“I Think Where We Differ From Toto Though Is Sometimes We Can Get Pretty Heavy, Sometimes You Need To Feel The Crunch Or Chugg. But Again, Similar To Toto, We’d Also Like To Reach a Wide Audience.”
DISC REVIEW “FIVE STEPS ON THE SUN”
「僕たちにとって非常に重要なのは、自分たち自身、そしてリスナー全員に、音楽の中で大きな問いを投げかけるよう促すこと。自分たちを取り巻く世界、宇宙、テクノロジー、科学、時事問題について、音楽の “問いかける” 力を感じてもらいたい。僕たちは音楽を通して大きな問いを立てることができる。音楽は、僕たちがこの世界についてどう感じているのか、もっと考える機会を与えてくれるんだ」
音楽やアートは何のために存在するのでしょうか?もちろん、純粋に気持ちよくなるため、感動を味わうためにアートを享受する人も多いでしょう。そうした一方通行で受け身のアートももちろん素晴らしいものです。一方で、アートを受け取って投げ返す対面通行の楽しみ方も、悪くはないものです。アイスランドを拠点とするギタリスト DarWin は、自らの音楽でリスナーに、世界に対して何かしらの “問い” を立ててほしいと願っています。
「僕たちの多くは、ひいひいおじいちゃんおばあちゃんがネアンデルタール人だったのだよ。いずれにせよ、ネアンデルタール人は種として消滅した。 それから1万数千年が経った今、僕たちはここにいる。 僕は、ホモ・サピエンス、つまり現代の “人類” の最後の一族になるとはどういうことなのだろうかとずっと考えていた。 そして “次世代の人類” はどのような姿をしているのだろうか? ホモ・サピエンスの後には何が来るのだろう? 彼らはどのように出現するのだろうか? …ってね。僕はときどき、次世代の人類はいかにテクノロジーに適応し、あるいは融合して、より高度な能力を獲得する必要があるのだろうかと考えることがあるのだよ」
2015年に産声をあげた DARWIN は、克明に暗雲が増えていく世の中でいつしか、人類 “ホモ・サピエンス” の終焉を夢想するようになります。そのプロジェクト名が示すように、DarWin は種の起源と終焉について掘り下げながら、滅びゆく世界で人類の進化、その正当性と妥当性に問いを投げかけるのです。
「エアポッドでバッハを脳内に流しながら外をランニングするほど素晴らしいことはないよ。何百年も前の作曲が、まったく異なる世界情勢に直面しながら、モバイルネットワーク通信、何百ものマイクロプロセッサー、バッテリーエネルギー、その他さまざまな現代の技術革新によって、僕らの脳にストリーミングされているのだから。 古代と未来の衝突はとても魅力的だ」
それでも DARWIN は、人類の可能性を諦めたわけではありません。人類はとても脆いけど、個々の人間には内省があり、希望があり、回復力と大きな可能性を秘めている。その左相がこれまでの素晴らしき音楽の歴史と、未来を見据えたテクノロジーの進化、その融合でしょう。道程と道筋の邂逅。
DARWIN は長い音楽とロックの歴史を抱きしめながら、今を生き、未来を創造しようとしています。ここに参加するアーティストは、ほとんどが百戦錬磨。かつてはあの Billy Sheehan, Guthrie Govan も名を連ねていた DARWIN のラインナップ。今回の “Five Steps on the Sun” では、Simon Phillips, Matt Bissonette, Derek Sherinian, Greg Howe のレギュラー・メンバーに加えて、Andy Timmons も降臨。一方で、新進気鋭のベーシスト Mohini Dey も起用して、まさにロックのロード・ムービーを完成させました。
「たとえプレイヤーたちがみんな狂ったようにシュレッドできるとしても、メンバーの真の貢献は本当に素晴らしい曲にあると思う。 彼らは幅広い聴衆のためにポップなロック・ソングを作ったけど、曲作りには洗練さと思慮深さもあった。 でも、僕らが TOTO と違うところは、時にはかなりヘヴィになったり、クランチやチャグを感じることがあるところだと思う。でも TOTO と同じように、幅広いオーディエンスに音楽を届けたいと思っているんだ」
そんな DARWIN によるロックの “進化論” を探求する試みは、もちろんその楽曲にも及んでいます。プログレッシブでシュレッドを織り交ぜながらも、あくまでメロディとフック、そして構成の妙で勝負する DARWIN の楽曲は、あの TOTO と肩を並べるほどの楽曲派です。
しかし、それだけでなく、ここには Plini や PERIPHERY を思わせる Fu-djent, 近未来的なシュレッドやチャグチャグしたリズムまで存在しています。”ロックの起源” からその道のりを余さず投影した彼らの音楽は、そうしてアートと人類の可能性を指し示しているのです。
今回弊誌では、DarWin にインタビューを行うことができました。P-Vine から日本盤の発売も決定!どうぞ!!
DarWin (g)
Simon Phillips (d, p)
+
Matt Bissonette (v)
Greg Howe (Lg)
Mohini Dey (b)
Derek Sherinian (key)
Julian Pollack (key)
Chariya Bissonette (bv)
Jesse Siebenberg (Ag, bv)
Andy Timmons (Lg)
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RENECK SWEET OF FIRST NIGHT !!
