タグ別アーカイブ: cynic

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CYNIC : ASCENSION CODES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAUL MASVIDAL OF CYNIC !!

“Truly Unlimited Potential With The New Talent Out There. If Cynic Were To Continue I Could See It Acting More As a Collective In This Sense.”

DISC REVIEW “ASCENSION CODES”

「ショーン・マローンは2018年に母親を、2020年1月にはショーン・レイナートを失った。喪失感のダブルパンチで、マローンは大打撃を受けてしまったんだ。その後、パンデミックが起こった。すべてが閉鎖され、マローンの世界も閉ざされてしまった。痛みと苦しみが再び現れ、彼は光を失った…」
長年二人のショーンと人生を共にしたポール・マスヴィダルの言葉です。もちろん、2020年は人類全体にとって途方もなく困難な年として歴史に残るでしょう。しかし CYNIC の音楽を愛する人たちにとってはさらに困難な年となりました。1月に元ドラマーのショーン・レイナートが48歳で、12月にベーシストのショーン・マローンが50歳で早世。それはファンにとってまさに青天の霹靂でした。私たちでも激しいショックを受けたのです。公私ともに近しい関係にあったマスヴィダルの苦悩、そして喪失感はいかほどのものでしょう。
「神秘的な人生に身を任せることは、魂が成長するための偉大な “降伏” であり、そうすることで外界が自身に流れ込み、自分も外界に流れ込むことができるんだ。宇宙とつながるとでもいうのかな。つまり、人生に自然と起こることこそ、私たちの歩むべき道なんだ。起こることすべてが、与えられたギフトなんだよ」
しかし一人残されたマスヴィダルは、果てしない悲しみの中でも前へと進み続けます。喪失や悲劇でさえ成長のための贈り物と捉え、人生の流れに身を委ねる。死とは肉体の終わりであり魂の終わりではない。結局、人は皆量子レベルで互いにつながっているのだから。そんな彼の特殊な人生観、死生観、宇宙観は、マスヴィダルの心を泰然自若に保ち、CYNIC の新たな啓示 “Ascension Codes” をより崇高でスピリチュアルな世界へと導くことになったのです。
CYNIC とはメタル世界において、真の意味でのプログレッシブを指す言葉。トップレベルのパフォーマンス、大脳皮質に直接語りかけるような宇宙的哲学、そして実験と増殖を続ける音のエントロピー。デスメタル、プログ、エクスペリメンタル、ニューエイジ、ジャズ・フュージョンなど、CYNIC の世界は年を重ねるごとに音彩を加えながら、その色を交錯させていきました。しかし、4枚目のフル・アルバムの制作で CYNIC は、未曾有の困難に直面することになります。
「本来ならこのレコードは、”Kindly Bent to Free Us” の直後に作りたかったんだ。だけどすべてが崩壊してしまった…」
楽曲の一部は、2014年の時点で構想が練られていました。マスヴィダルによると、レイナートとマローンは、ここに収録されることになった楽曲の要素を聴いていたそうです。だからこそ彼は、亡くなった同志の思い出に敬意を表し、”Ascension Codes” “魂を昇天させるコード” というタイトルのアルバムを、ゆっくりと、慎重に、そしてマスヴィダルの言葉を借りるなら “愛と勇気を持って” 完成させたのです。
2015年にレイナートが CYNIC を脱退した後、マスヴィダルとマローンは彼の後任としてマット・リンチを起用。彼は”完璧な代役” 以上のものをバンドへともたらします。マスヴィダルはリンチのドラミングを “ハイブリッド・モダン・スタイル” と称しました。つまり、エレクトロニカなドラムン・ベースと、プログレッシブなアプローチの融合。繊細で多様な “Ascension Codes” に適役であるばかりか、絶妙な質感とリズムの地図を加えていきます。
