EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GAVIN HARRISON OF KING CRIMSON!!
NEW KING CRIMSON ARE GOING TO COME TO JAPAN ON DECEMBER!!
UK の至宝、プログロックの伝説 KING CRIMSON が2003年以来実に12年ぶりの来日を12月に果たします。2011年に ROBERT FRIPP は突如として音楽業界からの引退を発表、KING CRIMSON も終焉かと思われましたが2013年にバンドの再始動を発表。これまでもそうしてきたようにメンバーを1部刷新して新しい音楽の旅に出ました。今回の再始動、目玉はやはり MEL COLLINS の復帰でしょう。”IN THE WAKE OF POSEIDON” から “ISLANDS” まで参加し (“RED”はゲスト扱い)、サックス、フルート、メロトロンを自在に操った名バイプレイヤーの帰還です。同時に注目されるのが3ドラムスという新しいコンセプト。GAVIN HARRISON, PAT MASTELOTTO という名手二人に R.E.M, NINE INCH NAILS などでの活躍で知られるマルチプレイヤー BILL RIEFLIN を加えて3人のドラマーがバンドに存在する形になりました。 90年代の”ダブルトリオ”編成時代にはツインドラムを提示していましたが、このコンセプトにはさすがに驚きました。では新生クリムゾン、具体的にどのような音になっているのでしょうか?私達には昨年リリースされた “LIVE AT THE ORPHEUM” と 2011年にリリースされた新生クリムゾン マイナス PAT&BILL というラインナップの KING CRIMSON PROJEKCT “A SCARCITY OF MIRACLES” いう2つのヒントが与えられています。前者を聴く限り、3ドラムスというコンセプトは「それぞれが別々のリズムを刻みカオティックな世界観を創出する」というよりは「同じグルーヴ、リズムを3人で刻み音圧、高揚感を得る」という目的のようです。これはステージ前方にドラムスを配し後方にリード楽器を置いている現在の位置取りからも推測できます。後者はまさに FRIPP COLLINS JAKSZYK の良いとこ取りのような作品。FRIPP のサウンドスケープ、COLLINS のスリリングなサックス、JAKSZYK のメロウなボーカルが溶け合っていました。クリムゾンの作品で言えば “ISLANDS” の叙情性が最も近いかも知れませんね。インタビューでも触れているように新しいマテリアルを試しているとのこと。それがそのままこの路線とは全く限りませんがADRIAN BELEW を廃して COLLINS と JAKSZYK を配置した訳ですから初期の叙情性が復活することは大いに有り得ると思います。今回弊誌では KING CRIMSON, PORCUPINE TREE という新旧二大プログバンドに在籍するスーパードラマー GAVIN HARRISON に話を聞くことが出来ました。
【INTERVIEW WITH GAVIN HARRISON】
Q1: KING CRIMSON Japan Tour is just announced !! How are you feeling now? And what the setlist will be?
【GAVIN】: We’re very happy to be coming to Japan and making so many concerts. It will be the exciting conclusion of the 2015 tour.
Q2: So, what do you think New Crimson line up? Mel Collins is back, and three drummers in the band. What is triple drums to you?
【 GAVIN 】: Mel is fantastic and adds so much to the performance. We all really enjoy Mel’s inventive soloing every night. Having three drummers gives us unique opportunities to explore some very interesting rhythmic and sonic possibilities. Three very different drummers with three different approaches to drumming can really mix together very well. .
Q4: Your solo record, “Cheating the Polygraph” is just released. This is the re-image of Porcupine Tree songs. And you did really magnificent arrangement. Anyway, what made you try this great challenge?
【 GAVIN 】: I had wanted to make a modern contemporary big band album for a very long time and I was thinking about making an album of some of my favourite Porcupine Tree songs completely re-imagined for big band sound. This really is not a cover album. The arrangements take the essence of the compositions and take them into the stratosphere. It was a long process (about 5 years) to complete the whole project but it was a fantastic journey for me. .
Q4: あなたのソロアルバム “CHEATING THE POLYGRAPH” もリリースされましたね。PORCUPINE TREE の楽曲をリ・イメージした内容でビッグバンド調の素晴らしいアレンジが施されています。なぜこういったアルバムを制作したのでしょうか?
