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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SUBWAY : TURN BACK THE TIME】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SUBWAY !!

“Many people appreciate strong melodies, great songs, and real hand-made music again. Only the blow-dried hairstyles may not be quite as fashionable anymore.”

DISC REVIEW “TURN BACK THE TIME”

「AORやメロディック・ハードロックが静まり返り、グランジやヒップホップといった他のジャンルが前面に押し出されていた時代が長くあったのはたしかだよね。だけど、メロハーに忠実なコアなファンは常に存在していたんだよ。そしてここ数年で、AORは再び真に受け入れられ、人気が回復していると感じる。力強いメロディ、素晴らしい楽曲、そして本物の、手作りの音楽が、多くの人々に再び受け入れられるようになってきたんだ。ただ、ブローしたヘアスタイルは以前ほど流行らなくなったかもしれないけどね」
音楽は瞬間的に消費するものではなく、何度も消化するもの。指先一本でストリーミングもスクロールもアートの生成も自由自在な今だからこそ、そんな想いは強くなります。そして、メタルやメロディック・ハードのリスナーほど、音楽の消化に長けた人たちはいないでしょう。この世界のリスナーは、愛する音楽に忠実です。流行りの音楽に鞍替えすることはなく、AI の手軽さに踊らされることもなく、本物の音楽を何度も何度も反芻して、消化します。だからこそ、SUBWAY のようなニッチで、しかし本物の音楽を届けてくれるバンドをいつまでも待てるのです。
「僕たちが活動を休止した主な理由は、グランジ・ブームだった。 ほとんど一夜にして、AORやメロディック・ハードに興味を持つ人はほとんどいなくなってしまったからね。当時、多くのビッグ・バンドだってそうなってしまった。 僕たちはあの時新しいアルバム(”Taste The Difference”)を携えてアメリカから戻ってきたけど、市場は突然、まったく違うものを求め始めたんだ」
1986年にドイツで結成された SUBWAY は、スイスのレーベルに見出されて1990年に “Dangerous Games” でデビューを果たしました。彼らが他のメロハー・バンドと一線を画していたのは、サックスをフィーチャーしていたこと。SUBWAY のアーバンで哀愁を帯びた音楽は、サックスの音色によってより際立つことになったのです。
92年の名盤 “Hold on to Your Dreams” で日本でも (プチ) ブレイクを果たした彼らは、94年の “Taste the Difference” で飛翔を果たすはずでした。しかし、グランジの席巻によって一変したマーケットに、彼らの居場所はもうなかったのです。
「今、僕たちが戻ってきた理由だけど、音楽と情熱が完全になくなったわけではなかったからなんだ。 このカムバックは単なるノスタルジーではなく、経験、新たなエネルギー、そして真の喜びを持って、再び強力なメロディック・ロック・ミュージックを作ることなんだからね」
それでも、SUBWAY が情熱を完全に失うことはありませんでした。だからこそ、黄金期のラインナップで復活を果たした “Turn Back the Time” には “本物の” メロハーの魅力と凄みが存分に注入されています。まさに “時を巻き戻した” ような、量産型ではなく手作り手仕込みなオーダーメイドのオートクチュール。サックスこそなくなりましたが、ギターとハモンドのインタープレイや雰囲気作りは十分にスリリングで都会的。
実際、このアルバムこそが SUBWAY の最高傑作に違いありません。ここにあるメロディは、フックは人工知能には決して作り得ない、人の温かみとそこはかとない人生の哀愁を同時に宿しています。私たちはスクロールの指を度々止めながら情報やアートを享受した気になっていますが、この素晴らしき37分間の中では決して立ち止まることはないでしょう。そう、”Turn Back the Time” は、アルバムという宝物をしっかりと消化していた、SNS やストリーミングのないあのころに戻れるタイムマシンなのかもしれませんね。
今回弊誌では、SUBWAY にインタビューを行うことができました。「ドイツにはHELLOWEEN や GAMMA RAY など、他にも素晴らしい重要なバンドはたくさんいたけど、SUBWAY は常にメロディアスでファストなハード・ロック、そしてクールなフックを駆使してきた。たとえパワー・メタルがやりたいと思っても、それが僕たちのDNAだから仕方がないんだ。だから最新作 “Turn Back The Back” のメロハーは、紛れもなく SUBWAY そのものなんだ」 久しぶりに深々と心に刺さったメロハーでした。どうぞ!!

SUBWAY “TURN BACK THE TIME” : 10/10

INTERVIEW WITH SUBWAY

Q1: Why are you bringing Subway back now? Why did you stop back then?

【PEACH】: The main reason we stopped was the grunge boom. Almost overnight, hardly anyone was interested in AOR or melodic hard rock anymore – and that happened to many big bands at the time. We came back from the USA with a new album (Taste The Difference), but the market suddenly wanted something completely different.
Why we are back now: the music and the passion were never fully gone. This comeback is not just about nostalgia – it’s about making strong melodic rock music again with experience, new energy, and real joy..

【BEMY】: As Peach already said – “Grunge killed the SUBWAY Star”…..
March 1994, when we came back from L.A. with our brand-new Album “Taste The Difference” things had changed, what was really bad for us and after trying everything possible, the band broke up, which was very difficult for us all. In late 2021, almost 30 years later, I found myself in a Whatsapp Group named “Subway Reunion” which was started by Tommy our drummer, from that point things turned really magical and now we are back… stronger and more mature than before, which is described in our new song ‘Unbreakable’.

Q1: 待望の復活作ですね!なぜ今 SUBWAY を復活させたのでしょう? また、なぜ一度バンドを終わらせたのですか?

【PEACH】: 僕たちが活動を休止した主な理由は、グランジ・ブームだった。 ほとんど一夜にして、AORやメロディック・ハードに興味を持つ人はほとんどいなくなってしまったからね。当時、多くのビッグ・バンドだってそうなってしまった。 僕たちはあの時新しいアルバム(”Taste The Difference”)を携えてアメリカから戻ってきたけど、市場は突然、まったく違うものを求め始めたんだ。
今、僕たちが戻ってきた理由だけど、音楽と情熱が完全になくなったわけではなかったからなんだ。 このカムバックは単なるノスタルジーではなく、経験、新たなエネルギー、そして真の喜びを持って、再び強力なメロディック・ロック・ミュージックを作ることなんだからね。

【BEMY】: Peach が言ったように、まさに “Grunge killed the SUBWAY Star” だったんだよ…。
1994年3月、ニューアルバム “Taste The Difference” を携えてロサンゼルスから戻ってきた時には、状況は大きく変わってしまっていた。僕たちにとって本当に辛い状況で、あらゆる手を尽くしたんだけど、最終的にバンドは解散してしまったんだ。それは僕たち全員にとって非常に辛いことだったんだよ…それから30年近く経った2021年後半、僕はドラマーの Tommy が始めた “Subway Reunion” というWhatsAppグループに参加することになってね。そこから物事は本当に魔法のように変わり、そして今、僕たちは以前よりも強く、より成熟して戻ってきた。その想いは僕たちの新曲 “Unbreakable” “壊すことができない” に込められているよ。

Q2: Why melodic hard rock/metal instead of fantasy/power metal like Helloween, Gamma Ray or Blind Guardian?

【BEMY】: If you listen to the first Subway albums, we were never power metal or even heavy metal. Helloween, Gamma Ray and many others are very good and important bands, but Subway has always been more melodic and fat hard rock with cool hooks. Even if we wanted to, that’s our DNA, and so our latest babe, ‘Turn Back The Back,’ is clearly and unmistakably Subway.

【PEACH】: We liked those bands, but our own style was always more melodic, emotional, and song-oriented. Strong choruses, atmosphere, and dynamics were more important to us than just speed or a specific metal concept. It was never a strategy – it was simply our natural sound.

