EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JONAS REINGOLD OF THE SEA WITHIN !!
New Art Rock Collective, The Sea Within Goes To Fantastic Maiden Voyage, With Flexible And Diverse Debut Record “The Sea Within” !!
DISC REVIEW “THE SEA WITHIN”
キャプテン Roine Stolt のプログレッシブな航海はスーパーグループ THE SEA WITHIN と共に新たなアドベンチャーを創成します。荒波や暴風にも屈しない最上級の乗組員を揃えたフラッグシップは、フレキシブルな風を受け未踏の音景へと舵を切るのです。
実際、伝説のプログ船長 Roine のもとへと集結したのはマスタークラスの名だたる船乗りばかり。THE FLOWER KINGS で補佐官を務めるシーンきってのベースヒーロー Jonas Reingold。その TFK にもかつて在籍したプログメタルの至宝、PAIN OF SALVATION のマスターマインド Daniel Gildenlöw。RENAISSANCE, YES の寵児、キーボーディスト Tom Brislin。さらに Steven Wilson, THE ARISTOCRATS などで知られるトップドラマー Marco Minnemann を招聘したキャプテンは、盤石の布陣にもかかわらずゲストのスカウトにも余念がありませんでした。
Jonas のインタビューにもある通り、 レコーディングのみの参加となる Daniel の影武者には FLYING COLORS の Casey McPherson を配置。加えて YES の Jon Anderson、DREAM THEATER の Jordan Rudess、Steve Hackett Band の Rob Townsend までをも乗船させた まさに “All-Aboard” なラインナップは、出航と同時に世界中のプログファンからヨーソローな期待と注目を集めたのです。
ボーナストラックまで含めると77分にも及ぶ長駆の処女航海 “The Sea Within” はそしてその遥かなる熱量に充分応えた雄飛なる冒険となりました。一つキーワードとして挙げるべきは “フレキシブル” というアイデアなのかも知れませんね。
事実、この豪華な母船の船員に選ばれたのは全てがユーティリティーなプレイヤーだったのですから。「このバンドのメンバーは全員が歌えるし、複数の楽器をこなすことが出来るんだ。」インタビューで語ってくれた通り、ボーカル、ギター、キーボードをこなす船長 Roine を筆頭にフレキシブルな才能を誇るバンドの航路は、全員がコンポーザーという奇跡まで備えながら鮮やかな多様性に満ちています。中でもドラマー Marco Minnemann のパーカッションはもちろん、ギター、ボーカルまでこなすマルチな才能はこの偉大な航海の大きな推進力となっていますね。
THE FLOWER KINGS とは異なる進路を目指すというキャプテン Stolt の野望は、オープナー “Ashes of Dawn” を聴けば伝わるでしょう。アルバムで最もダーク&ヘヴィー、Roine と Daniel の歌声導く苦悩とアグレッションが印象的な楽曲は、世界経済のカオスをテーマに据えています。
故に、Roine と Jonas が TFK のファンタジックな殻を破り、深海のアビスをリアルに映し出すかのようなサウンドを選択したことも驚きではないでしょう。KING CRIMSON の “Red” にもシンクロするこのインテリジェントな音の幽暗は、Tom のサクスフォンを得てより深部までその混沌を浸透させるのです。
その Tom がイニシアチブを取った物憂げでコーラスも鮮やかなクラッシックアート “They Know My Name”、KARMAKANIC を想起させる Jonas の幻想的でシネマティックな作曲術が Daniel の PAIN OF SALVATION とは一味違うオーガニックな声色を引き出した “The Void”。そして辿り着く “An Eye for an Eye for an Eye” はアルバムのハイライトと言えるかも知れませんね。
ラインナップの中で最もロッカーの佇まいを備えた Marco が作曲を手がけたことにも頷ける、ファストでアグレッシブな楽曲は THIN LIZZY とプログがモダンな風を受けてハイブリッドを果たしたようなユニークでしかしフックに満ちたキラーチューン。潮目の変化はフォービートとジャズロックの海風を運び華麗なソロワークが美しく華を添える中、楽曲は再びメロディックなブリッジへと回帰しロックのエナジーを胸いっぱいに吸い込みながら大円団を迎えるのです。
そうしてその多様性の濁流は、5人の主要メンバーが共作した “Goodbye” へと流れ込んでいきます。そこはポップとエモーションが乱れ咲く桃源郷。アルバムには確かにキャッチーという名の子午線が貫かれていますが、7/8拍子のファンキーなリズムを起点に光の放射を放つ素晴らしくリリカルな楽曲は飛び抜けてプログポップの期待感に満ち溢れているのです。
Jon Anderson も参加してオールスターキャストで贈る14分のプログ劇場 “Broken Cord”。キャプテン Stolt は “Sgt. Pepper” から YES までプログロックのイデアを体現したエピックを THE FLOWER KINGS のファンへとしっかり捧げてその旅路を終えるのです。
今回弊誌では、ベースヒーロー Jonas Reingold にインタビューを行うことが出来ました。プログ、ポップ、ジャズ、アートロック、クラッシックロック、そしてシネマティックな離島を繋ぐフレキシブルで魅惑的な航海。エースを揃えた SONS OF APOLLO が正統的なスーパーグループなら、ユーティリティーの極み THE SEA WITHIN もまた異なるスーパーグループのあり方でしょう。どうぞ!!