“The Good Old AOR Scene Might Even Disappear Completely In About 20 Years. I Would Not Be Surprised By That But The Music Remains. Thanks To The Albums And The Internet.”
DISC REVIEW “DEEP CONNECTION”
「エストニアで生きていると、時間が経つにつれて、たくさんの素晴らしいバンドを発見できて面白かった。情報のない箱の中で生きているような時もあったからね」
時に限定された状況は、強力な好奇心を生み出します。音楽を聴けないから聴きたくなる。ゲームを買えないからやりたくなる。女性が振り向いてくれないから振り向かせたくなる。そんな、不自由の中の自由から、人は進歩とチンポを続けてきたのです。
エストニアはバルト三国で最も北に位置する小さな国。スウェーデンやフィンランドに面しながらもメタルやロックの黄金郷となれなかったのは、多分にソヴィエト連邦に支配された過去があるからでしょう。しかし、かつて激しく抑圧を受けていた美しい国は、独立を回復した後、目覚ましい発展を遂げます。
ITの分野において、エストニアは今や世界の最先端です。電子国家と呼ばれるように、ほとんどの手続きはインターネットで終わります。Skypeを産んだのもエストニア。さらに、国民の教育レベルは非常に高く、マルチリンガルで、報道の自由度も日本とは比べられないほど高いのです。
そんな小国の回復力、”レジリエンス” は、エストニアから世界を驚かせた FIRST NIGHT の音楽にもしっかりと根付いています。
「バッキングトラックのアイデアやミキシングのアイデアは全て Mutt Lunge から影響を受けている。ただ、僕らのバンドは DEF LEPPARD やどんな他の一つのバンドのようになるつもりはないよ。80年代の全体を愛しているからね」
FIRST NIGHT のメイン・コンポーザー Reneck Sweet にとって、情報が制限された世界はむしろプラスに働いたのかもしれません。ストリーミングや”〇〇放題”は確かに簡単で便利で安価ですが、いつでもあることの安心感が自分で探す楽しさ、探究心や好奇心を大きく犠牲にしている可能性はあります。事実、Spotifyのオススメとは無縁の環境で育った Reneck は、今やトレンドやセールスとは程遠いメロディック・ハードの世界を自らの手で探求し、遂にはエストニアが誇るインターネットの分野で大きな話題となるまでに成長を遂げたのです。
実際、デビュー作から4年の月日を経てリリースされた “Deep Connection” には、80年代への愛情、知識、好奇心が溢れんばかりに詰まっています。北欧的なキーボード/シンセのとうめいかと華やかさ、80年代ドイツ風のクリーン・ボーカル、カナダから輸入した清らかなギター・ライン、さらに80年代後半のブリティッシュAORからの影響、そしてもちろんアメリカのビッグ・サウンドがコーラスに組み込まれ、この作品はあらゆる国、あらゆる側面からメロディック・ハードの “美味しいとこどり” を実現しているのです。ウジウジとした女々しいテーマも実にメロディック・ハードしていてたまりませんね。
「AORというジャンルが徐々に衰退していくのも不思議ではないよ。ほとんどのメロディック・ロックバンドは、若い聴衆を獲得するために、よりヘヴィでモダンなサウンドにすり寄っているからね。でも僕はその方向には行きたくないんだ。僕らのアルバムを買ってくれるのは45~60歳くらいの人が多いんだよ。だから、古き良きAORシーンは、20年後には完全に消滅してしまうかもしれない。そうなっても驚かないけど、音楽は残っていくんだ。名作アルバムとインターネットに感謝だね」
Reneck はもはや、メロディック・ハードの消滅を悲観してはいません。というよりも、かつて限られた情報の中でも情熱を失わなかった自らの姿を重ねながら、音楽さえ電子空間に残っていれば誰かが聴いてくれる、語り継いでくれるという確固たる自信が Reneck の中にはあるのでしょう。DEF LEPPARD, Bryan Adams, BLUE TEARS, BOULEVARD, STRANGEWAYS, DA VINCI といった決して消えない名手の名作たちのように。”Deep Connection” で FIRST NIGHT は明らかに音のタイムトラベルをマスターしたようです。残念なのは、実際に80年代へとタイムトラベルが行えないこと。きっとそこには、満員のアリーナが待っていたはずです。
とはいえ、世はTikTok戦国時代。あの場所でメロディック・ハードがバズる確率は、きっとゼロではないでしょう。今回弊誌では、Reneck Sweet にインタビューを行うことができました。「僕は良いメロディーがとても好きなんだ。僕にとって音楽はメロディーが全てと言えるほどにね。そして “Deep Connection” はまさにそんな僕の望んでいたとおりのものとして完成した」 元嫁の顔をジャケにできるのはメロハーだけ。1st AVENUE 好きに悪い人はいない。どうぞ!!
“I Do Love Dark Music, But To Me My Music Just Sounds Like Rainbows. Jagged Piercing Ones At Times, But Still Rainbows.”
