COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ANGINE DE POITRINE VOL. Ⅱ】 FUJI ROCK 26′


COVER STORY : ANGINE DE POITRINE “VOL. Ⅱ”

“I built the first microtonal guitar we used myself. I added more frets on a guitar with a saw. The moment we started playing it, we just laughed!”

ANGINE DE POITRINE

「ノコギリでフレットを増やしたんだ」 ANGINE DE POITRINE (フランス語で狭心症の意) は “意味不明” なマイクロトーン・ダブルネック・ギターを自作。そうして今、彼らはネット上で爆発的な人気を博しています。
ジャズ、プログ、マスロックを融合させた彼らの濃密なサウンドは、数百万回の再生回数を記録し、Rick Beato や Cory Wong, Dave Grohl といったミュージシャンを驚愕させながら、音楽世界の話題をかっさらっています。
ケベック出身の型破りなデュオは、まるで別次元、別宇宙から来たかのような、見た目も音色も異彩を放つ自作のマイクロトーン・ダブルネック・ギターを手に、不協和音をバイラルな言語へと昇華させ、先月KEXPで行われた彼らのパフォーマンスは、なんと350万回以上の再生回数を記録。FUJI ROCK 26′ への参戦も決定。
2020年から活動を開始し、ケベックを拠点とするこのデュオは、まさに方向感覚を失わせるようなサウンドを奏でています。彼らの黒と白の水玉模様の衣装と張り子の頭部は、そのミステリアスな雰囲気をさらに高め、ただでさえ異質なサウンドに、催眠的でありながら悪夢のような視覚的アイデンティティを与えているのです。しかし、真の物語は彼らの指先に込められています。
異質な存在の始まりは、やはり異質でした。
「初めてお互いの音楽を聴いたのは、初めて一緒にジャムセッションをした時だった。子供の頃、僕たちは音楽を仕事場というより遊び場のように捉えていてね。午後は地下室で過ごしたり、時にはドラムとアンプを野外に持ち出して自由に即興演奏をしたりしていたんだ。僕たちが結束を固め、緊密な共通の芸術的ビジョンを築き上げてきたのは、カバー曲を演奏することに全く興味がなく、自由な即興演奏を通して一緒に演奏することを学んだからだと思う。
常に、グロテスクな即興演奏で笑いを取ったり、自分たちのオリジナル曲のレパートリーを増やしたりすることを目指していた。あるいは、遊びを通して互いに刺激し合うこともあった。例えば、”おい、こっちの友達に無調のウォーキング・ベースを三連符で弾いてもらって、ギターは奇妙な16分音符のラインで切り込みを入れて、ドラムはスウィングと均一なリズムを交互に刻むんだ。まるでビデオゲームのビートみたいにね” といった具合にね」

当時も今も、二人はギタリスト Khn の家をリハーサルスペースとして使っています。彼ら曰く、そこは “混沌としていて、ちょっと崩れかけている” 場所で、アリやネズミがいて、壁にはカビが生え、屋根からは水が漏れているそうです。しかし、その環境には独特の静けさがあり、それが彼らの奇妙な演奏を可能にしているといいます。「森の中の静かな場所だから、いつでも思いっきり騒げるんだ」
ANGINE DE POITRINE の初の公式コンサートは、シクティミで開催されたパフォーマンスアート・イベントで行われました。そこで二人は、好奇心旺盛でオープンマインドな地元の人々からすぐに支持を得ることに成功します。
「あの最初のショーは、もし僕らが活動を続けたらどうなるかという試金石だった。バンドの構想は、ライブ・パフォーマンスに特化していて、最初はちょっとした冗談だった。でも、僕たちがこれまでやってきたことの多くは、そういう瓢箪から駒的なものなんだ」
ふたりは匿名性について語ろうとはしませんが、バンド名とインスピレーションの源については(ユーモラスに)認めています。
「視覚的にも音響的にも、僕たちの主なインスピレーション源はテングザルだ。バンド名は最初は冗談で出したものだったけど、不協和音による心臓機能不全というアイデアと合致していることに気づいた。それと、いくつかの曲に感じられる切迫感もね」
たしかに、”切迫感” という言葉は、ANGINE DE POITRINE の特徴である、力強く、微分音的で、ループを多用したサウンドとその進化を的確に表現しています。
「僕たちは物事を自然に進化させている。音楽の方向性に厳密なスタイルの境界線を設けないでね。僕たちの音楽的嗜好はロック音楽に深く根ざしているので、常に少し “ヘヴィ” な雰囲気があるかもしれないね。でも、曲を通してさまざまな影響を感じ取ることができるだろう。”Vol. II” では、あまり深く考えずに、さまざまな方向へ進んでみた。そういうこともあるんだってね」

作曲における彼らのモットーは何でしょう?
「僕らのモットーは常に、新鮮な音楽的アイデアを世に送り出し、驚きで脳を刺激しつつ、ある程度シンプルさを保つことなんだ。変拍子をできるだけ聴きやすくしようと常に心がけているんだ。タイトで “複雑な” ビートと、すごく踊れるビートの間を行き来するのが好きなんだ。ギターのように、緊張と解放のパターンを作り出すようにしているんだよ」
とはいえ、考えすぎてはいないようです。
「僕たちは、象徴主義にはあまり重きを置いていないんだ。バンド全体として、深い概念的な思考プロセスは存在しなくてね。みんなが耳にする、目にするすべてのものは、常に僕たちの独特なユーモアのセンスの産物であり、それが僕たちの共通の創造空間の根底にあるものだ。つまり、音楽に合わせて体を揺らし、笑い、奇妙で不条理、あるいは驚きに満ちた美的表現(視覚的なものも音楽的なものも)を通して、喜びの状態に到達するのが目的なんだ」
独特の衣装も偶然の産物で、強いていえばリスナーの驚きを誘うため。
「衣装は、初めてのライブのために即興で作ったんだ。アンディ・カウフマンみたいな、地元の観客を驚かせるためのちょっとしたイタズラみたいなもので、ライブを1回や2回、あるいは3000回やるかどうかも分からなかったからね。最初は冗談のつもりだったんだ。僕たちはジョークが大好きで、アイデンティティの一番の源だからね。何事も少し軽快で楽しいものが好きだ。時が経つにつれ、僕たちのバンドがちょっと風変わりだということを受け入れるようになってきた。そして今では、それが別の意味で役に立っている。プライベートとステージ上のペルソナを切り離し、匿名性を保つことができるからね」

彼らのサウンドの中心にあるのは、自作のマイクロトーン楽器。ストラトキャスター型のダブルネックギターで、エレキギターとベースの中間のような形状をしています。このギターは手作業でフレットを追加することで改造されていて、標準的な西洋音階の音程間の音程を奏でることができるのです。
Jack White のギターとベースを融合させた “アグリー・スティック” を彷彿とさせるこのギターは、ギターとベースを兼ねたダブルネック構造で、その特徴はとんでもなく奇妙なフレット間隔にあります。Bumblefoot のフレットレスのように、これまでにも興味深いダブルネック・ギターはいくつか存在しましたが、これは全く異なる存在かもしれません。そうして、実験的に始まったものが、あっという間にバンドの代名詞となりました。
「僕たちが最初に使ったマイクロトーン・ギターは、自分で作ったんだ」と、ドラマーの Klek de Poitrine は告白しています。「ノコギリを使ってギターにフレットを追加したんだよ。でも演奏し始めた瞬間、みんなで笑ってしまったんだ。でも、僕はギタリストじゃないから、楽器のポテンシャルを十分に引き出せていなかった。それで、Khn に持って行って、”これ、絶対試してみて。全く意味不明だけど” って言ったんだ。そしたら、演奏し始めた瞬間、不協和とそれぞれの音の近さに、みんなで大笑いしたよ」
その “不協和” こそが重要でした。インドと日本の音楽伝統からインスピレーションを得たこのデュオは、四分音やマイクロインターバルを装飾としてではなく、楽曲の基盤として活用しているのですから。
プログレッシブ・ロックとモダン・ジャズをバックグラウンドに持つギタリストのKhnは、ギターを異国情緒あふれる目新しい楽器としてではなく、ハーモニー言語の拡張手段として捉えています。
「四分音を使うことで、半音階的なアイデアを拡張し、より緊張感を高めることができる。そうすることで、Frank Zappa のようなフレージングに近いものになるんだけど、僕らはさらにその先へと突き詰めている。結局のところ、僕たちが作る曲のほとんどは、John Scofield の “Überjam” や Miles Davis の “So What” のような曲とハーモニー的に比較できるだろう」

Klek がマイクロトーンに惹かれた理由は何だったのでしょう?
「ドラマーだけど、昔から “東洋音楽” 、つまりインド音楽や日本音楽などが大好きなんだ。音符が増えることで、より複雑な響きが生まれるように感じてね。四分音や三分音がもたらす深みに、いつも魅了されてきたよ。音符間の緊張感や不協和をこよなく愛する僕たちにとって、その方向へ進むのはごく自然な流れだった」
ギタリストの Khn はまず、アラビアの響きに惹かれていました。
「最初は、アラビア風の響きをどうにかして出そうとしていたんだ。でもすぐに、よりモード的なアプローチへと移行し、非常にステレオタイプで、結局は自分の文化ではないものを連想させるようなものに陥ることなく、不協和音の可能性を最大限に活用しようとしたね。それに、僕自身の音楽的背景は、プログレッシブ・ロック、モダン・ジャズ、そして現代音楽に深く根ざしている。僕にとって、四分音をもっとキュビズム的、というか、Frank Zappa 風のフレーズで使うのはごく自然なことなんだ。四分音を使うことで、倍の長さの半音階的なアプローチを探求し、より緊張感を高めることができる」
また、トルコのロックや、日本の伝統音楽、そして KING CRIMSON が “Dicipline” で探求したインドネシアのガムラン音楽も影響を受けていると述べています。しかし、時が経つにつれ、彼らはこの独特な楽器を本当の意味で自分たちのものにしつつあります。
「僕たちは、ロックのグルーヴ美学に深く根ざした、独自の音楽言語を探求しているんだ。まだそれほど長くこの手法に取り組んできたわけじゃない。ギターを弾き始めて20年になるけど、マイクロトーンを探求したのはせいぜい4、5年くらいかな。まさに今、僕たちが開いたばかりの扉なんだ」