「楽器としてのベースの役割を変える必要があったんだ。マローンのようなサウンドを期待して他の誰かを連れてくるのはフェアじゃなかったからね。私にとって彼はは現存する最も偉大なベーシストの一人であり、このレコードにおいてかけがえのない存在だった。アレンジを変えて、新しいサウンドにするしかなかったんだ」
では、マローンのベースを誰が置き換えるのか?マスヴィダルの答えは、”その必要はない” でした。”Ascension Codes” の中で聞こえるベース・ラインは、キーボード奏者のデイヴ・マッケイがシンセサイザーで演奏しています。彼はマローンの敏感なタッチを再現しつつ、CYNIC にドロドロとしたローエンドの可能性をもたらすことになります。そうしてここに、マスヴィダル曰く、”未来のリズム・セクション” が完成をみます。
「新しい才能を持った人たちは本当に無限の可能性を秘めているよ。仮に CYNIC がこれからも続いていくのであれば、そういう人たちを集めて、バンドというよりはより集合体としての役割を担うのかもしれないね」
“Ascension Codes” のビジョンを達成するために、マスヴィダルは新メンバー、アートワークやプロデュースだけでなく様々な若く才能に満ち溢れた音楽家をも多数起用しました。THE SURREALIST や DARKの活動で知られるルーパン・ガーグは、”コード・ワーカー”として、ハープのような天上のギター・テクスチャーを、EXIST のマックス・フェルペスは “ホログラフィック・レプティリアンボイス” を、オーストラリアの天才プリニは”The Winged Ones” にソロを提供しています。核となる二人のショーンを失った今、CYNIC の魂は新たな才能たちの宿り木として、死を迎えるのではなく形状を変えることにしたのかもしれません。
「コードのタイトルは、奏でられるべきサウンドを意味していてね。これらはそれぞれ、私たちの DNA に存在する、対応するコードを起動させる役割があるんだ」
様々な “仕掛け” を配し、その音の葉自体も野心的な”Ascension Codes” ですが、メインとなる9曲には爆発的な色彩とエネルギーが注ぎ込まれており、これらの楽曲には “アセンション” のための “コード” が埋め込まれているのです。”Mu-54*”、”A’va432″…だからこそ当然このレコードは全体を通して聴くべき作品です。それでも、推進力と冒険に満ち、刺激的な起伏が心を揺さぶり、数学的な配列と目まぐるしいダイナミズムが頭を悩ます “Mythical Serpents” のように、万華鏡のような激しさと折り目正しい規律の二律背反を背負った CYNIC の哲学はたしかに受け継がれています。
一方で、アルバムを締めくくるヘヴィでエセリアルな”Diamond Light Body” はリンチの非人間的なパターンを用いた非常に密度の高い楽曲で、彼らにとって新たな領域のように感じられる不可思議でメロディックなシーケンスが印象的。この曲の美しい緊迫感は否が応でも “形を変えた” CYNIC の未来を期待させてくれるでしょう。
“Ascension Codes” は、これまでの CYNIC のアルバムの中で最も謎を秘めたレコードであると同時に、前作よりもプログレッシブで重量感を伴ったサウンドが封じられています。そして失われたものを慈しみ補うかのように作品に携わるアーティストが増えたことで、アルバムの地平は広大にひろがっていきました。
多くの探求と喪失の後、CYNIC はあらゆる魂との一体感を獲得しました。それは神秘的で聖なる悟りの境地。これが最後の旅路となるのかどうかは “宇宙” のみぞ知るといったところですが、CYNIC の物語は “Ascension Codes” でひとまず完結をみます。「二人の肉体は姿を変えたけど、そのエネルギー体は永遠に宇宙を旅するような超越的音楽を私たちに与えてくれている。苦しみに直面しながらも、多くを与えてくれる創造的な存在と人生の一部を共有できた。感謝してるよ」Paul Masvidal インタビュー。日本盤は DAYMARE RECORDINGS から。ライナーは私、夏目進平が執筆。ニ度目の登場。どうぞ!!

