NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE GATHERING : BEAUTIFUL DISTORTION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HANS RUTTEN OF THE GATHERING !!

“I Think We Just Love To Crossover Genres And To Experiment, Not Thinking About Commercial Aspects.”

DISC REVIEW “THE GATHERING”

「残念ながら最近は “歪み” が多くて、物事の美しさを見るのが難しいからね。解決しなければならない問題が多すぎて、鬱陶しく感じることもあるよ。でも、この大変な時期に、人々に寄り添えるような素敵な音楽ができたと思っているよ」
ご承知の通り、ヘヴィ・メタルには美しさと歪みが同居しています。しかし、多くの場合 “Beautiful” よりも “Distortion” が勝っているのが事実。実験と交配を遺伝子に宿す THE GATHERING が混沌と殺伐、分断の中から引き出した儚き美の結晶 “Beautiful Distortion” は、”歪み” 以上に “美しさ” が支配する寛容なヘヴィ・メタル。
「常に音楽が第一であるということを認識しているからだろうな。逆にいえば、それ以外のことはあまり重要ではないんだよ。だから僕は、あの時代の古いメタルが好きだった。当時のシーンは音楽が中心で、ギミックが中心ではなかったからね。今は変わってしまったけど、だからこそ当時このシーンの一員であったことを嬉しく思っているよ」
90年代、THE GATHERING はメタルに革命を起こしながら、以降も決して革命の手を緩めなかった偉大なバンド。ULVER, PARADISE LOST, MY DYING BRIDE, などデスメタル・ドゥーム、ゴシック、エレクトロニカを渡り歩いた異端の中でも、ANATHEMA と同様によりアトモスフェリックなポスト・プログレッシブ / ポスト・オルタナティブへとその歩みを進めた美の伝道師。シューゲイズまで組み込んでいたでしょうか。カテゴライズの難しさはそのまま、THE GATHERING の多様性の哲学を物語っています。
「Anneke と Silje の二人を比較するのは賢明ではないだろうね。二人は全く異なるシンガーなんだから。多くの人がそうしているのは知っているけれど、それはフェアじゃない。Silje は私たちの音楽にたくさんの新しい色彩を与えてくれる。彼女はファンタスティックで、私たちの新しいアルバムでも素晴らしい仕事をしてくれているよ。私は彼女の暖かい声がとても好きなんだ」
1995年の “Mandylion” で “女声のゴシック・ドゥーム” を確立し、シンフォニック・メタルなど後続にも多大な影響を与えた THE GATHERING。結果として、バンドの顔であった Anneke Van Giersbergen はスターダムを確立し、2007年に脱退してしまいます。もちろん、Anneke の声は THE GATHERING のみならずメタル世界における女声の “基準点” となりましたが、新たに加入した Silje Wergeland の北欧からオランダへと吹き抜ける瑞々しい歌風も、存分にリスナーの心を溶かしているのです。
「まあほら、人生いろいろだよ。もちろん、元ベースの Marjolein が2014年に辞めたのは大きかったね。だから、しばらく活動をやめることにしたんだ。生活の中で他のことをするためにね」
そうして今、私たちは THE GATHERING 約10年ぶりのアルバムを手にすることとなりました。2012年にリリースされた “Disclosure” とそのB面作品 “Afterwords” を聴けば、Silje の涼やかなボーカル・スタイルがエニグマティックに進化した THE GATHERING サウンドの中核にあるのは明らかで、それはこの新作でも同様でしょう。今回は、対となるB面 “Interference” が同日にリリースされましたが、このEP最後の曲は裏名盤 “How To Measure A Planet?” のタイトル曲のライブバージョンであり、そういった意味でもこの美麗なるつがいは THE GATHERING 全てのクラシックの中でもあの作品に接近しているように感じます。
「あのころ、私の好きだったバンドは様々なアルバムを作り、実験することを恐れていなかったからね。だから、私たちもそうしなければならなかったし、実験と交配は私たちの遺伝子の中に存在しているんだ」
“Beautiful Distortion” は、ポスト・ロックやアート・ロックと融合した繊細なオルタナティブ/ ポスト・プログレッシブの音の葉で化粧をほどこされ、相変わらず美しく、折衷的で、隔世のサウンドトラックのような景色を映し出しています。オランダのパイオニアは雨の日の叙事詩 “Home” 以来、ドラマ性以上により物悲しい曲作りをする傾向にあります。彼らは、切なさに “重み” を加える比類のないコツを知っていて、ロマンチックなフラスコとビーカーで未知の化合物へと仕立て上げていくのです。
感情的なコードの流れに揺蕩う明と暗の漂流物、ミッドテンポの軌道に打ち上げられた崇高と歪みの二律背反。知性と対比を駆使しつつ、オープニングを飾るカムバック・シングル “In Colour” の秋を彩るメロディと騒めく木々のコンポジションは、THE GATHERING がヴィヴァルディのごとく四季を司る音楽家であることを証明しています。”How to Measure a Planet?” や “Home” のプロデューサー、Attie Bauw の仕事も白眉。
今回弊誌では、ドラマーにしてバンドのエンジン Hans Rutten にインタビューを行うことができました。「CELTIC FROST, PARADISE LOST はもちろん、COCTEAU TWINS, DEAD CAN DANCE, PINK FLOYD, SLOW DIVE, それに MASSIVE ATTACK も。RUSH や VOIVOD のようなバンドもみんな大好きだよ」 どうぞ!!