Klek のお気に入りのバンドはなかなかに通好み。
「僕の生涯のお気に入りは、70年代のプログレッシブ・ロック・バンド、GENTLE GIANT だ。彼らは本当に変人で、プログレッシブ・ミュージックのオタクだった。BLACK SABBATH の前座を務めたんだけど、あまりにも奇妙だったから観客はブーイングしたんだ。観客は準備ができていなかった。ヘヴィ・メタルのリフを求めていたのに、GENTLE GIANT はバイオリンやトランペット、中世の衣装で現れたんだ(笑)。
あと、DUA LIPA は本当に最高にイカしたグルーヴを生み出すと思う。Calvin Harris の音楽全般も、本当に素晴らしい名曲ばかり。過小評価されているバンドといえば、僕の友人で LE PARC というバンドのメンバーにもエールを送りたいね。彼らは僕たちより少し若いけどとてつもない実力派だよ。彼らは一流のプログレッシブ・ロックを演奏する。彼らが国際的にブレイクすることを願っているんだ。少なくとも、彼らが望むだけの名声を得ることをね。だって、本当に、彼らはブレイクするに値するんだから」

Khn は複雑な音楽に没頭する時期は終わったと考えています。
「ほら、誰しもがもっと凝った、もっと複雑なものに共感しようとする時期を経るじゃない。大学で音楽を勉強した後、その時期は終わったよね。今はポップをたくさん聴いているんだ。実は、僕も Calvin Harrisという名前が頭に浮かんでいて、リアーナや DUA LUPA 、その他 Calvin がプロデュースした大物ポップスターたちのヒット曲はどれも最高なんだよな。
過小評価されているバンドなら LOUNGE LIZARDS かな。有名ではないけれど、世界中のアンダーグラウンドシーンでは認知されているバンドだからね。本当にユニークで、他に類を見ない個性を持ったバンドなんだ。ジャズの美学を取り入れつつも、ポップ・ロックのスタイルで演奏する。そして、そのエネルギーはパンクに近い。初めて彼らの音楽を知った時は、本当に衝撃を受けたよ。ギタリストの Arthur Lindsay のギターの弾き方は、ジャズとは全く関係ないんだ。彼はノイズシーン出身で、意味不明なリフを思いつく。まるで音色や音符の概念を拒否しているかのようだ。彼は明確に定義できる音符やメロディーを演奏しない。だから彼のギター演奏が大好きだ!
僕が最も誇りに思うアーティストは、ケベックのバンド、DEUX POUILLES EN CAVALE で、彼らのライブでのルーパーの使い方に本当に感銘を受けた。彼らは僕たちにデュオで演奏するよう刺激を与えてくれたね。僕は彼らのツアーに同行し、彼らが演奏するほぼすべての場所に行った。彼らを見るためにヒッチハイクまでしたんだ」
Rick Beato によれば、ANGINE DE POITRINE ほど彼の受信箱に大量のメールが殺到したアーティストは他にいないそうです。
「彼らについてのメールが1日に25通届き、コメントは何千件にも上っている。彼らの演奏を聴くと、”一体どうやって演奏しているんだろう?” と驚かされてしまうよね。これが未来の音楽のサウンドだと私は想像しているよ」
4月2日にセカンドアルバム “Vol. II” をリリースした彼らの使命は明確です。マイクロトーン音楽を、単なる珍しい音楽ではなく、完全に確立された音楽のひとつとして、そして Jeff Beck がこれまで探求してきたマイクロトーンの限界を超えて、メジャーへと押し上げることです。
「目標は、マイクロトーンを他の音と同じように使うこと。装飾としてではなく、言語そのものとして使うことだよ」
彼らの奇妙で不協和音に満ちた世界は、2026年を通してさらに拡大していくことでしょう。

参考文献: GUITAR WORLD :microtonal guitar has been the key to their unlikely success

NOISE MAG:ANGINE DE POITRINE: A DISCUSSION WITH THE INFECTIOUS QUEBEC BAND

FLOOD MAG:Angine de Poitrine Put the “Big” in Ambiguous

FUJI ROCK FESTIVAL 26′

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CORROSION OF CONFORMITY : GOOD GOD / BAAD MAN】


COVER STORY : CORROSION OF CONFORMITY “GOOD GOD / BAAD MAN”

“I mean…you can tell the world a lot by wearing a spiked belt, dude. If you’re at the grocery store and you’ve got a spiked belt, people look at you a little different. Some of them might look at you like, “Damn… I wish I was still that guy.”

GOOD GOD / BAAD MAN

間もなく59歳になる Pepper Keenan は、人生のほとんどをギターに費やしてきました。ニューオーリンズで育った彼にとって、音楽は決して珍しいものではなかったからです。 1989年、彼は CORROSION OF CONFORMITY にギタリストとして加入。ティーンエイジャーの頃からパンクが好きだった彼は、長年このバンドのファンでした。その後、1994年のミリオン・セラー “Deliverance” ではボーカルも担当。このアルバムで彼らはパンクのルーツから脱却し、よりルーズで BLACK SABBATH 的なサウンドへと移行しました。90年代半ばには、スーパー・グループ DOWN でギターを演奏。Jason Newsted が METALLICA を脱退した際、空席となったベースのオーディションに最初に声をかけられたのも Pepper でした。
創立メンバーでベーシストの Mike Dean が脱退し、2020年にはドラマーの Reed Mullin が悲劇的な死を遂げた後、Pepper はギタリストの Woody Whetherman と二人きりとなり、ギターでジャム・セッションをしながらCOCのニューアルバム “Good God / Baad Man” を完成へと導きました。”ダーク・サイド・オブ・ザ・ドゥーム” というニックネームで呼ばれるこのアルバムは、COCのあらゆる要素を網羅した壮大な、しかし “まるで昔のまま” な作品です。中でも特筆すべきは、ヘヴィなストーナー・ロックから至福のサイケデリック・ジャムまで、Pepper の尽きることのないリフの才能でしょう。状況やメンバー構成が変わっても(実際、彼は2006年から2015年まで DOWN に専念するためバンドを離れていた)、彼のギターリフの探求に終わりはありません。
そうして、ベーシストの Bobby Landgraf とドラマーの Stanton Moore を迎え入れ、再びフルバンドを編成しなければならなかった時のことを、彼はゆっくりと回想します。 「新しいガールフレンドができたような気分だったよ。書いていたのは僕と Woody だけだった。Mike Dean はいなかったし、Reed も失っていた。でも僕と Woody は100回も話し合って、やめないって決めていたんだ。僕たちは新しい音楽に興奮しすぎて、このバンドが本当に楽しかった。COCの物語が終わるわけじゃなかったんだ」
その新しい音楽は “Good God” と “Baad Man” の2枚組、大ボリュームで届けられました。
「僕と Woody はミシシッピ州の “ブラック・シャック” っていうところでビールを飲みながらレコードを聴いて、ジャム・セッションしたりギターを弾いたりしてたんだ。COC がこれまでどれだけ色々なスタイルでやってきたか、例えば(サザンロック調の) “Stare Too Long” から、(アグレッシブな)”Vote With A Bullet” まで、本当に色々なことをやってきたって話をしてたんだ。それで、同じような曲が10曲も入ったアルバムなんて作りたくなかったし、このバンドのすべてを1枚のアルバムに詰め込むにはどうすればいいかって話してた。その時、このアイデアが浮かんだんだ。”Good God, Bad Man” っていうのは、俺がずっと前から言ってた言葉で、句読点の付け方によって意味が変わるんだよ。
この組み合わせは意図的に作ったんだ。後から思いついたわけじゃない。レコーディングを始める前から、曲順は決まってた。俺にとってはすごく理にかなってると思う。まあ、アルバムを作って曲を全部仕上げてから、最後に曲順を決める人がいるのは不思議だよな。小説を書くときに、どの章をどこに配置するかを後から決める人なんていないからね」

