしいけど、本当は CORONER が見たい” って言ってくれたしね。もう、びっくりしたよ。Mikael は天才だよ。僕は OPETH が死ぬほど好きなんだ。 “やった!” って感じだった。大金を稼いだわけじゃないけど、すごくいい気分だよ。そう、音楽で大金を稼いだことはないけど、僕らが残してきたものを他の人に今見せられるのは、本当に素晴らしいことだと思う。僕らが時代を先取りしていたという話はよく聞いたり読んだりする。だから僕らはこう言ったんだ。”今新しいアルバムを作るなら、自分たちが一番楽しめる、最高に素晴らしいものを作ろう” ってね」

CORONER の再結成から数年が経ち、Vetterli は再び曲作りへの衝動に駆られ始めました。同じ頃、ドゥームバンド、TAR POND に専念するため CORONER を脱退した Edelmann の後任として、Rapacchietti がドラムを担当するようになりました。その頃には、ニュー・サウンドでのバンドのレコーディングが Vetterli の時間のほとんどを占めるようになり、プロデュース作業と同じ空間で作曲するのは不可能だと感じていました。しかし、時にひどく時間がかかることもありましたがその後10年かけて、後に “Dissonance Theory” となるアルバムをゆっくりと作り上げていったのです。
「一人で山へ行き、気分を盛り上げる必要があった。そうしたらうまくいくようになった。でも、時間を見つけるのは少し大変だった。他にも色々あった。人が亡くなったり、離婚したり、そしてクソみたいなコロナが起こったり。それに、少し先延ばし癖もあったかもしれない。自分たちへの期待があまりにも高かったから、少し怖かったのかもしれないね」
Vetterli のプロデューサーとしての経験は、アルバムの成熟に役立ちました。
「プロデューサーとしての経験はテクニックを成長させたわけではないかもしれないけど、それ以上の成長には繋がっている。つまり、頭の中では自分の実力以上に上手く演奏できていると思っているんだ。問題は、自分の期待に応えられないこと。でもこれは、ただの音楽であって、生死に関わることではないということを常に自分に認めなければならないよね(笑)。
最近のYouTubeでは、16歳かそれ以下の若者がものすごく速くて正確な音楽を演奏している動画をたくさん見ることができる。だけどね、いくつかの例外を除いて、どれも僕の心には響かないんだ。僕にとって、感情と意味はこれまで以上に大切になった。
だから、速くてオールドスクールなスラッシュパートを演奏することに決めたのは、できるからではなく、それが合っているからなんだ。その結果、新しいアルバムは以前よりも聴きやすくなった。それが僕たちの成長だと思う」

“Dissonance Theory” は、その自らに課したハードルを、徹底的な緻密さでクリアしています。Verterli は「50個のリフのうち、アルバムに収録されたのは1個くらい」だと語ります。アルバムからの先行シングル第1弾であり、32年ぶりの新曲となった “Renewal” のオープニング・リフは、Vetterli が2015年にタイで書き下ろし、10年近くかけて調整と再アレンジを重ねてきました。Rapacchietti のドラムパートは、全体で2回録音されました。1回は Broder がベースラインを録音する前、もう1回はベースが曲の雰囲気を変えていることが明らかになった後。Vetterli はアメリカ人の友人 Dennis Russ を共同プロデューサーに迎え、作詞も共同で行い、宗教、人工知能、そして原爆といったテーマを皮肉たっぷりの緻密さで切り取ることになりました。
Vetterli はギタリストとしてもキャリア最高の状態にあります。”The Law” や “Trinity” といった曲は、不気味で思索的な始まりから、大胆なメロディーの華麗な旋律に彩られたクライマックスへと突き進み、 “Consequence” や “Renewal” では、そのテクニックも未だワールドクラスであることを証明しています。ほぼ全ての曲に華々しいシュレッドとソロがあり、シュレッダー志望者は耳を休める暇もありません。 “Dissonance Theory” のテクニカルな過激さは、初期の CORONER ように即効性のあるものではないかもしれませんが、だからといって彼がギタリストとして衰退したわけではありません。ただ、もう何も証明する必要がないというだけで十二分に創造的。
「一番の違いは、昔はテクニカルな演奏をただテクニカルに演奏していたのが、今はムードやヴァイブ、そして表現の方がずっと重要になっているということだと思う。速いパートがあっても、見せびらかすためではなく、そこに必要だと思うから演奏するんだ」