CYNIC “ASCENSION CODES” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CYNIC : ASCENSION CODES】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PAUL MASVIDAL (CYNIC) : MYTHICAL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAUL MASVIDAL OF CYNIC !!

“Chuck Gave His Life To Music And Was Always Interested In Learning New Things And Expanding His Art. I Think That Is Where We Connected As Artists. He Found In Me a Creative Young Spirit Looking To Try New Things.”

DISC REVIEW “MYTHICAL”

テクニカル/プログレッシブデスメタルの祖 DEATH がジャンルのリミットを解除したトリガーにして、CYNIC がメタルに宇宙とアトモスフィアをもたらした根源。Paul Masvidal は現代メタル史の筆頭に記載されるべき偉人です。
「Chuck はその人生を音楽に捧げ、いつも新たなことを学ぶ意欲を持ち、自身のアートを広げていったんだ。そういう点が、アーティストとしての僕たちを結びつけたんだと思う。きっと彼は僕の中にも、新たなことに挑戦する若きクリエイティブなスピリットを見つけていたんだろうな。」今は亡きデスメタルのゴッドファーザー Chuck Schuldiner の眼差しには、自身と同様に既成概念という亡霊に囚われない眩いばかりの才能が映っていたはずです。
実際、DEATH の “Human” でメタルとプログレッシブ、ジャズの垣根をやすやすと取り払った後、Paul は CYNIC をはじめ GORDIAN KNOT, ÆON SPOKE といった “器” を使い分けながら野心的な音旅を続けて来たのです。
咆哮と SF のスペーシーな融合 “Focus”、幽玄でアンビエントなアートメタルの極地 “Traced in Air” “Carbon-Based Anatomy”、そして THE BEATLES の精神を受け継ぐアビーロードメタル “Kindly Bent to Free Us”。そうしてもちろん、Paul がメスを握り執刀する音楽の臨床実験は、ソロ作品においても同様に先鋭と神秘の宇宙でした。
「分かっていたことが2つあってね。1つはアコースティックのレコードを作りたかったこと。もう1つは、ヒーリング体験を伴う新たなサウンドテクノロジーに深く興味を惹かれていたこと。」
サウンドスケープを探求するスペシャリストが “MYTHICAL” で到達したのは、音楽と治療の未知なる融合でした。
もちろん、これまでもロックとエレクトロニカを掛け合わせる実験は幾度も行われて来ましたし、ヒーリングを目的とした環境音楽も当然存在しています。
しかし Paul Masvidal が遂に発想した、シンガーソングライター的アコースティックな空間に、集中やくつろぎ、そして癒しを得るためのアイソクロニック音やバイノーラルビートを注入する試みは前代未聞でしょう。
「Lennon/McCartney を愛しているからね。彼ら二人はソングライティングにおいて、最大のインスピレーションなんだ!」
Paul が語るように、シンガーソングライターというルーツ、”家” に回帰した MASVIDAL の音楽は、THE BEATLES への愛情に満ち溢れています。仄かに RADIOHEAD も存在するでしょうか。
コード進行、旋律や歌い回しは “Fab Four” の魔法を深々と継承し、”Kindly Bent to Free Us” からメタリックな外観を取り払ったオーガニックな木造建築は居心地の良い自由で快適な空間を謳歌します。特に CYNIC のメランコリーまで濃密に反映した “Parasite” の美しさは筆舌に尽くしがたいですね。
そして、このアーティスティックな建造物にはスピリチュアルな癒しの効果も付与されています。表となり、裏となり、アルバムを通して耳に届くアイソクロニック音やバイノーラルビートは、不思議と Paul の演奏に調和し、音の治療という奇跡を実現するのです。”メタルが癌に効く” より先に、心と体に “効く” 音楽を作り上げてしまった鬼才の凄み。
「そういった “治療用トーン” や “脳を楽しませるトーン” を音楽に組み込むことができれば、音楽の効果と治癒力を高めることができると思った訳だよ。」音の葉と感情の相互作用を追求し続けるマエストロはそうして最後に大きなサプライズを用意していました。
“Isochronic Tone-Bath”。音浴、つまり音のお風呂体験。EPに用意された5曲から、Paul の演奏を剥ぎ取りヒーリングのトーンのみをレコードの最後に据えたマエストロの真の目的は、”聴く” と “感じる” の同時体験を瞑想と共にリスナーへ提供すること。そうして 「信念を曲げず、信念の元に」 進み続ける冒音者は、再度真に常識に逆らう道を進み、革命的な作品を完成へと導いたのです。
今回弊誌では、Paul Masvidal にインタビューを行うことが出来ました。「Chuck とは素晴らしい思い出が沢山あるよ。その思い出の大半は、僕を笑顔にしてくれるんだよ。僕は彼が充実した作品とインスピレーションを、これからミュージシャンとなる世代に残してくれたことが嬉しいんだ。」 きっと真の音楽は時の荒波にも色褪せません。どうぞ!!