【 GAVIN 】: 僕はずっと長い間モダンなコンテンポラリービッグバンドのアルバムを作りたいと思っていたんだ。そして僕の大好きな PORCUPINE TREE の楽曲を何曲か完全にビッグバンドサウンドにリ-イメージしたアルバムを作ろうと思いついたんだよ。これは全くカバーアルバムではないよ。楽曲の構成だけ抽出して成層圏に届くくらい異なったアレンジを施してあるからね。プロジェクト全体で5年くらいの長い期間を要したよ。だけど僕にとって素晴らしい旅だったね。
Q5: How did you choose the songs of “Cheating the Polygraph”?
【 GAVIN 】: I chose the songs that I felt had good rhythmic possibilities and presented them to Laurence Cottle (the arranger) to see how he felt about re-imaging them from a harmonic perspective. We worked for several weeks on each tune passing it back and forth between us until we felt happy with the arrangement.
Q6: Steven Wilson told that PORCUPINE TREE may return in 2016. Do you think it will come true? And You’ve played with two prog genius, Robert Fripp and Steven Wilson. When you compare these two, how are they resemble or different ?
【 GAVIN 】: I don’t know about the future of PORCUPINE TREE. And I don’t compare people.
Q6: STEVEN WILSON は2016年の PORCUPINE TREE の復活について言及していました。実現すると思いますか?また STEVEN と ROBERT を比較した時、似ているところはありますか?
【 GAVIN 】: PORCUPINE TREE の未来についてはわからないな。僕は人を比較したりはしないんだ。
Q7: And you’ve played with lot’s of bands and project, like iamthemorning (I really love them), The Tangent, Blackfield, No Man, OSI, Storm Corrosion, and more. Do you have new project you are involved in?
【 GAVIN 】: I work on a lot of projects from my studio. There are more things coming but I can’t mention them at the moment.
Q7: あなたは他にも様々なプロジェクトに関わってきましたね。IAMTHEMORNING, THE TANGENT, BLACKFIELD, NO MAN, OSI, STORM CORROSION…現在関わっているプロジェクトはありますか?
言わずと知れた KING CRIMSON のギタリストにしてリーダー。MR.CRIMSON。後続に多大な影響を与え続けるイノベイターです。メカニカルでシーケンシャルなフレーズ/アルペジオを構築し正確に弾きこなすと同時に、ライブでのインプロヴィゼーションも持ち味。バンド以外でも DAVID BOWIE, BRIAN ENO, ANDY SUMMERS など様々なミュージシャンと共演してきています。
MEL COLLINS
今回の再始動で1972年以来40年以上ぶりにバンドに復帰したサックス、フルート、メロトロン奏者。その実力(と利便性)故様々なバンドに引っ張りダコで ROLLING STONES や中島みゆきのアルバムにも参加していたりします。KING CRIMSON 脱退後は CAMEL にも長く在籍したプログロック重要人物の1人。
TONY LEVIN
スキンヘッドに髭がトレードマークのプログ界NO.1ベースプレイヤー。チャップマンスティックという不思議な楽器を操ることでも知られています。DREAM THEATER のメンバーと立ち上げた LIQUID TENSION EXPERIMENT での活躍も有名で、他にも数多くのセッションやプロジェクトをこなしています。PETER GABRIEL のお抱えベーシストであり、同僚の PAT MASTELOTTO と STICK MEN というバンドでも活動する多忙人。