“Dissonance Theory” というタイトルは音楽の話ではありません。
「変なコードを弾くから、不協和音というタイトルが僕たちの音楽と何か関係があるのではないかと考える人もいる。確かにそうかもしれないね(笑)。でも、僕たちがここで言っているのは認知的不協和、いわゆる不協和理論です。例えば、君が肉を食べるのが好きだとしよう。一方で、動物に危害を加えたくはない。すると、選択肢はベジタリアンになるか、そうでなければビタミンB12欠乏症になるかだ。もしくは、自分自身の真実を作り出すか。人類が様々な分野でこの問題にどう対処するか、これは非常に興味深い概念だと思うよ。
“Consequence” は、AI、あるいは現代の技術革新全般について。人類にとって非常に良いことは、一方で非常に危険なことでもある。特にAIの登場によって、人々は職を失うだろうし、何かが真実なのか、現実なのか、どうすればわかるのだろう?
“Sacrificial Lamb” では状況が異なるね。これは、自らを犠牲の子羊と見なす大量殺人犯の物語。彼は、島に行ってティーンエイジャーを撃つことで人類のために貢献していると考えている。なんてひどい話だろう?
つまり、これは様々な真実についての物語。あなたにはあなたの真実があり、他人には別の真実がある。そしてそれは単なる事実だ。歌詞のテーマをまとめるには、刺激的なコンセプトだと思ったね」
アートワークはまるで DNA のよう。
「カバーにあるDNA構造は、下に向かって崩壊していくのだけど、これは人類の没落を象徴している。アルバムタイトルは、本当は “Oxymoron(矛盾)” にするべきだったかもね。もっと広い意味では、これは知性と愚かさを同時に意味する。つまり、人類の象徴だよ。あらゆる功績を残したにもかかわらず、それと共に自ら墓穴を掘るほど愚かなのが人間。それが最初のアイデアだった。ただ、この言葉は主に文章を書く際に使われるため、多くの英語話者はこのタイトルを嫌がった。そこで別のタイトルを探して、すぐに “Dissonance Theory(不協和理論)” を思いついたんだ。僕にとっては、今となっては全てがしっくりくるよ」

“Dissonance Theory” というアルバムを3つの言葉で表すとすれば?
「厳しく、妥協がなく、正直。僕は常に自分自身を成長させ、異なる意見を受け入れ、誰かを批判しないように努めている。暴力ではなく、会話と議論で問題を解決しようとしているんだ。これが、朝起きた時の僕の目標。嫌な奴にならないこと」
“Dissonance Theory” のデラックス版には、Tom G Warrior がボーカルを務め、40年前に CORONER をこの道へと導いた “Death Cult デモ”のリマスター版が同梱されます。CORONER の最古の曲と最新の曲を立て続けに聴くのは、ちょっとした混乱を招くかもしれませんね。”Death Cult” の大胆で先祖返り的な曲と、”Dissonance Theory” の洗練された技巧の間には、大きな隔たりがあるのは当然です。しかし、それらを並べて聴くことで、このバンドが初期から溢れ出ていた共通の目的意識、挑発的な探究心、そして限界を押し広げようとする野心が、同時に浮かび上がってくるのです。
「当時僕は自動車整備士をしていて、”Death Cult” を作るために1週間の休暇を取ってスタジオに入ったんだ。これが僕の人生を変えてくれた。この1週間の後、両親に “ミュージシャンになりたい。車の修理はもうやめたい。そういう仕事には興味がない” と伝えることになった。その後のことは、歴史が語る通りだよ」

日本盤のご購入はこちら。DIW on Metal / Daymare Recordings

参考文献: Bandcamp Daily:Great Thrash Never Dies: The Return of Coroner

Metal Insider : Coroner Interview

KNOT FEST: CORONER

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PALEFACE SWISS : CURSED】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PALEFACE SWISS OF YANNICK LEHMANN !!

ALL PHOTOS BY ADAM CHANDLER

“In Times Like These, Solidarity Is Everything. We Want To Give People a Space Where They Can Truly Be Themselves. Everyone Is e Equal, That’s Our Message.”

