まずはこの写真をご覧頂きたい。どう見てもNAPALM DEATH創成期からバンドとシーンに人生を捧げてきた本物のメタルヘッド(独身)です。実際彼はMETALLICAやLAMB OF GODを愛するツルーメタルヘッドなのですが驚く事なかれ、同時に大統領でもあるのです。
【METAL HEAD PRESIDENT Joko “Jokowi” Widodo】
“Incredibly, ladies & gentlemen, the new President of Indonesia is a metalhead AND a Lamb of God fan. No, this is not a joke, yes the photos are real, yes he digs Napalm Death, Metallica, Megadeth, & lamb of god amongst others- holy crap! THE WORLD’S FIRST HEAVY METAL PRESIDENT! “
”信じられないだろうがインドネシアの新しい大統領はメタルヘッドでLamb of Godのファンだ。これはジョークじゃない。写真は本物だ。そう彼はNapalm Death,Metallica,MegadethそしてLOGといった最高のバンドを愛しているんだ!世界初のメタルヘッド大統領が誕生したんだ!!
LOGのボーカルRandy Brythからのお祝いコメントです。貧民街に生まれ家具のサラリーマンから大統領にまで登り詰めた立志伝中の人物だそう。
これにはポコポコヘッド大統領も大興奮ですね。
ちなみにこちらはMETALLICAが昨年インドネシア公演を成功させた折にロバートから貰ったベースだそう。ただベースに書かれた”Giving back!”が贈収賄の可能性ありと当局に押収されたという・・・取り戻せたかしら。
良い機会なので我々もインドネシアの音楽について勉強して行きましょう。新世代のアーティストを集めました。
【METAL】
サム・ダン監督の映画「ヘッドバンガーズ・ジャーニー」の続編でアジア、南米、中東といった辺境地域のメタルにスポットを当てた「グローバル・メタル」。その中でイスラム圏でメタルを聴いたり演奏する事の難しさに触れられています。”悪魔崇拝”という理由で逮捕される事まであるそう。ところがインドネシアは別です。古くは70年代から政府が国策的な感じでロックを保護してきたおかげでイスラム教国ながらメタル/ロック天国なのです。タイトルはバンド名>>>アルバム名です。
DREAMER>>>Bait Suci (2009)
イスラムなのにシンフォ/ゴシックメタル。美しいメロディーがインドネシア語の歌詞でさらに哀愁を帯びている気がしますね。好きです、この感じ。今年新しいアルバムをリリースするそう。
KEKAL>>>Multilateral (2015)
ブラック、メロデス、プログ、エレクトロと何でもござれの実験性に溢れたアヴァンギャルドなバンド。こちらは2015年リリースの新作ですが曲が出来るたび追加されフリーでDL出来るというアヴァンギャルドさ。過去作にもフリー音源があります。欧州のバンドと比べても全く引けを取らない知性、技術、創造性を持っていますね。
BURGERKILL>>>Venomous (2011)
こちらはPANTERA、LOG直系のストロングなメタル。ただリズムや展開に捻りがあってクリーンパートの使い方も上手いですね。MASTODONやAILDのサポートも務めているそうです。
【PROG】
DISCUS>>>…tot Licht! (2003)
このアルバム、日本では2011年放送の「プログレ三昧」で火がつきました。わかります。圧倒的です。東南アジアの喧騒を音で表現したかのようなごった煮ぶり。ごった煮だけど嫌味がない。プログレ、オルタナ、クラッシック、ジャズ、メタルにバリの民族音楽。全てが入っています。
DEWA BUDJANA>>>Surya Namaskar(2014)
インドネシアの伝説的ギタリスト。参加メンバーを見てもジミー・ジョンソン、ヴィニー・カリウタ、ゲイリー・ハズバンド、マイケル・ランドゥとその筋の一流どころばかりで彼の凄さが伺えますね。ホールズワース直系のフュージョンを聴かせます。
【J-INDO】
イケてる音楽を紹介する音楽ブログHi-Hi-Whoopeeさんで紹介されました。それを紹介している今私は小さな魚だけれどさんも合わせて参照して下さい。J-POPに影響を受けたインドネシアの若者が独自に発展させた音楽だそうです。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/100596313″ params=”auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false&visual=true” width=”100%” height=”450″ iframe=”true” /]
HoneybeaT>>>Winner’s Identity (2013)
東京事変などに影響を受けたという5人組ファンク-ポップバンド。いやこれ本当にイイですね。さらっと聴いてると日本の売れているバンドだと思ってしまいますね。上記Soundcloudページのタヌキネイリレコードさんのリンクからフリーダウンロード出来ます。(ありがたや・・・)
TOKYOLIGHT>>>Hello (2013)
これもイイですね。The Band Apartなんかに影響されているそうです。モータウンぽいファンキーさに加えて山下達郎とかユーミンにくるり的なポップさも感じられました。
HIHIさんの記事 Column:What is J-INDO
小さな魚さんの記事 【今週のまとめ】J-POPの影響を受けたインドネシアの音楽=J-INDOというジャンルがあるらしい
【V系】
V系まで存在するらしいですよ。
MAE>>>Revival (2014)
DELUHIに影響を受けているそう。というか普通にカッコいいし洗濯とかしながら聴いていると日本のバンドだと思ってしまいそうですね。ギターソロがヨレヨレだったりジャケットの似顔絵が非常に微妙な線をついて来ているのも全てKonozamaの一言で許容出来ます。
後はDECAYEDさんの記事を参照して下さい。そこに全てがあります。
Decayedさんの記事 海外のヴィジュアル系をまとめて47バンド紹介してみた。
【DUB/ELECTRO】
EPKITAN>>>We Come From The Trees
オーストラリアのプロジェクトなんですが東インドネシアのトライバルなリズムや音楽を基にして作られているので参考までに。過去と未来を行き来するような倒錯感が素晴らしい作品。NYPです。
ここに挙げたアーティスト達は氷山の一角に過ぎません。やはり音楽大国ですね、インドネシアは。個人的にこれから期待したいのは民族音楽とロックの融合です。大統領もインタヴューで「ケチャ・ロック」の登場を予言しているようですし、そう遠くない未来にケチャ・ロックムーブメントが来るかもしれませんね。