COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【SPIRITBOX : TSUNAMI SEA】


COVER STORY : SPIRITBOX “TSUNAMI SEA”

“I Think Anything That Women Like Is Always Mocked, But I Think Teenage Girls Are The Purveyors Of Culture.”

TSUNAMI SEA

津波が本当の姿を現すのは、その波が水辺に到達してからだと言います。最初はほとんど見えない深海を脈打ちますが、最終的にはこの壊滅的な自然災害は無慈悲な水の壁を築き上げ、その進路にあるすべてのものを押しつぶすのです。
「津波が陸に到達した後、それが私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか飲み込めていないうちに、その災害は無慈悲に通過していく」
SPIRITBOX の生活は既に計り知れないほど変化しました。2015年にカルト的なマスコア・クルー iwrestledabearonce の灰から生まれ変わった Courtney LaPlante と Mike Stringer は、以前よりも暗く洗練された音楽を作ることを目指していきました。そうして、デビュー作 “Eternal Blue” からの “Holy Roller” や “Blessed Be” といった曲は、新たな表現を求めていたファンたちの心に響き、彼らをメタルの頂点へと押し上げたのです。以来、彼らは勢いを増し続け、2022年のDownloadフェスティバルでのテントを揺るがすデビューから、Reading & Leedsのメインステージ、Megan Thee Stallionとのレコーディング、先月のAlly Pallyでのソールドアウト公演まで、着実に歩みを進めてきました。その勢いは、メタルコア世界の狭い枠組みを飛び出した津波ともいえました。
しかし、SPIRITBOX はタイトルの “津波” そのものではありません。むしろ、縦波、横波、波浪、風浪、うねり、磯波…数多くの波が積み重なって壮大なコンセプトを形作る広大な海。メンタルヘルスにおける比喩的な津波…うつ病や暗い思考が心を押し流す状態。そして、Courtney と Mike の故郷バンクーバー島での生活経験…船以外では離れることができない孤独な環境。そうした痛みや恐怖、孤独の影響は、2022年の “Rotoscope EP” と2023年の “The Fear Of Fear” の即効的なスリル追求と比べ、より威圧的で包み込むような “Tsunami Sea” への到達に現れています。

大きな成功が Courtney の率直な歌詞の核心にある危機感を侵食するのではなく、”Tsunami Sea” はそれがさらに激化と同化したようにも思えます。”Eternal Blue” のタイトル・トラックで彼女は “苦痛が離岸流のように引きずり始める” と歌いました。4年後、ボーカリストの感情は今や海洋規模となり、”私のすべての涙を津波の海に変える” と表現されています。それでも、Courtney と SPIRITBOX はただ痛みの海に押し流されることはありませんでした。つまり、この音楽は、メンバー個人の内面的葛藤はもちろん、元メンバーの死去やベース奏者がロサンゼルスの山火事で自宅を失うなど、逆境を乗り越えてきたバンドにふさわしいものとなっているのです。
「Bill Crook の死は恐ろしいことだった。突然のことで、私たちはツアー中だったのよ。彼の母親が、彼の友人全員が追悼式に出席できるようにしてくれたことに、私たちは本当に感謝しているの。彼女は追悼式を延期してくれたのよ。
このアルバムは本当に彼のためのもの。なぜなら、彼は私たちと同じ場所で育ち、同じ経験をしてきたから。アルバムで話していることの多く – 私が精神的に向き合い、克服しようとしていること – 彼と私はその点で非常に似ていたんだよ。アルバムを彼に見せられたらよかったと思う。毎日彼をとても恋しく思っているわ。この数ヶ月は皆にとって大変だったけど、私たちは大丈夫。今年は本当に良い年になると思うよ」

“Soft Spine” という力強いリードシングルから、変幻自在なメロディが光る “Perfect Soul”、そしてインダストリアルな要素を交えた176秒の “No Loss, No Love” まで、リスナーはすでにこの11曲が SPIRITBOX の最高峰であることを直感しているでしょう。大きなステージで演奏する機会を得たことで、彼らは “A Haven With Two Faces” のような壮大な瞬間を捉える直感を磨いてきました。一方で、彼らは “Crystal Roses” のような予測不能なサウンド、例えば変幻自在なドラムンベースに挑戦する勇気をも得たのです。
「音楽を書く時はそれを意識しないが、後に1万人や2万人の観客の前で自分の好きな曲を演奏すると観客はただスマホをいじっているだけだ。一方、特に気にかけていない曲では、みんな跳ね回って大騒ぎしている。なぜそうなるのかと疑問に思うようになる。それは曲作りに直接影響するわけではなく、単に “この曲でみんなが狂喜する姿が見える” と気づくだけだ。でも、私はいつも間違っている。私の好きな曲は、いつも最も再生回数が少ない曲だ。それは呪いのようだ…このアルバムだと “Black Rainbow” に夢中なんだがね。あらゆるタイプの音楽からあらゆるインスピレーションを得ることは、とてもとても重要だ。 どのジャンルの中にも良いトーン、ソングライティング、メロディがあるんだ。だからブレイクダウンだけを聴くことに自分を限定すべきではない」
一方で、Courtney は観客の反応をあまり気にはしていません。
「それが私の音楽の楽しみ方じゃない。人々がモッシュしているかどうかで、私たちが良い仕事をしているかどうかを判断しないよ。もし彼らがモッシュするなら、それは素晴らしい。それがその人の音楽の楽しみ方だ。でも、ただ頷いているだけの人もいる。それがその人の音楽の楽しみ方かもしれない。そして、ただ立っているだけで音楽を吸収している人に対しては、エゴを持ってはいけない。もしかしたら、彼らはそこで SPIRITBOX を初めて発見しているのかもしれない。もしかしたら、ただ全てを吸収しているだけかもしれない。だから私は大好きな曲を歌いながら、人生で最も楽しい時間を過ごしているだけなの。結婚式で踊る人みたいに、自分の小さな世界に入り込んでいる!馬鹿に見えても構わないさ!」

美しさ、陶酔、そして命がけの混沌が、”Tsunami Sea” を駆け抜ける中で尽きることなく展開されます。このバンドは、”Keep Sweet” のようなのモッシュ・コンフェクションを混ぜ合わせ、次に “Ride The Wave” の滑らかなオルタナティブ・ポップを軽やかに滑り、クリーンな歌声のクロージング・トラック “Deep End” では目眩く多様性を備えています。
「Michael も私も、本当に何でも聴くのが好きなの。 たとえそれが、プロダクションや歌詞のつながり、インストゥルメンタルや全体の雰囲気など、研究的に聴いているものであっても、聴かずにはいられないの。真空の中で曲を書くことはできない。 常に外部の音楽から影響を受けているんだ」
しかし、そのすべては心からの、しばしば胸を締め付けるような、感情に支えられています。”悲しみが私を追いかける” と、Courtney はオープニング・トラック “Fata Morgana” が迫力満点に始まると呟きます。 “呼吸するたびに、その悲しみを胸に感じる…” その悲しみの糸は彼女の中で途切れることはありません。周囲の騒音や勝利の味わいにもかかわらず、内側の暗闇は枯渇することがないのです。
「私の人生で素晴らしいことが起こっても、メンタルヘルスに気を配らなければ、私たちは常に極端な感情の波に翻弄されるだろう。特に私のような人間なら。それが私の感じ方よ。それが私の一部。悲しみや怒りの歌詞は、おそらく私にとって常に共感できるものだろう。
面白いことに…キャリアでの幸せや成功、人間関係での充実感が増すほど、まだあのネガティブな感情を抱えていることに恥ずかしさを感じるの。人生が順調なのに、メンタルヘルスが低下することに恥を感じている人は多い。そして、私は歌詞を通じて、見知らぬ人々にその感情をさらけ出したい衝動があるの。おそらく、それは自分自身をより深く理解するためのメカニズムかもしれない。そうやって、良い人間であるためにできる限りのことをしながら、その抑うつ症のブラックホールに引きずり込まれないようにしているの」

