NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MESSA : THE SPIN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MESSA !!

“Scarlet Doom…This Specific Shade Of Red Was Chromaticall Helping Us Define Our Aim – And We Think It Still Fits Us, Even If The Years Passed By.”

DISC REVIEW “THE SPIN”

「ドゥームとは逃れられない虚無。私たちは、バンドの始まりからずっと “Scarlet Doom” という名前で自分たちの音楽を呼んできたんだ。この特別なの赤の色調は、私たちの目標を定義する上で、音の色彩を感じさせるために役立ってきたんだ。そして、年月が経っても、この名前が私たちにまだフィットしていると考えているよ」
音楽に “色” があると感じる人は多いのではないでしょうか。それは例えば、アートワークの色彩と関連づけられたり、楽曲のタイトル、もしくは楽曲や演奏そのものから滲み出る色合いだったりするでしょう。イタリアの MESSA は自らの音楽を “スカーレット・ドゥーム” と称しています。スカーレットとは、黄味がかった赤色のこと。ドゥームを逃れられない虚無と定義しながらも、彼らはその “ミサ” に様々な色彩を加えていきます。
「私たちは特に初期のゴシック・ロック/ダーク・ウェーブの大ファンでね。ただ、1980年代をテーマにした “The Spin” を制作する際、各メンバーがその時代に対する異なるアイデアを持っていたことが興味深い点だったね。例えば、Sara が直感的に参照としたのは KILLING JOKE と Siouxsie and the Banshees、Alberto にとっては JOURNEY だった。1980年代の音楽には、ムード、言葉、美学の広範なスペクトラムがある。ドゥームに何を落とし込むのか…私たち一人一人にとって、それは異なる選択だったね」
興味深いことに MESSA のアーティスト写真やアートワークはモノクロームやダークな雰囲気のものが多く、バンドの外観はあくまでドゥーミーでありながらその音楽は実にカラフル。いや、虚無の中に巣食う千変万化の色彩。その多様な色合いは、この4人組が2014年にバンドが結成されるまで、誰ひとりとしてドゥーム・バンドで演奏したことがなかったことに端を発しています。
彼らは、プログからブラックメタル、ゴスやポスト・パンクにアリーナ・ロックまで、様々な “重さ” を個別に経験していたのです。だからこそ、デビュー作のアンビエントなインターミッションやジャジーなクラリネット・パートから始まり、それ以来 MESSA は常に “ドゥーム” の色彩、サウンドの拡張を意識してきました。
7曲42分の “The Spin” は MESSA にとって最も短いアルバムですが、MESSA の持つドゥームの色彩が最も花開いた作品だと言えます。そのカラフルな色合いは、彼らが愛するイタリアのモータリゼーションが最も眩しかった80年代に帰依しています。”The Spin” とは、タイヤであり、道であり、永遠に繰り返す人の業とポスト・アポカリプスの虚無。
まるで80年代の映画、ブレイドランナーから飛び出してきたようなシンセ・ラインで幕を開けるアルバムは、ムーディーでありながらレトロ・フューチャーで、存分に不気味。ドゥームやゴスにとってはスピード違反な展開も、感情と技巧のギターソロも、結果としてドゥームの壮大とドラマを引き立てる武器のひとつにすぎません。
アンセミックなハードロック、アリーナ仕様のギタリズム、ジャズ・プログの間奏、ストーナー・リフとブラストビートにダークなシンセサイザー…ドゥームの暗がりや虚無を重さだけでなく、80年代の野心的な実験と曲作りの妙で表現する MESSA の哲学は実に魅力的かつ唯一無二。もちろん、その裏には Sara の奇跡的な歌唱や卓越したギターヒーロー Alberto の存在があることは言うまでもないでしょう。豊かな色彩を憂鬱へと導くそのハンドル捌きは、まさにプログレッシブ・ドゥームの寵児。
今回弊誌では、MESSA にインタビューを行うことができました。「楽器を演奏することは、アーティストであることよりも、職人であることと共通点が多いと思うんだ。それは技術を学び、信頼できるものを築くことに関わっているからね。私の見方では、この “技巧” は常に目的を持っているべきでね。私たちにとって重要なのは感情とメッセージであり、それらを伝えることが必要なんだ」 二度目の登場。どうぞ!!

MESSA “THE SPIN” : 10/10

INTERVIEW WITH MESSA

Q1: Lately you have been calling your music “Scarlet Doom”. What does this name mean to you?