アルバムは、マイアミのミドル・イヤーでレコーディングされました。BEE GEES の Barry Gibb が所有していて、BLACK SABBATH が “Mob Rules” の一部を録音した場所でもあります。
「ボスである Barry は、あちこちに顔を出していて、想像通り最高だったよ。”Baad Man” っていう曲では、Maurice Gibb が “Jive Talking” で使ってたストラト・キャスターを弾いたんだ。すごいだろ?!このアルバムの制作中は、そんな感じだった。スタジオには、BEE GEES の78年のワールドツアーか何かで使われた白いモーグ・シンセサイザーが置いてあったんだ。それを起動して、それでパートをまるまる一曲作った。だって、使わないわけにはいかなかったんだから。
みんな同じ部屋にいた。ガラス張りのコントロールルームなんてなくてね。アンプとかを隔てるために、家からマットレスを引っ張り出してきたんだ。ギターの音があちこちに飛び散って、本当にリアルだったよ。俺と Woody は Pro Tools と、失礼ながら Kemper アンプとか、完璧なレコーディングとかいうものに完全に行き詰まっていたんだ。俺たちの目指すところは、そういう方向とは全く違う。今の時代と比べたら、まさに新鮮な風だったと思うよ」
“Good God / Baad Man” はCOCの音楽的ルーツを反映し、それらが互いに補完し合う二部作として完成しました。”Good God” はよりヘヴィな楽曲で、トーテム的なストーナーロックの陰鬱さを湛えた “The Handler” や、顔面を殴りつけるようなパンク “Gimme Some Moore” を見せつけ、”Baad Man” はより自由奔放で、ZZ Top やサザン・ロックへの愛を反映したリフが特徴的です。こうした楽曲はすべて、二人がヘヴィなリフ・セッションの合間に、お気に入りのレコードを聴きながらホームスタジオで制作したもの。
「まるで16歳か17歳みたいに、ビールを飲みながらギターを弾きまくって、何も気にせず、本当に楽しい時間を過ごしたね…間違いなく、これまでで一番楽しいアルバムだった。プレッシャーなんて全くなくて、ただやりたいことをやっただけなんだ。まるでゴリラが4トラックレコーダーを叩くように熱狂的に曲のアイデアを録音していった。最高にクールなサウンドだったよ。僕たちが求めていたもの、つまり、ある意味で崩壊寸前のようなサウンドがそこにあったんだ」
そうやって、お気に入りのレコードを一緒に聴くことから始まったアルバムは、”Riffissippi sessions” における “Fire and Water” のカバーを生み出しました。
「作業の合間には、たくさんのレコードを聴いていた。休憩を取って、ビールを6本くらい飲んで、リラックスしたり。プレッシャーなんて全くなかったね。費用は一切かからなかった。時間単位で料金を払っていたわけでもない。何週間もぶっ通しで集まって、ひたすらジャムセッションをしていたんだ。それがレコードにも表れていると思うよ。
そう、僕たちは FREE みたいないろんな音楽を聴いていた。面白いことに、Stanton はそれまで一度も FREE を聴いたことがなかったんだ!FREE が誰なのかも知らなかった。僕と Woody はマジで驚いたよ。でも、僕だって彼が大好きなデイヴ・ブルーベックの曲をそんなにたくさん知っているわけじゃないと思うし。
だから、このカバー曲にはどこか子供のような純粋さがあったんだ。Stanton は本当に純粋だったからね。それで彼が “おい、これ録音しようぜ!” って言い出したんだ。僕は “どういうことだ?FREE の曲をいきなり録音するなんて、そんな簡単なことじゃないだろ!” って思ったよ。でも彼は僕を説得して録音させたんだ。”おい、俺はポール・ロジャースみたいに歌えないよ” って言ったら、彼は “お前らしく歌えばいいんだ!”って。気づいたら、あの野郎が俺たちに “Fire and Water” をレコーディングさせてたんだよ。ロック界の聖杯とも言える名曲だ」

“Gimme Some Moore” のパンキッシュな躍動感も絶妙です。
「10回くらい書き直したんだけど、なかなか形にならなかったんだ。でも、スタジオでレコーディングしていた時に、何かがカチッとハマってね。歌詞を全部捨てて、ゼロから作り直したよ。Stanton がドラムを叩き始めて、彼のドラムに合わせて音節ごとに歌詞を書いていったんだと思う。リフのことよりも、彼のドラムに合わせようとしたんだ。ギターコードの制約から解放された途端、全く新しい世界が開けて、めちゃくちゃパンクな曲になった。まるで16歳の頃に書いたような曲だった。何もかもが嫌いな高校生が、背中に BATHORY のロゴが入ったレザージャケットを着ているような感じ。
サビの “戦う価値はある/レザー、チェーン、スパイク” も最高だよな。スパイク・ベルトを着けているだけで、世の中に色々なことを伝えられるよね。スーパーでスパイク・ベルトを着けていたら、周りの人の視線がちょっと変わる。中には “くそ…俺もあの頃の自分に戻りたい” って思う人もいるかもね(笑)。あれは鬨の声だ。あれでメタル仲間たちが “マジかよ、最高じゃん。俺も思いつけばよかった” って言ってたよ。僕たちの当時の状況、革ジャンにチェーンとスパイク。これが僕らだ。これが僕らのやり方。お前ら全員クソくらえ。そんな感じだったんだ」
“Good God” の “You or Me” のように、人間の根深い暴力性を描いた陰鬱で不吉なシーンがある一方で、”Baad Man” の “Handcuff County” は、もっと不遜で、ぶっ飛ばすような楽しさを表現しています。
「”Baad Man” の方はより “ストリート” な側面が強く、”Good God” の方はよりスピリチュアルな側面が強い、と言えば分かりやすいだろうか? “Handcuff County” のような曲は…まさに汚れたストリートで生きる現実を描いているね。”Good God” の “タクシー・ドライバー” 版といったところだろうか。
だから、ビール・パーティーに行くなら、まずは “Baad Man” をかけるだろうな。僕たちは FOGHAT もZZ TOP も大好きだからな。ああいうのが好きなんだ。GRAND FUNK RAILROAD も最高に好きだ! “Good God” なんて曲をかけたら、みんなががっかりしちゃうよ。ビーチでパーティーをやってる時に、”Good God” なんてかけるわけないだろ。でもさ…結局自分たちが好きな音楽を色々探ってただけなんだ」
COCの列車はまだ走り続けている…”Baad Man” の “Forever Amplified” は、そういう側面を描いているようにも思えます。
「Woody と話してたんだけど、この曲を聴くと、僕らが失った人たちのことを思い出すんだ。この曲は、亡くなった人たちのために書いたんだ。Reed がこの曲のきっかけとなった最大の人物で、癌で亡くなった親友の Rio もその一人。彼は僕たちのためにたくさんのビデオを作ってくれたんだ。
最初は別のタイトルだったんだけど、適当に歌詞を歌ってみたら “Forever Amplified” って聞こえてね。以前にもそういうことがあって、適当に適当に歌ってみたら、そこから何かが出てくるんだよな。それで、曲の方向性が決まり始めた。
コロナ禍で、本当に重いテーマだった。それに、Woody も、僕も、このアルバム制作中に両親を亡くしたんだ。そういうことが重なって、この曲が生まれたんだよな。”Forever Amplified” というアイデアが、僕たちに明確な方向性を与えてくれたんだよ。
曲の終わり、空高く舞い上がる巨大なギターの音とか、そういう演出を聴くと…Dimebag Darrell を思い出すんだ。レコーディングの時は本当に感情が高ぶる瞬間だった。ジェリーが最後に、全身全霊で歌い上げてくれた。彼女が歌い終えた時、会場に涙を流していない人はほとんどいなかったな」

では、Pepper が最初に音楽に惹かれたきっかけは何だったのでしょう?
「おそらく2つある。1 つは RAMONES 。それから、友人の兄がエルトン・ジョンの “Goodbye Yellow Brick Road”(1973年)のカセット・テープをくれたんだよね。それを何度も聴き込んで、擦り切れるほど聴いていたよ。
僕はパンク・ロック好きのガキだったんだ。ニューオーリンズの都会っ子だった。で、BLACK SABBATH を本格的に聴くようになる前から、SLAYER とかにハマってた。ある友達がリハビリ施設に入って、入る前よりひどい状態で出てきたんだ。タバコも吸ってたし、そいつが13歳の俺に BLACK SABBATH を聴かせてくれたんだ。でも、一度サバスにハマったら、もう止まらなくなった。ボロボロのブルージーンズに、ダサいVansのスニーカーを履いて、スケートボードで街を滑りながら “Kill ‘Em All” を聴いてたよ。BLACK FLAG, CIRCLE JERKS, BAD BRAINS…それに COC も観に行ったんだ。近所にパンク・ロックのクラブがあったから、夜中にこっそり家を抜け出して、4ブロック歩いてライブを見に行ってたよ。同時に、近所にはダサいヒゲを生やした年配のマリファナ中毒の連中がいて、Robin Trower とかを聴いてたんだ。俺もそういうのにハマったんだよ」
初めてギターを手にしたのはいつだったのでしょう?
「14歳くらいから弾き始めた。パット・ザ・ラットっていう友達がいたんだ。あいつは完全な赤毛の不良だった。ボロボロのオフロード・バイクで警察から逃げようとして、バイク事故で死んだんだ。ミシシッピ川の堤防のところで、ケーブルが張ってたんだけど、それに気づかずに突っ込んでしまったんだ。とにかく、あいつはギターを弾いていて、葬式とか色々あった後、俺と友達はこっそりあいつの家に忍び込んでギターを盗んだんだ。あいつの母親はギターをどうするつもりもなかっただろうし、パット・ザ・ラットも俺たちに持って行ってほしかっただろうから」
ニュー・オーリンズ育ちの Pepper にとって、音楽はまさに避けては通れない道でした。
「ああ、そうだよ。ニュー・オリンズには、音楽がどこにでもある。俺の住んでるところから3ブロック先に、最高にイカした音楽クラブがあるんだ。ニュー・オーリンズは奇妙な街で、高校時代はフットボール部に入るよりバンドに入ってる方がカッコいいんだ。子供の頃は、パンク・ロックのギターでも弾いてたけど、近所の奴が今まで見たこともないくらいギターが上手くて、まるでバナナの木を切り倒すみたいに、あっという間にやられちゃうんだ。ここでは常に謙虚さを教えられる。あいつらは金持ちでも有名人でもないけど、音楽では食われちまう。ミシシッピも同じだよ。ああいう世界で育つと、すぐに謙虚さを教えられるんだ」