MASVIDAL “MYTHICAL” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PAUL MASVIDAL (CYNIC) : MYTHICAL】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OUR OCEANS : OUR OCEANS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TYMON KRUIDENIER OF OUR OCEANS !!

12088541_946940855371321_8694347093339683011_n

EXIVIOUS, ex-CYNIC, Tymon Kruidenier talks about his new band OUR OCEANS!! Debut album “Our Oceans” has deep, melancholic, nostalgic and dreamy melodies all through the album !!

Jazz, Fusion をメタルと融合させているバンドはいくつかいますが、EXIVIOUS はそのビジョン、テクニックではなく楽曲にフォーカスした方法論がメンバーの CYNIC, TEXTURES といった経歴も相俟って高く評価されているインストゥルメンタルバンドです。
その EXIVIOUS のメンバー3人をフィーチャーした新バンドが今回取り上げる OUR OCEANS です。彼らが新しい名前で挑むのはインストではなく、歌モノのPost-Prog サウンド。CYNIC でグロウルを担当していたとはいえ、ボーカルの Tymon がクリーンボーカルを収録するのはこのアルバムが初。しかし、それを微塵も感じさせないような見事な歌唱がアルバムの核となっています。優雅に、ソフトに、エモーショナルに歌いあげる Tymon のボーカルは確かに彼が敬愛する Jeff Buckley を想起させますね。
また、非常にメランコリックなメロディーラインも素晴らしく、プログレッシブな演奏に極上のメロディーが乗るという点では ANATHEMA や Steven Wilson と比較されるのも頷けます。ただ、OUR OCEANS のより空間を意識したサウンドは SIGUR ROS のような Post-Rock とも通じるものがあり、そのサウンドスケープが彼らの特徴ともなっています。それは実は EXIVIOUS にも感じることですが。
同時に、もう1人の元 CYNIC, Robin のスムースでスイートなフレットレスベースが見事なまでに作品にマッチしており、OUR OCEANS の個性を創造することに強く貢献しています。勿論要所で炸裂するギタリストとしての Tymon のソロワーク、そしてドラマー Jasper のパーカッシブなアプローチも聴き応え充分。歌モノからインスト、プログロックから RADIOHEAD のファンまで幅広くアピールするような作品だと感じました。
今回弊誌では、バンドの要 Tymon Kruidenier に話を聞くことが出来ました。どうぞ!!

12063754_946813898717350_7436393434389983218_n

MMM RATING IS

OUR OCEANS “OUR OCEANS” : 9,1/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OUR OCEANS : OUR OCEANS】

WORLD PREMIERE AND EXCLUSIVE MESSAGE: “CARBON PHRASES” 【ALKALOID】


WORLD PREMIERE: NEW SONG !! “CARBON PHRASES” OF ALKALOID

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/179459106″ params=”auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false&visual=true” width=”100%” height=”450″ iframe=”true” /]

THE WORLD’S MOST EXTREME SUPER PROG METAL BAND “ALKALOID” SET TO RELEASE THEIR DEBUT ALBUM “THE MALKUTH GRIMOIRE” ON 2015 !!

THE LINE UP IS:
・MOREAN (DARK FORTRESS, NONEUCLID)
・CHRISTIAN MUENZNER (SPAWN OF POSSESION, ex-OBSCURA, ex-NECROPHASIST)
・DANNY TUNKER (ABORTED, ex-GOD DETHRONED)
・LINUS KLAUSENITZER (OBSCURA, NONEUCLID)
・HANNES GROSSMANN (BLOTTED SCIENCE, ex-OBSCURA, ex-NECROPHASIST)

