EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PALEFACE SWISS OF YANNICK LEHMANN !!
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“In Times Like These, Solidarity Is Everything. We Want To Give People a Space Where They Can Truly Be Themselves. Everyone Is e Equal, That’s Our Message.”
DISC REVIEW “CURSED”
「もちろん SLIPKNOT は大きな影響源だったよ。僕たちのボーカルと元ドラマーは、彼らのライブで出会ったんだからね。だけど、僕たちは決して SLIPKNOT になることを目指したわけではないんだよ。僕たちはビートダウン・バンドとして始まり、そのころの夢や目標はシンプルだった。世界で最も過激なバンドになることだよ」
かつて、SLIPKNOT は世界一過激で、クリエイティブで、それでいてメジャーなエクストリーム・バンドでした。過激であることと、クリエイティブであること、そしてメジャーであることが並び立つと彼らは証明してくれたのです。
SLIPKNOT のコンサートで結成されたスイスの PALEFACE SWISS は、そんな伝説の志を継ぐバンド。なぜなら、彼らはすでにスラム・ビートダウンとして狂気のSAN値を更新しながら、多様で創造的なアイデアで、スイスで最も人気のあるエクストリーム・メタルとなりつつあるのですから。
「僕たちはジャンルに縛られないんだ。狭い箱に閉じ込められるためにここにいるわけではないんだからね。ある日は Nu-metal のトラックを書き、次の日はデスメタルのアンセムを書くかもしれない。僕たちは感じるままに創造する。そこに限界はないんだよ」
初期 SLIPKNOT への崇拝という呪い “Hatred” から幕を開けるアルバム “Cursed” は、しかし徐々に自らにかけられたその呪いを振り払い、新たな世界を “Spit it Out” 吐き出していきます。KORN の奇妙な絶望や孤独をデスコアで解釈した “…and with hope you’ll be damned”、パーカッシブなコンセプトを活用した “My Blood On Your Hands”、そしてメロデスと Nu-metal のオフビートな狂宴 “Love Burns”。また、完全版に収録された “River Of Sorrows” のアンプラグド・バージョンではリスナーの涙を誘い、バンドの懐の広さを見せつけます。
「このような暗い時代には、団結が全て。僕たちは、メタルを通じて人々が本当に自分らしくいられる空間を提供したいんだ。ここでは誰もが平等である…それが僕たちのメッセージだよ」
SLIPKNOT が “People=Shit” と歌った “Iowa” からおおよそ四半世紀の年月が経ちました。90年代の暗さを背負っていた SLIPKNOT が “People=Shit” と叫ぶのは、ある意味時代の必然だったのかもしれませんね。
しかし、同じ暗い時代において、PALEFACE SWISS はメタルと人の可能性を信じます。メタル世界ではすべての仮面や肩書きを脱ぎ捨てて、本当の自分でいられる。どんな文化、人種、宗教、言語でもメタルの前では平等である。差別や抑圧を許さない。メタルを愛するという大きな “共感” が、コミュニティ全体を優しく包み込んでいきます。いろんなことが、この25年で大きく変化しましたが、少なくともメタル世界は少しづつでも前へと進んでいるのです。
今回弊誌では、ギタリストの Yannick Lehmann にインタビューを行うことができました。「ヘヴィ・ミュージックは世界を変えられないかもしれないけど、人々を変えることならできる。音楽で困難な瞬間を乗り越える手助けをしたり、長い一日の後に平穏をもたらしたり―それがヘヴィ・ミュージックが持つ真のインパクトなんだ。君なら僕の意味するところを理解してくれると思う」それにしても、Zelli のボーカル・パフォーマンス、スター性は群を抜いていますね。どうぞ!!
PALEFACE SWISS “CURSED” : 9.9/10
INTERVIEW WITH YANNICK LEHMANN
Q1: I heard that Slipknot was the band that inspired you to form Paleface. Did you want to be like them back then?
【YANNICK】: Yes and no. Of course Slipknot was a huge inspiration, our singer and former drummer actually met at one of their shows. But we never set out to be Slipknot. We started as a beatdown band and our goal was simple: to be the hardest band on the plane.
Q1: PALEFACE は SLIPKNOT が結成のきっかけになったと聞きました。当時、彼らのようなバンドになりたいと思っていたのでしょうか?
【YANNICK】: YesでありNoでもある。もちろん SLIPKNOT は大きな影響源だったよ。僕たちのボーカルと元ドラマーは、彼らのライブで出会ったんだからね。だけど、僕たちは決して SLIPKNOT になることを目指したわけではないんだよ。僕たちはビート・ダウン・バンドとして始まり、そのころの夢や目標はシンプルだった。世界で最も過激なバンドになることだよ。
Q2: Nowadays your music is heavier, more ferocious, and even more terrifying than Slipknot. What drove your evolution from nu-metal to deathcore?
【YANNICK】: We don’t box ourselves into any genre. We just follow what feels right. The evolution happened naturally over the years, it’s been a journey, not a decision.
Q2: 現在、あなたの音楽は SLIPKNOT よりも重く、凶暴で、さらに恐ろしいものになっています。そうした進化は何が原動力となったのでしょうか?
【YANNICK】: 僕たちはジャンルに縛られないんだ。ただ、自然な流れに従っているだけなんだよ。進化は年月をかけて自然に起こったもので、決断ではなく、旅のようなものだったんだ。
Q3: People often label you as deathcore, but your sound spans hardcore, slamming beatdown, nu-metal, and even melodic death metal at times. How do you feel about being described as “on the cutting edge of metal”?