COCのファンからどうやって、バンドのメンバーになったのでしょう?
「1985年のセカンドアルバム “Animosity” は、僕が今まで聴いた中で最も素晴らしいレコードの一つだった。今でもそう思っている。あれは、僕が今まで聴いたどのバンドよりも、パンク・ロックとメタルをうまく融合させた、まさにゲーム・チェンジャーだった。僕は当時、ニュー・オーリンズで GRAVEYARD RODEO というクールなバンドをやっていて、ちょっとしたシーンを作っていたんだ。超DIYなパンク・ロックだったよ。そんな時にCOCの話が持ち上がって、誰かがオーディションを受けてみたらどうかと勧めてくれたんだ。あとはもう歴史って感じだよね」
Pepper の加入はCOCがブレイクし始めた頃のことでした。若い頃、これから成功していくバンドに所属するのはどんな感じだったのでしょう?
「バンドをやっていたのは最高だったよ。スケートボード・ショップで働いてたんだけど、オーナーがめちゃくちゃクールだったんだ。ツアーにも行けたしね。24時間使える練習場所もあったから、そこでギターに集中できた。Reed は24時間ドラムを叩いてたしね。みんなで音楽を聴きながら、24時間ぶっ通しで演奏してた。CORROSION OF CONFORMITY はまさにバンドだった。みんな手がちぎれるまで演奏してたんだ。最高だったよ。俺が知ってる中で一番ヤバいドラマー、Reed と一緒にギターを弾いて、毎日毎日ヘッド・バンギングしてたんだ。最高だったよ」
1994年のアルバム “Deliverance” から、サバス風のサザン・ロック路線が始まりましたが、同世代の人たちの反応はどうだったのでしょう?
「決定的な瞬間は、”Deliverance” のリードシングル “Albatross” を発表した時だった。あの曲で、昔のシーンの連中から、まるで睨みつけられたみたいになった。売れたって思われたんだろうけど、僕たちにとっては、あれこそがパンク・ロックそのものだった。”お説教はもういいよ!” って、はっきりとしたメッセージを送ったんだ。でも、相変わらずダーティバッグ、パンク、メタル・ヘッズ、何でもいいけど、僕たちは変わらなかった。もうスカダンスを踊ったり、ぐるぐる回ったりする必要はなかったけど、エネルギーは確かにあったし、すごく刺激的な時代だった。”Deliverance” はその一部だった。最初はインディーズ・レーベルで制作していたんだけど、それがコロンビアに買収されたんだ。それで、突然俺たちはマディソン・アベニューの50階にある、象牙の塔みたいなビルにいて、”一体どういうことだ?” って感じだった。彼らは “アルバムを完成させろ” って言ったんだ。”どこで録りたい?” と聞かれたので、ヘンドリックスのスタジオ、エレクトリック・レディと答えた。そしたら、そこに2ヶ月間も滞在させてもらえたんだよ!数ヶ月前まではクイーンズのスタジオの床で寝泊まりしていたのに、突然そこにいて、経営者のメアリーという女性が、ヘンドリックスが “If 6 Was 9” で使ったアンプを持ってきて、ソロを弾かせてくれたんだ!」

その後、1996年にアルバム “Wiseblood” をリリースし、数年間 METALLICA とツアーを回りました。
「正確な時期は覚えていないけど、METALLICA は “The Black Album” が1000万枚売れたので、ニューヨークでパーティーを開いていた。それで、Reed と知り合いの女性がいて、その知り合いが僕と彼を招待してくれたんだ。ある時、僕がバーにいたら、突然 James Hetfield が僕と Reed のところにやってきて、”おい、お前ら、本当にいいレコードを作ったな” って言ったんです。僕は “マジかよ!” って思ったね。それで James に “僕たちは君の真似をしようとしたわけじゃない。ただ君がクールだと思うようなレコードを作ろうとしただけなんだ” って直接言ったんだ。そしたら彼はすぐに理解してくれたよ。
その数年後、彼らは僕たちをオープニングアクトに選んでくれたんだ。すごく嬉しかったね。それからロンドンでシークレット・ライブがあって、僕たちにオープニング・アクトをやってほしいって言われたんだ。信じられない話だよ。それから “Wiseblood” のアルバムを出して、ワールドツアーに誘われた。3年間ツアーに出て、その中の瞬間はどれも最高に素晴らしかった。めちゃくちゃ楽しかったよ。
僕のギターの1本は、ツアー中に James が作ってくれたんだ。僕たちのギターがひどい状態だったからね。彼は “こんなギターじゃツアーにはもたないよ。チューニングがすぐに狂っちゃう” って言ってた。それで、僕たちのお気に入りのギター、ギブソンSGを日本に送って、コピーを作ってもらったんだ。すごいよね。3本も作ってくれたから、3年間のツアーを乗り切れたんだ。全部彼のおかげだよ。今でもそのギターを使ってるし、Woody は今でも毎ライブで使ってるよ」
Jason Newsted が脱退した後、METALLICA のベーシストのオーディションに呼ばれた話は有名です。
「すごかったよ。前に彼らと演奏したことはあったし、LYNYRD SKYNYRD の “Tuesday’s Gone” のカバーでバック・コーラスもやったことがあった。でもその時はすごかった。James から電話がかかってきて、必ずしも最高のプレイヤーじゃなくてもいい人が欲しいって言われたのを覚えてる。当時から僕はファンとして METALLICA を見ていて、だから自分が METALLICA に何をしてほしいかを考えていた。まず最初に、オリジナルのロゴを復活させて、あの世界観に戻って、”Master Of Puppets” みたいなことをやりたかった!ガレージに戻ってね。スタジオに入ってリハーサルをした時のことを覚えてるよ。最高だった。でもそこに Robert Trujillo が入ってきて、”うわぁ、やばい…” って思ったんだ。でも全ては理由があって彼らにとってはうまくいった。全て良かったよ。すごく楽しかった」

当時 Pepper は、DOWN と COC の両方でかなり忙しく活動していました。
「そうだね。不思議なことに、90年代には “Deliverance” と(DOWN のデビュー作)”NOLA” が同じ年にリリースされたんだけど、今また同じ状況なんだ。DOWN のニューアルバムが完成して、今ミックス作業中だからね。前作と同じような感じなら、いい感じになるだろうな」
DOWN が HEAVEN & HELL とツアーを行い、Tony Iommi が Pepper のリフを気に入ってくれたのは彼にとって大きな出来事でした。
「あの出来事全体がものすごく強烈だったよ。彼らの前座を務められたなんて、本当に素晴らしい経験だった。だって、彼らのサウンドチェックを見ているだけで、もうひざまずいてしまうくらいだったんだから。オーストラリアかどこかの巨大なアリーナで、俺と Jimmy だけでバリケードに立って、彼らのサウンドチェックを見ていたんだ。もう頭がおかしくなりそうだったよ。彼らのそばにいるだけで、もう信じられないくらいだった。ある日、サウンドチェックで Tony のギターを彼の機材を通して弾かせてもらったんだ!それから、飛行機に乗る前に空港のバーで Dio に会って、一緒に座って酒を飲みながら、魔法使いとかドラゴンとか話したりしたよ。彼は最高だった。Dio は間違いなく最高の男だった。彼の歌声を聴いていると…本当に最高だったよ」
自分のバンド活動以外にも、Pepper はバーを経営しています。
「ル・ボン・タン・ルールだ。音楽バーなんだよ。とんでもない話を聞かせてやるよ。毎週木曜の夜に演奏するバンドがいるんだ。The Soul Rebels っていう。ブラス・バンドで、一人がアップライトのキックドラムを叩いて、残りはホーンを山ほど重ねてる。世界中で演奏してるんだけど、うちのバーが彼らのホーム・グラウンドなんだ。いつでもジャムセッションできるんだよ。
ある日、店に行ったら、彼らが昼間からリハーサルしてて、METALLICA の曲を演奏してたんだ。”一体何やってんだ?” って思ったよ。それからしばらくして、METALLICA の30周年記念でカリフォルニアのフィルモアに飛んで行ったんだ。METALLICA と一緒に “Tuesday’s Gone” を演奏するためさ。着いてホテルのロビーに入ったら、なんと俺のハウスバンド、The Soul Rebels がそこに立ってたんだ。クソッタレの James はイギリスの番組で彼らを見て、このショーのバンドの合間に彼らを出演させたいと思ったんだ。俺が彼らを知っていることすら知らなかったんだよ!」

COC に在籍して40年近くになりますが、その間にも様々なメンバーの入れ替えがありました。今となっては、HAWKWIND のように、メンバーよりもバンド自体が大きな存在になっているように思えます。
「このアルバムを作っている時、Woody とビールを飲みながら何度もその話をしたんだよな。時々、バンドという枠を超えているような気がするよ。もはや思考の流れ、あるいは姿勢のようなものだよな。個々のメンバーの総和よりも大きい。COC という存在自体が、独自の生命を持っているように感じるんだ。まさにアティテュードそのものなんだ。僕たちはそういう風に捉えているよ」
今後1年ほどで2つのバンドから2枚のニューアルバムをリリースする Pepper。何が彼を今も音楽へと駆り立てているのでしょうか?
「一番大切なのはクリエイティビティ。何かを作るのが好きなんだ。自分に挑戦するのが好きなんだよな。給料のためじゃないよ。6通りの方法でお金を稼いでいるから、お金は気にしていない。好きなのは、創造すること、つまり何もないところから、何の参考資料も何もないところから、このアルバムのようなものを作り出すことが、クールで挑戦的だということ。あれは僕と Woody の頭の中から生まれた。それだけなんだ。
それに、音楽を演奏するのが好きなんだよ。飽きたことは一度もない。仕事みたいになってしまう時もあるだろうし、あるいは、文句を言い始めることもあるだろう。でも、自分が何で文句を言っているのか、よく考えるべきだよ。僕は何も当たり前だとは思っていないからね」
もうすぐ59歳の誕生日を迎える Pepper。今ではパンクを演奏するよりも、サバス風の楽曲がよく似合います。
「それはずっと昔、DOWN が “NOLA” のアルバムを作っていた頃に話していたことなんだ。”これはいいぞ。僕たちはこのバンドで年を取ってもやっていける。60歳になってもステージで頭をぶつけているわけにはいかないだろう” ってね。ほら、どうなったと思う?こうして今、僕たちはここにいるんだ…」

参考文献: REVOLVER :CORROSION OF CONFORMITY’S ‘BAAD MAN’: PEPPER KEENAN BREAKS DOWN “THE FUNNEST RECORD WE’VE EVER DONE”

KERRANG! :“I stole my first guitar from my dead friend’s house. He’d have wanted me to have it”: How Pepper Keenan became a metal lifer

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WIDEK : ENTRANCE INTO ETERNITY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH WIDEK !!

“I’ve always loved calmer parts in metal music. Back in 2010 I listened a lot of djent precursors and post-rock bands and I was like: Hey! I love heavy riffs and I love ambienty post-rock clean guitars. Let’s mix this!”