THE GATHERING “BEAUTIFUL DISTORTION” : 9.9/10

INTERVIEW WITH HANS RUTTEN

Q1: First of all, even if there were ‘Afterwords”, but why did you not make any new album for 10 years after “Disclosure,” which completed the new The Gathering with all its intelligence, melody, experimentation, and atmospherics?

【HANS】: Well, life happened. Of course Marjolein, our former bass player, called it quits in 2014. Then we decided to stop for a while. Do other things in life. Family, study, just normal things in life which were moved to the background because The Gathering consumed all our time and energy for many years. We decided to play a bit again in 2018 and made some plans for a new album, but then Covid happened. Well, there are more bands quite slow as it comes with new albums and touring. It is what it is.

Q1: “Afterwords” があったとはいえ、基本的に THE GATHERING は “Disclosure” のあと10年も沈黙を続けることになりました。
“Disclosure” は知性、メロディ、実験性、アトモスフィアが完璧に噛み合った傑作だっただけに長い沈黙でしたよ。

【HANS】: まあほら、人生いろいろだよ。もちろん、元ベースの Marjolein が2014年に辞めたのは大きかったね。だから、しばらく活動をやめることにしたんだ。生活の中で他のことをするためにね。
家族、勉強、生活の中の普通のこと。THE GATHERING には何年も私たちのすべての時間とエネルギーを注ぎ込んでいたからね。だから普通の生活に移ることも必要だった。
2018年にまた少し演奏することにして、新しいアルバムの計画も立てたんだけど、その後 Covid のアレやコレやが起こったんだ。まあ、新しいアルバムとツアーにかんしては、かなり遅れているバンドが増えたよね。それが現状なんだ。

Q2: Beautiful distortion is a great title! It is a beautiful piece of music born in a distorted time of pandemics, war, and division, would you agree?

【HANS】: Yes, unfortunately There’s so much distortion lately that it is difficult to see the beauty in things. We have so many problems to solve, it feels depressive at times. But I do think we made a nice piece of music to keep people company during these hard times.

Q2: それにしても、”Beautiful Distortion” とは素晴らしいタイトルですね!
まさにそのパンデミックや戦争、分断など様々な “歪み” のある世界から儚くも力強く生まれた美しいアルバムですね?

【HANS】: そうなんだ。残念ながら最近は “歪み” が多くて、物事の美しさを見るのが難しいからね。解決しなければならない問題が多すぎて、鬱陶しく感じることもあるよ。
でも、この大変な時期に、人々に寄り添えるような素敵な音楽ができたと思っているよ。

Q3: There was a time when The Gathering was Anneke, and you actually did a reunion show with her, but now Silje’s Scandinavian style is also the face of The Gathering, isn’t it? How do you see the difference between the two?

【HANS】: There was also a time with The Gathering with Bart and Marike, our first album. The Gathering had many line up changes, unfortunately. It is not wise to compare both Anneke and Silje. They are very different singers. I know lots of people are doing this, but it’s just not fair. Silje brings so many new colours to our music. She is fantastic and has done a great job on our new album. I love her warm voice very much.