新メンバー。新生クリムゾンのリードシンガーでセカンドギタリスト。キーボードもこなすマルチプレイヤー。ソロ、THE TANGENT, LEVEL 42 などさまざまなバンドに在籍する傍らコメディアンとして活躍するなど実に才能豊かな人物です。妻は KING CRIMSON の創立メンバー MICHAEL GILES の娘。
BILL RIEFLIN
新メンバー。トリプルドラマーの1人。R.E.M, MINISTRY, KMFDM, NILE INCH NAILS など90年代初頭からインダストリアルなバンドのドラマーとして活躍。キーボードやギターもこなすマルチプレイヤー。
GAVIN HARRISON
KING CRIMSON, PORCUPINE TREE という二大プログバンドのドラマー。その事実だけで実力は推して知れますね。
【KING CRIMSON’S RECORDS YOU MUST LISTEN TO】
“IN THE COURT OF THE CRIMSON KING”
デビュー作にしてプログロックの概念を確立した記念碑。ロックというジャンルにクラッシックやジャズを高いレベルで融合させ、同時に歌詞専門のメンバー PETE SINFIELD が詞に深い意味を持たせることで知的で奥深いプログロックの世界を構築しました。メタリックな音像のサックスとギターが狂ったようにメカニカルでカオティックなフレーズを畳み掛け、唯一無二のカタルシスを生み出す “21st CENTURY SCHIZOID MAN” 。”CONFUSION WILL BE MY EPITAPH” という一節が楽曲の全てを物語る、メロトロンとアルペジオと悲哀に満ちて美しい “EPITAPH”。この2曲の究極の対比が後のロック界に与えた影響は計り知れませんね。
“LARK’S TONGUES IN ASPIC”
“ISLANDS” ツアー終了後、FRIPP はバンドの内紛に嫌気が差し解散を宣言。しかし BILL BRUFORD, JOHN WETTON, DAVID CROSS, JAMIE MUIR といった自らの理想を具現化出来るアーティストたちと出会い、クリムゾンを再始動しこの傑作をリリースしました。インプロヴィゼーションの塊のようなアルバムです。時代背景としてはちょうどマイルス・デイヴィスの音楽が絶頂期を向かえたあたりですが、それとリンクするかのように、時に繊細で時に大胆なロックにおける最高峰の即効演奏が味わえます。特に JAMIE MUIR のパーカッションと DAVID CROSS のヴァイオリンはクリムゾンに新しい息吹を与えました。混沌としていて実験性に満ちていながら、キメのフレーズやメロディーはキャッチーで驚きを隠せません。
解散から7年。1981年に FRIPP は ADRIAN BREW, TONY LEVIN という新しい血をアメリカから得て KING CRIMSON を再始動させます。当初は歌詞に深みがなくなった、ニューウェーブやポリリズムを大胆に取り入れすぎ、アメリカ人が嫌いだ、ステージでクネクネするな、など批判を浴びた作品です。しかしながら、 後に再評価が進み現在では FRIPP 曰くクリムゾン史上三指に入る作品だそうです。実際、当時最先端だった音楽を咀嚼し彼らのやり方で提示した意欲作だと思います。タイトルトラック “DISCIPLINE” の”鍛錬”のようなメカニカルで難解なフレーズを泊をずらしてギターで輪唱するという訳のわからない挑戦や、”FLAME BY FLAME” の斬新なフレーズ、ギターシンセやチャップマンスティックといった新しい楽器の導入など聴きどころの多い作品でプレイするたび新しい発見があります。
“THRAK”
1984年に再度解散した KING CRIMSON は10年の沈黙の後ミニアルバム “VROOM” で復活を遂げます。80年代のラインナップに TREY GUNN, PAT MASTELOTTO を加えた”ダブルトリオ”編成という新しいコンセプトで。満を持して発表したフルアルバム “THRAK” は “RED” で体現したへヴィーさとインダストリアルな先鋭さを備えた優れた作品でした。メタリックな楽曲、実験的な楽曲、ポップさを備えた楽曲とバラエティーに富んでいて、コンセプト先行だった80年代と比べるとある意味肩の力が抜けたようにも感じられます。ダブルトリオという観点からみれば、”SEX SLEEP EAT DRINK DREAM” は非常に成功した楽曲だと思います。
“POWER TO BELIEVE”
2003年発表、KING CRIMSON 現時点での最新作。ダブルトリオから BILL BRUFORD と TONY LEVIN が脱退。四人編成となりヌーヴォー・メタルを指標した作品です。
【THE ELEMENTS OF KING CRIMSON TOUR IN JAPAN 2015】
“in motion. This is a very different reformation to what has gone before: seven players, four English and three American, with three drummers. The Seven-Headed Beast of Crim is in Go! mode.”