Q2: 当時ドイツといえば、HELLOWEEN, GAMMA RAY, BLIND GUARDIAN といったファンタジックなパワー・メタルが有名でしたが、あなたはなぜメロディック・ハードロックへ舵を切ったんですか?

【BEMY】: SUBWAY の初期アルバムを聴けば、僕たちがパワー・メタルどころかヘヴィ・メタルですらなかったことに気づくだろう。HELLOWEEN や GAMMA RAY など、他にも素晴らしい重要なバンドはたくさんいたけど、SUBWAY は常にメロディアスでファストなハード・ロック、そしてクールなフックを駆使してきた。たとえパワー・メタルがやりたいと思っても、それが僕たちのDNAだから仕方がないんだ。
だから最新作 “Turn Back The Back” のメロハーは、紛れもなく SUBWAY そのものなんだ。

【PEACH】: そういうバンドも好きだったけど、僕らのスタイルは常にメロディアスでエモーショナル、そして歌重視だった。スピード感や特定のメタル・コンセプトよりも、力強いコーラス、アトモスフィア、ダイナミクスの方が重要だった。戦略なんてなかった。ただ、それが僕らの自然なサウンドだったんだ。

Q3: Why did you dare to use saxophone in hard rock/metal back then?

【PEACH】: Back then, the saxophone worked well for us, especially in ballads and more atmospheric songs. It gave the music a special color and emotional depth. For that type of song, it fit very well.

Q3: 当時、ハードロック/メタルでサックスを使うという挑戦はとても斬新でしたね?

【PEACH】: 当時は、特にバラードやより雰囲気のある曲で、サックスがよく機能していたからね。 音楽に特別な色彩と感情の深みを与えてくれた。 そういうタイプの曲には、とてもよく合っていたと思う。

Q4: Later you stopped using saxophone. Did you consider bringing it back for the reunion album?

【BEMY】: No, we didn’t consider it, because it was clear to us that it no longer fit our later musical direction. We had already realized that in the USA, when in the end we were only using saxophone on one or two songs.

Q4: その後、SUBWAY はサックスを使わなくなりましたよね。 再結成アルバムでサックスを復活させることは考えましたか?

【BEMY】: いや、サックスを使うことは考えなかったよ。サックスが、その後の僕たちの音楽的な方向性に合わなくなったのは明らかだったからね。 アメリカでは、最終的に1、2曲しかサックスを使わなかった。すでにそのことに気づいていたからね。

Q5: Was “Turn Back the Time” intentionally meant as a return to the early 90s atmosphere?

【PEACH】: First of all, the song is about something very personal: processing loss, grief, and love. That was the real core of the song. So it is not simply a “looking back” song or a deliberate retro title – it has genuine emotional meaning.

【BEMY】: At the same time, Turn Back the Time also fit our reunion very well. The title and the mood naturally suggest memories, the past, and earlier times – and that matched our return as a band. In that sense, it was a bit like “killing two birds with one stone”: a personal, emotional song, and at the same time a title that perfectly fit the comeback moment.

Q5: “Turn Back the Timet’ というタイトルには、90年代初頭の雰囲気に戻るという意図があったのでしょうか?

【PEACH】: まず第一に、この曲は喪失、悲しみ、そして愛という非常に個人的なテーマを歌っているんだ。それがこの曲の真の核心だよ。だから、単に “過去を振り返る” 曲でも、意図的にレトロなタイトルをつけた曲でもないんだ。真に感情的な意味が込められているんだよ。

【BEMY】: 同時に、”Turn Back the Time” は僕たちの再結成にもとてもよく合っていたよね。タイトルと雰囲気が、思い出や過去、そして昔のことを自然に連想させ、それが僕たちのバンドとしての復帰にぴったりだったんだ。そういう意味では、まるで “一石二鳥” のような感じ。パーソナルでエモーショナルな曲であると同時に、カムバックの瞬間にぴったりのタイトルだったんだ。

Q6: Some people say melodic hard rock/AOR is dead or outdated. What do you think?

【PEACH】: There really was a long period when AOR and melodic hard rock were much quieter, while grunge, hip-hop, and other styles were clearly in the foreground. But there was always a hard core of fans who stayed loyal to this music.And in the last few years, it has become truly acceptable and popular again. Many people appreciate strong melodies, great songs, and real hand-made music again. Only the blow-dried hairstyles may not be quite as fashionable anymore. (laughs).

【BEMY】: Sorry, I completely disagree, Hardrock was never dead and will never be dead. Okay, okay, for a while it had to make way for grunge, hip hop, rave and so on, but now it’s back. People want melody and goosebumps, as demonstrated by the incredibly positive response we’re currently receiving to ‘Turn Back The Time’. We weren’t really sure whether our sound would still go down well, but what’s happening right now makes us breathless….

Q6: もうメロディック・ハードロック/AORは死んだとか、時代遅れだとか言う人もいますね?

【PEACH】: AORやメロディック・ハードロックが静まり返り、グランジやヒップホップといった他のジャンルが前面に押し出されていた時代が長くあったのはたしかだよね。だけど、メロハーに忠実なコアなファンは常に存在していたんだよ。そしてここ数年で、AORは再び真に受け入れられ、人気が回復していると感じる。
力強いメロディ、素晴らしい楽曲、そして本物の、手作りの音楽が、多くの人々に再び受け入れられるようになってきたんだ。ただ、ブローしたヘアスタイルは以前ほど流行らなくなったかもしれないけどね(笑)。

【BEMY】: その意見には同意できないね。ハード・ロックは決して死んではいないし、これからも決して死ぬことはない。確かに、しばらくの間はグランジ、ヒップホップ、レイヴなどに取って代わられたけど、今や復活を遂げた。人々はメロディーと鳥肌が立つようなサウンドを求めているんだ。
それは、今 “Turn Back The Time” に寄せられている信じられないほどの好意的な反応からも明らかだよ。僕たちのサウンドがまだ受け入れられるかどうか確信が持てなかったけど、今起こっている状況は息を呑むほどに素晴らしいよ…

Q7: What makes your music “real” compared to more “artificial” melodic hard rock releases?

【BEMY】: For us, the difference is the attitude and feel behind the music. It’s not just about clean production and familiar formulas, but about real emotion, personality, and honest songwriting. If a song truly expresses something, people can hear it.

Q7: 例えば、イタリアの Frontiers Music は素晴らしい仕事をしている一方で、”人工的” な量産型のメロハーを乱発している印象もあります。彼らと比較して、あなたの音楽が “本物” である理由は何だと思いますか?

【BEMY】: 僕たちにとって、その違いは音楽の背後にある姿勢と感覚にある。重要なのは、単にクリーンで美しいなプロダクションやメロハーお馴染みの形式ではなく、真の感情、個性、そして誠実なソングライティングなんだよ。曲が真に何かを表現しているなら、人々はそれを聴き取ることができるのだから。

Q8: Which older Subway albums would you recommend to new fans (excluding the newest one)?

【PEACH】: I think all the albums fit their time. Looking back, there are of course a few things we might do a little differently today.
Especially on Taste The Difference, we held back a bit with producer Mikey Davis – partly out of respect, because he had worked with KISS and W.A.S.P. Hold On To Your Dreams, on the other hand, is still real hand-made work and shows an important side of Subway very well.
And on the new album, we consciously picked up some of that again with “Hear You Cry” and a new version of “Tonight”(Calling For You).

【BEMY】: “Hold On To Your Dreams” from 1992 was the first step for a young, ambitious band, certainly naive but with a lot of heart and soul… I would recommend this album to a new Subway fan.
“Turn Back The Time,” our current album, picks up exactly where we left off in 1992… and the journey is far from over(laughing).

Q8: 新しいファンに SUBWAY のアルバムを1枚薦めるとしたらどれですか(最新作は除く)?