THE SEA WITHIN “THE SEA WITHIN” : 9.8/10
INTERVIEW WITH JONAS REINGOLD
Q1: First of all, definitely, The Sea Within is prog super group. How did the band come to be? Off course, you’ve played with Roine and Daniel in The Flower Kings, but have you known each other with other members?
【JONAS】: Roine had a chat with Thomas Waber, the boss at Inside Out Music, about the idea of a new band. He wanted to move in a fresh direction with new collaborations. The prog community is kind of small so I knew several of the guys before we went into the studio. In fact I´ve played with everyone except Marco.
Q1: まず、このスーパーグループ結成の経緯を教えてください。THE FLOWER KINGS で同僚だった Roine, Daniel は別として、以前から他のメンバーと親交はあったのでしょうか?
【JONAS】: Roine が Inside Out のボス Thomas Waber と新バンドの計画を話し合ったことから始まったんだ。彼は新たなコラボレーターたちとフレッシュな方向性を目指したかったんだよ。
そうだね、まあプログコミュニティーは小さな世界だから、スタジオに向かう前から何人かは知っていたんだ。というよりも、僕は Marco 以外の全員と以前プレイしたことがあったんだよ。
Q2: Daniel is studio member, and not playing live performance, right? It seems Casey plays his roll. Also, Roine, Marco, and Tom sang, moreover Marco played even guitar in this record. The Sea Within looks very flexible band, do you agree that?
【JONAS】: Yes thats correct that Daniel will only be a studio musician due to his heave schedule with Pain Of Salvation. And you´re right that everyone in this band can sing and play different instruments. Everybody onboard play a little bit of everything.
Q2: Daniel はスタジオのみの参加で、ライブでは Casey が彼のパートを務めるそうですね?複数人がボーカルを担当し、ドラマーの Marco はギターもプレイしたりと非常にフレキシブルなグループであるようですが?
【JONAS】: うん、その情報は間違いないね。確かに、Daniel は PAIN OF SALVATION でとても忙しいからスタジオのみの参加さ。
そして君は正しいよ。このバンドのメンバーは全員が歌えるし、複数の楽器をこなすことが出来るんだ。だからメンバー全員が全てにおいて何かしら貢献しているわけさ。
Q3: So, how was the writing process? Have you had opportunities to actually meet and co-work with other members? Also, is everything new materials?
【JONAS】: Me and Roine wrote some material before we even contacted the other guys. When it was time to go into the studio we collected all the material from all the guys and through a democratic process we destilated out the songs that was most promising. In the end everyone contributed with creativity so this is a collective effort.
Q3: ライティングプロセスやレコーディングは、実際に顔を付き合わせて行われたのでしょうか?
【JONAS】: 僕と Roine は他のメンバーにコンタクトを取る前からすでにいくつかのマテリアルを書いていたんだ。そうして、いざスタジオに入ることが決まると、僕たち2人はバンド全員から全ての活用出来そうなマテリアルを集めたんだよ。
その後、民主的なプロセスを通して楽曲を最も最良の形に具現化していったのさ。つまり結果的には全員がクリエイティブな貢献を果たしたことになるよね。だからこの作品はバンドとしてコレクティブな努力の結晶なんだよ。
Q4: The Sea Within’s debut record is a highly impressive but really diverse voyage. From Yes, King Crimson to Pain of Salvation, The Flower Kings, it’s definitely eclectic. You know, everyone in the band composed in “The Sea Within”, Do you think it’s the reason of diversity?
