NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GENTLE GIANT : THREE PIECE SUITE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DEREK SHULMAN OF GENTLE GIANT !!

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With A Little Help Of Steven Wilson, Sleeping Prog Giant From UK, Gentle Giant Show Their Brilliance And Originality With Newly Remixed Album “Three Piece Suite” !!

DISC REVIEW “THREE PIECE SUITE”

英国にて睡臥する穏やかなる巨人、プログレッシブレジェンド GENTLE GIANT が久々の音信となる作品 “Three Piece Suite” をリリースしました!!バンドの初期三作から楽曲を集積し、名匠 Steven Wilson がリミックスを施したアルバムは、70年代の稀世なる栄光を鮮明に現代へと蘇らせています。
GENTLE GIANT は1970年に Shulman 三兄弟が中心となり結成したプログレッシブクインテット。技巧と叙情、エクレクティックとポップを巧緻に集約し、81年に解散するまで独自の価値観でプログロックの可能性を顕示し続けた偉大なバンドです。
彼らの音楽を語る時、適切な言葉を探すのは容易ではありません。どこか飄々としていて掴み所がなく、時にニヒルに、時にユーモラスに、時にアヴァンギャルドに刻々と表情を移すその音流は、莫大な情報量と独特のタイム感も相俟って、霧闇を掻き分けるが如き浮遊感と心細さをリスナーに与えて来たのです。
勿論、アーカイブには YES や KING CRIMSON 等と共に必ず明記されるバンドですが、彼らほどの人気、知名度を得ていない理由は多分にその五里霧中、即効性の欠如が理由だと言えるでしょう。
しかし、逆に言えば GENTLE GIANT の魅力はその遅効性、抽象性にあるのかも知れませんね。アルバムを聴く度に必ず新たな発見、感動を得ることが出来るアーティストはロックの歴史を眺めても決して多くはないでしょう。R&B をベースにポップス、ジャズ、クラッシック、サウンドトラック、そして現代音楽まで咀嚼しロックのフィールドへと昇華した多彩な楽曲の数々は、あまりに大胆かつ緻密です。
さらに、「間違いなく僕たちは、ムーブメントや思想を追ったり、スターダムを意識したりはしていなかったね。」 と語る通り、バンドの唯我独尊で超俗としたムードも彼らのクリエイティビティーを後押ししました。そして事実、そのとめどない知識の井戸、アイデアの泉から無限に湧き出るユニークなアプローチの数々は、時を経た現代でも様々な後継に影響を与え続けているのです。
「いつも GENTLE GIANT のサウンドとオリジナルのフィーリングを保ちながら、サウンドをより “良く” させてくれないかと頼んで来たんだ。」 と Derek が語るように、稀代のプログレマニア Steven Wilson もその一人。そして Steven はその野望を見事にやり遂げました。
“Three Piece Suite” はバンドの記念すべきデビューアルバム “Gentle Giant” からの3曲で幕を開けます。ジャズのビートやフュージョン的テーマなど様々な仕掛けを配しつつ、R&B をベースとしたドライブする “Giant” は、バンドの楽曲で最も典型的な “プログ” らしい楽曲かもしれませんね。サイケデリックなエナジーと中盤で見せつける叙情性のコントラストは、確かにここが出発点であることを主張します。
同時に、難解とポップを融合させた伏魔殿 “Giant” を聴けば、Derek の人生を変えたアルバムを見るまでもなく、初期の彼らが Frank Zappa から強い影響を受けていたことが伝わりますね。一方で Zappa 自身も GENTLE GIANT を非常に高く評価しており、共鳴し合う素晴らしき孤高の脈流が確かに存在したことを伝えています。
続く “Nothing At All” はバンドの素性をより鮮明にする9分のエピック。LED ZEPPELIN の名曲 “Stairway To Heaven” に影響を与えたと確信させるほどに美しい、(余談ながら Derek が影響を受けたアーティストに挙げてる SPIRIT は “天国への階段” の元ネタと噂される “Taurus” の作者なのですから興味深い)フォーキーでアコースティックな調べはニヒルでサバシーなギターリフを導き、自然にしかし唐突に3分半のアヴァンギャルドなドラムソロへと展開して行くのです。ここにはすでに様式美は存在せず、この頃からバンドはポップとロックのみならず、前衛的で現代音楽的な感覚を等しく身に纏っていたことが分かりますね。
71年にリリースされた “Acquiring The Taste” からは2曲が収録されています。”Pantagruel’s Nativity” はバンドの拡大する野心を反映した、アルバムの実験的作風を象徴する楽曲かもしれませんね。ムーグシンセやメロトロンのレトロな味わい、映画のようなオーケストレーション、トランペットを組み込んだバッキングの妙。楽器の増加により全てが新鮮に噛み合った楽曲は、日本の童謡 “通りゃんせ” を思わせる懐かしき旋律とハーモニーを携えてリスナーに濃厚なるサウンドスケープを届けます。
さらに “The House, The Street, The Room” では、ヴィブラフォンやチェロまでこなすマルチ奏者 Kerry Minnear を中心に32もの楽器を使用しメズマライズな狂気を演出しているのですから恐れ入ります。
72年の “Three Friends” からは4曲。ドラマーを Malcolm Mortimore にスイッチし、T. REX 等の仕事で知られる Tony Visconti のプロダクションからバンドのプロデュースに移行した作品です。
“Schooldays” のセピア色なノスタルジアが証明するように、よりセンチメンタルでストーリーテリングにフォーカスした作品は、三人の同級生を軸として物語を紡ぐ初のコンセプトアルバム。濃密にレイヤーされたオーケストレーションと感傷的なコーラスワークが実に印象的で、P.F.M を頂点とするイタリアのシンフォニックな後続たちに多大な影響を与えた事実も頷けますね。
幻想と技巧、静寂と騒然、耽美と悪夢を等しくコントラストさせた “Peel the Paint” のイデアルは、サックスの魔術と相俟って、KING CRIMSON の理想ともシンクロしながら穏やかな人間の狂気を体現し、名作と名高い “Octopus” へと繋がって行くのです。
Steven Wilson の手によりさらに輝きを増した珠玉の名曲たち。”Peel The Paint” を聴けば、フロントに Kerry のヘヴィーハモンド、リアに Gary の突き刺すようなブルースリックが配されて、5.1chサラウンド特有の分離と広がりが実に効果的に活用されていることが伝わります。それにしても今回初披露となった “Gentle Giant” のアウトテイク “Freedom’s Child” の美しさには言葉を失いますね。
今回弊誌では、リードボーカルにして Kerry と同様マルチ奏者 Derek Shulman にインタビューを行うことが出来ました!実はバンド解散後には A&R としてポリグラムで BON JOVI や CINDERELLA を発掘。さらに Atco, Roadrunner では社長として PANTERA や DREAM THEATER と契約し、2PLUS Music & Entertainment では我らが LOUDNESS とも手を組んだ重要すぎる人物です。とは言え、正統な評価が遅れリユニオンが強く望まれるバンドでもあります。「僕たちは今でも音楽を作っているよ。たとえそれが僕たちの耳にしか届かないとしてもね。」 どうぞ!!