【PEACH】: どのアルバムも時代に合ったものだと思う。振り返ってみると、今だったら少し違うやり方をするかもしれない部分ももちろんあるけどね。
特に “Taste The Difference” では、プロデューサーの Mikey Davis は引き止めただろうな。彼が KISS や W.A.S.P. と仕事をしていたというのもあり、敬意を表してね。一方、”Hold On To Your Dreams” は、やはり真の手作り感があり、SUBWAY の重要な側面をよく表しているよ。
そしてニューアルバムでは、”Hear You Cry” や “Tonight(Calling For You)” の新バージョンで、意識的にその要素を取り入れているんだ。

【BEMY】: 1992年の “Hold On To Your Dreams” は、若く野心的なバンドにとっての第一歩だった。確かに世間知らずではあったけど、心と魂が込められていたんだよね…このアルバムは、新しいファンにぜひおすすめしたいよ。
最新アルバム “Turn Back The Time” は、1992年に中断したところからまさに再開していると思う…そして、僕たちの旅はまだまだ終わっていないんだよ(笑)

Q9: Many fans and musicians from the early 90s return to metal today – some call it a midlife crisis. How do you see it?

【PEACH】: For us, it was a bit different. About ten years ago, I (Peach) would never have imagined myself playing in a rock band again. The business was already very hard back then – often more monkey business than music.
The whole grunge era from 1994 on, and the downfall of SUBWAY, shaped all of us for a long time. It left its marks. That makes it even nicer that today we are at a point where we no longer have to do this at any price or for all the money in the world. That is exactly why it is so much fun now.

【BEMY】: As a musician, it’s a dream come true that I’ve been able to spend my whole life making music. Starting at the age of 11 with my first school bands, switching to more professional bands, then in the 90s with Subway, and now, after 30 years, back to the mother ship―I never would have dared to dream of this. You talk about a “midlife crisis,” and yes, I totally agree with you that it’s a big danger, but music gives you strength and catches you when you fall, Long live rock ‘n’ roll!

Q9: 90年代前半のファンやミュージシャンの多くが、中年の危機を経てメタルに戻ってきています。共感できる部分がありそうですね?

【PEACH】: 僕たちにとっては、少し違っていたかもしれない。10年ほど前は、僕は自分が再びロックバンドで演奏するなんて想像もしていなかったんだ。当時からすでに業界は非常に厳しく、この世界は音楽というよりはむしろ、泥臭いことばかりだったからね。
1994年以降のグランジ時代、そして SUBWAY の衰退は、長きにわたって僕たち全員に影響を与えたんだ。その影響は今も残っているよ。だからこそ、今、犠牲を払ったり、お金を使ったりすることなくこの仕事をできるようになったのは、とても嬉しいことなんだ。だからこそ、今はとても楽しめているんだよ。

【BEMY】: 僕の場合、ミュージシャンとして、人生のすべてを音楽に捧げることができたのは、まさに夢の実現だからね。11歳で初めて学校のバンドに参加し、その後、よりプロフェッショナルなバンドへと転向し、90年代には SUBWAY に所属し、そして30年を経て今、再び音楽の世界に戻ってくるなんて、夢にも思わなかったから。
“中年の危機” についてだけど、確かに大きな危険であることには完全に同意するよ。でも、音楽は力を与え、転んだ時に支えてくれるものなんだ。ロックンロール万歳!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SUBWAY’S LIFE!!

Peach: That’s really difficult, because there are so many great bands and albums. Also, within the band, we all have very different tastes.
If I (Peach) answer spontaneously – without naming specific albums – then bands like Whitesnake, Dream Theater, Boston, Toto, and Bon Jovi would definitely be among them.

Bemy: Without any doubt, what changed my complete growing as a guitarist was Rainbow “On Stage”
Unbelievable für me when I first heard and saw how Ritchie Blackmore treats his Strat, from this moment on I knew my way….and this never changed until today.
Also very important Albums to me were from Mark Knopfler (Dire Straits), Michael Schenker, David Gilmourand of course Deep Purple in the Blackmore era.

MESSAGE FOR JAPAN

Peach: My son Robin and I love Japan. Robin traveled across Japan last year, and we are both absolute sushi junkies – we love Japanese cuisine.
What also impresses us is how kind the Japanese people are, and in our opinion, the hard rock fans in Japan are the most loyal of all. The other SUBWAY musicians are also very enthusiastic, because we have had really great success in Japan.
My message to you, dear fans: Buy our CDs and stream the hell out of our music – then this dream might really come true and maybe one day we can finally play live in Japan!

息子のロビンと僕は日本が大好きなんだ。ロビンは昨年日本中を旅したんだよ。僕たち二人とも寿司が大好きで、日本料理が大好きさ。
それに、日本のみんなの親切さにも感銘を受けているよ。日本のハードロック・ファンは、誰よりも忠実なファンだと思う。SUBWAY の他のミュージシャンたちも、日本で大きな成功を収めているから、とても日本を愛しているよ。
僕たちのCDを買って、ストリーミングで音楽を​​聴いてほしい。そうすれば、夢が本当に叶い、いつか日本でライブができるかもしれないね!

Bemy: Since Years me and my wife wanted to visit Japan, as we like the culture and above all the architecture, for example in Tokyo. It would be an absolutely pleasure doing an Japan Tour with Subway, including our families which would enable us to immerse ourselves more deeply in Japanese culture.
My message to you, our dear japanese fans: I wanna say thank you, thank you, thank you…. for all the Years you didn’t forget Subway and for the incredibly positive response we are now receiving from Japanese fans again, which makes us very, very proud. As I said, it would be a dream to go on tour in Japan with “Turn Back The Time.” Let’s see what the future brings…..take care !!

妻と僕は何年も前から日本を訪れたいと思っているよ。日本の文化、特に東京の建築物が好きだからね。SUBWAY と一緒に日本ツアーができたら、家族も一緒に日本文化にもっと深く浸ることができるので、本当に嬉しいよ。
長年 SUBWAY のことを忘れずにいてくれたこと、そして今、日本のファンから再び信じられないほどポジティブな反応をもらっていることに、本当に感謝しているよ。本当に誇りに思っている。”Turn Back The Time” で日本ツアーができたら夢のようだね。将来どうなるか楽しみだよ。お元気で!

SUBWAY Facebook

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN : SYMPHONY OF THE UNIVERSE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CRISTIANO FILIPPINI OF FLAMES OF HEAVEN !!

“Power Metal and AOR must be about love, positivity, inner strength, battles that take place inside and outside of us, and a sense of justice. So I think Knights of the Zodiac represent not only my favorites, but also perfect examples of how to convey this message.”

DISC REVIEW “SYMPHONY OF THE UNIVERSE”

