COVER STORY + INTERVIEW 【PRIMAL FEAR : THALIA BELLAZECCA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH THALIA BELLAZECCA OF PRIMAL FEAR !!

“Power Metal Is Like You Go Back To Childhood And Imagine Yourself Riding Eagles And Killing Enemies, Being a Hero Or Becoming The Dark Evil Guy That Wants To Conquer The World.”

PRIMAL FEAR

「PRIMAL FEAR だと、”Rulebreaker” は特に気に入っているアルバムだし、その中の “Bullets & Tears” という曲が特に好きな曲ね。バンドの中で私は本当に若いけれど、子供の頃にメタルが好きになった80年代、90年代のシュレッディなソロをもっと出したい。彼らの全アルバムに収録されているパワフルでヘヴィなパワー・リフはそのままにね」
Kiko Loureiro, Joe Satriani, Steve Vai, Guthrie Govan, Paul Gilbert, Andy Timmons, Marty Friedman, Jason Becker, Yngwie Malmsteen など、数え切れないほどのギター・ヒーローたちから多大な影響を受けた左利きのニュー・ヒロインは、イタリアの FROZEN CROWN で名を上げ、Angus McSix との共闘で刃を研ぎ澄まし、そうして遂に独パワー・メタルのベテラン PRIMAL FEAR へとたどり着きました。
Tom Naumann と Alex Beyrodt。Matt Sinner の心臓 SINNER を原点とするふたりのギタリストは、PRIMAL FEAR でもその実力を余すところなく発揮して、バンドの強靭なリフワークと華々しいシュレッドを鋭利な刃物のように研ぎ澄ませてきました。彼らの脱退は PRIMAL FEAR にとって当然大きな損失でしたが、バンドはロックとサルサで育った異色のメタル・ウーマン Thalìa Bellazecca と、達人として名高い Magnus Karlsson を引き入れることでさらなる高みを目指すことになりました。
「Angus McSix でこの役を “コスプレ” できて、とても嬉しいし光栄よ。リーグ・オブ・レジェンド(大好きで今でもプレイしているゲーム)やアニメのおかげで、いつもコスプレをもっと掘り下げてみたいと思っていたんだけど、残念ながら時間がなかったんだ。コスプレって自分を象徴する分身を持つようなもので、より自分に自信を持ち、自分の行動やあり方に誇りを持つことにも役立っていると思うの」
ファンタジーをテーマとするパワー・メタルの世界において、役を演じる “ロール・プレイ”、そして役になりきる “コスプレ” は、暗く煩わしい日常から離れ異世界へと旅立つためにとても重要な “ツール” なのかもしれませんね。Thalìa はそのコスプレというツールを、パワー・メタルの世界で誰よりも巧みに使いこなします。GLORYHAMMER を追われた Angus McSix との共闘では、カレドニアのレイザー・アマゾンの女王を演じて喝采を浴びました。
しかし、実際のコスプレだけではなく、彼女はさまざまな “ペルソナ” を現実世界でも演じています。自身の人気 YouTube チャンネルを運営し、ヘヴィ・ミュージックとロック全般に対する彼女のスキルと情熱を紹介したと思えば、なんとモデルの領域にも進出。彼女のゴージャスな写真は、ミラノのPERSONAの公式インスタグラムで確認できますが、とにかく自身の “分身”、自身の才能をいくつも揃えることで、彼女は自信を携え、パワー・メタルの栄光に向かって邁進することができるようになったのです。
「パワー・メタルは、誰にでもある現実や嫌なことから逃避するのに役立っているの。それに、パワー・メタルは本当に楽しいジャンルだし、すべてのバンドが何かのキャラクターのコスプレをすることで、さらにエンターテイメント性が増す。まるで子供の頃に戻って、自分がワシに乗って敵を殺したり、ヒーローになったり、世界を征服しようとする暗い悪者になったりするのを再び想像することができるのよ」
大人になって、子供のころのように異世界への想像を膨らませたり、空想のキャラクターになりきることはそうそう許されることではないでしょう。しかし、Thalìa のような自信と才能に満ちたアーティストが先陣を切って、パワー・メタルの楽しさ、エンターテイメント、そして逃避場所としての優秀さを広めてくれたとしたら…私たちはためらいなく、エルフやドワーフ、もしくは侍になりきって、子供のころのように煩わしい日常を忘れられる “エンパワーメント・メタル” に浸ることができるのかもしれませんね。
今回弊誌では、Thalìa Bellazecca にインタビューを行うことができました。「デスノート、エヴァンゲリオン、デス・パレード、デッドマン・ワンダーランド、それにスタジオジブリの全作品が大好きよ。音楽なら、BAND-MAID, ALDIOUS, NEMOPHILA, LOVEBITES, MAXIMUM THE HORMONE, NIGHTMARE, それに TK from 凛として時雨。ゲームなら、ベヨネッタ、どうぶつの森、スーパーマリオ(特にギャラクシー)全部、Bloodborne、Ghost of Tsushima、大神。もともとファンタジーやSFのゲーム、映画が好きだったので、日本に行って、それがストリートでも受け入れられているのを見て、日本がもっと好きになったのよね」 どうぞ!!

INTERVIEW WITH THALIA BELLAZECCA

Q1: First, what kind of music did you grow up listening to?

【THALIA】: I grew up with rock and salsa, plus legends as Michael Jackson and the music of the 80/90s thanks to my parents. I grew the love for metal by myself since I was 12.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【THALIA】: ロックとサルサ、それに両親の影響でマイケル・ジャクソンや80年代、90年代の伝説的な音楽を聴いて育ったわ。感謝よねえ。メタルは12歳から自分で好きになっていったのよ。

Q2: What made you start playing guitar? Who was your guitar hero at the time?

【THALIA】: I started playing guitar thanks to my parents that saw me jumping on the sofa pretending to play the guitar, I think I was listening to Dire Straits or Pink Floyd. My idols at that time were Joe Satriani and Megadeth.

Q2: ギターを始めたきっかけはなんだったんですか?当時のヒーローは誰でしたか?