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GENTLE GIANT “THREE PIECE SUITE” : 10/10

INTERVIEW WITH DEREK SHULMAN

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Q1: First of all, Gentle Giant members inducted into Portsmouth UK Hall of Fame. Congratulations! And 23rd August, The Shulman Brothers: Phil, Derek, Ray and band mate Kerry Minnear got together. Unfortunately, John and Gary wasn’t there. But are you still keeping in touch with your band mates?

【DEREK】: Yes we are all in touch from time to time.
Obviously the band members reside in different parts of the world and have other occupations.
I am obviously more in touch with my brothers for personal reasons as well as ongoing Gentle Giant reasons.

Q1: まずは先日、GENTLE GIANT がポーツマスのホールオブフェイムに殿堂入りを果たしましたね!おめでとうございます!8/23には Phil, Ray, Derek の Shulman 兄弟と Kerry Minmear が式典に出席していました。残念ながら John や Gary は姿を見せなかったようですが、バンドのメンバーとは今でも連絡を取り合っているのでしょうか?

【DEREK】: うん、僕たちは全員が時々連絡を取り合っているよ。とは言っても、メンバーはみんな世界中色々な場所に住んでいて、忙しくしているんだけどね。
僕は当然だけど、個人的な理由と、後は現在進行中の GENTLE GIANT について話すために兄弟とより連絡を取っているんだ。

Q2: Gary, Kerry, and Malcolm stated “Three Friends”, and they came to Japan. But Shulman brothers stop playing music. What’s the reason of that? Is there any possibility of Gentle Giant’s reunion?

【DEREK】: I don’t think any of the band stopped playing music.
The fact that myself and Ray went into a different direction in the music world is not indicative of lack of creative energy.
It is just that the idea that we didn’t want to continue the circus of recording and touring in 1980.
We are all still creating music if only for our own ears.