6年前、彼女は時給$8でウェイターとして働いていました。”Eternal Blue” がリリースされた当時でさえ、彼女と Michael はバンドの資金調達のために、データ入力の仕事をしていたのです。そうしてダウンロードで数万の観客を前に Courtney は、”Perfect Soul” の感動的なパフォーマンスを披露し、”私の夢はただの幻想だ” と歌いました。
「数万人の前でそんな個人的な感情を表現するのは、とても難しいこと。でも私を知っている人なら、私たちの旅路を見てきた人なら、私が言っていることに、私の生活について現実を投影できるだろう。でも、ほとんどの人が本当の私を知らない。あの言葉は、私たちのバンドとしての経験を超えた多くのことを指している。残念ながら、あの感情は私にとって常にレリバントなものだ。それは私の人生の一部だった。精神疾患、ペテン師症候群 (自分の能力や成功を過小評価し、自身を詐欺師のように感じてしまう) の経験があることを、私はずっと知らなかった。私は問題にしないのが上手だから、ただ隙間をすり抜けてきただけ。それは潮の満ち引きのような循環的なものだった」
Courtney はメタルにおける女性の存在についても、常に思考を巡らせています。
「人生のある時点で、女性や少女たちが誰も招待されていないパーティーには参加する気にならなくなるものよ。そこに、ドアマンが私を入場させるかどうか待って並ぶつもりはない。自分の、他のクラブを探しに行くでしょう。望まれないなら、私を歓迎してくれる場所を探すだけよ。
これは、若い少女の頃、メタルの世界から歓迎されていないと感じた経験からも来ているの。例えば、小さなメタルのライブに行って、なぜここにいるのかと疑問に思われるような状況。その状況は改善されているけど、私たちはより高い基準を求め、私たちに投げられたパン屑にはこだわらない必要がある。私たちはステーキを食べようとしているのだから」

Courtney にとって、女性リスナーの存在はとても大きなものです。
「SPIRITBOX, BAD OMENS, SLEEP TOKEN, そしておそらく KNOCKED LOOSE が共通しているのは、他の同世代のバンドと比べて女性リスナーがかなり多いことだと思う。Rise-core 時代や emo 時代のバンドも同じだ。METALLICA のドキュメンタリーを見ても、その点で笑われていた。女性が好きなものは常に嘲笑されるものだけど、私はティーンエイジャーの女の子が文化の伝道者だと考えているのよ」
“Crystal Roses” や “Ride the Wave” では、ボトルの中、エコーチェンバーの中に閉じ込められる怖さを、島で育った自身と重ねています。
「私たちがこれまで作ったすべての作品—歌詞的にもサウンド的にも—は、コンセプトアルバムとして考えていて、このアルバムのすべての曲は互いに関連しているの。最後の曲は、私が話したすべてのものの集大成。奇妙なサウンドは実際、海の音だよ。それは説明するものではないけれど。聴く人にさりげなく伝われば幸いだよ。
歌詞的には、このアルバムは私自身が何者であるかを、私の頭の中で描いた自伝のようなもの。育った環境は、世界を見る方法に深く刻み込まれていると思いの。15歳の時、バンクーバー島に移住したんだ。そこで、私のバンドのメンバーである夫の Michael と出会ったんだ。孤立した島で暮らし、キャリアの夢を叶えるために難しい環境は、私を非常に孤立させたの。それは私の人格を大きく形作ったけど、同時に懐かしさも感じている。故郷の場所を美化してしまうというかね。そこにいた時は私を縛っていたのに、離れてからは懐かしむの。家族を恋しく思うからかな」

SPIRITBOX はずっと冷静で、”自分たちが何になりたいのかを模索中だ” と語り、創造性に過度のストレスをかけることで創作物を歪めてしまうことを避けてきました。
「それが私たちの本質だと思う。過去数年間、たくさんのクールでクレイジーな経験を積んできた。グラミー賞でレッドカーペットを歩き、インタビューを受けた。しかし、そのようなことを繰り返すほど、私たちはまだ最低賃金の昼間の仕事をしていて、バンドを立ち上げるのが不可能に思えた時代と、今もつながっていることに気づくんだ。あの経験は、”レッドカーペットに立つ” というイメージよりもずっと身近なの。ああしたイベントは日常の一部ではないし、慣れるまでには長い時間がかかるでしょう。そして、私たちにはそれが起こり続けるかどうかは本当にどうでもいいんだよ…」
シーンの連帯感がプレッシャーを和らげる一方で、その裏側には、新しい世代の象徴としてそのコミュニティを背負う重圧がかかってきます。Courtney は、SPIRITBOX が “目隠しをして、それについて考えないようにし、音楽が誰かの消費対象となるための流行戦略討論に陥らないようにする” と主張します。
「考えれば考えるほどストレスが増す。みんなが歌詞を全部知っているのは、私たちにとってまだ非常に奇妙なことだ。インターネット・バンドとして実家の地下室で生まれた私たちが、”未来のフェスティバルのヘッドライナー” と呼ばれるようになったのは奇妙な感覚だ。プレッシャーは確かに存在する。しかし、自分たちらしさを保ち、楽しむ音楽をリリースし続ける限り、非難されることはない。それが現実だ… 自分の音楽は、無限の可能性を持っていたいんだ」

Courtney はメタルを非常に “二元的な” ジャンルだと理解しています。
「バンドがスローな曲をリリースしたら、”彼らは今やスローな曲しか作らない” とか、本当にヘヴィな曲をリリースしたら、”バンドが戻ってきた。彼らは最もヘヴィな曲を作ったし、それが彼らの現在だ” とか。
私たちの世界では、極めて二元的なのよね。実際に、ミュージックビデオのプレミア上映中に人々を見ていると、”OK、彼女は30秒叫んで、今は45秒歌ってる。ああ、ダメだ! でも、ブレイクダウンがある、神様ありがとう。また好きになった” と。サイドバーで “これはひどい” と表示されていても、私が叫び始めると、彼らは “やった!” と反応する。
なぜそんな二元的になるのだろう。私は常に、地元のシーンや地域のシーンの一部ではないと感じていたの。常に少し外側にいるような感覚だった。そしてある日、誰かがクリックし、誰かが魔法の杖を振ったかのように、プロのメディアが “このバンドは素晴らしい。これが君たちが好きになるべきバンドだ” って言い出したんだ。でも、自分たちが “メタルコア・バンドだ!” なんて思ったことは一度もないんだよね」
SPIRITBOX はメタルのステレオタイプを破壊してここまできました。
「私たちは “1つのバンドの価格で2つのバンドを味わえる” と言っているの。人々がそれを好むかどうかは分からないわ。誰かに2つの異なる SPIRITBOX の曲を聴かせても、同じバンドだと気づかないかもしれないよね。
だから、すべてのバンドがそうではないことは知っているけど、流動性って大事だよね。私は “血統” や “こうしないとメタルではない“ という外部の圧力を感じていないんだ。なぜなら、私はメタルを聴いてきたのに “メタルではない” と言われ続けてきたから。誰が気にするの? DEFTONES のようなバンドがそれについてどう思っているのか、いつも疑問に思っているよ」