【THALIA】: 両親のおかげでギターを弾き始めたの。私がエアギターを弾くふりをしてソファに飛び乗るのを見てね。DIRE STRAITS や PINK FLOYD を聴いていたんだと思う。それから私のアイドルは、Joe Satriani と MEGADETH になったのよ。

Q3: You came to Japan in 2019 with Frozen Crown. Can you share your impressions and memories of Japan?

【THALIA】: I had a wonderful impression of Japan and the japanese fans. They were all super kind, helpful and nice. I still have a piece of my heart there cause I really loved everything about Tokyo, from the food to the people. The respect you have there for musicians and how people treat you is not comparable to any other place.

Q3: 2019年には、FROZEN CROWN で来日も果たしましたね。日本の印象や思い出を聞かせてください。

【THALIA】: 日本と日本のファンには素晴らしい印象を受けたのよ。みんなすごく優しくて、親切で、いい人たちだった。東京を思い出すだけで、今でも心が癒されるわ。食べ物から人々まで、東京のすべてが大好きだったから。ミュージシャンに対する尊敬の念や、人々の接し方は、他のどの場所とも比べ物にならないくらい素晴らしいわ。

Q4: In fact, Frozen Crown was a very popular band in Japan, so your departure was unfortunate. Why did you leave the band?

【THALIA】: I left the band cause I wanted to focus on my private life a bit more and do different experiences in other bands and with my own self and career.

Q4: 実際、FROZEN CROWN は日本でとても人気のあるバンドだったので、あなたの脱退は残念でしたよ。

【THALIA】: バンドを脱退した理由は、もう少し私生活に集中したかったのと、他のバンドや自分自身やキャリアについて、いろいろな経験をしたかったからなんだ。

Q5: The world of power metal you live in has fantasy as its power, and in Japan there are many fantasy-themed games, anime, and music. Are you influenced by such Japanese culture?

【THALIA】: I love Japanese culture, especially for all the fantasy-themed games, anime and music. Since I discovered anime I started to dig more in it and see how many different styles you guys have just surprises me and makes me even more curious.
I’m in love with Death Note, Evangelion, Death Parade, Deadman Wonderland plus all the Studio Ghibli films. And Band-Maid, Aldious, Nemophila, Lovebites, Maximum the Hormone, Nightmare and TK from Ling tosite sigure. If it’s video games, Bayonetta, Animal Crossing, all the Super Mario’s, especially the Galaxy ones, Bloodborne, Ghost of Tsushima, Okami.
I was always into fantasy and sci fi games or movies, so going to Japan and seeing how this is embraced also in the streets makes me love the country even more.

Q5: あなたが生きるパワー・メタルの世界にはファンタジーが力となっていますが、日本にもファンタジーをテーマにしたゲームやアニメ、音楽がたくさんあります。そうした日本文化からは影響を受けていますか?

【THALIA】: 日本の文化、特にファンタジーをテーマにしたゲーム、アニメ、音楽は大好きよ。アニメに出会ってから、日本の文化をもっと掘り下げてみるようになったんだけど、そこにあるさまざまなスタイルには驚かされるし、さらに興味が湧いてくるよ。
デスノート、エヴァンゲリオン、デス・パレード、デッドマン・ワンダーランド、それにスタジオジブリの全作品が大好きよ。音楽なら、BAND-MAID, ALDIOUS, NEMOPHILA, LOVEBITES, MAXIMUM THE HORMONE, NIGHTMARE, それに TK from 凛として時雨。ゲームなら、ベヨネッタ、どうぶつの森、スーパーマリオ(特にギャラクシー)全部、Bloodborne、Ghost of Tsushima、大神。もともとファンタジーやSFのゲーム、映画が好きだったので、日本に行って、それがストリートでも受け入れられているのを見て、日本がもっと好きになったのよね。

Q6: After that, you played Queen of the Lazer-Amazons of Caledonia with Angus McSix’s band.
In fact, musicians often play fantasy characters in the world of power metal. How do you feel about “playing a role” or “Cosplay” in a metal band?

【THALIA】: I’m so happy and honored to cosplay this role in Angus McSix. A part of me always wanted to dig more into cosplay, thanks also to League of Legends (a game I love and still play) and anime, but I never had the time unfortunately. It’s like having an alter ego that represents me and helps me as well with having more self confidence and feeling more proud of what I do and how I am.

Q6: その後、Angus McSix のバンドでカレドニアのレイザー・アマゾンの女王を演じましたね。
パワーメタルの世界では、ミュージシャンがファンタジーのキャラクターを演じることがよくあります。メタル・バンドで “役を演じる” こと、あるいは “コスプレする “ことについてどう感じていますか?

【THALIA】: Angus McSix でこの役を “コスプレ” できて、とても嬉しいし光栄よ。リーグ・オブ・レジェンド(大好きで今でもプレイしているゲーム)やアニメのおかげで、いつもコスプレをもっと掘り下げてみたいと思っていたんだけど、残念ながら時間がなかったんだ。コスプレって自分を象徴する分身を持つようなもので、より自分に自信を持ち、自分の行動やあり方に誇りを持つことにも役立っていると思うの。

Q7: I believe that both power metal fantasy and the fantasy of Japanese anime and video games serve as wonderful escapes from the dark realities of oppression, loss. Is it because of these very dark times that power metal is being sought after and is returning to popularity?

【THALIA】: I think this could be one of the reason why power metal is being more and more popular during the last years. It helps a lot to escape the reality and bad moments that everybody has. It’s also a really fun genre and having all these bands cosplaying some characters makes it even more entertaining. It’s like you go back to childhood and imagine yourself riding eagles and killing enemies, being a hero or becoming the dark evil guy that wants to conquer the world.

Q7: パワー・メタルのファンタジーも、日本のアニメやゲームのファンタジーも、抑圧や喪失という暗い現実からの素晴らしい逃避の役割を果たしていると思います。こうした非常に暗い時代だからこそ、パワー・メタルが求められ、人気を取り戻しつつあるのでしょうか?