DISC REVIEW “I WILL NOT USE THE BODY’S EYES TODAY”
「私は自分の音楽を、天使と悪魔の融合とは思っていない。私にとってはすべて天使的なものなんだ。悪魔的なものは、私自身の悪魔について論じるときに題材として登場するだけでね。意図的にダークな音楽を作ろうとはしていないんだ。ダークな音楽は好きだけど、私にとって自分の音楽は虹のように聞こえるだけ。時にはギザギザに突き刺さるような虹もあるんだけど、それでも虹なんだよ」
ご存知の通り、ヘヴィ・ミュージックが無味乾燥で一義的な場所であるというのは、完全なる誤解です。とはいえ、殺風景で無彩色なスタイルの持ち主がたしかに多いのも事実。しかし、そういったアーティストと同じくらい、ヘヴィ・ミュージックを色鮮やかなアートの爆発として扱う人たちも同様に多いのです。シカゴの Fire-Toolz は、ヘヴィネスに宿る無限の色彩を提案するインターネットの虹。Fire-Toolz A.KA. Angel Marcloid は、プログレッシブ、ブラックメタル、ジャズ・フュージョン、インダストリアル、AOR, グラインドコア、さらには日本のシティー・ポップの要素までスリリングなプロキシを通して屈折させ、スタイルの境界を創造のピクセルで消してしまうのです。
「どんなジャンルの音楽にも、男っぽいとか、女っぽいとか、固有のジェンダー・アイデンティティや表現があるとは思えないよ。ここアメリカの私たちにしても、他の文化にしても、そうした関連付けや決めつけをしてしまうのは残念なことだよ。ただ、私はそうしたレッテル貼りが一般的であることも理解しているんだ。私がそんな風に物事を見たことがないたけでね。境界が曖昧になることは、ほとんどの場合、良いことだと思うんだ。制限を取り払い、規範を解体し、自由を活用することは、とても重要なことだから」
ここ数十年にわたるポスト・モダニズム思想の定着は、ステレオタイプを曖昧で不安定なものとし、ジャンルや形式といった制約を過去の遺物と見なす新しい文化を精製しました。Fire-Toolz の最新作、”I will not use the body’s eyes today” は、この新世界の芸術的アプローチをある意味で体現しているのです。その主眼は、音楽の “脱構築” にあります。
「他の人が私のカオスをどう捉えているかは、よくわかるんだよ。私にとってこの混沌は、とてもコントロールされ、組織化されているように感じられるんだけど、外から見ると、混乱しているように見えるかもしれないね」
私たちが毎秒何千ものピクセルを自然とスクロールするように、この7曲はリスナーを容赦なく説得し、時に幻惑します。一つのテクスチャーやモチーフに落ち着くことはほとんどなく、さながらグリッチを含んだデジタル・コラージュのように機能していきます。最もオーソドックスな “Soda Lake With Game Genie” にしても、6分半という長尺の中にサックスやブラスト・ビート、80年代のポップなど、予期せぬ展開が濁流のように押し寄せる非常に流動的な仕上がり。
“A Moon In The Morning” では、Angel Marcloid のパレットは全体を覆い尽くす焼けるようなディストーションへと変化し、悪魔の遠吠えとオーケストラのMIDIストリングスの厳しいせめぎ合いが対消滅の危機感を抱かせます。イタロ・ディスコ、テクノ、EBM のテイストを取り入れたビートも、アコースティック・ギターのサスティーンを強調したブレイクダウンも、この構築を逃れたしかし意図的なカオスの中にあります。
重要なのは “仕切り” がないこと。ここはブラックメタル、ここは AOR、ここはプログレッシブなどという構築された混沌は、結局のところステレオタイプで、興ざめです。
こうして、従来の構成や動きといった概念を完全に捨て去ろうとする姿勢が “I will not use the body’s eyes today” をユニークで挑戦的作品にしているのです。それはまさに、体の目を使わず、心の目で作品を作ること。心を開き、未来を見据えることのできるリスナーにとって、この計算された混沌はすべての芸術と文化が境界線を失ってもまだ機能する世界の予兆とまで言えるでしょう。そう、私たちは Fire-Toolz によってまんまとハッキングされているのです。
「”I will not use the body’s eyes today” というフレーズは、多かれ少なかれ、私がエゴ (肉体的な目) からではなく、高次の自己の目 (心の目) から見ることを肯定しているんだよね。つまりこれは、超越のための嘆願なんだよ」
ヴェーダ哲学、キリスト教神秘主義、見捨てられることへの恐れ、感情の断絶、愛着の不安、自己破壊、意識の霊的傾向、トラウマの治癒、恥。Angel は永遠に拡張される音のツールボックスと同様に、世界とその神秘に対する多様な哲学と神学のインデックスをもその作品に注ぎ込んでいます。そうして、Fire-Toolz というプログラムは自己実現によって既存の器がさらに拡大可能であることを証明しているのです。
今回弊誌では、Angel Marcloid にインタビューを行うことができました。「カシオペア、角松敏生、木村恵子、杏里、Hiroshima、堀井勝美、鈴木良雄、菊池桃子を生んでくれてありがとう!」 どうぞ!!