Q2: GENTLE GIANT のメンバーだった Gary, Kerry, Malcolm は THREE FRIENDS を結成し、来日も果たしています。しかし、あなたも含め Shulman 兄弟はミュージシャンを引退しています。GENTLE GIANT としてのリユニオンはもう望めないのでしょうか?

【DEREK】: 僕はバンドの誰も、音楽を止めたりはしていないと思うよ。
事実、僕自身と Ray が音楽の世界で異なる方向に進んだのは、決して創造的なエナジーが欠如したからではないんだよ。ただ僕たちは、1980年にサーカスのようなレコーディングとツアーを続けないという選択をしただけなんだ。
僕たちは今でも音楽を作っているよ。たとえそれが僕たちの耳にしか届かないとしてもね。

Q3: So, “Three Piece Suite” is a specially curated selection of remix songs and compositions from the band’s first three albums. First of all, what made you decide to release that kind of album this timing?

【DEREK】: Ray & Kerry had done a lot or research to try to find the original multi-tracks of the first 3 albums.
Unfortunately all they could find were the songs on ‘Three Piece Suite’ tapes in an archival basement.
It seems the other songs on tape were either destroyed or taped over..
So this is all we were left with.
Steven Wilson suggested we package these songs as a box set..so this is the reason why we released ‘Three Piece Suite’.

Q3: 今回リリースされた作品 “Three Piece Suite” は、バンド初期のレコード三枚から選んだ楽曲にリミックスを加えたコンピレーションという形になりましたね?

【DEREK】: まず、Ray と Kerry が最初のレコード三枚のオリジナルマルチトラックを見つけるために、リサーチを重ねて頑張ってくれたんだ。
だけど残念ながら、彼らが記録保管所から見つけることが出来たのは、この “Three Piece Suite” に収録されている楽曲だけだったんだよ。他の楽曲のテープは、壊れてしまったかテープが終わってしまっているかだろうね…。だから僕たちに残されたものはこれが全てだったんだ。
Steven Wilson は、ボックスセットのような形にするべきだと提案したんだ。だから、”Three Piece Suite” としてリリースしたんだよ。

Q4: The undoubted re-mixing talents of Steven Wilson are put to excellent use on this album. I know he is big fan of Gentle Giant. But, what inspired you to collaborate with him? And what do you like these re-mixed songs?

【DEREK】: Steven and the band have mutual and personal respect as musicians and friends of the band.
He has an ongoing working relationship with my brother Ray in the UK and had constantly asked if he could try to make the music sound ‘better’ while respecting the original feel and sound of the band.
It seems to have become a fantastic and organic liaison between us.

Q4: お話にも出ましたが、リマスター、リミックスの天才 Steven Wilson が素晴らしい仕事を果たしていますね?

【DEREK】: Steven と GENTLE GIANT はお互いにミュージシャンとしても友人としてもリスペクトし合っているんだよ。彼は英国で僕の兄弟 Ray と仕事上の関係があるんだけど、いつも Ray に GENTLE GIANT のサウンドとオリジナルのフィーリングを保ちながら、サウンドをより”良く”させてくれないかと頼んでいたんだよ。
お互いにとって素敵でオーガニックな接触となったね。

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Q5: So, In order, “The Power And The Glory”,”Octopus” and your first three albums are remixed by Steven now. Does it mean you love these records in your discography?

【DEREK】: As I had mentioned these were the only songs we could find on the multi-tracks.
Also as a piece of history for the band it shows the birth and the adolescent period of the band’s development.

Q5: 名作 “The Power And The Glory”, “Octopus”, そして最初の三枚の順に Steven の手でリミックスされました。つまりあなたたちのフェイバリットはこれらのレコードだったのでしょうか?

【DEREK】: というより、この順になったのはマルチトラックが残っていなかったからなんだよ。漸く発見できたのが収録された楽曲たちなんだ。
フェイバリットについてだけど、どれもバンドの歴史の一部だと思っているよ。今回収録されているのは、バンドの誕生から青年期までの成長を彩った楽曲たちなんだ。

Q6: So, Gentle Giant becomes one of the legend of prog scene, along with Pink Floyd, King Crimson, Yes, Genesis. Looking back now, compared with them, what do you think your characteristics or identities were?

【DEREK】: We had no idea what the the word ‘prog’ actually meant to be honest.
All we wanted to do as musicians was to push ourselves personally and creatively to become better for each other.
We would then present what we had rehearsed on tape then on stage.
Then hopefully a few people would pay to hear and see us play and we were able to make a living as working musicians..nothing more.
We certainly were not chasing any ideals of a movement and of stardom.

