NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OUT OF NOWHERE : DEJA VU】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AMIN YAHYAZADEH OF OUT OF NOWHERE !!

“Iran Is Very Suppressive And Many Things That Are Normal Anywhere Else In The World Is Forbidden Here. This Includes Most Of Music Genres And The “Most Illegal” Of Them All Is Metal.”

DISC REVIEW “DEJA VU”

「残念ながらイランの政府は非常に抑圧的で、他の国では普通のことでも、ここでは禁じられていることがたくさんあるんだ。音楽もほとんどそうで、その中でも “最も違法” なのがメタルなんだ。刑務所に入れられた友人もいたし、その他にもいろいろなことがあってね…。音楽は僕たちを生かしてくれた唯一のもので、決してやめられない。だから、国を出たんだ」
イランからトルコへ。OUT OF NOWHERE という名前を体現する根無草のメタル集団は、母国の厳しい道徳的ルールと対峙しながら10年以上かけて自分たちのサウンドを磨き上げ、常に脅かされながら演奏し、危険と隣り合わせの夢を追い求めてきました。2021年、バンドは自分たちの創造的な可能性をさらに追求し、音楽を作ることで逮捕される心配のない活動をするためにトルコに移住します。そこで起こったあの大地震。彼らの情熱は今、革命の始まりのように純粋なイランの人々、そして大災害にも負けないトルコの人と共にあります。メタルの回復力、反発力と共に…
「僕たちはこのビデオをイランの女性たちに捧げた。基本的な自由のために戦い、政府によって殺されようとしている人たちに。彼女たちは僕たちの姉妹だから。イランの若い世代は、僕たちに大きく勇敢である方法を教えてくれた。彼らは、自分たちの若さと未来が台無しになることを望んでいない。僕たちイラン人は暴力的な人間ではないよ。どこの国の人でも自由を持つ権利があるけど、僕たちは基本的な自由さえ持っていなかった。言論の自由もない。政権の弾圧のために、僕たちの夢のほとんどは6フィートの深さに埋もれてしまった。でも、イランで兄弟姉妹が毎日殺されているのに、黙っているわけにはいかないじゃないか」
“Wrong Generation” は、抗議活動を悩ませた当局の暴力や、イラン人女性から基本的な自由を奪い続ける抑圧的な支配を非難するプロテスト・ソングで、協調のアンセム。彼らの情熱的な抗議の形であり、もううんざりだと判断した女性や若者の怒りを代弁しています。
昨年、22歳のイラン系クルド人ジナ・マフサ・アミニは、イランのガイダンス・パトロール(この地域の迫害警察をより洗練した言葉で表現したもの)に拘束されました。彼女の罪は、政府の基準に従って伝統的なヒジャブを着用していなかったことです。アミニは逮捕後まもなく、テヘランの病院で不審な死を遂げます。この事件をきっかけに、テヘランの女性や若者たちは伝統的な圧制に終止符を打つために街頭に繰り出しました。
デモに参加したことで約18,055人が拘束され、その結果、437人が死亡したと伝えられています。イランのサッカー代表チームも自国の女性たちとの連帯を示し、ワールドカップ初戦のイングランド戦に向けて、世界中の観客が見守る中で自国の国歌を歌うことを拒否しました。そうして、自由への連帯は “最も違法“ で悪魔の音楽とみなされていたヘヴィ・メタルにも広がっていきました。OUT OF NOWHERE はそうして、自由への障害となる壁を、地理的にも、社会的にも、音楽的にも壊していくことを望んでいるのです。
「サントゥールはイランでとても人気のある楽器で、さまざまなジャンルで広く使われているんだけど、エレキギターやメタル・ミュージックのサウンドと組み合わせることは、これまでになかったこと。僕たちは、それを最高の形で実現し、イランの伝統的な楽器のひとつを世界に紹介することに挑戦したんだ」
抑圧的な社会や法律から逃れるためにイランからトルコに移住した OUT OF NOWHERE は、国を超えた境界線だけでなく、音楽における固定観念も打ち破りました。”Deja Vu” の最初の1分間で、彼らの創造的な遺伝子に ARCHITECTS のダイナミズムと POLYPHIA の野心が眠ることをリスナーはすぐに察知するでしょう。同時に彼らは、飽和し、変身の時を迎えたモダン・メタルコアというサブジャンルに対して、その解決策の一つを提示して見せました。自らのアイデンティティであるサントゥールの使用です。あまりにもドラマティックで劇的なルーツの提示は、自分たちが何者で、どこから来たのか、どこへ進むべきなのかを瞬時に知らしめる音の魔法。そうして彼らは、音楽においても、社会においても、適切な変化と自由の重要性を世界へと訴えかけます。
今回弊誌では、フロントマン Amin Yahyazadeh にインタビューを行うことができました。「これまで僕たちは、常に逆風の中生きて来た。でもね、すべてが自分にとって不利でどうしようもないときでも、僕たちはヘッドホンをつければ別世界に行くことができたから。悲しいときやストレスがあるときだけでなく、楽しいときでも、音楽はいつも君のそばにいて、元気にしてくれる。だからこそ、僕たちは音楽を作ることができることに本当に感謝しているんだよ」どうぞ!!