【THALIA】: ここ数年、パワー・メタルがますます人気を集めている理由のひとつは、まさにそこにあるのではないだろうか。パワー・メタルは、誰にでもある現実や嫌なことから逃避するのに役立っているの。それに、パワー・メタルは本当に楽しいジャンルだし、すべてのバンドが何かのキャラクターのコスプレをすることで、さらにエンターテイメント性が増す。
まるで子供の頃に戻って、自分がワシに乗って敵を殺したり、ヒーローになったり、世界を征服しようとする暗い悪者になったりするのを再び想像することができるのよ。

Q8: You have finally arrived at a big band called Primal Fear! How did you come to join the band?

【THALIA】: I met officially Ralf at a festival here in Italy in July called Luppolo in Rock, we had a nice quick chat about music, bands and so on. Later on he contacted me and asked me to become the new guitarist of the band, they were looking through my profile, saw how I play and thought of me immediately.

Q8: そうして、あなたはついに PRIMAL FEAR というビッグ・バンドにたどり着きました!バンドに加入したきっかけを教えていただけますか?

【THALIA】: 7月にイタリアで開催されたルッポロ・イン・ロックというフェスティバルで、公式に Ralph に会ったんだ。その後、彼から連絡があり、バンドの新しいギタリストにならないかと誘われたのよ。彼らは私のプロフィールを見て、私のプレイを見て、新ギタリストとして私のことをまず考えてくれたのよ。

Q9: Can you tell us about a Primal Fear song or album that you particularly like? What colors do you want to bring out in this band?

【THALIA】: Rulebreaker is one album that I particularly like as the song “Bullets & Tears” in it. Even if I’m really young, I would love to bring out even more the shreddy solos of the 80/90s, something that made me fall in love with metal when I was a kid. As for the powerful heavy and power riffs they have in all their albums.

Q9: PRIMAL FEAR の曲やアルバムで特に気に入っているものを教えていただけますか?このバンドにどんな色を出したいと思っていますか?

【THALIA】: “Rulebreaker” は特に気に入っているアルバムだし、その中の “Bullets & Tears” という曲が特に好きな曲ね。
バンドの中で私は本当に若いけれど、子供の頃にメタルが好きになった80年代、90年代のシュレッディなソロをもっと出したい。彼らの全アルバムに収録されているパワフルでヘヴィなパワー・リフはそのままにね。

Q10: Finally, do you have any advice for the increasing number of female guitarists in recent years, and for women who want to start playing guitar?

【THALIA】: I just want to recommend to all of them, guitarists, singers and so on to be strong, powerful, keep pushing and keep your eyes and ears open because out there it’s as beautiful as hard and difficult. Don’t let anyone keep you down or lower your skills and the person you are, we’re worth of achieving our goals as everybody.

Q10: 最後に、近年増えている女性ギタリストや、これからギターを始めたいと思っている女性にアドバイスをお願いします。

【THALIA】: ギタリスト、シンガー、その他すべての人たちに、強く、力強く、プッシュし続け、目と耳を開いていることを勧めたい。
なぜなら、そこにあるのは困難で難しいのと同じくらい美しい道のりだから。誰にも首をたれず、自分のスキルや人間性を下げるような考え方はしないようにね。私たちは皆、目標を達成する価値があるのだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED THALIA’S LIFE!!

Sigur Ros “Agaetis byrjun”

Megadeth “Rust In Peace”

Joe Satriani “The Extremist”

Kiko Loureiro “Sounds of Innocence”

Michael Jackson “Dangerous”

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you guys for being such amazing fans and people. I loved your country years ago and I can’t wait to be back again for shows or just holidays. Thank you for being so mice, sweet and respectful, keep these qualities forever. Love you and can’t wait to be in Japan again soon!

素晴らしいファンであり、人間でいてくれることに感謝するわ。何年も前に日本が大好きになり、ショーや休暇でまた戻ってくるのが待ちきれないのよ。いつまでも日本の良さを持ち続けてほしいわ。愛を込めて!

THALIA BELLAZECCA

THALIA Facebook

THALIA LINKTREE

PRIMAL FEAR Facebook

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

COVER STORY + INTERVIEW 【ROLAND GRAPOW : HELLOWEEN : MASTER OF THE RINGS】 30TH ANNIVERSARY !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ROLAND GRAPOW !!

“At The Beginning I Was a Little Upset, After All, I Was a Big Part Of The Helloween’s History, I Wrote a Lot Of Songs. But I’m a Fatalist, I Believe That Everything That Happens In This World, Everything Happens For The Best.”

DISC REVIEW “MASTER OF THE RINGS”