「パワー・メタルやAORは、愛、ポジティブさ、内なる強さ、自分の内外で起こる戦い、そして正義感について語らなければならないと思う。同時に、”聖闘士星矢”、”北斗の拳”、”ドラゴンボール”、”ベルセルク” といった日本のアニメも、僕のお気に入りであるだけでなく、そうしたメッセージを伝える完璧な作品でもあると思う。だからこそ、このアルバムが日本の漫画やアニメのファンに届くことを心から願っているんだよ」
仲間を信じ合う “友情”、目標達成のため苦難に耐え励む “努力”、そして最後まで諦めず勝利を目指す “勝利”。80年代から90年代にかけて、日本のアニメや漫画はそうしたポジティブでストイックなムードにあふれていました。まだまだ暴力や抑圧、不条理が蔓延していた当時の学校や子供の社会で、私たちはそうした “エンターテイメント” から、前向きな生き方や優しさ、倫理観を学んでいたのかもしれませんね。
それからおよそ30年。当時のアニメや漫画で育った子供たちは成熟し、さまざまな分野でその影響を発揮するようになりました。その波は日本国内に止まりません。イタリアの Cristiano Filippini 率いる FLAMES OF HEAVEN もそうしたアーティストのひとつ。彼らはアートも生き方も複雑を極める現代で、愛や友情、正義といったいつの世も変わらぬ不変の真理にコスモを燃やしています。そのための乗り物として、パワー・メタルや AOR は完璧な “ペガサス”。なぜなら、パワー・メタルのファンタジーはいつの時代もそうしたポジティブな心に寄り添ってきたのですから。
「”聖闘士星矢” にインスパイアされたアルバムの全曲は、最初のシリーズ “サンクチュアリ編” のいくつかのシチュエーションを描写していると言える。曲のタイトルにも登場するフェニックスの一輝やジェミニは間違いなく、漫画の中で最も魅力的で重要で複雑なキャラクターの2人だからね。 しかし、僕のお気に入りのキャラクターは、星矢、紫龍、シャカ、そして童虎だ。 強さ、前向きさ、そして星矢は別としてバランスと知恵の良い例だからね」
“ペガサス幻想 そうさ夢だけは 誰も奪えない心の翼だから”。この数小節、数文字に私たちは何度助けられたことでしょう。イタリアに生まれた Cristiano もこの聖闘士星矢の美しき理想、夢、ストーリーに魅了され、大人になった今、その世界をパワー・メタルで描くことを決意します。
「もちろん “ペガサス幻想” は知っているし、素晴らしい曲で、まさにアンセムだよね。”聖闘士星矢” の公式サウンドトラックには美しい曲がたくさん収録されている。 それに、オーケストラのインストゥルメンタルにも信じられないほどインスパイアされている。傑作だよ」
普段はクラシック・アンサンブルのための作曲に注力している Cristiano。だからこそ、”Symphony of the Universe” は、サンクチュアリのサーガを描くに十分な壮大さと情熱を兼ね備えています。もちろん、イタリアの偉大な先人 RHAPSODY の血をひくクラシカルなパワー・メタルの一撃は強烈ですが、同時にイタリアが誇る Frontiers Music の流れを汲むメロディック・ハードな旋律美も内包し、ワグナーのオペラをメタルに仕立てたような長尺曲も見事。Cristiano はクラシックの作曲プロセスをそのままメタルに持ち込むのではなく、クラシックの世界からメタルを俯瞰し手を加えることで、他のアーティストとは一線を画す存在となり得ています。
同郷 TEMPERANCE の Marco Pastorino が張り上げる歌声はペガサスに乗って駆け上がり、達人 Michele Vioni のギターは廬山昇龍覇の滝の流れの如く流麗。そして Cristiano が指揮を取る鍵盤とオーケストレーションのネビラチェーンはあまりにも純美。ここには、ファンタジックでポジティブなメタルに求められる要素すべてが詰まっているのです。
今回弊誌では、Cristiano Filippini にインタビューを行うことができました。「音楽、特にこのジャンルは、人々の生活を向上させるために大いに役立つと思う。僕の音楽がどれだけ人々が困難な時期を乗り越えるのを助け、今日まったく狂っているように見えるこの世界の灰色を取り除くことができたかについて、多くのメッセージをもらうからね。僕たちは善の戦士なのだから戦わなければならないし、あきらめてはならない。人生は時に厳しいものだけど、戦うための武器はある。そのひとつが、こうしたアートなんだよ」 どうぞ!!

CRISTIANO FILIPPINI’S FLAMES OF HEAVEN “SYMPHONY OF THE UNIVERSE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JELUSICK : APOLITICAL ECSTASY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DINO JELUSICK OF JELUSICK !!

“David has been my biggest hero since I was a kid. I just learned to be even more humble after hanging out with him, he’s such a sweet person.”

DISC REVIEW “APOLITICAL ECSTASY”

「僕はみんなが欲しがるものを、何でも持っていると思う (笑)。 僕はいつも、ボーカル、作曲、音楽的なトリックの箱をたくさん持っていたいと思っていたからね。自分らしくありながら、何でもこなせるように。それが実現し始めたんだ」
David Coverdale, Jeff Scott Soto, George Lynch, Michael Romeo, John Macaluso, Ron Thall, Paul O’Neill, Steve Vai, Eric Martin, Gary Cherone…クロアチア人シンガー、Dino Jelusick ほど今、メタル世界で引っ張りだこな人物はいないでしょう。しかも、彼をもとめるのは多くが “伝説級” のアーティストたち。なぜこの、33歳の若者はこれほど人気なのでしょうか?それは、Dino の “引き出し” が果てしなく多いから。
ザグレブ大学音楽アカデミーで修士号を獲得している Dino は、ボーカルのみならず、ピアノ、ギターも達人級の完成されたミュージシャンです。だからこそ、Dino は鍵盤奏者兼バックボーカルとして David Coverdale の目に止まり、WHITESNAKE に招かれることにもつながりました。様々な楽器をこなせる。それはミュージシャンとして、間違いなくプラスの要素。しかし、Dino にはそれ以上の素晴らしき “アイデア” の数々、音楽的な多様性があり、それこそがおそらく数多の伝説を惹きつけているのでしょう。
「僕たちはオールド・スクールと、とてもモダンなものの中間にあって、両方のエッジで踊っているんだ。 だから、いつも違う観客を惹きつけることができているんだと思う」
そんな Dino の多彩さ、音楽的な多様性が収束したのが、自身のバンド JELUSICK です。古き良き “歌” が戻って来つつあるメタル世界において、時には Dio に、時には Coverdale に振れる Dino の圧倒的な歌声は明らかに一際輝きを放っています。しかし、JELUSICK が素晴らしいのは、そうした彼の獰猛でありながら “オールドスクール” な歌唱がモダンなメタルの波に乗っていることでしょう。
自身の巧みな鍵盤を配したダークな楽曲には、Ivan Keller のウルトラ・テクニカルなギターが寄り添い、メロディックでありながらメタリック、テクニックと好奇心を満載したプログレッシブな新時代のハードロック/メタルが紡がれていきます。おそらく、 Ivan は Earthquaker Devices のピッチシフターを使いこなしているのでしょうが、こういうエクストリーム世界で流行りの音をハードロックに取り込む若さこそ至高。あの Vito Bratta を想起させる、実に素晴らしいギタリストですね。
歌心を追求した NEVERMORE、メタルへ振り切った KING’S X、プログレッシブな ALTER BRIDGE、ドーピングを施した WHITESNAKE…そんなワクワクするような例えが次から次へと浮かぶエキサイティングかつダイナミックな “Apolitical Ecstasy“ は、そうして無限のイマジネーションの中にロックやメタルがかつて蔑ろにしていた “奔放さ” や “衝動”、”不規則性” を歌声と共に取り戻していきます。
「David は子供の頃から僕の最大のヒーローだった。彼と付き合ってから、僕はもっと謙虚になることを学んだよ。だって彼はあんなに有名なのに、とても優しくて思いやりがある人だからね」
ミリメートルの正確さよりも大切なことがある。きっとそんな寛容さも、Dino は David Coverdale から学んでいるはずです。例えば、Ozzy Osbourne が YUNGBLUD を、FIREHOUSE の C.J. Snare が Nate Peck を育てたように、あの白蛇の伝説は Dino の素晴らしき師匠となって彼の行先を明るく照らしています。そしてまた、次々と巨人が旅立っていくメタル世界で、そうした “継承” のあり方はきっと、このジャンルの灯火となって未来を明るく照らしていくはずです。
今回弊誌では、Dino Jelusick にインタビューを行うことができました。「僕はまず第一にシンガーであり、そこでこそ100%の自分を感じる。でも、ピアノの後ろに座ると、まったく新しい経験と喜びが得られるのも確かなんだよね」 どうぞ!!Ronnie Romeo、Andrew Freeman、そして Dino の3人がいる限り、メタルの “歌”、その未来は明るい。どうぞ!!

JELUSICK “APOLITICAL ECSTASY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JOVIAC : AUTOFICTION PT.1-SHARDS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH VILJAMI JUPITER WENTTOLA OF JOVIAC !!

“One Thing That Always Attracted Me To Toto Was That They’re Amazing Musicians, But They Don’t Need To Show Off All The Time. They Just Want To Make Good Tunes.”