DISC REVIEW “CURSED”

「もちろん SLIPKNOT は大きな影響源だったよ。僕たちのボーカルと元ドラマーは、彼らのライブで出会ったんだからね。だけど、僕たちは決して SLIPKNOT になることを目指したわけではないんだよ。僕たちはビートダウン・バンドとして始まり、そのころの夢や目標はシンプルだった。世界で最も過激なバンドになることだよ」
かつて、SLIPKNOT は世界一過激で、クリエイティブで、それでいてメジャーなエクストリーム・バンドでした。過激であることと、クリエイティブであること、そしてメジャーであることが並び立つと彼らは証明してくれたのです。
SLIPKNOT のコンサートで結成されたスイスの PALEFACE SWISS は、そんな伝説の志を継ぐバンド。なぜなら、彼らはすでにスラム・ビートダウンとして狂気のSAN値を更新しながら、多様で創造的なアイデアで、スイスで最も人気のあるエクストリーム・メタルとなりつつあるのですから。
「僕たちはジャンルに縛られないんだ。狭い箱に閉じ込められるためにここにいるわけではないんだからね。ある日は Nu-metal のトラックを書き、次の日はデスメタルのアンセムを書くかもしれない。僕たちは感じるままに創造する。そこに限界はないんだよ」
初期 SLIPKNOT への崇拝という呪い “Hatred” から幕を開けるアルバム “Cursed” は、しかし徐々に自らにかけられたその呪いを振り払い、新たな世界を “Spit it Out” 吐き出していきます。KORN の奇妙な絶望や孤独をデスコアで解釈した “…and with hope you’ll be damned”、パーカッシブなコンセプトを活用した “My Blood On Your Hands”、そしてメロデスと Nu-metal のオフビートな狂宴 “Love Burns”。また、完全版に収録された “River Of Sorrows” のアンプラグド・バージョンではリスナーの涙を誘い、バンドの懐の広さを見せつけます。
「このような暗い時代には、団結が全て。僕たちは、メタルを通じて人々が本当に自分らしくいられる空間を提供したいんだ。ここでは誰もが平等である…それが僕たちのメッセージだよ」
SLIPKNOT が “People=Shit” と歌った “Iowa” からおおよそ四半世紀の年月が経ちました。90年代の暗さを背負っていた SLIPKNOT が “People=Shit” と叫ぶのは、ある意味時代の必然だったのかもしれませんね。
しかし、同じ暗い時代において、PALEFACE SWISS はメタルと人の可能性を信じます。メタル世界ではすべての仮面や肩書きを脱ぎ捨てて、本当の自分でいられる。どんな文化、人種、宗教、言語でもメタルの前では平等である。差別や抑圧を許さない。メタルを愛するという大きな “共感” が、コミュニティ全体を優しく包み込んでいきます。いろんなことが、この25年で大きく変化しましたが、少なくともメタル世界は少しづつでも前へと進んでいるのです。
今回弊誌では、ギタリストの Yannick Lehmann にインタビューを行うことができました。「ヘヴィ・ミュージックは世界を変えられないかもしれないけど、人々を変えることならできる。音楽で困難な瞬間を乗り越える手助けをしたり、長い一日の後に平穏をもたらしたり―それがヘヴィ・ミュージックが持つ真のインパクトなんだ。君なら僕の意味するところを理解してくれると思う」それにしても、Zelli のボーカル・パフォーマンス、スター性は群を抜いていますね。どうぞ!!

PALEFACE SWISS “CURSED” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FIGHTER V : HEART OF THE YOUNG】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FIGHTER V !!

“I Don’t Think Melodic Hard Rock/AOR Is Dead, In Fact I Think There’s An Upward Trend Again. If You Look At TV Shows Like Stranger Things Or Cobra Kai, The 80s Are Coming Back.”