【MESSA】: We have called our music ‘Scarlet Doom’ since our very start. This specific shade of red was chromaticall helping us define our aim – and we think it still fits us, even if the years passed by.

Q1: 最近、あなたたちは自らの音楽を “Scarlet Doom” と呼んでいるようですね。この呼び名はあなたにとってどのような意味を持つのでしょうか?

【MESSA】: 私たちは、バンドの始まりからずっと “Scarlet Doom” という名前で自分たちの音楽を呼んできたんだ。この特別なの赤の色調は、私たちの目標を定義する上で、音の色彩を感じさせるために役立ってきたんだ。そして、年月が経っても、この名前が私たちにまだフィットしていると考えているよ。

Q2: Doom is a word, but there are many different bands in that world. And you, especially with this album “The Spin”, I feel that you are clearly trying to expand that Doom world. How would you define the word Doom?

【MESSA】: The void you can’t escape from.

Q2: “Doom” と一言で言っても、その世界には多くの異なるバンドが存在します。特にこのアルバム “The Spin” であなたたちは、ドゥームの世界を明確に拡大しようとしているように感じます。そんな今、あなたはどう “ドゥーム” という言葉定義しますか?

【MESSA】: 逃れられない虚無だね。

Q3: What surprised me is that some of the songs have influences from the 80s, specifically goth and post-punk sensibilities like Sister of Mercy and Killing Joke. What was the 80s like for you?

【MESSA】: When it comes to creating music, we always want to surprise ourselves, find a new musical language, push ourselves out of our comfort zone. We are really involved and we question all we do. When we started writing and thinking about what could come next, we decided to delve into a territory we had never explored before – which is the decade of the 1980s. We’ve always been fans of the Early Goth Rock/Dark Wave especially. One of the interesting things that emerged, when we decided ‘The Spin’ to be our take on the 80’s, was the different ideas that every band member had about that era. For example, Sara’s immediate references were Killing Joke and Siouxsie and the Banshees, for Alberto it was Journey. There’s a huge spectrum of moods, language and aesthetic in the 1980s music: for every one of us it was a different choice.

Q3: 驚いたのは、一部の曲に80年代の影響、特に SISTER OF MERCY や KILLING JOKE のようなゴシックやポスト・パンクの感性が感じられる点です。あなたにとって80年代はどのような時代でしたか?

【MESSA】: 音楽を作る際、私たちは常に自分自身を驚かせ、新しい音楽言語を探求し、 コンフォート・ゾーンから抜け出すことを目指しているんだ。私たちはこの作品に本当に深く関与し、常に自問自答しているんだ。そうして、曲のライティングや次なる方向性を考える際、これまで探求したことのない領域―つまり1980年代―に深く潜り込むことを決めたんだよ。
私たちは特に初期のゴシック・ロック/ダーク・ウェーブの大ファンでね。ただ、1980年代をテーマにした “The Spin” を制作する際、各メンバーがその時代に対する異なるアイデアを持っていたことが興味深い点だったね。例えば、Sara が直感的に参照としたのは KILLING JOKE と Siouxsie and the Banshees、Alberto にとっては JOURNEY だった。1980年代の音楽には、ムード、言葉、美学の広範なスペクトラムがある。ドゥームに何を落とし込むのか…私たち一人一人にとって、それは異なる選択だったね。

Q4: More to the point, there are even anthemic songs with plenty of keyboards, such as “Immolation.” Really great song, but is it also a Doom for you?

【MESSA】: The musical side of Immolation might not be called a Doom one, but in our opinion the lyrics definitely are.

Q4: より具体的に言うと、キーボードを多用したアンセム的な曲も存在します。例えば “Immolation” は本当に素晴らしい曲ですが、あなたにとってはあの曲も “ドゥーム” なのでしょうか?

【MESSA】: “Immolation” の音楽的な側面だけを見ればドゥームとは呼ばれないかもしれないけど、私たちの意見では歌詞は確実にドゥームだよ。

Q5: At the same time, the album also creates a “new guitar hero”, Alberto’s shredding talent shines through even more than in Messa’s past work! In fact, his guitars are as great as an Italian shoemaker’s! This “virtuosity” is part of Messa’s charm, would you agree?

【MESSA】: First of all, thanks a lot! I’m flattered. I do think that playing an instrument has a lot in common with being an artisan, more than being an “artist”. It does involve learning a craft and building something reliable with it. From my point of view this “virtuosity” always serves a purpose. It’s the emotion and the message that are important and need to be conveyed.
For this record I had more time to delve into guitar parts and especially guitar solos. It’s the part I enjoy the most, together with composing. Thanks to this I think the solos are more part of the arrangement of the song rather than some mere technical exercise and I’m glad this comes through.