Fire-Toolz “I WILL NOT USE THE BODY’S EYES TODAY” : 10/10
“Don’t Take The Easy Dollar. Find What You Want To Do — What Makes You Happy — And Go With It. Live Virtuously, And You’ll Be Rewarded Tenfold. I’m Not Rich, But I’m Happy Where I’m At”
DREAMKILLER
Arthur Rizk はモダン・メタルの秘密兵器でしょう。もし彼の名前を知らなくても、メタルヘッズなら彼の仕事は必ず知っているはずです。2006年以来、プロデューサー、ソングライター、エンジニア、マルチ奏者として300を超える実績を誇る Arthur のキャリアは、ダラス生まれのニューカマー POWER TRIP のデビューフル “Manifest Decimation” を2013年に手がけたことで飛躍的な成長を遂げました。SOULFLY, KREATOR, CAVALERA CONSPIRACY, CRO-MAGS, SACRED REICH, CODE ORANGE, PRIMITIVE MAN, TURNSTILE, SHOW ME THE BODY といったバンドは、Arthur 独特の専門知識から恩恵を受けていますが、これは表面上の話に過ぎません。最近では、ジャンルを超えたラッパー、ソングライター Ghostemane のメジャー・デビュー作を手がけ、90年代のヒップホップへの愛を全開にしたのですから。
「ETERNAL CHAMPION と SUMMERLANDS では、ほとんどメタル以外のものからしか影響を受けていない。僕が本当に好きなのはメロディックなものばかりなんだ。THE EAGLES, Lionel Richie, TANGERINE DREAM といったムードのね。もっとメロディックなものが僕の曲作りのスイッチになるし、そこから何かアイデアを得て、それをメタルとして書くだけなんだ、基本的にね。僕の作品はすべて、メタル以外のものから影響を受けている」
この6年間の Arthur の進化が、”Dreamkiller” に、誠実さ、謙虚さ、内省の正確なブレンドによってのみ可能となる重厚さを与えているのです。別の言い方をすれば、このアルバムには失うものがあるのでしょう。
Arthur は自分の部屋にレバノンの国旗を誇らしげに、そして当然のように掲げています。彼のクリエイティブな性格には、実際、そのレバノンの遺産が大きく影響しています。レバノンからの移民である彼の両親は危険を冒してペンシルバニアで新しい生活を始め、イートンでレバノン風デリカテッセンを開業したことは彼の誇りでした。ヘヴィ・メタルの洗礼を受ける前、彼が影響を受けた音楽は東洋と西洋のハイブリッドでした。一方では、レバノンの伝説的な音楽家であるフェアーズ、ファリド、アスマハン・アルアトラッシュのような人たち。もう一方は、”カトリックの賛美歌と中世とドリアンモード”。彼のメタルのルーツは後者にあり、前者はむしろ音楽の極めて個人的な性質、彼の考え方に影響を与えたのです。
「僕はレバノン系のカトリック教徒として育った。結局、音楽だけが心に残っているんだよな。面白いことに、ヨーロッパとこちら側では、好きなメタルが全く違うんだ。ヨーロッパの人たちは、エキセントリックとまでは言わないけど、結構バンドの後期の作品に興味を持つ傾向にある。80年代の大御所バンドなら、そのバンドの後期のレコードも好きなんだよ。例えば80年代のスラッシュ・バンドがあったとして、ヨーロッパの人たちは90年代や2000年代に彼らが作ったゴシック・ロックのようなものも好きだ。例えば PARADISE LOST や SENTENCED のような、ある方向から始まって別の方向に向かったバンドのレコードをずっと追いかけている可能性がある。その理由はよくわからないけどね。アメリカの人たちは、音楽の流行の移り変わりが早い気がするね。
とにかく、レバノンの従兄弟たちが、僕をメタルに引き込んでくれたんだ。IRON MAIDEN の “Virtual XI” とか、そんな感じの適当なカセットテープをくれたんだ。従兄弟たちは僕のヒーローだったから、”彼らがハマっているものは何でもハマらなきゃ!” って感じだったからね。ユーロ・メタルからの影響は、前作よりもこのアルバムの方がより強く出ているんだ」
この Arthur の形成期における幅広い芸術性は、彼の作品に不可欠であり、異例の解決策を発見する欲求を刺激し続けています。ジャンルを超えたラッパー Ghostemane のアルバム “N/O/I/S/E” と “ANTI-ICON” を手がけることは、彼の創造力の試金石となりました。”90年代のラップの大ファン” と称する Arthur は、Bun B や Three 6 Mafia、ヒューストンやメンフィスのアンダーグラウンド・テープなどを参考にしながら作品に臨みました。Ghostemane の挑戦は、”6つのジャンルの音楽をどう融合させ、親しみやすいものにするか”。その挑戦は、確かに大変なものでしたが、Arthur にとって非常に貴重な学習体験となりました。
「Ghostemane は90年代のメンフィス・ラップとインダストリアルとメタルを融合させている。同じような領域だと思うんだけど、僕はエレクトロニックなものが好きで、そういうものをたくさん手がけてきたよ。COCTEAW TWINS や DEAD CAN DANCE の大ファンだからね。そういうものに影響を受けている人たちと一緒に仕事をすることが多いよ」