DISC REVIEW “AUTOFICTION PT.1 – SHARDS”

「僕はメロディを愛し、80年代のポップ音楽の大ファンなんだ。プログレッシブとポップは必ずしも異なるものではないと思う。プログの世界には素晴らしいポップなフックの例が数多く存在し、ポップに傾倒したり、完全にポップに転向したバンドもいるよね。例えば GENESIS だよね。僕は記憶に残るコーラスが大好きで、プログレッシブ・メタルの分野では、CIRCUS MAXIMUS のようなバンドは別格だよね」
GHOST や SLEEP TOKEN の大成功を見れば、メタルの振り子が “歌” に戻ってきたことがわかります。実際、”歌”、つまり耳を惹く歌心やポップ・センス、そしてフックの山脈は、今を生きるアーティストにとって強力な武器になります。時はSNS戦国時代。コスパやタイパを何よりも重視する若い世代は、アーティストに5分はおろか30秒、もっといえば5秒の短い時間しか与えてはくれません。そんなリスナーのスクロールする指を止めるために、メロディのグラデーションは重要なキー・アイテムとなっているのです。
そして今、フィンランドから大きな注目を集める、”メロい” メタル・バンドが登場しました。JOVIAC。タンペレ出身の彼らは、プログレッシブなメタルを奏でていますが、変拍子や高度なテクニック、作曲の複雑性…そうした驚きや好奇心の探求のコーティングに輝くような砂糖菓子の旋律を使って、プログとAORのミルフィーユを作り上げました。
GENESIS や YES、それから DREAM THEATER はもちろん、PERIPHERY や PROTEST THE HERO といった例を挙げるまでもなく、プログとポップは綿密に結びついてきましたが、JOVIAC は MOON SAFARI や A.C.T. 並のポップさでモダンなエッジをも際立たせているのです。
「TOTO に惹かれた理由の一つは、素晴らしいミュージシャンであるにもかかわらず、常に自慢する必要がない、テクニックを見せつけないこと。彼らはただ良い曲を作りたいだけなんだよ。TOTO のメンバーは、数十年にわたりハリウッドをはじめ世界中で最も評価され、起用されるセッションミュージシャンだった。彼らの技術と音楽界への貢献を本当に尊敬しているよ」
ボーカルとギターを担当する JOVIAC の心臓 Viljami Jupiter Wenttola にとって、そのメロディとコンポジションの源泉は TOTO にありました。Viljami は TOTO を愛しすぎて、”あの” 紋章を自らの腕にまで刻んでいます。そう、JOVIAC も TOTO 同様、並外れたミュージシャンの集まりでありながら、決してそのテクニックを誇示するような音楽の作り方はしていません。アクセシビリティに重点を置きながらも、聴くたびに新たな発見がある、音楽的な好奇心や冒険心を満たしてくれる様々な仕掛けやフックを縦横無尽に張り巡らせているのです。”Shine” 冒頭の “時間” の使い方ね。天才的!
そして、聡明な読者の皆様ならば、”Kingdom of Desire” からの TOTO がとりわけメタルやプログに接近していたこともご存知でしょう。インタビュー中で Viljami も指摘していますが、”Falling in Between” のプログ・メタル的素晴らしさね。
「DREAM THEATER は道を切り拓き、このジャンルの先駆者の一人となった。彼らの努力がようやくメジャーの認知を得たことは、きっと素晴らしいことだと思うんだ。ただし、僕の最も好きな DREAM THEATER のアルバムは初期の時代のもので、特に Kevin Moore 時代は常に僕の心に深く刻まれているよ」
フィンランドはメタルの故郷、そのひとつとして知られていますが、これまで世界に進出する画期的なプログレッシブ・メタルを輩出したとはいえません。JOVIAC は2017年から、その状況を改变するために休むことなく活動してきました。プログレッシブ音楽の自由、人間の感情、中毒性のあるフック、巧妙なアレンジを組み合わせるという独自のビジョンに基づいた、キャッチーなリフとメロディと、概念的で思慮深い要素を融合させる多様で深い音楽。それはきっと Kevin Moore 時代の DREAM THEATER にも通じる音。そうやって彼らは偉大な先人と同様に、北欧の新たな道を切り開いていくのです。
今回弊誌では、Viljami Jupiter Wenttola にインタビューを行うことができました。「最も転機となったのは中学校の頃、初めて CHILDREN OF BODOM を聴いた時だったね。当時ドラマーだった僕は、CoB のアルバム “Hatebreeder” の素晴らしいメロディに魅了され、エレキギターを弾くことを決意したんだ。そしてその時に、音楽に人生を捧げることも決心したんだ。Alexi、安らかに」 あの DISPERSE にも通じるものがありますよね。どうぞ!!

JOVIAC “AUTOFICTION PT.1 -SHARDS : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BLACKRAIN : CRACK THE SKY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SWAN HELLION OF BLACKRAIN !!

“Van Halen Debut Album Became a Big Thing In My World, The Sound Of The Guitar On This Album Is So Unique, There’s a Very Special Feeling Coming Out Of It, It Is Wild.”

DISC REVIEW “CRACK THE SKY”

「Jerem はまだ若いけど EVH の大ファンで、彼にとって大きな影響の源だよ。実は、この動画で僕らの音楽がより広い層に届くと期待していたんだ。素晴らしいギターソロは、ロックやグラムのコミュニティだけでなく、多くの人々の心を動かすことができるからね」
Eddie Van Halen が旅立って5年。そのユニークな音楽、哲学、サウンド、テクニックは、大いなる遺産、ロックの “導火線” となって今も人々の心を動かし、リアルタイムを知らない若い世代をもギターやメタルの沼へと引きずり込んでいます。ギター・ヒーローの類稀なる情熱と魔法は、先日インタビューを行った DERAPS の例を挙げるまでもなく、確実に多くの後続へと “継承” されているのです。
「VAN HALEN のファースト・アルバムは、若い頃にオリジナルのLP版を贈られてから、僕の世界で大きな意味を持つようになったんだ。このアルバムのギターの音は本当に独特で、特別な感覚があるよね。実に野性的だよ」
20年前、ここ日本のツアーからキャリアのスタートをきったフランスの BLACKRAIN。80年代のサンセット・ストリップを現代へと蘇らせる彼らは、紆余曲折を経て昨年再スタートを切りました。Jerem G という若き才能を得た彼らは、一度 VAN HALEN のファースト・アルバムという原点に戻り、再起を図ります。”Resurrection”。Jerem G がこの楽曲、このMVで魅せた姿には明らかに “Eruption” の情熱、野生、衝撃が宿っていました。今、この動画は様々なプラットフォームで拡散され、”バズって” います。そう、ギターの衝動は時にメタルのコミュニティを超越して “噴火” します。かつての VAN HALEN のように。
「現代の社会では、人々は何かに対して30秒以上の注意を払わないため、”メディオクリティ” “奇をてらわない良さ” “普遍的な素晴らしさ” が “大きな問題” となる。これが、今日あらゆる問題が蔓延する理由かもしれないよね。だからこそ、努力を重ねて一定のレベルに達し、夢を叶えた人々を見聞きすることは、確かに大切なことなんだ…」
長年こうしたサイトを運営していると、いかに現代が、もしくは SNS が “普遍” と相性が悪いかを思い知らされます。結局、”バズる” 記事は今や30秒、いや5秒で伝わる奇抜な “出オチ” のアーティストが大多数。もちろん、そうした前代未聞のアイデア自体は素晴らしいのですが、果たして “バズ” に “加担した” リスナーは彼らを末長く愛しているのでしょうか?まるでスタバの新作のように、ただ一度 “消費” してそれで終わりのような気がしてなりません。
スクロールで膨大な情報が現れては消える時代に、私たちのアテンション・スパンはどんどん短くなっていきます。そうした流れで、”メディオクリティ”、普遍的に長く愛せる音楽を私たちは見失いがちなのかもしれませんね。だからこそ、もし “当たり前にカッコいい” Jerem G の勇姿に感銘を受けたとしたら、彼らのアルバムにも目を向けて欲しいのです。そこには、80年代の巨人たちとも対等に渡り合える、情熱的な目眩くメタルの “普遍” が存在しているのですから。
今回弊誌では、フロントマン Swan Hellion にインタビューを行うことができました。「多くのギター・ヒーローや素晴らしい達人が存在したと感じてきたけど、僕の注意を引くのはごくわずかだった。多くの人が超高速でスケールを上下に弾くことができる中、僕は別の何かが必要だと思ったんだ。曲のために演奏し、音楽に本物をもたらすギタリスト、タッチやサウンドを持つギタリストこそが必要だとね。Jerem はその資質を持っている」 どうぞ!!