DISC REVIEW “ENTRANCE INTO ETERNITY”

「僕は常に Djent の単調さや類似性を避けようとしてきたんだ。当時多くの曲は “0-0-0” というリフ構成と、同じようなメロディーやパターンに基づいていたからね。だから、同じようなサウンドのバンドが多すぎたという理由で、Djent の人気が衰えた理由も理解できるよね。残念ながら、メタルコアというジャンルでも同様のことが起こっていた。もちろん、今でもトップレベルで活躍している Djent バンドはたくさんあり、僕の大好きなバンド (PERIPHERY) もその一つだよ!」
00年代末期から10年代の中盤まで、Djent は大きなムーブメントとしてヘヴィ・メタルを牽引していました。もともと、MySpace やネットの掲示板から火がついたナードでアンダーグラウンドなリズムとシュレッドの実験は、その多くが “ベッドルーム・ミュージシャン” で、プロモーションやリリースも大半が DIY で行うという、まさに SNS 時代の到来を感じさせる刹那の煌めきでした。
しかし、その “誰にでも参加できる” というムーブメントの性質は、多くの才能を輩出すると同時に、シーンを飽和させ、同じような音楽が乱立することによって衰退への道を歩むことにもつながったのです。とはいえ、もちろん Djent の代名詞であったあの重低音とポリリズミックな響きは今でもメタル・リフのそこかしこで輝きを放っていますし、何よりも真に才能あるアーティストはムーブメントの浮き沈みにかかわらず活動を続けています。
シーンの先駆けとなった PERIPHERY, ANIMALS AS LEADERS, TesseracT、そして Plini, Sithu Aye, Owane, Jacob Zytecki, David Maxim Micic…彼らには人智を超えた超絶技巧はもちろん、類稀なる個性も備わっています。ポーランドの Widek もそんなひとつの才能。
「僕はメタルの中の落ち着いた静かなパートが昔から大好きなんだよ。2010年頃、Djent の先駆けやポスト・ロックをたくさん聴いていて、”ヘヴィなリフも好きだし、アンビエントなポスト・ロックのクリーン・ギターも好きだ。これをミックスしてみよう!” って思ったんだよね。新しいジャンルではないのは分かっていたけど、当時はヘヴィでありながら落ち着いた/アンビエントなインストゥルメンタル・バンドはあまり多くなかったからね。個人的には、その方がずっと退屈じゃないと思うんだ。そして、その試みは大成功だった。誰かが僕の最初のEPを YouTube にアップロードしてくれて、最初から人気が出たんだよね!」
当時 Bandcamp の “Djent” タグをせっせと漁っていた人間で、WIDEK の名を知らない者はいないでしょう。そしてたしかに、彼の音楽は異端で、斬新で、雄弁でした。細分化と多様化が進むモダン・メタル勇躍の時を象徴するかのように、WIDEK はなんのためらいもなくメタルの重厚な技巧に、ポスト・ロックの繊細と静謐、夢見心地な壮大さ、そして幻想的で美しい世界観を組み合わせました。
重要なのは、WIDEK の音楽がいわゆる “ポスト・メタル” とはまた別のベクトルを向いていること。彼の盟友 Gru の手によるアートワークが示す通り、WIDEK の世界は宇宙と空間、次元の合間を行き来していて、だからこそ、プログレッシブで、まるで夜空を輝く星々のように息を呑むほど美しいのです。トレモロとクリーンが織りなす Djent の天の川。
「ギターは決して死んでいない。ソロ・ゲストの参加は僕の音楽の大きな部分を占めていて、曲に深みと多様性を加えてくれる。ギターソロなしでは Widek のアルバムを聴くことは不可能だと言っても過言ではないんだよ!」
同時に、彼の音楽にはシュレッドの夢が詰まっています。”Entrance into Eternity” “永遠への入り口” と名付けられたアルバムには、Gru, Sithu Aye, Morgan Thomaso, Paul Wardingham, Marco Sfogli, Bruno Henrique, Per Nilsson といった歴戦のギター勇士たちが馳せ参じ、AI 全盛の時代に人の手による驚きと興奮を存分に伝えてくれます。そう、これはギターという永遠に探索可能な “宇宙” への入り口でもあるのです。
今回弊誌では、WIDEK にインタビューを行うことができました。「僕は昔からSFや宇宙を題材にした作品が好きだったんだ!そんなロマンティックな場所から発する世界へのメッセージは、”言葉遣い、仕草、日々の選択において、お互いに優しくありましょう” というものだよ。優しい言葉一つが、誰かの1日、あるいは人生を変えることもあるからね。僕たちは、今他人がどんな困難に直面しているかを知るすべもない。だけど、一つだけできることがある。それは、優しくあること。敬意を払うことにお金はかからないけど、その意味は計り知れないんだよ」 どうぞ!!

WIDEK “ENTRANCE INTO ETERNITY” : 10/10

INTERVIEW WITH WIDEK

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【WIDEK】: Hi everyone!. I grew up listening to pop bands like Britney Spears, Backstreet Boys, Eiffel 65 etc. My friend had first introduced me to metal when I was 11-12 years old. He showed me Korn’s song called „Adidas”. When I listened to it for the first time, I hated it. It was so loud and „scary”to me, because I enjoyed soft melodies and pop tunes. Finally after a few forced listens (haha) I actually started to enjoy it! Later I listened to bands such as Metallica, Slipknot, System Of a Down and I loved it!

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【WIDEK】: やあ、みんな!僕はブリトニー・スピアーズ、BACKSTREET BOYS, EIFFEL 65などのポップ・バンドを聴いて育ったんだ。11~12歳の頃、友人が初めてメタルを紹介してくれてね。彼は KORN の “Adidas” という曲を聴かせてくれたんだけど、初めて聴いた時は大嫌いだった。ソフトなメロディーやポップな曲が好きだった僕にとって、それはとてもうるさくて “怖い” ものだったからね。でも、何度か無理やり聴かされた後(笑)、実際に楽しめるようになったんだ!
その後、METALLICA, SLIPKNOT, SYSTEM OF A DOWN みたいなバンドを聴いて、メタルが大好きになったんだ!

Q2: You are a great musician and guitarist, but what guitarist was your hero?

【WIDEK】: Thanks, actually I’ve never had any guitar heroes. I really admire guitarists such as Jon Petrucci, Steve Vai or Joe Satriani, but I’m a riff guy and can’t play guitar solos.

Q2: あなたは偉大なミュージシャンでギタリストですが、あなたにとってのヒーローはどんなギタリストでしたか?

【WIDEK】: ありがとう、実は僕にはギター・ヒーローがいないんだ。 John Petrucci や Steve Vai, Joe Satriani といったギタリストは本当に尊敬しているんだけど、僕はリフ派でギターソロは弾けないからね。

Q3: Poland has a strong image of black metal and death metal, but you were not involved in those scenes?

【WIDEK】: Correct – I play in different genre – post rock and djent aren’t too popular in Poland. I love the bands like Vader or Behemoth though!

Q3: ポーランドといえばブラックメタルやデスメタルのイメージが強いですが、そういったシーンとは無縁だったのですか?

【WIDEK】: その通りだよ。僕は別のジャンルで演奏しているからね。ポスト・ロックや Djent はポーランドではあまり人気がないんだよ。でも、VADER や BEHEMOTH のようなバンドは大好きだけどね!

Q4: You came out of the Djent movement, but you were clearly out of step with the rest of the artists, and your mix of heavy, technical guitar, post-rock and ambient music is truly one-of-a-kind, which is why you are still so popular even though Djent has gone down in popularity! Why did you decide to mix these two opposite elements?

【WIDEK】: Thanks! I’ve always loved calmer parts in metal music. Back in 2010 I listened a lot of djent precursors and post-rock bands and I was like: Hey! I love heavy riffs and I love ambienty post-rock clean guitars. Let’s mix this! I know it’s not a new genre, but back then there weren’t many instrumental bands that are heavy and calm/ambienty at the same time. It’s much less boring in my opinion. It was a success. Someone uploaded my first EP on youtube and it became popular from the very beginning!

Q4: あなたは Djent・ムーブメントから登場しましたが、他のアーティストとは明らかに一線を画していました。ヘヴィでテクニカルなギター、ポスト・ロック、アンビエント・ミュージックを融合させたあなたの音楽はまさに唯一無二で、だからこそ Djent の人気が衰退した今でもあなたはこれほど人気があるのでしょう​​。
なぜあなたは、この正反対の2つの要素を融合させようと思ったのですか?

【WIDEK】: ありがとう!僕はメタルの中の落ち着いた静かなパートが昔から大好きなんだよ。2010年頃、Djent の先駆けやポスト・ロックをたくさん聴いていて、”ヘヴィなリフも好きだし、アンビエントなポスト・ロックのクリーン・ギターも好きだ。これをミックスしてみよう!” って思ったんだよね。
新しいジャンルではないのは分かっていたけど、当時はヘヴィでありながら落ち着いた/アンビエントなインストゥルメンタル・バンドはあまり多くなかったからね。個人的には、その方がずっと退屈じゃないと思うんだ。そして、その試みは大成功だった。誰かが僕の最初のEPを YouTube にアップロードしてくれて、最初から人気が出たんだよね!

Q5: Djent, which was so popular, has now almost disappeared due to saturation and the proliferation of similar artists. Personally, I feel that it was a very significant movement in terms of the recognition of DIY and bedroom artists. How do you see your own relationship with the Djent movement?

【WIDEK】: I’ve always tried to avoid Djent repetitiveness and similarity. A lot of songs are based on a structure „0-0-0” riffs and same melodies/formula. I understand why Djent became less popular, because there were many bands that sounded exactly the same. Similar situation happened tothe metalcore genre. Of course there are plenty of djent bands that are still at the top and are one of my favourite bands!

Q5: かつて非常に人気を博した Djent は、シーンの飽和状態と類似アーティストの乱立により、今ではほぼ姿を消してしまいました。個人的には、DIY やベッドルーム・アーティストの認知度向上という点で、非常に重要なムーブメントだったと思っています。
あなた自身は、Djent ムーブメントとどのような関係性を築いてきたと考えていますか?