INTERVIEW WITH AMIN YAHYAZADEH

Q1: First of all, I would like to express my deepest sympathy and condolences to the families of those who lost their lives and those who were affected by the earthquake in Turkey/Syria. Are you and your band okay now?

【AMIN】: Hi, thanks for having us. It was a really unfortunate event and many people lost their lives. The earthquake did not affect us and our families and we are safe. hope this do not happen again for anyone anywhere in the world. It’s really devastating seeing the photos and videos of it. We offer our deepest condolences to everyone who has been affected by the earthquake.

Q1: まずは、トルコ/シリアの大地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。あなたとバンドは今どういった状況ですか?

【AMIN】: こんにちは!インタビューをありがとう。本当に残念な出来事で、多くの人たちが命を落としてしまった。幸運にも、地震は僕たち家族には影響を与えず、僕たちは無事だよ。こうした悲劇が世界中の誰にも二度と起こらないことを願っているよ。被災地の写真やビデオを見ると、本当に悲惨な気持ちになるよね…。今回の地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

Q2: Japan is also an earthquake-prone country and has caused a lot of damage, so I understand your grief. It is because of these situations that music and performances can help, would you agree?

【AMIN】: Totally. Music has always been a kind of treatment and therapy for us. When everything is against us and there’s nothing we can do about it, we put our headphones and go to another world and I dont mean just for sadness and stress, It doesnt matter if you’re sad or happy or whatever, music is always there for you to make you feel better and we are really grateful of being able to create music.

Q2: 日本も地震大国なので、あなたたちの恐怖や悲しみはよくわかります。ただ、こういう状況だからこそ、音楽の力が助けになるのではないですか?

【AMIN】: 全くその通りだよね。音楽はいつも僕たちにとって、一種の治療であり、セラピーであり続けている。
これまで僕たちは、常に逆風の中生きて来た。でもね、すべてが自分にとって不利でどうしようもないときでも、僕たちはヘッドホンをつければ別世界に行くことができたから。
悲しいときやストレスがあるときだけでなく、楽しいときでも、音楽はいつも君のそばにいて、元気にしてくれる。だからこそ、僕たちは音楽を作ることができることに本当に感謝しているんだよ。

Q3: You are a band from Iran who immigrated to Turkey, and your experience has resulted in a very personal song called “Dying Sun”. I interviewed CONFESS from Iran before, but they are in Norway now because of the terrible oppression by the government. Did you guys leave your country for the same reason?

【AMIN】: Yeah, unfortunately the government in Iran is very suppressive and many things that are normal anywhere else in the world is forbidden here. This includes most of music genres and the “Most Illegal” of them all is metal. We had friends who were sentenced to prison and a lot more. Since music is the only thing that kept us alive, we didn’t want to risk our lives and get stuck behind the bars for only creating music. I guess you know the news about what the government has done to people recently. We released a track “Wrong Generation” and we made a full article about the whole situation with Knotfest.
We dedicate this video to the women of Iran. To those who are fighting for their basic freedom and getting killed by the Government. These are our sisters, we lived there, and we feel people in our hearts. The young generation in Iran taught us how to be big and brave. They don’t want their youth and future ruined. We (Iranian People) are not from the violent generation. Everyone from everywhere has the right to have freedom, but we didn’t have even the basic ones. Also, we don’t have freedom of speech. Although we are young, most of our dreams were buried six feet deep because of the regime’s suppression, but we can’t stay silent when our brothers and sisters are getting killed every day in Iran.