BLACKRAIN “CRACK THE SKY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MIKAEL ERLANDSSON : THE SECOND 1】 “THE 1” 30TH ANNIVERSARY


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIKAEL ERLANDSSON !!

“Melodic Hard Is My ”Backyard” And My Home! I Will Continuing Doing This Til The Day I Die. Doesn’t Matter If It’s Popular Or Not – For Me It’s My Music Lifestyle – Love It !!!”

DISC REVIEW “THE SECOND 1”

「メロディック・ハードロックは私の “バックヤード” であり、私の家なんだ!だから、死ぬまでやり続けるつもりだよ。人気があろうがなかろうが関係ない!私にとって、この音楽はライフスタイルなんだ。ただ、愛しているんだよ!」
“ダサい” 音楽とは何でしょうか?流行や時代にそぐわない音楽のことなのでしょうか?だとしたら、たしかにメロディック・ハードロック、通称メロハーは “ダサい” 音楽なのかもしれません。ただし、もし、”ダサい” が情熱や信念もなくただ時流に乗るだけの、名声、金、モテを欲するポーザーを指すとしたらどうでしょう?明らかにメロハーは “ダサい” から最も遠い場所にいます。なぜなら、大きな名声や金銭は今の時代、メロハーでは得られないものだから。
それでも北欧の貴公子 Mikael Erlandsson がこの音楽をやり続けるのは、メロハーが、美しい旋律がただ好きだから。あの傑作 “The 1” から30年。ついにリリースされる続編 “The Second 1” には、長い月日を経ても枯れることのなかったメロハーに対する愛や情熱が溢れています。
「私は美しいメロディーがただただ大好きなんだ。そしてそれは、私の頭の中で常に鳴っている。メジャー・キーでもマイナー・キーでも、音楽のルールにとらわれず、自分なりのやり方でやるのが好きなんだよ」
1994年、ゼロ・コーポレーションからリリースされた “The 1” はメロハーを定義づけるレコードの一枚となりました。ハードな曲もソフトな曲も、メジャー・キーでもマイナー・キーでも貫かれる旋律の審美。
もちろん、アップテンポでハード、北欧の哀愁が浸透した “It’s Alright” は特にここ日本で爆発的な人気を得ましたが、それだけではありません。例えば “Show me”, “Reason” のようなおおらかなメロディの泉や、”Wish You Were Here”, “Life is a Hard Game to Play” のようなクリスタルで澄み切った北欧の景色に “We Don’t Talk Anymore” のタンゴまで、Mikael のハスキー…ボイスが紡ぎ出すメロディはすべてが珠玉で、ジャンルの醍醐味を心ゆくまで見せつけてくれたのです。
「私は自分をシンガーソングライターとして見ているんだ。そして自分のやっていることを愛している。そうした有名になることについて、ただ興味がないんだよ。だから、人気があろうとなかろうと、これからも音楽を続けていくつもりだよ。自分のため、そして私に興味を持ってくれる人のために」
世界が音楽だけに収束していくような “C’est la vie” を聴けば、メロディがゆっくりと密やかに孤独を癒してくれるような “Paper Moon” を聴けば、Mikael のメロハーに対する情熱が些かも衰えず、むしろ今もなお燃え盛っていることが伝わるはずです。
ここには、LAST AUTUMN’S DREAM, AUTUMN’S CHILD, SALUTE など紆余曲折を経ても守り続けた美旋律の牙城が堂々と鎮座しています。メロハーは今や万人受けでも、時代の万能薬でもありませんが、それでも “Put Some Love In the World”、ほんの一欠片の愛情を、優しさを世界にお裾分けすることならできるはず。暗い時代に Mikael はそう信じて、明日も歌い続けるのです。
今回弊誌では、Mikael Erlandsson にインタビューを行うことができました。「日本は私にとって…本当にすべてなんだ。私の音楽を最初にリリースしてくれた国だから。”The 1” がすべての扉を開けてくれた。このアルバムをとても誇りに思っている。最初からね。もともとはただのデモだったものなんだ。でも、なんとかリリースにこぎつけることができた。その日から、私はほぼ毎年アルバムをリリースしているんだ!」 どうぞ!!

MIKAEL ERLANDSSON “THE SECOND 1” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FIGHTER V : HEART OF THE YOUNG】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FIGHTER V !!

“I Don’t Think Melodic Hard Rock/AOR Is Dead, In Fact I Think There’s An Upward Trend Again. If You Look At TV Shows Like Stranger Things Or Cobra Kai, The 80s Are Coming Back.”

DISC REVIEW “HEART OF THE YOUNG”

「メロディック・ハード・ロック/AORが死んだとは思わないし、むしろ再び上昇傾向にあると思う。”ストレンジャー・シングス” や “コブラ会” のようなテレビ番組を見れば、80年代が戻ってきていることに気づくはずだよ。バイパーサングラス、マレット、ジーンズにレザージャケット……。とはいえ、安っぽいグラムロックで大成功できるとは思わない。オリジナリティを持ち、モダンと80年代のいいとこ取りをすることが重要なんだ。だから、昔の模倣ではなく、リフレッシュしている限り、正しい道を歩んでいることになる!」
メロハーは死んだ。AOR なんてダサい。夢のような80年代を経て、時に煌びやかで、時に美しく、時に悲哀を湛え、そして時に情緒を宿したメロディック・ハードの響きは窓際へのと追いやられてしまいました。しかし、時代は巡るもの。”ストレンジャー・シングス” のような大人気ドラマに80年代のノスタルジアが描かれることで、当時の音楽も息を吹き返しつつあります。
そうしたドラマが視聴者の心を掴むのは、ノスタルジーを誘いながらも同時に新たな視点や思想
、テクノロジーを駆使して決して古臭く終わらせないことが理由でしょう。スイスのバンド、FIGHTER V のセカンド・アルバムのアートワークには、近代的で繁栄した都市の外観で建てられた巨大な心臓が描かれています。そう、彼らの “メロハー” も Netflix と同様に当時の風景に新たな解釈をもたらす革命の鐘。”Heart of the Young”、FIGHTER V が奏でる魅力的なメロディック・ハードは、野心的な若いミュージシャンたちによって作られ、若い心を保つすべてのリスナーに贈られたものなのです。
「”Radio Tokyo” は音楽で成功を収め、頂点を目指している少年の話。”Radio Tokyo” に出演するためにね!僕らの象徴だよ。80年代のビッグバンドはみんな東京、少なくとも日本で演奏していた。それができれば、外国のバンドとして本当に成功したと言えるんだ!」
そんな FIGHTER V が、メロハー復興計画の足がかりに選んだ場所が日本、そして東京でした。なぜなら東京、そして武道館はいつだって世界中のハードロック・キッズ憧れの場所だったから。そして、今や日本は #メロハー が生き残る数少ない国のひとつとなったから。”Radio Tokyo” はまさにメロハーの祝祭。そう、DJ に導かれた圧倒的な高揚感、凄まじい精神的な勃起をうながす楽曲こそメロハーの真髄なのです。
「よくプロデュースされ、ミックスされたコーラスといえば、間違いなく HAREM SCAREM が最高の例になるよね!特に HAREM SCAREM の最初のセルフ・タイトル・アルバムは、伝説的なプロデューサー、Kevin Doyle の傑作だった!もちろん、彼らのソングライティングにおけるトップリーグのセンスも忘れてはならないよ。HAREM SCAREM は間違いなく、メロディック・ロックのダイアモンドなんだ!」
だからこそ、クラシックで若々しいメロハーの新境地を求める FIGHTER V が日本が育てた HAREM SCAREM をお手本に選んだのは自然なことでしょう。彼らは80年代のメロハーに、さらに肉厚でオーロラのようにコーティングされたコーラスの魔法と、プログレッシブに捻くれたフック&テクニックを持ち込んだ革命家でした。タイトルをいただいた(?) WINGER の知性や、”Speed Demon” でみせる MR.BIG への憧れも織り交ぜながら、FIGHTER V もまた、敷き詰められた旋律のカーペットに、現代的なエッセンス、コンポジション、プロダクションを飾り付け、このジャンルを次のステージへと誘います。
やっぱり、コーラスやコール&レスポンスの使い方が素晴らしいですね。FAIR WARNING も、TEN も、TERRA NOVA も個性的で扇情的なコーラスを持っていましたが、メロハーはコーラスが命。何より、彼らのアー写のTシャツは SURVIVOR。大事なことはすべて SURVIVOR から学んだ。いつも心に SURVIVOR を。
今回弊誌では、FIGHTER V にインタビューを行うことができました。「GOTTHARD, KROKUS, SHAKRA のようなバンドは、より多くの観客に知られていたし、そこまでハードな音楽ではないから、より親しみやすかった。だからそうした音楽とより繋がりを深めていったんだ」 FRONTLINE に SHAKRA。滾りますね!どうぞ!!