Tickets for the seven shows in Japan will be available on August 29th.
Tokyo December 7(Mon)Bunkamura Orchard Hall
Tokyo December 8(Tue)Bunkamura Orchard Hall
Tokyo December 9(Wed)Bunkamura Orchard Hall
Tokyo December10(Thu)Bunkamura Orchard Hall
OPEN 18:00 / START 19:00 Ticket \15,000
<info>Creativeman 03-3499-6669
Osaka December 12(Sat)Festival Hall
OPEN 17:00 / START 18:00 Ticket \15,000
Osaka December 13(Sun) Festival Hall
OPEN 16:00 / START 17:00 Ticket \15,000
<info>Kyodo Information 0570-200-888
Nagoya December 21(Mon)Nagoya Century Hall
OPEN 18:00 / START 19:00 Ticket \15,000
<info> Sunday Folk Promotion / 052-320-9100
WORLD PREMIERE: NEW SONG !! “SEA DRAGON” OF COVET (YVETTE YOUNG) !!
BEAUTIFUL AND TALENTED MODERN GUITARIST, YVETTE YOUNG AND HER BAND COVET SET TO RELEASE THEIR DEBUT EP “CURRENTS EP” !!
美貌と才能を兼ね備えた新世代ギタリスト YVETTE YOUNG 率いる COVET がデビュー EP “CURRENTS EP” をリリースします。POLYPHIA, INVALIDS といったアーティストのアートワークをも担当するなど実にマルチな才能を持った YVETTE は幼い時からクラッシックの英才教育を受けて育ちました。ピアノ、ヴァイオリンを習得した彼女のギタープレイは通常のそれとは少し異なります。ピックを使用せず、フィンガーピッキングでルート音などを鳴らしながらタッピングでメロディーを奏でるスタイル。これをロックの世界で具現化しているギタリストはほとんど見かけませんし、使用ギター7弦 STRANDBERG の特性とも相まって独特でモダンな雰囲気を漂わせています。彼女はすでにソロEP “ACOUSTIC EP” をリリースしていますが、スリーピースバンド COVET としては初の音源。今回公開する “SEA DRAGON” は WHAT’S MATH ROCK? と聞かれたら THIS IS IT! と答えたいくらいにマスロックの理想像を具現化しているのではないでしょうか?どこか懐かしく風景の見えるようなメロディーと数学的な譜割のリフやリズム。素晴らしいですね。YVETTE の弊誌独占楽曲解説とメッセージです!!
【ABOUT “SEA DRAGON”】
Aw we are releasing our album soon! It will be released in 3 weeks or sooner! And tour with POLYPHIA and CHON is great! We are playing our second show and most shows are sold out! When I wrote the song I was thinking about the ocean and a mysterious dragon traveling through the water, kind of like a creature from a Miyazaki movie! The entire album is about having an oceanic adventure 🙂
I would like to tell Japan that I miss being there and I am grateful for their support and fans and also that I will be going there with my band Covet very soon!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOHAN WESTERLUND OF MOON SAFARI !!
JOHAN WESTERLUND OF MOON SAFARI TALKS ABOUT THEIR UPCOMING ALBUM “HIMLABACKEN VOL.2”, JAPAN, PROG SCENE AND MORE !!
スウェーデンの新世代プログバンド MOON SAFARI には停滞気味の所謂”プログレ”シーンに新風を吹き込み、活性化させる事が大いに期待されています。別段、何か新しい事をやっている訳ではありませんし、演奏技術が特別優れているわけでもありません。ただ彼らの生み出すメロディーは BILLY JOEL や ELTON JOHN といったポピュラー音楽稀代のメロディーメイカー達に勝るとも劣らないほどのクオリティーを誇っています。瑞々しく爽やかで突き抜けるような美しいメロディーに強力なコーラスワーク。これをプログロックのフィールドで具現化出来ているバンドは他に A.C.T くらいではないでしょうか。今回弊誌ではベーシストの JOHAN に新作 “HIMLABACKEN VOL.2”, 「YOUは何しに日本へ」で生歌まで披露した日本についてなど語っていただきました。