Q3: OUT OF NOWHERE はイランからトルコへ移住したバンドで、その経験が “Dying Sun” という楽曲になりました。同様に、イランからノルウェーに脱出した CONFESS も、イラン政府による抑圧を口にしていましたが…

【AMIN】: そうだね…残念ながらイランの政府は非常に抑圧的で、他の国では普通のことでも、ここでは禁じられていることがたくさんあるんだ。音楽ジャンルもほとんどそうで、その中でも “最も違法” なのがメタルなんだ。刑務所に入れられた友人もいたし、その他にもいろいろなことがあってね…。
音楽は僕たちを生かしてくれた唯一のもので、決してやめられない。だから、国を出た。音楽を作ることだけで命を危険にさらし、牢屋に閉じ込められるのは嫌だったんだ。最近、政府が人々に何をしたかというニュースは知っていると思う。ヒジャブをつけなかっただけで殺されたマフサ・アミニのことだよ。それで僕たちは “Wrong Generation” というトラックをリリースした。
僕たちはこのビデオをイランの女性たちに捧げた。基本的な自由のために戦い、政府によって殺されようとしている人たちに。彼女たちは僕たちの姉妹だから。イランの若い世代は、僕たちに大きく勇敢である方法を教えてくれた。彼らは、自分たちの若さと未来が台無しになることを望んでいない。僕たちイラン人は暴力的な人間ではないよ。どこの国の人でも自由を持つ権利があるけど、僕たちは基本的な自由さえ持っていなかった。言論の自由もない。政権の弾圧のために、僕たちの夢のほとんどは6フィートの深さに埋もれてしまった。でも、イランで兄弟姉妹が毎日殺されているのに、黙っているわけにはいかないじゃないか。

Q4: We have interviewed bands from various Islamic countries, such as Iran and Pakistan, who have told us that metal music was suppressed as satanic music in Muslim countries. What do you think of heavy metal in your daily life? Are there any religious or political differences between Iran and Turkey?

【AMIN】: Well, first thing is that living and being born in an islamic country doesn’t mean that you are a muslim. but as you already mentioned, they call this genre satanic and anyone who’s involved in creating it is called “Satanist”. Metal and rock is what we’ve grow up with and it’s a part of our daily lives for years. All these rules and situations in Iran, never affected us in any way. We know our goal and we’d do anything to reach it, so yeah it might made it harder for us but that’s what we’re set to do no matter what. In Iran, everyone had to look on you and check you and try to “Correct” you but at least it’s not the case here in turkey. everyone is minding their own business and as long as you not hurting anyone it’s safe and sound.

Q4: これまで、イスラム国家のバンドにもインタビューを重ねてきましたが、その多くは抑圧や不自由を口にしていました。イランからトルコに移った今はどうですか?

【AMIN】: まず、イスラム教の国に住んでいても、生まれても、イスラム教徒であるとは限らないことは述べておかなければならないね。
だけど、君がすでに述べたように、イスラムの政府はこのジャンルを悪魔的と呼び、それを作ることに関与する人は “悪魔主義者” と呼ばれることになる。
メタルやロックは、僕たちが育ってきた背景で、長年にわたって日常生活の一部となっている。だからイランでのこうした抑圧や状況は、決して僕らに影響を与えるものではなかったんだ。自分たちのゴールは決まっているし、そのためには何でもする気持ちでいた。
だから、確かに難しくなったかもしれないけれど、何があっても、それが自分たちのやるべきことなんだ。イランでは、誰もが他人のことを見て、チェックして、”矯正” しようとした。ここトルコでは誰もが自分の仕事に専念していて、誰かを傷つけない限りは安全で健全だよ。

Q5: Now let’s talk about music. I don’t get the impression that heavy metal is very popular in the Persian region, how did you get into metal in those places?

【AMIN】: Well actually it’s not. anyone who listens to metal here, has their own story. When I got into metal music, the internet wasn’t even working correctly here. I had a friend who got a disc from his uncle and he gave it to me. Inside it were albums from System of a Down, Slipknot, Linkin park and .. When I started listening, it was like I found what I was searching for my whole life and it set my path here.

Q5: では音楽について話しましょうか。ペルシャというメタルから遠い場所で、メタルにハマった経緯から教えていただけますか?

【AMIN】: 実際はそうでもないんだよ。まあだけど、ここでメタルを聴いている人なら誰でも、それぞれのストーリーがあるはずだ。僕がメタルに目覚めたとき、ここではインターネットはまだ正しく機能していなかった。叔父さんからディスクをもらった友達がいて、それを僕にくれたんだ。中には SYSTEM OF A DOWN, SLIPKNOT, LINKIN PARK…そうしたアルバムが入っていたんだ。
聴き始めると、まるで自分がずっと探していたものを見つけたような気がして、ここでの道が決まったんだよ。

Q6: But “Deja Vu” still amazes me! Aren’t you the first metal band to use the Santoor Hammered Dulcimer? And it’s not only unusual, but the presence of that instrument makes the song really great, doesn’t it? What was your reason for using that instrument?