「”Master of the Rings” は、新しい HELLOWEEN のラインナップによる素晴らしいアルバムだ。バンド・メンバーやレコード会社の不安定な状況が何年も続いた後、僕たちは再び少し自由を見つけ、再び素晴らしいパワー・メタル・アルバムを作ることができた。僕たちもファンも幸せだった。振り返れば、実に素晴らしい時代だったね」
ここ日本で、いや世界中で、90年代のメタル・キッズをメタルへと誘った HELLOWEEN の傑作 “Master of the Rings” から30年。四半世紀以上の時を経ても、このアルバムが色褪せることはなく、素晴らしく時の試練に耐えています。それはきっと、”Master of the Rings” が、メタルの持つ逆境からの “回復力” と共鳴したから。実際、この前年、HELLOWEEN は崩壊の危機に瀕していました。
「僕は Weiki に、日本で “Chameleon” の曲(アコースティックな曲も多かった)を演奏した時、ファンが僕の前で泣いていたと言ったんだ。そして、”Keeper 1+2″ のような昔のスタイルに戻るべきだとも言った。彼は納得していたよ。それから数ヶ月して、Andi がバンドに加わった。彼も僕と同じことを言って、なぜ “Chameleon” のようなアルバムを作ったんだい?と尋ねていたね。とにかく、Uli と Andi がバンドに加わったことで、僕らの進むべき方向はまたひとつになったんだ」
“Master of the Rings” がリリースされる前年、HELLOWEEN が発表した “Chameleon” という文字通りカラフルなアルバムは大きな失敗と受け止められました。典型的なメタル、HELLOWEEN らしいパワー・メタルを捨てて、ポップな実験を試みたこのアルバムは、あまりに早すぎたのかもしれませんね。今聴けば、その多様性や芳醇なメロディが好奇心をそそる好盤にも思えますが、ステレオタイプは当時あまりに大きな壁でした。
「素晴らしい気持ちと同時に悲しい気持ちもあった。Ingo は病気だったし、僕らには本当にそうする以外選択肢がなかったんだ。一方で、Michael はポップ指向に傾倒していて、メタル・ミュージックにはもう興味がなかった。Andi と Uli は、ちょうどいいタイミングで適切なメンバーだったんだ」
さらに、HELLOWEEN の顔ともいえた Michael Kiske と Ingo Schwichtenberg の脱退は、負の連鎖に拍車をかけることとなります。しかし、心の病に侵された Ingo、そしてメタルに興味を失った Kiske がバンドを続けることは不可能でした。そして救世主となったのが、Andi Deris と Uli Kusch だったのです。
“Master of the Rings” は、あまりに印象的なドラム・フィルをイントロとする強烈な2つのスピード・チューンでその幕を開けます。実際、このドラム・フィルに心を奪われてメタルに誘われたファンも少なくないはずです。加えて、ガチガチのツイン・ペダルで暴風のように疾走する開幕の二撃。Uli の個性とインプットは、明らかにこの作品の見せ場となりました。
そして何より、Andi Deris の旋律。哀愁。高揚。激情。楽曲毎にコロコロと、猫の目のようにその色を変える Andi の感情は、ヘヴィ・メタルの強みを完璧なまでに代弁していました。
“Perfect Gentleman” で笑い、”Secret Alibi”で疼き、”In the Middle of Heartbeat” で咽び泣く。”Game is On” で初代ゲームボーイとのシンクロを楽しみ、”Mr.Ego” で素晴らしくも憎らしい Michael Kiske を偲ぶ。Andi の歌う新たな HELLOWEEN のアルバムには、明らかに、人の心に寄り添うヘヴィ・メタルの生命力が見事に吹き込まれていました。そして同時に、この作品には HELLOWEEN 史上最も理知的な整合感を極めたソング・ライティングとリフワークが備わっていたのです。何という復活!私たちはこの作品を聴いて、暗闇にもいつか光が射すことを教わりました。多くの困難は克服できると学びました。
「彼らのことを思えば満足だ。僕は招待されなかったから、再結成には参加していない。そう、最初は少し動揺したんだ。何しろ、僕はバンドの歴史の大きな部分を占めていたし、たくさんの曲を書いたからね。でも僕は運命論者で、この世で起こることはすべて最善のために起こると信じている」
“まだいける。俺たちはまだまだいけるんだ!”。30年前、アルバムに誰よりも力強い “Still We Go” を提供し大復活の立役者となった Roland Grapow はしかし30年後、HELLOWEEN の過去と未来をつなぐ大集結 PUMPKINS UNITED に呼ばれることはありませんでした。あの名曲 “The Chance” や “Someone’s Crying”, “Mankind” を作曲したにもかかわらず。
ある意味、これもまた大きな壁であり痛みなのかもしれません。しかし、”負けヒーロー” となった Roland は腐ることなく現在のメンバーたちにエールを贈ります。これぞまさに、ヘヴィ・メタルの寛容さ、包容力。音楽業界への失望を克服し、前を向いた Roland はこれからもまだまだ “いける” のです。
今回弊誌では、Roland Grapow にインタビューを行うことができました。「Weiki と僕がギターの腕前を競い合ったことは一度もなかった。Weiki はそのことについていつもクールだったからね。僕はただ、ギタリストとしてのスキルを少しでも伸ばしたかったんだ」 30年…Roland のお気に入り、”Dark Ride” の評価が海外で爆上がりしているのも面白いですね。どうぞ!!

HELLOWEEN “MASTER OF THE RINGS” : ∞/10

INTERVIEW WITH ROLAND GRAPOW

Q1: First, Masterplan’s new song “Rise Again” is fantastic! Just like the name of the song, it’s a big comeback, just like a phoenix, and we can take it as Masterplan’s complete resurrection, would you agree?

【ROLAND】: Thank you. I wouldn’t call it a complete resurrection, because in reality, Masteplan never went away. Yes, we haven’t released new music in the last 10 years. But it’s not because we didn’t have ideas, but rather because we were a little disappointed in the modern music industry.

Q1: MASTERPLAN の新曲 “Rise Again” は本当に素晴らしいですね!曲名の通り、不死鳥のような大復活です。MASTERPLAN の完全復活と受け止めていいのでしょうか?

【ROLAND】: ありがとう。完全復活とは言わないよ。なぜなら、現実には、MASTERPLAN は決して消えてはいないのだから。たしかに、この10年間は新曲をリリースしていない。しかし、それは僕たちにアイデアがなかったからではなく、むしろ現代の音楽業界に少し失望していたからなんだよ。

Q2: You yourself have been energetic with guest appearances by Ronnie Romeo and others since the release of “Pumpkings” in 2017, but you never left the piece itself. What has the last seven years been like for you?

【ROLAND】: Oh, I never forget about myself (laughs)
Actually, I have a lot to do. We are currently finishing up the new Masterplan album. But I still have a lot of material, and it is good enough that I do not exclude the appearance of my solo project. But for now these are just plans.

Q2: あなた自身は、2017年に “Pumpkings” をリリースして以来、Ronnie Romeo らにゲスト参加して精力的に活動してきましたが、作品そのものをリリースすることはありませんでした。この7年間はあなたにとってどのようなものでしたか?

【ROLAND】: あ、もちろん自分のことは忘れていないよ(笑)。
実は、やりたいことがたくさんあるんだ。今は MASTERPLAN の新作を仕上げているところ。でも、まだ素材はたくさんあるし、ソロ・プロジェクトの可能性も排除できないくらいさ。今のところは、単なる計画でしかないけどね。

Q3: For the past seven years, Helloween, of which you have long been a part of the body, has been making albums, traveling the world, and gaining popularity with a lineup that connects the band’s past and future as Pumpkins United. However, it is really strange for me, us, that you are not there. What do you think of their current success? Why aren’t you there?