DISC REVIEW “HEART OF THE YOUNG”

「メロディック・ハード・ロック/AORが死んだとは思わないし、むしろ再び上昇傾向にあると思う。”ストレンジャー・シングス” や “コブラ会” のようなテレビ番組を見れば、80年代が戻ってきていることに気づくはずだよ。バイパーサングラス、マレット、ジーンズにレザージャケット……。とはいえ、安っぽいグラムロックで大成功できるとは思わない。オリジナリティを持ち、モダンと80年代のいいとこ取りをすることが重要なんだ。だから、昔の模倣ではなく、リフレッシュしている限り、正しい道を歩んでいることになる!」
メロハーは死んだ。AOR なんてダサい。夢のような80年代を経て、時に煌びやかで、時に美しく、時に悲哀を湛え、そして時に情緒を宿したメロディック・ハードの響きは窓際へのと追いやられてしまいました。しかし、時代は巡るもの。”ストレンジャー・シングス” のような大人気ドラマに80年代のノスタルジアが描かれることで、当時の音楽も息を吹き返しつつあります。
そうしたドラマが視聴者の心を掴むのは、ノスタルジーを誘いながらも同時に新たな視点や思想
、テクノロジーを駆使して決して古臭く終わらせないことが理由でしょう。スイスのバンド、FIGHTER V のセカンド・アルバムのアートワークには、近代的で繁栄した都市の外観で建てられた巨大な心臓が描かれています。そう、彼らの “メロハー” も Netflix と同様に当時の風景に新たな解釈をもたらす革命の鐘。”Heart of the Young”、FIGHTER V が奏でる魅力的なメロディック・ハードは、野心的な若いミュージシャンたちによって作られ、若い心を保つすべてのリスナーに贈られたものなのです。
「”Radio Tokyo” は音楽で成功を収め、頂点を目指している少年の話。”Radio Tokyo” に出演するためにね!僕らの象徴だよ。80年代のビッグバンドはみんな東京、少なくとも日本で演奏していた。それができれば、外国のバンドとして本当に成功したと言えるんだ!」
そんな FIGHTER V が、メロハー復興計画の足がかりに選んだ場所が日本、そして東京でした。なぜなら東京、そして武道館はいつだって世界中のハードロック・キッズ憧れの場所だったから。そして、今や日本は #メロハー が生き残る数少ない国のひとつとなったから。”Radio Tokyo” はまさにメロハーの祝祭。そう、DJ に導かれた圧倒的な高揚感、凄まじい精神的な勃起をうながす楽曲こそメロハーの真髄なのです。
「よくプロデュースされ、ミックスされたコーラスといえば、間違いなく HAREM SCAREM が最高の例になるよね!特に HAREM SCAREM の最初のセルフ・タイトル・アルバムは、伝説的なプロデューサー、Kevin Doyle の傑作だった!もちろん、彼らのソングライティングにおけるトップリーグのセンスも忘れてはならないよ。HAREM SCAREM は間違いなく、メロディック・ロックのダイアモンドなんだ!」
だからこそ、クラシックで若々しいメロハーの新境地を求める FIGHTER V が日本が育てた HAREM SCAREM をお手本に選んだのは自然なことでしょう。彼らは80年代のメロハーに、さらに肉厚でオーロラのようにコーティングされたコーラスの魔法と、プログレッシブに捻くれたフック&テクニックを持ち込んだ革命家でした。タイトルをいただいた(?) WINGER の知性や、”Speed Demon” でみせる MR.BIG への憧れも織り交ぜながら、FIGHTER V もまた、敷き詰められた旋律のカーペットに、現代的なエッセンス、コンポジション、プロダクションを飾り付け、このジャンルを次のステージへと誘います。
やっぱり、コーラスやコール&レスポンスの使い方が素晴らしいですね。FAIR WARNING も、TEN も、TERRA NOVA も個性的で扇情的なコーラスを持っていましたが、メロハーはコーラスが命。何より、彼らのアー写のTシャツは SURVIVOR。大事なことはすべて SURVIVOR から学んだ。いつも心に SURVIVOR を。
今回弊誌では、FIGHTER V にインタビューを行うことができました。「GOTTHARD, KROKUS, SHAKRA のようなバンドは、より多くの観客に知られていたし、そこまでハードな音楽ではないから、より親しみやすかった。だからそうした音楽とより繋がりを深めていったんだ」 FRONTLINE に SHAKRA。滾りますね!どうぞ!!

FIGHTER V “HEART OF THE YOUNG” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW【MESSIAH : CHRISTUS HYPERCUBUS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH R.B. BROGGI OF MESSIAH !!

“The Way To School In 1987 In The Fucking Cold Was One Of Them. As Simple As It Sounds – We Were Pissed Off By This Cold Winter. And What Could Be More Fitting Than Putting a Polar Bear On The Cover?”