Q5: 同時に、このアルバムは “新しいギターヒーロー” を生み出しましたね!Alberto のシュレッドやテクニックは、MESSA の過去の作品よりもさらに輝いていますよ!実際、彼のギターはイタリアの靴職人の技術のように素晴らしいですよ!こうした “技巧” も、MESSA の魅力のひとつですよね?

【MESSA】: まず、ありがとう!光栄だよ。楽器を演奏することは、アーティストであることよりも、職人であることと共通点が多いと思うんだ。それは技術を学び、信頼できるものを築くことに関わっているからね。私の見方では、この “技巧” は常に目的を持っているべきでね。私たちにとって重要なのは感情とメッセージであり、それらを伝えることが必要なんだ。
このアルバムでは、ギター・パート、特にギター・ソロに時間をかけたんだ。作曲と並んで最も楽しむ部分だよ。丁寧に時間をかけたことにより、ソロが曲のアレンジの一部として機能し、単なる技術的な練習ではなくなっていると思うんだ。それが伝わっていることを嬉しく思うよ。

Q6: Sara’s vocals are also more emotional and wonderful! Italy has a tradition of canzone. Are there many people who are good singers?

【MESSA】: Thank you! Yes, there’s plenty of good singers in our country. There are some, in our opinion, that were particularly talented. Mina, for instance, can cover more than 3 octaves with her voice. To experience her full range, we suggest watching her performance of ‘Brava’ on live television, back in the 60s. When it comes to Italian Pop, another incredibly skilled singer was Giuni Russo. She collaborated with Franco Battiato, a brilliant composer of both pop and experimental music, and created great tunes. When it comes to male voices, Mango and Demetrio Stratos are some top notch names that might come to mind.

Q6: Sara のボーカルもより感情豊かで素晴らしく進化していますね!イタリアには “カンツォーネ” がありますが、伝統的に良い歌手は多いのでしょうか?

【MESSA】: ありがとう!私たちの国には多くの良い歌手がいて、中には特別な才能のある人もいる。例えば Mina は、3オクターブ以上をカバーできるんだ。彼女のフルレンジを体験するには、60年代のテレビ放送での “Brava” のパフォーマンスを観ることをおすすめするよ。
イタリアのポップ音楽では、Giuni Russo も非常に才能のある歌手だったね。彼女はポップと実験音楽の両方で優れた作曲家である Franco Battiato とコラボし、素晴らしい曲を生み出していった。男性歌手では、Mango と Demetrio Stratos がトップクラスの名前として挙げられるだろうね。

Q7: The artwork uses art that looks like an ouroboros, a snake biting its own tail. How does this art reflect the theme of “The Spin”?

【MESSA】: The Ouroboro depicted on the cover of The Spin is an attempt to merge exoteric symbolism, post-apocalyptic imagery, the concept of the road, the world of motorcycles, and the universality of nature as a supreme element―all blended together in a dark and somber atmosphere.
While this isn’t directly reflected in the music, it offers a key to interpreting and experiencing it.

Q7: アートワークには、自分の尾を貪る蛇のウロボロスを模したアートが使用されています。このアートは “The Spin” のテーマをどのように反映しているのでしょうか?

【MESSA】: “The Spin” のカバーに描かれたウロボロスは、外的な象徴、ポスト・アポカリプス的なイメージ、道の概念、モーターサイクルの世界、そして自然の普遍性という至高の要素を、暗く重厚な雰囲気の中で融合させる試みだった。
これは音楽に直接反映されていませんが、それを解釈し体験するための鍵を提供しているんだ。

Q8: The world today is in a “doomed” state of war, oppression, discrimination, and division. In these dark times, what can Doom music do?

【MESSA】: Music is a form of resistance. It’s a powerful way of expression, rebellion. If not, it’s just entertainment.

Q8: 現代の世界は、戦争、抑圧、差別、分断の “破滅的な” “ドゥーミーな” 状態にあります。このような暗黒の時代において、ドゥーム・ミュージックには何ができるでしょうか?

【MESSA】: 音楽は抵抗の形。音楽表現と反乱の強力な手段なんだ。もしそうでなければ、音楽単なるエンターテイメントに過ぎなくなってしまう。

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