Arthur は、このレコードを “6、7日で作った” と明かしています。眠れない夜と、信じられないほど楽しい時間を過ごしたと言いながら、彼は、青写真として初期のビート以外は何も持たずに、トラッキング、ボーカル、ミキシング、その他に取り組んだと断言しました。彼の DNA と切っても切れない関係にある、このマルチジャンルなラッパーとの経験で、Arthur の献身と決意が輝きを増したのは明らかでした。
「Ghostemane を失望させたくなかったんだ。このプロジェクトは、彼がメタルやハードコアの世界に飛び込む最初のレコードであり、彼の大事な瞬間だった。そんな瞬間に彼は僕を選んだんだ。を連れてきた。彼は巨大化する瀬戸際にいる。失望させるわけにはいかないんだよ」
Ghostemane との仕事を、”ノスタルジア” という旗印の下に平板化するのは間違いです。むしろ、ノスタルジーとモダンの間の興味深い一線を探っているのです。Ghostemane のメタルとヒップホップの衝撃的なブレンドは、かつての Nu-metal と共通点もありながら、明らかに一線を画すと Arthur は考えています。
では、SUMERLANDS はどうでしょう?”Dreamkiller” に目を通すと、たしかにノスタルジアは誇らしげに袖に纏っています。メタルが無限に進化すると仮定しても、”影響” と “模倣” を区別することは、Arthur がバンドのアイデンティティを構築する際の重要な柱となります。QUEENSRYCHE, JUDAS PRIEST, Jake E. Lee 時代の Ozzy Osbourne のレコードは、”Dreamkiller” に重大かつ明白な影響を与えています。ただし、SUMERLANDS には、プラトニックな理想に対する Arthur の懸念が深く刻み込まれています。彼は、JUDAS PRIEST のようなバンドを表層的に直接パロってロックンロールのグッドタイムを求めるバンドが影響力の不完全な理解であると主張しているのです。
「僕はプリーストの本質は壮大な曲にあると思う。”Sad Wings of Destiny” を聴くと、まるで QUEEN のレコードのように聴こえる。それに、Rob Halford は様々な女性フォーク・ロックに影響を受けていたんだ」
Arthur と SUMERLANDS の80’sメタルへの傾倒は、AOR, Lionel Richie、Earth, Wind & Fire、Bee Gees、そして Arthur のお気に入りである ABBA のような、ノンメタルな影響を隠し味にしています。
「このアルバムでは、誰がどう思おうが構わないと思っている(笑)。新しいシンガーが加わり、バンドが生まれ変わったような感じだ。僕は FOREIGNER の作品の大ファンなんだよ。彼らのおかげで、プロデュースにのめり込んでいったと言えるかもしれない。FOREIGNER の作品では、シンセサイザーの使い方がとても気に入っているんだ。シンセサイザーが前面に出ているわけではなく、質感を高めているような感じ。彼らのように、どの曲もどこかダークで地中海的な雰囲気にしたかったんだ」
Arthur が “ソーセージグラインダー” と呼ぶ、多種多様なアーティストの品揃えの中でも、ABBA は彼の音楽的アプローチの2つの本質を表しています。ひとつは、他のバンドの美学を一面的に捉えて音楽をトレースすることは、失敗する運命にある。2つ目の論考は、影響、認識、そして杓子定規な思い込みの投影がどのように “真正性 “というプリズムに集約されるかに関わるもの。定型の破壊。
「どのタイプの音楽にどのタイプの歌詞が合うか、というようなことは決してあってはならない。だからつまらない音楽が多いんだ。ABBA に “The Visitors” というアルバムがある。彼らが解散して、最後のレコードを作ったときのもの。どの曲も文字通り肌寒くなるような、本当に悲しい気分にさせてくれるものばかりだ。ABBA らしくないが最高なんだよ。ダンス・ギターやシンセサイザーを駆使して、キャッチーなヴォーカルも入れつつ、もっと歌謡曲っぽい曲を作りたかったんだ。誰がこのレコードを気に入ってくれるかなんて、どうでもいいんだ。僕たちはこの作品が大好きで、この作品に夢中になっているんだから」
メタル・アルバムに期待される歌詞の題材として、Arthur が “Sex、ビール、サタン崇拝” と皮肉るのとは対照的に、SUMERLANDS は、無益、黄昏、夜と昼の間の仄かな時間に見られるはかない希望といった、捉えどころのない、暗い願望のようなアイデアを選択しています。これを成功させたのは、バンドの新ボーカリスト、Brendan のおかげだと彼は言います。彼の加入は Paul Di’Anno に対する Bruce Dickinson だと Arthur は語っています。そうなると、 “Dreamkiller” はバンドの “The Number of the Beast” となり、SUMERLANDS はそれに応じて野心を高めてきたことになるのです。彼の声は前任の Swanson よりもしなやかで、上昇気流に乗りながらタイトなコーナーでもしっかりとメロディーを追いかけることができます。ただし、脈打つようなシンセサイザーと焼け付くようなソロイズム、BOSTON のようなポジティブな輝きとは対照的に、”Dreamkiller” は重苦しいユーモアと虚無的な正直さで構成されています。その好対照こそ、SUMERLANDS の真骨頂。
「楽曲の多くは絶望を歌っている。2歩進んだと思ったら、2歩下がっていたことに気づくんだ (笑)。憂鬱な曲ばかりだけど、僕らにはそれが面白いんだよ。それが人生だ!ダークユーモアだよ。まるで僕たちが罰当たりでマゾヒストであるかのようにね、わかる?