Courtney がメタルを聴き始めたのは遅く、だからこそこのジャンルはサブジャンルに囚われすぎだと感じています。
「18歳くらいまで、メインストリーム以外の音楽を聴いたことがなくてね。そして、私が初めて接したメタルは、Protest the Hero, Despised Icon といったカナダのバンドたちだった。Misery Signals はカナダ出身ではないけど、私たちは彼らをカナダのバンドとして数えているんだけどね。
つまり、自分で探した音楽ではなく、私の島にやってくる人たちの音楽だった。非常に露出が少なかったよね。そして少し年を取ってから…私は確かにエクストリームな音楽が好きだと気づいた。Job for a Cowboy の “Entombment of a Machine” をかけて、技術的な能力を聴き分けていたんだよね。他の同年代の人がメタル音楽を聴き始めるのとは異なる方法で聴いていたんだ。後からその音楽を学んだから、なぜこうしたバンドがこうした音をしているのかを理解する必要があった」
今や、インターネット空間には様々な批判や悪意が蔓延しています。差別や抑圧に抗い、多様性を認め合うことはどんどん難しくなっています。
「私たちは互いを守ろうとしているの。憎しみを増幅させたくないのよね。個人的には、自分自身のことに集中したいだけで、常に悪口を言いたくないんだよ。右派の振り子の揺れもどし、アルゴリズムによる人々の過激化…そして、メタルは私たちが思っていたよりずっと保守的だったのかもしれないね。もちろん、公の場で批判することはできるけど、それがまさにあの彼らが求めていることのように感じるんだ。だから私は成功を収め、持っている影響力を活用して影響を与えることを望んでいるのよね。
NINE INCH NAILS はいい例だよ。フェスで一緒になった時、彼らがステージを見て “私たちのステージに女性を配置し、多様な人種の人々を配置する必要がある。これは受け入れられない” と言ったことがある。私は “Wow、あのバンドの影響力だ。彼らはそうできるんだ” と思った。だから、いつか私もそうできるかもしれないし、私の同世代の多くもそうできるかもしれない。全員を知っているわけではないけど、彼らは私たちと同じように感じていると思う。だから、同志のバンドたちが成功すると、それが私たち全員を強化することになるんだよね」

SPIRITBOX にとっての同志とは、BAD OMENS であり、SLEEP TOKEN でしょう。
「私の周りにメタルを聴いたことのない人たちが、SLEEP TOKEN の音楽を聴いている。特別なケースだよね。彼らは断然最もポップ寄りのバンド。
彼らに会ったことはないけど、多分私たちや BAD OMENS に近い存在だと思う。彼らとこの話題について話したことはないけど、彼らも作った曲のジャンルについて考えたことはないと思う。それが良いか悪いかは分からない…でも少なくとも AI にこんな音楽は作れないよ」
SPIRITBOX の成功は、疑いながらも自分を信じて諦めなかったことから生まれました。
「私は本当に妄想的な人間で、人生がこうなることをずっと知っていた。その確信は、極度の自己疑念とペテン師症候群の霞の中で常にそこにあった。27歳の誕生日は “最悪の日” だった。決して忘れないよ。その日、私はコーヒーショップで一人で働いていた。他の従業員は全員病気で休んでいてね。コーヒーを作ったり、サンドイッチを作ったりしながら、誕生日なのに最低賃金の仕事をしていることに恥ずかしさでいっぱいだった。そして、誰かがミルクの瓶を倒してしまい、私は床に膝をついて掃除しながら、涙が溢れそうで、怒り始めた客たちに囲まれていたんだ。”27歳で、教育も金もなくて、前のバンドを辞めたばかりなのに、牛乳をこぼしただけで泣いてるなんて!”と。
それでも、SPIRITBOX の成功は私にとって起こるべきことだと分かっていた。私たちは次のことにばかり集中して、今この瞬間を生き、自分を褒めることを十分にできていないのかもしれない。私たちが既にどれほど遠くまで来たかを考えると、信じられないほどだよ…」
結局、Courtney は音楽 “オタク” だったかつての自分からその本質は変わっていないのです。
「そう、だから自意識過剰なんだと思う。高校のクールな連中はみんな私たちをボコボコにしただろうね。ただ不愉快だからいじめられるオタクっているでしょ? それが私たち。ただ不愉快なだけなんだ。 私たちは “私たちは違うから嫌われてるんでしょ? “でも、”違うよ、ただ君が嫌いなだけだよ “って言われるんだ (笑)。
でも、だからこそ私たちは奇妙な音楽を作ることができる。 みんなにバカにされるけどね (笑)」

参考文献: ELI ENIS :”Your whole family’s going down”: A blunt talk with Spiritbox singer Courtney LaPlante

KERRANG! :Spiritbox: “Every time I walk out onstage, I can’t believe this is my life”

GRAMMY AWARDS :On ‘Tsunami Sea,’ Spiritbox’s Courtney LaPlante Contemplates Adversity, Solidarity & Renewal

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【SLEEP THEORY : AFTERGLOW】


COVER STORY : SLEEP THEORY “AFTERGLOW”

“Nowadays, Heavy Bands Have Flipped The Script, Making Music For Everyone’s Ears. You Might Be The Sort Of Listener Who Considers Themselves a Pop Fan, But You Could Turn On a Sleep Token Song And Enjoy It.”

AFTERGLOW

「僕たちはアートを作るためにここにいる。 みんなと同じでは何も始まらないからね」
SLEEP THEORY のフロントマン、Cullen Moore の最初の記憶は、リビングのソファーで父とボビー・ブラウンの反抗的なアンセム “My Prerogative” を一緒に歌ったことでした。”誰の許可も必要ない 自分で決断をする それが自分の特権だ”。
このマインドセットは、メタルの境界を破る SLEEP THEORY に結実しました。そのポップな滑らかさとR&B の野性味は前例のない共鳴、共感を呼んだのです。彼らはラジオを支配し続け、今後の大規模なフェスティバル出演が成功を確固たるものにしています。
「ガソリン・スタンドで止まった時、父が “SLEEP THEORY がこんなに大きくなるなんて考えたことある?” と聞いてきた。僕はただうん、と答えて父に “それは僕が決して小さくさせなかったからだよ” と伝えたんだ。僕は僕が関わるものに対しては、競争心が強く、決して自分の水準を下回ることを許さない。そのアティテュードがどこから来たのかは分からない。ただ、ずっとそうだっただけだ。それは他の人より “優れている” ことではない。誰かが何かを成し遂げるのを見て、自分がどれだけできるか試したいという意欲なんだ。SLEEP THEORY が既に到達したレベルに達していなくても、それが実現するまで努力を続けるだけだ」
Cullen のその自信には、作られた要素は一切ありません。 テネシー州とミシシッピ州の州境の南側で音楽に囲まれて育った彼は、その場所を親しみを込めて “メンフィシッピ” と呼びます。その背景が、彼の自信の大きな要因となっているのです。ブルースの発祥地であるビールストリート、メンフィス・ラップの誕生地である粗野な街、そしてエルヴィスのグレースランドの豪華絢爛な世界など、アメリカを象徴する多くのサウンドは、彼の家の玄関から車で 30 分圏内で生まれました。
「みんなは、僕がいつ歌えるようになったのか尋ねてくるけど、正直覚えていない。ただずっと歌っているだけなんだだ。それが唯一、僕ずっとできてきたことだから。父はいつも歌っていた。祖母も。叔父も。もう一人の叔父も。叔母も。大叔母も。僕たちは皆歌手だった。そして皆自然にやっている。人生で経験した多くのことにおいて、音楽が関与していた。そして、それは僕の人格の核心的な部分となった。歌が人生であることを疑ったことは一度もないんだ」

