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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NITA STRAUSS : CONTROLLED CHAOS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NITA STRAUSS !!

“I Think DEFINITELY The Time Has Come!! When I Was a Young Guitar Player, There Were Very Few Women Playing Guitar, And The Ones That Were Didn’t Really Play “Shred”.”

DISC REVIEW “CONTROLLED CHAOS”

男性が支配するロック/メタルのコミュニティーにおいて、数少ない女性パフォーマーの存在は、拒絶や差別との戦いを強いられた嵐の航海だったと言えるでしょう。
そして、フロントウーマンはもちろん、Orianthi, Yvette Young, Sarah Longfield などギターヒロインまで台頭し浸透した2010年代になっても、性的なコメントや挑発に対処する必要は未だなくなってはいないのです。
オーストリアのクラッシック音楽家ヨハン・シュトラウス2世の血を引くシュレッダー Nita Strauss は、その高い知性と敏腕で轟天と荒波を潜り抜け、シーンにおける女性の地位確立に大きな貢献を果たして来ました。
「”間違いなく” 遂に女性の時代が来たと感じているのよ!!メタルシーンにとって素晴らしい時代になったのよ。」AS BLOOD RUNS BLACK, THE IRON MAIDENS, FEMME FATAL そして Alice Cooper。女性の存在がまだ極少だった時代から、華麗にキャリアを紡いで来た開拓者の精神はそして実にポジティブです。
「有名な哲学者の言葉に、”幸運とは、しっかりと準備する者の上に舞い降りる” というものがあるわ。そして私は心からその言葉を信じているのよ。私は全ての人生を通して、Alice Cooper のようなレジェンドと共にプレイするため準備を続けて来たの。出来るだけ様々なバンドとツアーをしながらね。」Nita はどんなギグであろうと、観客に彼女の名を刻みたいと語っています。そして、そうした努力と前向きな姿勢がショックロックレジェンドの右腕という場所へ彼女を誘ったのでしょう。
さらに Nita のソロアーティストとしての船出には、ヴァーチュオーゾ Steve Vai もその力を貸しています。Steve がエグゼクティブプロデューサーを務めた、ギターヒロインのみから成るコンピレーション “She Rocks, Vol. 1″。ここに収録された “Pandemonium” は、Lita Ford, Jeniffer Batten といった先達の楽曲をも凌ぐインパクトとパワーに満ちていました。
メタルコア、デスコア、Djent といったモダンメタルを抱擁する新鮮なビジョンと、ワーミーペダル、ハーモニクス、ファストなアルペジオをトレードマークとするコンビネーションの妙技。
実際、ルーツである Shrapnel 直系のシュレッドを、クラシカルな出自、コンテンポラリーでダークなアグレッションと結び付けた Nita の野心は、彼女の言葉を借りれば “Leave No Doubt” 疑いようもなく傑出していて、心ないファンの挑発を黙らせるだけの才能と実力を見せつけていますね。
そして何より、アルバムを締めくくる QUEEN のカバー “The Show Must Go On” で提示するストリングスとの甘やかな共闘、ダイナミズムの香り、メロディーを操るセンスには未来への可能性が存分に詰まっているはずです。
今回弊誌では、Nita Strauss にインタビューを行うことが出来ました。「私は学校にもほとんど友人がいなくてね。だから、私は授業の間の休み時間も一人でギターを弾いて過ごしていたのよ。一見不幸にも思えるけど、長い目で見ればそういった境遇によって私はより良いギタープレイヤーになれたの。」リリースは Sumerian Records から。どうぞ!!

NITA STRAUSS “CONTROLLED CHAOS” : 9.8/10

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