【ROLAND】: Oh, I’m happy for them. At least someone can make money playing music. It’s rare these days, and for young musicians it’s almost an impossible dream. I’m not part of the reunion because I wasn’t invited. And yes, at the beginning I was a little upset, after all, I was a big part of the band’s history, I wrote a lot of songs. But I’m a fatalist, I believe that everything that happens in this world, everything happens for the best. I enjoy the place where I am now. I have a wonderful family, a house, and it would be difficult for me to combine Halloween tours and work with Masterplan, which I would not give up under any circumstances.

Q3: その7年間で、あなたが長い間その体の一部であった HELLOWEEN は、アルバムを作り、世界中を旅し、Pumpkins United としてバンドの過去と未来をつなぐラインナップで人気を博してきました。しかし
あなたがそこにいないことが、私にとって、いや私たちにとって、本当に不思議なのです。現在の彼らの今の成功をどう思いますか?なぜあなたはそこにいないのでしょう?

【ROLAND】: そうだね、僕はそれでよいと思っているよ。彼らのことを思えば満足だ。少なくとも、誰かが音楽でお金を稼ぐことができる。最近では珍しいことだし、若いミュージシャンにとってはほとんど不可能な夢だからね。
僕は招待されなかったから、再結成には参加していない。そう、最初は少し動揺したんだ。何しろ、僕はバンドの歴史の大きな部分を占めていたし、たくさんの曲を書いたからね。でも僕は運命論者で、この世で起こることはすべて最善のために起こると信じている。僕は今いる場所を楽しんでいるよ。素晴らしい家族も家もあるし、どのみち、HELLOWEEN のツアーと MASTERPLAN の仕事を両立させるのは難しかっただろう。MASTERPLAN はどんな状況にあっても諦めたくないからね。

Q4: This year marks the 30th anniversary of the masterpiece, “Master of the Rings.” Actually, this album was my gateway to metal. So you are really one of my heroes! Looking back, what does that album mean to you?

【ROLAND】: It is a great album with a new Helloween line up. After many years of unstable situations of bandmembers and record labels, we found a bit of freedom again, to create a great power metal album again, we were happy and the fans as well. We had a great time back than.

Q4: 今年は傑作 “Master of the Rings” の30周年にあたります。実は、このアルバムが私のメタルへの入り口でした。だからあなたは本当に私のヒーローの一人なんですよ!今振り返ってみて、あのアルバムはあなたにとってどんな存在ですか?

【ROLAND】: 新しい HELLOWEEN のラインナップによる素晴らしいアルバムだ。バンド・メンバーやレコード会社の不安定な状況が何年も続いた後、僕たちは再び少し自由を見つけ、再び素晴らしいパワー・メタル・アルバムを作ることができた。僕たちもファンも幸せだった。振り返れば、実に素晴らしい時代だったね。

Q5: That album marked a time of upheaval for Helloween, as members changed from Michael Kiske to Andi Deris and from Ingo Schwichtenberg to Uli Kusch. How did you feel about this change?

【ROLAND】: Great and bad feelings at the same time, Ingo was sick and we didn’t had a real choice, but Michael was more into pop oriented direction and was not interested into metal music anymore, which was sad, because I love him as a friend and singer. We had Andy and Uli as the right guys in the right moment coming.

Q5: このアルバムは、Michael Kiske から Andi Deris へ、そして Ingo Schwichtenberg から Uli Kusch へとメンバーが変わり、HELLOWEEN にとって激動の時期でもありましたね。

【ROLAND】: 素晴らしい気持ちと同時に悲しい気持ちもあった。
Ingo は病気だったし、僕らには本当にそうする以外選択肢がなかったんだ。一方で、Michael はポップ指向に傾倒していて、メタル・ミュージックにはもう興味がなかった。それは悲しかったよ。だって僕は彼を友人、そしてシンガーとして愛していたから。だからこそ、Andi と Uli は、ちょうどいいタイミングで適切なメンバーだったんだ。

Q6: You yourself joined Helloween in a very pressured position as “Kai Hansen’s successor”, how did you handle that pressure?

【ROLAND】: I was asked to join Helloween, but didn’t know the band at all. I just heard about the name and saw one musik magazine with a front cover of them. None of my friends knew them either.
When Weiki asked me to learn their songs I was not really thinking about Kai, which i have to replace, it was more to make the rest of the band members happy and the fans of course. I came from a different music direction and forthat, it was pretty easy to be honest!.

Q6: あなた自身も、Kai Hansen の後継者という非常にプレッシャーのかかる立場で HELLOWEEN に加入したわけですが、そのプレッシャーにどう対処したんですか?

【ROLAND】: HELLOWEEN に加入しないかと誘われたとき、実は僕はバンドのことはまったく知らなかったんだ。名前を聞いたことがあって、ある音楽雑誌の表紙になっているのを見ただけだった。 友達も誰も知らなかったんだ。
だから Weiki に彼らの曲を覚えろと言われたとき、僕は Kai のことはあまり考えていなかった。考えなければならないのは、他のメンバーやファンを幸せにすることだった。僕は違う音楽の方向から来たから、正直言ってプレッシャーに対処するのは簡単だったよ!

Q7: The last album “Chameleon” was much criticized at the time, but it seems to be a very good album when I listen to it now. Your songs “I Don’t Wanna Cry No More” and “Music” have also stood the test of time. But did you go back to the “Master of the Rings” formula of Helloween because it was still criticized as pop and commercial?

【ROLAND】: Sure, I said to Weiki in Japan the fans were crying in front of me when we played all those Chameleon songs (We did many acoustic songs) I told him we should go back to your old style, like keeper 1+2, he agreed and some month later Andy came to the band and said the same and ask us why did you guys do that Chameleon album? With Uli and Andy in the band we had one direction again to go.

Q7: その前の作品、”Chameleon” は当時は酷評されましたが、今聴くととても良いアルバムだと思います。あなたの作った “I Don’t Wanna Cry No More” や “Music” も時の試練に耐えていますね。それでも、”Master of the Rings” という HELLOWEEN らしさ全開の作品に戻ったのは、やはりコマーシャルでポップという批判があったからですか?