粒子の粗いVHSで父親の音楽ビデオを見たことが、Cullen が歌を職業として実現可能だと確信するきっかけになりました。両親は息子に良い育ちと彼が得るべき機会を与えるために努力しました。時には、勉学を優先して音楽を “プランB” にすべきだと奨励しましたが、それは決して彼の道ではなかったのです。
「12歳から音楽をやっている。そして14歳からスタジオにいる」
まずは、創造的な道を模索することが第一でした。Cullen にとってヒップ・ホップに手を出すことは魅力的ではなく、父親から受け継がれた純粋なR&Bのバトンを継ぐこともありませんでした。そうして彼は、人生のコントロールを握るという別の目標から父親の足跡をたどり、アメリカ軍に入隊しました。ミシシッピ州コリントを拠点とする警備隊での3年間、それは自己肯定感の向上と現実の厳しさを同時に感じた経験だったのです。
「あの瞬間を鮮明に覚えている。軍隊では、自分を正す必要があると感じるから入隊する人もいる。僕はバランスの取れた家庭で育った。悪い子供ではなかった。だけど、大学を中退し、自分がどこへ行きたいのか、何をしたかったのか分からない状態だったんだ。数歳年下の友人と将来の計画について話していた時、彼は軍隊に行くと言った。僕は人生で何をしたいのか分からなかったから、同じように入隊を決意したんだ。父には話さなかった。父が軍に行かせたがっていたことは知っていたけど、もしそれが気に入らないものになったら、彼のせいにするのではなく自分で決めたことだと言いたかったから」
軍での経験は強さを養い、Cullen は自信を磨きました。同時に、日本のアニメは “良い人間” になる手助けをしてくれたと語り、”Naruto” のタトゥーを腕に刻みました。
「僕は常に非常に意志の固い人間だった。非常に頑固で、自然に自分自身に自信を持っていた。しかし、軍隊を経験したことで、すでに制御不能な炎のように感じていたものがさらに強まったんだ。軍隊は僕に冷静な判断力を与え、本当に僕のパーソナリティを1000倍に強化してくれた。そして、忍耐とチームワークを教えてくれたんだ。もし時間を遡れるなら、再び入隊するだろうか?一瞬の迷いもなく、イエスだね!」

2023年初頭、SLEEP THEORY はまだ無名でした。 彼らのラインナップが固まったのはつい最近のことで、名前が決まったのはそのほんの数ヶ月前のことでした。新曲 “Another Way” の17秒のプレビューを気まぐれにTikTokに投稿したときは、ほとんど期待もしていませんでした。しかし、36時間以内に再生回数は50万回を記録し、新たなファンの軍団が続々と押し寄せてきたのです。
その瞬間が SLEEP THEORY の物語から切り離せないのはたしかですが、Cullen は彼らが “一夜の成功” と受け止められることには皮肉を感じています。なぜなら、2018年に軍を退役した彼は、それからずっと地元のプロデューサー、David Cowell と二人三脚で歩んできたからです。
「メタルのブルーノ・マーズになりたいと David に言ったんだ。僕は次に何をするのか全くわからないような、そういう明確なアイデンティティを持ったアーティストになりたかったんだ。 David はその時点でメンフィスで最高のプロデューサーだったと思うけど、まだ注目されていなかった。そして今、彼はプロデューサーとして、そして SLEEP THEORY はバンドとしてブレイクを果たした。彼の天才ぶりが注目されるのはいいことだ!」
最初の数年間はスタジオ・プロジェクトでしたが、2021年にベーシストの Paolo Vergara を迎え入れ、本格的に活動を開始しました。Paolo の紹介でドラマーの Ben Puritt が参加するようになり、素晴らしいシュレッダー/スクリーマーである Ben の弟 Daniel が加わったことで、すべてがかみ合いました。
「俳優、プロデューサー、撮影監督がいる映画を作るとしたら、僕は監督みたいなものかな。 ギターを弾くことはできないけど、物事を見て、物事を聞いて、すべてがどこに向かうべきかを理解することはできる。 また、他の人たちに仕事を任せるために、自分のやり方から離れるべきときも学んできた。 最初のころは、まだ物事を理解しようとしていたけれど、今は、よりよく動くマシーンになったよ」

Cullen にとって、自身の作品にラベルを付けるプロセスは難しいものでした。他のバンド名として “Monolith”(暗すぎる)と “Wavelength”(ポップすぎる)を却下し、オンラインで科学用語を閲覧していた際に、”Sleep Theory” に決めました。
「これが正しいと感じる。口に馴染む。重すぎず、軽すぎず」
2023年にEpitaphからリリースされた “Paper Hearts” はEPでしたが、その6曲に費やされた時間と努力は、それ以上のものを感じさせる作品でした。そうして、David のSupernova Soundスタジオ(メンフィス北東部)と往復しながら “Afterglow” のレコーディングを行った Cullen は、これがそのEP以上の決定的な声明である必要があると悟ったのです。
「”Afterglow” は “Paper Hearts” の続きから始まる。情熱的だが最終的に抽象的な感情の枠組みで、僕たちがこれまで語ってきたストーリーに終止符を打つものだ。愛する誰かと共に多くのことを経験したにもかかわらず、まだ “私とあなた” の間で迷っている感覚を捉えているんだよ。その余韻—アフターグロウ—は僕をまだ悩ませているんだよ。そこには個人的な経験が含まれているけど、それは僕だけに限定されたものではない。このバンドのどのメンバーからも、または僕たちのプロデューサーからも来得るもの。もちろん、スタジオに入って “さあ、愛について話そう!” と言ったわけではないけど、アルバムの曲は共感できるものにしたいと思っていた。誰もが失恋を経験するので、意識的か無意識かに関わらず、そのことを書いたんだよ」
ヒップホップのビートとエレクトロのアトモスフィア、メタルコアの咆哮とR&Bの官能性が融合し、刺激的な作品を構成。緊張感あふれるアドレナリンの爆発、脆い切なさ、魂を揺さぶるカタルシスの瞬間を織り交ぜるアルバムは実にユニークです。例えば “Hourglass” は、A Day To Remember の全盛期を思わせるポップ・パンクとメタルコアの融合。”Stuck In My Head” は、失恋の物語に巨大なフックを埋め込んで煮詰めた共感の一曲。EPからの継続曲 “Numb” はアンセムで、”壊れた夢の目を覗き込む / 縫い目が裂けた新たな計画” と挑発的に歌っていきます。