al10354932_807354669287120_8413516454139916687_n

衝撃の OBSCURA 解体から半年。OBSCURA を脱退したメンバーを中心に上記の凄まじい経歴を持つ歴戦の兵たちが結集した新バンド ALKALOID の新曲が遂に到着しました!!”CARBON PHRASES”。知性と展開美に凶悪さを刻み込んだようなそのサウンドは曲名からも”凶暴な CYNIC ” と形容したくなります。以前 MOREAN が弊サイトのインタビューで語ってくれた通り、各自の個性を生かしながらも過去所属したどのバンドとも違う独自性のある音楽を届けてくれたのではないでしょうか。今回、弊サイトではバンドの中心人物にして世界でも屈指のテクニックを誇るドラマー HANNES GROSSMANN に曲解説と バンドについて独占でコメントを頂く事が出来ました。

al1174732_620216998023107_1655172071_n

【HANNES GROSSMANN】

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/179454700″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

【ABOUT “CARBON PHRASES”】

Actually we just uploaded one whole track which is called “Carbon Phrases”. This song starts like modern rock/pop song but then transends into a tech death metal song. It is over 9 minutes long and the listener will be taken on a journey where tension is always created and reliefed. There are of course stunning guitar solos and blazing drum fills, but the main statement of this song is the variety in human life. The lyrics are about the tought process of a writer/artist, but in fact it has a double meaning. A “Carbon Phrase” literally would be a line of a script or play written on a paper with a pencil. But since carbon is the matter all physical beings on this earth share, “Carbon Phrases” is also a metaphor for our DNA.The other track is an album teaser. It’s just one minute of 4 different songs, just to get an impression of how the other material sounds.

“CARBON PHRASES” という新曲を公開したよ!この曲はモダンなロック/ポップ的に始まるんだけど徐々にテクデスに移行するんだ。9分を超える長尺曲でリスナーは緊張とその解放という旅に出る事になるね。勿論目を見張るようなギターソロと燃えるようなドラムフィルは健在だけどこの曲の要は人生の多様さについての主張なんだ。歌詞はライターやアーティストの思考プロセスについてなんだけど、これはダブルミーニング。”CARBON PHRASE” とは文字通りだと手書きの文章とか鉛筆で書き下ろしって意味だよね。だけどカーボンは地球上にある全ての物質の起源だから、”CARBON PHRASES” とは DNA の隠喩でもあるのさ。アルバムティーザーでは他の曲も聴けるよ。4曲が一分づつ。他の曲の印象も感じて欲しいな。

al10846087_826141704075083_185215868684087942_n

【ABOUT DIFFERENCE BETWEEN OBSCURA】

The difference between Obscura is, that we take the music and the lyrics to much wider places. It is much “more” considering contrasts. The contrast of the parts and the whole songs to another is drastic. We finally want to prove with Alkaloid that metal doesn’t have to stay in a narrow field of one particular style. Since I wrote the biggest part of the music on Obscura’s last two albums, and also Chris’ guitar work was one of the most crucial factors to Obscura’s sound, there are of course elements in Alkaloid which are fairly similar to Obscura. Maybe Alkaloid is just the most logical consequence when taking the music on Obscura’s “Omnivium” to the next higher level.

OBSCURA との違いだけど、僕らは音楽と歌詞をもっと広義に解釈しているんだ。思考の対比を強くしている。曲毎、パート毎の対比が顕著だよね。僕らは最終的にメタルが狭いフィールドや、ある一定のスタイルに止まらない事を ALKALOID で証明したいのさ。OBSCURA の過去2作において僕は音楽の大半を書いた。クリスのギターワークも OBSCURA サウンドの重要な要素の一つだったね。だから当然だけど ALKALOID には OBSCURA と似ている部分もあるよ。だからまあ ALKALOID の音楽は OBSCURA の “OMNIVIUM” を次の段階に進めたものっていうのが最も論理的な結論かもしれないね。

【MESSAGE FOR JAPAN】

Thank you for giving us the opportunity to share our music with Japanese listeners. I’ve been to Japan twice (with Obscura) and it was one of the best touring experiences ever. So I’d be psyched if people in Japan were receptive for the music of this new band as well.

日本のリスナーに僕らの音楽をシェアする機会をくれてありがとう!OBSCURA で日本には2回行っているんだけど最高のツアーのひとつだったよ。日本のみんなが新しいバンドも同じように受け入れてくれたら最高だね!!