Q3: かつて、THE GATHERING といえば Anneke という時代もありましたし、実際にリユニオン・ショーも行われたわけですが、今では Silje のスカンジナビア的スタイルこそが THE GATHERING の顔となっていますよね?

【HANS】: それに、Bart と Marike との THE GATHERING、私たちのファースト・アルバムの時期も忘れてはいけないよ。THE GATHERING は残念ながら、何度もラインアップが変わっているバンドだから。
Anneke と Silje の二人を比較するのは賢明ではないだろうね。二人は全く異なるシンガーなんだから。多くの人がそうしているのは知っているけれど、それはフェアじゃない。Silje は私たちの音楽にたくさんの新しい色彩を与えてくれる。
彼女はファンタスティックで、私たちの新しいアルバムでも素晴らしい仕事をしてくれているよ。私は彼女の暖かい声がとても好きなんだ。

Q4: The Gathering has always changed its musical style from death metal to gothic metal to electronica to alternative, In the early 90’s, the diversity of metal began to flourish and many bands started to try different directions, but there were no bands as eclectic as you. Why did you take different paths instead of one?

【HANS】: This just happened. I think we just love to crossover genres and to experiment, not thinking about commercial aspects. This makes it hard for listeners, I understand this. On the other hand lots of our fans love this aspect. My favorite bands have made different albums, and were not afraid to experiment. We have to do this as well, it’s in our genes.

Q4: メンバーだけでなく、THE GATHERING はその音楽性も変化し続けていますよね?
デスメタル、ゴシックメタル、エレクトロニカ、オルタナティブ…90年代前半はメタルの多様性が花開いた時期で、様々なバンドが様々な道を歩み始めましたが、それでも THE GATHERING ほど多様なバンドはいませんでしたね?

【HANS】: ああいった変化は、ただ自然に起こったことなんだ。私たちはジャンルをクロスオーバーさせたり、商業的な面を考えずに実験するのが好きなだけなんだよね。そうすることが、普通のリスナーにとっては難しいことであることは理解しているんだ。
でも一方で、多くのファンがそうした部分を気に入ってくれているのも事実だ。あのころ、私の好きだったバンドは様々なアルバムを作り、実験することを恐れていなかったからね。だから、私たちもそうしなければならなかったし、実験と交配は私たちの遺伝子の中に存在しているんだ。

Q5: Could you tell us about some of the bands that emerged in the early 90’s that you identified with?

【HANS】: Celtic Frost, Paradise Lost, but also Cocteau Twins, Dead Can Dance, Pink Floyd and Slowdive, and even Massive Attack. We all love bands like Rush and Voivod as well. Somehow these bands inspired us, musically, but always with the acknowledgement that music comes first. The rest is less important. I loved old metal because of this. The scene back then was about the music and not the gimmick. Now it has changed, but I am glad I was part of this scene back then!

Q5: そういった、あなたたちが好きだった、共感を覚えていた実験的なバンドとは具体的にどういった人たちだったんですか?

【HANS】: CELTIC FROST, PARADISE LOST はもちろん、COCTEAU TWINS, DEAD CAN DANCE, PINK FLOYD, SLOW DIVE, それに MASSIVE ATTACK も。RUSH や VOIVOD のようなバンドもみんな大好きだよ。
こうしたバンドが、どういうわけか私たちに音楽的なインスピレーションを与えてくれるんだよね。おそらく、常に音楽が第一であるということを認識しているからだろうな。逆にいえば、それ以外のことはあまり重要ではないんだよ。だから私は、あの時代の古いメタルが好きだった。当時のシーンは音楽が中心で、ギミックが中心ではなかったからね。今は変わってしまったけど、だからこそ当時このシーンの一員であったことを嬉しく思っているよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HANS’S LIFE

VOIVOD “DIMENSION HATROSS”

RUSH “HEMISPHERES”

INTERPOL “TURN ON THE BRIGHT LIGHTS”

CELTIC FROST “INTO THE PANDEMONIUM”

MASSIVE ATTACK “MEZZANINE”

HANS RUTTEN

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