【WIDEK】: 僕は常に Djent の単調さや類似性を避けようとしてきたんだ。当時多くの曲は “0-0-0” というリフ構成と、同じようなメロディーやパターンに基づいていたからね。だから、同じようなサウンドのバンドが多すぎたという理由で、Djent の人気が衰えた理由も理解できるよね。
残念ながら、メタルコアというジャンルでも同様のことが起こっていた。もちろん、今でもトップレベルで活躍している Djent バンドはたくさんあり、僕の大好きなバンド (PERIPHERY) もその一つだよ!

Q6: You have pursued scientific and romantic themes such as space, dimension, and time. What message are you sending to the world with “Entrance into Eternity”?

【WIDEK】: I’ve always been interested in sci-fi and space genre! My message to the world is: Let’s be kind to each other―in our words, in our gestures, in our daily choices. Sometimes one kind word can change someone’s day, or even their life. We don’t know what another person is facing. But we can always choose one thing: to be kind. Respect costs nothing, but means everything.

Q6: あなたは、宇宙、次元、時間といった科学的かつロマンティックなテーマを追求してきました。 この “Entrance into Eternity” では、そこからどのようなメッセージを世界に向けて発信しているのでしょうか?

【WIDEK】: 僕は昔からSFや宇宙を題材にした作品が好きだったんだ!そんなロマンティックな場所から発する世界へのメッセージは、”言葉遣い、仕草、日々の選択において、お互いに優しくありましょう” というものだよ。優しい言葉一つが、誰かの1日、あるいは人生を変えることもあるからね。
僕たちは、今他人がどんな困難に直面しているかを知るすべもない。だけど、一つだけできることがある。それは、優しくあること。敬意を払うことにお金はかからないけど、その意味は計り知れないんだよ。

Q7: You have some great guitarists guesting on the album! Especially, people like Gru and Sithu Aye are heroes who have led the Djent movement together with you for many years. Some critics say that the guitar is dead, but this album shows that the guitar still has a lot of potential, would you agree?

【WIDEK】:

Q7: アルバムには素晴らしいギタリストがゲスト参加していますね! 特に Gru や Sithu Aye は、長年あなたとともに Djent ムーブメントをリードしてきたヒーローたちです。 “ギターは死んだ” という批評家もいますが、このアルバムはギターがまだ多くの可能性を秘めていることを示してくれていますね?

【WIDEK】: その通りだよ。ギターは決して死んでいない。ソロ・ゲストの参加は僕の音楽の大きな部分を占めていて、曲に深みと多様性を加えてくれる。ギターソロなしでは Widek のアルバムを聴くことは不可能だと言っても過言ではないんだよ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED WIDEK’S LIFE!!

Periphery “Periphery”

In Flames “Reroute to Remain”

Killswitch Engage “Alive or Just Breathing”

Korn “Untouchables”

Metallica “Black Album”

MESSAGE FOR JAPAN

Yes, I love watching anime and recently started reading manga. I’ve got many favourites in anime such as Attack on Titan, Chainsaw Man, Demon slayer and many more! I would love to visit Japan one day and feel the atmosphere. My friend visisted Tokyo last year and he was delighted!
To all my Japanese fans – thanks so much for the support and all your kind words! I plan to release a new album in October this year, fingers crossed! Stay safe!

日本のアニメを見るのが大好きで、最近は漫画も読み始めたんだ。アニメでは “進撃の巨人”, “チェンソーマン”, “鬼滅の刃” など、お気に入りの作品がたくさんあるんだよ!いつか日本に行って、その雰囲気を肌で感じてみたいな。友人が去年東京を訪れたのだけど、とても感動していたからね!
日本のファンのみんな、いつも応援と温かい言葉をありがとう!今年の10月にニューアルバムをリリースする予定なんだ。うまくいきますように!お元気で!

WIDEK

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WIDEK bandcamp

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EXXÛL : SEALED INTO NONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL TOUGAS OF EXXÛL !!

“I got this idea from Sortilège, a french band that has greatly inspired me. The song “Délire d’un fou” has a short moment like this and the first time I heard this solo, I couldn’t believe it! This song marks probably one of the greatest moments in heavy metal history in my book. Not only that, but I couldn’t believe more bands that came after them didn’t try this either.”

DISC REVIEW “SEALED INTO NONE”

「独自の音楽で故郷ケベック州を代表することが僕の使命だと考えているんだ。また、僕の活動を通して、音楽シーンを活性化させ、仲間や友人たちがそれぞれの個性を磨き、独自のサウンドを確立していくよう、刺激を与えたいと思っているんだ。こうした思いから、僕は “TSO”(The Stygian Oathの略)というレーベルを設立したんだ」
今、メタル世界で Phil Tougas ほど多忙かつ、才能溢れる人物は他にいないかもしれません。FIRST FRAGMENT ではシュラプネルに敬意を表したフラッシーなテクニカル・デスメタルを叩きつけ、ZEICRYDEUS では MANOWAR や RUNNING WILD をベースだけで演じきり、WORM では ENSLAVED がドゥームと契ったネクロマティックな音楽を披露。Phil の多才は TSO という自身の音楽を解き放つためのレーベルを立ち上げるにまで至り、今やケベックの、いやカナダ、もっといえば世界のメタルを牽引する場所にいます。
Phil がメタル世界で一目置かれているのは、その独特で斬新な古の音楽に対するリスペクトが故でしょう。多くの “モダンな” メタル・バンドが影響を受けている GOJIRA のような “メジャー” には目もくれず、Phil は多くのマニアにとって特別な、しかしナードなバンドを追い続け、創造的な音楽を作り続けています。
例えば、ZEMETH の Junya 氏が MAGO DE OZ や RATA BLANCA, DARK MOOR といったマニアックなバンドに対する愛情を隠さないその姿に、私たち真のメタル・オタクは心を動かされ、喝采を送ります。それは、彼が私たちと同じ熱量と時間をメタルに費やした “こちら側” の人間、本物である証明だから。メタルに対する深い知識と愛情は、そのまま絶大な信頼感へと置き換わります。そしてもちろん、Phil Tougas も同様に、”こちら側” の人間です。
「僕の目標はパワー・ドゥーム・アルバムを作ることだった。速いテンポと遅いテンポを組み合わせ、ダークでスローなリフの上に高揚感のあるボーカルとシュレッディングを乗せて、独特の音楽的コントラストを生み出したかった。多くの界隈でプログレッシブ・ドゥームと見なされている MEMENTO MORI や VENI DOMINE に影響を受けたとはいえ、このアルバムを必ずしもプログレッシブ・メタル・アルバムとは考えていないよ」
こちら側の人間だからこそ、Phil は EXXÛL でメタル史に残る傑作 “Sealed into None” を生み出せたのでしょう。驚くべきことに、このアルバムは、ドゥーム・メタルとプログ・パワーという、一見仄暗く遠い場所にある音楽が見事に融合した、古めかしくも斬新で、非常に稀有な作品です。Phil が言及しているように、あの素晴らしき MEMENTO MORI はもしかすると近い場所にいたかもしれません。とはいえ、FATES WARNING の迷宮と SOLITUDE AETERNAUS の陰鬱がブラック・メタルやダンジョン・シンセを経て、これほど濃密に美しく混ざり合えるなど、誰が想像したでしょう?
「”スキャット” のアイデアは、僕に大きなインスピレーションを与えてくれたフランスのバンド、Sortilège から得たんだ。”Délire d’un fou” という曲に、まさにこのような短いパートがあり、初めてこのソロを聴いた時は信じられなかったよ!この曲は、僕にとってヘヴィ・メタルの歴史の中でも屈指の名曲となった。それだけでなく、彼らの後に続くバンドがなぜこの手法を取り入れなかったのか、不思議でならないんだよ」
そのふたつを見事に繋いだのが、Phil の “GOAT” とも評される卓越したギター・シュレッドでしょう。WORM の作品に Marty Friedman を招いたように、彼のシュラプネルやシュレッドに対する愛情もまた本物。同世代の教科書通りのギタリストたちを置き去りにする、大胆不敵でヘヴィ・メロディックな Phil の魔法は、CRIMSON GLORY の Midnight を彷彿とさせる驚異のボーカル Thomas Karam の歌声とシンクロし、ダークな深淵からメタルのスキャットをお見舞いします。SORTILEGE を聴いたことのない奴は黙ってろ!真に信頼できるのは、そんな一見さんお断りでしかし絶品のグルメを提供する通な店なのかもしれませんね。”Painkiller” や “Into the Arena” みたいな有名曲ばかり上手に弾いて再生数だけ稼いでんじゃねえ!
今回弊誌では、Phil Tougas にインタビューを行うことができました。「僕は日本のメタルも大好きだよ。SABER TIGER が大好きでね。彼らのデビュー・アルバム “Invasion” は、僕にとって歴代最高のメタル・アルバムの一つなんだ。 Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns から GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris。それから Galneryus, X Japan, Skywings, Versailles といった過激なパワー・メタルまで、日本のメタルはほとんど好きなんだよ」21世紀最高のメタル・アルバムのひとつ。 二度目の登場。どうぞ!!

EXXÛL “SEALED INTO NONE” : 10/10

INTERVIEW WITH PHIL TOUGAS

Q1: I interviewed you previously for First Fragment, and since then you have released works in a variety of bands! It seems that you are involved in about half of the metal released from Canada! haha! Is your creativity really never ending?

【PHIL】: I am always inspired to write music. I am not able to write every day. I must maintain a balance between writing music, performing shows, rehearsing, teaching music, running my label and spending time with friends, family, my girlfriend as well as going to shows, doing photography or playing video games. But I try to be consistent. What drives me the most is to create music that differs from what is currently being done in my province of Québec. The scene here is strong but some bands sound very similar. It is my duty to represent my province with music that offers something unique. I also do this to push my scene forward and to motivate my colleagues and friends in the scene to develop their individual sound & do the same.
This is why I also created my label TSO, which stands for The Stygian Oath. The mission statement of this label is the same as what I described above. My bands Zeicrydeus, Exxûl, Atramentus, Chthe’ilist, First Fragment & DDT are all affiliated to this label. My bandmates’ bands Dissimulator & Incandescence also put out music on this label too. As such, TSO can be considered as a collective.