しかし、最も心に響くトラックは、新曲 “III”(「スリーズ」と発音)でしょう。バンドから奪われた何かが “想像し得る最悪の形で汚された” というストーリー。その耳に残るフックと楽曲の成功は、彼らにとって最も満足のいく復讐となるでしょう。
「人生に酸っぱいレモンを与えられたら、そこからレモネードを作ればいい。そんな悪い経験をしても、それをヒット曲に変えればいいんだ!」
正直さと純粋なビジョンが全て。たとえそれが、彼らの成功が SNS の “バズ” から始まったとしても。
「僕は “TikTokアプローチ” をただ受け入れるつもりはない。トレンドには興味がないんだ。一時的なバズのためにここにいるわけじゃない。みんながやっているなら、僕はやりたくない。TikTokダンスをしたり、他所でよく見かけるような目立つためのクリップを作ったりする人間にはならない。それではただ、大衆に迎合するだけだ。
「”Another Way” の最初のティーザーでも、それは “夏のTikTokソング” を目指すことではなく、僕たちが目指すよりプロフェッショナルなイメージを確立するためだった。僕はTikTokの基準に妥協しない。僕たちはコメディアンになるためにここにいるのではない。アートを作るためにここにいる。それは他の人と同じ場所から始まるものではない」

Cullen には説教臭さも不自然な派手さもありません。急速に成功を収めたアーティストとしては、驚くべきほど傲慢さがないのです。そうして論理、問題解決能力、そして抗いがたい自然な好奇心が存在します。彼は、SLEEP THEORY の急激な上昇だけでなく、より広範な盛り上がるオルタナティブ・シーン全体、そして SPIRITBOX から SLEEP TOKEN まで新たなリーダーたちにも焦点を当て、変化の潮流を見据えています。
「昔の Bring Me The Horizon は、好きか嫌いかの二者択一だった。しかし、最近の新しい Bring Me The Horizon には、多くの異なる要素が絡み合っていて、多くの人々がその中から気に入るものを見つけることができる。歴史は繰り返す。2009年ごろ、ヒップ・ホップとポップが真のブームを迎えていて、ロックはその波についていけなかった。ほとんどのアーティストは、この音楽を幅広い層に受け入れられるようにする努力をしていなかった。もしそうしていたなら、彼らは Thirty Seconds To Mars や Imagine Dragons のようなカテゴリー(ポップサウンドを直接取り入れた)か、Kings Of Leon のようなバンド(ポップな曲作りを重視した本格的なバンド)に分かれてったはずだ。適切なバンドがとてもポップな感覚を学んでね。でも、実際はヘヴィなメタルコアやスクリーモのジャンルに入ると、それははるかに “好みが分かれるもの” だった。
でも現在、ヘヴィなバンドは方針を転換し、誰もが楽しめる音楽を作っている。ポップ・ファンを自認する聴き手でも、SLEEP TOKEN の曲を聴いて楽しむことができる。感情の幅も広くなっている。悲しみや暗いテーマばかりではなく、より共感できる内容で、古いバンドが扱っていた感情の幅を捉えているんだ」

“Stuck in My Head “の野外アコースティック・パフォーマンスにも彼らのポップ・センスが現れています。
「アコースティックで曲を歌うのが大好きなんだ。 このプロジェクトの背景にあるアイデアは、ヘヴィなギターをすべて取り除けば、ポップな曲になるということなんだ。 どんなメタルやロックの曲でも、アコースティック・ヴァージョンを作れば歌えるんだ。
この曲のライティングやメロディが、ポップ・ソングとして問題なく成立させているんだと思う。 もしカントリー・アーティストが “Stuck in My Head” をカヴァーしたら、間違いなく完璧に歌いこなせるだろう」
あの BACKSTREET BOYS でさえ、彼らの栄養となっています。
「”Static”のビデオ撮影で “I Want It That Way” を4人で歌った。バンの中でみんなで歌ってるけど、まあリハーサルするようなことじゃないよ。 ただ歌い始めるだけ! ミュージックビデオの撮影で、僕が “You are my fire/The one desire” と歌い始めたら、他のみんなも歌い始めた。 だからインスタグラム用にちょっと作ったんだ」
あの伝説的なバンドも彼らの一部となっています。
「どのバンド・メンバーも、演奏や作曲に関して最も影響を受けたアーティストがいる。だけど SLEEP THEORY のサウンドに関して言えば、LINKIN PARK は僕らの音楽を形成する上で重要な役割を果たした。サウンドだけでなく、曲作りへのアプローチやオーディエンスとのつながり方にも影響を与えている。 多様性を受け入れること、純粋な感情を表現すること、サウンドで実験すること、そして自分独自の芸術的な声に忠実であること…それはロックとオルタナティヴ・ミュージックの世界に忘れがたい足跡を残したバンドの影響を反映しているんだ」

BEARTOOTH と共に大規模な会場でライブを敢行し、WAGE WAR から NOTHING MORE, HOLLYWOOD UNDEAD まで、あらゆるバンドとステージを共有してきた SLEEP THEORY は、現在のヘヴィ・メタル界のトップクラスと肩を並べる能力を証明してきました。それでも、Cullen は青春時代聴いていたバンドを参考に、自身の道を模索しています。3つのフェイバリットを挙げるよう促されると、彼はさらに多くのバンドを挙げていきました。
「LINKIN PARK, FALL OUT BOY, PARAMORE と言えるかもしれない。でも DISTURBED, THREE DAYS GRACE, SAOSINとも言える。または WOE IS ME, DANCE GAVIN DANCE とも言える。僕にとって、一つに絞るには変数が多すぎる。難しいよ」
まず第一に、Cullen は音楽のファンであり、バンドのファンなのです。だからこそ、自分のバンドに対して他人が感じるファン心を、彼は最も誇りに思っています。たしかにストリーミング指標やチケットの売上は SLEEP THEORY の成功の一端を示すかもしれませんが、人間同士のつながりの電気のような力は、名声や富よりも価値があると信じています。
「”大きなバンド” になることは、人々の心を動かすことだ。それはほんの少しかもしれないけど、人々の生活を変えることだ。SLEEP THEORY の変化に気づいたのは、あるコンサートでのことだった。僕よりずっと年上の男性が写真撮影を求めて近づいてきた。彼が震えているのに気づき、大丈夫ですかと尋ねた。彼は “ヒーローに会うから緊張している” って。音楽が人々に影響を与えていることは知っていたけど、その瞬間、本当に実感したんだ。理解するのが難しかったよ。僕は人生のほとんどを、僕より年上の人々を尊敬してきたけど今や、僕より長く生き、多くの経験を積んだ人々が、僕を尊敬していると言っているんだからね!」
結局、最も重要なのは自分自身を満足させることです。様々な影響の中でも、Cullen はアトランタのメタルコアの先駆者 ISSUES、特に2019年のランドマーク作 “Beautiful Oblivion” を、最も模倣したいテンプレートとして挙げています。彼にとってこれは完璧なアルバムであり、自身のキャリアの終着点として無駄な曲の影も残さないことを理想としています。
「僕はマイケル・ジャクソンのようなアーティストを聴きながら育った。だから、これで十分だと言うような人間にはならない。平均的な曲は欲しくない。ただやり過ごすための曲も欲しくない。人々が僕のカタログを見て “素晴らしいけど、あの曲はもっと良くなれたはず…” と言うような曲も欲しくない。そして、ファンが聴きたいものを作りたいとは思っているけど、自分が作りたくないものは絶対に作らない。
人々はアーティストが聴き手に合わせるという考えに慣れすぎている。僕は誰にも合わせないよ。自分のやりたいことをやる。自分自身に忠実なだけだ。それに共感するかどうかはリスナー次第。僕は決して他人の気まぐれに屈しない。合わせることができない。それが本当に僕の本質だから」


参考文献: KERRANG!:Sleep Theory: “We’re here to make art. That does not begin with being the same as everybody else”

REVOLVER:TORNADOS, TIKTOK AND THE TRUTH: SLEEP THEORY TALK HIGHLY ANTICIPATED DEBUT ALBUM ‘AFTERGLOW’

LOUDWIRE: SLEEP THEORY INTERVIEW

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MAWIZA : ÜL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AWKA OF MAWIZA !!