DISC REVIEW “CHRISTUS HYPERCUBUS”

「1987年はまだ本当に寒かったから!標高の低いところではまだ雪が残っていて、本当に凍えそうだった。それが唯一の理由だよ。単純明快だ。僕たちは、自分たちが感動するトピックについて音楽を作っていたんだ。1987年のクソ寒い通学路もそのひとつだった。単純に聞こえるかもしれないが、僕らはこの寒すぎる冬に腹を立てていた。そして、シロクマをジャケットに載せること以上にふさわしいことがあるだろうか?と思いついたんだ。もちろん、ドクロじゃない!僕らは生きたかったからね!ははは。これがカルト的なアルバムやジャケットになるとは夢にも思わなかったよ。今ではそうなって、その間に世界は暖かくなった」
長くメタルを聴いていれば、必ず目につく一枚のアルバム。MESSIAH の “Extreme Cold Weather”。長いメタル史においても、キョトンとしたシロクマが氷河で佇むジャケットはおそらくこれひとつだけでしょう。気候変動を憂うには早すぎる1987年。”温度計は零度以下” “俺のロン毛が帽子のかわり” “隣のババアも凍ってる”。彼らはただ、寒すぎるスイスの冬にイラつき、シロクマにその激しい怒りを代弁させました。
ただし、唯一無二なのはそのジャケットだけにあらず。グラインド・コアやドゥーム、そしてブラック・メタルまで先取りした荒唐無稽なスラッシュ・メタルもまた、1987年には早すぎた実験。しかし、地球の温暖化と共に溶け出したジャンルというメタルの氷は、いつしか MESSIAH と “Extreme Cold Weather” をカルト的な存在へと押し上げていたのです。
「昔も今も変わらないもの、つまりメタル・ファンとしての情熱と、創造的であり続けたいという願望のおかげで続けられている。MESSIAH が2018年に再結成を行ったのは、ただ自分たちの栄誉に安住するためではない。忠実なファンは、この静かな年月の間、決して MESSIAH を忘れてはいなかった。だからこそ、もちろん、ライブでは昔の名曲を演奏する。でも、僕らのようなバンドにとってはそれが綱渡りだとしても、新しいこともやりたいというのは最初からはっきりしていた。その価値はあったと思う。ファンのためにも、自分たちのためにもね」
シロクマから40年近くの月日が経ちましたが、あのころの尖りきっていた MESSIAH は今も健在です。いや、むしろ音楽的な成熟とバンドに降りかかる苦難の数々が、MESSIAH の先鋭性を際立たせたと言っても良いでしょう。20年の沈黙、ボーカリスト Andy Kaina の死、ドラマーの負傷を経てリリースした “Christus Hypercubus” はメタルの回復力で力を得た明らかな最高傑作です。
「僕はよく実験するし、音楽制作や作曲、アレンジなどの通常のルールにこだわることを自分に許さないんだ。自分の感情に身を任せるんだよ。僕は通常、まず伝えたいことのテーマと大まかな歌詞を練り上げる。それからギターを弾き始める。最初のクオリティやリズムの定石、論理的なアレンジなどは気にせず、非常に素早く行う。ただ、出てくるアイデアに身を任せてね。最初はとても混沌としているから、バンドに持ち込むとそう簡単にはいかないこともあるけどね」
結成から40年を経たバンドが、これほど攻められるものなのか?マイクロトーンや不条理なハーモニクスを自在に操るギタリスト R. B. Broggi がもたらすものは、まさに混沌。スラッシング・マッドネス。同郷の CORONER ほどテクニカルでもプログレッシブでもなく、CELTIC FROST ほど陰鬱ではない、まさに実験の果ての混沌はあまりにもカタルシスで魅力的です。そしてその無秩序にも思える混沌は、二進法のデジタルがアートの世界にまで進出したインスタントな現代を、十二分に嘲笑う古強者のリベンジに違いありません。時折登場する、DEATH のようなメロディーも至高。
今回弊誌では、R. B. Broggi にインタビューを行うことができました。「メタルは単なる音楽ではなく…人生に対する情熱なんだ。MESSIAH は常に困難な状況に取り憑かれたバンドだ。例えば、20年以上経ってから新しいアルバム (Fracmont) を作ることになったり、それがパンデミックと重なったり…。それでもね、”Christus Hypercubus は今、さらにエネルギーとスピードに溢れ、未来への準備が整っているんだ」 どうぞ!!