それに曲はメタリックだけど、完全なヘヴィ・メタルではない。ヘヴィ・メタルでありながら、ある意味オルタナティブ・ロックのように親しみやすいものにしたかったんだ。メタルはそういうものだよ。その瞬間や雰囲気は、ただひたすらメタル的に “オーバーキル” するよりもずっと重要だと思うんだ。僕が音楽に目覚めた頃、コールドウェーブをたくさん聴いたし、ASYLAM PARTY とか、フランスのバンドもたくさん聴いた。でも、THE CURE はミニマル・ゴスのレコードを作った最初のバンドなんだ。”Faith”。あれは僕にとっては、ちょっと手を加えれば史上最高のメタル・レコードになり得るもので、そこにも大きな影響を受けているんだ」
当然、Arthur はメタル界屈指のスタジオの魔術師であり、”Dreamkiller” でもその神聖な芸術を爆発させています。例えば、タイトル曲の疾走感あふれるメインリフ、それをなぞる羽のように軽いシンセサイザーや、”Death to Mercy” で80年代らしい深いフェードアウトの靄の中に消えていくデュエル・ソロのように、彼は小さなディテールに喜びを感じているのです。もしタイミングとレコード契約に恵まれていれば、JOURNEY や TOTO がアルバムチャートを席巻していた頃、SUMERLANDS は彼らと同等のレコーディング費用を得ていたかもしれません。しかし、Arthur の才能より、彼らはそのような大掛かりなサウンドを、相応の費用をかけずに実現したのです。
もうひとつ、Arthur がこだわったのは、プロジェクトとバンドの区別と、前者の限界です。バンドは、Arthur が言うように、”興奮するためのもの” であり、個別のアイデンティティを持っています。80年代の US メタルは、”1枚のレコードを作るだけで、それが素晴らしいものであったとしてもやがて消えていく” バンドであったと、彼は言います。彼らは成功には無関心でしたが、自分にとって重要なのは ‘彼らがいつもバンドを組んでいたこと” だと Arthur 言い切ります。
「SUMMERLANDS をできるだけ “プロジェクト” から遠ざけようと思ったんだ。2、3人の男が何かをやっているとわかると、人々はそれを小さなプロジェクトか何かのカテゴリーに入れてしまうからね。プロデューサーの産物ではなく、バンドのように思わせたかった」
ギターの話になると、噂の “ストラト・オンリー” ポリシーが登場します。このジョークの由来は、”史上最高のヘビーメタルバンドの1つ” に対する素直な憧れからだと、Arthur は嬉しそうに語ります。「イングランド出身のサタンだ」。彼らのギタリストがストラトしか弾かないという事実が、彼にとってはとてもクールだったのです。IRON MAIDEN のデイヴ・マーレイのストラトに対する長年の執着は本当に面白いと Arthur は言います。彼は、”Twilight Points the Way” のストラト・サウンドが “Dreamkiller” の音色美を最もよく表しているトラックだと主張します。しかし、この曲は単なるストラトの曲ではなく、バンドの結束にとって欠かせない楽曲でもあります。「この曲は僕にとって厳粛な誓いなんだ」
宗教、イデオロギー、スタジオ、ステージ、そして数十年にわたるジャンルを超えた音楽的影響の網の目の中で、Arthur は自分自身に忠実であり続けるという揺るぎない信念を持ち、様々な経験を積みながらその意味を内省的に再確認してきました。彼は、音楽と文化のはかなさを痛感しています。「それが絆だと思うたびに、目を離すと消えているんだ」
特に音楽においては、一般的に2つのうちの1つが起こると Arthur は主張します。一方は、自分の興味に忠実でないまま、若者の好みを追いかけることに終始してしまう。逆に、自分自身に忠実すぎる人は、若い人たちとのつながりを持てないかもしれない。アーサーは、”安全な “ルートを避けながら、自分の興味のある音楽を追求することで、”少なくとも誰かが聴きたくなるようなものを作ることができる” と言います。つまり、彼の芸術的なアイデンティティにとって不可欠なのは、自分の意思に従って音楽の旅をするという決意であり、それは最も大きなリスクであると同時に、最も大きな見返りをもたらすものなのです。
「大物のプロジェクトを引き受けたり、自分の経歴を利用して大きな仕事を得たり、常に自分を売り込むのとは対照的に、そうすることで僕はずっと幸せになれたんだ。安易にお金を取らないこと。自分がやりたいこと、自分を幸せにすることを見つけ、それを貫くこと。高潔に生きれば、10倍の報酬が得られる。僕はお金持ちではないけれど、今いる場所で幸せなんだ。今夜午前2時にコンピュータに向かい、3時間の睡眠をとって朝の8時まで仕事をしても、幸せな気分でいられるよ。自分が取り組んでいることに満足しているからね。これこそが、人が考えるべき人生の大きなポイントだと思う。それが君が取るべきリスクなのさ」
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOMMY NILSEN OF SATIN !!