Q6: GENTLE GIANT は現在では PINK FLOYD, KING CRIMSON, YES, GENESIS といったバンドと並んでプログレジェンドの一つです。今振り返って、彼らと比較して GENTLE GIANT の特徴、アイデンティティーとは何だったと思いますか?

【DEREK】: まず、僕たちは “Prog” というワードが実際何を意味するのか正直なところ分かっていなかったんだ。
ミュージシャンとして僕たちが望んでいたのは、ただ個人的に自分たちをプッシュし、お互いのクリエイティビティーを感化することだけだったんだよ。そうしてテープで練習したものを、ステージで表現していたのさ。
幸運にも、何人かがお金を払ってショウに来てくれて、僕たちはミュージシャンとして生計を立てることが出来ていた…ただそれだけのことなんだ。
間違いなく僕たちは、ムーブメントや思想を追ったり、スターダムを意識したりはしていなかったね。

Q7: Regarding legend, you are respected by lot’s of successors. Off course, Steven Wilson is one of them. Maybe Opeth, and I think Dream Theater too, you find out when you were Atco Records. So, what’s your perspective about the prog scene and your successors these days?

【DEREK】: I think there are many artists who play progressive music.
This is not just in the so-called ‘prog world’.
There are artists in the hip hop world who play music that is ‘Progressive’ in its own way.
A band that I signed in the heavy metal world ‘Pantera’ were Progressive in their own fashion.
We are honored by the fact that we have influenced newer artists but the best progressive bands should only utilize influence as a tool to make their own music unique and authentic.

Q7: とは言え、Steven Wilson は勿論、OPETH やあなたが社長として発掘した DREAM THEATER といったプログシーンの後輩から大きなリスペクトを受けていることは確かです。

【DEREK】: 僕はね、今まさに多くのアーティストが “プログレッシブ” な音楽をプレイしていると思っているんだ。
それは、所謂 “プログシーン” に限ったものではないよ。例えば、hip hop の世界にだって独自のやり方で “プログレッシブ” な音楽をプレイしているアーティストは存在するんだよ。
僕がサインしたメタルワールドの PANTERA だって、独自のやり方で “プログレッシブ” な音楽をプレイしていたんだ。
新しいアーティストに影響を与えている事実は誇らしいんだけど、最高の “プログレッシブ” バンドは影響をただ道具として使用し、ユニークでオーセンティックな独自の音楽を創造するアーティストなんだ。

Q8: Off course, you are also known as great A&R man. I’m so glad that you love Japanese Hero, Loudness. Anyway, when you contract with band, what’s important thing for you?

【DEREK】: The most important thing for any band must be a willingness to work hard on their own.
To be a great live band and garner a loyal following.
Social media and online presence and views are NOT a reality in the longterm.
For an artist to really succeed they must be a leader and not a follower.
Authenticity and uniqueness are the prime qualities of the biggest bands.
Of course great songs are ultimately important also.

Q8: お話にも出ましたが、あなたは腕利きの A&R としても知られています。バンドと契約する時、大事にしていることは何ですか?

【DEREK】: どんなバンドにとっても最も重要なのは、自身でハードワークする強い意思なんだ。
素晴らしいライブバンドになり、忠実なフォロー、ファンを獲得すること。SNS とオンラインのプレゼンスと意見は、長期的に見れば現実的ではないんだよ。
アーティストが本当に成功するためには、フォロワーでなくリーダーとならなくてはならないのさ。
オーセンティックでユニークであることは、ビッグバンドに必須な資質かな。
勿論、偉大な曲も最終的には重要だよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED DEREK’S LIFE

FRANK ZAPPA “HOT RATS”

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SPIRIT “CLEAR”

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TCHAIKOVSKY “1812 OVERTURE”

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MODERN JAZZ QUARTET “CONCERT IN JAPAN ’66”

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THE BEATLES “SGT. PEPPERS LONLEY HEARTS CLUB BAND”

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MESSAGE FOR JAPAN

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Gentle Giant never played Japan unfortunately.
But the fact that there is interest in out music after all these years is an honor.
Thank you to all music fans in Japan.
ありがとうございました。

残念ながら GENTLE GIANT は日本でプレイしたことがないよね。だけど、何年経っても僕たちの音楽に興味を持ってもらえているのは、光栄だよ。
日本の全ての音楽ファンにありがとう。

DEREK SHULMAN

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ALUCARD RECORDS

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