FIGHTER V “HEART OF THE YOUNG” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INVASION : 2】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH INVASION !!

“When You Come To a Live Show It Is Our Duty Make You Forget Everything Else And To Have The Best Time In Your Life Whether You Are Crowd Surfing In Just You Underwear Or Standing In The Corner Listening.”

DISC REVIEW “INVASION 2”

「僕にとってハードロックとは、世界の暗黒面からの脱却と解放を意味するものだ。団結してひとつになれる。僕にとってはスピリチュアルなものなんだ。ライブに来たら、下着一枚でクラウド・サーフィンをしていようが、隅に立って聴いていようが、他のことはすべて忘れて人生で最高の時間を過ごしてもらうのが僕らの義務なんだ」
努力、友情、勝利、そして愛。少年ジャンプを地で行くようなメロディック・ハードが忘れ去られて長い年月が経ちました。予想通り、見事に MANESKIN を抱き込むことに大失敗した日本のメタル寄りハードロック陣営。せっかくのチャンスを棒に振って、無垢なる若者たちにメロハーの伝導という名の刷り込みもしくは洗脳を果たすことができなくなったその罪は重く万死に値します。何より、これまで、ロキノンに至宝を渡して世界が良くなったことなど一度もないのですから。
とはいえ、下を向く必要はありません。明けない夜はなく、やまない雨もありません。そう、音楽シーンは胎動するサークル。つらい現実をすべて忘れ、解放され、下着いっちょでアホになり、みんなでひとつになれる。努力、友情、勝利、そして愛が求められる時代に、メロハーの救世主が降臨するのはある意味必然でした。TNT で幕を開けたノルウェーのポップで少し歪なセンスを胸いっぱいに吸い込んだ INVASION は、その名の通りこの暗い世界を情熱と活力、そして至高のメロディで侵略するのです。
「僕は自分の心と魂から来る音楽を作っている。メロハーを作ることは決して選択ではなかった。作曲するときに自然に出てくるものなんだ。それが僕なんだからしかたがないよ。 自分のために、本当にやりたい音楽を作ることが大切だと思う。いわば、ジャンルに自分を選ばせるんだ」
重要なのは、彼らが情熱と魂で音楽を作っていることでしょう。Tony Harnell, Joey Tempest, Goran Edman といった北欧の声を見事に受け継いだ (Tonyはアメリカ人だが?!) Jørgen Bergersen は空っぽの頭で “セクシーな気分だ!” と叫び、この “欲望のジャングル” で “燃え盛る猿” になったと陳腐な告白をし、わざわざ “まだセクシーな気分だ!” と念を押した後、エッジーで華やかなギターソロが意味もなく宙を舞っていきます。すべてが小手先で、頭で、テクニックで、正しさで加工されるようになった音楽世界で、しかし彼らのこの無秩序はあまりにも魅力的。
「カミソリのように鋭いメタルからノスタルジックなシンセウェイヴまで、両極端の音楽を聴く。気分次第かな。それらのジャンルを融合させた人を見つけるととても面白い。INVASION の音楽にシンセの世界全体を取り入れるのが好きなのも、同じ傾向かもしれない。新鮮だし、サウンド的にできることの可能性が広がるからね」
とはいえ、彼らはもしかすると演じているだけなのかもしれません。80年代のクラシックなハードロックとコンテンポラリーなサウンドを巧みに組み合わせ、時にはAORに、時にはヘヴィ・メタルに、ハーモニーとシンセの海に溺れさせる彼らの音楽は、実は非常に巧みに考慮、設計されていて、あの THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA の登場と同じくらいの衝撃と期待感をもたらしてくれます。
たしかにこれはノスタルジアで、蛇足で、老人のエゴなのかもしれません。それでも、この美しいジャンルと、そこにあるあけすけに愛や情熱を叫ぶ少年ジャンプのファンタジーがもう少し抱擁されれば世界はほんの少しだけキラキラと変わるのでは…そう思わざるを得ないほど INVASION の音楽は輝いているのです。
今回弊誌では、INVASION にインタビューを行うことができました。「日本はスバラシイです!実はDuolingoで日本語を学ぼうとしていた時期があったんだ。本当に難しいから、一旦中断したんだけどね。”ワンパンマン” も全シーズン日本語で見ているよ。RPGシリーズのファイナルファンタジーも忘れてはいけない。僕のお気に入りはFF7とFFXだ。もっとたくさんしゃべって100%のオタクになりたいけど、このへんで」どうぞ!!

INVASION “2” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FIFTH NOTE : HERE WE ARE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FIFTH NOTE !!

“We Don’t Know If We Can, But We Try To At Least Make Rock Scene Enjoyable Without The Use Of Alcohol Or Drugs, Or Even Sex.”

DISC REVIEW “HERE WE ARE”