“Great Music Will Prevail. A Great Example Is That New Tv-series “Peacemaker” That Used a Song By Wig Wam For It’s Opening Credits. That Resulted In Wig Wam Topping The Rock Charts In America, Despite Having “Outdated” Music. That Happened Because People Got a Chance To Hear The Song.”
DISC REVIEW “APPETITION”
「君のように、僕の曲についてオーセンティックとか、”本物” という言葉を使う人がいるけど、本当に光栄に思うよ。おそらくその理由は、SATIN の曲の多くが僕が12歳から15歳の頃に書いたものだからだと思うんだ。1989年から1993年にかけて、メロディック・ロックとヘア・メタルがピークに達し、チャートと電波を席巻していた頃だ」
かつてメディアやシーン、市場を席巻したメロディック・ハード。その復活は近くて遠い。そんな印象を、長くこの音楽と共に生きてきた私は持たざるを得ません。もちろん、一時の無風状態と比べれば、今は天国と地獄。SMASH INTO PIECES, DYNAZTY, PERFECT PLAN, Chez Kane, THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA, GATHERING OF KINGS など百花繚乱の新鋭が躍動し、ベテランもその存在感を増している現在のシーンは非常に健全にも思えます。
ただし一方で、乱発される音源、同じような顔ぶれの同じような音楽には、80年代90年代の初頭に存在した魔法のようなワクワク感、メンバー間の深いケミストリーやストーリーがそれほど感じられないのも事実でしょう。よく出来た “偽物” とでも言うべきでしょうか。
そんなメロディック・ハードの2022年において、SATIN の “Appetition” は明らかに異質です。このアルバムのソングライティングとアレンジ、温もり、自由、そして特に巧妙なハーモニーは、このジャンルが脚光を浴びた栄光の時代からまるで抜け出して来たような “本物感” に満ちています。
それもそのはず、SATIN のマルチ奏者 Tommy Nilsen が完成させた楽曲は、本人があの時代に創造したタイムカプセルなのですから。ただし、あの時代と比べると、プロダクションと全体的なアプローチは非常に新鮮で、Tommy がこの30年で培った経験値と好奇心が本人曰く過去と現在をつなぐ美しき “フランケンシュタイン” の完成に大きく寄与していることは明らかです。
1980年代のメロディック・ハードの名曲が、よりパンチの効いたプロダクションで、時代遅れの楽器やアレンジもなく聴けることを想像してみてください。つまり、私たちリスナーは、”Appetition” というデロリアンに乗って本物の80年代や90年代初頭を体験できるのです。2022年の知識を持ちながら。SATIN は AOR の全盛期から彼が愛したものすべてを、彼自身の手でアレンジし直し、少なくとも片足はクラシックな時代に突っ込んだままで、現在の作品のように聴こえる特殊なタイムカプセルなのかもしれません。
「素晴らしい音楽は必ず勝ち残るよ。今はこのジャンルにも機会があるんだ。だからアーティストが時間をかけてでも素晴らしい曲を共有すれば、ジャンルやタイムスタンプ、歴史に関係なく、注目されるようになるんだ」
固定化されたファン・ベース、そしてその高齢化もメロディック・ハードというジャンルが憂うべき問題の一つです。しかし、Tommy は非常にポジティブです。同世代で同郷の WIG WAM による “Do Ya Really Wanna Taste It” の爆発的なヒットは Tommy だけでなく、このジャンルで懸命にもがく全てのアーティストに大きな力を与えています。人気ドラマ “Peacemaker” で使用され、
WWEや映画界の大スタージョン・シナとの共闘を経て、今では “スカンジナビアの宝石” とまで称されている WIG WAM はメロディック・ハード全体の希望です。聴いてもらえる “機会” さえあれば、どんなジャンルの誰にでも、音楽さえ “良ければ” 成功するチャンスはある。そして、その “機会” であるストリーミングの普及によって、むしろ Tommy は自身の成功を “It’s About Time” だと確信するに及んだのです。
「僕の音楽や歌詞に力をもらい、中には生きる糧、死なない理由になったというメッセージが世界中から届いているんだ。そのメッセージを読むのは胸が痛いんだけど、君が言うとおり、音楽は必要なものだ」
音楽はただ、”良い” か “悪い” かだけだ。そう語る Tommy の音楽、その評価はリスナーの主観に任せるとして、少なくとも “ポジティブ” が貫かれています。名曲 “Angels Come, Angels Go”。SATIN のトレードマークが詰まった、心の琴線に触れるこの曲で Tommy はこう声を絞り出します。
「天使は来て 天使は去る…人生を通して」
甘くて、ノスタルジックで、少しむず痒くて、それでも愛と勇気と希望を忘れない。これぞメロハーの真骨頂。人生で大切な人を失っても愛をあきらめないで。生きて欲しい。そう歌いかける Tommy の言葉が決して押し付けがましく感じられないのは、彼の元に寄せられた様々なメッセージが痛みと感謝と、ほんの少しの希望に彩られていたからでしょう。
今回弊誌では、Tommy Nilsen にインタビューを行うことができました。「僕にとって、音楽には “良い” と “悪い” の2種類しかなくて、何が良くて何が悪いかは、オペラでもデスメタルでもアイルランドの民族音楽でも、僕自身が決めることなんだ」 どうぞ!!