【YANNICK】: That’s exactly how we like it. Like I said, we’re not here to be put in a box. One day we might write a nu-metal track, the next a death metal anthem. We create what we feel. No limits.
Q3: 人々はあなたたちをデスコアとラベリングしますが、実際のサウンドはハードコア、スラム・ビートダウン、Nu-metal、時にはメロディック・デスメタルまで多岐にわたります。まさにジャンルに縛られていませんが、そうした音楽を “メタルの最先端” と形容されることについては、どう感じていますか?
【YANNICK】: まさにそれが僕たちの望むところだよ。先ほど言ったように、僕たちは狭い箱に閉じ込められるためにここにいるわけではないんだからね。ある日は Nu-metal のトラックを書き、次の日はデスメタルのアンセムを書くかもしれない。僕たちは感じるままに創造する。そこに限界はないんだよ 。
Q4: Your music feels like a brutal horror movie, yet the metal community is known for being kind and supportive. Do you think that’s because many fans feel like outsiders themselves?
【YANNICK】: Absolutely. In times like these, solidarity is everything. We want to give people a space where they can truly be themselves. Everyone is equal, that’s our message.
Q4: あなたの音楽が象徴するように、メタルは残酷なホラー映画のような感覚ですが、一方でメタル・コミュニティは親切で共感的なことで知られています。それは、多くのファンが自分自身もアウトサイダーだと感じているからでしょうか?
【YANNICK】: 絶対にそうだよ!このような時代には、団結が全て。僕たちは、メタルを通じて人々が本当に自分らしくいられる空間を提供したいんだ。ここでは誰もが平等である…それが僕たちのメッセージだよ。
Q5: I find it interesting that you have “Swiss” in your band name. Switzerland isn’t known for a huge metal scene, but it has produced legendary bands like Celtic Frost, Coroner, Breakdown of Sanity, and Eluveitie. Do you feel like you’re following in their footsteps?
【YANNICK】: For sure! Eluveitie, for example, was one of the first metal bands I ever listened to. And now I’m proud to be part of what people might call the “new face” of Swiss metal.
Q5: バンド名に “スイス” という国名が入っているのが興味深いです。スイスは決して大きなメタルシーンで知られているわけではありませんが、CELTIC FROST, CORONER, BREAKDOWN OF SANITY, ELUVEITIE のような伝説的なバンドを輩出しています。彼らの足跡を継いでいると感じますか?
【YANNICK】: もちろん!例えば ELUVEITIE は、僕が初めて聴いたメタル・バンドの一つなんだよ!そして今、人々が “スイスのメタルの新しい顔” と呼ぶものの一部になれたことを誇りに思っているんだよ。
Q6: After your EP trilogy, you released the stunning and haunting full-length Cursed. Is there a thematic connection to the trilogy?
【YANNICK】: Not directly. But there’s a thread connecting Fear & Dagger and Cursed. Fear & Dagger tells stories of mental struggles and personal battles of people we know. Cursed dives deeper, those stories are ours. Still, the chapters didn’t quite fit the previous records thematically.
Q6: EP3部作の後、衝撃的で不気味なフルアルバム “Cursed” をリリースしましたが、トリロジーとのテーマ的なつながりはあるんですか?
【YANNICK】: 直接的なつながりはない。だけど、”Fear & Dagger” と “Cursed” には共通の糸があるんだ。”Fear & Dagger” は、僕たちが知る人々の精神的な苦闘や個人的な戦いの物語を描いている。”Cursed” はそれをさらに深く掘り下げ、その物語を僕たち自身のものにしたんだ。それでも、これらの章は以前の作品とテーマ的に完全に一致しているわけではないんだ。
Q7: The world feels cursed in many ways―discrimination, division, oppression, war. What do you think heavy music can offer in a world like this?
【YANNICK】: Heavy music may not change the world but it can change people. Whether it helps you get through a tough moment or gives you peace after a long day, that’s real impact. I think you know what I mean.
Q7: 世界は多くの面で “呪われている” ように感じられます―差別、分断、抑圧、戦争。こうした世界で、ヘヴィ・ミュージックに何ができるでしょうか?
【YANNICK】: ヘヴィ・ミュージックは世界を変えられないかもしれないけど、人々を変えることならできる。音楽で困難な瞬間を乗り越える手助けをしたり、長い一日の後に平穏をもたらしたり―それがヘヴィ・ミュージックが持つ真のインパクトなんだ。君なら僕の意味するところを理解してくれると思う。
Q8: Lorna Shore has brought new attention to deathcore, but also a flood of “blackend” bands trying to copy that sound. What’s your take?
【YANNICK】: I’d say Lorna Shore opened doors for people who’d never given heavy music a chance before. That made the scene stronger. As for the copycats, those kinds of trends come and go. We don’t pay attention to that noise.
Q8: デスコア・シーンであなたたちと双璧をなす LORNA SHORE はまさにデスコアに新たな波をもたらしましたが、そのサウンドを真似ようとする “ブラッケンド” バンドの急増も引き起こしましたね。
【YANNICK】: 僕は LORNA SHORE が、これまでヘヴィ・ミュージックに手を伸ばさなかった人々に扉を開いたと考えているよ。それがシーンを強化したんだ。模倣者についてだけど、結局そうしたトレンドは来たり去ったりするもの。僕たちはその騒音には特に注目していないよ。