MESSIAH “CHRISTUS HYPERCUBUS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SCHAMMASCH : HEARTS OF NO LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH C.S.R OF SCHAMMASCH !!

“To Me, The Question For The Source Of Inspiration Is The Same Question As “Where Does Life Come From?”. My Answer For Both Questions Would Be “The Cosmic Energy That Creates All And Destroys All”

DISC REVIEW “HEARTS OF NO LIGHT”

「スイスがいかに本当に小さな国であるかを考慮すれば、僕たちの国には初期のエクストリームメタルシーンとその進化にインパクトを与えたバンドがかなり存在したんだよ。」
バーゼルに居を構えるスイスメタルの灯火 SCHAMMASCH は、内省的でスピリチュアル、多義性に富んだトランセンドブラックメタルで CELTIC FROST, SAMAEL, CORONER といった同郷の巨人たちの偉大な影を追います。
「”Triangle” は、恐怖心から解放された心の状態へと導く道を切り開く試みだったね。それを悟りの状態と呼ぶイデオロギーもあるだろう。」
SCHAMMASCH がメタルワールドの瞠目を浴びたのは、2016年にリリースした “Triangle” でした。3枚組、16曲、140分の壮大極まるコンセプトアルバムは、様々な恐怖、不安から解脱し悟りと真の自由を得るためマスターマインド C.S.R にとって避けては通れない通過儀礼だったと言えるでしょう。
もちろん、彼らが得た自由は音楽にも反映されました。ポストロック、プログレッシブ、オーケストラル、さらにはダウンテンポのエレクトロニックなアイデアまで貪欲に咀嚼し、広義のブラックメタルへと吐き出した怪物は、BATUSHKA, LITURGY, BLUT AUS NORD, SECRETS OF THE MOON などと並んで “アウトサイドメタル” へと果敢に挑戦する黒の主導者の地位を手に入れたのです。
「ULVER はもしかしたら、長い間どんなメタルの要素も受け継がずに、それでもメタルというジャンルから現れたバンドだろうな。だから、彼らの現在の姿はとても印象的だよ。」
実際、初期に存在した “具体的” なデスメタリック要素を排除し、ある意味 “抽象的” なメタル世界を探求する SCHAMMASCH が、概念のみをメタルに住まわせる ULVER に親近感を抱くのは当然かも知れませんね。そして最新作 “Hearts of No Light” は、”Triangle” の多義性を受け継ぎながらアヴァンギャルドな音の葉と作品の完成度を両立させた二律背反の極みでしょう。
ブラッケンドの容姿へと贖うように、ピアニスト Lillan Lu の鍵盤が導くファンファーレ “Winds That Pierce The Silence” が芸術的で実験的で、しかし美しく劇的なアルバムの扉を開くと、狂気を伴うブラックメタリックな “Ego Smu Omega” がリスナーへと襲いかかります。
プリミティブなドラミングと相反するリズムの不条理は暗闇の中を駆け抜けて、レイヤードシンセと不穏でしかし美麗なギターメロディーの行進を導きます。悪魔のように囁き、時に脅迫するボーカルと同様に楽曲は荘厳と凶猛を股にかけ、リスナーに社会の裏と表を投影するのです。
故に、一気に内省と憂鬱のアンビエント、ピアノと電子の “A Bridge Ablaze” へ沈殿するその落差はダイナミズムの域さえ超越しています。”Ego Smu Omega” や “Qadmon’s Heir” の壮大劇的なプログレッシブブラックを縦糸とするならば、”A Bridge Ablaze” や “Innermost, Lowermost Abyss” の繊細でミニマルなエレクトロピースはすなわち “光なき心” の横糸でしょう。
そうして静と動で織り上げた極上のタペストリーは、さらにゴスとポストロックの異様なキメラ “A Paradigm of Beauty” のような実験と芸術のパッチワークが施され SCHAMMASCH をブラックメタルを超えた宇宙へと誘うのです。その制限なきアヴァンギャルドな精神は、32年の時を経て再来する “Into the Pandemonium” と言えるのかも知れませんね。
今回弊誌では、ボーカル/ギター C.S.R にインタビューを行うことが出来ました。「僕にとってインスピレーションの源に関する質問は、「人生はどこから来たのか?」と同じ質問なんだよ。そしてその両方の質問に対する答えは、「すべてを創造し、すべてを破壊する宇宙エネルギー」からなんだ。」 どうぞ!!