“Our Song Wingkawnoamestá Is Based On The Dance Of The Wemul (Deer). It Has a Syncopated Rhythm Because This Animal Has The Wisdom To Confuse Its Predators, It Even Makes a False Step.”

DISC REVIEW “ÜL”

「僕たちはヘヴィ・メタルやロックの自由の叫びから、大きな力とエネルギーを見出したんだ。これは偶然ではないと感じているよ。自然とその精霊はメタルの力に気づいている。マプチェの知識では、マプ(土地)は最も身近なエネルギーを使うと言われている。MAWIZA は土地に仕える者だからね」
チリ・アルゼンチンに暮らす先住民、マプチェ族。マプは土地、チェは人を意味し、文字通り自らの生まれ育った土地を守りながら生きる人々。インカ帝国にも、スペインにも屈することなく独立を貫き続けた誇り高きマプチェの民は、その土地の自然とスピリチュアリティを何よりも大切にしています。そしてその自然や精霊から得られる大きな力、エンパワーメントがメタルとシンクロすることに MAWIZA は気づいたのです。自由の叫びと共に。
「僕たちの言語、マプズグン(土地の言語)は、19世紀末に抑圧されたため、現在復活の過程にあるんだ。マプズグンでフルアルバムをリリースすることは、それ自体がマプチェ復興のための活動であり、僕たちから奪われた場所を取り戻す行為でもある。
僕たちは、先住民の視点から現代の楽器を使用し、メタルを通じてこの活動を実践することで、エンパワーメント、力を得ている。それが、このアルバムで表現しようとしたものなんだ。
僕たちはマプチェの論理に基づいて音楽を構成しているから、自然、鳥、動物のリズム、海洋のパターンを模倣した音が聴こえるだろうね」
19世紀末、”アラウカニア制圧作戦” でスペインから独立したチリ政府に併合されたマプチェ族。以降彼らは、ピノチェトや国軍、大企業、もしくはヨーロッパから移住したチリのエリートから差別や迫害を受け、抑圧され、共に生き育てた自然を奪われていきました。マプズグンという彼らの言葉さえも奪われてしまいました。
いつの世も、植民者、征服者にとって先住民とは “なかったこと” にしたい存在です。それでも、マプチェとメタルには並外れた回復力、反発力、レジリエンスが宿っていました。MAWIZA はマプチェの言葉で歌い、マプチェのメタルを奏でることで、民族の復興を願っているのです。
「マプチェのリズムは先祖から受け継がれたもの。僕たちは、こうしたダンスを動物、風、海から学んだんだ。それはマプチェの民のコミュニティによって異なるんだよ。例えば、僕たちの曲 “Wingkawnoamestá” は、ウェムル(鹿)のダンスを基にしている。鹿は捕食者を混乱させる知恵を持ち、偽のステップを踏むため、シンコペーションのリズムが特徴となっているよ。実際、自然はメタルだよ」
そう自然はメタル。マプチェ復興の強い意志が込められた MAWIZA の最新作 “ÜL” には、雷のような轟音、風や海と地を揺るがすグルーヴ、情熱の炎と先祖から受け継いだ知恵とスピリチュアリティが織り込まれています。”ÜL” の詠唱はまさに土地の声。”Wingkawnoam” はインダストリアルで現代的なビートで進行しますが、その音はマプチェの儀式用ドラム “Kultxung” で叩き出されています。 Kultxung は神聖な楽器。シャーマンがこのドラムを叩くとき、彼らは空のエネルギーを受け取り、それを大地に伝えると言われています。
そうして彼らはシャーマンの言葉、先祖の夢託により、鹿のステップをプログレッシブなリズムに落とし込みました。自然の力である鹿を自らに見立て、植民者たちの目を撹乱するために。そう、マプチェの土地は今でも自然との共存とは程遠い開発業者の侵食に脅かされています。それでも、MAWIZA は先祖や長老から受け継いだ知恵、そして自然とメタルのエンパワーメントで力強い抵抗を続けていきます。彼らが紡ぐのは、血に飢えた征服者の目ではなく、土地と生きる先住民の目から見た歴史。
今回弊誌では、ボーカリスト Awka にインタビューを行うことができました。「MAWIZA とは “山” を意味する。現在僕たちが住むピクン・マプ(北部の土地)では、アンデス山脈が圧倒的な規模で広がっていてね。毎日、太陽がアンデスの背後から昇る光景は息をのむほど美しいものだ。冬には雪に覆われ、時にはピューマが山から下りてくる。森と山は多くの命が交わる場所。そこでは水、滝、多様な樹種、薬草、動物が共存しているんだよ」GOJIRA の Joe Duplantier もゲスト参加。どうぞ!!

MAWIZA “ÜL” : 10/10

INTERVIEW WITH AWKA

Q1: First, can you tell us what kind of music you grew up listening to?

【AWKA】: Mari mari! rume mañum tüfachi ngütxam mew. (Hello! thank you for this interview)
I grew up listening to very diverse music. At home, with my grandparents, there was always Latin American music.
From my uncles I discovered rock and metal. They even played drums and guitar.
Getting to know this bold and powerful musical language was a turning point for me.
It matched perfectly with the message and sense of identity that would later shape Mawiza.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【AWKA】: マリマリ!ルメ・マヌム・トゥファチ・ングツハム・メウ。(こんにちは!インタビューの機会をありがとう!)
僕は非常に多様な音楽を聴いて育ったんだ。祖父母と過ごす家では、常にラテン・アメリカの音楽が流れていたね。
それから、叔父たちからはロックとメタルを学んだよ。彼らはドラムやギターを演奏していたんだ。この大胆で力強い音楽言語を知ることは、僕にとって転機となったんだよ。
その音楽は、後に MAWIZA を形作るメッセージとアイデンティティの感覚と完璧に一致していたんだ。

Q2: Is metal music active in Chile? What kind of scene is forming?

【AWKA】: Metal in Chile is very active. Even though it’s a marginal style and not what usually gets promoted, there are tons of bands from all kinds of subgenres.
There’s a strong scene connected to 80s metal, and in the last 10 years a wave of modern bands has appeared, with elements of death prog, metalcore or djent.
In the context of the Mapuche Nation, the scene is divided between rap and metal.
In the eastern side of Mapuche territory, which is now Argentina, rock is more common, there are many heavy and black metal bands.
But in our side of the land, west of the Andes, what’s now Chile, rap is more present.
We actually made a song called Txükür, featuring our lamngen (Mapuche sister) MC Millaray Collio, a rapper. That’s how we unite forces between contemporary Mapuche musicians.