HANNES GROSSMANN

こちらは同時に公開されたアルバム収録曲でクリスのギターソロ曲 “C VALUE ENIGMA” です。フランツ・リストのピアノ曲をギターにおこしたかのような超絶技巧で同時に刹那的な美しさを放っています。ギタリストなら聴いて損はなし!!

ABOUT CROWDFUNDING

al20141130233221-Guitar_Package

Producing a professional album is a lot of work. We need to invest a lot of time and money into recording our instruments. But this is just a small part of what needs to be done. We also need to get the album mixed and mastered. For this job we work with V Santura, who also has mixed most of the albums of the other bands we play(ed) in, like Obscura and Dark Fortress. But then we need to get the physical copies pressed, we need artwork, fotos, a booklet and a general album design. Even counting the unpaid hours of work we’ve to put into the album ourselves, we still need people to do all these jobs. And since we want to produce the best quality possible, we need to hire nothing but professionals. So none of the funded money will lead to personal enrichment! Everything will be used to deliver the best quality. We worked hard and are offering EXCLUSIVE perks which are LIMITED; and which YOU hopefully find interesting enough to eventually support our campaign.We appreciate everything you do in order to help us. May it be selecting a perk and thus advancing our album or just telling a friend about this campaign, consider our gratitude to be endless!

日本では未だあまり馴染みのない CROWDFUNDING というシステム。海外では昨今主流の音楽制作手段になってきています。ミュージシャンに直接いくらか払う事で音楽もしくはそれぞれの値段に見合った報酬を得るというシステムです。直接ミュージシャンにお金を届けられるしお互いにとってメリットがありそうですね。今回 ALKALOID もこの手段を採用しています。V SANTURA (TRIPTYKON, NOEUCLID) に MIX & MASTER 頼んだり、フィジカル作ったりするのにとにかくお金がかかるからぜひ助けて欲しいとの事です。

INDIEGOGO: ALKALOID DEBUT ALBUM

ぜひこちらからチェックしてみて下さい。

alkaloid-band

ALKALOID 結成後世界で初めて MOREAN に行ったショートインタビューはこちら

READ THE INTERVIEW HERE: MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE

【RELATED WORKS】

NONEUCLID “METATHEOSIS”

ala3019364325_2

昨年発表された 2nd アルバム。MOREAN と LINUS の別バンドです。TRIPTYKON の V SANTURA がギターを弾いています。古き良きオールドスクールな THRASH と DOOM, モダンな PROG METAL を掛け合わせたようなサウンドが非常に魅力的。

READ THE INTERVIEW HERE: MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE

DARK FORTRESS “VENEREAL DAWN”

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/157803813″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

MOREAN が参加しているドイツ産 MELODIC BLACK METAL。彼らの最新作は非常にクオリティーが高いですね。凶悪だった頃のOPETH にブラックメタルをやらせたかのような深遠さと崇高さを感じます。こちらにも V SANTURA が参加・・・

OBSCURA “OMNIVIUM”

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/11822885″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

HANNES, CHRIS, LINUS が参加していたドイツ産テクデスバンドの最新作。後に HANNES と CHIRIS は脱退。テクデス!!って感じだった前作に比べて今作ではプログレッシブ、アトモスフェリックなアプローチが格段に増え、非常に思考性の高いアルバムに仕上がりました。HANNES が ALKALOID はここと繋がっているというのも頷けますね。

ABORTED “NECROTIC MANIFESTO”

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/142797332″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

GOD DETHRONED, PROSTITUTE DISFIGURMENT などを渡り歩いたデスメタル渡り舟こと DANNY TUNKER が今作から参加。リフのフックが格段に増し、流暢でメロディックなギターソロと併せて非常に聴きやすいオールドスクールなデスメタルに仕上がっています。

BROTTED SCIENCE “THE ANIMATION OF ENTOMOLOGY”

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/26294478″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
HANNES, RON JARZOMBEK, ALEX WEBSTER というシーンきってのテクニシャン達が集結したプロジェクト。スリリングすぎてボーカルが全く不要ですね。