【JONAS】: Yes, we tried to have an open mind regarding styles and sound, everything as long it is good is welcome. We are all different and compose in different style but just the fact that we where all of us in the studio together, recording live it felt that we got a red thread running through the album even though the songwriting is a bit different.
Q4: 作品は非常にエクレクティックな仕上がりとなりましたね?様々な出自を持つメンバー全員が作曲にかかわった成果だとも言えそうですが?
【JONAS】: その通りだよ。僕たちはスタイルやサウンドに関してオープンマインドでいようと心掛けていたんだからね。そのマテリアルが良いものである限り全てはウエルカムだったんだよ。
僕たちは全員が異なる出自を持ち、作曲の方法も異なるよ。だけどね、僕たち全員が一緒にスタジオに入りレコーディングを始めると、確かにソングライティングは少しばかり異なっているにしても、筋道というか運命の赤い糸のようなものを作品に感じることが出来たんだ。
Q5: Jon Anderson, Rob Townsend, and Jordan Rudess made an guest appearance on this record. I think it makes “The Sea Within” more flexible, diverse, and special. How did you choose and fit them in the album?
【JONAS】: It´s fun to work with talent. All the guys you mention are really talented. I heard a sax sound when I composed the middle part of Ashes Of Dawn and thought about Rob since we play together with Steve Hackett. Jordan and I recorded together in the past and when we needed some action in the piano part on Hiding of the truth I said, lets call Jordan. It was Roine who got Jon onboard because he wanted a “Yesish” sound on a part of his song Broken Cord.
Q5: Jon Anderson, Rob Townsend, Jordan Rudess という豪華なゲストのアピアランスも作品の多様性、フレキシブルなアイデアを後押ししていますよね?
【JONAS】: 彼らのような才能と仕事をするのは楽しいものだよ。君が挙げたアーティストはみんな本当に才能が際立っているよね。
僕が “Ashes of Dawn” のミドルセクションを書いている時、サックスのサウンドが聴こえたんだ。それで Steve Hackett のところで一緒にプレイしていた Rob のことを考えたわけさ。
Jordan と僕は昔一緒にレコーディングしたことがあってね。だから “Hiding of the Truth” のピアノセクションに何らかのアクションが必要だとなった時に、じゃあ Jordan に電話してみようと言ったんだよ。
Jon を誘ったのは Roine だったね。彼の楽曲 “Broken Cord” に YES のようなサウンドが欲しかったからだろうな。
Q6: So, which song do you like most in the album? Also, which songs represent the most signature sound of the band?
【JONAS】: I´m totally the wrong guy to ask that because I can´t keep an objective eye on it anymore. All songs have something, even the bonus tracks.
Q6: では、このアルバムの中で最も THE SEA WITHIN らしいと思う楽曲を教えていただけますか?
【JONAS】: その質問に答えるのに、僕は全く適任とは言えないだろうな。というのも、作品を客観的に眺めることが出来ないからなんだけど。ボーナストラックを含め、全ての楽曲が何かしら特徴を持っていると思うよ。
Q7: Anyway, we Japanese are also big fan of The Flower Kings and really waiting for new materials. Do you have a plan to make new record near future? And is there any plans to release in your other projects?
【JONAS】: We never know. Right now we´re having a break from TFK but who knows, maybe a 30 years anniversary tour in the future.
Q7: 日本のファンは THE FLOWER KINGS の新作も首を長くして待っていますよ。
【JONAS】: どうなるか僕たちもわからないんだ。現時点では、休息をとって THE FLOWER KINGS からは距離を置いているんだけど、どうなるんだろうねえ。
おそらく、将来的に30周年のアニバーサリーツアーはやるんじゃないかな。(THE FLOWER KINGS は1994年の結成なので再始動が30周年になるとすれば2024年。)
FIVE ALBUMS THAT CHANGED JONAS’S LIFE
KISS “LOVE GUN”
It was through Kiss I discovered music. I was a big fan as a child.
JONI MITCHELL “SHADOWS AND LIGHT”
Stellar line up with the undisputed king of bass, Jaco Pastorius.
PAT METHENY “BRIGHT SIZE LIFE”
First time I heard Jaco, I was blown away.
MILES DAVIS “KIND OF BLUE”
Open up my door to “less is more”.
WEATHER REPORT “8:30”
First time I heard instrumental fusion.