Q2: チリでメタルはどんな状況なんでしょう?どのようなシーンが形成されていますか?

【AWKA】: チリのメタルは非常に活発だよ。たしかにマイナーなジャンルで、通常はプロモーションされないものの、あらゆるサブジャンルから数多くのバンドが存在しているんだ。
基本は80年代のメタルに根ざした強力なシーンがあり、過去10年間でデス・プログ、メタルコア、Djent などの要素を取り入れた現代的なバンドの波が台頭しているんだ。
マプチェ民族の文脈においては、そのシーンはラップとメタルに分かれているよ。マプチェの土地の東部、現在のアルゼンチン側ではロックがより一般的で、ヘヴィ・メタルやブラックメタルのバンドが数多く存在する。
しかし、アンデス山脈以西の僕たちの土地、現在のチリ側ではラップがより浸透しているんだ。
だから僕たちは、マプチェの姉妹である MC Millaray Collio をフィーチャーした “Txükür” という曲を作ったんだ。これが現代のマプチェ音楽家たちの連携の象徴なんだ。

Q3: I heard that your metal is a song for the Mapuche people, is the band actually Mapuche people too? What is the meaning behind the band name Mawiza?

【AWKA】: Our music is extreme Mapuche music. All of us are Mapuche descendants. We have our lof (Mapuche community) where we practice our spirituality, constantly learn, and hold our ceremonies.
Mawiza means the mountain. Where we live now, in Pikun Mapu (northern territory), the Andes are incredibly huge. Every day the sun rises behind them, it’s a breathtaking image.
In winter they’re covered in snow, and sometimes pumas come down from there.
The forest and the mountain are places where many lives meet, there’s water, waterfalls, different tree species, medicine and animals.
As an Indigenous people, we learned to communicate within the mountain, inside the forest. That’s what our ancestors say.
As a Mapuche band, we want to bring a piece of our nature, of our being, to different parts of the world, to connect with the essential, with the powerful energy of nature.

Q3: MAWIZA のメタルはマプチェの人々ためのメタルだと聞きましたが、バンドのメンバーもマプチェに由来があるんですよね?また、バンド名 MAWIZA にはどんな意味が込められていますか?

【AWKA】: 僕たちの音楽はエクストリームなマプチェ音楽。全員マプチェの末裔だからね。僕たちは今でもロフ(マプチェのコミュニティ)でスピリチュアリティを鍛錬し、学び続け、儀式を執り行っているんだ。
MAWIZA とは “山” を意味する。現在僕たちが住むピクン・マプ(北部の土地)では、アンデス山脈が圧倒的な規模で広がっていてね。毎日、太陽がアンデスの背後から昇る光景は息をのむほど美しいものだ。冬には雪に覆われ、時にはピューマが山から下りてくる。
森と山は多くの命が交わる場所。そこでは水、滝、多様な樹種、薬草、動物が共存しているんだよ。
先住民として、僕たちは山の中、森の中でコミュニケーションを学んだんだ。それが先祖たちの言葉だから。
マプチェの民として、僕たちは自然の一部である僕たちの存在を世界の様々な地域に持ち込み、自然の不可欠で強力なエネルギーとつながりたいと考えているんだ。

Q4: What makes Mapuche great is that it has always defended its independence without succumbing to the rebellion of the Inca Empire or Spain, right? I feel that such resilience is in perfect harmony with the resilience that resides in metal, would you agree?

【AWKA】: Absolutely. We’ve heard that around the world, we are known for our resilience, for being one of the few peoples who never gave in to the Spanish empire.
That resistance kept our independence as a free Indigenous nation until the late 1800s.
After that came what’s called the “Pacification of Araucanía” in Chile and the “Conquest of the Desert” in Argentina, and the Mapuche Nation was stripped of its territory and autonomy.
As descendants of Mapuche who migrated to big cities, we were surrounded by foreign cultural elements. But we found great strength and energy in heavy music, the cry of freedom in rock.
We feel it’s not a coincidence. Nature and its spirits are aware of this. In Mapuche knowledge, it’s said that the mapu (land) uses the energy that’s most available to her. Mawiza serves the land.

Q4: マプチェが偉大なのは、インカ帝国やスペインの反乱に屈することなく、常に独立を守り通してきたところですよね?そうしたレジリエンス (反発力、回復力) は、メタルに宿るレジリエンスと完璧に調和していると感じますよ。

【AWKA】: 間違いなくその通りだね!世界中で、僕たちマプチェは世界中にそのレジリエンスで知られていて、スペイン帝国に屈しなかった数少ない民族の一つだと誇りを持っているんだ。その抵抗があったから、19世紀後半まで自由な先住民国家としての独立を維持できたんだからね。
その後、チリでは “アラウカニアの平定”、アルゼンチンでは “砂漠の征服” と呼ばれる動きが起き、マプチェ民族は領土と自治権を奪われてしまった。
都市部に移住した僕たちマプチェの末裔にとって、周囲は外国の文化要素に囲まれている。しかし、僕たちはヘヴィ・メタルやロックの自由の叫びから、大きな力とエネルギーを見出したんだ。
これは偶然ではないと感じているよ。自然とその精霊はメタルの力に気づいている。マプチェの知識では、マプ(土地)は最も身近なエネルギーを使うと言われている。MAWIZA は土地に仕える者だからね。

Q5: I was told that the title of the album “Üi” means “chanting. “In fact, the Mapuche must have made great sacrifices to fight the Incas and the Spanish. Are you channeling those heroic spirits in this album?

【AWKA】: You’re right. ÜL means chant. According to rakizuam (Mapuche thought), chanting is the first moment of communication between our feelings and the world around us.
Our music is full of empowerment and the will to resist. But we never forget that we’re not fighting for ourselves, we are deeply connected to the land.
We are part of nature, children of the earth and the sky, we are the forest defending itself.
Our chant is just another extension of the anger of the oceans and volcanoes.
As Mapuche, we’re sure of this, and believing it every day means being ready to resist whatever comes, whether it’s the Inca Empire, the Spanish Crown or the Chilean state. We will die fighting on our land.
The songs in ÜL try to carry all this feeling, and also invite people to connect deeply with their own territory, whether they are Indigenous or not.
Nature is above our heads and beneath our feet.

Q5: アルバムのタイトル “ÜL” とは “チャント” “聖歌、詠唱” という意味だと聞きました。
実際、マプチェはインカとスペイン、チリ政府との戦いで大きな犠牲を払ったに違いありません。このアルバムの “チャント” で、その英雄的な霊を呼び起こしているのでしょうか?

【AWKA】: その通りだよ。”ÜL” は “チャント” を意味する。
ラキズアム(マプチェの思想)によると、歌は僕たちの感情と周囲の世界との最初のコミュニケーションの瞬間なんだ。
僕たちの音楽は力強さと抵抗の意志に満ちている。だけど僕たちは決して自分たちのために戦っているわけではないことを忘れないよ。僕たちは土地と深くつながっている。僕たちは自然の一部であり、大地と空の子であり、森が己を守るために遣わされた存在だ。 だから僕たちの歌は、海の怒りと火山の大地への怒りの延長に過ぎないんだよ。
マプチェとして、僕たちはこの理を確信していて、毎日それを信じることは、インカ帝国、スペイン王国、チリ政府のいずれが来ようとも抵抗する準備を整えることにつながるんだ。僕たちは自分たちの土地で戦いながら死んでいくだろう。
“ÜL” の曲は、こうした感情を伝え、また、先住民であろうとなかろうと、人々が自身の土地と深くつながるよう促しているんだ。
自然は僕たちの頭上にあり、足元にある。

Q6: In fact, does oppression and discrimination against the Mapuche people still exist today? Does the album also contain a force against it?