【ROLAND】: その通りだよ。僕は Weiki に、日本で “Chameleon” の曲(アコースティックな曲も多かった)を演奏した時、ファンが僕の前で泣いていたと言ったんだ。そして、”Keeper 1+2″ のような昔のスタイルに戻るべきだとも言った。彼は納得していたよ。それから数ヶ月して、Andi がバンドに加わった。彼も僕と同じことを言って、なぜ “Chameleon” のようなアルバムを作ったんだい?と尋ねていたね。とにかく、Uli と Andi がバンドに加わったことで、僕らの進むべき方向はまたひとつになったんだ。

Q8: I still love the last song “Still We Go” from “Master of the Rings.” For example, it is quite different from your classic “The Chance.” Michael and Andy, did you have different images of the songs you wrote depending on the singer?

【ROLAND】: No, I wrote it a little bit before Andy was coming into the band, but I knew we will have a drastic lineup change and this song is about a new way/future and is full of hope.

Q8: “Master of the Rings” の最後の曲、あなたが作った “Still We Go” は今でも大好きですよ。例えば、あなたの名曲 “The Chance” とは色合いが全く違います。Michael と Andi、シンガーによって書く曲のイメージを変えていたのですか?

【ROLAND】: いや、Andi がバンドに入ってくる少し前にこの曲は書いていたからね。でも、大幅にラインナップが変わることは分かっていたから、この曲は新しい道・未来について歌った、希望に満ちた曲なんだ。僕らはまだまだやれるってね!

Q9: That album included “Grapowski’s Malmsuite1001 (In D Doll)” as a bonus track. Of course, it was a tribute to Yngwie, but did you feel like doing something more technical than Michael Weikath back then?

【ROLAND】: I was a big Yngwie fan and later even we were friends, I had this instrumental written just as a fun song tribute, but Uli, Markus and Andy liked it so much that we used it as a bonus track.
Theer was never a competition between Weikiand me on guitar, I just did what I did and I wanted a bit more develop my skills as a guitarplayer. Weiki was always cool about that.

Q9: このアルバムには、ボーナストラックとして “Grapowski’s Malmsuite1001 (In D Doll)” が収録されていました。もちろん、これは Yngwie へのトリビュートですが、当時は Michael Weikath よりもテクニカルなことをやりたいという気持ちがあったのでしょうか?

【ROLAND】: 僕はイングヴェイの大ファンで、後に友達にもなったんだけど、このインストゥルメンタルは彼への楽しいトリビュートとしてただ作ったんだ。だけど、Uli と Markus, そして Andi がとても気に入ってくれて、アルバムのボーナス・トラックにすることにしたんだ。
Weiki と僕がギターの腕前を競い合ったことは一度もなかった。Weiki はそのことについていつもクールだったからね。僕はただ、ギタリストとしてのスキルを少しでも伸ばしたかったんだ。

ROLAND’S RANKING OF HELLOWEEN ALBUMS !!

1. Dark Ride

2. The Time of the Oath

3. Master of the Rings

4. Better than Raw

5. Chameleon

6. Pink Bubbles Go Ape

As a guitar player I like Chameleon a lot, but for the fans I agree, it is not the best what they wanted!
I like all of them! I am still proud of my years with Helloween!

ギタリストとしては、”Chameleon” はとても好きだけど、ファンにとっては、彼らが望んでいたものとは違うんだよね! 僕はどの曲も好きだ!HELLOWEEN での数年間を今でも誇りに思っているからね!

MESSAGE FOR JAPAN

Japan has always been a special place for me. You have an amazing way of finding a balance between hard work and carefree relaxation, and I would like to learn that too (laughs). I really hope that I will have the opportunity to visit Japan again and maybe even with Masteplan, I also hope that you will like our new album. Thanks for the interview.

日本はいつも僕にとって特別な場所だった。ハードワークと気ままなリラックスのバランスの取り方が素晴らしくて、僕も見習いたいものだよ(笑)。また日本を訪れる機会があればいいなと思うし、MASTERPLAN の新しいアルバムも気に入ってもらえると嬉しいよ。インタビューをありがとう!。

ROLAND GRAPOW

MASTERPLAN Facebook

MASTERPLAN Official

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IN SEARCH OF SUN : LEMON AMIGOS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ADAM LEADER OF IN SEARCH OF SUN !!

“I Think The Whole ‘Angry Looking Metal Band’ Is Getting a Bit Stale In General.”

DISC REVIEW “LEMON AMIGOS”