「僕たちは、州内だけでなく、世界的に知られるバンドになりたいんだ。僕たちは西洋のスタイルにとても影響を受けているけれど、自分たち独自のプレイも創り出そうとしている。アルバム・タイトルの “Here We Are” “僕らはここにいる” は、そうした僕たちのモチベーションを端的に表しているんだよ。僕たちは、魂に平和や癒しをもたらすような良い音楽を作りたいと思っているんだ。そして、僕たちの音楽で世界にインパクトを与えたいと願っているんだよ」
インターネットや SNS の登場、進化によって、音楽は世界中のものとなりました。これまで、決してスポットライトが当たらなかったような僻地からも発信が可能となり、人種、文化、宗教の壁を超えて多くの人の耳に届けることが叶う世の中になったのです。特に、メタルの生命力、感染力、包容力は桁外れで、思わぬ場所から思わぬ傑作が登場するようになりました。
「FIFTH NOTE と ABOUT US は、お互い西洋音楽の影響を多く受けているのは同じだね。その上で、僕たちナガ族は美しいメロディーを作るのが好きなんだ。また、トニック・ソルファ (相対音感) のような独自の音楽アレンジもあるからね。そうした美しいメロディやアレンジは、きっと深く僕らのルーツに刻まれているんだろうな」
近年、そうしたメタルの “第三世界” で特に注目を浴びているのがインドです。いや、もはや国力的にも、人口的にも、文化的にも第三世界と呼ぶのも憚られる国ですが、ここ最近、メタルの伸張は並々ならぬものがあります。ボリウッドを抱きしめた BLOODYWOOD の大成功は記憶に新しいところですが、それ以外にも様々なジャンル、様々な地域でまさに百花繚乱の輝きを放っているのです。中でも注目したいのが、インド北東部のナガランド。かつては首狩りの慣習もあったというナガ族が住むこの地域は、文化的にも民族的にも音楽的にも、インドのメジャーな地域とは異なっていて、だからこそ、この場所のメタルは独自の進化を遂げることができたのかもしれませんね。
昨年紹介した ABOUT US にも言えますが、ナガ族のメタルはメロディが飛び抜けて強力。さらに、かつて天空の村に住む天空族と謳われたその二つ名を字でいくように、彼らは舞い降りたメロディをその際限なきハイトーンの翼で天へと送り返していきます。
「一般的にロックというと、ハードコアでワイルドで暴力的な人たちや、道に迷っているような人たちが、エクストリームな音を通して怒りを表現し、怒りで痛みを解消しようとするものだ。そのような中で、僕たちは、道に迷ったり、君が挙げたような問題を抱えた人々に、自分たちは孤独ではないということを伝えたいんだよ。僕たちの前向きな音楽が彼らの痛みや問題を和らげてくれることを願っているんだ」
そこには、ナガ族の90%が敬虔なクリスチャンであるという事実も関係しているのかもしれませんね。インドの多くの新鋭がエクストリームなサウンドで人気を博す中で、FIFTH NOTE はプログレッシブ・ハードという半ば死に絶えたジャンルで世界に挑んでいます。ただし、このジャンルでは、暴力も、ドラッグも、セックスも、決して幅を利かせてはいません。必要なのは、ポジティブな光と知性、そして複数のジャンルを抱きしめる寛容さ。つまり、洗礼を浴びた FIFTH NOTE にとっては追求すべくして追求したジャンルでした。
「僕らがクリスチャンであるという事実、クリスチャンとしての倫理観は、僕らにもっと良いことをしようというモチベーションを与えてくれるんだ。できるかどうかはわからないけど、少なくともロックシーンをアルコールやドラッグ、あるいはセックスを使わずに楽しめるものにしようと努力しているよ」
理想は追求しなければ実現しない。インドに、そして世界に不公平や抑圧、犯罪に暴力が蔓延っていることは、当然彼らも知っています。しかし、暴力は暴力では解決せず、怒りに怒りをぶつけることがいかに愚かであるかも彼らは知っています。だからこそ、FIFTH NOTE はセックス、ドラッグ、ロックンロールという乱暴なステレオ・タイプを破壊して、メタルは “ストレート・エッジ” でも存分に楽しいことを伝えようとしています。それが世界を前向きに変える第一歩だと信じながら。
そしてその野心は、TNT, CIRCUS MAXIMUS, STRYPER, TOTO といった一癖も二癖もあるような英雄を、旋律や知性、そして耳を惹くキャッチーなサウンドで今にも凌駕しそうな彼らの音楽なら、 実現可能なのかもしれませんね。
今回弊誌では、FIFTH NOTE にインタビューを行うことができました。「ナガランドは丘陵地帯が多く、部族が多く住んでいる。そのため、音楽はほとんどが民族音楽なんだ。しかし、西洋の侵略が進むにつれて、そうした音楽はかなりポピュラーになっていった。だから伝統音楽と同様に、ロックやメタルも僕たちに大きな影響を与えることになったんだ」 どうぞ!!

FIFTH NOTE “HERE WE ARE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PERFECT VIEW : BUSHIDO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FRANCESCO “JOE” CATALDO OF PERFECT VIEW !!

“We Think Bushido Is Very Important Values That Are Somewhat Lacking Today, Especially In Some Western Cultures.”

DISC REVIEW “BUSHIDO”

「僕たちは、武士道の原則が、今日、特に一部の西洋文化において、やや欠けている非常に重要な価値観だと考えているんだ。おそらく、武士道のこうした原則は部分的に回復されていき、今日の世界に適応されるべきだと思うんだ」
武士道で最も尊ばれる義と誉。侍は、例え主君が滅びる運命にあろうとも、義を捨て、誉を捨てて他家に支えることはありません。もちろん時代は変わりましたが、エゴよりも、財産よりも大事なものがあった男たちの生き様は、物質的な現代社会においてある種の教訓とすべきなのかもしれません。”Bushido” の名を冠した作品を完成させた PERFECT VIEW は、決してメロハーを裏切りません。名声や金銭、時の流れに左右されることもありません。ただ愛する音楽を作り続ける。その姿勢はまさにイタリアの侍です。
「僕たちの目標は、映画のような音楽体験ができるアルバムを作ることだった。だから、小さなことでも細部に至るまで細心の注意を払って作ったんだ。この作品は、障害を持って生まれながら、祖父のような偉大な侍になることを夢見る少年の物語だ」
PERFECT VIEW の “Bushido” は、侍の世界に捧げられたロック・オペラです。彼らは、武士という義と誉の戦士をテーマにしたコンセプト・アルバムで、メロハーに義と誉を尽くしてきた日本のリスナーに敬意を表したかったのです。もちろん、メロハーによるコンセプト・アルバムは想像以上に簡単ではないでしょう。メタルやプログレッシブ・ロックのように曲の長さを自由自在に操るわけにもいきません。様々な楽器によるゴージャスなスコアでストーリーを彩ることにも限度があります。しかし、異国の侍たちはこの難題をやってのけました。
「祖父は、お守りを通じて夢の中で彼に語りかけ、彼が自分の道を歩き、運命に出会うよう駆り立てていく。このプロットの中で武士道は、常に自分の夢を信じ、目標を達成するために自分の限界を克服するために戦うということを教えてくれると思うよ」
PERFECT VIEW にとっての武士道とは、夢を貫き、自身の限界を突破すること。武士道とは生きることとみつけたり。アルバムの冒頭を飾る “Bushido Theme” の和の響きで、リスナーは音楽と歴史が神秘の魔法を感じさせてくれる古の日本へと足を踏み入れます。ただし、そこから始まるのは、倭の国の住人たちが心酔した “メロハー” の桃源郷。例えば JOURNEY。例えば WHITESNAKE。例えば DOKKEN。例えば WINGER。あの時代のメロディの花鳥風月が、グレードアップしたプロダクションとテクニックで怒涛の如く繰り広げられていきます。
実に千変万化、変幻自在な5分間のドラマが続く中で、しかし我々は、いつしか “Bushido” の世界観に映画のように没頭していきます。それはきっと、PERFECT VIEW の中に TOTO の遺伝子が組み込まれているから。”ヒドラに立いを挑む騎士” というコンセプトが盛り込まれた “Hydra” はカラフルな楽曲の中にも不思議な統一性のあるアルバムでした。PERFECT VIEW は彼らの曲順や音色を操るテクニックを、インタルードとメインテーマの二本柱でつなげながら、メロハーのメロハーによる、メロハーのための完璧なコンセプト作品を作り上げたのです。
今回弊誌では、イタリアのルークこと、Francesco “Joe” Cataldo にインタビューを行うことができました。「若い世代にもこうした音楽を知る機会があれば、きっと評価されると確信しているからね。だけど問題はいつも同じ。知らないものを評価することはできないし、今日、最大のネットワークやプロモーション・チャンネルは、僕たちに選ぶ機会を与えず、いつも同じようなコンテンツを押し付けることが多いからね」 武士道を語る者ほど武士道から程遠い侍の母国は、異国の侍をどう受け止めるでしょうか。達人どもが夢の跡。どうそ!!

PERFECT VIEW “BUSHIDO” : 10/10

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