【AWKA】: Yes, it still exists. Our language, Mapuzugun (the language of the land), is being revitalized because it was silenced in the late 1800s.
Releasing a full album in Mapuzugun is, in itself, an act of Mapuche activism, of reclaiming the spaces that were taken from us.
We feel empowered doing this through metal, using modern instruments from an Indigenous perspective.
That’s what we tried to express in these 9 new songs.
We conceived the music based on Mapuche logic, that’s why you’ll hear sounds that imitate nature, birds, animal rhythms, ocean patterns.

Q6: 実際、マプチェ民族に対する抑圧と差別は現在も存在しているのでしょうか?

【AWKA】: そうだね、今も存在しているよ。僕たちの言語、マプズグン(土地の言語)は、19世紀末に抑圧されたため、現在復活の過程にあるんだ。
マプズグンでフルアルバムをリリースすることは、それ自体がマプチェ復興のための活動であり、僕たちから奪われた場所を取り戻す行為でもある。
僕たちは、先住民の視点から現代の楽器を使用し、メタルを通じてこの活動を実践することで、エンパワーメント、力を得ている。それが、この9曲の新曲で表現しようとしたものなんだ。
僕たちはマプチェの論理に基づいて音楽を構成しているから、自然、鳥、動物のリズム、海洋のパターンを模倣した音が聴こえるだろうね。

Q7: “ÜL” is great in its philosophy and, of course, in its music!In fact, it felt like a modern update of the great metal era of the 90’s with black metal, groove metal, nu-metal, and industrial, would you agree?

【AWKA】: Our influences in rock and metal are super varied. We love 90s metal like Sepultura. But also black metal and its origins in those dense European forests.
It wasn’t really planned to make this kind of metal in Mawiza, it just came naturally.
We don’t try to stick to any subgenre. We stay true to what each song needs.
And of course, when writing songs with a traditional Mapuche logic, ancestral rhythms appear, and they bring a lot of groove.
To mix ÜL, we used the latest Periphery album as a big reference, we loved the sound they got.
We wanted that crystal-clear sound, mixed with an incredible burst of power.

Q7: “ÜL” は哲学的にも、もちろん音楽的にも素晴らしい作品ですね!
実際、これは90年代のメタルを現代的に再解釈したような、ブラックメタル、グルーヴ・メタル、Nu-metal、インダストリアルにマプチェの響きを融合させた作品だと感じます。

【AWKA】: 僕たちのロックとメタルの影響は多岐にわたる。90年代のメタル、例えば SEPULTURA のようなバンドが大好きだよ。でも同時に、ヨーロッパの深い森に起源を持つブラックメタルも愛している。
MAWIZA でこうしたメタルを作ることは計画ではなかったんだ。自然に生まれたものだった。僕たちは特定のサブジャンルに固執していない。各曲が必要とする要素に忠実なだけなんだ。そしてもちろん、伝統的なマプチェの論理で曲を書く際、先祖代々のリズムが現れ、多くのグルーヴをもたらしてくれる。
実は “ÜL” をミックスする際、僕たちは PERIPHERY の最新アルバムを大きな参考にしたんだ。彼らのサウンドが大好きだからね。僕たちは、あのクリスタル・クリアなサウンドと、信じられないほどのパワーの爆発を組み合わせたかったんだ。

Q8: Above all, the album beautifully combines Mapuche folk music with metal! What are the characteristics of Mapuche music and how did you combine them with metal?

【AWKA】: Mapuche rhythms are inherited from our ancestors. They say we learned these dances from animals, the wind, and the sea.
It depends on each community across the Mapuche Nation.
For example, our song Wingkawnoamestá is based on the dance of the wemul (deer).
It has a syncopated rhythm because this animal has the wisdom to confuse its predators, it even makes a false step.
Nature is metal. The energy of volcanoes, of lightning, it’s overwhelming.
The sound of thunder is something we try to recreate in many ceremonies.
We know that newen (force) is needed to live in küme mongen (good balance).
The spirits of our ancestors, and nature itself, often demand that kind of strength.
We are people who understand how necessary great forces are, that’s why metal fits so well with our way of thinking.

Q8: 実際、このアルバムはマプチェの民族音楽を世界に知らしめるものにもなりました。マプチェ音楽の特徴と、どのようにメタルと融合させたのかを教えていただけますか?

【AWKA】: マプチェのリズムは先祖から受け継がれたもの。僕たちは、こうしたダンスを動物、風、海から学んだんだ。それはマプチェの民のコミュニティによって異なるんだよ。例えば、僕たちの曲 “Wingkawnoamestá” は、ウェムル(鹿)のダンスを基にしている。鹿は捕食者を混乱させる知恵を持ち、偽のステップを踏むため、シンコペーションのリズムが特徴となっているよ。
実際、自然はメタルだよ。火山や雷のエネルギーは圧倒的。雷の音は、僕らが多くの儀式で再現しようとしているものなんだ
僕たちは、クメ・モンゲン(良いバランス)で生きるためにはニューエン(力)が必要だと知っている。先祖の霊や自然そのものが、そのような力を求めることがある。
僕たちは、大きな力がどれだけ必要かを理解する民だ。だからこそ、メタルは僕たちの思考方式にぴったり合うのだろうな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED AWKA’S LIFE!!

Beatriz Pichi Malen

Sepultura “Roots”

Metallica “Ride the Lightning”

Cardiacs “Sing to God”

Gojira “The Way of All Flesh”

And lots of Mapuche music from our ceremonies.

MESSAGE FOR JAPAN

We are die-hard fans of Studio Ghibli. We are deeply moved by the way they use art to express the need to care for nature and the power of its spirits.
We believe that Japanese and Mapuche cultures are very similar, both are rich in respect, diplomacy, family lineages, and a deep bond with the forest.
It would be an honor for us to one day travel to Japan or create music for an anime.
To the people of Japan, we want to say thank you for this space and for reading our zuam (intention). Despite the distance, newen (spiritual energy) exists, and it is very similar. Txürngey tayu newen! (May our energies be united!)

僕たちはスタジオ・ジブリの熱狂的なファンなんだ。彼らがアートを通じて自然への配慮の必要性と、その精霊の力を表現する手法に深く感動しているよ。
僕たちは、日本とマプチェの文化は非常に似ていると信じていてね。どちらも 尊重、関係、家族系譜、そして森との深い絆に富んでいるからね。
いつか日本を訪れるか、アニメのための音楽を制作する機会を得られるとしたら、僕たちにとって大きな栄誉だよ!
日本のみんな、僕たちのズアム(意図)を読んでくれてありがとう!距離はあっても、ニューエン(霊的なエネルギー)は存在し、つながっている。 ツゥルンゲイ・タユ・ニューエン! (僕たちのエネルギーが一つになりますように!)

AWKA

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SEASON OF MIST

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