「”怒っているように見えるメタル・バンド” というのは、一般的に少し古臭くなってきていると思う。”Virgin Funk Mother” は間違いなく、自分たちの個性を探求し、殻を破り始めたアルバムだ。典型的なメタルではないアイデアを持ち込むことを恐れなくなった」
かつて、ヘヴィ・メタルといえば、そのイメージの中心に “怒り” が必ずありました。それは、隣の家のババアが凍るくらい寒いスイスの冬に向けられた怒りかもしれませんし、親のクドクドしたお説教に突きつける “Fuckin’ Hostile” かもしれませんし、ド悪政に対して売りつける喧嘩歌舞伎なのかもしれません。もちろん、そうやって怒りを吐き出すことで、アンガーマネージメントを行い、心の平穏を保つこともできました。つまり、メタルの中にはネガティブな怒りと、ポジティブな怒りが常に同居していたのです。
しかし、多様なモダン・メタルの開花とともに、メタル=怒りという単純な方程式は崩れつつあります。喪失や痛みを陰鬱なメタルで表現するバンドもあれば、希望や回復力を光のメタルで提示するバンドもいます。
そして、BULLET FOR MY VALENTINE, FUNERAL FOR A FRIEND, TWELVE FOOT NINJA といった大御所ともステージを共にしてきたロンドンの新たな才能 IN SEARCH OF SUN は、明らかに “高揚感” をそのメタルの主軸に据えています。典型という概念さえ時代遅れとなりつつある今、人生にもメタルにも、愛、幸福、悲しみ、怒りといったあらゆる感情が内包されてしかるべきなのかもしれませんね。
「本当に単純なことなんだけど、僕らはいろんな音楽が大好きで、みんなグルーヴに夢中なんだ!それがいつも僕らの曲作りに現れていて、それが僕らの音楽にファンキーな雰囲気を加えているんだと思う。グルーヴがなければ、音楽はただのノイズだからね!」
パッション・イエローの背景に、輪切りの悪魔的レモン。そのアートワークを見れば、IN SEARCH OF SUN がメタルの典型を一切気にしていないことが伝わります。もちろん、悪魔こそここにいますが、ではトヨタのロゴマークを悪魔に模した車すべてが真性の悪魔崇拝者なのでしょうか?むしろ、ここには甘酸っぱいエモンの果汁や、ちょっとしたユーモア、そして踊り出したくなるような楽しい高揚感で満たされています。
もしかすると、例えば、最強の魔法ゾルトラークがほんの10年ちょっとで誰にでも使える一般攻撃魔法になってしまったように、メタルの怒りや過激さ、凶悪な音、そんなヘヴィのイタチごっこにも限界があるのかもしれません。だからこそ、グルーヴがなければ音楽なんてただのノイズだと言い切る彼らの、冒険を恐れない多様性、典型を天啓としない奔放さ、そして何より、メインストリームにさえ挑戦可能な豊かで高揚感のあるリズムとメロディの輝きは、メタルの未来を託したくなるほどに雄弁です。
今回弊誌では、Adam Leader にインタビューを行うことができました。「ファースト・アルバムの中に “In Search Of Sun” という曲があるんだけど、この曲は内なる葛藤と、自分が一番愛しているものを掴みに行くための世界との戦いについて歌ったものなんだ。この曲は、決意と自分自身を決してあきらめないことについて歌っている。僕たち全員がそのような姿勢を共有しているから、自分たちを真に定義するような名前に変えるのは正しいことだと思ったんだ」 PANTERA や Djent, BON JOVI とMJと、UKポップス、UKガレージ、ダンス・ミュージックが出会う刻。どうぞ!!

IN SEARCH OF SUN “LEMON AMIGOS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH ADAM LEADER

Q1: 1. First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【ADAM】: I grew up listening to all sorts of music. My mum was a huge fan of bands like Queen, Guns n Roses, Aerosmith and Bon Jovi, so I was introduced to the rock n roll side of the spectrum from a very young age. At the same time, I was a 90’s kid from London, so I’d be lying if I said I wasn’t a fan of all the Pop, UK Garage and Dance music that was heavily on rotation all the time. I loved it then, and I still do now.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバック・グラウンドからお話ししていただけますか?’

【ADAM】: いろんな音楽を聴いて育ったよ。僕の母親は QUEEN, GUNS N’ ROSES, AEROSMITH, BON JOVI といったバンドの大ファンだったから、幼い頃からロックン・ロールに親しんできたよ。同時に、僕はロンドン出身の90年代キッズだったので、常にあそこでヘヴィ・ローテーションされていたポップス、UKガレージ、ダンスミュージックなどのファンでなかったと言えば嘘になる。当時も今も大好きな音楽さ。

Q2: What made you start playing an instrument? Who were your heroes at the time?

【ADAM】: I’ve been musical ever since I can remember. My grandparents bought me a little acoustic guitar when I was seven years old – I couldn’t play it, but just holding it made me feel powerful. Whenever any of mum’s favourite bands came on the radio, I’d pretend to be a rock star and play along. There was no greater feeling – It felt like an escape.
But my real introduction was when I was eleven. I discovered the band Pantera; I fell in love immediately; it was from that moment that I wanted to start a band and play music for the rest of my life. Drums were my original instrument, I played drums for almost a decade. It wasn’t until later, I realised I loved the idea of fronting a band. That’s when I started practising how to sing. But yes, Pantera truly started it all for me. They were and still are my heroes to this day.

Q2: 楽器を始めたきっかけは何だったんですか?当時のヒーローは?

【ADAM】: 物心ついたときから音楽はやっていた。7歳のときに祖父母が小さなアコースティック・ギターを買ってくれたんだ。弾くことはできなかったけど、持っているだけでパワーを感じた。母の好きなバンドがラジオから流れてくると、ロックスターになったつもりでエアギターに勤しんだよ。これ以上の感覚はなかった。日常からの逃避だったんだ。
でも、本当の出会いは11歳のときだった。PANTERA というバンドに出会って、すぐに恋に落ちたんだ。その瞬間から、バンドを始めて一生音楽をやりたいと思うようになった。ドラムは僕のオリジナル楽器で、ほぼ10年間ドラムを叩いていた。バンドのフロントを務めるというアイデアが好きだと気づいたのは、後になってからだった。それで歌の練習を始めたんだ。でも、そう、 PANTERA は僕にとって本当にすべての始まりだった。彼らは今でもヒーローだよ。

Q3: How was In Search of Sun formed? What is the origin of the band’s name?

【ADAM】: We actually used to be called ‘Driven’ – but after we’d written our first album ‘The World Is Yours’, we’d realised that we and our music were rapidly maturing.
There’s a song on that first album called ‘In Search Of Sun’ and it’s all about that internal struggle and the fight you have against the world to go and grab the one thing you love the most. It’s about determination and never giving up on yourself – we all share that attitude, so it felt right to change our name to something that truly defines us.

Q3: IN SEARCH OF SUN はどのようにして結成されたのですか?バンド名の由来はなんですか?

【ADAM】: 以前は “Driven” と呼ばれていたんだけど、ファースト・アルバム “The World Is Yours” を作った後、自分たちと自分たちの音楽が急速に成熟していることに気づいたんだ。
そのファースト・アルバムの中に “In Search Of Sun” という曲があるんだけど、この曲は内なる葛藤と、自分が一番愛しているものを掴みに行くための世界との戦いについて歌ったものなんだ。この曲は、決意と自分自身を決してあきらめないことについて歌っている。僕たち全員がそのような姿勢を共有しているから、自分たちを真に定義するような名前に変えるのは正しいことだと思ったんだ。

Q4: “Lemon Amigos” is a great title, and the artwork of the piece is great to start with! Why did you choose the lemon theme?

