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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PORTRAYAL OF GUILT : WE ARE ALWAYS ALONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATT KING OF PORTRAYAL OF GUILT !!

“At The End Of The Day, You Have No One To Depend On But Yourself. That’s Just My Opinion. Being Alone And Having To Do Things On Your Own Brings a Lot Into Perspective Sometimes.”

DISC REVIEW “WE ARE ALWAYS ALONE”

「そうだね、部屋から出ないというのはほとんどまちがってないよ。自分の部屋で一人で生きているというかね。だって、そこが一番快適な場所だから」
Matt King は、自分の部屋から出るのが好きではなく、 一日中パソコンに向かいながらオースティンの PORTRAYAL OF GUILT で “クソ悲しい音楽” を作ることが使命だと表明しています。それでも、「僕はなるべく楽観的にいようとしているよ。でも、同時に現実的でもあるんだよ」 との言葉通り、彼は自身が落ち込んでいるわけではないと、少なくとも本人はそう考えています。
たしかに孤独の中で社会と馴染まず生きているとしても、少なくとも Matt はクリエイティブであり続けています。実際、彼は自分のアンニュイな気持ちを表現することに長けており、PORTRAYAL OF GUILT のデビューアルバム “Let Pain Be Your Guide” では、Robotic Empire やEbullition Records の黄金時代以来、最も激しいスクリーモ/ポスト・ハードコア作品の1つを生み出すことに成功しました。
過酷で幅広いジャンルを1つの熱狂的なサウンドに融合させた彼らの冒険は、複数の “Best of 2018” リストに掲載され、人気者 TOUCHE AMORE からパンクのベテラン SCREANING FEMALES まで、百戦錬磨のツアーアクトをサポートしながらシーンの中へと完璧に融合することができたのです。
ギターはクラッシックなスクリーモを意識しながら、Matt のヴォーカルは通常よりも殊更低い音域に沈むことが多く、ノイズがあり、エレクトロニカがあり、パワーバイオレンスの断片があり、まるで井戸の底に鎖でつながれながら水が着実に迫ってきて、ついに目に入るものすべてを悲しみの暗闇が包み込んでくるようなイメージを植え付けます。
「結局、自分以外に頼れる人はいないんだよ。これは僕の意見だけどね。一人でいること、一人で何かをしなければならない状況によって、時に多くの視点を得ることができる。孤独をネガティブにとらえる人もいるけど、僕はポジティブでもネガティブでもないと思っているんだ。それよりもむしろ、人生の教訓を得られると考えているよ」
PORTRAYAL OF GUILT で語られるテーマは Matt のカタルシスを表現しており、世界に対する不満や無力感を叫んでいます。Matt の人生観とはまさに新たな作品のタイトル通り “We Are Always Alone”、自分以外に頼れる人がいないこと、そしてそれが現実であること。
結局、他人は何もしてくれない。つまり、世界で起こっているパンデミック、大統領が誰であるかとか、狂ったようなサイコな事象に対して私たち一人一人はあまりに無力であるという感覚…何よりもただ一人であるという感覚が、このアルバムの世界観を締めつけています。それでも Matt はただ “悲しい” 男だとは言えません。自分はわざわざ誰かに話しかけたりしない。誰かと一緒にいるよりも、一人でいる方が好きだから。
2017年に PORTRAYAL OF GUILT は MAJORITY RULE の Matt Michelle に誘われて、彼らと PAGENINETYNINE (PG.99) とショウを行う機会に恵まれました。初期の伝説的スクリーモはたしかに Matt の原点であり、この出会いがバンドをさらなる高みに引き上げましたが、それでも PORTRAYAL OF GUILT の音楽にはただの懐古主義ではなくこのジャンルを進化させたいという願望に満ちています。
例えば、UNDEROATH や THRICE がこれほど陰鬱なアトモスフィアやブラック・メタルに傾倒したことはありません。John Carpenter の “Halloween” にもリンクするインダストリアルな雰囲気から、教科書のようなブラストビートとノイジーなリフの黒い攻撃を伴う “Garden of Despair” はまさに PORTRAYAL OF GUILT の真骨頂と言えるはずです。
重要なのは、PORTRAYAL OF GUILT がこの10の悪夢に、心理的な絶望感をたっぷりと注入している点でしょう。その残忍さは単なるニヒリズムを超えて、純粋に悲しく絶望的な旅路へと到達しています。特に、”It’s Already Over” の歌詞は、ひどい鬱病を患っている人の視点から語られていて、重く、悲しく、動揺を伝えます。「投薬につぐ投薬。これから始まる朝に備えて、体を折り曲げ、痛みに悶える。まわりには誰もいない」
「僕は NINE INCH NAILS を愛しているんだ。僕たちのアルバムが彼らを思い起こさせてくれたというのは、嬉しい賛辞だね。彼らの音楽が僕に様々な面でインスピレーションを与えてくれたことはたしかだけど、まあその要素を僕たちのアルバムに盛り込もうとするほどではないと思うよ」
スクリーモに吹き込まれる新たな命。サンプリングは確かにスクリーモの一部ではありますが、ほとんどの場合、映画の引用のイントロや間奏に限定されていて、ランダムに個性を加えているに過ぎません。しかし、PORTRAYAL OF GUILT の音楽においてはエレクトロニカは DNA の不可欠な部分であり、音に完全な奇妙の階層を加え、Matt がバンドの将来に対して見ている幅広い可能性を表現しています。NINE INCH NAILS のように、多種多様な楽器を使ってシネマティックな世界を構築する。それが彼の狭い部屋から生まれた大きな夢なのかもしれませんね。
今回弊誌では、Matt King にインタビューを行うことができました。「僕は日常的に罪悪感を感じているとは言えないし、バンドとしても人としての罪悪感を “描いている” とは思っていないからね。それは僕たちのバンドの名前に過ぎないんだよ」 どうぞ!!

PORTRAYAL OF GUILT “WE ARE ALWAYS ALONE” : 10/10

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