Q1: 以前、FIRST FRAGMENT でインタビューさせていただきましたが、それ以来、様々なバンドで作品を発表されていますね! カナダからリリースされるメタルの約半分に関わっているような感じですね!(笑) あなたのクリエイティビティは本当に尽きることがないのでしょうか?

【PHIL】: 僕は常に音楽制作への意欲に満ち溢れているからね。もちろん、毎日作曲できるわけではないよ。作曲、ライブ活動、リハーサル、音楽指導、レーベル運営、友人や家族、恋人との時間、ライブ鑑賞、写真撮影、ビデオ・ゲームなど、様々な活動のバランスを取らなければならないと思っているからね。それでも、できる限り継続するように心がけているんだ。
僕を最も突き動かすのは、故郷ケベック州で現在行われている音楽とは一線を画す音楽を生み出すこと。この地の音楽シーンは活気に満ちているけど、似たようなサウンドのバンドも少なくないからね。だからこそ、独自の音楽で故郷ケベック州を代表することが僕の使命だと考えているんだ。また、僕の活動を通して、音楽シーンを活性化させ、仲間や友人たちがそれぞれの個性を磨き、独自のサウンドを確立していくよう、刺激を与えたいと思っているんだ。
こうした思いから、僕は “TSO”(The Stygian Oathの略)というレーベルを設立したんだ。このレーベルの理念は、まさに前述の理念と同じ。僕の所属バンドである Zeicrydeus, Exxûl, Atramentus, Chthe’ilist, First Fragment, DDTはすべてこのレーベルに所属しているんだ。僕のバンド仲間が所属する Dissimulator と Incandescence もこのレーベルから作品をリリースしているよ。だから、TSOは一種のコレクティブ(集団)とみなすことができるだろうね。

Q2: Zeicrydeus was really great too! How did you come up with the outlandish idea of lead-based black metal influenced by Manowar and Running Wild?

【PHIL】: The idea came long ago. The first song I wrote for this band was in 2018 when I was still in Eternity’s End. It didn’t fit the band so I kept the song for a heavy metal side project alongside a 2nd song. I gave up on the idea quickly however, due to the near-absence of traditional heavy metal vocalists in my province. In 2024, I decided I wanted to release these songs. I wrote more songs in the same vein and I recorded Black Metal vocals on top of them. The combination of Greek Black Metal and 80s heavy metal influences felt appropriate for me, having grown up with both. I felt I also couldn’t allow myself to repeat old ideas so I decided to put the bass at the forefront, going as far as replacing my guitar solos by bass solos. No one in black metal except Necromantia & Mortuary Drape does this. I played bass in my school orchestra for 5 years and played gigs as a bassist in my teenage years so it was great to fall in love with bass again. My last recording to feature my bass playing was on Le Dernier Crépuscule which I recorded in 2015. I did the bass on Le Dernier Crépuscule at the last minute as a necessity. On La Grande Hérésie, I could take my time and make sure to write the best bass lines and bass solos possible. I was influenced heavily by Joey Demaio of Manowar, Jens from Running Wild, Steve Harris of Iron Maiden, Flint from Cirith Ungol, Wally Voss from Joey Tafolla’s former backing band, Billy Sheehan of Mr. Big & Derek from Heir Apparent.

Q2: Zeicrydeus も本当に素晴らしい作品を出しましたね! その、MANOWAR や RUNNING WILD に影響を受けた “リード・ベース” のブラックメタルという突飛なアイデアはどうやって思いついたのですか?

【PHIL】: このアイデアはずっと前に思いついたものでね。このバンドのために最初に書いた曲は、僕がまだ Eternity’s End に所属していた2018年のことだった。Eternity’s End には合わなかったので、2曲目と一緒にヘヴィ・メタルのサイドプロジェクト用に取っておいたんだ。だけど、僕の住む地域には伝統的なヘヴィ・メタルのボーカリストがほとんどいなかったから、すぐにこのアイデアを諦めてしまったんだ。
2024年、その時の曲をリリースしたいと思い、同じような曲をさらに書き、その上にブラックメタルのボーカルを録音していったんだ。ギリシャのブラックメタルと80年代のヘヴィ・メタルの影響の組み合わせは、両方と共に育った僕にとってまさに適切だと感じたよ。また、そうした古いアイデアを繰り返すことは許されないと感じたので、ベースを前面に出すことに決め、ギター・ソロをベース・ソロに置き換えることさえしていった。ブラックメタルで Necromantia と Mortuary Drape 以外にこれをやっているバンドはいないからね。
僕は学校のオーケストラで5年間ベースを演奏し、10代の頃にはベーシストとしてライブもやっていたから、再びベースに夢中になれたのは素晴らしい経験だった。それまで、ベースを演奏した最後のレコーディングは、2015年に録音した “Le Dernier Crépuscule” だった。”Le Dernier Crépuscule” では、やむを得ず土壇場でベースを演奏したんだ。”La Grande Hérésie” では、時間をかけて最高のベース・ラインとベース・ソロを作曲することができたね。
ベーシストなら、MANOWAR の Joey Demaio、RUNNING WILD の Jens、IRON MAIDEN の Steve Harris、CILITH UNGOLの Flint、Joey Tafolla の元バックバンドの Wally Voss、Mr. BIG の Billy Sheehan 、HEIR APPARENT の Derek から大きな影響を受けたよ。

Q3: I also like WORM’s “Necropalace” very much. What kind of music is Necromtic Black/Doom for you?

【PHIL】: Necropalace combines the extreme doom metal sensibilities of Disembowelment, Evoken & Dolorian with black metal like early Samael, Limbonic Art, Emperor, Odium, Abigor, Enslaved as well as gothic and 80s heavy metal influences. It is very easy to tell what inspired this album on the surface. However, a more attentive listen will reveal that these similarities are only at surface-level; we crafted our song structures in a completely different manner than the bands that inspired us. We drew more from classical music than anything else to create a more cinematic experience with each song. There is also a big shrapnel records era influence on this album much like First Fragment. In fact, the last song on Necropalace, titled Witchmoon, features Marty Friedman who did a guitar solo duel alongside me that goes on for nearly 3 minutes. A must-listen for all Marty Friedman and Cacophony fans.

Q3: WORM の “Necropalace ” もとても気に入っています。その WORM の二つ名である、”Necromtic Black/Doom” とはどんな音楽ですか?

【PHIL】: “Necropalace” は、Disembowelment, Evoken, Dolorian のようなエクストリーム・ドゥーム・メタルの感性と、初期のSamael, Limbonic Art, Emperor, Odium, Abigor, Enslavedのようなブラック・メタル、そしてゴシックや80年代のヘヴィ・メタルの影響を融合させた作品なんだ。
表面上は、このアルバムのインスピレーション源は容易に分かるだろう。しかし、より注意深く聴けば、そうした類似点はまさに表面的なものに過ぎないことに気づくはずさ。僕たちは、影響を受けたバンドとは全く異なる方法で楽曲構成を構築していった。各楽曲でより映画的な体験を生み出すために、何よりもクラシック音楽からインスピレーションを得ているんだよ。また、First Fragment と同様に、このアルバムには Shrapnel Records 時代の大きな影響も見られるよね。実際、”Necropalace” の最後の曲 “Witchmoon” では、Marty Friedman が僕と3分近くにわたるギター・ソロのデュエルを繰り広げているよ。Marty Friedman と CACOPHONY のファンは必聴だね。

Q4: Now let’s talk about Exxul. For me, this album is one of the best metal albums of the 21st century!In fact, I have never heard a progressive doom album with such a strong guitar shred! Was it a fusion of shred and doom that you were aiming for with Exxul?

【PHIL】: Right from the start, my goal was to create a power doom album. I wanted to combine fast and slow tempos with soaring vocals & shredding over dark slow riffs to create a unique musical contrast. I don’t see this album as necessarily a progressive metal album, even if I was inspired by Memento Mori & Veni Domine who are considered as progressive doom in many circles. Our songs are long, sure, but it’s mostly because we play slow and we like to build things up. One thing is certain however : we don’t always rely on typical song structures. Blighted Deity for example, was written around the melody that occurs at the start of the song. This melody shows up again in the three choruses, but in a different key. It also shows up again in the 2nd solo and in the first faster-paced riff of the song midway through, then one last time at the very end of the song. The song is centered around a central theme rather than a typical compact structure. However, this was not done to appear “progressive”. This type of songwriting is necessary to effectively fuse power and doom. The only way to make “power doom” that maintains cohesion through multiple tempo changes is to use recurring motifs that sound as good when played fast or slow. These changes must be given a proper build up, too. Hence the long songs. The same process is used in “Wall Of Endless Darkness. The super slow doom riff at the beginning of the song comes back as a fast galloping power metal riff during the 2nd half of the song.
There is also a strong black metal influence on this album from the synth sounds & use of timpani and harsher rhythm guitar tones to the use of the chromatic median in our chord sequences. As a result, Sealed Into None is darker than the average epic doom album..

Q4: では、EXXÛL について話しましょう。 私にとって、このアルバムは21世紀最高のメタル・アルバムのひとつです!実際、これほどギター・シュレッドの強いプログレッシブ・ドゥームの作品は聴いたことがありません! EXXUL で目指していたのは、シュレッドとドゥームの融合だったのですか?