【ADAM】: When the Covid pandemic came into full force, the whole world stood still and we felt like the band had suddenly come to this premature end, and this left an extremely sour taste in our mouths!
But soon after this, we realised that although we weren’t able to tour, we could definitely write new music; and that’s what we did. Not only did we write a whole bunch of new songs during this period, but the pandemic also taught us to stop giving a shit about what others think and to just be our authentic selves; we feel that this truly shines through in the new ‘Lemon Amigos’ EP. We are very proud of it.

Q4: “Lemon Amigos” は素晴らしいタイトルで、作品のアートワークも傑出していますね!なぜレモンをテーマに選んだのですか?

【ADAM】: パンデミックが本格化したとき、全世界が静止し、僕たちはこのバンドが突然早すぎる終焉を迎えたように感じ、口の中に非常に酸っぱい味が残ったんだよ!
しかしその直後、ツアーはできないが、新しい曲を書くことはできると気づいた。この期間に新曲をたくさん書いただけでなく、パンデミックによって、他人がどう思うかを気にするのをやめ、ありのままの自分でいることを教えられた。だから僕らは、甘酸っぱいタイトルのこのEPをとても誇りに思っているんだ。

Q5: As with your last album, “Virgin Funk Mother,” your concepts and music seem to encompass a sense of humour and tolerance that was previously lacking in metal. The tide is turning, would you agree?

【ADAM】: Absolutely. We’ve never taken ourselves too seriously. I think the whole ‘angry looking metal band’ is getting a bit stale in general. ‘Virgin Funk Mother’ was definetely the album where we started to explore our own personalities and come out of our shells. We were less afraid to bring ideas to the table that weren’t just typical metal. It paved the way for ‘Lemon Amigos’, and ‘Lemon Amigos’ is now paving the way for our third album, which I think will be very defining for us. We’re writing it now – it will come out sometime next year.

Q5: 前作 “Virgin Funk Mother” と同様、あなたのコンセプトと音楽は、以前メタルに欠けていたユーモアと寛容のセンスを包含しているように思えます。流れは変わりつつあるのでしょうか?

【ADAM】: そうだね。僕たちは自分たちのことを深刻に考えすぎたことはない。”怒っているように見えるメタル・バンド” というのは、一般的に少し古臭くなってきていると思う。
“Virgin Funk Mother” は間違いなく、自分たちの個性を探求し、殻を破り始めたアルバムだ。典型的なメタルではないアイデアを持ち込むことを恐れなくなった。そして “Lemon Amigos” は今、サード・アルバムへの道を切り開いている。今次のアルバムを書いているところで、来年には発売される予定だよ。

Q6: What made you decide to add funk to metal?

【ADAM】: It really is as simple as the fact that we love all sorts of music, and we are all obsessed with groove; everybody loves a groove! This always comes out in our writing and I guess it adds a funky vibe to our music. Without a groove, it’s just noise!

Q6: あなたたちのファンカデリックな要素は実に素晴らしいですね!なぜメタルにファンクを持ち込もうと思ったのですか?

【ADAM】: 本当に単純なことなんだけど、僕らはいろんな音楽が大好きで、みんなグルーヴに夢中なんだ!それがいつも僕らの曲作りに現れていて、それが僕らの音楽にファンキーな雰囲気を加えているんだと思う。グルーヴがなければ、音楽はただのノイズだからね!

Q7: More to the point, there is a nostalgia in your music, like Michael Jackson in the 80’s. Did you aim for a “retro-futuristic” worldview by adding such nostalgia to modern prog metal, djent, and metalcore?

【ADAM】: We didn’t aim for it, no. But like I mentioned earlier, the more we experimented and the less we started caring about what others thought, it just started organically coming out in our writing, and that’s because we were no longer afraid to express ourselves fully, regardless of the influence; we are all massive fans of every style of music and thousands of different artists. We hold the utmost respect for each other and every other artist on the face of the planet.

Q7: もっと言うと、あなたの音楽には80年代のマイケル・ジャクソンのようなノスタルジアがあります。現代のプログ・メタル、ジェント、メタルコアにそのようなノスタルジーを加えることで、”レトロ・フューチャー” な世界観を目指したのでしょうか?

【ADAM】: 狙ったわけではないんだよ。でも、さっきも言ったように、実験的なことをすればするほど、そして他人の評価を気にしなくなればなるほど、”ノン・メタル” な要素が有機的にテキストに出てくるようになったんだ。それは、自分自身を完全に表現することを恐れなくなったからだ。
僕たちは皆、あらゆるスタイルの音楽と何千もの異なるアーティストの大ファンなのだから。僕たちはお互いに、そして地球上のすべてのアーティストに最大限の敬意を払っている。

Q8: Speaking of retro-futurism, Japanese anime, games, and music also have great works like Akira’s. Are you influenced by Japanese culture?

【ADAM】: We love Japanese culture! I’ve always wanted to visit Japan, but sadly I haven’t gotten around to it yet. It is one of my biggest wishes to visit. The people, the culture, the food – everything is just incredible!

Q8: レトロ・フューチャーといえば、日本のアニメ、ゲーム、音楽にも “Akira” のような素晴らしい作品があります。日本の文化に影響を受けていますか?

【ADAM】: 日本の文化は大好きだよ!ずっと日本に行きたいと思っていたのだけど、残念ながらまだ行けていないんだ。訪れてみたい国のひとつだよ。人々、文化、食べ物……すべてが本当に素晴らしいんだ!

SIX ALBUMS THAT CHANGED ADAM’S LIFE!!

PANTERA “Vulgar Display Of Power”

Michael Jackson “Thriller”

LED ZEPPELIN “BBC Sessions”

THE OFFSPRING “Americana”

SLIPKNOT “Slipknot”

LED ZEPPELIN “Led Zeppelin II”

MESSAGE FOR JAPAN

Hello Japan! We love and appreciate you and we cannot wait to eventually come over and play some shows in your beautiful country. Watch this space!

こんにちは、日本!僕たちは日本のことを愛しているし、感謝しているんだ。いずれ日本に行って、君たちの美しい国でライブをするのが待ちきれないよ。期待していてね!

ADAM LEADER

IN SEARCH OF SUN Facebook

IN SEARCH OF SUN Official

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!