Q3: 昨年は先輩グループ BiS の解散もありましたね。
同じアイドルとして、またつばさプラスの後輩としてどのような想いで見ていましたか?
【HARUKA】: BiS 先輩は先輩と呼んではいるものの、本当に心からファンの目線で見てしまっていました。だから単純に解散はすごく寂しかったです。ライブも何回も見させていただいてたくさんのことを学びましたが、特にプールイさんのリーダーとしての覚悟はいつもすごいなって思っていました。結成当初からずっと BiS を引っ張ってきて守り続けてきて本当に尊敬してます。
Q4: 2/18 発売の新EP “Primera” では若旦那さんが 「We are Especia ~泣きながらダンシング~」という曲をプロデュースされていますね。彼が参加した経緯を教えて下さい。これまで個人的に若旦那さんの曲を聴いたりはされていましたか?
TOTO IS BACK!! TOTO XIV is the band’s first album of new material since 2006’s Falling In Between. However, the band personally considers the new album to be the true follow-up to TOTO IV, which made the band global superstars.
伝説のバンド TOTO が新作と共に帰ってきます。10年ぶりに発表される新作 TOTO XIV はバンドを世界的スーパースターに押し上げた名作 TOTO Ⅳ の真の後継作となる予定です。今回弊サイトではその復活作から変拍子やビッグなコーラスを取り入れたまさに TOTO な1曲、”ORPHAN” を公開致します。
【TOTO ARE】
“This is opposite of going through the motions. We are treating this like it is Toto V, our follow-up to TOTO IV. We just want to be the best version of ourselves that we can be. Be true to ourselves and make the best music we can. Entertain people which is what we were put on this Earth for.”
このアルバムは全くもって形だけのものじゃないんだ。実際僕たちはこのアルバムを TOTO Ⅳ に続く TOTO Ⅴ として扱っているんだ。僕たちに出来うる最高のヴァージョンにしたかったし自分たちに正直に最高の音楽を作りたかった。これを世界に発表する事でみんなを喜ばせたいね。
STEVE PORCARO
“I think of TOTO as a unit and a band that carries a responsibility when it goes out there in to the public consciousness. There is so much negativity and darkness that I think you have to be as Quincy Jones puts it, ‘beams of light that blast through the darkness’.”
TOTO はスポットライトを浴びると必ず責任を果たすバンドだと思っている。世の中にはネガティブな事、暗い事もたくさんあるけどそういう時は QUINCY JONES の言葉を思いだすと良い。”闇を撃ち落すのは光の光線”
DAVID PAICH
“When you put us in a room, and everybody brings in their pieces, the next thing you know it all fits together. Everybody’s performances are top notch. We are really bringing our best out, forcing ourselves to make personal best choices, what’s best for the music. I’m really excited to hear what people think.”
“We are talking about a band where everybody is a writer, and everybody is a lead singer, and everybody is a player. All involved brought this trio to the table where it could just live on its own.”
僕たちは TOTO は全員がライターでリードシンガー、そしてプレイヤーだと思っているんだ。全員がこの三つに関わっていれば自ずと上手く行くだろうね。
JOSEPH WILLIAMS
TOTO XIV TRACK LISTING
Running Out Of Time
Burn
Holy War
21st Century Blues
Orphan
Unknown Soldier (For Jeffrey)
The Little Things
Chinatown
All The Tears That Shine
Fortune
Great Expectations
【WHAT’S TOTO Ⅳ】
メンバーが新作はこのアルバムの続編だ!と口を酸っぱくして語っている TOTO Ⅳ とはどんなアルバムなのでしょう。1982年発表、グラミー6部門制覇。400万枚のセールス。スゴイ・・・では具体的に何が凄かったのか。まずはそのクリアでメリハリのあるサウンド。そしてメンバー全員の卓越した演奏、作曲技術を全て楽曲のために生かしている事。これだけテクニシャンが揃っているのにエゴが感じられないアルバムも珍しいですね。例えば “ROSANNA” など今は亡き JEFF PORCARO のシャッフルテクニックが炸裂しているのですが彼のシャッフルがなければここまで名曲にはなり得なかったでしょう。何よりタイトなプレイに痺れます。またルカサー様のギターとホーンがユニゾンするキメのフレーズなども実はジャジーで難解なのですがこのフレーズでなくてはならない必然性を感じます。2人のシンセ奏者を要して当時最先端だったデジタルシンセを使いこなしているのも特筆に価するでしょう。日本のシンセ狂、TK 氏が TRUE KISS DESTINATION で AFRICA をカバーしたのも必然と言えますね。