SCHAMMASCH “HEARTS OF NO LIGHT” : 10/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【ANNA MURPHY : ex-ELUVEITIE, CELLAR DARLING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANNA MURPHY OF CELLAR DARLING !!

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Anna Murphy, Gorgeous Muse Talks About Her Ex-Band ELUVEITIE, New Band Cellar Darling, And Solo Project !!

スイスが誇る Folk / Melodic Death Metal バンド、ELUVEITIE。ヴァイオリン、バグパイプ、ホイッスル、ハーディー・ガーディーといった伝統楽器を大胆に取り入れ、ケルトの民族音楽とメロデスを見事に融合させた革新的な集団です。
2014年に日本公演も大成功させた、このインターナショナルなメジャーアクトに今年、大事件が勃発しました。2000年代前半から所属していた中心メンバー、ボーカル/ハーディー・ガーディー の Anna Murphy, ギタリスト Ivo Henzi, ドラマー Merlin Sutter が脱退してしまったのです。
元々、作品毎に音楽性が変わりやすく、メンバーチェンジの多いバンドであったことは確かです。しかし、特に Anna の美麗なボーカルと、ハーディー・ガーディーが紡ぐケルトの響きは間違いなく ELUVEITIE の顔であったため、多くのファンを失望させています。
弊誌では以前も Anna にインタビューを行っていますが、今回再度登場いただき、ことの顛末、ELUVEITIE への想い、脱退した3人が新たに結成した新バンド “Cellar Darling” などについてお話を伺う事が出来ました。
「結局 ELUVEITIE は Chrigel のバンドだから」 「ここ何年間も封印されていたクリエイティビティ」 などという言葉の端々から、この脱退劇がバンドの創立者 Chrigel Glanzmann との対立、意見の相違であったことは明らかでしょう。最新作 “Origins” で Anna のボーカルはさらに増える傾向にあったため、そのあたりが引き金だったのかも知れませんね。
勿論、残念ではありますが、ELUVEITIE は ELUVEITIE で、LEAVE’S EYES の Liv Kristine をゲストに迎えてツアーを行っていますし、インタビューで Anna が語っているように、好きなバンドが2つに増えたと思えば楽しみにもなります。また、彼女はソロアーティストとしても活動しており、新曲 “Mayday” をリリースしたばかり。こちらにも Ivo, Merlin が参加しているので少しややこしいですが、ぜひチェックしてみてくださいね!どうぞ!!

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PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【ELUVEITIE】


EXCLUSIVE: INTEVIEW WITH ANNA MURPHY OF ELUVEITIE

ANNA MURPHY OF ELUVEITIE TALKS ABOUT THEIR NEW ALBUM “ORIGINS”, PADE KISTLER, HURDY-GURDY, AND LIVE IN JAPAN !!

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今年は FOLK / VIKING METAL が本格的に日本に上陸を開始した年になったように思います。11月には PAGAN METAL ALLIANCE という FOLK / VIKING 系のバンドを集めたフェスが開催され ENSIFERUM, MOONSORROW, OLPHANED LAND といったバンドの好演で盛り上がりました。そしてこのバンドの公演も大好評でしたね。ELUVEITIE。メンバーにハーディー・ガーディー、バグパイプ、ヴァイオリン奏者を含む本格的な FOLK METAL バンドです。8月に発表した最新作 “ORIGINS” も DARK TRANQUILIRY, IN FLAMES 直系の本格的なメロデスを骨格としながらケルト神話の世界観と民族楽器を使用したフォーキーなメロディーで肉付けを施した彼ららしい快作に仕上がっていますね。SWISS MUSIC AWARDS を獲得したり日本の HONDA とスポンサー契約を結んだりとバンドにとっても重要な年になりました。ただメンバーチェンジの多いバンドで先の来日公演でもバグパイプに日本国旗をブッ刺しながらステージ上をウロウロし、”KAMIKAZE WHISTLER” の異名を欲しい儘にした PADE KISTLER は脱退してしまいました。その辺りも含めてヴァイオリンの二コールちゃんと二人で ELUVEITIE の “KAWAII” を担当するボーカル/ハーディー・ガーディー奏者の ANNA MURPHY に話が聞けました。

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