【PHIL】: 最初から、僕の目標はパワー・ドゥーム・アルバムを作ることだった。速いテンポと遅いテンポを組み合わせ、ダークでスローなリフの上に高揚感のあるボーカルとシュレッディングを乗せて、独特の音楽的コントラストを生み出したかった。多くの界隈でプログレッシブ・ドゥームと見なされている MEMENTO MORI や VENI DOMINE に影響を受けたとはいえ、このアルバムを必ずしもプログレッシブ・メタル・アルバムとは考えていないよ。確かに僕たちの曲は長いけれど、それは主に僕たちがゆっくりと演奏し、物事を積み上げていくのが好きだからなんだ。それでも、一つ確かなことがある。それは、僕たちが常に典型的な曲の構成に頼っているわけではないということ。
例えば、”Blighted Deity” は、曲の冒頭に出てくるメロディーを中心に作曲されている。このメロディーは3つのコーラスで再び登場するけど、キーが異なるんだ。また、2番目のソロと、曲の中盤にある最初の速いテンポのリフにも再び登場し、最後の最後にもう一度登場する。この曲は、典型的なコンパクトな構成ではなく、中心となるテーマを中心に構成されているんだよ。しかし、これは決して “プログレッシブ” に見せるためではない。パワーとドゥームを効果的に融合させるには、このような作曲スタイルが不可欠なんだ。テンポの変化を幾度も繰り返しても一貫性を保つ “パワー・ドゥーム” を作る唯一の方法は、速くても遅くても同じように響く反復的なモチーフを用いることだからね。そうした変化には、適切な “盛り上げ” も必要だ。そのため、曲は長尺になってしまうんだ。
“Wall Of Endless Darkness” でも同様の手法が用いられているよ。曲の冒頭の超スローなドゥーム・リフは、後半で疾走感あふれるパワー・メタル・リフへと変化するからね。また、このアルバムにはブラック・メタルの影響も強く見られるんだ。シンセサイザーの音色、ティンパニの使用、より荒々しいリズム・ギターの音色、そしてコード進行における半音階のメディアンの使用などがその例だよ。結果として、”Sealed Into None” は一般的なエピック・ドゥーム・アルバムよりもダークな作品となっていると思う。

Q5: What’s great about you is that you never forget the influence of legendary and underrated bands while adding new challenges and modern colors to any band. For example, First Fragment would be Elegy, Zeicrydeus would be Manowar or Running Wild, Worm would be Crimson Glory, and Exxul would be Fates Warning, Warlord, or Solitude Aeternus…Is the fusion of the past and the present your life’s work?

【PHIL】: Yes, that’s a good way to put this. I proudly wear my influences on my sleeves and create new sounds all at once. The same could be said for all great bands of the past, however. Without Yngwie, Elegy wouldn’t exist. Without Hendrix, Uli Jon Roth and Ritchie Blackmore, Yngwie wouldn’t exist. Without Judas Priest, Running Wild wouldn’t exist or even have their name. Without Rush, Fates Warning wouldn’t exist. Without Black Sabbath, Solitude Aeturnus and all metal bands wouldn’t exist. And so on.

Q5: あなたの素晴らしいところは、伝説的でありながら過小評価されているバンドの影響を決して忘れず、同時に新たな挑戦と現代的な色彩を加えている点です。
例えば、First Fragment は Elegy、Zeicrydeus は Manowar や Running Wild、Worm は Crimson Glory、Exxul は Fates Warning、Warlord、あるいは Solitude Aeternus といったところでしょうか。過去と現在を融合させることが、あなたのライフワークなのでしょうか?

【PHIL】: そうだね、それは良い言い方だね。僕は自分の影響を受けたものを堂々と表に出しつつ、同時に新しいサウンドを生み出していると思う。でもそれって、過去の偉大なバンドすべてに言えることでしょ?
Yngwie がいなければ、Elegy は存在しなかったでしょう。Jimi Hendrix, Uli Roth, Richie Blackmore がいなければ、その Yngwie は存在しなかったでしょう。JUDAS PRIEST がいなければ、RUNNING WILD は存在せず、その名前すらなかったでしょう。RUSH がいなければ、FATES WARNING は存在しなかったでしょう。BLACK SABBATH がいなければ、SOLITUDE AETERNAUS はもちろん、すべてのメタル・バンドは存在しなかったでしょう。そんな例は、他にもたくさんあるよね。

Q6: One of the most wonderful moments in Exxul is when the vocals and guitar are in sync! Not many metal bands try something like this with “Scat”, where did you get the inspiration?

【PHIL】: I got this idea from Sortilège, a french band that has greatly inspired me. The song “Délire d’un fou” has a short moment like this and the first time I heard this solo, I couldn’t believe it! This song marks probably one of the greatest moments in heavy metal history in my book. Not only that, but I couldn’t believe more bands that came after them didn’t try this either.
When I met Thomas, our vocalist, I asked him what he thought of Sortilège, as his vocals reminded me of theirs. To my surprise, he hadn’t heard them before! Because Thomas’s range is so wide, and because we do not have a 2nd guitarist to harmonize my solos, I decided to ask him to harmonize my solos. It paid off, as I think this is one of the most unique aspects of Exxûl.

Q6: EXXÛL の最も素晴らしい瞬間のひとつは、”スキャット” のようにボーカルとギターがシンクロしている時です!このような試みを行うメタル・バンドはあまり多くありませんが、インスピレーションはどこから得たのですか?

【PHIL】: このアイデアは、僕に大きなインスピレーションを与えてくれたフランスのバンド、Sortilège から得たんだ。”Délire d’un fou” という曲に、まさにこのような短いパートがあり、初めてこのソロを聴いた時は信じられなかったよ!この曲は、僕にとってヘヴィ・メタルの歴史の中でも屈指の名曲となった。それだけでなく、彼らの後に続くバンドがなぜこの手法を取り入れなかったのか、不思議でならないんだよ。
ボーカルの Thomas に会った時、彼の歌声が Sortilège を彷彿とさせたので、Sortilègeについてどう思うか尋ねてみたんだ。すると驚いたことに、彼は Sortilège を聴いたことがなかったんだよ!Thomas の音域が非常に広いこと、そして僕のソロにハーモニーをつけてくれるセカンド・ギタリストがいないことを考えると、彼の歌でソロのハーモニーをつけることがしっくりきたんだよね。これが大成功で、EXXÛL の最もユニークな特徴の一つになったと思っているよ。

Q7: Dream Theater and Gojira began to win Grammy awards. In an age when listeners’ attention spans are so short and instant content is so easily consumed, why is music like your’s that is complex, long, and requires many practice beginning to be reevaluated?

【PHIL】: You just reminded me that I am so out of touch with mainstream metal bands of the current age. I don’t think I’ve even listened to one single Gojira song all the way through. I am aware we don’t fit the current industry’s norms, especially here in Québec, but I honestly don’t really think about it. Our songs ended up being long simply because we do like to play slow.

Q7: DREAM THEATER や GOJIRA がグラミー賞を受賞し始めた時代。
リスナーの集中力が短く、コンテンツが簡単に消費される現代において、複雑で長く、多くの練習を必要とする、あなたも含めたそうした音楽が再評価され始めているのはなぜでしょうか?

【PHIL】: 今改めて気づかされたけど、僕は今の主流メタル・バンドの動向には全く疎い。GOJIRA の曲を最初から最後まで聴いたことすら一度もないと思う。特にここケベックでは、僕たちが今の音楽業界の常識に合わないことは自覚しているけど、正直あまり気にしていない。僕たちの曲が長くなるのは、単純にゆっくり演奏するのが好きだからなんだ。

Q8: I feel that there now exists an important role for metal fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games, and music also play such a role. You are really knowledgeable about metal and music, so much, but is there any influence from Japanese culture and music?

【PHIL】: I am a big fan of Fromsoft’s works. Their video games are very fun and immersive, but more importantly, they have taught me about perseverance & discipline in a new, interesting way. These games are perhaps a reflection of a man that wanted to convey that it is possible to overcome seemingly impossible odds imposed by society.
Of course, I am a big fan of Japanese metal. I love Saber Tiger. Their debut album invasion is one of my all-time favorite metal albums. I like most Japan metal, from Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns to GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris and more over the top power metal like Galneryus, X Japan, Skywings & Versailles
My friends in Devilmaster also introduced me to Japanese hardcore punk. My conclusion is that Japanese punk bands make British & American punk bands sound like The Beach Boys.

Q8: メタル・ファンタジーは、暗い世界からの逃避手段として、今や重要な役割を担っていると感じています。そして、日本のアニメやゲーム、音楽も同様の役割を担っていると思います。あなたはメタルや音楽について非常に詳しいですが、日本の文化や音楽からの影響はありますか?

【PHIL】: 僕はフロム・ソフトウェアの作品の大ファンなんだ。彼らのゲームはとても楽しく没入感があるんだけど、それ以上に、忍耐力と規律について、斬新で興味深い方法で教えてくれるよね。そうしたゲームは、社会が課す一見不可能な困難、それを乗り越えることが可能だと伝えようとした誰かの意思を反映しているのかもしれないね。
もちろん、僕は日本のメタルも大好きだよ。SABER TIGER が大好きでね。彼らのデビュー・アルバム “Invasion” は、僕にとって歴代最高のメタル・アルバムの一つなんだ。 Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns から GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris。それから Galneryus, X Japan, Skywings, Versailles といった過激なパワー・メタルまで、日本のメタルはほとんど好きなんだよ。
Devil Master の友人たちも、僕に日本のハードコア・パンクを紹介してくれるんだ。僕の結論は、日本のパンク・バンドは、イギリスやアメリカのパンク・バンドをビーチ・ボーイズのように聞こえさせてくれるということだね。

PHIL’S PLAYLIST !!

I really recommend checking the latest Cryptic Shift album and the last Hexenbrett album. Otherwise, the recent works from Demon Bitch, Void (Lafayette), Fortress and the upcoming Concilium album are all very good releases. I also recommend keeping an eye on my fellow Québécois compatriots Noor & Bloodstone who will put out new albums soon.

Cryptic Shift の最新アルバムと Hexenbrett の最新アルバムはぜひチェックしてほしいね。その他にも、Demon Bitch, Void (Lafayette), Fortress の最近の作品や、近日発売予定の Concilium のアルバムも素晴らしいリリースだよ。また、同じケベック出身の Noor & Bloodstone も近々ニューアルバムをリリース予定なので、ぜひ注目してほしいな!

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