【AMIN】: Well, as far as we know there isn’t any other band doing it. Santoor is a very popular instrument in Iran and it has been used widely in many genres but combining it with the sound of electric guitar and metal music was something that never happened before. We set a challenge to try and make it happen in the best possible way and show the world one of Iran’s traditional instruments. We are really happy that you liked it.

Q6: それにしても、新曲の “Deja Vu” には驚かされましたよ!ペルシャの民族楽器であるサントゥールをここまで大々的にフィーチャーしたメタルバンドはあなたたちが初めてではありませんか?

【AMIN】: まあ、僕たちが知る限りでは、他にやっているバンドはいないよね。サントゥールはイランでとても人気のある楽器で、さまざまなジャンルで広く使われているんだけど、エレキギターやメタル・ミュージックのサウンドと組み合わせることは、これまでになかったこと。僕たちは、それを最高の形で実現し、イランの伝統的な楽器のひとつを世界に紹介することに挑戦したんだ。気に入ってもらえたようで、本当にうれしいよ。

Q7: Of course, like Orphaned land, there are many metal bands these days that use Middle Eastern and Persian instruments and traditional music, but your music is very modern and that is what makes it so unique, right?

【AMIN】: Bands like Orphaned Land, have this approach of using traditional instruments in most of their tracks and it’s part of their original sound. It’s not the same with us, it was like probably a one-time challenge for us to try to combine santoor sound in our track and as you listen to our previous tracks you might notice that we are not an oriental band.

Q7: ORPHANED LAND のように、中東のバンドの多くはオリエンタルなメロディを売りにしていますが、あなたたちはもっとモダンな音が主体ですよね?

【AMIN】: ORPHANED LAND のようなバンドは、ほとんどの曲で伝統的な楽器を使うというアプローチをしていて、それが彼らのオリジナルサウンドの一部になっているよね。
サントゥール・サウンドをトラックに取り入れるのは、おそらく今回一度きりのチャレンジだったと思うし、これまでのトラックを聴いてもらえれば、僕たちが基本的にはオリエンタルなバンドではないことに気づいてもらえるかもしれないね。

Q8: I understand you love Japanese anime and video game culture? I am surprised that it has reached Iran. What do you like about it? If you don’t mind me asking, what are some of your favorite anime and games in particular?

【AMIN】: Well of course we do. There are small communities for almost everything in Iran and anime fans are no different. What I think made animes so special is that unlike animations, they can contain very dark and sick material and the fact that it’s not a live action movie, it has almost no limits for creativity. I watched a lot of anime but to name a few I liked: Psycho-Pass, Attack on Titan, Tokyo Ghoul, Chainsaw man, Berserk. Video games are really popular in Iran like anywhere else. And to name some of my fav japanese titles: Almost everything Hideo Kojima and Shinji Mikami made, All “From Software” titles including Dark souls 1-3, Bloodbourne, Sekiro and …

Q8: それにしても、あなたが日本のアニメやゲームのファンだと聴いて驚きましたよ。イランにまで届いているんですね?

【AMIN】: もちろんだとも。イランではほとんどすべてのものに小さなコミュニティがあって、アニメファンもその例に漏れないよ。日本のアニメが特別なのは、他のアニメーションと違って、とてもダークで病的な内容を含むことができること。それに、実写映画ではないから、創造性にほとんど制限がないことだと思う。
僕はたくさんのアニメを見てきたけど、好きなアニメをいくつか挙げると “サイコパス”, “進撃の巨人”, “東京喰種”, “チェンソーマン”, “ベルセルク” だね。イランでは、他の国同様、ビデオゲームもとても人気なんだ。好きな日本のタイトルをいくつか挙げると、小島秀夫と三上真司が作ったほとんどの作品、Dark souls 1-3、Bloodbourne、Sekiro などフロムゲーの全タイトルなどなどだね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED AMIN’S LIFE!!

Linkin Park “Meteora”

Slipknot “Vol. 3: (The Subliminal Verses)”

Periphery “Hail Stan”

The Devil Wears Prada “With Roots Above And Branches Below”

Killswitch Engaged “As Daylight Dies”

MESSAGE FOR JAPAN

ArigatoGozaimasu (Hope i spelled it correctly lol) for having us. We really like your culture and the content coming from your country. We hope to have a chance to be able to perform in your country and get to know Japan more.

Arigato Gozaimasu。スペルが合っているといいのだけど (笑)。僕たちを迎えてくれてありがとう!僕たちは、君たちの国の文化やコンテンツがとても好きなんだ。いつか日本で演奏する機会ができて、日本をもっと知ることができたらいいね。

AMIN

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